(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記型は再利用可能な型であり、前記照射するステップは、化学線の空間的限定下で実行され、前記形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、前記化学線の空間的限定によって画定されたレンズエッジを含んでなる、請求項9に記載の方法。
水溶性の化学線架橋可能なプレポリマーは、水溶性の化学線架橋可能なポリ(ビニルアルコール)プレポリマー;水溶性のビニル基末端ポリウレタンプレポリマー;水溶性の化学線架橋可能なポリ尿素プレポリマー;水溶性の化学線架橋可能なポリアクリルアミド;ビニルラクタム、MMAおよびコモノマーの水溶性の化学線架橋可能な統計的コポリマー;ビニルラクタム、ビニルアセテートおよびビニルアルコールの水溶性の化学線架橋可能なコポリマー;化学線架橋可能な側鎖を有する水溶性のポリエーテル−ポリエステルコポリマー;水溶性分枝状ポリアルキレングリコール−ウレタンプレポリマー;水溶性ポリアルキレングリコール−テトラ(メタ)アクリレートプレポリマー;水溶性の化学線架橋可能なポリアリルアミングルコノラクトンプレポリマーまたはそれらの混合物である、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法および研究室手順は、当該技術分野において周知であり、かつ一般に使用されている。従来の方法は、当該技術分野および種々の一般的な参照において提供されるものなど、これらの手順のために使用される。用語が単数形で提供される場合、本発明者は、その用語の複数形も規定する。本明細書で使用される命名法および以下に記載の研究室手順は、当該技術分野において周知であり、かつ一般に使用されている。
【0010】
本明細書で使用される場合、「約」は、「約」として言及された数が記載された数±記載された数の1〜10%を含んでなることを意味する。
【0011】
「任意選択的な」または「任意選択的に」は、その後に記載された現象または状況が生じることが可能であるまたは可能でないこと、ならびにその記載が現象または状況が生じる例および生じない例を含むことを意味する。
【0012】
「眼科レンズ」は、コンタクトレンズおよび/または眼内レンズを意味する。「コンタクトレンズ」は、着用者の目の上または中に配置することが可能な構造を意味する。コンタクトレンズは、利用者の視力を修正、改善または変更することが可能であるが、それが事実である必要はない。「シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ」は、シリコーンハイドロゲル材料を含んでなるコンタクトレンズを意味する。
【0013】
本出願で使用される場合、「ハイドロゲル」または「ハイドロゲル材料」という用語は、水中で不溶性であるが、それが完全に水和している場合、その三次元ポリマーネットワーク(すなわち、ポリマーマトリックス)中で少なくとも10重量%の水を保持することが可能な架橋ポリマー材料を意味する。
【0014】
「ビニルモノマー」は、1種の唯一のエチレン系不飽和基を有する化合物を意味する。
【0015】
「可溶性」という用語は、溶媒中の化合物または材料を参照する場合、化合物または材料が室温(すなわち、約20℃〜約30℃の温度)において溶媒中で溶解可能であり、少なくとも約0.1重量%の濃度を有する溶液が得られることを意味する。
【0016】
「不溶性」という用語は、溶媒中の化合物または材料を参照する場合、化合物または材料が室温(上記で定義されるとおり)において溶媒中で溶解可能であり、0.005重量%未満の濃度を有する溶液が得られることを意味する。
【0017】
「オレフィン系不飽和基」または「エチレン系不飽和基」という用語は、本明細書において広義で使用され、少なくとも1個の>C=C<基を含有するいずれの基も包括するように意図される。例示的なエチレン系不飽和基としては、限定されないが、(メタ)アクリロイル
【化3】
アリル、ビニル
【化4】
スチレニルまたは他のC=C含有基が含まれる。
【0018】
「(メタ)アクリルアミド(acrylamide)」という用語は、メタクリルアミドおよび/またはアクリルアミドを意味する。
【0019】
「(メタ)アクリルアミド(acrylamido)」という用語は、R
oが水素またはC
1〜C
10−アルキルである、
【化5】
のエチレン系不飽和基を意味する。
【0020】
「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。
【0021】
「親水性ビニルモノマー」は、本明細書で使用される場合、水溶性であるか、または少なくとも10重量%の水を吸収することが可能なホモポリマーを形成するために重合可能なビニルモノマーを意味する。
【0022】
「疎水性ビニルモノマー」は、水中で不溶性であり、10重量%未満の水を吸収することが可能なホモポリマーを形成するために重合可能なビニルモノマーを意味する。
【0023】
「UVA」は、315〜380ナノメートルの波長において生じる放射を意味し;「UVB」は、280〜315ナノメートルで生じる放射を意味し;「バイオレット」は、380〜440ナノメートルの波長において生じる放射を意味する。
【0024】
「UVA透過率」(または「UVA%T」)、「UVB透過率」または「UVB%T」、および「バイオレット透過率」または「バイオレット%T」は、次式
【数1】
によって計算される。発光%Tは、次式
発光%T=780〜380nmの平均%透過
によって決定される。
【0025】
本出願で使用される場合、「マクロマー」または「プレポリマー」という用語は、2個以上のエチレン系不飽和基を含有する中および高分子量化合物またはポリマーを意味する。中および高分子量は、典型的に、700ダルトンより高い平均分子量を意味する。
【0026】
本出願で使用される場合、「ビニル架橋剤」という用語は、少なくとも2個のエチレン系不飽和基を有する化合物を意味する。「ビニル架橋剤」は、約700ダルトン以下の分子量を有するビニル架橋剤を意味する。
【0027】
本出願で使用される場合、「ポリマー」という用語は、1種以上のモノマーまたはマクロマーまたはプレポリマーを重合/架橋することによって形成された材料を意味する。
【0028】
本出願で使用される場合、ポリマー材料(モノマー材料またはマクロマー材料を含む)の「分子量」という用語は、他に特に指摘されない限りまたは試験条件で他が示されない限り、重量平均分子量を意味する。
【0029】
「流体」という用語は、本明細書で使用される場合、材料が液体のように流動することが可能であることを示す。
【0030】
「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖アルカン化合物から水素原子を除去することによって得られる一価ラジカルを意味する。アルキル基(ラジカル)は、有機化合物中で他の1個の基と1個の結合を形成する。
【0031】
「アルキレン二価基」または「アルキレンジラジカル」または「アルキルジラジカル」という用語は、アルキルから1個の水素原子を除去することによって得られる二価ラジカルを交換可能に意味する。アルキレン二価基は、有機化合物中で他の基と2個の結合を形成する。
【0032】
「アルキルトリラジカル」という用語は、アルキルから2個の水素原子を除去することによって得られる三価ラジカルを意味する。アルキルトリラジカルは、有機化合物中で他の基と3個の結合を形成する。
【0033】
「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、直鎖または分枝鎖アルキルアルコールのヒドロキシル基から水素原子を除去することによって得られる一価ラジカルを意味する。アルコキシ基(ラジカル)は、有機化合物中で他の1個の基と1個の結合を形成する。
【0034】
本出願において「置換される」という用語は、アルキルジラジカルまたはアルキルラジカルを参照する場合、アルキルジラジカルまたはアルキルラジカルがアルキルジラジカルまたはアルキルラジカルの1個の水素原子を置き換え、かつヒドロキシ(−OH)、カルボキシ(−COOH)、−NH
2、スルフヒドリル(−SH)、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
4アルキルチオ(硫化アルキル)、C
1〜C
4アシルアミノ、C
1〜C
4アルキルアミノ、ジ−C
1〜C
4アルキルアミノ、ハロゲン原子(BrまたはCl)およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を含んでなることを意味する。
【0035】
「光開始剤」は、光の使用によってフリーラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を意味する。
【0036】
「UV吸収ビニルモノマー」は、当業者によって理解されるように、エチレン系不飽和基と、200nm〜400nmの範囲でUV照射を吸収または遮断することが可能なUV吸収部分とを含んでなる化合物を意味する。
【0037】
「化学線の空間的限定」とは、光線の形態でのエネルギー放射が、例えば、マスクまたはスクリーンまたはそれらの組合せによって方向付けられ、十分に画定された末端境界線を有する領域上に、空間的に限定された方法で衝突する作用またはプロセスを意味する。UV照射の空間的限定は、全て参照によって全体的に組み込まれる米国特許第6,800,225号明細書(
図1〜11)および同第6,627,124号明細書(
図1〜9)、同第7,384,590号明細書(
図1〜6)および同第7,387,759号明細書(
