(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るアクチュエータの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るアクチュエータを示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るアクチュエータ10は、位置決め制御及び荷重制御等を行う駆動機構であって、例えば半導体製造の後工程に用いられるダイボンダ、ウェブ搬送装置におけるロールの張力制御等に用いられる。アクチュエータ10は、気体が供給されることにより推力を発生する気体圧アクチュエータである。なお、気体は、例えば圧縮空気でもよいし、その他の種々の気体でもよい。また、本実施形態に係るアクチュエータ10は、例えば半導体チップ、ウェーハ、液晶用ガラス板等の被吸着部品を吸着するために用いられる。
【0018】
アクチュエータ10は、気体が内部に供給されるシリンダ11と、シリンダ11内を往復動するピストン12と、シリンダ11内に形成される気体室である制御圧室20A、定圧室20B、及び真空制御室20Cとを備えている。なお、詳細は後述するが、真空制御室20Cは、制御圧室20Aと定圧室20Bとの間に位置している。以下、定圧室20B側から制御圧室20A側へ向かう方向を「退行方向」ともいい、制御圧室20A側から定圧室20B側へ向かう方向を「進行方向」ともいう。
【0019】
シリンダ11は、略円筒又は多角形の筒状であって、その内部にピストン12を収容している。シリンダ11には、内壁面11aから外壁面11bまでを貫通する開口孔11cが形成されている。開口孔11cは、シリンダ11内の真空制御室20C(詳細は、後述する)に対応して位置しており、真空制御室20Cと連通されている。開口孔11cは、切替部22を介して真空発生部41及び気体供給部42と接続されている。真空発生部41は、真空制御室20Cを減圧することで真空制御室20Cを真空に保持するための真空保持部である。真空発生部41としては、例えば真空ポンプ又はエアエジェクタ等が用いられる。気体供給部42は、真空制御室20Cに気体を供給することで真空制御室20Cを正圧に保持する正圧保持部である。
【0020】
切替部22は、開口孔11cと真空発生部41との接続、及び、開口孔11cと気体供給部42との接続を切り替える。切替部22は、例えば三方弁である。なお、切替部22は、不図示の制御部によってその切り替えが制御されてもよく、手動で切り替えられてもよい。
【0021】
ピストン12は、ピストン本体部13と、ピストン本体部13の両端側に形成されたヘッド部14,15と、ヘッド部15に接続されたロッド部16と、ピストン本体部13の外周面13aに形成された仕切り部17,18とを有している。ヘッド部14及び仕切り部17は退行方向側に位置しており、ヘッド部15及び仕切り部18は進行方向側に位置している。また、ロッド部16は、進行方向側に突出している。以下、ピストン本体部13、ヘッド部14,15、ロッド部16、及び仕切り部17,18について詳細に説明する。
【0022】
ピストン本体部13は、略円柱又は多角形の筒状であって、シリンダ11の軸方向に沿って延びている。ピストン本体部13は、シリンダ11内に進退自在に収容されている。ヘッド部14,15は、ピストン本体部13の外径が拡大された拡径部である。ヘッド部14,15は、略円板状であって、ピストン本体部13の外周面13aよりも外側に突出している。ヘッド部14は、ピストン本体部13における退行方向側の端部に位置し、ヘッド部15は、ピストン本体部13における進行方向側の端部に位置している。
【0023】
ロッド部16は、ヘッド部15の端面15f(ピストン本体部13とは反対側の端面)に接続されている。ロッド部16は、ヘッド部15の端面15fから進行方向に延びている。ロッド部16は、シリンダ11を貫通し、シリンダ11の外部に突出している。ロッド部16は、略円柱状であって、ピストン本体部13よりもやや小さい外径を有している。ロッド部16の先端部16fは、シリンダ11の外部に露出しており、後述する被吸着部品の吸着を行うピストン12の先端部12fを構成している。ロッド部16の先端部16fには、キャップ部19が設けられている。
【0024】
キャップ部19は、小径及び大径を有する円筒部材であって、断面略T字状をなしている。キャップ部19には、ピストン12内に形成された連通流路23(詳細は、後述する)と連通された貫通孔19aが形成されている。キャップ部19の貫通孔19a内には、フィルタ27が配設されている。すなわち、ピストン12の先端部12fにフィルタ27が設けられている。
【0025】
フィルタ27は、ピストン12の先端部12fで被吸着部品の吸着を行う際に、ピストン12の先端部12fから異物が吸い込まれることを防止する機能を有する。フィルタ27は、大気中の異物を補足し、ピストン12の先端部12fから連通流路23内に異物が混入することを抑制し、ひいては連通流路23を通ってシリンダ11内に異物が混入しないようにしている。フィルタ27は、例えば異物よりも小さい貫通孔が形成された略円柱状の部材であり、貫通孔19a内に収容されている。
