特許第6591362号(P6591362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6591362-エレベーター振動防止装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591362
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】エレベーター振動防止装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/06 20060101AFI20191007BHJP
   B66B 7/08 20060101ALI20191007BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   B66B7/06 H
   B66B7/08 C
   B66B11/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-142594(P2016-142594)
(22)【出願日】2016年7月20日
(65)【公開番号】特開2018-12574(P2018-12574A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】助川 賢
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第205011188(CN,U)
【文献】 特開2012−162349(JP,A)
【文献】 特開2005−047630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00− 7/12
B66B 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーター装置の乗りかごに設置された滑車に掛けられ、前記乗りかごを昇降するロープの振れを抑制するエレベーター振動防止装置において、
前記乗りかごにおける、前記ロープが前記滑車に入り込む手前又は前記ロープが前記滑車から出ていく直後に配置され、前記ロープの水平方向の振れを抑制するロープ振れ止めを有し、
前記ロープ振れ止めは、
前記ロープと接触しない状態で当該ロープを挟み込むように、かつそれぞれ前記ロープの走行方向と垂直な方向に軸方向が位置するように配置された一対のローラと、
各前記ローラにそれぞれ対応させて設けられ、対応する前記ローラを回転自在に支持する軸体と
有し、
前記ロープ振れ止めが前記ロープの走行方向に複数積層され、
複数の前記ロープ振れ止め間に配置され、前記ロープ振れ止めを嵩上げする1又は複数の嵩上げ台を備え、
装置全体の固有振動数を前記ロープの振れによる前記乗りかごの固有振動数に近づけるように前記ロープ振れ止め及び前記嵩上げ台の数が選定された
ことを特徴とするエレベーター振動防止装置。
【請求項2】
各前記ローラは、
前記軸方向に同軸に並べられた複数のローラ部から形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター振動防止装置。
【請求項3】
前記ローラは、
弾力性を有する樹脂材から形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター振動防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベーター振動防止装置に関し、例えば、2:1ローピング式のエレベーター装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーター装置において、乗りかごを昇降駆動するロープが地震や強風により振れた状態で乗りかごを昇降させた場合、最上階や最下階付近でロープの振れのエネルギーがロープの端部に集中することにより乗りかごが大きく振動し、この結果として乗りかご内の乗客に不安感を与えることがある。
【0003】
このような乗りかごの振れを抑制するための方法として、例えば特許文献1には、昇降路を昇降する乗りかごの上部にロープが挿通されるロープ振れ止め体及びロープ振れ止め体を支持可能な受台をそれぞれ複数設けた発明が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、乗りかごを昇降駆動するロープの振れが大きくなりそうな場合に、ロープの揺れ量を低く抑制するために、ロープが建物と共振しないようにロープの固有振動数を変化させることによる、ロープ揺れ抑制装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、横振れが生じたロープの振動エネルギーを弾性体の弾性エネルギーに変換し、これをさらに吸振質量体の振動エネルギーへ転換することにより、ロープの振動エネルギーを吸収することで、ロープの横振れを抑制することができるエレベーター用動吸振器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−18899号公報
【特許文献2】特開2015−51856号公報
