(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記代表値と前記検出器が検出した前記水圧とを用いて前記水位以外の前記貯留液体に関する物理量を導出する導出部を備える請求項1または請求項2に記載の投込式水位計の補助システム。
前記補助計器が2つであって、2つの前記補助計器が前記測定水圧を検出する測定点および前記検出器の水圧検出面上の中心点が一直線上に配置されている場合に、前記計算部は、前記代表値を前記補助計器が測定した水圧の平均とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投込式水位計の補助システム。
前記補助計器は2以上の群に分けられ、一方の群の測定点の水深および前記検出器の傾きに基づいて他群の測定点の水深を算出する他群算出部を備える請求項7に記載の投込式水位計の補助システム。
【背景技術】
【0002】
津波や震災などで被災した原子力発電所などのように、立ち入りが困難となった施設において、その内部の液体の水位の測定が求められることがある。従来から知られる水位計として、開口端が水底に配置されたバブラチューブで水底に気泡を送り込むのに必要な圧力を計測することで水位を算出する気泡式水位計がある。
【0003】
気泡式水位計とは、液体に開口した管からゆっくり気泡を出し、そのときの管内の圧力を計測することで水位を取得する水位計である。管内の圧力が大気圧と管の開口端にかかる水圧との和に等しいことから、この開口端の圧力から、大気圧を差し引いて水位を求めることができる。
【0004】
しかし、気泡式水位計は、気泡を水底に送り込むためのエアー供給源などが必要となり装置が大型になる。また、この装置を液体の近傍に固定するための設置工事が必要となる。
このような設置工事を不要とする水位計に、投込式水位計がある。また、投込式水位計は、気泡式水位計に比べ、装置が小さく操作も容易である。この投込式水位計は、一般産業において、河川の監視プログラムや上下水道などの水位を測定するのに広く用いられている。
【0005】
ところで、投込式水位計が指示する水位は、いくつかの要因によって真の水位からずれることがある。
例えば、水圧に基づいて水位を導く水位計では、貯蔵されている液体の種類によって液体の密度が比重1より高い場合には、水位は実際よりも深いものと表示される。
また、表示部に内蔵されるメータの機械的なずれによって、表示部に送られてくる水位に関する電気信号と水位の指示値とにずれが発生する場合もある。
よって、投込式水位計が算出する水位の指示値の正確性を向上させるためには、ずれの要因ごとに校正または補正などをする必要がある。
【0006】
水位の指示値の正確性の要請は、上述したような作業員が現場に立ち入れない場合にも要求される。現在、遠隔においても適切に補正を施すことで正確な水位を取得できる水位計の研究がなされている。
また、作業員が現場に立ち入れない場合には、一つの投込式水位計でできるだけ多くの水位以外の貯留液体に関する情報の取得も望まれる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
〔投込式水位計20〕
まず、補助システム10が適用される投込式水位計20について
図1および
図2を用いて説明する。
図1は、第1実施形態にかかる補助機能付き投込式水位計100の概略構成図である。
補助機能付き投込式水位計100は、投込式水位計20および補助システム10で構成される。
【0018】
投込式水位計20は、
図1に示されるように、貯留液体中に投げ込まれる検出器24が、信号線38を介して変換部32に接続されている。
変換部32は、例えば中央制御室の内部の表示部26に接続されている。
変換部32は、検出器24から受信した貯留液体の水位に関する電流信号にI/V変換をして、表示部26へ送信する。
【0019】
また、
図2は、投込式水位計20が備える検出器24の概略断面図である。
検出器24は、
図2に示されるように、一方の底面に入水孔が設けられた筐体21によって、円筒状の外形を有している。
筐体21の内部には、入水孔が設けられた底面の付近に圧力センサ22が筐体21を封止するように設置されている。
この圧力センサ22によって筐体21の内部は周囲の貯留液体から隔離されて、圧力センサ22からさらに内部には貯留液体は侵入しない。
【0020】
一方、入水孔が設けられていない他方の底面には、中空ケーブル23が接続されている。中空ケーブル23は、通常時は、筐体21が接続されていない他端で大気開放されており、筐体21の内部を大気圧P
