(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591517
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20191007BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20191007BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20191007BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20191007BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20191007BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20191007BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
G06F3/041 430
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/04
H05B33/12 E
G02B5/20 101
G06F3/041 410
G06F3/044 122
G06F3/044 125
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-237747(P2017-237747)
(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公開番号】特開2018-109962(P2018-109962A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0181125
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金鍾成
【審査官】
田内 幸治
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0365027(US,A1)
【文献】
国際公開第2015/068654(WO,A1)
【文献】
特開2014−038582(JP,A)
【文献】
特開2014−153791(JP,A)
【文献】
特開2014−211685(JP,A)
【文献】
特開2012−079134(JP,A)
【文献】
特開2016−188976(JP,A)
【文献】
特開2015−215882(JP,A)
【文献】
特開2016−012555(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0043336(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0103537(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0307971(US,A1)
【文献】
特開2016−110613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041−3/047
G02B 5/20
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/04
H05B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板のアクティブ領域上に配置される発光素子と、
前記発光素子上に配置される封止部と、
前記封止部上に配置されるタッチセンサーと、
前記封止部と前記タッチセンサーの間に配置されるカラーフィルターアレイと、
前記タッチセンサーと電気的に接続されて前記基板のパッド領域上に配置されるタッチパッドと、
前記パッド領域と前記アクティブ領域との間に配置されるダムと、
前記タッチパッド及び前記タッチセンサーを電気的に接続し、前記ダムを横切るように配置されるルーティングラインと、
を含み、
前記封止部は、前記ダム上に配置されている、表示装置。
【請求項2】
前記カラーフィルターアレイは、
前記封止部上に配置されるブラックマトリックスと、
前記封止部及び前記ブラックマトリックス上に配置されるカラーフィルターと
を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記基板と前記封止部の間に配置される少なくとも一層の絶縁膜をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記タッチパッドは、カラーフィルターアレイと接触する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記カラーフィルターアレイは、前記封止部上に配置されるタッチ平坦化層をさらに含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ルーティングラインは、前記カラーフィルター及び前記タッチ平坦化層の少なくとも一つを覆うように配置され、前記カラーフィルター及び前記タッチ平坦化層の少なくとも一つと接触する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ルーティングラインは、前記タッチパッド及び前記タッチセンサーを電気的に接続し、前記カラーフィルター及び前記タッチ平坦化層の少なくとも一つと接触する、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記タッチパッドは、
前記基板と前記封止部との間に配置される少なくとも一層の絶縁膜上に配置されるパッド電極と、
前記パッド電極及び前記ルーティングラインと接続されるパッドカバー電極と
を含み、