図1〜6)の図面において概略的に例示されるように、放射(例えば、UVおよび/または可視光)透過性領域、放射透過性領域を包囲する放射(例えば、UVおよび/または可視光)不透過性領域、ならびに放射不透過性および放射透過性領域間の境界線である投射輪郭を有するマスクまたはスクリーンを使用することによって得られる。マスクまたはスクリーンにより、マスクまたはスクリーンの投射輪郭により画定される断面プロフィールを有する放射(例えば、UV放射および/または可視放射)のビームを空間的に投射することが可能となる。投射された放射(例えば、UV放射および/または可視放射)のビームは、型の第1の成形面から第2の成形面への投射されたビームの経路に位置するレンズ配合物に及ぼす放射の影響を限定する。得られるコンタクトレンズは、第1の成形面によって画定される前面と、第2の成形面によって画定される反対側の後面と、投射されたUVおよび/または可視ビームの断面プロフィール(すなわち、放射の空間的限定)によって画定されるレンズエッジとを含んでなる。架橋のために使用される放射は、放射エネルギー、特にUV放射(および/または可視放射)、ガンマ放射、電子放射または熱放射であり、放射エネルギーは、好ましくは、一方では良好な限定を達成するために、他方ではエネルギーの効率的な使用を達成するために実質的にパラレルビームの形態である。
【0038】
「モジュラス」または「弾性率」という用語は、コンタクトレンズまたは材料を参照する場合、コンタクトレンズまたは材料の剛度の測度である引張弾性率またはヤング率を意味する。モジュラスは、ANSI Z80.20規格に従う方法を使用して測定することができる。当業者は、シリコーンハイドロゲル材料またはコンタクトレンズの弾性率を決定する方法を周知している。例えば、全ての商用コンタクトレンズは、報告された弾性率の値を有する。
【0039】
一般に、本発明は、フリーラジカル重合反応を開始するために390nm〜500nmの波長を有する可視光によって達成可能である、親水性基の存在のために水中の溶解度が増加したアシルゲルマニウム光開始剤の分類、および特にLightstream Technology(商標)によるUV吸収コンタクトレンズの作成におけるそのような光開始剤の使用に関する。
【0040】
一態様において、本発明は、式(I)
【化6】
(式中、
R
1およびR
1’は、C
1〜C
6アルキル、好ましくはC
1〜C
4アルキル、より好ましくはメチルまたはエチルであり;
R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の1つまたは2つは、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OH、−L
1−SO
3H、
【化7】
からなる群から選択される親水基であり、一方、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の他のものは、互いに独立して、水素、メチルまたはメトキシであり、ここで、n1は、2〜20(好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10)の整数であり、L
1は、直接結合またはメチレンジラジカル(−CH
2−)であり、L
2は、エチレンジラジカル(−C
2H
4−)またはプロピレンジラジカル(−C
3H
6−)であり、L
3は、水素またはC
1〜C
4アルキル(好ましくはメチルまたはエチル)であり、R
10は、メチルまたはエチルである)のアシルゲルマニウム光開始剤を提供する。
【0041】
式(I)の好ましいアシルゲルマニウム光開始剤の例としては、限定されないが、
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
(式中、R
1およびR
1’は、C
1〜C
6アルキル(好ましくはC
1〜C
4アルキル、より好ましくはメチルまたはエチル)であり、PEGは、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3または−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHの一価ラジカルであり、ここで、n1は、2〜20(好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10)の整数である)が含まれる。
【0042】
上記で定義された式(I)のアシルゲルマニウム光開始剤は、例えば、限定されないが、(1)モノ−(クロロメチル)−置換安息香酸(例えば、2−(クロロメチル)安息香酸、3−(クロロメチル)安息香酸、4−(クロロメチル)安息香酸、2−(クロロメチル)−4−メチル安息香酸、2−(クロロメチル)−6−メチル安息香酸、2−(クロロメチル)−4−メトキシ安息香酸、2−(クロロメチル)−5−メトキシ安息香酸、2−(クロロメチル)−6−メトキシ安息香酸、3−(クロロメチル)−2−メチル安息香酸、3−(クロロメチル)−4−メチル安息香酸、3−(クロロメチル)−4−メトキシ安息香酸、5−(クロロメチル)−2−メトキシ安息香酸、3−(クロロメチル)−2,4−ジメチル安息香酸、3−(クロロメチル)−2,4−ジメトキシ安息香酸、3−(クロロメチル)−2,6−ジメトキシ安息香酸、3−(クロロメチル)−2,6−ジメチル安息香酸、3−(クロロメチル)−2,4,6−トリメチル安息香酸、4−(クロロメチル)−3−メトキシ安息香酸、4−(クロロメチル)−2,5−ジメトキシ安息香酸、2−(クロロメチル)−4,6−ジメトキシ安息香酸);(2)モノ−(ブロモメチル)−置換安息香酸(例えば、2−(ブロモメチル)安息香酸、3−(ブロモメチル)安息香酸、4−(ブロモメチル)安息香酸、2−(ブロモメチル)−4−メチル安息香酸、2−(ブロモメチル)−6−メチル安息香酸、2−(ブロモメチル)−4−メトキシ安息香酸、2−(ブロモメチル)−5−メトキシ安息香酸、2−(ブロモメチル)−6−メトキシ安息香酸、3−(ブロモメチル)−2−メチル安息香酸、3−(ブロモメチル)−4−メチル安息香酸、3−(ブロモメチル)−4−メトキシ安息香酸、5−(ブロモメチル)−2−メトキシ安息香酸、3−(ブロモメチル)−2,4−ジメチル安息香酸、3−(ブロモメチル)−2,4−ジメトキシ安息香酸、3−(ブロモメチル)−2,6−ジメトキシ安息香酸、3−(ブロモメチル)−2,6−ジメチル安息香酸、3−(ブロモメチル)−2,4,6−トリメチル安息香酸、4−(ブロモメチル)−3−メトキシ安息香酸、4−(ブロモメチル)−2,5−ジメトキシ安息香酸、2−(ブロモメチル)−4,6−ジメトキシ安息香酸);(3)ビス−(クロロメチル)−置換安息香酸またはビス−(ブロモメチル)−置換安息香酸(例えば、3,5−ビス(クロロメチル)安息香酸、3,5−ビス(クロロメチル)−4−メチル安息香酸、3,4−ビス(クロロメチル)安息香酸、2,5−ビス(クロロメチル)安息香酸、3,5−ビス(ブロモメチル)安息香酸、3,5−ビス(ブロモメチル)−4−メチル安息香酸、3,4−ビス(ブロモメチル)安息香酸、2,5−ビス(ブロモメチル)安息香酸);(4)モノ−(ジメチルアミノ)−置換安息香酸(例えば、2−(ジメチルアミノ)安息香酸、3−(ジメチルアミノ)安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸、4−(ジメチルアミノ)−2−メチル安息香酸、4−(ジメチルアミノ)−3−メチル安息香酸、3−(ジメチルアミノ)−4−メトキシ安息香酸);(5)モノ−(ジメチルアミノメチル)−置換安息香酸(例えば、2−(ジメチルアミノメチル)安息香酸、3−(ジメチルアミノメチル)安息香酸、4−(ジメチルアミノメチル)安息香酸、4−(ジメチルアミノメチル)−2−メチル安息香酸、4−(ジメチルアミノメチル)−3−メチル安息香酸、3−(ジメチルアミノメチル)−4−メトキシ安息香酸);(6)ジアルキルゲルマニウム二水素化物(例えば、ジメチルゲルマニウム二水素化物、ジエチルゲルマニウム二水素化物、ジプロピルゲルマニウム二水素化物、ジブチルゲルマニウム二水素化物、ジペンチルゲルマニウム二水素化物、ジヘキシルゲルマニウム二水素化物);(7)1,3−プロパンスルトン;(8)アルキルアルキレンホスフェート(例えば、メチルエチレンホスフェート、エチルエチレンホスフェート、メチルプロピレンホスフェート、エチルプロピレンホスフェート);ならびに(9)種々の重量平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルを含む商業的に入手可能な出発材料から調製することが可能である。
【0043】
上記で定義された式(I)のアシルゲルマニウム光開始剤は、例えば、次の例示的方法などの種々のスキームに従って上記の出発材料などから調製可能である。
【0044】
式(I−1)〜(I−23)のいずれかの1種のアシルゲルマニウム光開始剤は、スキームIで例示されるように、ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルをモノ−(クロロメチル)−置換安息香酸、モノ−(ブロモメチル)−置換安息香酸、ビス−(クロロメチル)−置換安息香酸またはビス−(ブロモメチル)−置換安息香酸と反応させて、塩素または臭素原子を、n1が2〜20(好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10)の整数である−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3または−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHの一価ラジカルに置換すること;得られたカルボン酸基を既知の反応に従って、例えば、塩化オキサリルを使用することによって塩化アシルへと変換すること;得られた塩化アシルを、ジアルキルゲルマニウム二水素化物とtert−ブチルリチウムとの反応から得ることができるジアルキルゲルマニウムジリチウムと当業者に既知の条件下で反応させて、本発明の光開始剤を得ることによって調製することができる(例えば、参照によって本明細書に全体として組み込まれるCastel,A;Piviere,P.;Satge,J.;Ko,H.Y.Organometallics 1990,9,205を参照されたい)。