atmに維持させている。圧力センサ22のうち、封止された筐体21の内部に面する一面は、この中空ケーブル23を介して、大気圧P
atmを受ける。なお、検出器24には、この中空ケーブル23を含む伝線29も含まれるものとする。
【0021】
圧力センサ22のうち貯留液体と接触する他面(水圧検出端面)は水圧P
wを受ける。
圧力センサ22は、例えば、隔膜にかかる圧力を電気信号の大きさに変換するダイヤフラム25を利用したものが広く使用されている。
圧力センサ22が備える水圧側ダイヤフラム25aが受ける水圧P
wと、基準圧側ダイヤフラム25bが中空ケーブル23を介して受ける大気圧P
atmとの差圧ΔPは、電圧に変換されて差分部35に読み取られる。
【0022】
この電圧は、V/I変換回路37で電流信号に変換されて、信号線38に出力される。信号線38は、中空ケーブル23および強化線18とともに被覆材28に被覆されて、変換部32(
図1)に接続されている。
変換部32は、検出器24から信号線38を介して受信したこの電流信号をI/V変換をして、表示部26へ送信する(
図1)。
【0023】
ここで、
図3は、水圧側ダイヤフラム25aが受ける水圧P
wおよび基準圧側ダイヤフラム25bが受ける大気圧P
atmの差圧ΔPと水位の指示値との関係を示す図である。
表示部26は、
図3に示されるように、差圧ΔPに基づくこの信号を、取得した水位として表示する。
実施形態にかかる補助システム10は、例えばこのような原理で導かれる水位の指示値の校正、または貯留液体の濃度や温度などの水位以外の副次的な情報の取得など、この投込式水位計20を補助するものである。
【0024】
(第1実施形態)〔補助システム10〕
補助システム10は、
図1に示されるように、補助計器50
n(50
1,50
2)が接続される。
それぞれの補助計器50
nは、例えば、シリコンや金属などからなるバブラチューブ51
n(浸水部材51
n)と、バブラチューブ51
n(51
1,51
2)に加圧をして背圧を計測する計測部53
n(第1計測部53
1,第2計測部53
2)と、から構成される。
2つのバブラチューブ51
nは、開口端27が検出器24の外表面の同一の水深となる位置に、治具19で固定されている。
【0025】
よって、検出器24が液中で傾かずに鉛直に配置されている場合、2つのバブラチューブ51は、水圧側ダイヤフラム25aにかかる水圧と同一の水圧を受ける。
すなわち、バブラチューブ51
nの開口端27の位置であって補助計器50
nが測定する2つの測定点33、および水圧側ダイヤフラム25aの中心点34の受ける水圧は同一になる。
【0026】
ここで、
図4は、第1実施形態にかかる補助システム10の測定点33および中心点34の座標上の配置形状を示す図である。
つまり、
図4は、検出器24を水圧側ダイヤフラム25a側からみたときの配置形状を表している。
2つの測定点33は、座標A(x
1,y
1)および座標B(x
2,y
2)に、中心点34は座標O(X,Y)に配置される。
第1実施形態では、2つのバブラチューブ51の開口端27(測定点33)および検出器24の水圧側ダイヤフラム25aの中心点34は、一直線上に配置されている。
【0027】
このように開口端27が固定されたバブラチューブ51
n(51
1,51
2)は、地上まで引かれる(
図1)。
そして、大気中に開口するバブラチューブ51の自由端は、それぞれ対応する計測部53
nに接続される。
【0028】
計測部53
nは、接続されたバブラチューブ51
nから加圧し、逆に受ける背圧を計測することで、測定点33における水圧P
s(P
s1,P
s2)を取得する。
これらの計測部53
nは、いずれも計算部41に接続される。
測定された水圧(測定水圧P
s)P
s(P
s1,P
s2)は、その大きさが電気信号に変換され、計算部41へ送信される。
【0029】
また、2つの計測部53
nは計算部41を介して接続される。
計算部41は、バブラチューブ51の開口端27の配置形状に基づいた係数を用いて、測定水圧P
s(P
s1,P
s2)を線形結合して代表値Pを計算する。
第1実施形態においては、計算部41は、補助計器50
nが測定した測定水圧P
s(P
s1,P
s2)の平均を代表値Pとする。
【0030】
前述したように、検出器24が液中で傾かずに鉛直に配置されている場合、第1計測部53
nおよび第2計測部53
nは、同一の水圧を計測する。
