(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591520
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】電動機駆動装置用の組立構造
(51)【国際特許分類】
H02K 5/04 20060101AFI20191007BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20191007BHJP
H02K 5/00 20060101ALI20191007BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20191007BHJP
H02K 5/18 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
H02K5/04
H05K7/20 H
H02K5/00 A
H02K11/30
H02K5/18
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-243200(P2017-243200)
(22)【出願日】2017年12月19日
(65)【公開番号】特開2018-121515(P2018-121515A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2017年12月19日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0010511
(32)【優先日】2017年1月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】トン−シク・キム
(72)【発明者】
【氏名】チョン−ソク・ヤン
【審査官】
三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/090754(WO,A1)
【文献】
特開2016−058553(JP,A)
【文献】
特開2014−123659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/04
H02K 5/00
H02K 5/18
H02K 11/30
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースケース、
ファンと、前記ファンの外部で前記ファンを固定するハウジングを含み、前記ベースケースの上部の一領域に配置される放熱ファン、
ベースと、前記ベースの左右側両端から垂直に下降して形成される側面部を含み、前記ベースケースの上部で前記放熱ファンの一側に配置されるヒートシンク、
前記ヒートシンクの上部に配置されるミドルベース、
前記ミドルベースの上部に配置されるパワープリント回路基板(PCB)アセンブリ、
及び
前記パワーPCBアセンブリの上部に配置されるフィルターPCBアセンブリを含む電動機駆動装置用の組立構造において、
前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの前面部に対向して配置される少なくとも一つ以上のフック固定部;
前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの背面部に対向する少なくとも一つ以上のフック支持部;
前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの左側面部及び右側面部に対向して配置される第1ガイド部;及び
前記ハウジングを挟んで互いに対向する前記フック固定部及び前記フック支持部の内面にそれぞれ形成されるフック係止部を含み、
前記ハウジングの前面及び背面の前記フック係止部に対向する領域に、前記フック係止部に嵌合する穴が形成され、
前記ベースケースの上面に、前記ヒートシンクの側面部で前記ヒートシンクを固定する少なくとも一つ以上の第1フック部;及び
前記ベースケースの上面に、前記第1フック部が配置される領域を除いて、前記ヒートシンクの側面部に沿って配置される第2ガイド部をさらに含み、
前記ヒートシンクの少なくとも一つ以上の側面部の下部に対向する前記ベースケースの領域に、垂直に突出して形成されるリブをさらに含み、
前記ヒートシンクの少なくとも一つ以上の側面部の下部には、前記リブが入り込むリセス部が形成される、組立構造。
【請求項2】
前記フック係止部は、
前記フック固定部またはフック支持部の内面から斜め下に傾いた第1上部;及び
前記第1上部から、前記フック固定部またはフック支持部の内面と平行に延びる第1下部からなる、請求項1に記載の組立構造。
【請求項3】
前記第1ガイド部の上部から突出し、前記ハウジングの前面及び背面で前記ハウジングを固定する突起部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の組立構造。
【請求項4】
前記第1フック部は、
内面が内側に向けて傾くように形成される第2上部;及び
