(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2のエンドプレートの各々が、前記第1のランプと嵌合するように構成された内面を有し、前記第1及び第2のエンドプレートの各々の前記内面が、凹曲面として成形され、前記凹曲面が、前記拡張性固定デバイスの長手方向軸を中心に形成されている、請求項1に記載の拡張性固定デバイス。
前記第1のランプが、作動機構によって前記第2のランプに結合され、前記拡張性固定デバイスが、前記作動機構の作動によって前記折り畳み構成から前記拡張構成へと移行して、前記第2のランプ及び前記第1のランプを互いに向かって移動させるように構成されている、請求項11に記載の拡張性固定デバイス。
前記第1及び第2のエンドプレートの各々が、それぞれの椎体に接触するように構成された外面を有し、前記第1及び第2のエンドプレートの各外面が、歯、リッジ、摩擦増加要素、キール、または把持若しくはパーチェシング突出部のうちの1つ以上を有する、請求項1に記載の拡張性固定デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで本開示の実施形態について詳細に言及され、その実施例は、添付の図面において例証される。可能な限り、同じ参照番号は、同じまたは同様の部分について言及するために、図面全体で使用される。
【0020】
脊椎固定は、典型的に、変形した椎間板材の運きによって引き起こされる疼痛を排除するために用いられる。良好に固定されると、固定デバイスは、椎間板腔内で永久的に固定される。
図1を参照して、拡張性固定デバイス10は、隣接した椎体2と3との間に示される。拡張性固定デバイス10は、第1の側22(例えば、後ろ側)から第2の側24(例えば、前側)まで延びることができる。拡張性固定デバイス10は、隣接した椎体2及び3のエンドプレートに係合し、設置された位置で、正常な椎間板間隔を維持し、脊椎の安定性を回復することができ、それにより椎間固定を促進する。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10は、(例えば、隣接した神経にかかる椎体2及び3の圧力を低減することによって)間接的な減圧をもたらす一方で、依然として前弯矯正をもたらすことができる。拡張性固定デバイス10は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよく、とりわけ、チタン、ステンレス鋼、チタン合金、非チタン金属合金、ポリマー材料、プラスチック、プラスチック複合体、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セラミック及び弾性材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
実施形態では、拡張性固定デバイス10は、挿入管の下、及び隣接した椎体2と3との間の椎間板腔内に置かれるように構成され、サイズ決定され得る。例えば、拡張性固定デバイス10は、例えば、カニューレなどの挿入管を通じた挿入のために構成されてもよい。しかしながら、挿入管は、代替として任意の好適な直径を有してもよいことに留意されたい。一実施形態では、拡張性固定デバイス10は、約8.5mmの直径を有するカニューレを通じて挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10は、約8mm〜約26mmの範囲内の幅、及び約20mm〜約65mmの範囲内の長さを有してもよく、または他の好適な寸法を有してもよい。拡張性固定デバイス10は、直接外側処置を介して患者に挿入され得るが、前側、前外側、後外側または後側処置を代替として利用してもよい。
【0022】
拡張性固定デバイス10は、一般に楔形状であってもよく、第1の側22から第2の側24に向かって増加する高さを有し得る。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10は、その初期高さに等しい、またはその約150%を超える高さまで拡張され得る。一実施形態では、拡張性固定デバイス10は、その初期高さに等しい、またはその約200%を超える、若しくはその高さの別の好適なパーセンテージを超える高さまで拡張されてもよい。
【0023】
図10に示されるように、拡張性固定デバイス10は、拡張性固定デバイス10の長手方向の長さに沿った骨成長に対応するように、1つ以上の開口部26を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部26は、同じ寸法を有し得るか、または代替として異なる寸法を有してもよい。示される実施形態では、拡張性固定デバイス10は、2つの開口部26を有するが、他の好適な数及び寸法の開口部も企図される。開口部26は、椎体2と3との間の拡張性固定デバイス10の設置後に、骨成長を促進するのに十分な大きさであってもよい。
【0024】
例示的な実施形態では、骨移植片または同様の骨成長誘導材料を、拡張性固定デバイス10の周り及び内部に導入して、椎間固定を更に促進し、容易にすることができる。一実施形態では、拡張性固定デバイス10は、骨移植片(例えば、自家移植片若しくは同種移植片)または同様の骨成長誘導材料で充填されて、拡張性固定デバイス10を通る、及びその周りの骨の成長を促進することができる。骨移植片は、固定デバイスの埋め込み前、埋め込み後、または埋め込み中に、隣接した椎体のエンドプレートの間に充填されてもよい。
【0025】
一実施形態では、拡張性固定デバイス10を、チタン及び/またはヒドロキシアパタイトプラズマスプレーコーティングで処理して、骨の成長を促進し、それぞれの構成要素と下層の骨(例えば、椎体)との間の接続の強度及び安定性を向上させる。任意の他の好適なコーティングが、拡張性固定デバイス10上に提供されてもよい。このようなコーティングは、所望される場合、治療薬を含むことができる。拡張性固定デバイス10はまた、インビボ可視化を促進するために、X線不透過性マーキングを含むこともできる。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10の部分は、X線透過性材料で形成されてもよいが、拡張性固定デバイス10の他の部分を、X線不透過性材料で形成して、例えば、作動機構、エンドプレート、ランプ、または同様のものなどの拡張性固定デバイス10のX線不透過性部分の撮像を容易にすることができる。
【0026】
図2〜12を参照して、拡張性固定デバイス10の実施形態が示される。例示的な実施形態では、拡張性固定デバイス10は、第1のエンドプレート14、第2のエンドプレート16、第1のランプ18及び第2のランプ20を含むことができる。拡張性固定デバイス10は、