しかし、検出器24が水底に接触するなどして傾いて配置された場合、バブラチューブ51
nの2つの開口端27の水深は一致しなくなる。
よって、第1計測部53
nおよび第2計測部53
nの計測する測定水圧P
s1,P
s2が一致しなくなる。
【0031】
一致しない2つの測定水圧P
s1,P
s2のうち、いずれかのみを水圧側ダイヤフラム25aが受けた水圧P
wとみなして投込式水位計20の調節に用いると、調節の精度が低下する。
そこで、第1計測部53
nおよび第2計測部53
nがそれぞれ計測した測定水圧P
sの値が異なるときは、検出器24が鉛直方向から傾いて配置されたものと推定して、2つの測定水圧P
s1,P
s2を平均する。
【0032】
測定水圧P
s(P
s1,P
s2)の平均が代表値Pとして適切であることは、下記の理由による。
図4に示されるように、バブラチューブ51の開口端27および水圧側ダイヤフラム25aの中心点34の3点が一直線上になるように配置した場合、水圧側ダイヤフラム25aの中心点34は2つの測定点33の中点になる。
よって、座標Oの位置ベクトルは次式(1)で表され、座標Oのy成分から次式(2)が成り立つ。
【0034】
いま、貯留液体の未定の比例定数をm、測定点33の水深をy
i、中心点34の水深をYとすると、測定点33の水深y
iと測定水圧P
siの関係および中心点34の水深Yと水圧P
sとの関係は、次式(3)で表すことができる。
【数2】
ただし、i(i=1,2)は、各測定点33を示すサフィックスである。
よって、式(2)および式(3)から次式(4)の関係式が導かれる。
【数3】
すなわち、測定水圧P
sの代表値Pを2つの測定水圧P
s1,P
s2の平均とすることで、代表値Pを水圧側ダイヤフラム25aの中心点34が受ける水圧を表すものとすることができる。
【0035】
図1に戻って説明を続ける。
調節部42は、計算した測定水圧の代表値Pを用いて投込式水位計20を調節する。
投込式水位計20を測定水圧の代表値Pで調節する調節部42には種々のものがある。
例えば、調節部42は、測定水圧の代表値Pを用いて投込式水位計20のゼロ点校正をする。
ゼロ点校正とは、水圧側ダイヤフラム25aと基準圧側ダイヤフラム25bが受ける圧力が一致したときに、水位の指示値がゼロを示すように校正することである。
【0036】
ゼロ点校正をする場合、
図1に示されるように、調節部42は、変換部32に接続された校正部43および大気開放された中空ケーブル23に接続された印加部44に接続される。
そして、調節部42は、印加部44に指令して印加部44に測定水圧P
sの代表値Pに相当する圧力を中空ケーブル23に印加させる。
【0037】
印加された圧力は、中空ケーブル23から検出器24の筐体21内部に印加されて、基準圧側ダイヤフラム25bにかかる。
代表値Pは水圧側ダイヤフラム25aにかかる水圧P
wに相当するので、水圧側ダイヤフラム25aが受ける水圧と、基準圧側ダイヤフラム25bが受ける圧力は一致するはずである。
【0038】
よって、このとき差分部35が読み取る差圧ΔPはゼロとなるので、このときの表示部26に表示された水位がゼロとなるように校正部43で校正すれば、検出器24を引き上げることなく、水位の指示値のゼロ点校正をすることができる。
前述したように、投込式水位計20の水位の指示値は多数の要因で真の水位からずれてしまう。
よって、調節部42は補助計器50
nの測定水圧の代表値Pを用いて投込式水位計20を調節するものであれば、上述の一例に限定されない。
【0039】
また、計算部41は、測定水圧の代表値Pを用いて水位以外の貯留液体に関する物理量を導出する導出部49にも接続される。
例えば、2つのバブラチューブ51
nを、水圧側ダイヤフラム25aとその開口端27との深度が異なるように固定することで、代表値Pは、水圧側ダイヤフラム25aとは異なる水深の水圧を表すことになる。
【0040】
導出部49は、例えば、この代表値Pと検出器24が検出した水圧P
wとの差異から、貯留液体の密度を導出する。
さらに、導出部49は、この密度に基づいて貯留液体の成分を推定することもできる。
なお、上述の調節部42は、導出部49に接続されて、導出部49が導出した物理量を利用して投込式水位計20の調節をしてもよい。
【0041】
なお、以上の計算方法は、プログラムに沿ってコンピュータで実行してもよい。
例えば、計算部41、導出部49、校正部43および調整部42は、CPU等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、或いはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、を具備するコンピュータとして構成することができる。