【特許文献3】特開2015−199587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された発明によると、地震や強風によりロープに振れが発生した状態でエレベーター装置が走行した場合に、ロープ振れ止め体においてロープが挿通される挿通孔にロープが接触するおそれがある。そして、ロープがロープ振れ止め体の挿通孔と接触した場合、ロープに上下方向の抵抗が発生することにより、ロープの稼動を妨げたり、ロープの損傷又は摩耗が発生し、また昇降路内にある種々の機器や設備がロープの衝突により損傷を受けるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2又は特許文献3に開示された発明によると、乗りかごにロープの終端部を固定する1:1ローピングエレベーター装置において、ロープの固有振動数を制御する装置や動吸振器を設置することができるものの、2:1ローピングの乗りかごに設置された滑車に掛けられたロープが走行するエレベーター装置には、構造上設置することができないという問題がある。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ロープの振れに起因する乗りかごの振動を抑止し得るエレベーター振動防止装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、エレベーター装置の乗りかごに設置された滑車に掛けられ、前記乗りかごを昇降するロープの振れを抑制するエレベーター振動防止装置において、前記乗りかごにおける、前記ロープが前記滑車に入り込む手前又は前記ロープが前記滑車から出ていく直後に配置され、前記ロープの水平方向の振れを抑制するロープ振れ止めを有し、前記ロープ振れ止めは、前記ロープと接触しない状態で当該ロープを挟み込むように、かつそれぞれ前記ロープの走行方向と垂直な方向に軸方向が位置するように配置された一対のローラと、各前記ローラにそれぞれ対応させて設けられ、対応する前記ローラを回転自在に支持する軸体とを有し、前記ロープ振れ止めが前記ロープの走行方向に複数積層され、複数の前記ロープ振れ止め間に配置され、前記ロープ振れ止めを嵩上げする1又は複数の嵩上げ台を備え、装置全体の固有振動数を前記ロープの振れによる前記乗りかごの固有振動数に近づけるように前記ロープ振れ止め及び前記嵩上げ台の数が選定されたことを特徴とする。
【0011】
かかるエレベーター振動防止装置によれば、ロープの振れを樹脂ローラにより抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロープの振れに起因する乗りかごの振動を抑止し得るエレベーター振動防止装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】2:1ローピング式エレベーター装置の概略構成を示す側面図である。
図2】本実施の形態によるエレベーター振動防止装置の構成を示す正面図である。
図3】(A)は本実施の形態によるエレベーター振動防止装置が備えるロープ振れ止めの上面図、(B)は当該ロープ振れ止めの正面図、(C)は当該ロープ振れ止めの側面図である。
図4】本発明の一実施の形態における、エレベーター振動防止装置が備えるロープ振れ止めが有する樹脂ローラの断面図である。
図5】本発明の一実施の形態における、エレベーター振動防止装置を図2のB−B方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
図1において、1は全体として本実施の形態によるエレベーター装置を示す。このエレベーター装置1は、昇降路2、機械室3、巻上機4、ロープ5、乗りかご6、滑車7、釣合おもり8及び滑車9を備えて構成される。
【0016】
昇降路2は、建屋内に設けられた、乗りかご6が昇降する空間である。機械室3は、昇降路2の最上部に設けられる。この機械室3内に巻上機4が配置され、巻上機4の綱車にロープ5が複数本巻き掛けられる(図3(A)参照)。巻上機4に巻き掛けられた各ロープ5の一端側は、それぞれ乗りかご6に取り付けられた滑車7を介して機械室3に固定される。また巻上機4に巻き掛けられた各ロープ5の他端側は、それぞれ釣合おもり8に取り付けられた滑車9を介して機械室3に固定される。
【0017】
滑車7は、乗りかご6の上部に回転自在に配置される。滑車7に巻き掛けられた各ロープ5が巻上機4により巻き上げられ又は巻き下げられることに連動して、乗りかご6が上昇又は下降される。滑車9は、釣合おもり8の上部に回転自在に配置される。滑車9に巻き掛けられた各ロープが巻上機4により巻き上げられ又は巻き下げられることに連動して、釣合おもり8が上昇又は下降する。
【0018】
図2は、乗りかご6の上側に設けられた本実施の形態によるエレベーター振動防止装置10を示す。図2では、各ロープ5が滑車7に入り込む側(図2では滑車7から見て右側)と、各ロープ5が滑車7から出ていく側(図2では滑車7から見て左側)とにそれぞれエレベーター振動防止装置10が設置された状態を示している。
【0019】