【0026】
仕切り部17,18は、ヘッド部14とヘッド部15との間に形成されている。仕切り部17,18は、ピストン本体部13の外径が拡大された拡径部である。仕切り部17,18は、略円板状であって、ピストン本体部13の外周面13aよりも突出している。ピストン12の軸方向で、仕切り部17,18の幅は、ヘッド部14,15の幅よりも小さい。
【0027】
仕切り部17は、ピストン本体部13における退行方向側に位置している。具体的に、仕切り部17は、仕切り部18よりもヘッド部14側に位置し、ヘッド部14と所定の間隔を有して位置している。これにより、ピストン本体部13は、仕切り部17とヘッド部14とに挟まれた部分を有する。仕切り部17及びヘッド部14の外径がピストン本体部13の外径よりも大きいため、当該挟まれた部分は、仕切り部17及びヘッド部14よりも内側に窪んでいる。すなわち、ピストン12における仕切り部17とヘッド部14との間には、溝部12aが形成されている。
【0028】
仕切り部18は、ピストン本体部13における進行方向側に位置している。具体的に、仕切り部18は、仕切り部17よりもヘッド部15側に位置し、ヘッド部15と所定の間隔を有して位置している。これにより、ピストン本体部13は、仕切り部18とヘッド部15とに挟まれた部分を有する。仕切り部18及びヘッド部15の外径がピストン本体部13の外径よりも大きいため、当該挟まれた部分は、仕切り部18及びヘッド部15よりも内側に窪んでいる。すなわち、ピストン12における仕切り部18とヘッド部15との間には、溝部12bが形成されている。
【0029】
シリンダ11の内壁面11aとピストン12との間には、例えば不図示の静圧軸受(エアベアリング)が設けられている。供給源(後述する気体供給部40)からの気体が静圧軸受に供給されることにより、シリンダ11の内壁面11aとピストン12との隙間には気体の層が形成される。
【0030】
本実施形態では、ピストン12のヘッド部14とシリンダ11の内壁面11aとの間、及び、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11の内壁面11aとの間に静圧軸受が設けられている。よって、ピストン12のヘッド部14とシリンダ11の内壁面11aとの間には、制御圧室20A(詳細は、後述する)からの気体が矢印A1方向に流れる。すなわち、ピストン12のヘッド部14とシリンダ11の内壁面11aとの間に、気体の層が形成されている。また、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11の内壁面11aとの間には、定圧室20B(詳細は、後述する)からの気体が矢印A2方向に流れる。すなわち、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11の内壁面11aとの間に、気体の層が形成されている。これにより、ピストン12は、シリンダ11の内壁面11aに対して非接触状態とされている。
【0031】
ピストン12は、シリンダ11の内壁面11aに対して非接触とされた状態で、進行移動及び退行移動を繰り返す。進行移動とは、進行方向(制御圧室20A側から定圧室20B側へ向かう方向)の移動(以下、単に「進行移動」ともいう)である。退行移動とは、退行方向(定圧室20B側から制御圧室20A側へ向かう方向)の移動(以下、単に「退行移動」ともいう)である。
【0032】
ピストン12内には、ピストン12の先端部12fと真空制御室20Cとを連通する連通流路23が形成されている。連通流路23の一端部は、ピストン12の先端部12fを貫通して大気と連通されている。連通流路23の他端部は、仕切り部17と仕切り部18との間におけるピストン本体部13の外周面13aを貫通して真空制御室20Cと連通されている。連通流路23は、略L字状に延びている。
【0033】
具体的に、連通流路23は、大気連通部23aと、大気連通部23aと連通された真空連通部23bとを有している。大気連通部23aは、ピストン本体部13の径方向で略中心の位置で、ピストン本体部13の軸方向に沿って延びている。大気連通部23aは、ピストン本体部13における仕切り部17と仕切り部18との間(すなわち、後述する真空制御室20Cに対応する位置)からピストン12の先端部12fを貫通するまで延びており、大気と連通されている。
【0034】
真空連通部23bは、大気連通部23aにおける大気と連通された側とは反対側の端部からピストン本体部13の径方向に屈曲している。真空連通部23bは、ピストン本体部13の外周面13aを貫通するまでピストン本体部13の径方向に沿って延びており、真空制御室20Cと連通されている。
【0035】
また、ピストン12内には、大気開放流路24が形成されている。大気開放流路24は、シリンダ11内に供給された気体を大気に開放する大気開放部である。大気開放流路24の詳細は、後述する。
【0036】
次に、制御圧室20A、定圧室20B、及び真空制御室20Cについて詳細に説明する。
【0037】
