特許第6591306号(P6591306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6591306ネガティブ型感光性樹脂組成物、これを用いて形成される光硬化パターンおよび画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591306
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ネガティブ型感光性樹脂組成物、これを用いて形成される光硬化パターンおよび画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/085 20060101AFI20191007BHJP
   G03F 7/033 20060101ALI20191007BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20191007BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20191007BHJP
   C08F 232/04 20060101ALI20191007BHJP
   C08F 220/28 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   G03F7/085
   G03F7/033
   G02B5/20 101
   G02F1/1339 500
   C08F232/04
   C08F220/28
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-24743(P2016-24743)
(22)【出願日】2016年2月12日
(65)【公開番号】特開2016-161938(P2016-161938A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年7月9日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0031010
(32)【優先日】2015年3月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジ−ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソン−ビン
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ヨン−ファン
【審査官】 塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−251385(JP,A)
【文献】 特開2012−008571(JP,A)
【文献】 特開2009−223277(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/136897(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004 − 7/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ可溶性樹脂、光重合モノマー、光重合開始剤、溶剤、および下記化学式1のチオール化合物を含み、
前記アルカリ可溶性樹脂は、下記化学式2の繰り返し単位を含む第1樹脂、および下記化学式3の繰り返し単位を含む第2樹脂を含む
ことを特徴とするネガティブ型感光性樹脂組成物:
【化1】
(前記化学式1において、Rは、−SHまたは−R’SHであり、前記R’は、C1〜C5のアルキレンである
【化2】
(前記化学式3において、Rは、水素またはメチルである)。
【請求項2】
前記アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のネガティブ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が20〜200mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のネガティブ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、4,000〜25,000であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のネガティブ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して、
前記アルカリ可溶性樹脂10〜90重量%;
前記光重合モノマー5〜70重量%;
前記光重合開始剤0.1〜20重量%;および
前記化学式1のチオール化合物0.1〜20重量%を含み、
感光性樹脂組成物の総重量に対して、
前記溶剤40〜95重量%を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のネガティブ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載のネガティブ型感光性樹脂組成物で形成される光硬化パターン。
【請求項7】
前記光硬化パターンは、アレイ平坦化膜パターン、保護膜パターン、絶縁膜パターン、フォトレジストパターン、ブラックマトリックスパターン、カラムスペーサパターン、およびブラックカラムスペーサパターンから選択されることを特徴とする請求項に記載の光硬化パターン。
【請求項8】
請求項またはに記載の光硬化パターンを含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物に関し、より詳細には、基板に対する密着性、保存安定性などに優れたネガティブ型感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ分野において、感光性樹脂組成物は、フォトレジスト、絶縁膜、保護膜、ブラックマトリックス、カラムスペーサなどの多様な光硬化パターンを形成するために使用される。具体的には、感光性樹脂組成物をフォトリソグラフィ工程によって選択的に露光および現像して、所望の光硬化パターンを形成するが、この過程で工程上の収率を向上させ、適用対象の物性を向上させるために、高感度を有する感光性樹脂組成物が要求されている。
【0003】
感光性樹脂組成物のパターン形成は、フォトリソグラフィ、すなわち、光反応によって起こる高分子の極性変化および架橋反応による。特に、露光後、アルカリ水溶液などの溶剤に対する溶解性の変化特性を利用する。
【0004】
