(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持部姿勢連動機構は、前記第5軸に連動する第1プーリと、前記第4軸に回動自在に取付けた第2プーリ及び第3プーリと、前記第6軸に連動する第4プーリとを備え、前記第1プーリと前記第2プーリ、前記第3プーリと前記第4プーリとにそれぞれ索状体を架け渡して構成している請求項1に記載の物品移動支援装置。
前記第4リンクの他端側に、前記リンク機構と前記ワーク把持部との重量に対して釣合いをとるリンク機構用ウエイトが設けてある請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品移動支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態にかかる物品移動支援装置1について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、物品移動支援装置1は、支持体3と、リンク機構5と、ワーク把持部7と、アーム9と、把持部姿勢連動機構11と、ウエイト装着部13とを備えている。
支持体3は、支柱15と、支柱15の下端部を挿入した筒体17と、筒体17の外周に連結した4本のキャスタ付き脚部19とを備えている。
【0009】
図4(a)に示すように、支柱15の下端は、筒体17の底面17aにボルト18により垂直軸回りを回動自在に連結されている。
各キャスタ付き脚部19は、その脚19aが筒体17の外周面に固定した案内部材21に折たたみ自在に設けてあり、脚19aの長手方向中間部に連結板20aの一端が取付けてある。連結板20aの他端は隣の連結板20aの他端に重ねてボルト20bで回動自在に連結されている。各ボルト20bは、脚19aのスライド位置を調整する調整板20cの長穴20dを移動自在としてありナット20eで固定されている。また、調整板20cにはボルト18に対してスライド自在な長穴20fが形成されている。これにより、
図4(a)に二点鎖線で示すように、連結板20aが移動することで、各キャスタ付き脚部19の脚19aは案内部材21に対して角度α1、α2又は角度β1、β2を同期して折りたたみ自在としてある。角度α1、α2は又は角度β1、β2は同期するので、キャスタの配置は安定に保たれる。調整板20cを長穴20fに沿って一方に移動することで、角度α1、α2は又は角度β1、β2を形成する一対のキャスタ付き脚部19は、
図4(b)に示すように、略平行の状態まで折りたたむことができる。これにより、チルクライマー等の障害物Vがある場合でも障害物V、V間を通ることができる。この場合、他方の一対のキャスタ付き脚部19は調整板20cが一方向に移動することで、折りたためなくなるので、支持体3が不安定になることを防止できる。
【0010】
図1及び
図7に示すように、支持体3において、支柱15の上端には軸を水平にした第1軸23aを介してリンク機構5が連結されている。
リンク機構5は、第1リンク25a、第2リンク25b、第3リンク25c、第4リンク25dを有し、第1リンク25aと第2リンク25bの各一端が上述した第1軸23aに互いに回動自在に連結されている。
第1リンク25aの他端は、第3リンク25cの長手方向端部間で軸を水平にした第2軸23bを介して第3リンク25cに回動自在に連結されている。
第2リンク25bの他端は、第4リンク25dの長手方向端部間で軸を水平にした第3軸23cを介して第4リンク25dに回動自在に連結されている。
第3リンク25cの一端と第4リンク25dの一端は、軸を水平にした第4軸23dで互いに回動自在に連結されている。
【0011】
このリンク機構5では、第1軸23aと第3軸23cとの間の長さ(第2リンク25bの長さ)と、第2軸23bと第4軸23dとの間の長さが等しく、第1軸23aと第2軸23bとの間の長さ(第1リンク25aの長さ)と、第3軸23cと第4軸23dとの間の長さが等しくしてあり、前記第1軸、前記第2軸、前記第3軸、前記第4軸が平行四辺形の角となるリンク機構を形成している。
【0012】
ここで、リンク機構5が平行四辺形の形態を変えたときにその形態を保持するリンク保持具51について説明する。
図5及び
