(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のオリフィスが、前記複数のオリフィスから吐出される前記充填材料が合体して前記管状構造物の内側に環状層を形成するように配置される、請求項3に記載のヘッド。
前記複数のオリフィスが、前記複数のオリフィスから吐出される前記充填材料が前記管状構造物の内側に複数の軸方向に向けられた隆起部を形成するように配置される、請求項3に記載のヘッド。
前記ノズルが、前記複数の軸方向に向けられた隆起部が前記管状構造物に対してらせん状になるように前記充填材料の吐出中に回転するように構成されている、請求項6に記載のヘッド。
前記外部シールド、内部シールド、ノズルおよびワンドが、前記ハウジングに別個に組み付けられかつ接続可能な、交換可能なアタッチメントである、請求項10に記載のシステム。
前記複数のオリフィスが、前記複数のオリフィスから吐出される前記充填材料が前記管状構造物の内側に環状層を形成するように配置される、請求項12に記載のシステム。
前記複数のオリフィスが、前記複数のオリフィスから吐出される前記充填材料が前記管状構造物の内側に複数の軸方向に向けられた隆起部を形成するように配置される、請求項12に記載のシステム。
前記ヘッドを前記支持体に接続する駆動装置をさらに含み、前記駆動装置は、前記複数の軸方向に向けられた隆起部が前記管状構造物に対してらせん状になるように前記充填材料の吐出中に前記ノズルを回転するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0016]
図1および2は、異なる例示的システム10および12を示し、それらは、任意の所望の断面形状(例えば、円形または多角形)を有する中空複合構造物(例えば、チューブ、ホース、チャネル、導管、ダクト等)14を連続的に製造するために使用され得る。システム10、12のそれぞれは、支持体16、駆動装置18、およびヘッド20を含むことができる。ヘッド20は、駆動装置18を介して支持体16に結合されてもよい。
図1の開示される実施形態では、支持体16は、構造物14の製造中に複数の方向に駆動装置18およびヘッド20を移動させることができるロボットアームであり、その結果、構造物14の得られる長手方向軸22は三次元である。
図2の実施形態では、支持体16は、構造物14の製造中にヘッド20および駆動装置18を同じく複数の方向に移動させることができるオーバーヘッドガントリーである。両方の実施形態の支持体16は6軸移動が可能であるように示されているが、必要に応じて、駆動装置18およびヘッド20を同じまたは異なる方法で移動させることができる任意の他のタイプの支持体16を利用することもできると考えられる。
【0010】
[0017]
図3に示すように、駆動装置18は、ヘッド20と支持体16との間の機械的結合部として機能することに加えて、ヘッド20に電力を供給するために協働する構成要素を含んでもよい。これらの構成要素は、とりわけ、容器24と、容器24内に配置された1つまたは複数のアクチュエータと、様々なアクチュエータをヘッド20の異なる部分に接続する複数のリンクとを含んでもよい。開示される実施形態において、3つの異なるアクチュエータ26、28、30が、2つの異なるシャフト32、34およびロッド36を介してヘッド20に連結されるものとして容器24内に示されている。アクチュエータ26および28は、回転型アクチュエータ(例えば、電気式、油圧式または空気圧式モータ)であってもよく、アクチュエータ30は、リニアアクチュエータ(例えば、ソレノイドアクチュエータ、油圧シリンダ、リードスクリュー等)であってもよい。シャフト32は、管状(すなわち、円筒形および中空)であってもよく、アクチュエータ26によって中心軸37を中心に回転するように駆動されてもよく、シャフト34は、シャフト32の中心を通り、アクチュエータ28によって駆動され、同じく中心軸37を中心に回転してもよい。本開示のために、軸37はヘッド20の非繊維軸と考えられてもよい。開示された実施形態では、シャフト34もまた管状であり、ロッド36は、シャフト34の中心を通過し、アクチュエータ30によってシャフト34の内外に軸方向に出入りするように構成されてもよい。ロッド36は、中心軸37と概ね整列されてもよい。必要に応じて、異なる数のアクチュエータを、異なるシャフトおよび/またはロッド構成で、ヘッド20に結合することができると考えられる。例えば、必要に応じて、単一のアクチュエータを結合して、(例えば、図示しない歯車列によって)シャフト32、34の両方を回転させることができる。電気は、外部電源(例えば確立された電力系統)38からアクチュエータ30〜34に供給されてもよい。