前記第2上部の下で前記ヒートシンクと平行に形成される第2下部を含み、前記第2上部と前記第2下部との境界に第1段差が形成される、請求項1に記載の組立構造。
【請求項5】
前記ミドルベースの下面に、前記ヒートシンクの側面部で前記ヒートシンクを固定する少なくとも一つ以上の第2フック部;及び
前記ミドルベースの下面に、前記第2フック部が配置される領域を除いて、前記ヒートシンクの側面部に沿って配置される第3ガイド部をさらに含む、請求項1に記載の組立構造。
【請求項6】
前記第2フック部は、
前記ヒートシンク側に位置する内面が内側に傾いた第3上部;及び
前記第3上部の下で、前記ヒートシンクと平行に形成される第3下部を含み、前記第3上部と前記第3下部との境界に第2段差が形成される、請求項5に記載の組立構造。
【請求項7】
前記ミドルベースの側面に、前記パワーPCBアセンブリと垂直に結合する少なくとも一つ以上の第3フック部をさらに含み、
前記第3フック部は、
前記パワーPCBアセンブリ側に位置する内面が下に行くほど内側に傾いた第4上部;及び
前記第4上部の下部で垂直に形成される第4下部を含み、
前記第4上部と前記第4下部との境界で第3段差が形成されて、
前記パワーPCBアセンブリに前記第3フック部に結合する第1締結溝が形成されて、前記第1締結溝の内側は前記第3段差に結合される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組立構造。
【請求項8】
前記ミドルベースの上面に、前記パワーPCBアセンブリ及び前記フィルターPCBアセンブリと結合する少なくとも一つ以上のボスをさらに含み、
前記パワーPCBアセンブリ及び前記フィルターPCBアセンブリに、それぞれ前記ボスが貫通する穴が形成される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組立構造。
【請求項9】
前記ミドルベースの側面に、前記フィルターPCBアセンブリと垂直に結合する少なくとも一つ以上の第4フック部をさらに含み、
前記第4フック部は、
前記フィルターPCBアセンブリ側に位置する内面が下に行くほど内側に傾いた第5上部;及び
前記第5上部の下部で垂直に形成される第5下部を含み、
前記第5上部と前記第5下部との境界で第4段差が形成されて、
前記フィルターPCBアセンブリの側部に前記第4フック部に結合する第2締結溝が形成されて、前記第2締結溝の内側は前記第4段差に結合される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の組立構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機駆動装置用の組立構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インバータ又はサーボドライブのような電動機駆動装置は、商用交流電源を入力とし、これを直流電源に変換した後、さらに電動機に適合した交流電源に変換して電動機に供給する電力変換装置である。かかる電動機駆動装置は、電動機を効率的に制御することで、電動機の消耗電力を減少してエネルギー効率を高める。
【0003】
図1は従来の電動機駆動装置の全体内部構造図、
図2は従来のミドルベースの組立図、
図3は従来のコンデンサ・プリント回路基板(PCB)アセンブリの組立図、
図4は従来のパワーPCBアセンブリの組立図、
図5は従来の電磁気波適合性(EMC)フィルターPCBアセンブリの組立図、
図6は従来のアンダーカバーの組立図、
図7は従来のファンの組立図である。
【0004】
従来の電動機駆動装置100では、ヒートシンク110の上部にミドルベース120がフック170により結合されて、ミドルベース120にコンデンサPCBアセンブリ130がスクリュー180により締結される。
また、パワーPCBアセンブリ140は、ミドルベース120にフック190により結合される。また、フィルターPCBアセンブリ150は、ミドルベース120とヒートシンク110にスクリュー200により締結される。
【0005】
また、アンダーカバー160は、ヒートシンク110の下部にスクリュー210により締結される。また、ファン220は、ヒートシンク110の側面にファンカバー230により組み立てられる。
【0006】
しかし、上記のような従来の組立構造は、ヒートシンク110にアンダーカバー160を組み立てる際、スクリュー210のような別途締結部品を使用するため、部品の加工費が上昇して、スクリュー210の締結工程時に、組立不良による品質低下が生じるし、垂直方向の締結構造ではなく、製品を回転して締結しなければならない構造であるため、組立工程時間を増やしてST(standard time)を上昇させるという問題点がある。
【0007】
また、PCBアセンブリを組み立てる際、スクリュー180,200のような別途締結部品を多く使用しなければならないため部品の加工費が上昇して、スクリューの組立工程によりSTは増加し、品質不良が発生するという問題点がある。
【0008】