【化12】
【0045】
式(I−24)〜(I−35)のいずれか1種のアシルゲルマニウム光開始剤は、スキームIIで例示されるように、ジアルキルゲルマニウムジリチウムを(ジメチルアミノ)−置換または(ジメチルアミノメチル)−置換安息香酸と反応させて、ジベンゾイルジメチルゲルマニウム化合物を得ること;得られたジベンゾイルジメチルゲルマニウム化合物を1,3−プロパンスルトンと当業者に既知の条件下で反応させて、本発明の光開始剤を得ることによって調製することができる(例えば、参照によって本明細書に全体として組み込まれるLascelles,S.F.;Malet,F.;Mayada,R.;Billingham,N.C.;Armes,S.P.Macromolecules 1999,32(8),2462を参照されたい)。
【化13】
【0046】
式(I−36)〜(I−47)のいずれか1種のアシルゲルマニウム光開始剤は、スキームIIIで例示されるように、ジアルキルゲルマニウムジリチウムを(ジメチルアミノ)−置換または(ジメチルアミノメチル)−置換安息香酸と反応させて、ジベンゾイルジメチルゲルマニウム化合物を得ること;得られたジベンゾイルジメチルゲルマニウム化合物をアルキルアルキレンホスフェート(例えば、メチルエチレンホスフェート、エチルエチレンホスフェート、メチルプロピレンホスフェートまたはエチルプロピレンホスフェート)と当業者に既知の条件下で反応させて、本発明の光開始剤を得ることによって調製することができる(Makromol.Chem.,Rapid Commun.3,457−459(1982))。
【化14】
【0047】
式(I−48)〜(I−57)のいずれか1種のアシルゲルマニウム光開始剤は、スキームIVで例示されるように、ジアルキルゲルマニウムジリチウムを(ジメチルアミノ)−置換または(ジメチルアミノメチル)−置換安息香酸と反応させて、ジベンゾイルジエチルゲルマニウム化合物を得ること;得られたジベンゾイルジエチルゲルマニウム化合物を、臭化メチルまたは第四級塩を形成することが知られている他の試薬と当業者に既知の条件下で反応させて、本発明の光開始剤を得ることによって調製することができる。臭化物の代わりに他の対イオンを使用することも可能である(Journal of Bioactive and Compatible Polymer,5,1990,31およびThermochimicaActa,134,(1988),49−54)。
【化15】
【0048】
式(I−58)〜(I−63)のいずれか1種のアシルゲルマニウム光開始剤は、ジアルキルゲルマニウムジリチウムを(ジチオエステル)−置換または(ジチオエステルメチル)−置換安息香酸と反応させて、ジベンゾイルジエチルゲルマニウム化合物を得ること;チオエステルを脱保護し、次いで、結果的なジベンゾイルジエチルゲルマニウム化合物へと酸化することによって調製することができる。スキームVで例示されるように、当業者に既知の他の試薬および条件を使用することも可能である(JACS 1963,85,1337;J.Med.Chem 1985,28,328;Tetrahedron Letters 2008,49,3291)。
【化16】
【0049】
上記で定義された式(I)のアシルゲルマニウム光開始剤は、特に、別の本発明の態様であるLightstream Technology(商標)により、UV吸収コンタクトレンズの作成において用途を見出すことができる。
【0050】
別の態様において、本発明は、UV吸収コンタクトレンズを製造する方法であって、(1)水性レンズ配合物を得るステップであって、水性レンズ配合物は、(a)少なくとも1種のUV吸収ビニルモノマーもしくは水溶性UV吸収プレポリマー(それに共有結合されたUV吸収部分を含んでなる)またはそれらの組合せと、(b)約0.1重量%〜約2.0重量%、好ましくは約0.25重量%〜約1.75重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%、なおより好ましくは約0.75重量%〜約1.25重量%の、上記式(I)の少なくとも1種のアシルゲルマニウム光開始剤とを含んでなる、ステップと、(2)ソフトコンタクトレンズを作成するための型に水性レンズ配合物を導入するステップであって、型は、コンタクトレンズの前面を画定する第1の成形面を有する第1の型半部分と、コンタクトレンズの後面を画定する第2の成形面を有する第2の型半部分とを有し、前記第1および第2の型半部分は、前記第1の成形面と前記第2の成形面との間に空洞が形成されるように互いを受け入れるように構成される、ステップと、(3)レンズ形成材料を架橋してUV吸収コンタクトレンズを形成するために、390nm〜500nmの領域の光を含む光源を使用することにより、型中で水性レンズ配合物に光を照射するステップであって、形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、第1の成形面によって画定された前面および第2の成形面によって画定された反対側の後面を含んでなり、かつ280〜315ナノメートルにおいて約10%以下(好ましくは約5%以下、より好ましくは約2.5%以下、なおより好ましくは約1%以下)のUVB透過率と、315〜380ナノメートルにおいて約30%以下(好ましくは約20%以下、より好ましくは約10%以下、なおより好ましくは約5%以下)のUVA透過率と、任意選択的に(しかし、好ましくは)380nm〜440nmにおいて約60%以下、好ましくは約50%以下、より好ましくは約40%以下、なおより好ましくは約30%以下)のバイオレット透過率とを有することによって特徴付けられる、ステップとを含んでなる方法を提供する。
【0051】
「水性レンズ配合物」は、溶媒として水を含んでなるか、または溶媒混合物および重合性/架橋性成分の全量に対して少なくとも約60重量%(好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%、なおより好ましくは少なくとも約95重量%、最も好ましくは少なくとも約98重量%)の水を含んでなる溶媒混合物を含んでなる重合性組成物であって、熱または化学線によって硬化(すなわち、重合および/または架橋)されて架橋/重合ポリマー材料を得ることが可能な重合性組成物を意味する。コンタクトレンズを作成するための重合性成分は、当業者に周知であり、例えば、当業者に既知のモノマー、マクロマー、プレポリマーまたはそれらの組合せなどが含まれる。レンズ配合物は、さらに、開始剤(例えば、光開始剤または熱開始剤)、視界着色剤、UV吸収ビニルモノマー、光開始剤、光増感剤、抗菌剤(例えば、Agナノ粒子)、潤滑剤/湿潤剤などの他の成分を含むことができる。
【0052】
プレポリマーの好ましい群は、水中または水−有機溶媒混合物中に可溶性であり、かつ眼科的に適合性があるものである。化学線によって架橋可能なプレポリマーが実質的に純粋な形態である(例えば、プレポリマーを形成するためのほとんどの反応物を除去するために限外ろ過によって精製される)ことは有利であろう。したがって、化学線による架橋後、コンタクトレンズは、特に、複雑な未重合成分の抽出などのその後の精製を実質的に必要とし得ない。さらに、架橋は水溶液で生じ得、その後の溶媒交換または水和ステップが必要ではない。
【0053】
好ましい化学線によって架橋可能なプレポリマーの例としては、限定されないが、(参照によって全体として組み込まれる)米国特許第5,583,163号明細書および同第6,303,687号明細書に記載の水溶性の化学線によって架橋可能なポリ(ビニルアルコール)プレポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)米国特許出願公開第2004/0082680号明細書に記載の水溶性ビニル基末端ポリウレタンプレポリマー;(参照によって全体として組み込まれる)米国特許第5,849,841号明細書に開示される水溶性プレポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)米国特許第6,479,587号明細書および2004年11月17日出願の共同所有の継続中の米国特許出願第10/991,124号明細書に記載の水溶性の化学線によって架橋可能なポリ尿素プレポリマー;水溶性の化学線によって架橋可能なポリアクリルアミド;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)欧州特許第655,470号明細書および米国特許第5,712,356号明細書に開示されるビニルラクタム、MMAおよびコモノマーの水溶性の化学線によって架橋可能な統計上のコポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)欧州特許第712,867号明細書および米国特許第5,665,840号明細書に開示されるビニルラクタム、ビニルアセテートおよびビニルアルコールの水溶性の化学線によって架橋可能なコポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)欧州特許第932,635号明細書および米国特許第6,492,478号明細書に開示される化学線によって架橋可能な側鎖を有する水溶性ポリエーテル−ポリエステルコポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)欧州特許第958,315号明細書および米国特許第6,165,408号明細書に開示される水溶性の分岐鎖ポリアルキレングリコール−ウレタンプレポリマー;(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)欧州特許第961,941号明細書および米国特許第6,221,303号明細書に開示される水溶性のポリアルキレングリコール−テトラ(メタ)アクリレートプレポリマー;ならびに(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)PCT特許出願国際公開第2000/31150号パンフレットおよび米国特許第6,472,489号明細書に開示される水溶性の化学線によって架橋可能なポリアリルアミングルコノラクトンプレポリマーが含まれる。溶液中のプレポリマーの好ましい濃度は、約15重量%〜約50重量%、特に約15重量%〜約40重量%、例えば、約25重量%〜約40重量%である。