感光性樹脂組成物によるパターン形成は、感光された部分の現像に対する溶解度によって、ポジティブ型(positive type)とネガティブ型(negative type)に分類される。ポジティブ型フォトレジストは、露光された部分が現像液によって溶解し、ネガティブ型フォトレジストは、露光された部分が現像液に溶けるのではなく、露光されていない部分が溶解してパターンが形成される方式であり、ポジティブ型とネガティブ型は、使用されるバインダー樹脂、架橋剤などにおいて互いに異なる。
【0005】
近年、タッチパネルを備えたタッチスクリーンの使用が爆発的に増加しており、スクリーンなどに用いられる各種基板などの素材として、ガラス、プラスチック、シリコンなどが使用される。また、必要に応じて、基板上に、金属膜、非金属膜、金属酸化膜、非金属酸化膜などが設けられる。これらの基板上に設けられる膜を具体的に例示すると、無定形シリコン膜、窒化シリコン膜、シリコン酸化膜、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ、Al、Mo、Crなどである。
【0006】
感光性樹脂組成物をこれらの上に塗布させてパターンを形成するが、この時、感光性樹脂組成物と基板との密着性が良好でなければ、パターンの剥離が起こったり、現像性が低下するなどの問題が発生することがある。
【0007】
このような感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するために、従来の密着性向上剤を感光性樹脂組成物に添加することが公知である。特許文献1は、ベンゾトリアゾール類を感光性樹脂組成物に含有させることにより、基板との密着性を向上させようとしたが、この場合、保存安定性が低下したり、厳しい条件下で密着性が十分でないなどの問題があり、これに対する十分な改善が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−171968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためのものであって、金属基板との密着力に優れ、耐化学性、保存安定性などに優れたネガティブ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、前記ネガティブ型感光性樹脂組成物を用いて形成された光硬化パターンを提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記光硬化パターンを含む画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合モノマー(B)、光重合開始剤(C)、溶剤(D)、および下記化学式1のチオール化合物(E)を含むことを特徴とするネガティブ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0013】
【化1】
【0014】
前記化学式1において、Rは、−SHまたは−R’SHであり、前記R’は、C1〜C5のアルキレンである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のネガティブ型感光性樹脂組成物は、基板に対する密着性および保存安定性に優れるという利点を提供することができる。
【0016】
また、前記ネガティブ型感光性樹脂組成物を用いて形成された光硬化パターンは、優れた耐熱性および耐化学性を示すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明は、
アルカリ可溶性樹脂(A)、光重合モノマー(B)、光重合開始剤(C)、溶剤(D)、および下記化学式1のチオール化合物(E)を含むことを特徴とするネガティブ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0019】
【化2】
【0020】
前記化学式1において、Rは、−SHまたは−R’SHであり、前記R’は、C1〜C5のアルキレンである。
【0021】
以下、本発明の構成要素別に詳細に説明する。
【0022】
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明の感光性樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂(A)は、パターンを形成する時の現像処理工程で用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を付与する成分であって、当該分野で通常使用されるアルカリ可溶性樹脂であれば特に制限しない。
【0023】
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、下記化学式2の繰り返し単位を含む第1樹脂、および下記化学式3の繰り返し単位を含む第2樹脂を含むことがより好ましいことがある。
【0024】
【化3】
【0025】
前記化学式3において、Rは、水素またはメチル(−CH)である。
【0026】
本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)が前記化学式2の繰り返し単位を含む第1樹脂を含むことにより、エッチャント処理後、金属(metal)などの基板上での密着性が向上する効果を示すことができる。前記基板は、金属膜、非金属膜、金属酸化膜、非金属酸化膜などが設けられた基板であってもよい。これらの基板上に設けられる膜を具体的に例示すると、無定形シリコン膜、窒化シリコン膜、シリコン酸化膜、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0027】
また、本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)が前記化学式3の繰り返し単位を含む第2樹脂を含むことにより、熱工程段階において、熱による開環(ring opening)反応およびそれによる重合(polymerization)を加速化して、反応性が向上し、工程的には耐化学性、すなわち、エッチャントによる損傷(damage)が少ない効果を示すことができる。
【0028】
前記第1樹脂および第2樹脂は、互いに独立に、化学式2および化学式3の繰り返し単位以外にも、当該分野で公知の他の単量体由来の繰り返し単位をさらに含むことができる。前記第1樹脂および第2樹脂に付加可能な繰り返し単位を形成する単量体は特に限定はないが、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;
フマル酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸類およびこれらの無水物;
ビニルトルエン、p−クロロスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどの両末端にカルボキシ基と水酸基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレートなどの脂環族(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート類;