また、ヒートシンク110にファン220を組み立てる際、ファンカバー230のような別途結合部品を使用しなければならないため、部品費は上昇してSTが増加するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ヒートシンク、ファン及びベースケースの組立構造を改善して、部品の加工費を減少して原価を節減し、工程を単純にして組立時間を短縮する電動機駆動装置用の組立構造を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、ヒートシンクとベースケースの誤組立を防止して、組立不良を減少し、製品品質を向上する電動機駆動装置用の組立構造を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとするさらに他の技術的課題は、PCBアセンブリの組立構造を改善して、組立工程において発生する組立不良を減らして製品の品質を向上し、部品の加工費を減少して原価を節減する電動機駆動装置用の組立構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような技術的課題を解決するためにベースケース、ファンと、前記ファンの外部で前記ファンを固定するハウジングを含み、前記ベースケースの上部の一領域に配置される放熱ファン、ベースと、前記ベースの左右側両端から垂直に下降して形成される側面部を含み、前記ベースケースの上部で前記放熱ファンの一側に配置されるヒートシンク、前記ヒートシンクの上部に配置されるミドルベース、前記ミドルベースの上部に配置されるパワープリント回路基板(PCB)アセンブリ、及び前記パワーPCBアセンブリの上部に配置されるフィルターPCBアセンブリを含む、本発明の一実施形態の電動機駆動装置用の組立構造において、前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの前面部の位置に対応して配置される少なくとも一つ以上のフック固定部;前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの背面部の位置に対応して配置される少なくとも一つ以上のフック支持部;前記ベースケースの上面に、前記ハウジングの左側面部及び右側面部の位置に対応して配置される第1ガイド部;及び前記フック固定部及び前記フック支持部の内面にそれぞれ形成されるフック係止部を含むことができ、前記ハウジングの前面及び背面の前記フック係止部に対応する領域に、前記フック係止部の形状に対応する穴が形成されてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記フック係止部は、前記フック固定部または前記フック支持部の内面から内側に向けて傾くように形成される第1上部;及び前記第1上部の境界から、前記フック固定部またはフック支持部の内面と平行に形成される第1下部からなってもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記第1ガイド部の上部に、前記ハウジングの前面及び背面が固定されるように突出して形成される突起部が形成されてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ベースケースの上面に、前記ヒートシンクの側面部の位置に対応して配置される少なくとも一つ以上の第1フック部;及び前記ベースケースの上面に、前記第1フック部が配置される領域を除いて、前記ヒートシンクの外周面に沿って配置される第2ガイド部をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記第1フック部は、内面が内側に向けて傾くように形成される第2上部;及び前記第2上部の下で前記ヒートシンクと平行に形成される第2下部を含み、前記第2上部と前記第2下部とが出会う領域に第1段差が形成されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ミドルベースの下面に、前記ヒートシンクの側面部の位置に対応して配置される少なくとも一つ以上の第2フック部;及び前記ミドルベースの下面に、前記第2フック部が配置される領域を除いて、前記ヒートシンクの外周面に沿って配置される第3ガイド部をさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記第2フック部は、内面が内側に向けて傾くように形成される第3上部;及び前記第3上部の下で前記ヒートシンクと平行に形成される第3下部を含み、前記第3上部と前記第3下部とが出会う領域に第2段差が形成されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ヒートシンクの少なくとも一つ以上の側面部の下部面に対応する前記ベースケースの領域に、垂直に突出して形成されるリブをさらに含み、前記ヒートシンクの少なくとも一つ以上の側面部の下部面には、前記リブに対応するリセス部が形成されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ミドルベースの側面に、前記パワーPCBアセンブリと垂直に結合する少なくとも一つ以上の第3フック部をさらに含み、前記第3フック部は、内面が下に行くほど内側に傾くように形成される第4上部;及び前記第4上部の下部で垂直に形成される第4下部を含み、前記第4上部と前記第4下部とが出会う境界で第3段差が形成されて、前記パワーPCBアセンブリに前記第3フック部に対応する第1締結溝が形成されて、前記第1締結溝の内側は前記第3段差に結合されてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ミドルベースの上面に、前記パワーPCBアセンブリ及び前記フィルターPCBアセンブリと結合する少なくとも一つ以上のボスをさらに含み、前記パワーPCBアセンブリ及び前記フィルターPCBアセンブリにそれぞれ前記ボスに対応する穴が形成されてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態の組立構造は、前記ミドルベースの側面に、前記フィルターPCBアセンブリと垂直に結合する少なくとも一つ以上の第4フック部をさらに含み、前記第4フック部は、内面が下に行くほど内側に傾くように形成される第5上部;及び前記第5上部の下部で垂直に形成される第5下部を含み、前記第5上部と前記第5下部とが出会う境界で第4段差が形成されて、前記フィルターPCBアセンブリの側部に、前記第4フック部に対応する第2締結溝が形成されて、前記第2締結溝の内側は前記第4段差に結合されてもよい。
【0023】
その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面らに含まれている。
【発明の効果】
【0024】
上記のような本発明は、放熱ファンとヒートシンクの組立構造の変更を通じて、別途締結用の部品を除去して、垂直的な組立構造の単純化により原価を節減させる効果がある。
【0025】
また、本発明の一実施形態によれば、ベースケースとヒートシンクに誤組立防止のためのガイドを適用して、組立工程時の不良率を低下し、品質信頼性を確保させる効果がある。
【0026】
また、本発明の一実施形態によれば、PCBアセンブリとミドルベースの組立構造を変更して、組立性を向上し、原価を節減させる効果がある。
【0027】
また、本発明の一実施形態によれば、垂直的な締結構造で組み立てることで、組立工程の自動化を可能にして、組立段階的な品質向上を通じて最終製品に対する品質上昇を期待される効果がある。
【0028】
本発明の技術的思想の実施形態は、具体的に言及されていない多様な効果を提供できることは充分理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来の電動機駆動装置の全体内部構造図である。
【
図3】従来のコンデンサPCBアセンブリの組立図である。
【
図4】従来のパワーPCBアセンブリの組立図である。
【
図5】従来のEMCフィルターPCBアセンブリの組立図である。
【
図8】本発明の一実施形態の電動機駆動装置の全体構造図である。
【
図9a】本発明の一実施形態の放熱ファンの組立図である。
【
図9b】本発明の一実施形態の放熱ファンの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【
図10a】本発明の一実施形態のヒートシンクの組立図である。
【
図10b】本発明の一実施形態のヒートシンクが組み立てられるベースケースの構造を詳細に説明するための一例示図である。
【
図10c】本発明の一実施形態のフック部の一実施形態の詳細図である。
【
図10d】本発明の一実施形態のヒートシンクとミドルベースの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【
図10e】本発明の一実施形態のヒートシンクの前面の組立構造を説明するための一例示図である。
【
図10f】本発明の一実施形態のヒートシンクの前面の組立構造を説明するための一例示図である。
【
図11a】本発明の一実施形態のパワーPCBアセンブリの組立図である。
【
図11b】本発明の一実施形態のパワーPCBアセンブリの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【
図12a】本発明の一実施形態のフィルターPCBアセンブリの組立図である。
【
図12b】本発明の一実施形態のフィルターPCBアセンブリの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の構成及び効果を充分理解するために、添付図面を参照して本発明の望ましい実施形態らを説明する。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に具現することができ、多様な変更を加えることができる。但し、本実施形態に対する説明は、本発明の開示を完全なものにして、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。添付図面における構成要素は、説明の便宜のためにそのサイズを実際より拡大して示しており、各構成要素の割合は、誇張されるか縮小され得る。