前記パッドカバー電極は、前記パッド電極及び前記パッドカバー電極の間に配置される前記カラーフィルターアレイを貫通するパッドコンタクトホールを通じて露出する前記パッド電極と接続される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記パッドコンタクトホールは、前記パッド電極及び前記パッドカバー電極の間に配置されるカラーフィルター及びタッチ平坦化層の少なくとも一つを貫通して形成される、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記パッドカバー電極は、少なくとも一つのカラーフィルターと接触し、前記パッド電極は、前記少なくとも一層の絶縁膜と接触する、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記封止部は、多数の無機封止層と、前記無機封止層間に配置される少なくとも一層の有機封止層とを含む、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記パッドコンタクトホールは、前記パッド電極及び前記パッドカバー電極の間に配置される前記多数の無機封止層の少なくとも一つと、カラーフィルター及びタッチ平坦化層の少なくとも一つとを貫通する、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
カラーフィルター及びタッチ平坦化層の少なくとも一つは、前記アクティブ領域から前記パッド領域まで伸長される、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
カラーフィルター及びタッチ平坦化層のいずれか一つは、前記アクティブ領域から前記ダムと前記タッチパッドの間の領域まで伸長し、
前記カラーフィルター及び前記タッチ平坦化層の残りの一つは、前記アクティブ領域から前記パッド領域まで伸長する、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項15】
前記ルーティングラインは、前記カラーフィルターアレイが該ルーティングラインと前記ダムとの間に配置された状態で前記ダムの上部に配置される、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記タッチセンサーは、
前記カラーフィルターアレイ上で第1方向に配列されるタッチ駆動ラインと、
前記カラーフィルターアレイ上で前記第1方向と交差する第2方向に配列されるタッチセンシングラインと、
を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記タッチ駆動ライン及び前記タッチセンシングラインは、メッシュ状に形成される、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記タッチ駆動ラインのそれぞれは、第1タッチ電極と、前記第1タッチ電極を互いに連結する第1ブリッジとを含み、
前記タッチセンシングラインのそれぞれは、第2タッチ電極と、前記第2タッチ電極を互いに連結する第2ブリッジとを含み、
前記タッチセンサーは、前記第1及び第2タッチ電極の間に配置されるタッチ絶縁膜をさらに含み、
前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つは、少なくとも一つのスリットを含む、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1及び第2タッチ電極と前記第1ブリッジは、Ti、Al、Mo、MoTi、Cu及びTaから選ばれた少なくとも一つの導電層を用いて3層積層構造に形成される、
請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第2ブリッジは、少なくとも一つのスリットを含み、前記発光素子のアノード電極上に形成されたバンクと重畳する、請求項18に記載の表示装置。
【請求項21】
前記発光素子と接続されるトランジスタと、
前記トランジスタのアクティブ層の下部に配置される第1絶縁膜と、
前記トランジスタのゲート電極とアクティブ層の間に配置される第2絶縁膜と、
前記ゲート電極と前記トランジスタのソース及びドレイン電極の間に配置される第3絶縁膜と、
前記ソース及びドレイン電極と前記発光素子の間に配置される第4絶縁膜と
をさらに含み、
前記少なくとも一層の絶縁膜は、前記第1〜第4絶縁膜の少なくとも一つである、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項22】
基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子上に配置される封止部と、
前記封止部上に配置されるタッチセンサーと、
前記封止部と前記タッチセンサーの間に配置され、前記基板のパッド領域に伸長するカラーフィルターと、
前記タッチセンサーと電気的に接続されるタッチパッドと、
を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するもので、特に工程簡素化及び費用節減が可能な表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、表示装置などの画面に現れた指示内容を人の手又は物体で選択して使用者の命令を入力することができるようにした入力装置である。すなわち、タッチスクリーンは、人の手又は物体が直接接触した接触位置を電気的信号に変換し、接触位置で選択された指示内容が入力信号として入力される。このようなタッチスクリーンは、キーボード及びマウスのように表示装置に連結されて動作する別途の入力装置を取り替えることができるので、その利用範囲が徐々に拡張している趨勢である。
【0003】