制御圧室20A(第二気体室)及び定圧室20B(第三気体室)は、供給源である気体供給部40から気体が供給され、その気体の供給に応じてピストン12を往復動させる。すなわち、制御圧室20A及び定圧室20Bへの気体の供給に応じて制御圧室20A内の圧力と定圧室20B内の圧力との差が生じ、この差に応じてピストン12の進行移動及び退行移動が行われる。
【0038】
制御圧室20Aは、ヘッド部14とシリンダ11との間に形成されている。制御圧室20Aは、ヘッド部14の端面14f(ピストン本体部13とは反対側の端面)とシリンダ11の内壁面11aとで区画されている。制御圧室20Aは、気体供給部40からの気体が制御された供給量で供給される。
【0039】
具体的に、制御圧室20Aは、気体供給部40と制御流路31によって接続されている。気体供給部40は、例えば不図示のレギュレータ等を通して一定圧に調節した状態で気体を供給する。制御流路31には、サーボ弁30が設けられている。サーボ弁30は、制御圧室20Aへ供給される気体の供給量を制御する。サーボ弁30は、サーボ弁30に入力された電気信号に応じて、この気体の供給量を高精度及び高応答に制御すると共に、制御された供給量で、気体を制御圧室20Aへ供給する。
【0040】
サーボ弁30は、例えば、制御圧室20A及び定圧室20Bにそれぞれ設けられた圧力センサ(不図示)によって検出された制御圧室20A及び定圧室20B内の各圧力を示す信号が入力されると、当該信号が示す制御圧室20A及び定圧室20B内の各圧力が適切な状態となるように、気体供給部40からの気体の供給量を制御する。ここで、適切な状態とは、例えば、制御圧室20A内の圧力と定圧室20B内の圧力の差として出力されるアクチュエータ10の推力が所望の大きさとなる状態である。サーボ弁30は、例えば、予め設定された流量特性(例えば、所望の大きさの推力を生じさせるために必要な制御圧室20A内の圧力に対応した供給量)に基づき、気体の供給量を制御してもよい。
【0041】
サーボ弁30は、気体供給部40から気体が供給される供給ポートPsと、制御された供給量で気体を制御圧室20Aへ供給する制御ポートPcと、気体を大気中へ排気する排気ポートExとを有している。サーボ弁30は、供給ポートPs、制御ポートPc、及び排気ポートExの三方向に気体の出入口を有する三方弁である。
【0042】
なお、サーボ弁30としては、例えばスプール型又はノズルフラッパ型のサーボ弁を用いてもよい。サーボ弁30として例えばスプール型のサーボ弁を用いた場合には、大容量で気体を流すことができる。また、サーボ弁30として例えばノズルフラッパ型のサーボ弁を用いた場合には、応答性を速くすることができる。
【0043】
定圧室20B(第三気体室)は、ヘッド部15とシリンダ11との間に形成されている。定圧室20Bは、ヘッド部15の端面15fとシリンダ11の内壁面11aとで区画されている。定圧室20Bは、気体供給部40からの気体が一定圧で供給される。
【0044】
具体的に、定圧室20Bは、制御流路31におけるサーボ弁30よりも上流側の位置に、定圧流路32によって接続されている。これにより、気体供給部40からの気体が、サーボ弁30を介することなく、一定圧の状態で定圧室20Bへ供給される。
【0045】
真空制御室20C(第一気体室)は、仕切り部17、仕切り部18、及びシリンダ11の間に形成されている。すなわち、真空制御室20Cは、制御圧室20Aと定圧室20Bとの間に位置している。真空制御室20Cは、仕切り部17の端面17e(ヘッド部14とは反対側の端面)、仕切り部18の端面18e(ヘッド部15とは反対側の端面)、及びシリンダ11の内壁面11aとで区画されている。真空制御室20Cは、真空に保持可能となっている。
【0046】
具体的には、切替部22の切り替えにより開口孔11cと真空発生部41とが接続されることで、シリンダ11の開口孔11cを通し、真空発生部41により真空制御室20C内の気体が吸引される。これにより、真空制御室20Cが真空に保持される。なお、真空とは、圧力が0の絶対真空に限られず、例えば大気圧より圧力が低い負圧状態も含まれる。
【0047】
真空制御室20Cが真空に保持されると、当該真空制御室20Cに連通されたピストン12内の連通流路23が真空引きされて、ピストン12の先端部12fに負圧が生じる。ここで、負圧とは、大気圧よりも低い圧をいう。これにより、ピストン12の先端部12fに設けられたキャップ部19の貫通孔19a内に矢印L1の方向に大気が吸引される。その結果、キャップ部19の先端面19fに被吸着部品が吸着される。すなわち、キャップ部19を介して、ピストン12の先端部12fに被吸着部品が吸着される。
【0048】
また、真空制御室20Cは、正圧にも保持可能となっている。正圧とは、大気圧よりも高い圧である。具体的には、切替部22の切り替えにより開口孔11cと気体供給部42とが接続されることで、シリンダ11の開口孔11cを通し、気体供給部42により真空制御室20C内に気体が供給される。これにより、真空制御室20Cが真空ではなくなり、正圧に保持される。
【0049】
