(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591196
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】光源用の駆動デバイス
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20191007BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20191007BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
H05B37/02 G
H05B37/02 B
B60Q1/00 C
B60R16/02 645Z
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-103468(P2015-103468)
(22)【出願日】2015年5月21日
(65)【公開番号】特開2016-15311(P2016-15311A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2018年3月9日
(31)【優先権主張番号】PD2014A000129
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515084786
【氏名又は名称】オートモーティブ・ライティング・イタリア エス.ピー.エー.・エー・ソシオ・ウニコ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ダビデ・バッカリン
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・グイオット
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−232419(JP,A)
【文献】
特開2002−351378(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0245344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02 − 39/10
B60Q 1/00 − 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源の駆動デバイスであって、
−おのおのが少なくとも1つの光源(12)に接続された複数の出力チャンネル(22)を有し、前記複数の出力チャンネル(22)のおのおのに電源電流を設定するのに適したマルチチャンネル電流制御モジュール(20)と、
−前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された少なくとも1つの静的設定レジスタ(54)であって、前記駆動デバイスがスタンド・アロン動作モードにある場合に、前記マルチチャンネル電流制御モジュールが各出力チャンネルに設定する必要のある電源電流値に対応する静的駆動設定が予めロードされている、少なくとも1つの静的設定レジスタ(54)と、
−前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)に動作可能に接続された少なくとも1つの動的設定レジスタ(56)であって、前記動的設定レジスタは、電子制御ユニットに接続されたデジタル伝送データ・バスから受信された動的駆動設定をロードするのに適しており、前記動的駆動設定は、前記駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合、前記マルチチャンネル電流制御モジュールが各出力チャンネルに設定する必要のある電源電流値に対応する、少なくとも1つの動的設定レジスタ(56)と、
−前記駆動デバイスの動作モードを示す選択信号(582)にしたがって、前記静的駆動設定または動的駆動設定を前記マルチチャンネル電流制御モジュールに送信するのに適した第1の設定選択手段(58)と、
を備える駆動デバイス。
【請求項2】
前記第1の設定選択手段(58)は、前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された出力端子(584)と、前記静的設定レジスタ(54)に接続された第1の入力端子(585)と、前記動的設定レジスタ(56)に接続された第2の入力端子(586)と、第1の入力および第2の入力のうちのどちらの信号が前記出力端子へ伝送されるのかのベースとなる選択入力端子(582)と、を有する第1の設定マルチプレクサを備える、請求項1に記載の駆動デバイス。