【0054】
好ましくは、本発明による方法で使用されるプレポリマーは、それ自体既知の方法で、例えば、アセトンなどの有機溶媒による沈殿、ろ過および洗浄、適切な溶媒中での抽出、透析または限外ろ過によって事前に精製される。限外ろ過が特に好ましい。そのような精製プロセスにより、プレポリマーは、極めて純粋な形態で、例えば、塩などの反応生成物および例えば非ポリマー成分などの出発材料を含まないかまたは少なくとも実質的に含まない濃縮水溶液の形態で得ることができる。
【0055】
本発明による方法で使用されるプレポリマーの好ましい精製プロセスである限外ろ過は、それ自体既知の方法で実行可能である。限外ろ過は、例えば、2〜10回にわたり繰り返して実行することが可能である。あるいは、選択された純度が達成されるまで、限外ろ過を連続的に実行することが可能である。選択された純度は、原則として、所望されるものと同程度に高くなることが可能である。純度の適切な測定は、例えば、周知の方法で単純に決定することが可能な副産物として得られた溶解塩の濃度である。
【0056】
好ましい実施形態において、化学線によって架橋可能なプレポリマーは、水溶性の架橋可能なポリ(ビニルアルコール)である。
【0057】
別の好ましい実施形態において、化学線によって架橋可能なプレポリマーは、(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)米国特許第6,479,587号明細書または2004年11月17日出願の共同所有の継続中の米国特許出願第10/991,124号明細書に記載の架橋可能なポリ尿素である。
【0058】
いずれの適切なUV吸収ビニルモノマーまたはUV吸収能を有するポリマーも本発明で使用可能である。本発明で使用されるUV吸収ビニルモノマーは、ベンゾフェノン部分、好ましくはベンゾトリアゾール部分を含んでなる。好ましい実施形態において、本発明で使用されるUV吸収ビニルモノマーまたはUV吸収能を有するポリマーは、紫外線光および高エネルギーバイオレット光(HEVL)の両方を吸収し、かつ好ましくは、式
【化17】
(式中、R
1=HまたはCH
3であり;R
2=C
2〜C
10アルキレン二価基または好ましくはC
2〜C
4アルキレン二価基であり;かつR
3=H、CH
3、CH
3O、F、Cl、Br、IまたはCF
3である)によって表される、ベンゾトリアゾール含有UV/HEVL吸収剤である。上記式のUV/HEVL吸収剤の調製は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許第8,153,703号明細書および同第8,232,326号明細書に記載されている。ベンゾトリアゾール含有UV吸収ビニルモノマーは、(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)米国特許第3,299,173号明細書、同第4,612,358号明細書、同第4,716,234号明細書、同第4,528,311号明細書に記載の手順に従って調製可能であるか、または商業的供給元から入手可能である。
【0059】
好ましいベンゾフェノン含有UV吸収ビニルモノマーの例としては、限定されないが、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシアルコキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシアルコキシベンゾフェノン、アリル−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−アクリロイルエトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(UV2)、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン(UV7)またはそれらの組合せが含まれる。ベンゾフェノン含有UV吸収ビニルモノマーは、(参照によって全体として本明細書に組み込まれる)米国特許第3,162,676号明細書に記載の手順に従って調製可能であるか、または商業的供給元から入手可能である。
【0060】
好ましいUV吸収およびUV/HEVL吸収ベンゾトリアゾール含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、2−(2−ヒドロキシ−5−ビニルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−アクリルイルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルアミドメチル−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルアミドフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルアミドフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシプロピル−3’−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシプロピルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−(トリフルオロメチル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−1)、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−メトキシ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−5)、3−(5−フルオロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−2)、3−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−3)、3−(5−クロロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−4)、2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−メチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−6)、2−ヒドロキシ−5−メチル−3−(5−(トリフルオロメチル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−7)、4−アリル−2−(5−クロロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−6−メトキシフェノール(WL−8)、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−5’[3’’−(4’’−ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、フェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−エテニル−(UVAM)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2−プロペン酸、2−メチル−、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルエステル、Norbloc)、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−[3’−メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV13)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV13)、2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリルアミドフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール(UV6)、2−(3−アリル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(UV9)、2−(2−ヒドロキシ−3−メタリル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(UV12)、2−3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(3’’−ジメチルビニルシリルプロポキシ)−2’−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール(UV15)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルプロピル−3’−tert−ブチル−フェニル)−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV16)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルプロピル−3’−tert−ブチル−フェニル)−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV16A)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV23)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(UV28)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−メチルアクリル酸3−[3−tert−ブチル−5−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]−プロピルエステル(16−100、CAS#96478−15−8)、2−(3−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシ−5−(5−メトキシ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェノキシ)エチルメタクリレート(16−102);フェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−メトキシ−4−(2−プロペン−1−イル)(CAS#1260141−20−5);2−[2−ヒドロキシ−5−[3−(メタクリロイルオキシ)プロピル]−3−tert−ブチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール;フェノール、2−(5−エテニル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−、ホモポリマー(9CI)(CAS#83063−87−0)が含まれる。
【0061】
より好ましいUV吸収ビニルモノマーの例としては、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV23)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(UV28)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV13)、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルエステル(Norbloc)、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−[3’−メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV13)またはそれらの混合物が含まれる。
【0062】
より好ましい実施形態において、ベンゾフェノン部分もしくはベンゾトリアゾール部分またはそれらの組合せなどのUV吸収部分は、例えば、水溶性UV吸収プレポリマーを作成するための化学線によって架橋可能なPVAなど、水溶性の化学線によって架橋可能なプレポリマーに共有結合される。
【0063】
水性レンズ配合物中の少なくとも1種のUV吸収ビニルモノマーまたは水溶性UV吸収ポリマーの量は、レンズ配合物の硬化から得られるコンタクトレンズが、レンズに影響を与えるUVB(280〜315ナノメートル)の少なくとも90%(好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約97.5%、なおより好ましくは少なくとも約99%)、UVA透過率(315〜380ナノメートル)の少なくとも70%(好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、なおより好ましくは少なくとも約95%)および任意選択的に(しかし、好ましくは)380nm〜440nmのバイオレット光の少なくとも30%(好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、なおより好ましくは少なくとも約60%)を遮断または吸収する(すなわち、透過の逆)能力が得られるために十分であることは理解される。
【0064】
本発明によると、水性レンズ配合物は、親水性ビニルモノマーを含んでなることも可能である。ほとんどいずれの親水性ビニルモノマーも本発明で使用可能である。適切な親水性ビニルモノマーは、これは網羅的なリストではないが、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N,N−ジメチルメタクリルアミド(DMMA)、2−アクリルアミドグリコール酸、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリレートヒドロクロリド、アミノプロピルメタクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、グリセロールメタクリレート(GMA)、1500までの重量平均分子量を有するC
1〜C
4アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1500までの重量平均分子量を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メタクリル酸、アクリル酸およびそれらの混合物である。
【0065】
本発明の水性レンズ配合物は、非シリコーン疎水性モノマー(すなわち、シリコーンを含まない)も含んでなることが可能である。レンズ配合物中に特定の量の非シリコーン疎水性ビニルモノマーを組み込むことにより、得られたポリマーの機械的特性(例えば、弾性率)が改善され得る。ほとんどいずれの非シリコーン疎水性ビニルモノマーも、ペンダントまたは末端官能基を有する中間コポリマーを調製するための化学線によって重合可能な組成物中で使用することが可能である。好ましい非シリコーン疎水性ビニルモノマーの例としては、メチルアクリレート、エチル−アクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、吉草酸ビニル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロヘキシルエチル−チオ−カルボニル−アミノエチル−メタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロ−イソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートが含まれる。
【0066】
好ましい実施形態において、水性レンズ配合物は、好ましくは、N,N’−メチレン−ビス−(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレン−ビス−(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジヒドロキシエチレン−ビス−(メタ)アクリルアミド、1,3−ビス(メタクリルアミドプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、N−アリル−(メタ)アクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテルおよびそれらの組合せからなる群から選択される架橋剤をさらに含んでなり得る。
【0067】
本発明の水性レンズ配合物は、当業者に既知の視界着色剤(例えば、D&C Blue No.6、D&C Green No.6、D&C Violet No.2、カルバゾールバイオレット、特定の銅錯体、特定の酸化クロム、種々の酸化鉄、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、二酸化チタンまたはそれらの混合物)、抗菌剤(例えば、銀ナノ粒子)、生理活性剤(例えば、薬、アミノ酸、ポリペプチド、タンパク質、核酸、2−ピロリドン−5−カルボン酸(PCA)、アルファヒドロキシ酸、リノール酸およびガンマリノール酸、ビタミンまたはそのいずれかの組合せ)、浸出可能な潤滑剤(例えば、5,000〜500,000、好ましくは10,000〜300,000、より好ましくは20,000〜100,000ダルトンの平均分子量を有する非架橋性親水性ポリマー)、浸出可能な引き裂き安定化剤(例えば、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質、8〜36個の炭素原子を有する脂肪酸、8〜36個の炭素原子を有する脂肪アルコールまたはそれらの混合物)などをさらに含んでなることが可能である。
【0068】
水性レンズ配合物は、水中または当業者に既知の水と有機溶媒との混合物中で全ての所望の成分を溶解することによって調製可能である。
【0069】
コンタクトレンズを作成するためのレンズ型は、当業者に周知である。コンタクトレンズ流込成形用の型部分を製造する方法は、一般に、当業者に周知である。本発明の方法は、いずれかの特定の型の形成方法に限定されない。実際に、いずれの型の形成方法も本発明で使用可能である。第1および第2の型半部分は、射出成形または旋削加工などの種々の技術によって形成することができる。型半部分を形成するための適切な方法の例は、参照によって本明細書に組み込まれるSchadへの米国特許第4,444,711号明細書;Boehmらへの同第4,460,534号明細書;Morrillへの同第5,843,346号明細書;およびBonebergerらへの同第5,894,002号明細書に開示されている。型を形成するための当該技術分野において既知のほとんど全ての材料は、コンタクトレンズを作成するための型を作成するために使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、Topas(登録商標)COCグレード8007−S10(Frankfurt,GermanyのTicona GmbHおよびSummit,New Jerseyからのエチレンおよびノルボルネンの透明非晶質コポリマー)などのポリマー材料を使用することができる。石英ガラスおよびサファイアなどのUV光透過を可能にする他の材料を使用することも可能であろう。