図2〜4及び8に示される折り畳み構成と
図5〜7及び9に示される拡張構成との間で移動可能であってもよい。折り畳み構成と拡張構成との間で相互に移動する拡張性固定デバイス10の能力は、多くの利点をもたらすことができる。例えば、拡張性固定デバイス10は、拡張構成より小さい折り畳み構成で椎体2と3との間に挿入され得るため、伝統的な固定デバイスを設置するために必要とされる大きい衝撃力は、拡張性固定デバイス10を設置するために必要とされない。一実施形態では、拡張性固定デバイス10は、前弯状態で折り畳み構成であり得るが、例えば、平行または他の開始角度などの他の好適な構成も企図される。
【0027】
拡張性固定デバイス10は、
図8及び9に示される設定された転心Pを中心に拡張し、折り畳むことができる。拡張性固定デバイス10は、転心Pの位置を変えるように構成されてもよい。つまり、第1のランプ18、第2のランプ20及びエンドプレート14、16は、下で更に説明されるように、転心Pを中心に湾曲を呈するように構築されてもよい(例えば、曲率半径を有してもよい)。
図2〜4及び8に示される折り畳み構成では、拡張性固定デバイス10は、転心Pに対して角度αを維持することができる(
図8にのみ示される)。
図5〜7及び9に示される拡張構成では、拡張性固定デバイス10は、転心Pに対して角度βを維持することができる(
図9にのみ示される)。拡張性固定デバイス10の構築はまた、折り畳み構成と拡張構成との間の拡張性固定デバイス10の移行において、角度αとβとの間の変化率を選択することができる。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10は、折り畳み構成から拡張構成への移行中に(すなわち、拡張範囲を通して)前弯角度の直線的増加を経験し得る。いくつかの実施形態では、拡張性固定デバイス10は、拡張性固定デバイス10のより近くに(または更には拡張性固定デバイス10の外辺内に)転心Pを設定するように構成されてもよい。転心Pが拡張性固定デバイス10に向かって(または更に
図8及び9に示される正中線204に向かって)移動するとき、拡張性固定デバイス10によって呈される高さ変化当たりの角度変化率が増加し得る。第2の側24は、第1の側22より長い転心Pからの距離を有するため、第2の側24は、折り畳み構成から拡張構成への拡張性固定デバイス10の移行において、第1の側22より速く高さが増加し得る。故に、拡張性固定デバイス10を様々な構成で構築して、異なるα及びβ角(すなわち、拡張性固定デバイス10の前側及び後側の異なるランプ角度)を設定することができる。
【0028】
転心Pの位置は、第1の側22と第2の側24との間の拡張性固定デバイス10の傾斜面に依存していても、独立していてもよい。つまり、第1の側22と第2の側24との間の高さの差が増加するとき、転心Pは、拡張性固定デバイス10のより近くに、または更には拡張性固定デバイス10の外辺内に設定され得る。故に、転心Pが拡張性固定デバイス10のより近くに(または更に正中線204に向かって)設定されるとき、角度α及びβは、より大きくなることがある。反対に、転心Pが拡張性固定デバイス10から遠くに設定されるとき、高さ変化当たりの角度変化率はより小さくなり、より小さいα及びβ角は、拡張性固定デバイス10内に存在する。
【0029】
一実施形態では、αは約10.4°であってよく、βは約22.5°であってよく、転心Pと第1の側22との間の距離dは、約17mmであってもよいが、他の好適な値も企図される。
【0030】
故に、第1及び第2の側22、24または拡張性固定デバイス10は、転心Pを中心に円弧(例えば、同心円弧)として形成されてもよい。折り畳み構成では、第1の側22は、転心Pに対して角度αで配向されてもよく、半径r
pcを有し得る。折り畳み構成では、第2の側24が、第1の側22より転心Pから離れた距離で配向され得るため、第2の側24もまた、転心Pに対して角度αで配向され得るが、半径r
pcより大きい半径r
acを有し得る。拡張構成では、拡張性固定デバイス10の第1及び第2の側22、24は、実質的に同様の角速度で拡張することができ、両方が転心Pに対して角度βで配向されてもよい。拡張構成では、第1の側22は、半径r
pcによらず一定の半径r
peを有し得る。
【0031】
第1のランプ18、第2のランプ20及びエンドプレート14、16の湾曲は、転心Pの位置を決定することができる。
図8及び9に示されるように、第1のランプ18、第2のランプ20及びエンドプレート14、16の湾曲は、拡張性固定デバイス10の第1及び第2の側22、24を、転心Pを中心に湾曲させて、前述の同心円弧の部分を形成することができる。第1及び第2の側22、24の湾曲は、第1及び第2の側22、24からの転心Pの距離を設定することができる。つまり、拡張性固定デバイス10が、第1及び第2の側22、24から比較的遠くに転心Pを位置付けるように構築される場合、第1及び第2の側22、24の各々は、より浅い湾曲を有することができる。反対に、拡張性固定デバイス10が、第1及び第2の側22、24の比較的近く(または更には第1及び第2の側22、24の間)に転心Pを位置付けるように構築される場合、第1及び第2の側22、24の各々は、より急な湾曲を有することができる。
【0032】
図11及び12を参照して、エンドプレート14、16は、第1の端部30及び第2の端部32を有することができる。例証される実施形態では、エンドプレート14、16は、第1の端部30及び第2の端部32を接続する外面40と、第1の端部30及び第2の端部32を接続する内面42とを含むことができる。外面40及び内面42の両方は、第1及び第2の端部30、32によって、ならびに第1の側44及び第2の側45によって画定され得る。エンドプレート14、16の第1の側44は、拡張性固定デバイス10の第1の側22に配設されてもよい。同様に、エンドプレート14、16の第2の側45は、拡張性固定デバイス10の第2の側24に配設されてもよい。第1及び第2の側44、45は、第1のランプ18及び第2のランプ20の1つ以上の嵌合特徴部と係合するように構成された複数の嵌合特徴部を画定することができる。一実施形態では、第1及び第2の側44、45の両方は、内面42から延びることができる。第2の側45は、内面42から第1の側44より遠くに延びることができる。
【0033】
第1の側44は、第1の端部30に嵌合特徴部46、中間部分に少なくとも1つの嵌合特徴部47、及び第2の端部32に嵌合特徴部48を含んでもよい。
【0034】