【請求項3】
少なくとも前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)に供給するためのアナログ電源回路(VDDA)と、少なくとも前記動的設定レジスタ(56)に供給するためのデジタル電源回路(VDDD)とを備え、前記第1の設定選択手段(58)は、前記デジタル電源回路にデジタル電源が存在することに依存して、駆動設定を選択するのに適している、請求項1または2に記載の駆動デバイス。
【請求項4】
前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)のために一定の基準電流(ISET)を提供するのに適した全体電流設定モジュール(30)を備える、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の駆動デバイス。
【請求項5】
前記デジタル伝送データ・バスから受信された0乃至1の値である利得をロードするのに適した、動的電流利得のレジスタと、前記駆動デバイスが前記バス制御動作モードにある場合、前記利得を、前記一定の基準電流で多重化するのに適した電流利得設定モジュール(90)とを備える、請求項4に記載の駆動デバイス。
【請求項6】
前記出力チャンネル(22)に接続されたLED(12)のおのおのにおける短絡故障および/または開路故障を検知するのに適した診断モジュール(40)と、
前記一定の基準電流よりも低い値の一定の故障電流を前記マルチチャンネル電流制御モジュールに提供するのに適切な故障電流モジュール(100)と、
前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された故障チャンネルの動的レジスタ(402)とを備え、
前記診断モジュール(40)は、前記故障チャンネルを除くすべてのチャンネルがディセーブルされている前記マルチチャンネル電流制御モジュールの駆動設定を、前記故障チャンネルの動的レジスタ(402)に書き込むことに適しており、前記マルチチャンネル電流制御モジュールの電源を、基準電流から故障電流へと切り換えるように命令することに適している、請求項4または5に記載の駆動デバイス。
【請求項7】
前記診断モジュールによって生成された選択信号(412)に基づいて、前記故障チャンネルの動的レジスタに存在する駆動設定と、第1の選択手段によって選択された駆動設定とのうちの1つを、前記マルチチャンネル電流制御モジュールへ送信するのに適した第2の選択手段(60)を備える、請求項6に記載の駆動デバイス。
【請求項8】
前記診断モジュール(40)は、少なくとも1つの他の駆動デバイスの故障状態を示す外部入力を有し、前記診断モジュールは、前記外部入力に故障信号が存在する場合、前記マルチチャンネル電流制御モジュールのすべての出力チャンネル(22)をディセーブルするのに適している、請求項6または7に記載の駆動デバイス。
【請求項9】
前記バス制御動作モードでは、前記診断モジュール(40)の出力は、少なくとも1つのチャンネルまたは別の駆動デバイスにおける故障の存在と、前記デジタル伝送データ・バスによって受信された故障管理命令とに依存する、請求項6乃至8のうち何れか1項に記載の駆動デバイス。
【請求項10】
車両用光源(500)であって、
コンテナ・ボディと、
複数の光源(12)を収納するハウジング・チャンバを形成できるように、前記コンテナ・ボディに近接して配置されたレンチキュラ・ボディと、
請求項1乃至9のうちの何れか1項にしたがう光源の駆動デバイス(10)と、
を備える車両用光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にLEDのような光源用の駆動デバイスと、このような駆動デバイスを備えられた車両用ライトに関する。
【背景技術】
【0002】
LED駆動装置としても知られているLED光源を駆動するためのデバイスは、マルチチャンネル電流コントローラを備えるとして知られており、マルチチャンネル電流コントローラは、少なくとも1つのLEDがおのおのに接続されている複数の出力チャンネルを有し、LEDへ電力を供給するために、これら出力チャンネルのおのおのに、一定の電流を設定することが可能である。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの駆動デバイスは、光源を静的に駆動することに適しており、これら光源をすべて同時に、オンまたはオフする。他の駆動デバイスは、車両の指示ライトであるLEDを漸次的にオンし、連続的な方式で、LEDをオンまたはオフするように、動的な照明効果を達成するように設計されている。