【0070】
好ましくは、放射の空間的限定のために適切な再利用可能な型が本発明において使用され、放射(例えば、360nm〜550nmの範囲の光を含む光源からの放射)の投射ビームは、再利用可能な型の第1の成形面から第2の成形面への投射ビームの経路に位置するレンズ形成材料の混合物に影響を与える放射(例えば、UV放射)を限定する。得られたコンタクトレンズは、第1の成形面によって画定される前面と、第2の成形面によって画定される反対側の後面と、投射された放射ビームの断面プロフィール(すなわち、放射の空間的限定)によって画定されるレンズエッジ(鋭利なエッジおよび高い品質を有する)とを含んでなる。放射の空間的限界に関して適切な再利用可能な型の例としては、限定されないが、参照によって全体として組み込まれる米国特許第6,627,124号明細書、同第6,800,225号明細書、同第7,384,590号明細書および同第7,387,759号明細書に開示されたものが含まれる。
【0071】
例えば、好ましい再利用可能な型は、第1の成形面を有する第1の型半部分および第2の成形面を有する第2の型半部分を含んでなる。好ましい再利用可能な型の2個の型半部分は、互いに接触しないが、2個の型半部分間に配置された環状デザインの薄いギャップがある。ギャップは、第1の成形面と第2の成形面との間に形成された型キャビティに連結し、過剰量の混合物がギャップ中に流入することができる。いずれのデザインを有するギャップも本発明で使用可能であることは理解される。
【0072】
好ましい実施形態において、第1および第2の成形面の少なくとも一方は、架橋放射に対して透過性である。より好ましくは、他の成形面は架橋放射に対して不完全に透過性であるが、第1および第2の成形面の一方は架橋放射に対して透過性である。
【0073】
再利用可能な型は、好ましくは、放射透過性の成形面を有する型半部分においてまたはその上で固定されるか、組み立てられるか、または配置されるマスクを含んでなる。マスクは、放射透過性の成形面の透過性と比較して、不透過性であるか、または少なくとも不十分な透過性である。マスクは、型キャビティまで内部方向に延在し、かつ型キャビティを包囲し、型キャビティを除く、マスクの背後の全ての領域をスクリーンする。
【0074】
マスクは、好ましくは、例えば、写真およびUVリソグラフィーにおいて既知であるような方法に従って製造することができる薄クロム層であってよい。他の金属または金属酸化物も適切なマスク材料であり得る。マスクは、型または型半部分用に使用される材料が石英である場合、例えば、二酸化ケイ素の保護層でコーティングされることもできる。
【0075】
あるいは、マスクは、(参照によって全体として組み込まれる)米国特許第7,387,759号明細書に記載されるように、UV吸収剤を含んでなる材料から作成されるマスキングカラーであり得、これは、実質的にそれを通る硬化エネルギーを遮断する。この好ましい実施形態において、マスクを有する型半部分は、一般に円板形の透過部分と、透過部分と密接に係合して適合するように順応された内径を有するマスキングカラーとを含んでなり、前記透過部分は光学的に透明な材料から作成され、かつその中の硬化エネルギーの通過を可能にし、マスキングカラーは光遮断剤を含んでなる材料から作成され、かつ実質的にその中の硬化エネルギーの通過を遮断し、マスキングカラーは、一般に、ワッシャーまたはドーナツに類似して、透過部分を受け入れるためのセンターホールを有し、透過部分はマスキングカラーの中心開口中に押し込まれ、マスキングカラーはブッシングスリーブ内に取り付けられている。
【0076】
再利用可能な型は、石英、ガラス、サファイア、CaF
2、環式オレフィンコポリマー(例えば、Frankfurt,GermanyのTicona GmbHおよびSummit,New JerseyからのTopas(登録商標)COCグレード8007−S10(エチレンおよびノルボルネンの透明非晶質コポリマー)、Zeon Chemicals LP,Louisville,KYからのZeonex(登録商標)およびZeonor(登録商標))、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、DuPontからのポリオキシメチレン(Delrin)、G.E.PlasticsからのUltem(登録商標)(ポリエーテルイミド)、PrimoSpire(登録商標)などから作成可能である。型半部分の再使用可能性のため、極めて高い精度および再現性を有する型を得るために、それらの製造時に比較的高い費用が費やされる可能性がある。型半部分は、製造されるレンズの領域、すなわち、キャビティまたは実際の成形面において互いに接触しないため、接触の結果としての損傷は排除される。これにより、型の高い使用寿命が保証され、それにより、特に製造されるコンタクトレンズの高い再現性およびレンズデザインに対する高い忠実度も保証される。
【0077】
本発明によると、レンズ配合物は、いずれかの周知の方法に従って、型によって形成されたキャビティ中に導入される(分配される)ことが可能である。
【0078】
レンズ配合物が型の中に分配された後、それは重合されて、コンタクトレンズが製造される。架橋は、390nm〜500nmの領域の光を含む光源に、好ましくは化学線の空間的限定の下で暴露することによって開始され、混合物中の重合性成分が架橋され得る。
【0079】
本発明によると、光源は、ゲルマンベースのNorrish Type I光開始剤を活性化するために十分な390〜500nmの範囲において光を放出するいずれのものでもあり得る。青色光源は、商業的に入手可能であり、かつPalatray CU青色光ユニット(Heraeus Kulzer,Inc.,Irvine,Calif.から入手可能)、Fusion F450青色光システム(TEAMCO,Richardson,Tex.から入手可能)、Dymax Blue Wave 200、OpsytecからのLED光源(385nm、395nm、405nm、435nm、445nm、460nm)、HamamatsuからのLED光源(385nm)およびGE 24”青色蛍光ランプ(General Electric Company,U.S.から入手可能)が含まれる。好ましい青色光源は、OpsytecからのUV LED(上記のもの)である。
【0080】
光源の強度は、好ましくは約4〜約40mW/cm
2であり、好ましくは410nm〜550nmの領域において約8〜約16mW/cm
2がより好ましい。
【0081】
本発明による架橋は、非常に短期間、例えば、≦約120秒、好ましくは≦約80秒、より好ましくは≦約50秒、なおより好ましくは≦約30秒、最も好ましくは5〜30秒で実行され得る。
【0082】
成形されたレンズを型から取り出すことができるように型を開放することは、それ自体既知の方法で実行され得る。
【0083】
成形されたコンタクトレンズに、未重合のビニルモノマーおよびマクロマーを除去するためのレンズ抽出を受けさせることが可能である。抽出溶媒は、好ましくは、水または水溶液である。抽出後、レンズは、水中または湿潤剤(例えば、親水性ポリマー)の水溶液中で水和させることが可能であり;約0.005重量%〜約5重量%の湿潤剤(例えば、親水性ポリマー)、粘度強化剤(例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはそれらの混合物)を含有することが可能なパッケージ溶液を有するレンズパッケージ中にパッケージされることができ;118〜124℃において、少なくとも約30分間、オートクレーブなどの殺菌などを実行可能である。
【0084】
本発明のコンタクトレンズは、好ましくは、380〜440ナノメートルで約60%以下(好ましくは約50%以下、より好ましくは約40%以下)の平均バイオレット透過率を有することを特徴とする。
【0085】
さらに、本発明のコンタクトレンズは、完全水和時に(室温、約22℃〜約28℃において)好ましくは約15重量%〜80重量%、より好ましくは約30重量%〜約70重量%の水含量を有する。
【0086】
しかしながら、本発明の本態様において、本発明の好ましい実施形態を含む種々の実施形態が上記において別々に記載され得るが、それらは、本発明のコンタクトレンズの種々の実施形態において到達するいずれかの所望の方法において組み合わせられ得、かつ/または一緒に使用され得ることが理解されるべきである。
【0087】
本発明の種々の実施形態が、特定の用語、デバイスおよび方法を使用して記載されたが、このような記載は、説明の目的のためのみである。使用された単語は、限定よりもむしろ説明のための単語である。特許請求の範囲において明らかにされる本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、当業者は、変更形態および変形形態がなされ得ることを理解するであろう。加えて、種々の実施形態の態様は、以下に例示されるように、全部または一部のいずれかにおいて交換され得るか、もしくはいずれかの方法で組み合わされ得、かつ/または一緒に使用され得ることが理解されるべきである。
【0088】
1.式(I)
【化18】
(式中、
R
1およびR
1’は、C
1〜C
6アルキル、好ましくはC
1〜C
4アルキルであり;
R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の1つまたは2つは、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OH、−L
1−SO
3H、
【化19】
からなる群から選択される親水基であり、一方、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の他のものは、互いに独立して、水素、メチルまたはメトキシであり、ここで、n1は、2〜20(好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10)の整数であり、L
