(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591636
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】計時器用の弁の向き設定デバイス
(51)【国際特許分類】
G04B 37/10 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
G04B37/10 Z
【請求項の数】13
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-156047(P2018-156047)
(22)【出願日】2018年8月23日
(65)【公開番号】特開2019-45490(P2019-45490A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2018年8月23日
(31)【優先権主張番号】17189111.2
(32)【優先日】2017年9月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・レッチェル
【審査官】
平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−16349(JP,A)
【文献】
特表2013−525802(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1701225(EP,A1)
【文献】
特開2011−203212(JP,A)
【文献】
特開2004−138613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 3/04,27/00
G04B 37/08,37/10,37/12
G04C 3/00
G04G 21/00
F16K 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁と、管と、シールガスケットと、戻しばねと、及び腕時計ケースに対して弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスとを有する向き設定可能な弁デバイスであって、
前記弁は、遠位端において終端している中央シャフトと前記弁の頭部が一体化されるように前記中央シャフトの近位端に設けられており、
前記弁の頭部には、ロゴ又は商標があり、
前記管は、腕時計ケースにアセンブルされることを意図されており、
前記中央シャフトは、前記管内において縦軸に沿った並進運動をすることができるように構成しており、
前記管には、上側ステップと下側ステップを定める内側肩部があり、この内側肩部は、内部に前記弁の頭部を収容する上側の第1の空間と、前記腕時計ケースの内部と連通する通路を定める下側の第2の空間の境界を定め、前記下側の第2の空間内に前記中央シャフトの一部が延在し、
前記シールガスケットは、前記中央シャフトと前記管の内壁の間のシールを確実にするように前記中央シャフトを囲んでおり、
前記戻しばねは、前記通路内に収容された前記中央シャフトの一部を囲んでおり、前記弁の頭部が前記ガスケットに当接し続けるように前記下側ステップと前記中央シャフトの遠位端に配置された止めメンバーとの間に延在し、
前記弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスは、前記弁の頭部と前記止めメンバーの間にて、前記中央シャフトのまわりに同心的に構成している摩擦リングを有し、
前記摩擦リングは、前記中央シャフトと一体的に回転するが前記中央シャフトに対する並進運動をすることができ、
前記摩擦リングには、前記管の内壁と摩擦接触する外側摩擦面があり、
前記弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスは、前記摩擦リングによって発生する摩擦力に対抗するように前記弁を回転させることを可能にする前記弁の回転アクチュエート手段を有し、これによって、前記弁の頭部の角度的向きを調整する
ことを特徴とする弁デバイス。
【請求項2】
前記アクチュエート手段は、前記中央シャフトの遠位部分に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の弁デバイス。
【請求項3】
前記アクチュエート手段は、さらに、前記戻しばねのための止めメンバーを形成する
ことを特徴とする請求項2に記載の弁デバイス。
【請求項4】
前記アクチュエート手段は、ナットである
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の弁デバイス。
【請求項5】
前記アクチュエート手段には、溝がある
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項6】
前記溝は、前記中央シャフトの遠位端、又は前記ナットに形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の弁デバイス。
【請求項7】
前記管の内部の前記摩擦リングによって発生する摩擦トルクは、前記中央シャフト上の前記ナットのねじトルクよりも大きい
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項8】
