(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(C)成分の原液組成物中の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエアゾール型泡状酸化染毛剤第1剤組成物。
【背景技術】
【0002】
従来、染毛剤として、酸性染料を用いたヘアマニキュア、塩基性染料を用いたカラートリートメント、酸化染料を用いた酸化染毛剤等が知られている。その中でも、染毛力や堅牢性が高い点で酸化染毛剤が最も優れており、染毛剤といえば酸化染毛剤を指すことも多い。
【0003】
酸化染毛剤の剤型としては、クリーム状や乳液状の剤型が最も一般的であるが、塗布する際にブラシ等の器具を使用するため、使用者にある程度の技術を要求する。そのため、クリーム状や乳液状の剤型よりも伸びが良く塗り広げやすいことや細部へなじみが良いことに加え、ブラシ等の道具を使用せずに手で塗布することもできることから、毛髪全体に均一に塗布しやすい泡状の剤型が利用されるようになっている。
【0004】
泡状の剤型には、発泡剤を用いて泡立てる剤型、容器で振り混ぜることによって泡立てる剤型またはポンプフォーマーによって泡立てる剤型等がある。その中でも、エアゾール型の剤型は、エアゾール容器のボタンを押すだけで泡を吐出して即座に使え、特に泡立てる操作も必要ないので簡便であり、使用量が自由に調節できることから、複数回に分けて使用することもできるため好ましい剤型であると言える。
【0005】
酸化染毛剤は、アルカリ剤と酸化剤の反応を利用して染毛を行うため、アルカリ剤と酸化剤は別々の剤に含有されていることが好ましい。よって、エアゾール型とする場合は、2剤以上を同時に吐出して使用する複数剤式とすることが一般的であり、アルカリ剤を含有する剤を第1剤、酸化剤を含有する剤を第2剤と呼ぶことが多い。また、各剤は、各剤の原液組成物をLPG等の噴射剤と共に別々にエアゾール容器に収容された形態が一般的である。
【0006】
上記のようなエアゾール型泡状酸化染毛剤は、LPG等の噴射剤が吐出する際に気化することで発泡する仕組みである。低温条件下では噴射剤が気化しにくくなるので、発泡しにくくなるという問題があり、以下の特許文献1のような検討がなされている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、用語の説明をする。本発明においてエアゾール型泡状酸化染毛剤組成物は複数剤式である。例えば2剤式である場合、エアゾール型泡状酸化染毛剤第1剤組成物とエアゾール型泡状酸化染毛剤第2剤組成物の2つの剤で構成される。3剤以上で構成されても良いが、好ましくは2剤式である。
【0018】
本発明において原液組成物とは、噴射剤とともにエアゾール容器に収容し、泡状に吐出するために用いる組成物である。
【0019】
本発明においてエアゾール型泡状酸化染毛剤第1剤組成物とは、アルカリ剤を含有した原液組成物が噴射剤とともにエアゾール容器に収容され、泡状に吐出できる状態になったものである(以下単に「第1剤」と呼ぶこととする)。また、エアゾール型泡状酸化染毛剤第2剤組成物とは、酸化剤を含有した原液組成物が噴射剤とともにエアゾール容器に収容され、泡状に吐出できる状態になったものである(以下単に「第2剤」と呼ぶこととする)。
【0020】
本発明において混合物とは、エアゾール型泡状酸化染毛剤組成物を構成する複数剤の混合物を指す。本発明が開示するエアゾール型泡状酸化染毛剤組成物は複数剤が使用時にエアゾール容器から吐出されるため、当該混合物は泡状であることを指すことがほとんどであるが、毛髪に適用した後の、破泡した混合物を指す場合もある。
【0021】
吐出させた各剤または混合物の毛髪への適用方法は、いったん手に取って毛髪に適用する、ブラシに取って毛髪に適用するもしくは直接毛髪に適用することが好ましい。ここで手を用いる場合は、手袋を装着することが好ましい。泡を適用する範囲は、毛髪全体であってもよく、特定の部分のみであってもよい。
【0022】
本発明において非イオン性界面活性剤のHLBとは、親水性−親油性のバランス(Hydrophile−Lipophile Balance)を示す指標であり、種々の方法がある。ここでは、「Griffin法」および「ハンドブック−化粧品・製剤原料−改定版 日光ケミカルズ株式会社 1977年,854〜855ページ」に記載されている「実測値による方法」のいずれかを用いて算出することが好ましい。「HLB値は10.0以上」とは、「Griffin法」および「実測値による方法」のいずれかにおいてHLBが10.0以上である界面活性剤を意味する。
【0023】
本発明の説明に先立って、第1剤や第2剤、噴射剤、エアゾール容器、第1剤と第2剤の混合比について説明する。
【0024】
第1剤の原液組成物の剤型は、エアゾール容器から泡状に吐出できる限り特に限定されないが、可溶化物、乳化物または多層分離型等が挙げられる。乳化物である場合、噴射剤の影響によりクリーミング等を起こしやすいため詰まりや吐出不良を引き起こしやすく、多層分離型である場合はエアゾール容器に噴射剤と共に収容する際に不均一になりやすいため、可溶化物が好ましい。
【0025】
第1剤は原液組成物中にアルカリ剤を含有する。
【0026】