炭素数4〜16のシクロアルカンまたはジシクロアルカン環で置換された(メタ)アクリレート類;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフルオロメチルオキセタンなどの不飽和オキセタン化合物;メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和オキシラン化合物;などから選択された1種または2種以上が挙げられ、より好ましくは、(メタ)アクリル系単量体が使用できる。
【0029】
本発明において、「(メタ)アクリル−」は、「メタクリル−」、「アクリル−」、またはこれら両者を意味する。
【0030】
前記(メタ)アクリル系単量体は、より好ましくは、下記化学式4の単量体であってもよい。
【0031】
【化4】
【0032】
前記化学式4において、Rは、水素またはメチル(−CH)である。
【0033】
本発明のアルカリ可溶性樹脂が前記化学式4の単量体由来の繰り返し単位を含む場合、露光段階での光硬化反応が可能で、耐化学性の向上に寄与することができる。
【0034】
本発明において、アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量は、4,000〜25,000であることが好ましく、8,000〜15,000であることがより好ましいことがある。前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が前記範囲の場合、本発明の感光性樹脂組成物がより優れたパターン形成性、現像性および保管安定性を示すことができる。
【0035】
また、本発明において、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が20〜200mgKOH/gであることが好ましく、40〜100mgKOH/gであることがより好ましいことがある。酸価が前記範囲にあれば、優れた現像性および経時安定性を有することができる。
【0036】
アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は特に限定はないが、感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で、通常10〜90重量%、より好ましくは25〜70重量%含まれていてもよい。アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が前記範囲の場合、現像液への溶解性が十分で、現像残渣が発生しにくく、現像性に優れ、優れた機械的物性を有する光硬化パターンを形成することができて望ましい。
【0037】
(B)光重合モノマー
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる光重合モノマー(B)は、後述する光重合開始剤の作用で重合可能なモノマーであって、二重結合を含み、光重合開始剤によって生成されたラジカルと反応する。前記光重合モノマーは、他の光重合モノマーまたはアルカリ可溶性樹脂と結合して架橋結合を形成することができる。
【0038】
前記光重合モノマーは、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、その他の多官能モノマーなどが挙げられる。
【0039】
前記単官能モノマーの具体例としては、グリシジルメタクリレート(glycidyl methacrylate)、ヒドロキシエチルメタクリレート(hydroxyethyl methacrylate)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(2−hydroxy−3−phenoxypropyl acrylate)、ジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(diethyleneglycol methylether methacrylate)、ヒドロキシエチルアクリレート(hydroxyethyl acrylate)、ブチルメタクリレート(butyl methacrylate)、ヒドロキシプロピルアクリレート(hydroxypropyl acrylate)、2−フェノキシエチルアクリレート(2−phenoxyethyl acrylate)、2−フェノキシエチルメタクリレート(2−pheonoxyethyl methacrylate)、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(3,3,5−trimethylcyclohexyl methacrylate)、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)、イソボルニルメタクリレート(isobornyl methacrylate)、イソデシルアクリレート(isodecyl acrylate)、イソデシルメタクリレート(isodecyl methacrylate)、イソオクチルアクリレート(isooctyl acrylate)、ラウリルアクリレート(lauryl acrylate)、ステアリルアクリレート(stearyl acrylate)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(tetrahydrofurfuryl acrylate)、またはトリデシルアクリレート(tridecyl acrylate)などが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上が混合されて使用できる。
【0040】
前記2官能モノマーまたは多官能モノマーの具体例としては、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(dipentaerythritol hexaacrylate)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(pentaerythritol triacrylate)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(pentaerythritol tetraacrylate)、トリメチルプロパントリアクリレート(trimethylpropane triacrylate)、トリメチルプロパントリメタクリレート(trimethylpropane trimethacrylate)、グリセロールトリアクリレート(glycerol triacrylate)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート[tris(2−hydroxyethyl)isocyanurate triacrylate]、ジ−トリメチルプロパンテトラアクリレート(di−trimethylpropane tetraacrylate)、ジペンタエリスリトールペンタクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate)、またはペンタエリスリトールテトラアクリレート(pentaerythritol tetraacrylate)などが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0041】