【0011】
[0018] 上述した様々なアクチュエータの取り付け位置として機能することに加えて、容器24は、いくつかの実施形態では、圧力容器としても機能することができる。例えば、容器24は、加圧マトリックス材料を受け入れるまたは含むように構成することができる。マトリックス材料は、硬化可能な任意の種類の液体樹脂(例えば、ゼロ揮発性有機化合物樹脂)を含むことができる。典型的な樹脂には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、カチオン性エポキシ、アクリル化エポキシ、ウレタン、エステル、熱可塑性樹脂、光重合体、ポリエポキシドなどが含まれる。一実施形態では、容器24内のマトリックス材料の圧力は、対応する導管42を介して容器24に流体接続された外部装置(例えば、押出機または他のタイプのポンプ)40によって生成されてもよい。しかしながら、別の実施形態では、圧力は、同様のタイプの装置によって容器24の内部に完全に生成されてもよい。いくつかの例では、早期硬化を防止するために、容器24内のマトリックス材料を低温および/または暗く保つ必要があり得、他の例では、マトリックス材料を同じ理由で温かく保つ必要があり得る。どちらの状況においても、容器24は、これらのニーズに対応するように特別に構成されてもよい(例えば、隔絶されても、冷却されても、および/または温められてもよい)。
【0012】
[0019] 容器24の内部に貯蔵されたマトリックス材料は、任意の数の別個の繊維を被覆し、それら繊維と共に複合構造物14の壁を構成するために使用されてもよい。開示された実施形態では、2つの別個の繊維供給源44、46が、容器24内に(例えば、図示しない別個の内部スプール上に)貯蔵され、または別の方法で容器24を通過する(例えば、同じまたは別個の外部スプールから供給される)。一例では、供給源44、46の繊維は同じ種類のものであり、同じ直径および断面形状(例えば、円形、正方形、平坦等)を有する。しかしながら、他の例では、供給源44、46の繊維は異なる種類のものであり、異なる直径を有し、および/または異なる断面形状を有する。供給源44、46のそれぞれは、単一の繊維ストランド、いくつかの繊維ストランドのトウもしくはロービング、または繊維ストランドの織りを含むことができる。ストランドは、例えば、炭素繊維、植物繊維、木繊維、鉱物繊維、ガラス繊維、金属線等を含むことができる。
【0013】
[0020] 供給源44、46からの繊維は、必要に応じて、繊維が容器24の内側にある間、繊維がヘッド20を通過する間、および/または繊維がヘッド20から吐出されている間、容器24内に貯蔵されたマトリックス材料で被覆されてもよい。マトリックス材料、供給源44、46の一方または両方からの乾燥繊維、および/またはマトリックス材料で既に被覆された繊維は、当業者には明らかな任意の方法でヘッド20に搬送することができる。
図3の実施形態では、マトリックス材料は両方の供給源44、46からの繊維と(場合によっては様々な長さの細断された繊維などの充填材と)混合され、次いでマトリックス被覆繊維は、シャフト32および/または34の開かれた内部を経由してヘッド20へ向けられる。しかしながら、必要に応じて専用の導管(図示せず)をこの目的のために代替的に使用することができると考えられる。マトリックス材料は、容器24の圧力によってシャフト32、34(および/または専用の導管)を通して押されてもよく、繊維はマトリックス材料と共に移動してもよい。代替的にまたは追加的に、繊維(被覆されているまたは被覆されていない)は、シャフト32および/または34を通して機械的に引っ張ることができ、いくつかの実施形態ではマトリックス材料は繊維と共に引っ張ることができる。開示された例では、電気がシャフト32および/または34の空の内部を介してヘッド20に同じく供給される。
【0014】
[0021] ヘッド20は、駆動装置18から受け取ったマトリックス被覆繊維から構造物14の壁の独特の織りパターンを形成するように機能する相互に入れ子状にされた一連の円筒状構成要素を含んでもよい。
図3および4からわかるように、これらの構成要素は、とりわけ、ハウジング48、1つまたは複数の繊維ガイド(例えば、第1の繊維ガイド50および第2の繊維ガイド52)、ダイバータ54、1つまたは複数の硬化促進部(例えば、UVライト56および/または超音波発信器58)、および切断装置60を含んでもよい。以下でより詳細に説明するように、駆動装置18からのマトリックス被覆繊維は、第1および/または第2の繊維ガイド50、52を通過してもよく、ここで繊維内の回転が発生されてもよい。次いで、回転するマトリックス被覆繊維は、ダイバータ54とハウジング48との間およびダイバータ54の口部62の周りの環状間隙61(