【0004】
必要とされる照明効果が静的であるかまたは動的であるかに依存して、対応するタイプの駆動デバイスが使用される。
【0005】
本発明の目的は、必要とされる照明効果に依存して、光源を静的および動的の両方で駆動することが可能な駆動デバイスを提案することである。
【0006】
このような目的は、請求項1に記載の駆動デバイスによって達成される。従属項は、本発明の好適な実施形態を記載している。
【0007】
本発明にしたがうデバイスの特性および利点は、何れのケースであれ、添付図面が参照された限定しない例によってなされる好適な実施形態からなる以下に与えられる記載から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明にしたがう駆動デバイスのブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明にしたがう駆動デバイスのより詳細なブロック図である。
【
図3】
図3は、複数の光源12からなる駆動デバイス10のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
説明を続けると、本発明の範囲を限定することなく、光源の好適な例としてLEDが参照される。
【0010】
駆動デバイス10は、マルチチャンネル電流制御モジュール20と、全体電流設定モジュール30と、診断モジュール40と、制御および設定ユニット50と、内部電源電圧制御モジュール80と、を備える。
【0011】
マルチチャンネル電流制御モジュール20は、複数の電流調整器を備える。複数の電流調整器のおのおのは、例えば、おのおのが少なくとも1つのLED12に接続されるのに適した端子に接続された16個の出力チャンネルのような、それぞれの出力チャンネル22に関連付けられている。例えば、おのおのの出力チャンネル22は、任意の直列および/または並列および/またはマトリクス構成によって相互接続された複数のLED12に接続されている。マルチチャンネル電流制御モジュール20は、出力チャンネル22のおのおのに、電源電流を設定するのに適している。
【0012】
1つの実施形態では、この電流制御モジュール20は、例えばMOSトランジスタのようなスイッチ24を備えている。スイッチ24のおのおのは、光デバイスのそれぞれの出力チャンネル22に関連付けられ、各チャンネルの電流を、全体電流設定モジュール30によって設定された値に調整することを担当する。
【0013】
各出力チャンネル22は、イネーブルまたはディセーブルされうる。ディセーブルされたチャンネルでは、循環電流は0であり、診断は提供されない。
【0014】
少なくとも1つのLEDに接続された各チャンネルの電源電流の値は、例えば、基準電流ISETを取得するために(
図2に図示されるような)外部レジスタRSETを利用する全体電流設定モジュール30によって決定される。したがって、全体電流設定モジュール30は、各出力チャンネル22において循環させるための電流の値を示すインジケーションをマルチチャンネル電流制御モジュール20に提供する。
【0015】
診断モジュール40は、マルチチャンネル電流制御モジュール20の出力チャンネル22における短絡故障または開路故障を検知し、故障の存在時に、制御および設定ユニット50へ故障状態をレポートすることに適している。さらに、診断モジュール40は、開路故障条件および短絡故障条件を決定するしきい値信号42と、LEDの電源電圧があるしきい値を超えた場合に診断モジュールをイネーブルするイネーブル信号44とを受信し、他の駆動デバイスと外部診断信号46を交換する。
【0016】
より詳細に以下に説明されるように、制御および設定ユニット50は、駆動デバイスの設定を決定し、マルチチャンネル電流制御モジュール20を制御する。特に、制御および設定ユニット50は、デジタル伝送データ・バス(「バス駆動モード」)によって外部電子制御ユニットによって制御される動作モードと、「スタンド・アロン・モード」との両方で、駆動デバイスを動作させることが可能である。
【0017】
このような目的のために、制御および設定ユニット50は、データと、例えば、伝送データ・バスを介したクロック信号のような制御信号52を交換することに適している。
【0018】
電源電圧制御モジュール80は、駆動デバイスのアナログ部分、特にマルチチャンネル電流制御モジュール20に供給するアナログ供給電圧VDDAと、駆動デバイスのデジタル部分、特に制御および設定ユニット50に供給するデジタル供給電圧VDDDと、の両方を調節するために適している。