前記光重合モノマー(B)は、感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で、通常5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲で使用できる。前記範囲に含まれる場合、画素部の強度、工程の進行に伴う残膜率、コンタクトホール特性が良好になる傾向があるので望ましい。特に、光重合モノマーが5重量%未満の場合、微細パターンを形成しにくく、バインダー樹脂との結合力が低くなって、フォトレジストパターンの形態安定性が低下することがある。
【0042】
(C)光重合開始剤
本発明に係る光重合開始剤(C)は、一定波長の光によって活性化する化合物であって、光によってラジカル(radical)を発生し、前記光重合モノマー(B)を重合させることができるものであれば、その種類を特に制限することなく使用できる。例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、チオキサントン系化合物、オキシムエステル系化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物が使用でき、好ましくは、オキシムエステル系化合物が使用できる。
【0043】
前記アセトフェノン系化合物の具体例を挙げると、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンなどが挙げられる。
【0044】
前記ベンゾフェノン系化合物の具体例を挙げると、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0045】
前記トリアジン系化合物の具体例を挙げると、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0046】
前記ビイミダゾール系化合物の具体例を挙げると、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、または4,4’,5,5’位のフェニル基がカルボアルコキシ基によって置換されているイミダゾール化合物などが挙げられ、好ましくは、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
【0047】
前記チオキサントン系化合物の具体例を挙げると、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0048】
前記オキシムエステル系化合物の具体例を挙げると、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−オクタンジオン−1−(4−フェニルチオ)フェニル−2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−(9−エチル)−6−(2−メチルベンゾイル−3−イル)−1−(o−アセチルオキシム)などが挙げられ、市販品として、CGI−124(チバガイギー社)、CGI−224(チバガイギー社)、Irgacure OXE−01(BASF社)、Irgacure OXE−02(BASF社)、N−1919(アデカ社)、NCI−831(アデカ社)などがある。
【0049】
また、前記光重合開始剤(C)は、本発明の感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始補助剤をさらに含むことができる。本発明に係る感光性樹脂組成物は、光重合開始補助剤を含有することにより、感度がさらに高くなって、生産性を向上させることができる。
【0050】
前記光重合開始剤(C)の含有量は特に限定はないが、例えば、感光性樹脂組成物中の固形分に対して、0.1〜20重量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%含まれていてもよい。前記範囲を満足する場合、感光性樹脂組成物が高感度化されて露光時間が短縮されるため、生産性が向上し、高い解像度を維持することができ、形成した画素部の強度と画素部の表面での平滑性が良好になり得る点で良い。
【0051】
(D)溶剤
本発明の樹脂組成物に含まれる溶剤(D)は特に制限されず、当該分野で通常使用されるものであれば制限なく使用できる。
【0052】
前記溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテルプロピレングリコールプロピルメチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテルなどのプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;メトキシブチルアルコール、エトキシブチルアルコール、プロポキシブチルアルコール、ブトキシブチルアルコールなどのブチルジオールモノアルキルエーテル類;メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、プロポキシブチルアセテート、ブトキシブチルアセテートなどのブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類;メトキシブチルプロピオネート、エトキシブチルプロピオネート、プロポキシブチルプロピオネート、ブトキシブチルプロピオネートなどのブタンジオールモノアルキルエーテルプロピオネート類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテルなどのジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、ピランなどの環状エーテル類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。ここで例示した溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0053】