第1剤の原液組成物中のアルカリ剤は特に限定されないが、アンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)およびそれらの塩等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0027】
第1剤のpHは8.0〜12.0であることが好ましい。
【0028】
第1剤は原液組成物中に酸化染料を含有する。
【0029】
第1剤の原液組成物中の酸化染料の含有量は0.01質量%〜7.0質量%が好ましい。
【0030】
第1剤の原液組成物中の酸化染料は特に限定されないが、パラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、5−アミノオルトクレゾール、パラアミノフェノール、メタアミノフェノール、オルトアミノフェノール、4−ジアミノフェノキシエタノール、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、2−アミノ−5−ニトロフェノール、レゾルシン、α−ナフトール、パラメチルアミノフェノール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノールおよびそれらの塩類等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0031】
第1剤は原液組成物中に酸化染料に加えてさらに、酸性染料、塩基性染料、天然染料、分散染料等を含有しても良く、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0032】
第1剤の原液組成物中の酸性染料は特に限定されないが、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号の(1)、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色401号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0033】
第1剤の原液組成物中の塩基性染料は特に限定されないが、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0034】
第1剤の原液組成物中の天然染料は特に限定されないが、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0035】
第1剤の原液組成物中の分散染料は特に限定されないが、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0036】
第2剤の原液組成物の剤型は、エアゾール容器から泡状に吐出できる限り特に限定されないが、可溶化物や乳化物、多層分離型が挙げられる。
【0037】
第2剤は原液組成物中に酸化剤を含有する。
【0038】
第2剤の原液組成物中の酸化剤は特に限定されないが、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。
【0039】
第2剤の原液組成物中の酸化剤の含有量は0.1〜15.0質量%であることが好ましい。
【0040】
第2剤のpHは1.0〜5.0であることが好ましい。
【0041】
噴射剤は、周知の噴射剤を使用することができる。例えば、LPG、ジメチルエーテル等の液化ガス、炭酸ガス、窒素ガス等の圧縮ガスが挙げられる。これらの中でも液化ガスが好ましい。これらの1種または2種以上を使用できる。
【0042】
エアゾール容器に収容する原液組成物と噴射剤の質量比は、原液組成物:噴射剤=90:10〜98:2であることが好ましい。90:10よりも噴射剤の比率が高い場合は、吐出する勢いが強く飛び散る場合がある。98:2よりも原液組成物の比率が高い場合は、常温や低温条件下に関わらず発泡しにくくなる。
【0043】
エアゾール容器は、周知のエアゾール容器を用いる事ができる。第1剤と第2剤とを使用直前に混合する必要があるため、通常、それぞれの原液組成物は別々のエアゾール容器に収容される。噴射剤の力により吐出されると、噴射剤が気化して膨張することで泡が形成される。
【0044】
また、1本の缶の中に2つの内袋および連結部材を収容し、混合物を泡状に吐出するエアゾール容器も使用できる。内袋を有するエアゾール容器において、内袋の中に各剤の原液組成物と噴射剤を収容するエアゾール容器も使用できる。
【0045】
エアゾール容器の材質や内圧は、アルカリ剤、酸化剤、噴射剤の種類や原液組成物の収容方法に合わせて適宜選択できる。
【0046】
第1剤および第2剤を含む複数剤の混合比は特に限定されないが、第1剤:第2剤=1:5〜5:1が好ましい。第1剤:第2剤=1:5〜5:1以外の場合は染毛効果が得られない場合がある。
【0047】
第1剤と第2剤の混合物のpHは7.0〜12.0であることが好ましい。
【0048】
本発明の第1剤は、その原液組成物中に(A)アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤を含有する。これは、エアゾール容器に原液組成物とLPGを共に充填した場合に、原液組成物中にLPGを溶解させることにより、低温条件下で発泡性を高める効果、塗布後のすすぎ時に指通りを良くする効果および乾燥後の感触を良くする効果がある。