1は、直接結合またはメチレンジラジカル(−CH
2−)であり、L
2は、エチレンジラジカル(−C
2H
4−)またはプロピレンジラジカル(−C
3H
6−)であり、L
3は、水素またはC
1〜C
4アルキルであり、R
10は、メチルまたはエチルである)のアシルゲルマニウム光開始剤。
【0089】
2.R
1およびR
1’は、C
1〜C
4アルキルである、発明1のアシルゲルマニウム光開始剤。
【0090】
3.R
1およびR
1’は、メチルまたはエチルである、発明1のアシルゲルマニウム光開始剤。
【0091】
4.n1は、3〜15の整数である、発明1、2または3のアシルゲルマニウム光開始剤。
【0092】
5.n1は、4〜10の整数である、発明1、2または3のアシルゲルマニウム光開始剤。
【0093】
6.L
3は、メチルまたはエチルである、発明1〜5のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0094】
7.R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の1つのみが、
【化20】
−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHおよび−L
1−SO
3Hからなる群から選択される親水性基であり、一方、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の他のものは、互いに独立して、水素、メチルまたはメトキシである、発明1〜6のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0095】
8.R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の2つは、
【化21】
−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHおよび−L
1−SO
3Hからなる群から選択される親水性基であり、一方、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6の他のものは、互いに独立して、水素、メチルまたはメトキシである、発明1〜6のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0096】
9.親水性基は、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3または−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHである、発明1〜8のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0097】
10.親水性基は、
【化22】
である、発明1〜8のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0098】
11.親水性基は、
【化23】
である、発明1〜8のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0099】
12.親水性基は、
【化24】
である、発明1〜8のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0100】
13.親水性基は、−L
1−SO
3Hであり、ここで、L
1は、直接結合またはメチレンジラジカル(−CH
2−)である、発明1〜8のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0101】
14.式(I−1)〜(I−63):
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
(式中、PEGは、−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OCH
3または−CH
2(OCH
2CH
2)
n1−OHの一価ラジカルであり、ここで、n1は、2〜20(好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10)の整数である)からなる群から選択される式を有する、発明1〜6のいずれか1つのアシルゲルマニウム光開始剤。
【0102】
15.UV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、
(1)水性レンズ配合物を得るステップであって、水性レンズ配合物は、
(a)約0.1重量%〜約2.0重量%の、発明1〜14のいずれか1つの少なくとも1種のアシルゲルマニウム光開始剤と、
(b)少なくとも1種のUV吸収ビニルモノマーまたは水溶性UV吸収プレポリマー(それに共有結合されたUV吸収部分を含んでなる)と
を含んでなる、ステップと、
(2)ソフトコンタクトレンズを作成するための型に水性レンズ配合物を導入するステップであって、型は、コンタクトレンズの前面を画定する第1の成形面を有する第1の型半部分と、コンタクトレンズの後面を画定する第2の成形面を有する第2の型半部分とを有し、前記第1および第2の型半部分は、前記第1の成形面と前記第2の成形面との間に空洞が形成されるように互いを受け入れるように構成される、ステップと、
(3)レンズ形成材料を架橋してUV吸収コンタクトレンズを形成するために、390nm〜500nmの領域の光を含む光源を使用することにより、型中で水性レンズ配合物に光を照射するステップであって、形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、第1の成形面によって画定された前面および第2の成形面によって画定された反対側の後面を含んでなり、かつ280〜315ナノメートルにおいて約10%以下のUVB透過率と、315〜380ナノメートルにおいて約30%以下のUVA透過率とを有することによって特徴付けられる、ステップと
を含んでなる方法。
【0103】
16.水性レンズ配合物は、約0.25重量%〜約1.75重量%(好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%、より好ましくは約0.75重量%〜約1.25重量%)の、発明1〜14のいずれか1つの少なくとも1種のアシルゲルマニウム光開始剤を含んでなる、発明15に記載の方法。
【0104】
17.形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、280〜315ナノメートルにおいて約5%以下(好ましくは約2.5%以下、なおより好ましくは約1%以下)のUVB透過率を有することによって特徴付けられる、発明15または16に記載の方法。
【0105】
18.形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、315〜380ナノメートルにおいて約20%以下(好ましくは約10%以下、より好ましくは約5%以下)のUVA透過率を有することによって特徴付けられる、発明15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
19.形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、380nm〜440nmにおいて約60%以下(好ましくは約50%以下、より好ましくは約40%以下、なおより好ましくは約30%以下)のバイオレット透過率を有することによって特徴付けられる、発明15〜17のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
20.型は再利用可能な型であり、照射するステップは、化学線の空間的限定下で実行され、形成されたUV吸収シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、化学線の空間的限定によって画定されたレンズエッジを含んでなる、発明15〜19のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
21.水性レンズ配合物は、水溶性の化学線によって架橋可能なプレポリマーを含んでなる、発明15〜20のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
22.水溶性の化学線によって架橋可能なプレポリマーは、水溶性の化学線によって架橋可能なポリ(ビニルアルコール)プレポリマー;水溶性のビニル基末端ポリウレタンプレポリマー;水溶性の化学線によって架橋可能なポリ尿素プレポリマー);水溶性の化学線によって架橋可能なポリアクリルアミド;ビニルラクタム、MMAおよびコモノマーの水溶性の化学線によって架橋可能な統計上のコポリマー;ビニルラクタム、ビニルアセテートおよびビニルアルコールの水溶性の化学線によって架橋可能なコポリマー;化学線によって架橋可能な側鎖を有する水溶性のポリエーテル−ポリエステルコポリマー;水溶性分枝状ポリアルキレングリコール−ウレタンプレポリマー;水溶性ポリアルキレングリコール−テトラ(メタ)アクリレートプレポリマー;水溶性の化学線によって架橋可能なポリアリルアミングルコノラクトンプレポリマーまたはそれらの混合物である、発明21に記載の方法。
【0110】
23.水性レンズ配合物は、約15重量%〜約50重量%、好ましくは約15重量%〜約40重量%、より好ましくは約25重量%〜約40重量%の水溶性の化学線によって架橋可能なプレポリマーを含んでなる、発明21または22に記載の方法。
【0111】