このようなタッチスクリーンは、一般的に液晶表示パネル又は有機電界発光表示パネルのような表示パネルの前面に接着剤を介して付着される場合が多い。この場合、タッチスクリーンが別に製作されて表示パネルの前面に付着されるので、付着工程の追加によって工程が複雑になって費用が上昇する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、工程簡素化及び費用節減が可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、封止部とタッチセンサーの間に配置されるカラーフィルターアレイがパッド領域まで伸長してタッチパッドと接触するので、パッド領域のストレスを緩和することができ、封止部の上部にタッチ電極が配置されることによって別途の接着工程が不要になって工程が簡素化し、費用を低減することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明による表示装置は、アクティブ領域からパッド領域までカラーフィルターアレイが伸長してタッチパッドと接触することで、パッド領域のストレスを緩和することができるので、信頼性が改善される。また、本発明では、アクティブ領域とパッド領域間の段差を最小化することができるので、ルーティングラインの断線及び抵抗増加を防止することができる。それだけでなく、封止部の上部にタッチ電極が配置されて別途の接着工程が不要になるので、工程が簡素化して費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す平面図である。
【
図3】
図1の線“I−I”に沿って切断した、タッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【
図4A】
図3に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図4B】
図3に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図4C】
図3に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図4D】
図3に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例と比較例による表示装置のストレスを示す図である。
【
図6】本発明の第2実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【
図7A】
図5に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図7B】
図5に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図7C】
図5に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図7D】
図5に示したパッド領域の他の実施例を示す断面図である。
【
図8】
図3に示した第1及び第2タッチ電極の他の実施例を示す平面図である。
【
図9】
図3に示したブリッジの他の実施例を示す平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に基づいて本発明による実施例を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す斜視図である。
【0010】
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、タッチ期間中に
図2に示したタッチ電極152e、154eを介して使用者のタッチによる相互静電容量(mutual capacitance:タッチセンサー)Cmの変化量を感知してタッチ有無及びタッチ位置をセンシングする。そして、
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、発光素子120を含む単位画素を介して映像を表示する。単位画素は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素PXLから構成されるとか、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のサブ画素PXLから構成される。
【0011】
このために、
図1に示した有機発光表示装置は、基板111上にマトリックス状に配列された多数のサブ画素PXLと、多数のサブ画素PXL上に配置された封止部と、封止部上に配置されるカラーフィルター192とを含むカラーフィルターアレイと、カラーフィルターアレイ上に配置された相互静電容量Cmとを備える。
【0012】
多数のサブ画素PXLのそれぞれは、画素駆動回路と、画素駆動回路と接続される発光素子120とを備える。
【0013】
画素駆動回路は、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを備える。一方、本発明では、画素駆動回路が2個のトランジスタTと1個のキャパシタCを備える構造を例として説明したが、これを限定するものではない。すなわち、3個以上のトランジスタTと1個以上のキャパシタCを備える3T1C構造又は3T2C構造の画素駆動回路を用いることもできる。
【0014】
スイッチングトランジスタT1は、スキャンラインSLにスキャンパルスが供給されるときにターンオンドされ、データラインDLに供給されたデータ信号をストレージキャパシタCst及び駆動トランジスタT2のゲート電極に供給する。
【0015】
駆動トランジスタT2は、その駆動トランジスタT2のゲート電極に供給されるデータ信号に応じて高電圧VDD供給ラインから発光素子120に供給される電流(I)を制御することによって発光素子120の発光量を調節することになる。そして、スイッチングトランジスタT1がターンオフされても、ストレージキャパシタCstに充電された電圧によって、駆動トランジスタT2は、次のフレームのデータ信号が供給されるまで一定の電流(I)を供給して発光素子120が発光を維持するようにする。
【0016】
このような駆動薄膜トランジスタT2、130は、
図3に示したように、第1絶縁膜であるバッファー層104上に配置される半導体層134と、第2絶縁膜であるゲート絶縁膜102を挟んで半導体層134と重畳するゲート電極132と、第3絶縁膜である層間絶縁膜114上に形成され、半導体層134と接触するソース及びドレイン電極136、138とを備える。ここで、半導体層134は、非晶質半導体物質、多結晶半導体物質及び酸化物半導体物質の少なくとも一つから形成される。
【0017】
発光素子120は、アノード電極122と、アノード電極122上に形成される発光スタック124と、発光スタック124上に形成されるカソード電極126とを備える。
【0018】
アノード電極122は、第4絶縁膜である保護膜116及び画素平坦化層118を貫通する画素コンタクトホールを通じて露出した駆動薄膜トランジスタ130のドレイン電極138と電気的に接続される。