前記摩擦リングは、前記シールガスケットと前記上側ステップの間に配置される
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項9】
前記摩擦リングには、多角形の開口があり、
前記中央シャフトは、開口に対して相補的な形の多角形の断面を有し、これによって、回転するときに前記中央シャフトが前記リングと一体的にされる
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項10】
前記摩擦リングは、前記上側の第1の空間内に配置される
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項11】
前記摩擦リングは、前記下側の第2の空間内に配置される
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項12】
前記シールガスケットは、前記弁の頭部と前記管の前記上側ステップの間に配置される
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の弁デバイス。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれかに記載の弁デバイスを有する腕時計ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計ケースにねじ込まれ又は押し込まれた弁デバイスの弁の向きを調整するデバイスに関し、より詳細には、弁の端面上にモチーフ又はロゴがあり、所望通りにそのモチーフ又はロゴの向き設定をすることができるような自動的なヘリウム逃がし弁デバイスの弁の向きを調整するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリウム逃がし弁デバイスは、ヘリウム解放弁としても知られており、ダイバーがヘリウムと酸素を含む混合気体を吸入するような飽和ダイビングのときに腕時計ケース内に進入したヘリウムを除去するために特定のダイビング腕時計にて設けられている。このようにヘリウムを除去することで、数日間ダイビングベルや海中作業基地内に滞在することが可能になる。この期間の間に、ヘリウムが腕時計内に進入することがある。前記のような弁がないと、進入したヘリウムが発生させる内部の超過圧力によって、減圧段階のときに腕時計が損傷してしまうことがある。例えば、風防が外れたり壊れたりして風防が使えなくなる。
【0003】
中央シャフトと一体化された円筒状の頭部を有する弁を有している自動弁デバイスがある。この中央シャフトは、腕時計ケースの側面部分にねじ込まれたり押し込まれたりしている管の内側にて縦軸に沿って並進運動することができるように構成している。この管には、上側ステップと下側ステップを定める内側肩部がある。この内側肩部は、弁の頭部を収容する上側の第1の空間と、ケースの内部と連通する通路を定める下側の第2の空間の境界を定め、この下側の第2の空間へと中央シャフトの一部が延在する。弁の頭部と管の上側ステップの間の中央シャフトのまわりに、環状のシールガスケットが配置される。頭部は、通路内に収容されたシャフト部分を囲む戻しばねによってガスケットに当接し続けるようにされる。この戻しばねは、下側ステップと、弁シャフトの自由端にねじ込まれたナットの間にて延在する。したがって、ケース内の圧力が外側の圧力よりも高くなると、ガスケットは、ばねの戻し力に対抗するようにして上に動くことができる。そして、腕時計の内部から外部へと気体が排出される。
【0004】
これらの弁デバイスは、腕時計ケース内へとねじ込まれたり押し込まれたりし、その製造とアセンブリーは、広く知られている。しかし、このような弁デバイスをアセンブルする方法は、弁がその端面に、刻印やモチーフ、例えば、ロゴ、商標又は同様な印、があるときには、これらのデバイスに適していない。実際に、既知のアセンブル方法においては、管を腕時計ケースにねじ込んだり押し込んだりすることによって弁デバイスがアセンブルされるときに、一般的には、弁の頭部がケースに対して所定の正確な角位置となるように動くことが可能ではない。したがって、このことは、弁の頭部の端面に刻印がある場合に、腕時計の審美性を損ねてしまう。これらの弁デバイスが高品質の高級品に取り付けられる場合、このような状況は明らかに受け入れがたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構成が単純で経済的であるねじ込み又は押し込み式の弁デバイス、特に、自動的なヘリウム逃がし弁デバイス、を提供することによって、前記従来技術の課題を解決することを目的とする。この弁の頭部の端面には、ロゴや商標のようなモチーフがあり、頭部の端面にあるロゴや商標の位置は、所定の正確な角度的向き又は位置に容易に調整することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明は、弁と、管と、シールガスケットと、戻しばねと、及び腕時計ケースに対して弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスとを有する向き設定可能な弁デバイスに関する。前記弁は、遠位端において終端している中央シャフトと前記弁の頭部が一体化されるように前記中央シャフトの近位端に設けられており、前記弁の頭部には、ロゴ又は商標がある。