図6に示すように、リンク保持具51は、支柱15に固定した第1軸23aに対して、第1リンク25a及び第2リンク25bを固定したり、固定を解除するものである。
図6に示すように、リンク保持具51は、第1軸23aの一端に係止する第1係止部材53aと他端に係止する第2係止部材53bと、ブレーキカップ55と、ロックレバー57と、皿バネ59とブレーキシュー61とを備えている。第1係止部材53aと第2係止部材53bとは、連結軸53cで連結してある。ブレーキカップ55は、第2係止部材53bに被せてあり、第1軸23aの軸方向に摺動自在としてある。ロックレバー57はその軸57aが第2係止部材53bの雌孔54に連結軸53cと同軸に螺合してあり、ロックレバー57の回転により軸57aが雌孔54に螺合しながら前進又は後退するようにしてある。皿バネ59は第2係止部材53bとブレーキカップ55との間に介在してあり、第2係止部材53bに対してブレーキカップ55を離れる方向に付勢している。ブレーキシュー61はブレーキカップ55の先端と第2リンク25bとの間に設けてある。
【0013】
このリンク保持具51の構成により、ロックレバー57を一方向に回転すると、ロックレバー57の軸57aが皿バネ59の付勢力に抗して第2係止部材53bを螺進して、ブレーキシュー61を第2リンク25bに押し付け、第1リンク25aに対して第2リンク25bを固定する。ロックレバー57を反対方向に回転すると、軸57aが第2係止部材53bを後退して、第1リンク25a及び第2リンク25bの固定が解除される。
【0014】
次に、ワーク把持部7について説明する。
図1及び
図2に示すように、ワーク把持部7は、第3リンク25cの他端において、軸を水平にした第5軸23e及び第7軸23gを介して連結されている。第5軸23eは符号Sで示すように第3リンク25cに対して回動自在に連結されており、第7軸23gは第5軸23eの一端に固定された軸保持筒27に対して符号Tで示すように回動自在であり、第7軸23gと第5軸23eとは直交している。
第7軸23gの先端には第1連結具29aが第7軸23gを回動軸として回動自在に連結されており、第1連結具29aには一対の連結板30を介して第2連結具29bが連結されている。連結板30には湾曲溝30aと直線溝30bが形成されており、連結板30は第1連結具29aに対して符号Uで示すように搖動自在であり、第2連結具29bは連結板30に対して直線溝30bを符号Y方向に移動自在であると共に第2連結具29bに形成された長穴29c(
図2(c)参照)に沿って符号X方向に移動自在である。尚、符号30cはヨーイング用フリーシャフト30cである。
【0015】
図2及び
図3に示すように、第2連結具29bには、クランプ具31が固定されている。
クランプ具31は、上述したように、
図2(a)に示す状態において、第5軸23eにより符号Sで示すように上下方向に回動自在であると共に符号Tで示すように第7軸23gにより水平軸回りに回動自在であり、更に、符号Uに示すように湾曲溝30aにより所定角度で向きを変更自在としてあると共に符号X、Y、Z方向に移動自在としてある。
クランプ具31は、軸32を介して回動自在に連結された一方の爪体33aと他方の爪体33bとを有し、一方の爪体33aには1つの爪34が設けてあり、他方の爪体33bには2つの爪34が設けてあり、各爪34には、軸32側ほど互いに距離を狭めるように傾斜した傾斜部35が形成されている。
一方の爪体33aと他方の爪体33bとはバネ軸36とクランプ軸37とで連結されており、バネ軸36には一方の爪体33aと他方の爪体33bを互いに近づける方向に付勢するバネ36aが設けてある。
【0016】
クランプ軸37の一端にはトグルクランプのハンドル38が設けてあり、ハンドル38を
図2(a)に二点鎖線で示すように倒すことで一方の爪体33aと他方の爪体33bの固定を解除し、実線で示すように、立ち上げることで固定するようにしてある。尚、
図3(b)において、符号37aはトグル軸であり、符号37bはピンである。
このクランプ具31では、バネ36aにより、一方の爪体33aと他方の爪体33bの各爪34が近づいた状態からワークに爪34を押し付けると、傾斜部35により一方の爪体33aと他方の爪体33bが互いに開いてワークを把持することができ、その状態でハンドル38を実線で示すように立ち上げることで、ワークを把持した一方の爪体33aと他方の爪体33bを固定できる。