この図2からも明らかなように、本実施の形態によるエレベーター振動防止装置10は、乗りかご6の上部梁11上に固定された台部12と、台部12上に固定されたロープ振れ止め13と、このロープ振れ止め13上に積層された複数の嵩上げ台14と、これらの嵩上げ台14上にさらに積層されたもう1つのロープ振れ止め13とを備えて構成される。つまりロープ振れ止め13及び嵩上げ台14は、ロープ5の走行方向に積層される。
【0020】
台部12は、エレベーター振動防止装置10の振動が乗りかご6に伝達されるのを抑止する機能を有し、例えば、ゴム、コイルばね又は板バネなどの弾性体から構成される。またロープ振れ止め13は、ロープ5に発生した水平方向の振れを抑制する機能を有する。ロープ振れ止め13の具体的な構成については、後述する。
【0021】
嵩上げ台14は、中空でロープ振れ止め13とほぼ同様の外形形状及び寸法を有しており、最下段のロープ振れ止め13に対する最上段のロープ振れ止め13の高さ位置を嵩上げしてこれら2つのロープ振れ止め13の間隔を調整するために設けられる。このため嵩上げ台14は、積層する数を増減することができる。嵩上げ台14を多く積層するほど、2つのロープ振れ止め13の間の間隔を長くとることができるため、ロープ5の振動を抑制しやすくなる。また、嵩上げ台14の数を増減することにより、エレベーター振動防止装置10全体の合計重量を調整することができる。これにより、本実施の形態によるエレベーター振動防止装置10を動吸振器として機能させる場合に、エレベーター振動防止装置10の固有振動数を容易に調整することができる。
【0022】
図3(A)〜(C)は、ロープ振れ止めの具体的な構成を示す。これら図3(A)〜(C)に示すように、ロープ振れ止め13は、それぞれ円筒状の一対の樹脂ローラ15と、それぞれ互いに異なる樹脂ローラ15の中心穴に嵌め込まれ、当該樹脂ローラ15を回転自在に支持する一対の軸体16と、これら軸体16の一端側又は他端側がそれぞれ支持する断面コ字状の一対の支持枠17とを備えて構成される。
【0023】
各樹脂ローラ15は、例えば弾性力を有する樹脂材から形成され、図3(A)に示すように、その軸方向に並べられた複数のローラ部15Aから構成される。また図3(B)に示すように、各支持枠17の側壁には、2つの軸体16とそれぞれ対応させて、同じ高さ位置にかつそれぞれ矢印xで示す方向と平行に長穴19が穿設されている。そして各軸体16は、端部に設けられたねじ部(図示せず)を支持枠17の対応する長穴19に支持枠17の内側から嵌め込み、そのねじ部に支持枠17の外側からナット18を螺合するようにして支持枠17に固定されている。従って、各軸体16は、対応する樹脂ローラ15がロープ5の走行方向と垂直な方向に軸方向が位置するように支持枠17に支持されることになる。この際、支持枠17に対する各軸体16の固定位置は、各ロープ5と接触しない状態で2つの樹脂ローラ15によってこれら各ロープ5をその並び方向と垂直な方向から挟み込むように、かつこれら2つの樹脂ローラ15の間をロープ5が樹脂ローラ15と接触することなく通過できるように調整される。
【0024】
これによりロープ5に水平方向の振れが生じていない状態のときは、各ロープ5をロープ振れ止め13と干渉することなく走行させることができる一方、ロープ5に水平方向の振れが発生したときには、ロープ5がロープ振れ止め13の樹脂ローラ15に衝突することによりそのロープ5の振れを抑制することができる。
【0025】
また、樹脂ローラ15が弾力性を持つ樹脂材から構成されているため、ロープ5との衝突に起因するロープ5や樹脂ローラ15の損傷や摩耗を抑制することができる。加えて、軸体16の端部が支持枠17の長穴19に嵌め込まれてナット18により固定されているため、各樹脂ローラ15を、平行な状態を保ったまま当該樹脂ローラ15同士が近接する方向又は離反する方向に移動させることができ、これによりエレベーター装置ごとに異なるロープの揺れの特性に応じて、各樹脂ローラ15間の隙間の大きさを容易に調整できる。
【0026】
さらに各樹脂ローラ15が複数のローラ部15Aから構成されているため、各ローラ部15Aの回転モーメントが小さく、その分各ローラ部15Aが回転し易い。従って、ロープ5が走行している状態のときに樹脂ローラ15に衝突した場合に、各ローラ部15Aがロープ5の走行に追随して回転し易く、その分かかる衝突に起因するロープ5の損傷や摩耗を抑制することができる。
【0027】
図4は、樹脂ローラ15及び軸体16の断面構成を示す。この図4からも明らかなように、軸体16は、ゴムチューブ20に嵌め込まれることにより、その周側面がゴムチューブ20に覆われている。またゴムチューブ20と樹脂ローラ15の中心穴の表面との間には隙間21が設けられている。この隙間21の存在により、樹脂ローラ15が軸体16の回りに容易に回転することができ、かくしてロープ5が振れたままの状態でエレベーター装置1が走行した場合においても、水平方向の横揺れを抑制しつつ、ロープ5に生じた上下方向の稼働の抵抗も回転容易な樹脂ローラ15の回転により抑制することができる。また軸体16の周側面がゴムチューブ20に覆われていることにより、ロープ5が樹脂ローラ15に衝突した場合に発生する、樹脂ローラ15の中心穴の表面と軸体16との衝突や干渉による騒音を低減することができる。