【0019】
例えば、アナログ供給電圧VDDAは、駆動デバイスのアナログ部分、特に、電流生成器に電力を提供する電源システムから直接到来し、一般に7乃至18Vからなる値を有する。
【0020】
デジタル供給電圧VDDDは、最大7Vを有する信号である。
【0021】
次に、本発明にしたがう駆動デバイスのアーキテクチャをより詳細に図示する
図2の図面に移って、制御および設定ユニット50は、マルチチャンネル電流制御モジュール20に動作可能に接続された少なくとも1つの静的設定レジスタ54と、マルチチャンネル電流制御モジュール20にも動作可能に接続された少なくとも1つの動的設定レジスタ56と、を備える。
【0022】
静的設定レジスタ54では、駆動デバイスがスタンド・アロン動作モードにある場合、マルチチャンネル電流制御モジュール20が各出力チャンネル22のために設定する必要がある電源源流値に対応する静的駆動設定が、予めロードされる。
【0023】
例えば、1つの実施形態では、静的設定レジスタ54では、駆動デバイスがスタンド・アロン動作モードにある場合、例えば、バイナリ値「0」が「オフ」状態に関連付けられ、バイナリ値「1」が「オン」状態に関連付けられたバイナリ状態に対応する、マルチチャンネル電流制御モジュール20の各電流コントローラに関連付けられた静的駆動設定が、予め負荷される。
【0024】
動的設定レジスタ56は、デジタル伝送データ・バスから受信された動的駆動設定をロードするために適しており、動的駆動設定は、駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合に、マルチチャンネル電流制御モジュール20が各出力チャンネル22のために設定する必要のある電源電流値に対応している。
【0025】
例えば、1つの実施形態では、動的設定レジスタ56は、デジタル伝送データ・バスから受信された動的駆動設定をロードするために適しており、動的駆動設定は、駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合、例えば、バイナリ値「0」が「オフ」状態に関連付けられ、バイナリ値「1」が「オン」状態に関連付けられるように、マルチチャンネル電流制御モジュール20の各電流コントローラに関連付けられたバイナリ状態に対応している。
【0026】
制御および設定ユニット50はさらに、駆動デバイスの動作モードを示す選択信号582にしたがって、静的駆動設定または動的駆動設定をマルチチャンネル電流制御モジュール20へ送信するのに適した第1の設定選択手段58を備える。
【0027】
好適な実施形態では、第1の選択手段は、マルチチャンネル電流制御モジュール20に動作可能に接続された出力端子584と、静的設定レジスタ54に接続された第1の入力端子585と、動的設定レジスタ56に接続された第2の入力端子586と、第1の入力および第2の入力のうちのどちらの信号が出力端子584へ伝送されるのかのベースとなる選択入力端子582と、を有する第1の設定マルチプレクサ58を備える。
【0028】
好適な実施形態では、設定選択手段58は、電源調整ユニット80内におけるデジタル電源VDDDの存在に基づいて、駆動設定を選択すること適している。
【0029】
デジタル電源電圧VDDDが存在するが、電子制御ユニットが故障しており、バス上にデータが不在であるケースにおいて、設定選択手段58が、動的駆動設定を選択することを阻止するために、ANDゲート59から選択信号582が到来する。ANDゲート59の入力は、デジタル電源電圧VDDDの存在を示す信号と、伝送データ・バスに接続された電子制御ユニットによってバス制御動作モードへ渡すようにとのコマンドの受信を示す情報を提供する信号BDM_Flagとである。
【0030】
1つの実施形態によれば、静的駆動設定は、例えば、少なくとも2つの可能な静的設定のうちの1つが、それぞれの静的設定レジスタ54’および54”にロードされている、静的設定マルチプレクサ70による選択の結果である。この選択は、好適には駆動デバイスの外部からアクセス可能な、静的選択端子72によって実行されうる。
【0031】
好適な実施形態によれば、制御および設定ユニット50は、デジタル・データ伝送バスから受信される0乃至1の利得値BDM_Gainをロードするのに適した動的電流利得のレジスタ、を備える。駆動デバイスはさらに、駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合、全体電流設定モジュール30に動作可能に接続され、利得BDM_Gainを一定の電流基準ISETと多重化するのに適した、電流利得設定モジュール90を備える。