【0017】
次に、アーム9及びウエイト装着部13について説明する。
図1に示すように、アーム9は、上述した第4リンク25dの他端側(
図1の下端側)に第6軸23fを介して一端を回動自在に連結されている。第6軸23fは、第4リンクの他端側において第5軸23eと第1軸23aを結ぶ線mの延長線上の位置に回動自在に設けてある。
アーム9の他端側には、任意のワーク用ウエイトを装着自在に設けたウエイト装着部13が設けてある。ウエイト装着部13は円盤状のウエイトW3の中心孔28に挿通自在なウエイト係止軸41が設けてある。
ウエイトW3は、支柱15に設けたウエイト保留軸(ウエイト保持部)26に、ウエイトW3の中心孔28を挿通して保留することができる。
【0018】
次に、把持部姿勢連動機構11について説明する。
図1及び
図7に示すように、把持部姿勢連動機構11は、第3リンク25cの他端にワーク把持部7を固定した第5軸23eの回動と、アーム9の一端を固定した第6軸23fを連動する機構である。換言すれば、ワーク把持部7の姿勢に連動してアーム9を回動するものである。
把持部姿勢連動機構11は、第5軸23eに固定した第1プーリ43aと、第4軸23dにそれぞれ固定した第2プーリ43b及び第3プーリ43cと、第6軸23fに固定した第4プーリ43dとを備えており、第1プーリ43aと第2プーリ43b、第3プーリ43cと第4プーリ43dとにそれぞれ一方のロープ(索状体)44aと他方のロープ44bを架け渡してある。第1プーリ43aと第2プーリ43bに架け渡した一方のロープ44aは、第1プーリ43aに半周巻いて一端を固定してあり、第2プーリ43bに半周巻いて他端を固定してあり、他方のロープ44bも一方のロープ44aと同様に、第1プーリ43aに半周巻いて一端を固定してあり、第2プーリ43bに半周巻いて他端を固定してある。同様に、第3プーリ43cと第4プーリ43dに架け渡した一方のロープ44aと他方のロープ44bも各プーリに半周巻いて端を固定してある。
【0019】
図8に示すように、この把持部姿勢連動機構11によれば、第5軸23eが反時計方向に所定角度R1回動すると、それに連動して第6軸23fを反時計方向に同じ角度R1回動することで、ワーク把持部7の水平軸に対する回動角度R1に対して、アーム9を水平軸に対して同方向に同じ角度回動する。
【0020】
次に、リンク機構5及びワーク把持部7の重量に対する釣合錘について説明する。
図1に示すように、第4リンク25dの他端(下端)には、ワーク把持前におけるリンク機構5及びワーク把持部7の重量との釣合いを取るために、リンク機構用ウエイトW1、ワーク把持部用ウエイトW2が取付けてある。尚、本実施の形態では、リンク機構5及びワーク把持部7の重量に対する釣合錘は、第4リンク25dに固定したリンク機構用ウエイトW1と、アーム9に取り外し自在に設けた調整用のワーク把持部用ウエイトW2とに分けている。
【0021】
ここで、
図8を参照して、ワーク把持部7がワーク2を把持したときの、ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)との釣合いについて説明する。ワーク2から第5軸23eまでの距離をLとし、W3から第6軸23fまでの距離をMとする。尚、
図7〜
図14に示すスケルトンでは、E:F=2:1の場合で、ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)はアーム9のL:M=2:1の位置に装着されるワーク用ウエイトW3のみでバランスするが、
図1に示すように所定の重量分(例えば半分の重量)W3aをアーム9のL:M=1:1の位置に取り付け、残りの重量分(例えば残りの半分の重量)W3bを第6軸23fの位置に設けてある。
本実施の形態では、リンク機構5に対する支点は第1軸23aであり、第1軸23aが、ワーク2、リンク機構5及びウエイトW1、W2、W3(W3a+W3b)の荷重を受ける。第1軸23a(支点)からワーク2の回転モーメントが作用する第5軸23eまでの距離をEとし、第1軸23a(支点)からワーク用ウエイトW3aの回転モーメントが作用する第6軸23fまでの距離をFとする。本実施の形態では、E:F=2:1としてある。この場合、ワーク重量×E(2)=F(1)×ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)で釣合う。