【0049】
本発明の前記(A)成分の原液組成物中の含有量は、2.0質量%〜10.0質量%が好ましく、3.5質量%〜8.0質量%がより好ましい。2.0質量%未満の場合は低温条件下の発泡性が悪くなる場合があり、10.0質量%を超えて含有しても効果は変わらない。
【0050】
本発明の前記(A)成分は特に限定されないが、ジエタノールアミド型、モノエタノールアミド型、モノイソプロパノールアミド型等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、すすぎ時の指通りが良い点で、ジエタノールアミド型を含有することが好ましい。
【0051】
本発明の前記(A)成分のジエタノールアミド型は特に限定されないが、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、乾燥後の感触が良い点でヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを含有することが好ましい。
【0052】
本発明の第1剤は、その原液組成物中に(B)HLBが10.0以上の非イオン性界面活性剤((A)成分を除く)を含有する。これは、前記(A)成分を原液組成物中に溶解させる効果がある。
【0053】
本発明の前記(B)成分のHLBは10.0以上が好ましく、HLBが12.0以上がより好ましく、15.5以上が最も好ましい。HLBが10.0未満の場合は前記(A)成分の溶解が不十分になり分離する場合がある。
【0054】
本発明の前記(B)成分の原液組成物中の含有量は、1.0質量%〜7.0質量%が好ましく、2.0質量%〜6.0質量%がより好ましく、2.5質量%〜5.0質量%が最も好ましい。1.0質量%未満の場合は前記(A)成分の溶解が不十分になり分離する場合があり、7.0質量%を超える場合は、すすぎ時の指通りが悪くなる場合がある。
【0055】
本発明の前記(B)成分は特に限定されないが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド等のうち親水性のものが挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、アルカリ性において安定性が良い点で、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有することが好ましい。
【0056】
本発明の前記(B)成分のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、前記(A)成分の溶解性が良い点でポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0057】
本発明の第1剤は、その原液組成物中に(C)アルカノールアミンを含有する。これは、酸化剤と反応することで酸化染料の酸化重合を促進する効果、毛髪を膨潤させて浸透性を高める効果および前記(A)成分を原液組成物中に溶解させる効果がある。
【0058】
本発明の前記(C)成分の原液組成物中の含有量は0.5質量%〜10.0質量%であることが好ましい。0.5質量%未満の場合は前記(A)成分の溶解が不十分になり分離する場合がある。10.0質量%を超える場合は毛髪を傷めてしまう場合がある。
【0059】
本発明の前記(C)成分は特に限定されないが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、染毛力が高い点でモノエタノールアミンを含有することが好ましい。
【0060】
本発明の第1剤は、染毛力や脱色力を補助する目的で、その原液組成物中に、前記(C)成分以外のアルカリ剤を併用してもよい。前記(C)成分以外のアルカリ剤は特に限定されないが、アンモニア、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)およびそれらの塩等が挙げられ、1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて含有することができる。上記の中でも、染毛力が高い点でアンモニアを含有することが好ましい。
【0061】
本発明の第1剤には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記成分の他に通常染毛剤に用いられる成分として、任意の成分を含有しても良い。例えば、水、ヒドロキシエチルセルロースを含む水溶性ポリマー、高級アルコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールを含む溶剤、前記(A)成分および前記(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、脂肪酸、増粘剤、タンパク質類、アミノ酸類、油脂、ロウ類、シリコーン類、流動パラフィンを含む炭化水素、ソルビトール、マルトース等の糖類、加水分解タンパク、シリル化タンパク等のタンパク質誘導体、パラベン、安息香酸ナトリウム等の防腐成分、EDTA−2Na、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート成分、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、フェノキシエタノール、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定成分、pH調整成分、亜硫酸Na等の酸化防止成分、植物または生薬抽出物、アスコルビン酸類を含むビタミン類、香料等から選ばれる1種以上を含有しても良い。また、例えば、「医薬部外品原料規格2006統合版」(薬事日報社)に収載されるものから選ばれる1種以上を含有してもよい。