嵌合特徴部46は、実質的にC字形状、V字形状、U字形状、または他の好適な形状であってもよい。示される実施形態では、嵌合特徴部46は、対応する嵌合特徴部(例えば、下で更に詳述される嵌合特徴部77または146の一方)と摺動可能な接合部を形成することができる。摺動可能な接合部は、例えば、テーブル状スプライス接合部、または別の好適な接合部であってもよい。つまり、嵌合特徴部46及びその対応する嵌合特徴部77または146は、2つの肩部の間に配設された溝を有するように同様に成形されてもよい。嵌合特徴部46の1つの肩部は、対応する嵌合特徴部77または146の溝内で摺動することができ、一方で対応する嵌合特徴部77または146の1つの肩部は、嵌合特徴部46の溝内で摺動することができる。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部46及びその対応する嵌合特徴部77または146は、任意の他の好適な方法で形成されてもよいことを理解されたい。例えば、嵌合特徴部46及びその対応する嵌合特徴部77または146は、別のスプライス接合部、舌及び溝接合部、別の好適な接合部を形成してもよく、または互いに別の好適な方法で関連していてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部46及びその対応する嵌合特徴部77または146は、摺動可能であってもよく、及び/または互いに連結していてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部46は、長手方向軸200に沿って、エンドプレート14、16の第1の端部30からエンドプレート14、16の中間部分に向かって傾斜していてもよい。
【0035】
図11及び12に示される実施形態では、嵌合特徴部47は、内向きに面する凹部または溝を画定するものとして示される。嵌合特徴部47の凹部は、対応する嵌合特徴部(例えば、下で更に詳述される嵌合特徴部84及び86)の突出部または舌を受け入れることができる。故に、嵌合特徴部47及びその対応する嵌合特徴部84または86は、舌及び溝接合物を形成することができる。つまり、対応する嵌合特徴部84または86の舌は、嵌合特徴部47の溝内で摺動可能であってもよい。嵌合特徴部47及びその対応する嵌合特徴部84または86が、例えば、スプライス接合部、別の好適な接合部などの別の型の接合部を形成してもよく、または互いに別の好適な方法で関連していてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部47及びそれらの対応する嵌合特徴部84または86は、互いに摺動可能に連結していてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部47は、長手方向軸200に沿って、エンドプレート14、16のそれぞれの中間部分からエンドプレート14、16の第1の端部30に向かって傾斜していてもよい。故に、嵌合特徴部46及び嵌合特徴部47の傾斜面は、ほぼ互いに対向し得る。代替として、嵌合特徴部47は、任意の他の好適な方向で、例えば、エンドプレート14、16のそれぞれの中間部分からエンドプレート14、16の第2の端部32に向かって傾斜していてもよい。
【0036】
嵌合特徴部48及びその対応する嵌合特徴部(例えば、下で更に詳述される嵌合特徴部78及び148)は、上記の嵌合特徴部46と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部48は、長手方向軸200に沿って、エンドプレート14、16の第2の端部32からエンドプレート14、16の中間部分に向かって傾斜していてもよい。故に、嵌合特徴部46及び48の傾斜面は、互いに対向していてもよいが、嵌合特徴部47及び48の傾斜面は、ほぼ整合され得る(例えば、実質的に平行)。
【0037】
第2の側45は、第1の端部30に嵌合特徴部49、中間部分に少なくとも1つの嵌合特徴部50、及び第2の端部32に嵌合特徴部51を含んでもよい。嵌合特徴部49が、嵌合特徴部46とは異なる(例えば、より大きい)寸法を有し得ることを除いて、嵌合特徴部49は、上記の嵌合特徴部46と同様であってもよい。嵌合特徴部46と同様に、嵌合特徴部49は、長手方向軸200に沿って、エンドプレート14、16の第1の端部30からエンドプレート14、16の中間部分に向かって傾斜していてもよい。
【0038】
嵌合特徴部50が、嵌合特徴部47とは異なる(例えば、より大きい)寸法を有し得ることを除いて、嵌合特徴部50は、嵌合特徴部47と同様であってもよい。嵌合特徴部47と同様に、嵌合特徴部50は、長手方向軸200に沿って、エンドプレート14、16のそれぞれの中間部分からエンドプレート14、16の第1の端部30に向かって傾斜していてもよい。故に、嵌合特徴部49及び嵌合特徴部50の傾斜面は、ほぼ互いに対向し得る。代替として、嵌合特徴部50は、任意の他の好適な方向で、例えば、エンドプレート14、16のそれぞれの中間部分からエンドプレート14、16の第2の端部32に向かって傾斜していてもよい。
【0039】
嵌合特徴部51は、上記の嵌合特徴部46と実質的に同様であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、嵌合特徴部51は、嵌合特徴部46とは異なる(例えば、より大きい)寸法を有することができる。嵌合特徴部46と同様に、嵌合特徴部51は、長手方向軸200に沿って(
図10を参照)、エンドプレート14、16の第2の端部32からエンドプレート14、16の中間部分に向かって傾斜していてもよい。故に、嵌合特徴部46及び48の傾斜面は、互いに対向し得るが、嵌合特徴部50及び51の傾斜面は、ほぼ整合され得る(例えば、実質的に平行)。
【0040】
嵌合特徴部46〜51は、第1及び第2のランプ18及び20の一方の対応する嵌合特徴部と、摺動可能な関係及び/または連結関係で嵌合するように構成されてもよい。
【0041】
外面40及び/または内面42は、1つ以上の軸を中心に湾曲していてもよい。例えば、外面40及び/または内面42は、長手方向軸200を中心に湾曲していてもよい。故に、一実施形態では、外面40は凸面であってもよく、一方で内面42は、長手方向軸200を中心に凹面であってもよい。いくつかの実施形態では、材料を、外面40から追加または除去して、外面40と椎体2及び3との間の相互作用を修正することができる。例えば、材料を追加して、内面42の凹面を維持しながら、外面にほぼ平坦な構成を付与することができる。
【0042】
エンドプレート14、16のそれぞれの嵌合特徴部は、上記のように組み立てられた拡張性固定デバイス10の第1及び第2の側22、24に湾曲を付与するために湾曲していてもよい。