例えば、ワーク2が30kgの場合、ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)は60kgで釣合いが取れる。また、L:M=1:1の場合に、ワーク2の回転モーメントに対する釣り合いは、ワーク2と同じ重量のワーク用ウエイト0.5×W3の回転モーメントで釣り合う。
一方、二点鎖線で示すように、ワーク把持部7が反時計方向に所定角度R1回動した場合、把持部姿勢連動機構11により、アーム9が反時計方向に角度R1回動する。これにより、ワーク把持部7の姿勢に対応してアーム9が回動することで、第5軸23eに作用する回転モーメントと第6軸23fに作用する回転モーメントの釣合いを常にとることができる。
【0022】
図7及び
図8を参照して、本実施の形態にかかる物品移動支援装置1の第1使用例及び作用効果について説明する。
以下に説明する使用例では、物品移動支援装置1は、エレベータのゴンドラ内に配置して、把持したワークをエレベータ建屋の所定位置へ設置する例を示している。
図7に示すGはゴンドラの床であり、Hはゴンドラの天井である。尚、
図8及び後述する
図9〜
図14ではゴンドラの天井Hは省略して示している。
図7に示すように、ワーク把持部7がワーク2を保持していない状態(基本姿勢)のときには、ウエイトW3は支持体3のウエイト保留軸26(
図1参照)に挿通して保持してある。物品移動支援装置1のリンク機構5及びワーク把持部7は、リンク機構用ウエイトW1、ワーク把持部用ウエイトW2により釣合っている。また、物品移動支援装置1は、支持体3に設けているキャスタ付き脚部19により床Gを移動自在である。尚、移動するときには、リンク機構5を安定させる為に、
図6に示すロックレバー57を締め付けて第1リンク25aと第2リンク25bとを固定することで、リンク機構5の変形を防止することが望ましい。
【0023】
図8に示すように、ワーク把持部7がワーク2を把持し、ワーク2の重量を受けている場合には、ワーク用ウエイトW3aをアーム9のウエイト係止軸41(
図1参照)に所定数係止する。本実施の形態では、ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)はワーク2の重量の約2倍の重量になるように装着する。尚、
図8において、一点鎖線で抜き出して示しているのは、ワーク2及びワーク把持部7の平面図である。
【0024】
これにより、物品移動支援装置1では、ワーク2に対する重量の釣合いが取れているので、特に、動力を用いることなく、ワークを安定して移動できる。
また、
図8に二点鎖線で示すように、ワーク把持部7がワーク2の装着や建屋への取付けの為に水平軸回りに角度を変えて回動した場合でも、把持部姿勢連動機構11によりアーム9を反対方向に同じ角度回動して第6軸23fに作用する回転モーメントの釣合いをとることができる。
ワーク把持部7がワーク2を保持した状態で、物品移動支援装置1を移動する場合には、
図5及び
図6に示すロックレバー57でリンク機構5の形態をロックすることで、安定した状態で移動することができる。
物品移動支援装置1はエレベータのゴンドラ内に配置できる大きさであり、手軽で利便性が良い。
ワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)は、アーム9に取り付けるワーク用ウエイトW3aと第6軸23fに取り付けるワーク用ウエイトW3bに分け、ワーク2をワーク把持部7で把持する前の状態で第6軸23fにワーク用ウエイトW3bを取り付けることで、ワーク2を把持したときにワーク2を持ち上げる方向の力を作用できるので、ワーク2の把持作業がし易い。
【0025】
図9〜
図14を参照して、第2使用例について説明する。
図9に示すように、この第2使用例では、ワーク2を台車71でゴンドラ内に搬入しており、台車71に載置したワーク2をワーク把持部7で把持するために、リンク機構5の形態を変えると共にワーク把持部7を下方に向けている。リンク機構5の変形は、作業員が手で押して変形する。同様に作業員は、ワーク把持部7において、第1連結具29a(
図1参照)を第5軸23e(