【0032】
さらなる実施形態では、制御および設定ユニット50は、おのおのが出力チャンネル22に一義的に出力チャンネル22に関連付けられている複数の動的電流利得レジスタを備える。このようなレジスタは、デジタル伝送データ・バスから受信された0乃至1の利得値BDM_Gain_Xをロードするのに適している。駆動デバイスはさらに、駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合、全体電流設定モジュール30に動作可能に接続され、利得BDM_Gainを一定の電流基準ISETと多重化するのに適した、電流利得設定モジュール90を備える。
【0033】
診断機能に戻って、1つの実施形態では、設定および制御ユニット50はさらに、マルチチャンネル電流制御モジュール20に動作可能に接続された、故障チャンネルの動的レジスタ402を備える。診断モジュール40は、故障しているものを除くすべての出力チャンネル22がディセーブルされている、マルチチャンネル電流制御モジュール20のための駆動設定を、故障チャンネルの動的レジスタ402に書き込むことに適している。
【0034】
故障チャンネルがその通常の機能を再開するか否かを確認するために、一定の基準電流よりも低い故障電流を用いて故障出力チャンネルを駆動することを考慮する1つの実施形態では、駆動デバイスはさらに、このような故障電流を、基準電流ISETの代わりに、マルチチャンネル電流制御モジュール20に提供することに適した故障電流モジュール100を備える。
【0035】
故障の存在下では、診断モジュール40は、マルチチャンネル電流制御モジュールの電源を、基準電流から故障電流に切り換えるように制御するのに適している。
【0036】
前述したように、診断モジュール40は、出力チャンネル22に接続されたLED12の短絡故障、出力チャンネル22の開路故障、別の駆動デバイスからの故障信号46、のうちの少なくとも1つの状態が生じた場合に、制御および設定ユニット50に、故障状態をシグナルする。例えば、420,422,46といった3つの故障状態を示す信号が、ORゲート404の入力にレポートされ、その出力405が、故障状態を示すために使用される。
【0037】
故障の最初の2つのケースでは、診断ユニット40は、故障チャンネルを除くすべての出力チャンネル22がディセーブルされるマルチチャンネル電流制御モジュール20の故障チャンネル402の動的レジスタに駆動設定を書き込み、故障の3番目のケースでは、診断ユニット40は、すべての出力チャンネル22がディセーブルされる故障チャンネル402の動的レジスタに駆動設定を書き込む。このケースでは、実際、例えば、光が完全にオフされるようにそれぞれの光源を非アクティブにするために、例えば同じ車両用ライトのような同じ光の照明のために使用される程度まで、すべての駆動デバイスが互いに接続され、同じ電子制御ユニットに属していることが望ましい。
【0038】
さらに、診断モジュール40によって短絡故障または開路故障であると誤られている光源の低電源電圧VDDAを阻止するために、診断モジュールによって検出される電源電圧が予め決定されたしきい値よりも高い場合にアクティブになる診断イネーブル信号44とともに、ORゲート404の出力信号405が、第1のANDゲート406の入力に伝送される。
【0039】
好適な実施形態では、バス駆動動作モードにおいて、駆動デバイスの動作モードを示すSAM/BDM(スタンド・アロン・モード/バス駆動モード)信号、およびデジタル伝送データ・バスから受信され、例えば、バス制御モードにおいて設定状態レジスタに書き込まれる故障管理命令を示すBDM_Status信号を、入力として有する第3のANDゲート410から到来する出力信号411とともに、第1のANDゲート406の出力が、第2のANDゲート408の入力に伝送される。例えば、LEDが故障し、チャンネルが損なわれているものの、残りのチャンネルが、意図された機能の測光を等しく提供する場合、バス制御動作モードでは、この状態は、動作しているチャンネルを用いて機能を保証することによって管理されうる。あるいは、光が、ある数の右および左の光源から構成されている場合、左の光源が故障しているのであれば、右の光源がアクティブのままとなる、またはその逆となること決定されうる。
【0040】
その結果、バス制御モードでは、その診断をイネーブルまたはディセーブルするように、または、所望された故障設定でマルチチャンネル電流制御モジュール20を制御するように、駆動デバイスに対して命令することが可能である。