【実施例】
【0062】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
本発明に示す評価試験において、原液組成物中に含まれる成分および、その含有量を種々変更しながら実施した各種の実験結果を以下に示す。なお、原液組成物中の各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、各成分の含有量は純分換算した数値、比率は質量比を示し、これを常法にて調製した。
【0064】
本発明に示す評価試験において、表示されたHLB値は「実測値による方法」によって算出したものである。
【0065】
各実施例の原液組成物を同時吐出機構を備えたエアゾール容器に充填し、それぞれ表に示される質量比で噴射剤(LPG)を充填して、各実施例の第1剤を調製した。
【0066】
本発明に示す評価試験において、「低温条件下の泡立ち」、「すすぎ時の指通り」および「乾燥後の感触」について評価した。
【0067】
本発明に示す評価試験において、「低温条件下の泡立ち」は5℃に設定した恒温槽に第1剤を一晩保管し、恒温槽から取り出して上下に20回ほど振とうしたのち、泡を吐出し、即時の状態を下記の評価基準に従い外観を評価した。
【0068】
「低温条件下の泡立ち」の評価基準
◎:完全に泡である
○:ほぼ泡であるが若干液がみられる
△:液と泡が混ざった状態
×:液である
評価:○以上を良好とみなす
【0069】
本発明に示す評価試験において、「すすぎ時の指通り」および「乾燥後の感触」は、評価用に第2剤の原液組成物を別途調製した。その原液組成物を表1に示す。調製した原液組成物を同時吐出機構を備えたエアゾール容器に充填し、表に示される質量比で噴射剤(LPG)を充填して、第2剤を調製した。
【0070】
【表1】
【0071】
本発明に示す評価試験において、第1剤と第2剤の混合比率は1:1に設定した。
【0072】
「すすぎ時の指通り」および「乾燥後の感触」は専門のパネラー10名に実際に使用させ、すすぎ時の指通りと乾燥後の感触を下記の評価基準のように評価し、その平均点を小数点以下第一位を四捨五入して評価結果とした。また、この際の使用方法は、同時吐出機構を備えたエアゾール容器から第1剤と第2剤を別々に吐出させた後、毛髪に適用する前または毛髪に適用する際に混合し、毛髪に適用後5分放置して40℃の水ですすぎ、その時の指通りを「すすぎ時の指通り」として評価した。すすぎ後、毛髪をドライヤーで乾燥し、熱気がなくなった時の指通りを「乾燥後の感触」として評価した。なお、塗布量は第1剤と第2剤をそれぞれ40g、合計80gとした。
【0073】
「すすぎ時の指通り」の評価基準
5:指通りが特に良い
4:指通りが良い
3:指通りが問題ない程度
2:指通りがやや悪い
1:指通りが悪い
評価:3以上を良好とみなす
【0074】
「乾燥後の感触」の評価基準
5:指通りが特に良い
4:指通りが良い
3:指通りが問題ない程度
2:指通りがやや悪い
1:指通りが悪い
評価:3以上を良好とみなす
【0075】
本発明に示す評価試験において、「低温条件下の泡立ち」、「すすぎ時の指通り」、「乾燥後の感触」全ての項目において良好なもののみ本発明を実施できたものと判断する。
【0076】
<第1評価試験>
第1評価試験では、前記(A)成分の種類および含有量を様々に代えた第1剤に関して評価した。原液組成物の成分、含有量、原液組成物:噴射剤の比率および評価結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
<第2評価試験>
第2評価試験では、前記(B)成分の種類および含有量を様々に代えた第1剤に関して評価した。原液組成物の成分、含有量、原液組成物:噴射剤の比率および評価結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】
<第3評価試験>
第3評価試験では、前記(C)成分の種類および含有量を様々に代えた第1剤に関して評価した。原液組成物の成分、含有量、原液組成物:噴射剤の比率および評価結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】
<第4評価試験>
第4評価試験では、第2剤の原液組成物の成分組成違いのすすぎ時の指通りを評価した。評価用の第1剤を表5の実施例27に示し、評価用の第2剤は、表1に示したものと、表6に示したものを用いた。また、評価結果を表7に示す。
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
表7に示すように、第2剤の原液組成物の成分組成を代えてもすすぎ時の指通りおよび乾燥後の感触が良いことが分かり、本発明の第1剤を構成に含むことですすぎ時の指通りおよび乾燥後の感触を改善できることが分かる。