【0031】
ある構成要素が他の構成要素の「上に」あるか「接して」いると記載された場合、他の構成要素の上に直接相接しているか又は連結されていてもよいが、その中にさらに他の構成要素が存在できると理解されなければならない。一方、ある構成要素が他の構成要素の「真上に」あるか「直接接して」いると記載された場合は、その中にさらに他の構成要素は存在しないと理解されてもよい。構成要素間の関係を説明する他の表現、例えば、「〜間に」や「直接〜の間に」等も同様に解釈される。
【0032】
「第1」、「第2」等の用語は、多様な構成要素を説明するに使われるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはならない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用できる。例えば、本発明の権利範囲を脱しないながら「第1構成要素」は「第2構成要素」に命名されてもよいと同様、「第2構成要素」も「第1構成要素」に命名されてもよい。
【0033】
単数の表現は、文脈上明白に別途表現しない限り、複数の表現を含む。「含む」 又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組み合わせたものが加えると解釈されてもよい。
【0034】
本発明の実施形態において使われる用語は、別途定義されない限り、当該技術分野において通常の知識を有する者に通常的に知られた意味に解釈することができる。
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施形態を説明することで、本発明を詳説する。
【0036】
図8は、本発明の一実施形態の電動機駆動装置の全体構造図である。
【0037】
図面に示されたように、本発明の一実施形態の電動機駆動装置1は、ベースケース11とミドルベース14の間にヒートシンク12が配置されて、ヒートシンク12の前面に放熱ファン13が組み立てられて、ミドルベース14の上部にパワープリント回路基板(printed circuit board、PCB)アセンブリ15が組み立てられて、パワーPCBアセンブリ15の上部にフィルターPCBアセンブリ16が配置されてもよい。
【0038】
本発明の一実施形態の電動機駆動装置は、スクリューのような組立部品を使わないながら、組立構造を改善して製品の品質を向上することができる。以下、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0039】
図9aは、本発明の一実施形態の放熱ファンの組立図であり、
図9bは、本発明の一実施形態の放熱ファンの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【0040】
図面に示されたように、本発明の一実施形態の組立構造において、放熱ファン13は、ファン13aと、ファン13aの外部でファン13aを固定するファンハウジング13bを含んでもよい。
【0041】
ベースケース11には、ファンハウジング13bの前面部及び背面部が置かれる位置に対応して、それぞれ配置されるフック固定部17及びフック支持部18が配置されてもよい。フック固定部17及びフック支持部18の各内面には、フック係止部19がそれぞれ配置されて、これに対応して、ファンハウジング13bの前面部及び背面部には、それぞれフック係止部19に対応する穴が形成されてもよい。図面の構造上、示されてはいないが、フック固定部17の内面にも、フック支持部18のようなフック係止部19が設けられてもよい。
【0042】
フック係止部19は、ファンハウジング13bが上側からベースケース11に下降して組み立てられるように、上部19aは、フック固定部17又はフック支持部18の内面から外側方向に傾くように形成されてもよい。そして、上部19aと下部19bの境界から下部19bは、フック固定部17又はフック支持部18の内面と平行に形成されてもよい。
【0043】
フック係止部19の形状は、円形に示されているが、これに限定されるものではなく、多様な形状からなってもよい。これに対応して、ファンハウジング13bの前面部及び背面部に形成される穴も、フック係止部19の形状に従って形成されてもよい。
【0044】
また、ファンハウジング13bの左側面部と右側面部が置かれる位置に対応して、それぞれファンガイド部20が配置されてもよい。ファンガイド部20の上面には、ファンハウジング13bの前面部及び背面部がそれぞれ固定されるように、突起部20aが形成されてもよい。すなわち、ファンハウジング13bの前面部の外面と突起部20aの側面とが互いに相接するように構成されて、ファンハウジング13bを固定することができる。
【0045】
放熱ファン13を組み立てる際、放熱ファン13は、上部からベースケース11方向に下降して、フック係止部19は、ファンハウジング13bの穴に合わせられる方式で、放熱ファン13はベースケース11に固定されてもよい。また、ファンハウジング13bの左側面部及び右側面部において、放熱ファン13の前面部及び背面部は、突起部20aにより固定されるようにファンガイド部20の内側に配置させて、放熱ファン13は、すべての方向に動きが制限されるように固定されてもよい。