前記管は、例えば、ねじ込みや押し込みによって、腕時計ケースにアセンブルされることを意図されている。前記中央シャフトは、前記管内において縦軸に沿った並進運動をすることができるように構成している。前記管には、上側ステップと下側ステップを定める内側肩部があり、この内側肩部は、内部に前記弁の頭部を収容する上側の第1の空間と、前記腕時計ケースの内部と連通する通路を定める下側の第2の空間の境界を定め、前記下側の第2の空間内に前記中央シャフトの一部が延在している。前記シールガスケットは、前記中央シャフトと前記管の内壁の間のシールを確実にするように前記中央シャフトを囲んでおり、好ましくは、弁の頭部と管の上側ステップの間に配置される。前記戻しばねは、前記通路内に収容された前記中央シャフトの一部を囲んでおり、前記弁の頭部が前記ガスケットに当接し続けるように前記下側ステップと前記中央シャフトの遠位端に配置された止めメンバーとの間に延在している。前記弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスは、前記弁の頭部と前記止めメンバーの間にて、前記中央シャフトのまわりに同心的に構成している摩擦リングを有する。前記摩擦リングは、前記中央シャフトと一体的に回転するが前記中央シャフトに対する並進運動をすることができ、前記摩擦リングには、前記管の内壁と摩擦接触する、例えば、円筒状である、外側摩擦面がある。前記弁の頭部の角度的向きを調整するデバイスは、前記摩擦リングによって発生する摩擦力に対抗するように前記弁を回転させることを可能にする前記弁の回転アクチュエート手段を有し、これによって、前記弁の頭部の角度的向きを調整する。この回転アクチュエート手段は、好ましくは、前記シャフトの遠位部分に配置されている。
【0007】
本発明の他の有利な態様によると、以下の特徴を有する。
* 前記アクチュエート手段は、さらに、戻しばねのための止めメンバーを形成する。
* 前記アクチュエート手段は、ナットである。
* 前記アクチュエート手段には、溝がある。
* 前記溝は、シャフトの遠位端、又はナットに形成されている。
* 管の内部の摩擦リングによって発生する摩擦トルクは、前記シャフト上のナットのねじトルク(ねじにて発生するトルク)よりも大きい。
* 前記摩擦リングは、シールガスケットと上側ステップの間に配置される。
* 前記摩擦リングには、多角形の開口があり、前記シャフトは、開口に対して相補的な形の多角形の断面を有し、これによって、回転するときに前記シャフトがリングと一体的にされる。
* 止めリングは、上側の第1の空間内又は下側の第2の空間内のいずれかに配置することができる。
【0008】
本発明は、さらに、上記のような弁デバイスを有する腕時計ケースに関する。
【0009】
添付の図面を参照しながら例として与えられる好ましい実施形態についての下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る弁の頭部の外面上にロゴがある向き設定可能な弁デバイスの平面図を示している。
【
図2】
図1の線II−IIに沿った本発明に係る向き設定可能な弁デバイスの断面の図を示している。
【
図3】本発明に係る向き設定可能な弁デバイスについての
図2の線III−IIIに沿った断面の図である。
【
図4】本発明に係る向き設定可能な弁デバイスについての
図2の線IV−IVに沿った断面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び2は、腕時計のケースミドル部(図示せず)の側壁に押し込まれたりねじ込まれたりしてマウントされるように意図されている自動弁デバイス1を示している。
【0012】
弁デバイス1の平面図である
図1において、弁2の外面にロゴL「He」が示されている。この外面の中には、
図2〜4を参照しながら下にて説明する向き調整デバイスが収容される。審美的な理由で、このロゴLは、完全に水平な姿勢となるように、好ましくは、弁がマウントされる腕時計ケースのミドル部の平面に対応するように、調整される。
【0013】
弁デバイス1は、中央シャフト3と一体化された弁の頭部2aを備える弁2を有する。頭部2aの前面2bには、ロゴLがある。
【0014】
デバイス1は、さらに、腕時計のケースミドル部にある開口へと、下側部分4aを介して押し込まれるように意図された管4を有する。管4には、下側部分4aよりも径が大きい上側部分4bがある。この上側部分の下側領域において、管4には環状溝5がある。この環状溝5の中に、ケースミドル部に対して管4をシールするOリングジョイント6を収容している。
【0015】
実施形態に応じて、管4は、ケースミドル部から突き出る上側部分にて終端していたり、ケースミドル部内に埋め込まれていたりすることができる。
【0016】
管4には、上側ステップ7aと下側ステップ7bを定める内側肩部7と、径が小さくなっている開口7cがある。また、内側肩部7は、内部に弁の頭部2が収容される上側の第1の空間8の境界と、腕時計ケースの内部と連通する通路を定める下側の第2の空間9の境界が定められる。
【0017】
中央シャフト3は、その縦軸Aに沿った並進運動をすることができ、かつ、開口7c内において自由に回転することができるように、管4の内側に配置される。