【0019】
少なくとも一つの発光スタック124は、バンク128によって設けられた発光領域のアノード電極122上に形成される。少なくとも一つの発光スタック124は、アノード電極122上に正孔関連層、有機発光層、電子関連層の順に又はその逆順に積層されて形成される。その外にも、発光スタック124は、電荷生成層を挟んで対向する第1及び第2発光スタックを備えることもできる。この場合、第1及び第2発光スタックのいずれか一つの有機発光層は、青色光を生成し、第1及び第2発光スタックの残りの一つの有機発光層は、黄色−緑色光を生成することによって、第1及び第2発光スタックを介して白色光が生成される。この発光スタック124で生成された白色光は、発光スタック124の上部又は下部に位置するカラーフィルター192に入射するので、カラー映像を具現することができる。その外にも、別途のカラーフィルターなしに各発光スタック124で各サブ画素に対応するカラー光を生成してカラー映像を具現することもできる。すなわち、赤色(R)サブ画素の発光スタック124は、赤色光を、緑色(G)サブ画素の発光スタック124は緑色光を、青色(B)のサブ画素の発光スタック124は、青色光を生成することもできる。
【0020】
カソード電極126は、発光スタック124を挟んでアノード電極122と対向するように形成され、低電圧VSS供給ラインと接続される。
【0021】
封止部140は、外部の水分又は酸素に弱い発光素子120に外部の水分又は酸素が浸透することを遮断する。このために、封止部140は、多数の無機封止層142、146と、多数の無機封止層142、146の間に配置される有機封止層144とを備え、無機封止層146が最上層に配置されるようにする。ここで、封止部140は、少なくとも2層の無機封止層142、146と、少なくとも1層の有機封止層144とを備える。本発明では、第1及び第2無機封止層142、146の間に有機封止層144が配置される封止部140の構造を例として説明する。
【0022】
第1無機封止層142は、発光素子120と最も近接するように、カソード電極126が形成された基板111上に形成される。このような第1無機封止層142は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような低温蒸着が可能な無機絶縁素材から形成される。これにより、第1無機封止層142が低温雰囲気で蒸着されるので、第1無機封止層142の蒸着工程時、高温雰囲気に弱い発光スタック124が損傷されることを防止することができる。
【0023】
有機封止層144は、有機発光表示装置の歪みによる各層間の応力を緩和させる緩衝役目をし、平坦化性能を強化する。この有機封止層144は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン又はシリコンオキシカーボン(SiOC)のような有機絶縁素材から形成される。
【0024】
一方、有機封止層144がインクジェット方式で形成される場合、タッチパッド170が形成されたパッド領域PAと発光素子120が形成されたアクティブ領域AAの間に配置される多数のダム106が形成される。このようなダム106は、液状の有機封止層144がアクティブ領域AAに滴下する時、液状の有機封止層144がパッド領域PAに侵犯することを防止する。このダム106は、単層又は多層の構造に形成される。例えば、ダム106は、バンク128及びスペーサー(図示せず)の少なくとも一つと同一の素材から同時に形成されるので、マスク追加工程及び費用上昇を防止することができる。また、ダム106の上部にはダム106を横切る多数のルーティングライン156が配置される。ルーティングライン156とダム106の間には、カラーフィルターアレイ190に含まれたカラーフィルター192、ブラックマトリックス194及びタッチ平坦化層196の少なくとも一つと、第1及び第2無機封止層142、146とが配置される。
【0025】
第2無機封止層146は、有機封止層144が形成された基板111上にそれぞれの有機封止層144及び第1無機封止層142の上面及び側面を覆うように形成される。これにより、第2無機封止層146は、外部の水分又は酸素が第1無機封止層142及び有機封止層144に浸透することを最小化するとか遮断する。このような第2無機封止層146は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような無機絶縁素材から形成される。
【0026】
このような封止部140上には、カラーフィルターアレイ190が配置される。カラーフィルターアレイ190は、
図3に示したように、ブラックマトリックス194、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を備えるとか、
図4Aに示したように、タッチ平坦化層196なしにブラックマトリックス194及びカラーフィルター192を備えることができる。
【0027】
ブラックマトリックス194は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素PXLのそれぞれを区分するとともに、隣接したサブ画素PXL間の光干渉を防止する役目をする。このブラックマトリックス194は、バンク128と重畳するように形成される。
【0028】
カラーフィルター192は、アクティブ領域AAの封止部140上に形成され、各サブ画素PXLに対応する色を具現する。このために、赤色(R)カラーフィルター192は、赤色(R)サブ画素PXLの封止部140上に形成され、緑色(G)カラーフィルター192は、緑色(G)サブ画素PXLの封止部140上に形成され、青色(B)カラーフィルター192は、青色サブ画素PXLの封止部140上に形成される。これにより、発光素子120で生成された白色光がカラーフィルター192を通じて出射してカラー映像を具現することができる。
【0029】
タッチ平坦化層196は、カラーフィルター192及びブラックマトリックス194上に透明な有機絶縁物質から形成される。このタッチ平坦化層196は、カラーフィルター192とブラックマトリックス194間の段差を補償することによって平坦な表面を提供する。一方、タッチ平坦化層196がない