前記溶剤は、塗布性および乾燥性を考慮した時、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、ブタンジオールアルキルエーテルアセテート類、ブタンジオールモノアルキルエーテル類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が好ましく使用でき、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メトキシブチルアセテート、メトキシブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどが使用できる。
【0054】
前記溶剤(D)は、感光性樹脂組成物全体100重量%に対して、40〜95重量%、好ましくは45〜85重量%含まれていてもよい。前記範囲を満足する場合、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれる場合がある)、インクジェットなどの塗布装置で塗布した時、塗布性が良好になるので望ましい。
【0055】
(E)化学式1のチオール化合物
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる下記化学式1のチオール(thiol)化合物(E)は、基板との密着性向上剤として作用して、感光性樹脂組成物と基板との密着性を向上させる役割を果たす。
【0056】
【化5】
【0057】
前記化学式1において、Rは、−SHまたは−R’SHであり、前記R’は、C1〜C5のアルキレンである。
【0058】
前記化学式1のチオール化合物は、金属膜または酸化膜などに対して親和性のある窒素を含有している。また、これら窒素の非共有電子対は、結合しているフェニル基、チオール基、およびコンジュゲーション構造などによってさらに活性が高くなり得る。このため、前記化学式1のチオール化合物は、金属膜または金属酸化膜などの基板とキレーティングが容易であり、感光性樹脂組成物に含まれることで基板との密着性を向上させる役割をさらに有利に果たせると判断される。
【0059】
前記化学式1のチオール化合物(E)は、感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%含まれていてもよい。含有量が0.1重量%未満の場合、感光性樹脂組成物の基板との密着力向上効果がわずかであり、20重量%を超えて含まれる場合、現像不良に起因するパターン形成不良、感度低下、昇華物発生などの問題が発生することがある。
【0060】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記成分のほか、必要に応じて、充填剤、光重合開始補助剤、UV安定剤、他の高分子化合物、硬化剤、レベリング剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、および凝集防止剤などの添加剤(F)を追加的にさらに含むことができる。前記添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲内で当該分野で通常使用されている添加剤であれば特に制限しない。
【0061】
前記添加剤は、感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%含まれていてもよい。前記範囲の場合、パターン形成に好適であり得る。
【0062】
以下、前記感光性樹脂組成物で製造される光硬化パターンと前記光硬化パターンを含む画像表示装置を説明する。
【0063】
本発明は、前記感光性樹脂組成物で形成される光硬化パターンを提供する。前記感光性樹脂組成物で製造された光硬化パターンは、低温硬化性、耐化学性および密着性などに優れている。これによって、画像表示装置において、各種パターン、例えば、接着剤層、アレイ平坦化膜、保護膜、絶縁膜パターンなどに用いられてよく、フォトレジスト、ブラックマトリックス、カラムスペーサパターン、ブラックカラムスペーサパターンなどに用いられてもよいが、これに制限されるものではなく、特に、フォトレジストパターンに非常に好適である。
【0064】
このような光硬化パターンを備えるか、製造過程中に前記パターンを用いる画像表示装置としては、液晶表示装置、OLED、フレキシブルディスプレイなどがあり得るが、これに限定するものではなく、適用が可能な当該分野で知られたすべての画像表示装置を例示することができる。
【0065】
光硬化パターンは、上述した本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じて、現像工程を経た後、光硬化パターンを形成することにより製造することができる。
【0066】
まず、感光性樹脂組成物を基板に塗布した後、加熱乾燥して、溶剤などの揮発成分を除去して平滑な塗膜を得る。
【0067】
塗布方法としては、例えば、スピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリットアンドスピンコート、スプレー塗布法、スリットコート法、およびこれに限らない通常の方法などによって実施できる。塗布後、加熱乾燥(プリベーク)、または減圧乾燥後に加熱して、溶剤などの揮発成分を揮発させる。ここで、加熱温度は、相対的に低温の70〜100℃である。加熱乾燥後の塗膜厚さは、通常1〜8μm程度であるが、これに限定しない。こうして得られた塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して光を照射する。この時、露光部全体に均一に平行光線が照射され、また、マスクと基板との正確な位置合わせが実施されるように、マスクアライナやステッパなどの装置を用いることが好ましい。光線としては、紫外線のg線(波長:436nm)、h線、i線(波長:365nm)などを用いるとよい。光線の照射量は、必要に応じて適切に選択可能であり、本発明においてこれを限定することはない。前記光線の照射された部分は、光線の照射されない部分に比べて溶解度がはるかに小さくなって、両者の溶解度の差が極大化される。硬化の終わった塗膜を、必要に応じて現像液に接触させて、非露光部を溶解させて現像すれば、目的のパターン形状を形成することができる。
【0068】
前記現像は、液添加法、ディッピング法、スプレー法、およびこれに制限されない方法を適切に用いるとよい。また、現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。前記現像時に使用する現像液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤を含む水溶液であってよい。前記アルカリ性化合物は、無機および有機アルカリ性化合物のいずれでもよい。
【0069】
無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、およびアンモニアなどが挙げられる。