24.前記少なくとも1種のUV吸収ビニルモノマーは、2−(2−ヒドロキシ−5−ビニルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;2−(2−ヒドロキシ−5−アクリルイルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;2−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルアミドメチル−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルアミドフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルアミドフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシプロピル−3’−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシプロピルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−(トリフルオロメチル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−1);2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−メトキシ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−5);3−(5−フルオロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−2);3−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−3);3−(5−クロロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メトキシベンジルメタクリレート(WL−4);2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3−(5−メチル−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−6);2−ヒドロキシ−5−メチル−3−(5−(トリフルオロメチル)−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)ベンジルメタクリレート(WL−7);4−アリル−2−(5−クロロ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−6−メトキシフェノール(WL−8);2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−5’[3’’−(4’’−ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール;フェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−エテニル−(UVAM);2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2−プロペン酸、2−メチル−、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルエステル、Norbloc);2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−[3’−メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV13);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV13);2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリルアミドフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール(UV6);2−(3−アリル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(UV9);2−(2−ヒドロキシ−3−メタリル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(UV12);2−3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(3’’−ジメチルビニルシリルプロポキシ)−2’−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール(UV15);2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルプロピル−3’−tert−ブチル−フェニル)−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV16);2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルプロピル−3’−tert−ブチル−フェニル)−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV16A);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV23);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(UV28);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール;2−メチルアクリル酸3−[3−tert−ブチル−5−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]−プロピルエステル(16−100、CAS#96478−15−8);2−(3−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシ−5−(5−メトキシ−2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェノキシ)エチルメタクリレート(16−102);フェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−メトキシ−4−(2−プロペン−1−イル)(CAS#1260141−20−5);2−[2−ヒドロキシ−5−[3−(メタクリロイルオキシ)プロピル]−3−tert−ブチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール;フェノール、2−(5−エテニル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−、ホモポリマー(9CI)(CAS#83063−87−0)およびそれらの組合せの群から(好ましくは、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV23);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(UV28);2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール(CF
3−UV13);2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルエステル(Norbloc);2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−[3’−メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール(UV13)およびそれらの組合せからなる群から)選択される、発明15〜23のいずれか1つの方法。
【0112】
25.光源は、400nm〜480nmのピーク波長を有する光放出デバイスである、発明15〜24のいずれか1つの方法。
【0113】
上記開示により、当業者が本発明を実行することが可能となるであろう。本明細書に記載の種々の実施形態に対する種々の変更形態、変形形態および組合せがなされ得る。読者が特定の実施形態およびその利点をより良好に理解することができるように、以下の実施例を参照することが提案される。本明細書および実施例は、例示的であると考えられるように意図される。
【実施例】
【0114】
実施例1
透過率:コンタクトレンズは、それが目の上に配置されるときと同様にレンズの形状を維持することができる、特別に製造された試料保持器などの中に手作業で配置される。この保持器は、次いで、参照としてリン酸緩衝食塩水(PBS、pH約7.0〜7.4)を含有する1センチ経路長の石英セル中に浸漬する。LabSphere DRA−CA−302ビームスプリッターなどを備えるVarian Cary 3E UV−可視分光光度計などのUV/可視分光光度計をこの測定で使用することが可能である。透過パーセントスペクトルは250〜800nmの波長範囲で収集され、%T値は0.5nm間隔で収集される。このデータをExcelスプレッドシートに移し、レンズがクラス1UV吸光度に従うかどうかを決定するために使用する。透過率は、次の方程式を使用して計算される。
【数2】
式中、発光%Tは、380〜780nmの平均%透過である。
【0115】
偏光流性:偏光流性実験は、硬化中の時間の作用としての弾性係数(G’)および粘性係数(G’’)を測定する。実験は、適切な光源、任意選択的に、重要な波長を選択するためのカットオフフィルターおよび流動計を使用することによって実行される。光源は、Hamamatsu光源の水銀球である。光源の強度は、放射計によって測定される適切な強度が得られるように、シャッター開放を調整することによって設定される。試料を、紫外線の通過を可能にする石英プレートと流動計との間に配置する。弾性係数(G’)が平坦域に達するときに硬化時間が決定される。