図4Aの構造では、カラーフィルター192及びブラックマトリックス194を用いて平坦な表面を提供することができる。
【0030】
このようなブラックマトリックス194、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を含むカラーフィルターアレイ190は、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120の間に形成される。このカラーフィルターアレイ190によって、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120間の離隔距離が大きくなる。これにより、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120の間に形成される寄生キャパシタの容量値を最小化することができるので、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120間のカップリング(coupling)による相互影響を防止することができる。また、カラーフィルターアレイ190は、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152の製造工程時に用いられる薬液(現像液又は食刻液など)又は外部の水分などが有機発光スタック124に浸透することを遮断することができる。これにより、カラーフィルターアレイ190は、薬液又は水分に弱い有機発光スタック124の損傷を防止することができる。それだけでなく、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152は、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196の少なくとも一つによって平坦な表面を提供するカラーフィルターアレイ190上に配置される。これにより、本発明は、異物及び段差によるタッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152の断線及び抵抗増加の現象を改善することができる。
【0031】
カラーフィルターアレイ190上には、タッチ絶縁膜168を挟んでタッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152が交差するように配置されることにより、タッチセンシングライン154とタッチ駆動ライン152の交差部には、相互静電容量(mutual capacitance)Cmが形成される。これにより、相互静電容量Cmは、タッチ駆動ライン152に供給されるタッチ駆動パルスによって電荷を充電し、充電された電荷をタッチセンシングライン154へ放電することによってタッチセンサーの役目をすることになる。
【0032】
タッチ駆動ライン152は、多数の第1タッチ電極152eと、多数の第1タッチ電極152e間を電気的に連結する第1ブリッジ152bとを備える。
【0033】
多数の第1タッチ電極152eは、タッチ絶縁膜168上に第1方向であるX方向に一定の間隔で離隔する。このような多数の第1タッチ電極152eのそれぞれは、第1ブリッジ152bを介して隣接した第1タッチ電極152eと電気的に連結される。
【0034】
第1ブリッジ152bは、第1タッチ電極152eと同一平面のタッチ絶縁膜168上に配置され、別途のコンタクトホールなしに第1タッチ電極152eと電気的に接続される。この第1ブリッジ152bは、バンク128と重畳するように配置されるので、第1ブリッジ152bによって開口率が損傷されることを防止することができる。
【0035】
タッチセンシングライン154は、多数の第2タッチ電極154eと、多数の第2タッチ電極154eを互いに電気的に連結する第2ブリッジ154bとを備える。
【0036】
多数の第2タッチ電極154eは、タッチ絶縁膜168上で第2方向であるY方向に一定の間隔で離隔する。このような多数の第2タッチ電極154eのそれぞれは、第2ブリッジ154bを介して隣接した第2タッチ電極154eと電気的に連結される。
【0037】
第2ブリッジ154bは、タッチ平坦化層196上に形成され、タッチ絶縁膜168を貫通するタッチコンタクトホール150を通じて露出して第2タッチ電極154eと電気的に接続される。第2ブリッジ154bは、第1ブリッジ152bと同様にバンク128と重畳するように配置されるので、第2ブリッジ154bによって開口率が損傷されることを防止することができる。
【0038】
このような本発明のタッチ駆動ライン152及びタッチセンシングライン154のそれぞれは、ルーティングライン156及びタッチパッド170を介してタッチ駆動部(図示せず)と連結される。
【0039】
ルーティングライン156は、第1及び第2タッチ電極152e、154eのそれぞれとタッチパッド170の間に形成され、第1及び第2タッチ電極152e、154eのそれぞれとタッチパッド170を電気的に連結する。これにより、ルーティングライン156は、タッチ駆動部で生成されたタッチ駆動パルスをタッチパッド170を介してタッチ駆動ライン152に伝送し、タッチセンシングライン154からのタッチ信号をタッチパッド170を介してタッチ駆動部に伝送する。ここで、ルーティングライン156は、第1タッチ電極152eからアクティブ領域AAの左側及び右側の少なくとも一側に伸長してタッチパッド170と接続され、ルーティングライン156は、第2タッチ電極154eからアクティブ領域の上側及び下側の少なくとも一側に伸長してタッチパッド170と接続される。このようなルーティングライン156の配置は、表示装置の設計事項によって多様に変更可能である。
【0040】
このようなルーティングライン156は、
図3に示したように、単層構造に形成されるとか、
図4A〜
図4Dに示したように、多層構造に形成される。
図3に示した単層構造のルーティングライン156は、第2ブリッジ154b又は第1ブリッジ152bと同一の素材から同一平面上に配置される。
図4A〜
図4Dに示した多層構造のルーティングライン156は、第2ブリッジ154bと同一の素材からなって同一平面上に配置される第1ルーティングライン156aと、第2タッチ電極154eと同一の素材からなって第1ルーティングライン156aと直接接触するように第1ルーティングライン156a上に配置される第2ルーティングライン156bとからなる。