【0041】
したがって、好適な実施形態では、故障状態を示す診断モジュール40の出力412は、さまざまな故障状態のコンビネーションOR404によって、診断イネーブル信号42とORゲート404の出力との後続するANDコンビネーション406によって、および、駆動デバイスの動作モード、さらにはバス制御モードのケースではバスを経由して提供される故障管理命令の動作モードを考慮する信号411と第1のANDゲート406の出力との間のさらなるANDコンビネーション408によって、与えられる。
【0042】
好適な実施形態によれば、制御および設定ユニット50は、前述したように、診断モジュール40によって生成される選択信号412に基づいて、故障チャンネル402の動的レジスタに存在する駆動設定と、第1の選択手段58によって選択された駆動設定のうちの1つを、マルチチャンネル電流制御モジュール20へ送信するのに適した第2の選択手段60を備える。
【0043】
例えば、第2の選択手段60はまた、第1の選択手段の出力、すなわち、静的な駆動設定および動的な駆動設定のうちの1つと、診断モジュール40によって決定された故障設定とを入力として有する、セレクタまたはマルチプレクサから構成される。マルチプレクサ412の選択入力は、診断モジュール40の出力である。
【0044】
1つの実施形態では、制御および設定ユニット50は、グローバル・アクティベータ110によってマルチチャンネル電流制御モジュール20と通信する。電源電圧制御モジュール80から到来し、電源電圧が安定化された場合にアクティブになるグローバル・イネーブル信号112が存在する場合に、グローバル・アクティベータ110は、制御および設定ユニット50から受信し、マルチチャンネル電流制御モジュール20の駆動設定を送信する。
【0045】
したがって、本発明にしたがう駆動デバイスは、静的および動的な照明効果を提供するデュアル機能を保証するのに適した回路ブロックを用いて適合される。電流利得設定モジュール90を考慮する好適な実施形態では、例えば、電流の強度を参照して徐々にライトアップする指示ライトを生成するために、異なる駆動電流を設定することが可能である。
【0046】
スタンド・アロン・モードとデータ・バス制御モードとの両方で動作しうる駆動デバイスを有する利点が、同じ駆動デバイスが多くの異なる光源の制御アーキテクチャを用いて利用されうるという事実によって示された。
【0047】
本発明にしたがう駆動デバイスは、周知のデバイスよりもより用途が広く、さらには、データ・バスを経由して接続された電子制御ユニットが故障したケースにおいて、本発明にしたがうデバイスは、何れのケースであれ、動的な効果無しで、基本的な動作を保証する。
【0048】
本発明はまた、コンテナ・ボディと、複数の光源を収納するハウジング・チャンバを形成できるように、コンテナ・ボディに近接して配置されたレンチキュラ・ボディと、を備えた車両用ライトに関連する。このような複数の光源は、電気を供給された場合に光を放出することに適しており、レンチキュラ・ボディを通過することが意図されている。車両用ライトはさらに、前述したように、複数の光源を駆動するように構成された駆動デバイスを備える。
【0049】
当業者は、本発明にしたがって、駆動デバイスの実施形態に対して変形および修正を行い、以下の特許請求の範囲の保護の範囲内にありながら、付随要件を満足できるように、等価な他の機能と要素を置き換える。可能な実施形態に属するものとして記載される特性のおのおのは、記載されている他の実施形態と独立して実現されうる。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
特にLEDのような複数の光源の駆動デバイスであって、
−おのおのが少なくとも1つの光源(12)に接続された複数の出力チャンネル(22)を有し、前記複数の出力チャンネル(22)のおのおのに電源電流を設定するのに適したマルチチャンネル電流制御モジュール(20)と、
−前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された少なくとも1つの静的設定レジスタ(54)であって、前記駆動デバイスがスタンド・アロン動作モードにある場合に、前記マルチチャンネル電流制御モジュールが各出力チャンネルに設定する必要のある電源電流値に対応する静的駆動設定が予めロードされている、少なくとも1つの静的設定レジスタ(54)と、