真空制御室20Cが正圧に保持されると、当該真空制御室20Cに連通されたピストン12内の連通流路23に気体が送り込まれ、ピストン12の先端部12fに正圧が生じる。ここで、正圧とは、大気圧よりも高い圧をいう。これにより、ピストン12の先端部12fに設けられたキャップ部19の貫通孔19aから矢印L2の方向に気体が噴出される。その結果、キャップ部19の先端面19fから被吸着部品が脱着される。すなわち、キャップ部19の貫通孔19aを介して、ピストン12の先端部12fに被吸着部品が脱着される。
【0050】
次に、ピストン12内に形成された大気開放流路24について、詳細に説明する。
【0051】
大気開放流路24は、シリンダ11内に供給された気体のうち、真空制御室20Cと制御圧室20A及び定圧室20Bとの間に存在する気体の一部を大気開放する。これにより、大気開放流路24は、制御圧室20A及び定圧室20B側から真空制御室20C側への気体の漏れを抑制し、真空制御室20Cを制御圧室20A及び定圧室20Bに対して十分に独立した空間とする機能を有している。
【0052】
大気開放流路24は、連通流路23とは交差せず且つ連通しないよう独立に形成されている。大気開放流路24は、連通流路23よりもピストン本体部13の径方向で外側の位置で、ピストン本体部13の軸方向に沿って延びている。大気開放流路24の一端部は、ピストン12の先端部12fを貫通して大気と連通されている。また、大気開放流路24は、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間、及び、真空制御室20Cと定圧室20Bとの間の両方に連通するように形成されている。
【0053】
具体的に、大気開放流路24は、大気連通部24aと、大気連通部24aと連通された空間連通部24b,24cとを有している。大気連通部24aは、連通流路23の大気連通部23aと略平行に、ピストン本体部13の軸方向に沿って延びている。大気連通部24aは、ピストン12の溝部12aに対応する位置からピストン12の先端部12fを貫通するまで延びており、大気と連通されている。
【0054】
空間連通部24bは、大気連通部24aにおける大気と連通された側とは反対側の端部からピストン本体部13の径方向に屈曲している。空間連通部24bは、ピストン本体部13の外周面13aを貫通するまでピストン本体部13の径方向に沿って延びており、溝部12aにおける仕切り部17とヘッド部14との間の空間(すなわち、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間)に連通されている。
【0055】
空間連通部24cは、大気連通部24aにおける溝部12bに対応して位置する途中部からピストン本体部13の径方向に屈曲している。空間連通部24cは、ピストン本体部13の外周面13aを貫通するまでピストン本体部13の径方向に沿って延びており、溝部12bにおける仕切り部18とヘッド部15との間の空間(すなわち、真空制御室20Cと定圧室20Bとの間)に連通されている。
【0056】
このような大気開放流路24が形成されていることにより、ピストン12のヘッド部14とシリンダ11の内壁面11aとの間において矢印A1方向(すなわち、進行方向)に流れる気体は、仕切り部17によって真空制御室20Cへの侵入が遮られつつ、溝部12aにおける空間連通部24bへ流れ込む。そして、空間連通部24bへ流れ込んだ気体は、空間連通部24bと連通された大気連通部24aを通して大気へ開放される。これにより、制御圧室20A側から真空制御室20C側への気体の漏れが抑制される。
【0057】
また、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11との内壁面11aとの間において矢印A2方向(すなわち、退行方向)に流れる気体は、仕切り部18によって真空制御室20Cへの侵入が遮られつつ、溝部12bにおける空間連通部24cへ流れ込む。そして、空間連通部24cへ流れ込んだ気体は、空間連通部24cと連通された大気連通部24aを通して大気へ開放される。これにより、定圧室20B側から真空制御室20C側への気体の漏れが抑制される。
【0058】
したがって、真空制御室20Cを真空に保持する際に、制御圧室20A及び定圧室20Bから真空制御室20C側への気体の漏れによる真空破壊を抑制することができる。すなわち、真空制御室20Cの真空を十分に保持することができる。
【0059】
以上、本実施形態に係るアクチュエータ10によれば、ピストン12内に形成された連通流路23により、ピストン12の先端部12fと、真空に保持可能な真空制御室20Cとが連通されている。よって、真空制御室20Cが真空に保持されると、当該真空制御室20Cに連通されたピストン12内の連通流路23が真空引きされて、ピストン12の先端部12fに負圧が生じる。その結果、ピストン12の先端部12fで被吸着部品の吸着を行うことができる。以上のように、このアクチュエータ10では、ピストン12内に形成された連通流路23によって、ピストン12の先端部12fに吸着機構を別途設けることなく、被吸着部品の吸着を行うことができる。したがって、被吸着部品の吸着をコンパクトな構成で実現することができる。