【0041】
タッチパッド170は、アクティブ領域AA内に配置されたスキャンラインSL及びデータラインDLの少なくとも一つと接続された表示パッド(図示せず)に隣接した領域に表示パッドに平行に配置される。このタッチパッド170は、パッド電極172と、そのタッチパッド電極172上にパッド電極172を覆うように配置されたパッドカバー電極174とからなる。
【0042】
パッド電極172は、スキャンラインSL及びデータラインDLのいずれか一つと同一平面(例えば、ゲート絶縁膜102又は層間絶縁膜114)上に同一の素材からなる。
【0043】
パッドカバー電極174は、ルーティングライン156と接続される。このために、パッドカバー電極174は、第1及び第2タッチ電極152e、154eと同一のマスク工程で同一の素材から形成され、ルーティングライン156の側面及び上面と直接接続される。その外にも、パッドカバー電極174は、ルーティングライン156と同一の素材から同一のマスク工程で形成されるので、ルーティングライン156から伸長するように形成される。このようなパッドカバー電極174は、タッチ駆動部が実装された信号伝送フィルムと接続される。
【0044】
また、パッドカバー電極174は、カラーフィルターアレイ190と接触するようにカラーフィルターアレイ190上に配置され、カラーフィルターアレイ190を貫通するパッドコンタクトホール176を通じて露出したタッチパッド電極172と電気的に接続される。
【0045】
一方、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置において、カラーフィルターアレイ190に含まれたカラーフィルター192、ブラックマトリックス194及びタッチ平坦化層196の少なくとも一つは、
図3及び
図4A〜
図4Dに示したように、アクティブ領域AAからパッド領域PAまで伸長して連結されるように形成される。
【0046】
すなわち、
図3に示したタッチ平坦化層196は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面及び上面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触する。これにより、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196を挟んで第2無機封止層146から離隔する。ここで、パッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成される。すなわち、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116及びタッチ平坦化層196を貫通するように形成される。
【0047】
図4Aに示したカラーフィルター192は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、カラーフィルター192の側面及び上面を覆うようにカラーフィルター192と接触する。これにより、ルーティングライン156は、カラーフィルター192を挟んで第2無機封止層146から離隔する。ここで、パッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116及びカラーフィルター192を貫通するように形成される。
【0048】
図4Bに示したカラーフィルター192及びタッチ平坦化層196は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面及び上面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触する。これにより、ルーティングライン156は、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を挟んで第2無機封止層146から離隔する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を貫通するように形成される。
【0049】
図4Cに示したタッチ平坦化層196は、アクティブ領域AAからパッド領域PAまで伸長し、カラーフィルター192は、アクティブ領域AAからダム106とタッチパッド170間の領域まで伸長する。これにより、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面及び上面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触し、ルーティングライン156は、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を挟んで第2無機封止層146から離隔する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116及びタッチ平坦化層196を貫通するように形成される。
【0050】
図4Dに示したカラーフィルター192は、アクティブ領域AAからパッド領域PAまで伸長し、タッチ平坦化層196は、アクティブ領域AAからダム106とタッチパッド170間の領域まで伸長する。これにより、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196及びカラーフィルター192を覆うようにタッチ平坦化層196及びカラーフィルター192と接触し、ルーティングライン156は、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を挟んで第2無機封止層146から離隔する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、保護膜116及びカラーフィルター192を貫通するように形成される。
【0051】
このように、本発明のルーティングライン156及びパッド領域PAまでカラーフィルターアレイ190が伸長して形成されるので、ストレスを緩和することができ、信頼性が改善される。すなわち、