【0018】
このデバイスは、さらに、中央シャフト3を囲むように頭部2aと上側ステップ7aの間にて頭部2aの下に配置される環状のシールガスケット10を有する。
【0019】
また、デバイス1が、さらに、通路8内に延在しているか又は通路8内に収容されるシャフト3の中央部を囲むらせん状の戻しばね11を有することがわかる。ばね11は、下側ステップ7bと止めメンバー12の間にて圧縮されるようにマウントされ、これらは、並列運動するように中央シャフト3と一体化されており、中央シャフト3の遠位端に配置されている。
【0020】
図示した例において、止めメンバー12は、シャフトの肩部3aに対抗するようにシャフトの遠位部分にねじ込まれるナットである。このようにして、頭部2aは、戻しばね11を用いて環状のシールガスケット10に対抗するように背面2cによって当接され続けられる。
【0021】
このデバイスは、さらに、腕時計ケースに対する弁の頭部2の角度的向きを調整するデバイスを有する。調整デバイスは、弁の頭部2aと上側ステップ7aの間に配置された摩擦リング13を有し、そして、図示した例において、摩擦リングは、具体的には、環状ガスケット10と上側ステップ7aの間に配置される。摩擦リング13には、管4の上側空間8の内壁8aに対して締まりばめを形成するような直径を有する円筒状の外面13aがあり、したがって、壁8aと摩擦接触する。
【0022】
1つの変種において、摩擦リング13を、環状ガスケット10と弁の頭部の背面2cの間に配置することができ、また、別の変種において、摩擦リング13を下側空間9の内部、例えば、ばね11の上端と下側ステップ7bの間に、配置することができる。この後者の場合に、摩擦リング13の円筒状の外面13aは、管4の下側空間9の内壁9aに締まりばめするような直径を有し、したがって、壁9aと摩擦接触する。
【0023】
図3に示すように、摩擦リング13には、多角形、この場合、六角形、の形の中央開口13bがあり、中央シャフト3は、開口13bに対して相補的な形の多角形の断面を有しており、これによって、回転するときにシャフト3をリング13と一体的にし、かつ、シャフトが開口13b内において自由に並進運動できるようにする。
【0024】
なお、ナット12には、その遠位の面に、工具の端と連係するように意図された溝12aがある。これによって、ナット12は、肩部3aに対抗するようにシャフトの遠位部分にて、きつくねじ込まれる。肩部3aに対抗するようにきつくねじ込まれた後、内壁8上の摩擦リング13の摩擦嵌め合いが、管の内側の摩擦リングによって発生する摩擦トルクが中央シャフト3上のナット12のねじトルクよりも大きいように選ばれるので、ナット12は、弁2を回転アクチュエートする手段としてはたらく。このことによって、弁を回転させて、それによって、弁の頭部2の角度的向きを調整して所定の角位置にすることが可能になる。なお、これに関連して、リングの内壁8aの面及び/又はリングの円筒状の外面13aにテキスチャー処理をして、適切な摩擦トルクが発生するように調整することができる。
【0025】
なお、この実施形態において、ナット12には、二重の機能がある。すなわち、ナット12には、戻しばね11のための止めメンバーの機能と、弁を回転させて角度的な向き設定をする弁2のアクチュエート手段の機能の両方がある。しかし、図示していない変種の実施形態において、本発明の範囲から逸脱せずに、例えば、中央シャフト3の遠位部分の環状溝に挿入された弾性リングを止めメンバーとして配置し、中央シャフト3の遠位端の面に直接配置された溝を弁のアクチュエート手段として配置することを思い描くことができる。
【0026】
弁デバイスをマウントし弁の向き設定をする方法は、以下の通りである。すなわち、ナット12がシャフトの肩部3aに対してきつくねじ込まれている、完全にアセンブルされた弁デバイス1が、腕時計のケースミドル部にある開口内に押し込まれたりねじ込まれたりする。この弁デバイス1が押し込まれたりねじ込まれたりして、管4がケースミドル部内にて動けなくされた後で、ケースミドル部の内側の方から溝12aに挿入される工具によって、ナット12をねじ込むことができ、弁の頭部を回転駆動することができる。これによって、次に、開口13aと中央シャフト3の断面との間の多角形接続を介して、弁の頭部が摩擦リング13を所望の角位置に動かす。リング13は、管4内で、摩擦リング13の外面13aと、管4の上側空間の内壁8aとの間の保持摩擦力に対抗するように回転する。この保持摩擦力は、ナット12が肩部3aに対してきつく締められているときに工具によってナットに与えられるトルクよりも小さい。
【0027】
代替実施形態の1つによると、回転アクチュエート手段を弁の近位部分に配置すること、特に、弁の頭部2aの前面2bに、操作用工具の一又は複数の端を受ける一又は複数のハウジングがあるように構成することができることを思い描くことができる。代わりに、弁の頭部を、管の外側端面に対してわずかに突き出ていて、適切な工具によってつかむことができる、非円形の形、例えば、六角形、とすることを思い描くことができる。
【符号の説明】
【0028】
1 弁デバイス
2 弁
2a 頭部
3 中央シャフト
3a 肩部
4 管
5、12a 溝
7 内側肩部
8 上側の第1の空間
9 下側の第2の空間
10 シールガスケット
12 ナット
13 摩擦リング
13a 開口