図13に最も良く見られるように、第1及び第2の側44及び45は、転心Pを中心に湾曲していてもよく(例えば、曲率半径を有していてもよい)、故に、第1及び第2の側44、45の一方に配設される嵌合特徴部46〜51は、転心Pに対して同様に湾曲し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、エンドプレート14、16の外面40は、平らでほぼ平坦であり、外面40を隣接した椎体と係合させることができる。代替として、外面40は、凸面的または凹面的に湾曲して、隣接した椎体との係合の程度を増減させることができる。外面40は、ほぼ平坦であるが、ほぼ真っ直ぐなランプ状表面または湾曲したランプ状表面を含み得ることも企図される。ランプ状表面は、更なる前弯様式で、隣接した椎体との係合を可能にすることができる。一実施形態では、外面40は、隣接した椎体を把持するのを助けるテクスチャを含んでもよい。以下に限定されないが、テクスチャは、歯、リッジ、摩擦増加要素、キール、または把持若しくはパーチェシング突出部を含んでもよい。
【0044】
ここで
図11、12及び16を参照して、第1のランプ18は、第1の端部70、第2の端部72、第1の端部70及び第2の端部72を接続する第1の側部74、ならびに第1の端部70及び第2の端部72を接続する第1のランプ18の反対側の第2の側部76を有することができる。第1のランプ18は、第1のエンドプレート14の少なくとも一部分を受容するようなサイズの第3の端部(例えば、上端)28、及び第2のエンドプレート16の少なくとも一部分を受容するようなサイズの第4の端部(例えば、下端)29を更に含んでもよい。
【0045】
第1のランプ18の第1の端部70は、例示的な実施形態では、4つの嵌合特徴部77、78、80及び82(
図16にのみ示される嵌合特徴部82)を含んでもよい。嵌合特徴部77、78、80、82の各々は、エンドプレート14、16の一方に配設されたそれぞれの嵌合特徴部と嵌合するように成形されてもよい。嵌合特徴部77は、エンドプレート14の嵌合特徴部46と嵌合するように構成されてもよく、それと同様に成形されてもよい。嵌合特徴部78は、エンドプレート16の嵌合特徴部48と嵌合するように構成されてもよく、それと同様に成形されてもよい。嵌合特徴部80は、エンドプレート14の嵌合特徴部49と嵌合するように構成されてもよく、それと同様に成形されてもよい。嵌合特徴部82は、エンドプレート16の嵌合特徴部51と嵌合するように構成されてもよく、それと同様に成形されてもよい。嵌合特徴部77、78、80及び82の各々は、実質的に、上記のそれぞれの対応する嵌合特徴部と(組み立てられた拡張性固定デバイス10に対して)同様の傾斜面を有することができる。一実施形態では、嵌合特徴部77、78、80及び82の各々は、第1のランプ18の中間部分から第1のランプ18の第1の端部70に向かって傾斜しているが、他の好適な構成も企図される。一実施形態では、嵌合特徴部77及び78は、第3の端部28から延び、一方で嵌合特徴部78及び82は、第4の端部29から延びる。
【0046】
第1の側部74は、エンドプレート14、16の様々な嵌合特徴部と嵌合するように構成された嵌合特徴部84を含んでもよい。
【0047】
嵌合特徴部84は、第1の側部74の中間部分から第1の端部70に向かって延びる突出部であってもよい。一実施形態では、嵌合特徴部84は、第1の側部74の中間部分から第1の端部70に向かって傾斜した表面を有することができる。嵌合特徴部84の傾斜面は、第1の側部74から外側に横方向に延びることもできる。嵌合特徴部84はまた、第1のランプ18の第3の端部28から延びることができる。嵌合特徴部84の傾斜面は、拡張性固定デバイス10の長手方向軸200に実質的に平行である、ほぼ平坦な表面に向かって延び得る。一実施形態では、第1のランプ18は、第1の側部74に沿ってジグザグである、少なくとも2つの嵌合特徴部84を含んでもよいが、他の好適な数の嵌合特徴部84が代替的に利用されてもよい。示される実施形態では、嵌合特徴部84は、互いに実質的に同様であるが、嵌合特徴部84は、互いに異なっていてもよい。嵌合特徴部84は、エンドプレート14の嵌合特徴部47と嵌合するように構成されてもよい。
図11及び12に示される実施形態では、嵌合特徴部47及び84は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で移動させる摺動可能な連結(例えば、舌及び溝)接合部を形成することができる。しかしながら、嵌合特徴部47及び84は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で移動させる他の好適な構成に修正されてもよいことが企図される。例えば、1つの代替実施形態では、嵌合特徴部47は、突出部として形成されてもよいが、嵌合特徴部84は、凹部として形成される。別の代替実施形態では、嵌合特徴部47及び84の各々は、2つの肩部の間に配設された溝として形成されてもよく、それにより、嵌合特徴部47及び84が、スプライス接合部(例えば、上記のテーブル状スプライス接合部と同様)を形成する。
【0048】
嵌合特徴部86は、第1の側部74の中間部分から第1の端部70に向かって延びる突出部であってもよい。一実施形態では、嵌合特徴部86は、第1の側部74の中間部分から第1の端部70に向かって傾斜した表面を有することができる。嵌合特徴部86の傾斜面は、第1の側部74から外側に横方向に延びることもできる。嵌合特徴部84とは異なり、嵌合特徴部86は、第1のランプ18の第4の端部29から延び得る。故に、嵌合特徴部84及び86は、第1の側部74からほぼ反対の垂直方向に延びることができる。嵌合特徴部86の傾斜面は、拡張性固定デバイス10の長手方向軸200に実質的に平行である、ほぼ平坦な表面に向かって延び得る。一実施形態では、第1のランプ18は、第1の側部74に沿ってジグザグである、少なくとも2つの嵌合特徴部86を含むことができるが、他の好適な数の嵌合特徴部86が代替的に利用されてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部84及び86の各々は、互いにジグザグであってもよいが、他の好適な構成も企図される。示される実施形態では、嵌合特徴部86は、互いに実質的に同様であるが、嵌合特徴部86は、互いに異なっていてもよい。嵌合特徴部86は、エンドプレート16の嵌合特徴部47と嵌合するように構成されてもよい。
図11及び12に示される実施形態では、嵌合特徴部47及び86は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で移動させる摺動可能な連結(例えば、舌及び溝)接合部を形成することができる。しかしながら、嵌合特徴部47及び86は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で(例えば、嵌合特徴部47及び84に対して上記のような実質的に同様の方法で)移動させる他の好適な構成に修正されてもよいことが企図される。