図5に示したように、パッド電極172上に無機膜116及び有機膜192、196が積層される実施例1〜実施例5は、パッド電極上に無機膜のみが配置される比較例よりストレス改善に有利であることが分かる。
【0052】
また、本発明では、パッド領域PAまでカラーフィルターアレイ190が伸長して形成されるので、アクティブ領域AAとパッド領域PA間の段差を最小化することができる。すなわち、発光素子120、バンク128、封止部140、及びカラーフィルターアレイがアクティブ領域に配置され、パッド領域にタッチパッドが配置される比較例の場合、アクティブ領域とパッド領域間の段差は、10μm以上発生する。一方、本発明の実施例では、パッド領域PAまでカラーフィルターアレイ190が伸長して形成されるので、アクティブ領域AAとパッド領域PA間の段差をカラーフィルターアレイ190の厚さの分だけ減らすことができる。これにより、本発明では、アクティブ領域AA及びパッド領域PA間の段差領域を横切るルーティングライン156の断線及び抵抗増加を防止することができる。
【0053】
また、パッド領域にカラーフィルターアレイが形成されない比較例の場合、パッド領域には、タッチパッド電極、タッチパッドカバー電極及び多数の絶縁膜を含む無機膜が積層される。これにより、パッド領域とアクティブ領域間のストレス差が大きいため、アクティブ領域に比べて厚さが小さいパッド領域が円筒状に丸まる現象が発生する。また、異物によって無機膜が剥離(Peeling)されるため、ルーティングラインなどの信号配線が断線される。一方、パッド領域PAにカラーフィルターアレイ190が形成される本発明の実施例の場合、パッド領域PAには、タッチパッド170及び多数の絶縁膜104、114、116、142、144を含む無機膜と、カラーフィルターアレイ190に含まれた有機膜とが積層される。これにより、パッド領域PAとアクティブ領域AA間のストレス差が小さくなって、パッド領域PAが円筒状に丸まる現象が防止される。また、異物によって無機膜が剥離されても、カラーフィルターアレイ190に含まれた有機膜上にルーティングライン156が配置されるので、ルーティングライン156の断線現象を防止することができる。
【0054】
その上、従来の有機発光表示装置は、接着剤を介してタッチスクリーンが有機発光表示装置に付着される反面、本発明による有機発光表示装置は、封止部140上にタッチ電極152e、154eが配置されることにより、別途の接着工程が不要になって工程が簡素化して費用を低減することができる。
【0055】
図6は、本発明の第2実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【0056】
図6に示した有機発光表示装置は、
図3に示した有機発光表示装置と対比して、パッドコンタクトホール176が第1及び第2無機封止層142、146を貫通するように形成されることを除き、同一の構成要素を備える。したがって、同一の構成要素についての詳細な説明は、省略する。
【0057】
本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置において、カラーフィルターアレイ190に含まれたカラーフィルター192、ブラックマトリックス194及びタッチ平坦化層196の少なくとも一つと無機封止層142、146は、
図6及び
図7A〜
図7Dに示したように、パッド領域PAまで伸長して形成される。
【0058】
すなわち、
図6に示したタッチ平坦化層196は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面及び上面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、第1及び第2無機封止層142、146及びタッチ平坦化層196を貫通する。すなわち、パッドコンタクトホール176の形成時、保護膜116、及び第1及び第2無機封止層142、146は、タッチ平坦化層196と一緒に食刻されるので、マスク工程が追加されることを防止することができる。
【0059】
図7Aに示したカラーフィルター192は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、カラーフィルター192を覆うようにカラーフィルター192と接触する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、第1及び第2無機封止層142、146及びカラーフィルター192を貫通するように形成される。
【0060】
図7Bに示したカラーフィルター192及びタッチ平坦化層196は、パッド領域PAまで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、第1及び第2無機封止層142、146、カラーフィルター192及びタッチ平坦化層196を貫通するように形成される。
【0061】
図7Cに示したタッチ平坦化層196は、パッド領域PAまで伸長し、カラーフィルター192は、ダム106とタッチパッド170間の領域まで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196の側面を覆うようにタッチ平坦化層196と接触する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、及び第1及び第2無機封止層142、146を貫通するように形成され、カラーフィルター192は、そのカラーフィルター192の形成時にパッド電極172と対応する領域で除去されるように形成され、タッチ平坦化層196は、そのタッチ平坦化層196の形成時にパッドコンタクトホール176と対応する領域で除去されるように形成される。これにより、パッドコンタクトホール176は、保護膜116、第1及び第2無機封止層142、146及びタッチ平坦化層196を貫通するように形成される。
【0062】