【0046】
図10aは、本発明の一実施形態のヒートシンクの組立図、
図10bは、本発明の一実施形態のヒートシンクが組み立てられるベースケースの構造を詳細に説明するための一例示図、
図10cは、本発明の一実施形態のフック部の一実施形態の詳細図、
図10dは、本発明の一実施形態のヒートシンクとミドルベースの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。また、
図10e及び
図10fは、本発明の一実施形態のヒートシンクの前面の組立構造を説明するための一例示図である。
【0047】
図面に示されたように、ヒートシンク12は、放熱素子が配置されるベース12aとベース12aの左側及び右側の両端から垂直に下降して形成される側面部12bからなってもよい。また、ヒートシンク12の側面部12bの内部には、ベース12aから垂直に突出して形成される複数の放熱フィン12cが配置されてもよい。放熱フィン12cは、側面部12bの長さと同じ長さに形成されてもよい。
【0048】
ヒートシンク12の前面部は、放熱ファン13のファンケース13bの背面部と接するようにベースケース11に配置されてもよい。ベースケース11において、ヒートシンク12の側面部12bが配置される位置に対応して、フック部21が配置されてもよいし、フック部21が配置される位置を除いて、ヒートシンク12の外周面に沿ってヒートシンクガイド部22が配置されてもよい。
【0049】
フック部21は、ヒートシンク12に向けて傾くように形成される上部21aと、上部21aのの下側でヒートシンク12の側面部12bと平行に形成される下部21cからなってもよい。上部21aと下部21cとが出会う領域には段差21bが形成されてもよい。
【0050】
フック部21は、ヒートシンク12の側面部12bの前方側と後方側で、それぞれ2個ずつ合計4個が配置されていることを例に挙げて示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに少ないか多く配置されてもよい。
【0051】
ヒートシンク12は、フック部21及びヒートシンクガイド部22の配置される内部に組み立てられる場合、組立方向(垂直方向)への動きは、フック部21により制限されて、ヒートシンクガイド部22により上下及び左右方向の動きが制限されてもよい。
【0052】
ミドルベース14は、ヒートシンク12のベース12aの上部に配置されるものであって、ミドルベース14の下面には、フック部14aとヒートシンクガイド部14bがベースケース11のフック部21及びヒートシンクガイド部22に対応して形成されてもよい。これにより、ミドルベース14上においても、ヒートシンク12の前方向への動きは制限されてもよい。
【0053】
一方、
図10eでは、ヒートシンク12を示している。図面では、説明の便宜のため側面部12bと放熱フィン12cの前方部を除去したことを例に挙げて示したが、このように構成されるものではなく、側面部12bと放熱フィン12cの前方部は、除去されない状態で組み立てられるものである。
【0054】
図面に示されたように、ヒートシンク12のいずれかの側面部12bの下部面に対応するベースケース11には、誤組立防止のためのリブ(rib)23が垂直に突出して形成されてもよい。これに対応して、ヒートシンク側面部12bの下面には、誤組立防止のためのリセス部24が形成されてもよい。すなわち、リブ23は、ベースケース11に形成されて、該リブ23の形状に対応するリセス部24が形成され、ヒートシンク12をベースケース11に組み立てる際、組立不良を防止するとともに動きを制限することができる。
【0055】
本発明の一実施形態では、ヒートシンク12の右側の側面部12bにリセス部24が形成されることを説明しているが、これに限定されるものではなく、左側の側面部に形成されるか、又は両側に形成されてもよい。
【0056】
また、リブ23の長さは、ヒートシンク12の側面部12bの前面まで拡張されても良く、その中間までにのみ拡張されてもよいし、設計者の意図によって長さを決定することができる。
【0057】
図11aは、本発明の一実施形態のパワーPCBアセンブリの組立図であり、
図11bは、本発明の一実施形態のパワーPCBアセンブリの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【0058】
図面に示されたように、本発明の一実施形態において、電力素子が配置されるパワーPCBアセンブリ15は、ミドルベース14の上部に配置されるものであって、ミドルベース14の側面に形成されるフック部25により垂直に結合されて、またミドルベース14の位置固定のためのボス26に挟まれて垂直に組み立てられてもよい。
【0059】