【0028】
図5は、台部12、嵩上げ台14及びロープ振れ止め13の連結構造を示す。この図5に示すように、嵩上げ台14は、それぞれ第1及び第2のロープ振れ止め13の支持枠17と同形状の一対の嵩上げ用支持枠22から構成される。そして最下段のロープ振れ止め13と最下段の嵩上げ台14とは、そのロープ振れ止め13の各支持枠17がそれぞれその嵩上げ台14の対応する嵩上げ用支持枠22にボルト23及びナット24を用いて固定されることにより連結され、嵩上げ台14同士は、それぞれ対応する嵩上げ用支持枠22同士がボルト23及びナット24を用いて固定されることにより連結され、最上段の嵩上げ台14と最上段のロープ振れ止め13とは、その嵩上げ台14の各嵩上げ用支持枠22がそれぞれそのロープ振れ止め13の対応する支持枠17にボルト23及びナット24を用いて固定されることにより連結されている。また最下段のロープ振れ止め13は、ねじ25を用いて台部12に連結されている。
【0029】
このような連結構造を採用することにより、ロープ振れ止め13及び嵩上げ台14をそれぞれ自由に追加又は削減することができ、それぞれの配置をも自由に変更することができる。例えば、図5では、複数の嵩上げ台14の上下方向の両側にロープ振れ止め13をそれぞれ配置しているが、複数の嵩上げ台14の間にロープ振れ止め13を追加し挿入する構成としてもよい。このように、ロープ振れ止め13及び嵩上げ台14の数を変更できることで、エレベーター装置ごとによって異なるロープの揺れの特性に合わせて容易に対応することができる。
【0030】
また、本実施の形態のエレベーター振動防止装置10は、乗りかご6と弾性材からなる台部12を介して固定されることにより、動吸振器としての機能を備えることができる。
【0031】
この場合、台部12のばね定数とロープ振れ止め13及び嵩上げ台14の合計重量との関係で形成される動吸振器としてのエレベーター振動防止装置10の固有振動数を、台部12の変更又はロープ振れ止め13と嵩上げ台14のそれぞれの数の変更により容易に変化させることができる。エレベーター振動防止装置10の固有振動数とロープ5の振れによる乗りかご6の固有振動数を近づけることにより、乗りかご6の振動を低減することができる。
【0032】
以上の構成を有する本実施の形態のエレベーター振動防止装置10によれば、2:1ローピング構成を有する本実施の形態のエレベーター装置1において、ロープ5の振れに起因する乗りかご6の振動を抑止することができる。
【0033】
なお上述の実施の形態においては、エレベーター振動防止装置10において、2つのロープ振れ止め13の間に3つの嵩上げ台14を備えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、嵩上げ台14の数を2つ又は4つ以上とするようにしてもよく、嵩上げ台14の間にロープ振れ止め13を追加するようにしてもよい。
【0034】
また上述の実施の形態においては、樹脂ローラ15を、弾力性を有する樹脂材から形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の樹脂材で樹脂ローラ15を形成したり、樹脂材以外の材料を用いて形成したローラの表面に樹脂材をコーティングするようにして樹脂ローラ15を形成するようにしてもよい。
【0035】
さらに上述の実施の形態においては、樹脂ローラ15を3つのローラ部15Aから構成(図3(A))するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2つ又は4つ以上のローラ部15Aにより構成するようにしてもよい。
【0036】
さらに上述の実施の形態においては、ロープ振れ止め13の支持枠17や、嵩上げ台14の嵩上げ用支持枠22を縦断面コ字状に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の構成を広く適用することができる。
【0037】
さらに上述の実施の形態においては、嵩上げ台14をそれぞれ縦断面コ字状の一対の嵩上げ用支持枠22により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、ローラ振れ止め13を嵩上げすることができるのであれば、嵩上げ台14の構成としてはこの他種々の構成を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、2:1ローピング式エレベーター装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1……エレベーター装置、2……昇降路、3……機械室、4……巻上機、5……ロープ、6……乗りかご、7……滑車、8……釣合おもり、9……滑車、10……エレベーター振動防止装置、11……上部梁、12……台部、13……ロープ振れ止め、14……嵩上げ台、15……樹脂ローラ、15A……ローラ部、16……軸、17……支持枠、18……ナット、19……長穴、20……ゴムチューブ、21……隙間、22……嵩上げ用支持枠、23……ボルト、24……ナット、25……ねじ。
図1
図2
図3
図4
図5