図7Dに示したカラーフィルター192は、パッド領域PAまで伸長し、タッチ平坦化層196は、ダム106とタッチパッド170間の領域まで伸長するので、ルーティングライン156は、タッチ平坦化層196及びカラーフィルター192を覆うようにタッチ平坦化層196及びカラーフィルター192と接触する。ここで、タッチパッド電極172を露出させるパッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150と同一のマスク工程で形成されるので、パッドコンタクトホール176は、タッチコンタクトホール150の形成時に保護膜116、第1及び第2無機封止層142、146及びカラーフィルター192を貫通するように形成される。
【0063】
このように、本発明では、パッド領域PAまでカラーフィルターアレイ190と第1及び第2無機封止層142、146が伸長して形成されるので、アクティブ領域AAとパッド領域PA間の段差を最小化することができる。すなわち、本発明の実施例では、アクティブ領域AAとパッド領域PA間の段差をカラーフィルターアレイ190及び無機封止層142、146の厚さの分だけ減らすことができる。したがって、本発明では、アクティブ領域AA及びパッド領域PA間の段差領域を横切るルーティングライン156の断線及び抵抗増加を防止することができる。
【0064】
また、本発明の実施例の場合、パッド領域PAには、タッチパッド170及び多数の絶縁膜104、114、116、142、144を含む無機膜と、カラーフィルターアレイ190に含まれた有機膜とが積層される。これにより、パッド領域PAとアクティブ領域AA間のストレス差が小さくなってパッド領域PAが円筒状に丸まる現象が防止される。また、異物によって無機膜が剥離されても、カラーフィルターアレイ190に含まれた有機膜上にルーティングライン156が配置されるので、ルーティングライン156の断線現象を防止することができる。
【0065】
それだけでなく、従来の有機発光表示装置は、接着剤を介してタッチスクリーンが有機発光表示装置に付着される反面、本発明による有機発光表示装置は、封止部140上にタッチ電極152e、154eが配置されることにより、別途の接着工程が不要になって工程が簡素化し、費用を低減することができる。
【0066】
一方、本発明では、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1及び第2ブリッジ152b、154bが、
図2に示したように、プレート状に形成されるものを例として説明したが、その外にも、
図8に示したように、メッシュ状に形成されることもできる。すなわち、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152bはITO又はIZOのような透明導電膜より伝導性が良いTi、Al、Mo、MoTi、Cu及びTaの少なくとも一層の導電層からメッシュ状に形成される。例えば、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152bは、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi又はTi/Al/Moのように積層された3層構造に形成される。これにより、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152b自体の抵抗及びキャパシタンスが減少してRC時定数が減少することにより、タッチ感度を向上させることができる。また、メッシュ状の第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152bの線幅が非常に小さいので、第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152bによって開口率及び透過率が低下することを防止することができる。
【0067】
また、タッチ電極152e、154eとは違う平面上に不透明導電膜からなった第2ブリッジ154bは、
図9に示したように、多数のスリット153を備える。多数のスリット153を備える第2ブリッジ154bは、スリット153を備えないブリッジに比べて面積を減らすことができる。これにより、第2ブリッジ154bによる外部光反射を減らすことができるので、視認性が低下することを防止することができる。このようなスリット153を備える第2ブリッジ154bは、バンク128と重畳することにより、不透明導電膜からなった第2ブリッジ154bによって開口率が低下することを防止することができる。
【0068】
それだけでなく、本発明では、タッチ絶縁膜168を挟んで交差するタッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152を含む相互容量型のタッチセンサーを例として説明したが、その外にも自己静電容量型のタッチセンサーにも適用されることもできる。この自己静電容量型の多数のタッチ電極のそれぞれは、電気的に独立した自己静電容量を有するので、使用者のタッチによる静電容量変化を感知する自己容量方式のタッチセンサーとして用いられる。すなわち、自己静電容量型の多数のタッチ電極と接続されたルーティングラインは、カラーフィルターアレイに含まれたカラーフィルター192、タッチ平坦化層196及びブラックマトリックス194の少なくとも一つ上に形成され、カラーフィルターアレイに含まれたカラーフィルター192、タッチ平坦化層196及びブラックマトリックス194の少なくとも一つがパッド領域まで伸長して形成される。これにより、パッド領域上に配置されるカラーフィルターアレイ190によってストレスが緩和され、信頼性を改善することができる。
【0069】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、多様な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示された実施例は、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、下記の特許請求範囲によって解釈されなければならなく、それと均等な範囲内にあるいずれの技術も本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0070】
142、144 無機封止層、146 有機封止層、152 タッチ駆動ライン、154 タッチセンシングライン、156 ルーティングライン、168 タッチ絶縁膜、192 カラーフィルター、194 ブラックマトリックス、196 タッチ平坦化層。