−前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)に動作可能に接続された少なくとも1つの動的設定レジスタ(56)であって、前記動的設定レジスタは、電子制御ユニットに接続されたデジタル伝送データ・バスから受信された動的駆動設定をロードするのに適しており、前記動的駆動設定は、前記駆動デバイスがバス制御動作モードにある場合、前記マルチチャンネル電流制御モジュールが各出力チャンネルに設定する必要のある電源電流値に対応する、少なくとも1つの動的設定レジスタ(56)と、
−前記駆動デバイスの動作モードを示す選択信号(582)にしたがって、前記静的駆動設定または動的駆動設定を前記マルチチャンネル電流制御モジュールに送信するのに適した第1の設定選択手段(58)と、
を備える駆動デバイス。
[C2]
前記第1の設定選択手段(58)は、前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された出力端子(584)と、前記静的設定レジスタ(54)に接続された第1の入力端子(585)と、前記動的設定レジスタ(56)に接続された第2の入力端子(586)と、第1の入力および第2の入力のうちのどちらの信号が前記出力端子へ伝送されるのかのベースとなる選択入力端子(582)と、を有する第1の設定マルチプレクサを備える、C1に記載の駆動デバイス。
[C3]
少なくとも前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)に供給するためのアナログ電源回路(VDDA)と、少なくとも前記動的設定レジスタ(56)に供給するためのデジタル電源回路(VDDD)とを備え、前記第1の設定選択手段(58)は、前記デジタル電源回路にデジタル電源が存在することに依存して、駆動設定を選択するのに適している、C1または2に記載の駆動デバイス。
[C4]
前記マルチチャンネル電流制御モジュール(20)のために一定の基準電流(ISET)を提供するのに適した全体電流設定モジュール(30)を備える、C1乃至3のうち何れか1項に記載の駆動デバイス。
[C5]
前記デジタル伝送データ・バスから受信された0乃至1の値である利得をロードするのに適した、動的電流利得のレジスタと、前記駆動デバイスが前記バス制御動作モードにある場合、前記利得を、前記一定の基準電流で多重化するのに適した電流利得設定モジュール(90)とを備える、C4に記載の駆動デバイス。
[C6]
前記出力チャンネル(22)に接続されたLED(12)のおのおのにおける短絡故障および/または開路故障を検知するのに適した診断モジュール(40)と、
前記一定の基準電流よりも低い値の一定の故障電流を前記マルチチャンネル電流制御モジュールに提供するのに適切な故障電流モジュール(100)と、
前記マルチチャンネル電流制御モジュールに動作可能に接続された故障チャンネルの動的レジスタ(402)とを備え、
前記診断モジュール(40)は、前記故障チャンネルを除くすべてのチャンネルがディセーブルされている前記マルチチャンネル電流制御モジュールの駆動設定を、前記故障チャンネルの動的レジスタ(402)に書き込むことに適しており、前記マルチチャンネル電流制御モジュールの電源を、基準電流から故障電流へと切り換えるように命令することに適している、C1乃至5のうち何れか1項に記載の駆動デバイス。
[C7]
前記診断モジュールによって生成された選択信号(412)に基づいて、前記故障チャンネルの動的レジスタに存在する駆動設定と、前記第1の選択手段によって選択された駆動設定とのうちの1つを、前記マルチチャンネル電流制御モジュールへ送信するのに適した第2の選択手段(60)を備える、C6に記載の駆動デバイス。
[C8]
前記診断モジュール(40)は、少なくとも1つの他の駆動デバイスの故障状態を示す外部入力を有し、前記診断モジュールは、前記外部入力に故障信号が存在する場合、前記マルチチャンネル電流制御モジュールのすべての出力チャンネル(22)をディセーブルするのに適している、C6または7に記載の駆動デバイス。
[C9]
前記バス制御動作モードでは、前記診断モジュール(40)の出力は、少なくとも1つのチャンネルまたは別の駆動デバイスにおける故障の存在と、前記デジタル伝送データ・バスによって受信された故障管理命令とに依存する、C6乃至8のうち何れか1項に記載の駆動デバイス。
[C10]
車両用光源(500)であって、
コンテナ・ボディと、
複数の光源(12)を収納するハウジング・チャンバを形成できるように、前記コンテナ・ボディに近接して配置されたレンチキュラ・ボディと、
C1乃至9のうちの何れか1項にしたがう光源の駆動デバイス(10)と、
を備える車両用光源。