【0042】
この場合、
図1に示す各部のうち、計算部41、導出部49、校正部43および調整部42の機能は、記憶装置に記憶された所定のプログラムをプロセッサが実行することによって実現することができる。
また、このようなソフトウェア処理に換えて、ASIC(Application Specific Integration Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現することもできる。
さらに、これらは、ソフトウェア処理とハードウェアによる処理を組み合わせて実現することもできる。
【0043】
以上のように、第1実施形態にかかる補助システム10によれば、補助計器50
nが固定された検出器24が液中に傾いて配置された場合にも、適切な測定水圧P
sの代表値Pを取得することができる。
また、この代表値Pを用いることで、精度の高い校正または貯留液体に関する精度の高い情報を取得することができる。
【0044】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態にかかる補助システム10の測定点および中心点の座標上の配置形状を示す図である。
第2実施形態にかかる補助システム10は、3つのバブラチューブ51
n(51
1,51
2,51
3)が同一の水深になるように、検出器24の外表面に固定されることで、
図5に示されるように、測定点33が3つ配置される。
【0045】
中心点34の座標をO、3つの測定点33の座標をそれぞれA、B、Cとすると、Oの位置ベクトルは、次式(5)で表わされる。
【数4】
なお、α,β,γは、3つの測定点33(
図5中A,B,C)を通る円の既知の中心角であって、順に三角形の頂点A、B、Cに対応する中心角を表す。
【0046】
よって、中心点34の水深Yは、3つの測定点33の水深(y
1、y
2、y
3)を用いて、次式(6)で表される。
【数5】
よって、前述の式(6)および式(3)から、次式(7)を算出することができる。
【数6】
第2実施形態において、計算部41は、式(7)を用いて、測定水圧P
sの代表値Pを計算する。
【0047】
なお、バブラチューブ51が異なる位置に4つ以上固定される場合にも、任意の3つのバブラチューブ51の開口端27の位置を測定点33として式(7)から中心点34の水圧P
wを表す代表値Pを求めることができる。
さらに、例えば固定されているバブラチューブ51が6つである場合、第1〜第3の測定点33を用いて計算した代表値、および第4〜第6の測定点33を用いて計算した代表値を平均して真の代表値Pとすることで、代表値の精度を高めることができる。
【0048】
このように第2実施形態によれば、測定点33で測定された測定水圧P
sが3つ以上ある場合に、高い精度で中心点34の水圧P
wを表す代表値Pを計算することができる。
また、いずれの2点の測定点33も中心点34を通る一直線上にない場合も、適切な代表値Pを計算することができる。
【0049】
なお、計算部41が式(7)に基づいて測定水圧P
sの代表値Pを計算すること以外は、第2実施形態は第1実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0050】
このように、第2実施形態にかかる補助システム10によれば、第1実施形態の効果に加え、任意の中心角を有して配置された補助計器50
nを用いて、中心点34が受ける水圧P
wに相当する代表値Pを高い精度で計算することができる。
【0051】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態にかかる補助機能付き投込式水位計100の概略構成図である。
また、
図7は、第3実施形態における測定水圧の代表値の計算方法を示す図である。
第3実施形態にかかる補助システム10は、
図6および
図7に示されるように、既得の水圧P
sどうしの差分ΔP
s、およびこの差分ΔP
sに対応する補正量Mを保持するデータ保持部48(
図6,7では「シミュレーション結果保持部48」と表記)を備える。
【0052】
例えば、考慮しなければならない誤差要因が多い場合、特定の計算式に当てはめて計算するよりも、予め計測された実計測値またはシミュレーション結果等を用いて代表値Pを取得する方が精度が高い場合もある。