【0049】
第2の側部76は、エンドプレート14、16の様々な嵌合特徴部と嵌合するように構成された嵌合特徴部88及び90を含んでもよい。
【0050】
嵌合特徴部88は、第2の側部76の中間部分から第1の端部70に向かって延びる突出部であってもよい。一実施形態では、嵌合特徴部88は、第2の側部76の中間部分から第1の端部70に向かって傾斜した表面を有することができる。嵌合特徴部88の傾斜面は、第2の側部76から外側に横方向に延びることもできる。嵌合特徴部88はまた、第1のランプ18の第3の端部28から延びることができる。嵌合特徴部88の傾斜面は、拡張性固定デバイス10の長手方向軸200に実質的に平行である、ほぼ平坦な表面に向かって延び得る。一実施形態では、第1のランプ18は、第2の側部76に沿ってジグザグである、少なくとも2つの嵌合特徴部88を含んでもよいが、他の好適な数の嵌合特徴部88が代替的に利用されてもよい。示される実施形態では、嵌合特徴部88は、互いに実質的に同様であるが、嵌合特徴部88は、互いに異なっていてもよい。嵌合特徴部88は、エンドプレート14の嵌合特徴部50と嵌合するように構成されてもよい。
図11及び12に示される実施形態では、嵌合特徴部50及び88は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で移動させる摺動可能な連結(例えば、舌及び溝)接合部を形成することができる。しかしながら、嵌合特徴部50及び88は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で(例えば、嵌合特徴部47及び84に対して上記のような実質的に同様の方法で)移動させる他の好適な構成に修正されてもよいことが企図される。
【0051】
嵌合特徴部90は、第2の側部76の中間部分から第1の端部70に向かって延びる突出部であってもよい。一実施形態では、嵌合特徴部90は、第2の側部76の中間部分から第1の端部70に向かって傾斜した表面を有することができる。嵌合特徴部90の傾斜面は、第2の側部76から外側に横方向に延びることもできる。嵌合特徴部88とは異なり、嵌合特徴部90は、第1のランプ18の第4の端部29から延び得る。故に、嵌合特徴部88及び90は、第2の側部76からほぼ反対の垂直方向に延びることができる。嵌合特徴部90の傾斜面は、拡張性固定デバイス10の長手方向軸200に実質的に平行である、ほぼ平坦な表面に向かって延び得る。一実施形態では、第1のランプ18は、第2の側部76に沿ってジグザグである、少なくとも2つの嵌合特徴部90を含んでもよいが、他の好適な数の嵌合特徴部90が代替的に利用されてもよい。いくつかの実施形態では、嵌合特徴部88及び90の各々は、互いにジグザグであってもよいが、他の好適な構成も企図される。示される実施形態では、嵌合特徴部90は、互いに実質的に同様であるが、嵌合特徴部90は、互いに異なっていてもよい。嵌合特徴部90は、エンドプレート16の嵌合特徴部50と嵌合するように構成されてもよい。
図11及び12に示される実施形態では、嵌合特徴部50及び90は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で移動させる摺動可能な連結(例えば、舌及び溝)接合部を形成することができる。しかしながら、嵌合特徴部50及び90は、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成と拡張構成との間で(例えば、嵌合特徴部47及び84に対して上記のような実質的に同様の方法で)移動させる他の好適な構成に修正されてもよいことが企図される。
【0052】
第1のランプ18のそれぞれの嵌合特徴部は、上記のような組み立てられた拡張性固定デバイス10の第1及び第2の側22、24に湾曲を付与するために湾曲していてもよい。つまり、第1のランプ18の嵌合特徴部は、転心Pを中心とした曲率半径を有することができる。更に、第1のランプ18の嵌合特徴部は、エンドプレート14、16に沿って対応する嵌合特徴部に相補的であり得るため、エンドプレート14、16の嵌合特徴部は、転心Pを中心とした曲率半径を有することもできる。
図17を参照して、嵌合特徴部77、78、80、82、84、86、88及び90は、各々が転心Pを中心とした曲率半径を有することができる。故に、第1のランプ18の全てまたは部分を、転心Pを中心に曲げることができる。第1のランプ18の形状(例えば、前述の曲率半径のうちのいずれか)は、製造を容易にするために、より簡単な特徴で近似されてもよい。
【0053】
図11に示されるように、第1のランプ18は、ボア418及びボア515の両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、ボア418は、ねじ込み式であり、作動機構300のねじ部材302を受容するように構成されてもよい。ボア418の中心長手方向軸は、ボア515を収容するために、第1のランプ18の中心長手方向軸からずれていてもよい。
【0054】
隣接したボア515は、アクセスポートとして機能し、所望される場合、挿入前、または更には原位置のいずれかで、移植材料を第1のランプ18を通して送達させることができる。後述されるように、ボア418は、第2のランプ20内のボア366と整合することができ、ボア515は、第2のランプ20内の追加のボア512と整合することができる。
【0055】
第2のランプ20は、拡張性固定デバイス10内の第1のランプ18に隣接して配設されてもよい。第2のランプ20は、4つの嵌合特徴部146、148、149及び151を含むことができる。嵌合特徴部146、148、149及び151の各々は、実質的に上記の嵌合特徴部46と同様であってもよく、エンドプレート14、16の一方に配設されたそれぞれの嵌合特徴部と嵌合するように構成されてもよい。嵌合特徴部146は、エンドプレート16の嵌合特徴部46と嵌合するように構成されてもよい。嵌合特徴部148は、エンドプレート14の嵌合特徴部48と嵌合するように構成されてもよい。嵌合特徴部149は、エンドプレート16の嵌合特徴部49と嵌合するように構成されてもよい。嵌合特徴部151は、エンドプレート14の嵌合特徴部51と嵌合するように構成されてもよい。
【0056】