【0060】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10によれば、シリンダ11内に供給された気体が、大気開放流路24によって、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間、及び、真空制御室20Cと定圧室との間から大気へ開放される。これにより、制御圧室20A及び定圧室20Bの両方側から真空制御室20C側への気体の漏れを抑制し、真空制御室20Cにおける真空を十分に保持することができる。
【0061】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10によれば、大気開放部が、ピストン12内に形成された大気開放流路24として構成されているため、ピストン12とシリンダ11との配置関係に配慮することなく気体を大気開放することができ、よりコンパクトな構成を実現することが可能となる。
【0062】
例えば、ピストン12の軸方向において、ヘッド部14,15における静圧軸受の位置(すなわちシリンダ11の内壁面11aとピストン12との間に形成された気体の層の位置)は、ピストン12の往復動によって移動する。本実施形態によれば、ピストン12内に大気開放部が形成されているため、ピストン12が往復動しても、静圧軸受と大気開放部とは干渉しない。よって、大気開放部の形成位置によらず、ピストン12の往復動距離だけを踏まえて静圧軸受用の空間を確保すればよいため、よりコンパクトな構成を実現することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10によれば、真空制御室20Cが正圧に保持されると、当該真空制御室20Cに連通されたピストン12内の連通流路23に気体が送り込まれ、ピストン12の先端部12fに正圧が生じる。その結果、ピストン12の先端部12fで被吸着部品の脱着を行うことができる。以上のように、本実施形態によれば、ピストン12内に形成された連通流路23によって、ピストン12の先端部12fに脱着機構を別途設けることなく、被吸着部品の脱着を行うことができる。したがって、コンパクトな構成で被吸着部品の脱着も実現することができる。
【0064】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10によれば、ピストン12の先端部12fで被吸着部品の吸着を行う際に、ピストン12の先端部12fから異物が吸い込まれることをフィルタ27によって防止することができる。その結果、異物混入によるアクチュエータ10の故障を防止することができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、
図2を参照して、第2実施形態に係るアクチュエータ10Aについて説明する。なお、アクチュエータ10Aは、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造を備えている。そのため、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0066】
図2は、第2実施形態に係るアクチュエータ10Aを示す概略断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係るアクチュエータ10Aは、ピストン12に形成された大気開放流路24に代えて、シリンダ11に形成された大気開放部26を備えている点で、第1実施形態に係るアクチュエータ10と相違している。大気開放部26は、シリンダ11内に供給された気体を大気に開放する。
【0067】
大気開放部26は、シリンダ11内に供給された気体のうち、制御圧室20A及び定圧室20Bと真空制御室20Cとの間に存在する気体の一部を大気開放する。これにより、大気開放部26は、制御圧室20A及び定圧室20B側から真空制御室20C側への気体の漏れを抑制し、真空制御室20Cを制御圧室20A及び定圧室20Bに対して十分に独立した空間とする機能を有している。
【0068】
大気開放部26は、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間、及び、真空制御室20Cと定圧室20Bとの間の両方に連通するように形成されている。具体的に、大気開放部26は、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間に形成された第一大気開放部26aと、真空制御室20Cと定圧室20Bとの間に形成された第二大気開放部26bとを有している。
【0069】
第一大気開放部26aは、シリンダ11におけるピストン12の溝部12aに対応する位置に形成されている。第一大気開放部26aは、シリンダ11の内壁面11aから外壁面11bまでを貫通する貫通孔であり、大気と連通されている。これにより、ピストン12のヘッド部14とシリンダ11の内壁面11aとの間において矢印A1方向(すなわち、進行方向)に流れる気体は、仕切り部17によって真空制御室20Cへの侵入が遮られつつ、溝部12aにおける第一大気開放部26a内に流れる。そして、第一大気開放部26aからシリンダ11の外側へ大気開放される。
【0070】