フック部25は、内面が下に行くほど内側に向けて傾くように形成される上部25aと、上部25aの下側で垂直に形成される下部25cからなり、上部25aと下部とが出会う境界で段差25bが形成されてもよい。これに対応して、パワーPCBアセンブリ15の側部には、締結溝15aが形成されて、締結溝15aの内側は、段差25bにより垂直移動が制限されるように結合されてもよい。
【0060】
また、ミドルベース14の上面には、少なくとも一つ以上のボス26が形成されて、これに対応して、パワーPCBアセンブリ15にもボスと結合する穴が少なくとも一つ以上形成されてもよい。これにより、パワーPCBアセンブリ15の上下及び左右方向への移動は、制限されてもよい。
【0061】
ボス26は、上部26aと下部26bからなり、このとき、上部26aの断面直径は、下部26bの断面直径より小さくてもよい。本発明のパワーPCBアセンブリ15は、ボス26の下部26bに対応する穴を有してもよい。但し、これは例示的なものであって、上部25aと下部26bの断面直径は同一であってもよい。
【0062】
本発明の一実施形態では、フック部25は三つ形成されて、ボス26は二つ形成されたことを示しているが、本発明の一実施形態はこれに限定されるものではなく、さらに多様な数のフック部25及びボス26が形成されてもよい。
【0063】
図12aは、本発明の一実施形態のフィルターPCBアセンブリの組立図であり、
図12bは、本発明の一実施形態のフィルターPCBアセンブリの組立構造を詳細に説明するための一例示図である。
【0064】
図面に示されたように、本発明の一実施形態において、フィルターPCBアセンブリ16は、パワーPCBアセンブリ15の上部に配置されて、ミドルベース14の一側に形成されるフック部28により垂直に結合されて、またミドルベース14の位置固定のためのボス26の上部26aに挟まれて垂直に組み立てられてもよい。
【0065】
フック部28は、内面が下に行くほど内側に向けて傾くように形成される上部28aと、上部28aの下側で垂直に形成される下部28cからなり、上部28aと下部とが出会う境界で段差28bが形成されてもよい。これに対応して、フィルターPCBアセンブリ16の側部には締結溝16aが形成されて、締結溝16aの内側は、段差28bにより垂直移動が制限されるように結合されてもよい。
【0066】
また、ミドルベース14のボス26に対応して、フィルターPCBアセンブリ16にもボスと結合する穴が少なくとも一つ以上形成されてもよい。これにより、フィルターPCBアセンブリ16の上下及び左右方向への移動が制限されてもよい。
【0067】
ボス26は、下部26bでパワーPCBアセンブリ15と結合して、上部26aでフィルターPCBアセンブリ16と結合することができる。このとき、フィルターPCBアセンブリ16に形成される穴は、上部26aの断面に対応する大きさであってもよいし、したがって、断面のさらに大きい下部26bまで流れずに固定されてもよい。
【0068】
フック部28の下部28cの長さは、フック部25の下部25cの長さより長く形成されてもよい。
【0069】
本発明の一実施形態では、フック部28は4個形成されていると示しているが、本発明の一実施形態はこれに限定されるものではなく、さらに多い数のフック部28が形成されてもよい。
【0070】
このような本発明によれば、ベースケース11の底は、組立過程においていつも作業台に配置されて、ベースケース11、ヒートシンク12及びミドルベース14の組立過程において、製品を組み立てるために回転するか横にする必要がないので、組立性が向上する。
【0071】
また、製品を生産する際、回転するか横にするか、又は部品を締結する時間を要しないので、製品生産に所要の時間であるSTを短縮することができる。
【0072】
また、本発明の組立構造によれば、放熱ファン13とヒートシンク12の組立構造の変更を通じて別途締結用の部品を除去して、垂直的な組立構造の単純化により原価を節減することができる。
【0073】
また、ベースケース11とヒートシンク12に誤組立防止のためのガイドを適用して、組立工程時の不良率を低下し、品質信頼性を確保することができる。
【0074】
また、PCBアセンブリ15、16とミドルベース14の組立構造を変更して、組立性を向上し、原価を節減することができる。
【0075】
最後に、垂直の締結構造で組み立てることで、組立工程の自動化を可能にして、組立段階的な品質向上を通じて最終製品に対する品質上昇を期待することができる。
【0076】
以上、本発明による実施形態らを説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野において通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形及び均等な範囲の実施形態が可能である点を理解するだろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、次の請求範囲によって定めるべきである。
【符号の説明】
【0077】
11: ベースケース
12:ヒートシンク
13:放熱ファン
14:ミドルベース
15:パワーPCBアセンブリ
16:フィルターPCBアセンブリ