第2のランプ20のそれぞれの嵌合特徴部は、上記のような組み立てられた拡張性固定デバイス10の第1及び第2の側22、24に湾曲を付与するために湾曲していてもよい。更に、第2のランプ20の嵌合特徴部は、転心Pを中心に曲率半径を有してもよく、エンドプレート14、16の嵌合特徴部もまた、転心Pを中心とした曲率半径を有してもよい。嵌合特徴部146、148、149及び151は全て、転心Pを中心に湾曲していてもよい。故に、第2のランプ20の全てまたは部分を、転心Pを中心に曲げることができる。第2のランプ20の形状(例えば、前述の曲率半径のうちのいずれか)は、製造を容易にするために、より簡単な特徴で近似されてもよい。
【0057】
1つの代替実施形態では、拡張性固定デバイス10は、拡張性固定デバイス10の第1の側22に沿って、拡張性固定デバイス10の横幅内に転心Pを位置付けるように形成されてもよい。この代替実施形態では、拡張性固定デバイス10の第1の側22に沿って(例えば、エンドプレート14、16ならびに第1及び第2のランプ18及び20に沿って)配設された全ての嵌合特徴部(例えば、トラック、突出部、溝、肩部など)は、連動または枢動機構によって置き換えられてもよい。転心Pが拡張性固定デバイス10の第1の側22に沿って拡張性固定デバイス10の横幅内に位置付けられるとき、第2の側24のみが、拡張性固定デバイス10の拡張及び折り畳み中に、転心Pを中心に回転することができる。
【0058】
上記のように、第2のランプ20は、ボア512に隣接したボア366を含むことができる。ボア366は、それを通して作動機構300を受容するように構成されてもよく、第1のランプ18内のボア418と整合されてもよい。したがって、ボア366は、隣接したボア512を収容するように、第2のランプ20の中心長手方向軸からずれた中心長手方向軸を有することができる。第2のランプ20のボア512は、埋め込み片の挿入前または更には挿入後のいずれかに、移植材料を埋め込み片に挿入させるように、第1のランプ18のボア515と整合されてもよい。
【0059】
第1及び第2のランプ18及び20は、各々が少なくとも2つの平面内に延びる傾斜面を有する楔であってもよい。つまり、第1及び第2のランプ18及び20の各々は、長手方向軸200によって画定された平面に沿って延びる傾斜面を有する楔であってもよい(すなわち、長手方向軸200に沿って傾斜していてもよい)が、また横軸202によって画定された平面に沿って延びる傾斜面を有する楔であってもよい(すなわち、横軸202に沿って傾斜していてもよい)。拡張性固定デバイス10の長手方向軸200に沿った第1及び第2のランプ18及び20(ならびにそれらの関連した嵌合特徴部)の傾斜面は、第1及び第2のランプ18及び20が長手方向軸200に沿って互いに対して平行移動するとき、エンドプレート14及び16の拡張/圧縮を可能にすることができる。拡張性固定デバイス10の横軸202に沿った第1及び第2のランプ18及び20の傾斜面は、エンドプレート14、16の第1及び第2の側44、45の不規則な長さに対応することができる。
【0060】
ここで
図1の拡張性固定デバイス10を設置する方法が、本開示の一実施形態に従って考察される。拡張性固定デバイス10の挿入前に、椎間腔が調製されてもよい。1つの設置方法では、椎間板切除が行われてもよく、椎間板全体が除去され得る。代替として、椎間板の部分のみが除去されてもよい。次に、隣接した椎体2、3のエンドプレートを削り取って、椎間腔全体の骨成長を促進するために、露出した端面を創出することができる。次に、1つ以上の導入シースが椎間板腔に挿入され得る。次に、拡張性固定デバイス10は、挿入シースの下の椎間腔に導入され、椎間板腔内の適切な位置に定置され得る。
【0061】
拡張性固定デバイス10が、椎間板腔内の適切な位置に挿入された後、次に、拡張性固定デバイス10は、折り畳み構成から拡張構成に移行し得る。拡張性固定デバイス10を拡張するために、第2のランプ20を、第1のランプ18に向かって移動させてもよい。第1及び第2のランプ18及び20が互いに向かって移動するとき、第1及び第2のランプ18及び20のそれぞれの嵌合特徴部を、エンドプレート14及び16上に配設された対応する嵌合特徴部に押し付けて、拡張性固定デバイス10を拡張構成に移動させることができる。いくつかの実施形態では、エンドプレート14、16、及び第1及び第2のランプ18、20のうちの1つ以上は、拡張性固定デバイス10を拡張構成で固定するためのロック特徴部を含んでもよい。
【0062】
拡張性固定デバイス10を、設置及び拡張した後に再配置または修正する必要がある事象では、拡張性固定デバイス10を収縮させて折り畳み構成に戻し、再配置して、所望の位置付けが達成されたときに、再度拡張させることができる。拡張性固定デバイス10を収縮させるために、第1のランプ18を、作動機構300を介して第2のランプ20から離す。
【0063】
作動機構300は、第1及び第2のランプ18及び20を、長手方向軸200に沿って互いに向かって、また離れて平行移動させるように構成された任意の好適な作動機構を含んでもよい。
図4及び7を参照して、作動機構300は、第1の方向に回転したとき、第1及び第2のランプ18及び20を互いに向かって導き、拡張性固定デバイス10を折り畳み構成から拡張構成に移動させる、ねじ部材302(例えば、スクリュー)を含んでもよい。ねじ部材202が、第1の方向と反対の第2の方向に回転したとき、第1及び第2のランプ18及び20は、互いから離れて移動することができ、拡張性固定デバイス10を折り畳み構成に戻す。一実施形態では、ねじ部材302は、第1のランプ18のボア515を通して部分的に配設されてもよく、拡張性固定デバイス10が、折り畳み構成から拡張構成に移動するときに、ボア515を通して更に延びることができる。この実施形態では、ねじ部材302は、第2のランプ20を第1のランプ18に向かって押すことができ、拡張性固定デバイス10の、折り畳み構成から拡張構成への移行、及び拡張構成から折り畳み構成への移行中に、第2のランプ20と同一の広がりをもって移動することができる。
【0064】
図19に示される代替実施形態では、ねじ部材302は、折り畳み構成でボア515内に少なくとも部分的に配設されてもよい。しかしながら、折り畳み構成から拡張構成へ移行するために、ねじ部材302は、第2のランプ20を通して作動されてもよい。
図4及び7に示される実施形態とは異なり、