第二大気開放部26bは、シリンダ11におけるピストン12の溝部12bに対応する位置に形成されている。第二大気開放部26bは、シリンダ11の内壁面11aから外壁面11bまでを貫通する貫通孔であり、大気と連通されている。これにより、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11の内壁面11aとの間において矢印A2方向(すなわち、退行方向)に流れる気体は、仕切り部18によって真空制御室20Cへの侵入が遮られつつ、溝部12bにおける第二大気開放部26b内に流れる。そして、第二大気開放部26bからシリンダ11の外側へ大気開放される。
【0071】
なお、本実施形態では、第1実施形態に比べて、ピストン本体部13の溝部12aにおける軸方向長さ、すなわち仕切り部17とヘッド部14との間の距離が長くなっている。また、ピストン本体部13の溝部12bにおける軸方向長さ、すなわち仕切り部18とヘッド部15との間の距離が長くなっている。すなわち、ピストン12の軸方向で静圧軸受と大気開放部26とが離れて位置している。これは、ピストン12が往復動しても静圧軸受用の空間と大気開放部26とが干渉しないようにし、静圧軸受用の空間を十分に確保するためである。
【0072】
以上、本実施形態に係るアクチュエータ10Aにおいても、上記第1実施形態に係るアクチュエータ10同様、ピストン12内に形成された連通流路23によって、ピストン12の先端部12fに吸着機構を別途設けることなく、被吸着部品の吸着を行うことができる。したがって、被吸着部品の吸着をコンパクトな構成で実現することができる。
【0073】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10Aによれば、シリンダ11内に供給された気体が、大気開放部26によって、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間、及び、真空制御室20Cと定圧室との間から大気へ開放される。これにより、制御圧室20A及び定圧室20Bの両方側から真空制御室20C側への気体の漏れを抑制し、真空制御室20Cにおける真空を十分に保持することができる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、
図3を参照して、第3実施形態に係るアクチュエータ10Bについて説明する。なお、アクチュエータ10Bは、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造を備えている。そのため、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0075】
図3は、第3実施形態に係るアクチュエータ10Bを示す概略断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るアクチュエータ10Bは、定圧室20Bを備えておらず、定圧室20Bに対応する空間に弾性部材50が設けられている点等で、第1実施形態に係るアクチュエータ10と相違している。
【0076】
アクチュエータ10Bは、第1実施形態と同様に制御圧室20A及び真空制御室20Cを備えている一方で、第1実施形態とは異なり定圧室20Bを備えていない。すなわち、ピストン12のヘッド部15側においては、シリンダ11内に気体供給部40から気体が供給されていない。これに対応し、本実施形態では、ピストン12のヘッド部15とシリンダ11の内壁面11aとの間に静圧軸受が設けられておらず、ヘッド部15と内壁面11aと12との間に空気の層が形成されていない。また、ピストン12は、仕切り部18及び溝部12bを有していない。
【0077】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10Bでは、定圧室20Bを備えていないため、定圧室20Bからの気体を大気開放する必要がない。このため、本実施形態に係る大気開放流路24は、空間連通部24cを有していない。すなわち、本実施形態では、大気開放流路24は、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間を連通するように形成されている一方で、真空制御室20Cと定圧室20Bとの間に連通するようには形成されていない。
【0078】
弾性部材50は、ヘッド部15とシリンダ11との間に設けられている。弾性部材50は、ヘッド部15の端面15fとシリンダ11の内壁面11aとで区画される空間に配置されている。弾性部材50は、例えば、コイルばね、ゴム、人工筋肉等である。弾性部材50は、気体供給部40から制御圧室20Aへの気体の供給に応じて、ピストン12の軸方向に伸縮し、ピストン12を往復動させる。
【0079】
以上、本実施形態に係るアクチュエータ10Bにおいても、上記第1実施形態に係るアクチュエータ10同様、ピストン12内に形成された連通流路23によって、ピストン12の先端部12fに吸着機構を別途設けることなく、被吸着部品の吸着を行うことができる。したがって、被吸着部品の吸着をコンパクトな構成で実現することができる。
【0080】