【0070】
また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、およびエタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機および有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
【0071】
アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の好ましい濃度は、0.01〜10重量%の範囲であってもよく、より好ましくは0.03〜5重量%であってもよい。
【0072】
アルカリ現像液中の界面活性剤は、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、または陽イオン系界面活性剤の中から選択される1種以上が使用できる。
【0073】
前記非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
前記陰イオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
【0074】
前記陽イオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアミン塩または4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0075】
これらの界面活性剤は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
【0076】
前記現像液中の界面活性剤の濃度は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0077】
現像後、水洗工程を経て、相対的に低温の100〜150℃の温度で、10〜60分のポストベークを実施する。つまり、本発明のネガティブ型感光性樹脂組成物は、100〜150℃の温度で硬化が可能であり、硬化を経て光硬化パターンを形成、機械的強度を向上させることができる。
【0078】
また、本発明は、前記光硬化パターンを含む画像表示装置を提供する。
【0079】
以下、本発明を、実施例および比較例を用いてより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明は、下記の実施例によって限定されず、多様に修正および変更可能である。本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲の技術的思想によって定められる。
【0080】
<製造例>
製造例1.アルカリ可溶性樹脂の合成
還流冷却器、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lのフラスコ内に、窒素を0.02L/minで流して窒素雰囲気とし、メチルエチルジエチレングリコール300重量部を入れて、撹拌しながら70℃まで加熱した。次に、ノルボルネン(norbornene)20重量部、スチレン30重量部、メタクリル酸45重量部、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(3−Acryloyloxy−2−hydroxypropyl methacrylate)135重量部を、メチルエチルジエチレングリコール140重量部に溶解して溶液を調製した。
【0081】
調製された溶解液を、滴下漏斗を用いて、4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、光重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30重量部を、メチルエチルジエチレングリコール225重量部に溶解した溶液を、別の滴下漏斗を用いて、4時間かけて、フラスコ内に滴下した。光重合開始剤の溶液の滴下が終わった後、4時間、70℃に維持し、その後、室温まで冷却させて、固形分32.4重量%、酸価31mgKOH/g(固形分換算)の共重合体aの溶液を得た。
得られた第1樹脂の重量平均分子量Mwは20,000、分子量分布は3.20であった。
【0082】
製造例2.アルカリ可溶性樹脂の合成
還流冷却器、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lのフラスコ内を窒素雰囲気とし、メチルエチルジエチレングリコール300重量部を入れて、撹拌しながら70℃まで加熱した。次に、下記化学式5および化学式6の混合物(モル比は50:50)300重量部、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート((3−ethyloxetan−3−yl)methyl methacrylate)150重量部、およびメタクリル酸50重量部を、メチルエチルジエチレングリコール140重量部に溶解して溶液を調製した。
【0083】
【化6】
【0084】
調製された溶液を、滴下漏斗を用いて、70℃に保温したフラスコ内に、4時間かけて滴下した。一方、光重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30重量部を、メチルエチルジエチレングリコール225重量部に溶解した溶液を、別の滴下漏斗を用いて、4時間かけて、フラスコ内に滴下した。光重合開始剤溶液の滴下が終わった後、70℃に4時間維持し、その後、室温まで冷却させた。固形分36.7重量%、酸価59mgKOH/g(固形分換算)の共重合体bの溶液を得た。
【0085】
得られた第2樹脂の重量平均分子量Mwは8,000、分子量分布は1.85であった。
【0086】
製造例3.アルカリ可溶性樹脂の合成
ノルボルネン(norbornene)を添加しなかったことを除き、前記製造例1と同様の方法でアルカリ可溶性樹脂を製造して、固形分35.5重量%、酸価が123.7mgKOH/g(固形分換算)の共重合体cの溶液を得た。
【0087】
この時、樹脂の重量平均分子量は15,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0088】
製造例4.アルカリ可溶性樹脂の合成
3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(3−Acryloyloxy−2−hydroxypropyl methacrylate)を添加しなかったことを除き、前記製造例1と同様の方法でアルカリ可溶性樹脂を製造して、固形分35.5重量%、酸価が123.7mgKOH/g(固形分換算)の共重合体dの溶液を得た。
【0089】
この時、樹脂の重量平均分子量は13,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0090】