図19の実施形態では、ねじ部材302は、第1のランプ18を第2のランプ20に向かって押すことができ、拡張性固定デバイス10の、折り畳み構成から拡張構成への移行、及び拡張構成から折り畳み構成への移行中に、第1のランプ18と同一の広がりをもって移動することができる。任意の他の好適な作動機構は、例えば、スライダー、プッシャー、ラチェット、または同様のものなどを利用してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、ねじ部材302を直接回転させて、作動機構300を作動させることができる。いくつかの実施形態では、挿入器(図示せず)は、ねじ部材302にねじ込まれる、または他の方法でそれに結合されるように構成されてもよい。このような実施形態では、挿入器を、好適な機構(例えば、ツール、ラチェット、または同様のもの)によって作動させて、ねじ部材302を回転させ、第1及び第2のランプ18及び20の相対位置を調整することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ボア366及び418の一方のみがねじ込み式であってもよく、それにより、拡張性固定デバイス10を、作動機構300の直線運動によって作動させることができる。例えば、一実施形態では、ボア366は、ねじ込み式であり得るが、ボア418は、ねじ込み式でなくてもよい。このような実施形態では、ねじ部材302は、ボア366にねじ込まれてもよく、かつボア418を通して摺動可能であってもよい。ねじ部材302がボア366を通してねじ込まれた後、ねじ部材302を、ボア418を通して選択的に押して、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる(例えば、第1のランプ18及び第2のランプ20を互いに近づけることによって)。追加として、ねじ部材302を反対方向に引っ張り、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる(例えば、第1のランプ18及び第2のランプ20を互いから離すことによって)。この実施形態では、第2のランプ20を、第1のランプ18に向かって押して、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる。
【0067】
代替実施形態では、ボア418は、ねじ込み式であってもよく、ボア366は、ねじ込み式でなくてもよい。このような実施形態では、ねじ部材302は、ボア366を通して配設され、ボア418にねじ込まれてもよい(例えば、
図19を参照)。ねじ部材302を直線的に引っ張り、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる(例えば、第1のランプ18及び第2のランプ20を互いに近づけることによって)。追加として、ねじ部材302を押して、拡張性固定デバイス10を、拡張構成から折り畳み構成に戻すことができる(例えば、第1のランプ18及び第2のランプ20を互いから離すことによって)。この実施形態では、第1のランプ18を、第2のランプ20に向かって引っ張り、拡張性固定デバイス10を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる。
【0068】
一実施形態では、ロック部材(例えば、図示されないスクリュー)は、折り畳み構成と拡張構成との間の移行中に、拡張性固定デバイス10に別個に配設されてもよい。最終位置が達成されると(例えば、拡張性固定デバイス10の拡張構成)、ロック部材を前進させて、拡張性固定デバイス10を所望の構成にロックすることができる。いくつかの実施形態では、ロック部材は、拡張性固定デバイス10と一体であってもよく、または代替として、拡張後に導入されてもよい。いくつかの実施形態では、ロック部材は、それが喪失しないように、拡張性固定デバイス10内に捕捉されてもよい。いくつかの実施形態では、ロック部材の先端をピーニングすることで、ロック部材が喪失するのを防ぐことができる。
【0069】
拡張性固定デバイス10が拡張構成に移動し、ロック部材によってロックされると、ロック部材、作動機構300によって拡張性固定デバイス10を拡張させるために以前に使用されたボア366及び418を利用して、移植片または他の骨成長誘導物質を拡張性固定デバイス10に充填することができる。すなわち、ボア366及び418を利用して、移植片を拡張性固定デバイス10に充填して、拡張性固定デバイス10の拡張中に形成された任意の潜在的間隙を満たすことができる。
【0070】
図20〜24を参照して、拡張性固定デバイス100の実施形態が示される。例示的な実施形態では、拡張性固定デバイス100は、第1のエンドプレート114、第2のエンドプレート116、第1のランプ118、及び第2のランプ120を含むことができる。拡張性固定デバイス100の第1及び/または第2のエンドプレート114、116は、骨成長及び/または骨成長材料に対応するように、1つ以上の開口部126を含むことができる。
【0071】
第1のエンドプレート114は、隣接した椎体に係合するように構成された外面140、ならびに第1及び第2のランプ118、120の少なくとも一部分と嵌合するように構成された内面142を含む。第2のエンドプレート116は、隣接した椎体に係合するように構成された外面145、ならびに第1及び第2のランプ118、120の少なくとも一部分と嵌合するように構成された内面144を含む。第1のランプ118は、第1のエンドプレート114の少なくとも一部分を受容するようなサイズの上部分128、及び第2のエンドプレート116の少なくとも一部分を受容するようなサイズの下部分129を含む。第2のランプ120は、第1のランプ118に隣接して配設されてもよい。第2のランプ120は、第1のエンドプレート114の少なくとも一部分と接触するようなサイズの上部分122、及び第2のエンドプレート116の少なくとも一部分と接触するようなサイズの下部分124を含む。第1及び/または第2のランプ118、120は、本明細書に説明される嵌合特徴部のうちのいずれかを含むことができる。
【0072】
第1のランプ118は、1つ以上のボア162、164を含むことができる。第2のランプ120は、ボア168に隣接したボア166を含むことができる。ボア166は、それを通して作動機構300を受容するように構成されてもよく、第1のランプ118内のボア164と整合され得る。ボア164、166はねじ込み式であってもよく、それにより、拡張性固定デバイス100を、作動機構300の直線運動によって作動させることができる。作動機構300は、上記のようなねじ部材302を含むことができる。作動機構はまた、1つ以上の止め輪134及び/または座金136を含むことができる。止め輪134及び座金136は、チタン、PEEK、または同様のものなどの任意の好適な材料から形成されてもよい。ねじ部材302がボア166を通してねじ込まれた後、ねじ部材302を、ボア164を通して選択的にねじ込み、拡張性固定デバイス100を、折り畳み構成から拡張構成へと移動させることができる(例えば、第1のランプ118及び第2のランプ120を互いに近づけることによって)。
【0073】