また、本実施形態に係るアクチュエータ10Bにおいても、シリンダ11内に供給された気体が、大気開放流路24によって、真空制御室20Cと制御圧室20Aとの間から大気へ開放される。これにより、制御圧室20A側から真空制御室20C側への気体の漏れを抑制し、真空制御室20Cにおける真空を十分に保持することができる。
【0081】
(第4実施形態)
次に、
図4を参照して、第4実施形態に係るアクチュエータ10Cについて説明する。なお、アクチュエータ10Cは、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造を備えている。そのため、第1実施形態に係るアクチュエータ10と同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0082】
図4は、第4実施形態に係るアクチュエータ10Cを示す概略断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るアクチュエータ10Cは、ピストン12の形状及び静圧軸受の位置が異なる点、定圧室20Bに代えて二つの定圧室20D,20Eを有している点、及び、ピストン12内の大気開放流路24の構成が異なる点で、第1実施形態に係るアクチュエータ10と相違している。
【0083】
本実施形態において、ピストン12の軸方向で、ヘッド部14,15の幅は、第1実施形態に比べて小さくなっており、仕切り部17,18の幅と略同じとなっている。ピストン12は、ヘッド部15の端面15f側から突出する本体延長部25と、本体延長部25に形成されたヘッド部28,29とを有している。本体延長部25は、ピストン本体部13とロッド部16との間に配置されている。本体延長部25は、略円柱状であって、シリンダ11の軸方向に沿ってヘッド部15の端面15f側から延びている。本体延長部25は、ピストン本体部13と一体的に形成されており、ピストン本体部13の外径と略同じ外径を有している。本体延長部25は、ヘッド部29の端面29f(ピストン本体部13とは反対側の端面)においてロッド部16と接続されている。
【0084】
ヘッド部28,29は、本体延長部25の外径が拡大された拡径部である。ヘッド部28,29は、略円板状であって、本体延長部25の外周面25aよりも外側に突出している。また、ピストン12の軸方向で、ヘッド部28,29の幅は、仕切り部17,18の幅よりも大きい。
【0085】
ヘッド部28は、本体延長部25の途中部に位置しており、ヘッド部29は、本体延長部25の端部(端面15fとは反対側の端部)に位置している。ヘッド部28とヘッド部29とは、所定の間隔を有して位置している。これにより、本体延長部25は、ヘッド部28とヘッド部29とに挟まれた部分を有する。ヘッド部28,29の外径が本体延長部25の外径よりも大きいため、当該挟まれた部分は、ヘッド部28,29よりも内側に窪んでいる。すなわち、ピストン12におけるヘッド部28とヘッド部29との間には、溝部12eが形成されている。
【0086】
本実施形態では、ピストン12のヘッド部28,29とシリンダ11の内壁面11aとの間に静圧軸受が設けられている。よって、ピストン12のヘッド部28とシリンダ11の内壁面11aとの間には、定圧室20D(詳細は、後述する)からの気体が矢印A3方向に流れる。すなわち、ピストン12のヘッド部28とシリンダ11の内壁面11aとの間に、気体の層が形成されている。また、ピストン12のヘッド部29とシリンダ11の内壁面11aとの間には、定圧室20E(詳細は、後述する)からの気体が矢印A4方向に流れる。すなわち、ピストン12のヘッド部29とシリンダ11の内壁面11aとの間に、気体の層が形成されている。これにより、ピストン12は、シリンダ11の内壁面11aに対して非接触状態とされている。
【0087】
なお、本実施形態では、ピストン12のヘッド部14,15とシリンダ11の内壁面11aとの間に静圧軸受が設けられていない。よって、ピストン12のヘッド部14,15とシリンダ11の内壁面11aとの間には静圧軸受による気体の層は形成されないが、制御圧室20A及び定圧室20Dと真空制御室20Cとの差圧により、ヘッド部14と内壁面11aとの間には矢印A1方向に気体が流れ、ヘッド部15と内壁面11aとの間には矢印A2方向に気体が流れる。
【0088】
定圧室20D(第三気体室)は、ヘッド部15、ヘッド部28、及びシリンダ11の間に形成されている。定圧室20Dは、ヘッド部15の端面15fと、ヘッド部28の端面28f(ピストン本体部13側の端面)と、シリンダ11の内壁面11aとで区画されている。定圧室20Dは、気体供給部40からの気体が一定圧で供給される。具体的に、定圧室20Dは、定圧流路32から分岐する分岐流路32aと接続されている。これにより、気体供給部40からの気体が、一定圧の状態で定圧室20Dへ供給される。
【0089】
定圧室20E(第三気体室)は、ヘッド部29とシリンダ11との間に形成されている。定圧室20Eは、ヘッド部29の端面29fと、シリンダ11の内壁面11aとで区画されている。定圧室20Eは、気体供給部40からの気体が一定圧で供給される。具体的に、定圧室20Eは、定圧流路32から分岐する分岐流路32bと接続されている。これにより、気体供給部40からの気体が、一定圧の状態で定圧室20Eへ供給される。