そこで、第3実施形態では、実計測値等で得られた測定水圧P
sの差分ΔP
sと補正量Mとの関係を用いる。
【0053】
データ保持部48において、測定水圧P
sの差分ΔP
sとこの差分ΔP
sに対応する補正量Mとの関係は、予め実施されたCADを用いたシミュレーションまたは実計測などで関連付けられている。
計算部41は、データ保持部48を参照して、測定した測定水圧P
sどうしの差分ΔP
sに基づいて補正量Mを取得して代表値Pを導く。
【0054】
例えば、
図7に示されるように、補助計器Aの2つの実計測値P
s1およびP
s2の差分ΔP
sが、13.16である場合を考える。
計算部41は、データ保持部48のデータを参照して差分ΔP
sが13.16である場合の、補正量M3.42を取得する。
そして計算部41は、実計測値P
s1およびP
s2のうち数値の大きいP
s1(563.5)からM(3.42)を引いて代表値P=563.5を導く。
なお、データ保持部48に保持される測定水圧P
s、補正量Mおよびこれらのそれぞれの差分ΔP
sは、補助計器50
nの深度に換算されて保持されてもよい。
【0055】
なお、測定水圧P
sの差分ΔP
sと補正量Mとの既得の関係を用いて代表値Pを取得すること以外は、第3実施形態は第2実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0056】
このように、第3実施形態にかかる補助システム10によれば、第1実施形態の効果に加え、現実に発生している誤差要因を含めた正確な代表値Pを取得することができる。
【0057】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態にかかる補助機能付き投込式水位計100の概略構成図である。
図9は、第4実施形態にかかる補助機能付き投込式水位計100の検出器24および補助計器50
nの配置形状を示す図である。
【0058】
第4実施形態にかかる補助システム10は、
図8およそ
図9に示されるように、補助計器50
nが2つの群47から構成される。
夫々の群47(47a,47b)に属する補助計器50
nは検出器24の外表面で同一の水深となる位置に固定される。
そして、補助システム10は、一方の群47の測定点33e(以下、「第1群測定点33e」という)の水深に基づいて他群47の測定点33f(以下、「第2群測定点33f」という)の水深を算出する他群算出部46を備える。
【0059】
検出器24が鉛直に配置されている場合、中心点34と第1群測定点33eとの水深差Fは、第1群測定点33eと第2群測定点33との水平距離dに関わらず、第1群測定点33eと第2群測定点33fとの検出器24に沿った鉛直距離Dとなる。
【0060】
また、
図10は、検出器24が鉛直方向から既知の傾きθを有して配置された場合の測定点33(33e,33f)などの配置形状を示す図である。
検出器24が傾いている場合、
図10に示されるように水深差Fは次式(8)で表わされる。
【数7】
なお、lは中心点34と測定点33と水平距離を表す。
よって、他群算出部46は、第1実施形態などで計算される中心点34の水圧P
wに相当する代表値Pを用いて、第2群測定点33fが測定する測定水圧P
soまたはその代表値Pを推定する。
【0061】
なお、測定水圧P
sから、群の異なる他の補助計器50
nの水深等を補正すること以外は、第4実施形態は第2実施形態と同じ構造および動作手順となるので、重複する説明を省略する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0062】
このように、第4実施形態にかかる補助システム10によれば、第1実施形態の効果に加え、検出器24における固定位置の異なる一方の補助計器50
nの測定点33eの測定水圧を用いて、他の補助計器50
nの測定点33fの水深を推定することができる。
さらに、この水深から、他群の補助計器50
nの測定する測定水圧P
soを推定することもできる。
【0063】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の補助システム10によれば、測定された複数の測定水圧P
sから測定点33の配置形状に基づいて代表値Pを計算することにより、補助計器50
nが固定された検出器24が液中に傾いて配置された場合にも、適切な測定水圧P
sの代表値Pを取得することが可能となる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。