図1参照)に対して回動して、下に向ける。尚、把持部姿勢連動機構11により、ワーク把持部7の回動に連動してアーム9も回動する。
【0026】
図10に示すように、更にリンク機構5を変形させて、ワーク把持部7を更に下げ、ワーク把持部7の各爪34(
図2及び
図3参照)をワーク2に押し付ける。これにより、一方の爪体33aと他方の爪体33bが爪34の傾斜部35によって広がり、ワーク2を3つの爪34で把持する。その後、トグルジョイントのハンドル38を倒して、ワーク把持部7を固定する。
【0027】
次に、
図11に示すように、支柱15のウエイト保留軸26(
図1参照)からワーク用ウエイトW3を外して、アーム9にワーク用ウエイトW3aを装着し、ワーク2との釣合いを取る。アーム9はワーク把持部7の回動に連動して回動しているので、ワーク把持部7が第5軸23eに対して回動した状態にあっても第5軸23eに作用する回転モーメントの釣合いを取ることができる。
この状態で、物品移動支援装置1では、ワーク2の重量に対する釣合いが取れているので、リンク機構5を作業員が容易に変形できる。そして、台車71をどけて、リンク機構5を所定の形状に変形した後、リンク保持具51のロックレバー57(
図5及び
図6参照)でリンク機構5の形状を固定する。その後、ゴンドラを昇降させて、ワーク2の設置位置まで移動する。
【0028】
その後、
図12に示すように、ワーク把持部7がワーク2を把持した状態のまま、作業員が手でリンク機構5を変形させ、リンク保持具51のロックレバー57(
図6参照)を操作して、リンク機構5を固定させた状態で、支持体3を移動し、ワーク把持部7を操作して、ワーク2を所定位置に配置し、固定する。
尚、この使用例では、治具73に取付けたレーザ墨出し器75でレーザ水平墨77を建屋壁にあてて、ワーク2の取付け位置を位置決めしている。
図13に示すように、ワーク2を設置した後、ワーク用ウエイトW3aをアーム9から外す。
その後、
図14に示すように、リンク機構5を作業員が変形させて基本姿勢に戻す。
この第2使用例でも上述した第1使用例と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、
図8に示すように、リンク機構のE:Fの比は、2:1に設定することに限らず、3:1や1:1でも良く、比の値は任意である。尚、比の値に応じてワーク2との釣り合いを取る為のワーク用ウエイトW3(W3a+W3b)の取付け重量も変えることになる。
各ウエイトW1、W2、W3の形状は、限定されず、4角形や6角形の板状であっても良い。
物品移動支援装置1は、エレベータのゴンドラ内で使用することに限らず、工場の建屋内や外で使用しても良く、ワークもエレベータ用の物品に限らず、パレット等の他のワークであっても良い。
また、本発明の物品移動は、ワークに限らず、建屋にアンカーボルトを取付ける際にコンクリートに穴をあけるドリル等のツールを支持支援しても良い。
ワーク2の回転モーメントに対する釣り合いをとるワーク用ウエイトW3aは、アーム9に対する取り付け位置を調整することにより変えることができる。例えば、ウエイト係止軸41の位置を、
図1(a)に示す第6軸23fとウエイト係止軸41との間の距離の半分の位置にしてウエイト係止軸41にW3a及びW3bを取り付けても良い。
本明細において、軸は、筒体と筒体内に挿通された芯材とで構成されている場合には、「軸に固定」とは、筒体又は芯材のいずれかに固定されている場合を含む。
【解決手段】支持体と、支持体に第1軸を介して互いに一端を回動自在に連結した第1リンク及び第2リンクと、第1リンクの他端に長手方向端部間を第2軸を介して回動自在に連結した第3リンクと、第2リンクの他端に長手方向端部間を第3軸を介して回動自在に連結した第4リンクとを有し、第3リンクの一端と第4リンクの一端は第4軸で回動自在に連結して、第1軸、第2軸、第3軸及び第4軸が平行四辺形の角となるリンク機構と、第3リンクの他端に回動自在に設けた第5軸に連結したワーク把持部と、第4リンクの他端側において前記第5軸と前記第1軸を結ぶ線の延長線上の位置に回動自在に設けた第6軸に一端を連結したアームと、第5軸の回動を第6軸に連動する把持部姿勢連動機構と、アームの他端側にワークの重量と釣合いをとるワーク用ウエイトを装着自在に設けたウエイト装着部と、を備える。