したがって、拡張性固定デバイス100は、本明細書に説明されるように、折り畳み構成と拡張構成との間で移動可能であり得る。拡張性固定デバイス100が、椎間板腔内の適切な位置に挿入された後、次に、拡張性固定デバイス100は、折り畳み構成から拡張構成に移行し得る。拡張性固定デバイス100を拡張するために、第2のランプ120を、第1のランプ118に向かって移動させてもよい。第1及び第2のランプ118及び120が互いに向かって移動するとき、第1及び第2のランプ118及び120のそれぞれの嵌合特徴部を、エンドプレート114及び116上に配設された対応する嵌合特徴部に押し付けて、拡張性固定デバイス100を拡張構成に移動させることができる。故に、拡張性固定デバイス100は、折り畳み構成と拡張構成との間で相互に移動することができる。
【0074】
所望の拡張プロファイル次第で、デバイス100の対称的または非対称的な拡張が必要とされ得る。しかしながら、たとえ対称的な拡張が好まれる場合であっても、拡張のためにランプを利用する拡張性埋め込み片は、不定の拡張率を免れない場合がある。例えば、ランプ境界面の勾配または嵌合特徴部の形状次第で、エンドプレート114、116は、埋め込み片の前部とは対照的に、埋め込み片の後部においてより速い速度で拡張し得る。これは、例えば、矢印が相対的拡張率を示す
図22に示される。前部ランプ角度を後部角度と異なるものにすることによって、非対称的な拡張問題を軽減することができる。例えば、前部ランプ角度を増加させ、後部ランプ角度を減少させることは、エンドプレート114、116が対称的に拡張することを保証する。
【0075】
前部及び後部ランプ角度は、同じかまたは異なってもよい。
図23及び24に示されるように、角度εが前部ランプ角度(例えば、第1のランプ118の嵌合特徴部上の角度(複数可))に提供され、角度δが後部ランプ角度(例えば、第2のランプ120の嵌合特徴部上の角度(複数可))に提供される。これらの角度ε、δは、垂直軸μから測定される。角度εは、それぞれ第1のランプ118、第1のエンドプレート114、及び/または第2のエンドプレート116のために嵌合面上に提供されてもよい。角度δは、それぞれ第2のランプ120、第1のエンドプレート114、及び/または第2のエンドプレート116のために嵌合面上に提供されてもよい。角度εは、好ましくは、例えば、約4:1の比率で角度δよりも大きい。角度εは、約50〜70°、55〜65°、57〜63°、58〜62°、または59〜61°にわたることができる。好ましい実施形態では、角度εは、60°である。角度δは、約5〜25°、10〜20°、12〜18°、13〜17°、14〜16°にわたることができる。好ましい実施形態では、角度δは、15°である。この方法で角度εを増加させ、角度δを減少させることは、エンドプレート114、116が対称的に拡張することを保証する。対称的に拡張することによって、エンドプレート114、116は、椎体エンドプレートと適切に接触し、原位置で解剖学的バランスを維持することができる。対称的な拡張が説明されるが、非対称的な拡張もまた、企図され得る。角度ε、δは、変化または調整されて、エンドプレート114、116の非対称的な拡張を提供してもよい。
【0076】
図25及び26を参照して、本明細書に説明される拡張性固定デバイスのうちのいずれかと共に使用することに好適な第1の前部ランプ218の実施形態が示される。第1のランプ218は、デバイスの挿入端部上の第1の端部270、第2のランプ20、120と嵌合するように構成された第2の端部272、第1の側部274、及び第1のランプ218の反対側の第2の側部276を有することができる。第1のランプ218は、一般に第1の側222(例えば、後ろ側)から第2の側224(例えば、前側)まで延びることができる。第1のランプ218は、一般に楔形状であってもよく、第1の側222から第2の側224に向かって増加する高さを有し得る。第1のランプ218は、第1のエンドプレート14、114の少なくとも一部分を受容するようなサイズの上部分228、及び第2のエンドプレート16、116の少なくとも一部分を受容するようなサイズの下部分229を更に含むことができる。上述されるように、第1のランプ218の第2の端部272は、ボア418、515を含むことができる。いくつかの実施形態では、ボア418は、作動機構300のねじ部材302を受容するように構成されてもよい。隣接したボア515は、アクセスポートとして機能し、挿入前、または原位置で、移植材料を第1のランプ218を通して送達させることができる。
【0077】
第1のランプ218は、少なくとも1つのランプ表面または嵌合特徴部上に湾曲またはピッチを有してもよい。例えば、第1の端部270は、湾曲したランプ表面271を有してもよい。第2の側または前側224は、第1の側または後ろ側222よりも高いランプ角度を有するか、またはその逆であってもよい。ランプ表面または嵌合特徴部のうちの1つ以上を含む第1のランプ218のうちの1つ以上の部分は、連続的に変化するランプ角度を含むことができる。埋め込み片の角度(例えば、前弯角度)の連続的な直線的変化は、連続的に変化するランプ角度に付随し得る。これは、結果として、回転軸πから離れた距離当たりの角度変化によって画定され得るランプ表面の湾曲となる。この値は、埋め込みランプ表面のピッチであり、埋め込み片が達成することができる角度変化率を変化させる原因である。より大きいピッチ値は、固定幅の埋め込み片のための後ろ側ランプ端での角度に関して、前側ランプ端でのより高いランプ角度に関連する。嵌合特徴部、ランプ角度、角度変化の種類、前弯角度、拡張率、及び同様のものは、本明細書に説明されるように、デバイスの最適な設計及び機能性を提供するように構成され得る。
【0078】
いずれの実施形態に記載されるいずれの態様も、本明細書に記載されるいずれの他の実施形態と共に使用されてもよい。本明細書に記載されるあらゆるデバイス及び装置は、好適な医療手順、例えば、椎間板置換処置などにおいて使用されてもよく、任意の好適な体管腔及び体腔を通して前進させることができる。
【0079】
本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形が、開示されるシステム及び工程において行われ得ることは当業者には明らかとなるであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書及び本明細書に開示される開示の実施を考慮することにより、当業者には明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は、単なる例示として考慮されることが意図される。以下の開示は、いくつかの他の例示的な実施形態を特定する。