この時、前記樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定はHLC−8120GPC(東ソー(株)製)装置を用い、カラムはTSK−GELG4000HXLとTSK−GELG2000HXLとを直列接続して用いており、カラム温度は40℃、移動相溶媒はテトラヒドロフラン、流速は1.0ml/分、注入量は50μl、検出器RIを用いており、測定試料の濃度は0.6重量%(溶媒=テトラヒドロフラン)、校正用標準物質はTSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製)を使用した。
【0091】
<実施例および比較例>
下記表1に記載された組成および含有量で混合し、3時間撹拌して、ネガティブ型感光性樹脂組成物を製造した。溶剤として、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(MEDG):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)=40:60(v/v)を250重量部として使用した。
【0092】
【表1】
【0093】
注)
(A)アルカリ可溶性樹脂
a:製造例1の樹脂
b:製造例2の樹脂
c:製造例3の樹脂
d:製造例4の樹脂
(B)光重合モノマー
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
B−2:Ethoxylated trimethylolpropane triacrylate
(C)光重合開始剤
C−1:オキシムエステル系開始剤OXE−01(製造会社BASF)
C−2:イミダゾール系開始剤HABI−101(製造会社:保土谷)
C−3:2,4−ジエチルチオキサントン(2,4−Diethyl thioxanthone(C−DETX))
(E)チオール化合物
E−1:2−メルカプトベンゾイミダゾール(2−mercaptobenzimidazole)
E−2:1H−ベンゾイミダゾール−2−エタンチオール(1H−Benzimidazole−2−ethanethiol)
E−3:1H−ベンゾイミダゾール−2−プロパンチオール(1H−Benzimidazole−2−propanethiol)
(F)添加剤
F−1:ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸(benzotriazole−5−carboxylic acid)
F−2:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
F−3:ベンゾトリアゾール(BTA)
【0094】
<実験例>
ITO膜を成膜した横縦2インチのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を、中性洗剤、水、およびアルコールで順次洗浄した後、乾燥した。この基板上に、前記実施例1〜10および比較例1〜5で製造された感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコーティングした後、ホットプレート(Hot plate)を用いて、90℃で120秒間プリベークした。前記プリベークした基板を常温に冷却後、石英ガラス製フォトマスクとの間隔を150μmとして、露光器(UX−1100SM;Ushio(株)製)を用いて、60mJ/cmの露光量(365nm基準)で光を照射した。
【0095】
光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%とTMAH2.38%を含有する水系現像液に、前記塗膜を25℃で60秒間浸漬して現像し、水洗後、オーブン中にて、90℃で1時間ポストベークを実施した。こうして得られたパターンを、以下のように物性評価を実施し、その結果を下記表2に示した。
【0096】
耐化学性評価
90℃で1時間加熱して硬化段階を経た塗膜を、50℃のetchant(MA−S02、東友ファインケム)溶液(耐酸性評価)、または50℃のstripper(SAM−19、東友ファインケム)(耐剥離液性評価)にそれぞれ10分間浸漬した。前記複数の溶液に放置した時の厚さ変化を観察することにより、耐化学性評価を実施した。厚さ変化率を下記数式1で計算し、厚さ変化率が少ないほど好ましいといえる。評価した結果は下記表2に記載した。
[数式1]
厚さ変化率={(溶液放置前の膜厚さ−溶液放置後の膜厚さ)/(溶液放置前の膜厚さ)}×100(%)
【0097】
前記数式1による厚さ変化率が5%以下であれば「○」、5%超過〜10%以下であれば「△」、10%超過であれば「×」と評価した。
【0098】
密着性評価
90℃で1時間加熱して硬化段階を経た塗膜を、50℃のetchant(MA−S02、東友ファインケム)溶液(耐酸性評価)、または50℃のstripper(SAM−19、東友ファインケム)溶液(耐剥離液性評価)にそれぞれ2分間浸漬した。
【0099】
その後、ASTM D−3359−08の標準試験条件に基づいて、カッターでカッティング(Cutting)した表面を、テープ(Tape)を貼って剥がす方法で密着性を確認した。
【0100】
薬液処理後に、Cutting/Tape試験で塗膜の剥離が発生する程度を、標準試験法に基づいて0B〜5Bに規定して、5Bが最も優れた性能を有すると判断し、評価結果を下記表2に記載した。
<密着性評価基準>
5B:剥離0%
4B:剥離0%超過〜5%未満
3B:剥離5〜15%未満
2B:剥離15〜35%未満
1B:剥離35〜65%未満
0B:65%以上
【0101】
保存安定性評価
実施例1〜10および比較例1〜5で製造された感光性樹脂組成物を、23℃の保管条件で60日間保管して粘度変化を観察し、結果を下記表2に記載した。
<保存安定性評価基準>
粘度変化が2cp以上:×
粘度変化が2cp未満:○
【0102】
透過率評価
前記実施例1〜10および比較例1〜5の感光性樹脂組成物に対して、それぞれUv−vis spectrometer[V−650;日本分光(株)製](石英セル、光路長さ;1cm)を用いて、400nmにおける平均透過率を測定した。結果は下記表2に記載した。
【0103】
【表2】
【0104】
前記表2に記載されているように、本発明のネガティブ型感光性樹脂組成物である実施例1〜10の場合、密着力評価において優れた密着性を示すことを確認し、耐化学性および保存安定性の評価結果も優れた水準であることを確認することができた。
【0105】
反面、比較例1〜5の組成物は、基板に対する密着性が顕著に低いだけでなく、特に、比較例2および3の場合には、組成物の溶解性が良くなくて、使用および評価が不可能な水準であった。保存安定性の場合にも、実施例に比べて優れない結果を示した。