【0090】
また、本実施形態において、ピストン12内の大気開放流路24は、大気連通部24a、空間連通部24b,24cに加え、大気連通部24aと連通された空間連通部24dを有している。
【0091】
空間連通部24dは、大気連通部24aにおける溝部12eに対応して位置する途中部からピストン本体部13の径方向に屈曲している。空間連通部24dは、ピストン本体部13の外周面13aを貫通するまでピストン本体部13の径方向に沿って延びており、溝部12eにおけるヘッド部28とヘッド部29との間の空間(すなわち、定圧室20Dと定圧室20Eとの間)に連通されている。
【0092】
ピストン12のヘッド部28とシリンダ11の内壁面11aとの間において矢印A3方向(すなわち、進行方向)に流れる気体は、溝部12eにおける空間連通部24dへ流れ込む。そして、空間連通部24dへ流れ込んだ気体は、空間連通部24dと連通された大気連通部24aを通して大気へ開放される。また、ピストン12のヘッド部29とシリンダ11の内壁面11aとの間において矢印A4方向(すなわち、退行方向)に流れる気体は、溝部12eにおける空間連通部24dへ流れ込む。そして、空間連通部24dへ流れ込んだ気体は、空間連通部24dと連通された大気連通部24aを通して大気へ開放される。以上のように、定圧室20Dと定圧室20Eとの間からも気体が大気開放される。これにより、定圧室20D,20E側から真空制御室20C側への気体の漏れが抑制されるため、真空制御室20Cを真空に保持する際に、当該気体の漏れによる真空破壊を抑制することができる。すなわち、真空制御室20Cの真空を十分に保持することができる。
【0093】
本実施形態では、制御圧室20A及び定圧室20Eが、供給源である気体供給部40からの気体の供給に応じてピストン12を往復動させる。すなわち、制御圧室20A及び定圧室20Eへの気体の供給に応じて制御圧室20A内の圧力と定圧室20E内の圧力との差が生じ、この差に応じてピストン12の進行移動及び退行移動が行われる。なお、定圧室20Dでは、ヘッド部15の端面15fとヘッド部28の端面28fとの面積が同じであるため、端面15fに対して退行方向に働く力と端面28fに対して進行方向に働く力とが互いに打ち消し合い、ピストン12を進行方向及び退行方向に移動させる力が生じない。このため、定圧室20D内の圧力によらず、上述したように制御圧室20Aと定圧室20Eとの圧力差に起因してピストン12進行移動及び退行移動が行われる。
【0094】
以上、本実施形態に係るアクチュエータ10Cにおいても、上記第1実施形態に係るアクチュエータ10同様、ピストン12内に形成された連通流路23によって、ピストン12の先端部12fに吸着機構を別途設けることなく、被吸着部品の吸着を行うことができる。したがって、被吸着部品の吸着をコンパクトな構成で実現することができる。
【0095】
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
【0096】
上記第1、第3及び第4実施形態において、大気開放部が、第一気体室と第二気体室との間、及び、第一気体室と第三気体室との間の両方ではなく、何れか一方に連通するように形成されていてもよい。すなわち、大気開放流路24は、空間連通部24b及び空間連通部24cの両方ではなく、空間連通部24b及び空間連通部24cの何れか一方を有していてもよい。また、大気開放部26は、第一大気開放部26a及び第二大気開放部26bの両方ではなく、第一大気開放部26a及び第二大気開放部26bの何れか一方を有していてもよい。また、第4実施形態において、大気開放流路24は、空間連通部24dを有していなくてもよい。
【0097】
さらに、上記第1、第2、及び第4実施形態のように、気体室が、気体の供給に応じてピストン12を往復動させる第二気体室及び第三気体室を有している場合には、大気開放部を備えていなくてもよい。すなわち、ピストン12内に大気開放流路24が形成されていなくてもよく、シリンダ11に大気開放部26が形成されていなくてもよい。
【0098】
また、上記第3実施形態では、気体室のうち定圧室20Bを有していないとしたが、これに限られず、気体室のうち制御圧室20Aを有していないとしてもよい。また、上記第3実施形態では、定圧室20Bに対応する空間に弾性部材が設けられているとしたが、これに限られず、制御圧室20A又は定圧室20Bに対応する空間に直動モータ等が設けられていてもよい。
【0099】
また、真空制御室20Cは、正圧に保持されなくてもよい。真空制御室20Cは、切替部22を介することなく、真空発生部41に直接接続されていてもよい。
【0100】
また、ロッド部16の先端部16fには、キャップ部19が設けられていなくてもよい。フィルタ27は、キャップ部19の貫通孔19a内ではなく、ピストン12の先端部12fに直接設けられていてもよい。さらに、フィルタ27が設けられていなくてもよい。
【0101】
上記実施形態では、真空制御室20Cが制御圧室20Aと定圧室20Bとの間に位置しているとしたが、これに限られない。例えば、真空制御室20Cが制御圧室20A及び定圧室20Bよりもロッド部16から離れて位置していてもよい。