図3にのみ示される)を通過してもよく、ここで樹脂はUVライト56および/または超音波発信器58によって内側から硬化される。
【0015】
[0022] ハウジング48は、概ね管状であってもよく、開放端部64(
図4にのみ示される)と反対側のドーム状端部68とを有してもよい。開放端部64におけるハウジング48の内径は、繊維ガイド50、52の外径より大きくてもよく、ハウジング48の内部軸方向長さは、繊維ガイド50、52の軸方向長さより大きくてもよい。この構成では、繊維ガイド50、52は、ハウジング48の内側に少なくとも部分的にフィットすることができる。開示される実施形態では、開放端部64におけるハウジング48の軸方向面69が繊維ガイド50、52の対応する端部を越えて延びるように、繊維ガイド50、52の両方はハウジング48の内側に完全に入れ子状になる。開放端部64におけるハウジング48の面69は、ダイバータ54の対応する湾曲した外面を反映するように凸状に湾曲されてもよい。中央開口70が、ハウジング48のドーム状端部68内に形成されてもよく、これはシャフト32、シャフト34およびロッド36がそれを軸方向に貫通することを可能にする。いくつかの実施形態では、液体マトリックス材料がハウジング48から漏れるのを防ぐために、シール(例えば、
図3にのみ示されるOリング)72を開口部70およびシャフト32の周りに配置することができる。
【0016】
[0023] ハウジング48と同様に、繊維ガイド50および52は概ね管状であってもよく、開口端部74と、開口端部74の反対側に位置するドーム状端部76を有してもよい。開口端部74における繊維ガイド50の内径は、ドーム状端部76における繊維ガイド52の外径より大きくてもよく、および繊維ガイド50の内部軸方向長さは、繊維ガイド52の外部軸方向長さより大きくてもよい。この構成では、繊維ガイド52は、少なくとも部分的に繊維ガイド50の内側にフィットしてもよい。開示された実施形態では、開放端部74の繊維ガイド50の端面78が繊維ガイド52の端面80を軸方向に越えて延びるように、繊維ガイド52は繊維ガイド50の内側に完全に入れ子状になる。繊維ガイド50、52の端面78および80は、ダイバータ54の対応する湾曲した外面を反映するように凸状に湾曲されてもよい。
【0017】
[0024] 繊維ガイド50および52はそれぞれ、開放端部74からドーム状端部76まで延びる環状の側壁82を有してもよい。開示された例では、各側壁82の厚さは、(例えば工業的公差内で)ほぼ同じであってもよい。しかしながら、所望であれば、各側壁82は異なる厚さを有することができると考えられる。側壁82の厚さは、任意の数の軸方向に向けられた通路84を内側に収容するのに十分であり得る。通路84は、対応する端面(すなわち端面78または80)からドーム状端部76を完全に通過し得る。繊維ガイド50から形成された各通路84は、供給源44、46のうちの一方から1つまたは複数の繊維を受け取るように構成されてもよい一方、繊維ガイド52に形成される各通路84は、供給源44、46のうちの他方から1つまたは複数の繊維を受け取るように構成されてもよい。同じまたは異なる数の通路84が所望のように繊維ガイド50および52のそれぞれの内に形成されてもよく、および/または通路84が同じまたは異なる直径を有してもよいことが考えられる。開示された実施形態では、実質的に同一の直径を有する24個の等間隔の通路84が繊維ガイド50、52のそれぞれに形成される。繊維ガイド52の環状壁82は繊維ガイド50の環状壁82よりも小さい直径を有し得るので、繊維ガイド52内の通路84間の等間隔は、繊維ガイド50内の通路84間の対応する等間隔とは異なり得る。繊維ガイド50、52の一方または両方内の通路間隔はいくつかの実施形態では不均一に分布されてもよいことに注意されたい。繊維ガイド52は、繊維ガイド50の内側に完全に入れ子状になり得るので、繊維ガイド50を通過する繊維は、構造物14の製造中、繊維ガイド52を通過する繊維と概ね重なり得る。
【0018】
[0025] 繊維ガイド50、52のそれぞれは、構造物14の製造中に選択的に回転されるか静止した状態に保持されてもよく、その結果、各ガイドを通過する繊維が独特の織りパターン(例えば、らせんパターン、揺れパターン、直線および平行パターン、または組み合わせパターン)を共に形成するようにする。繊維ガイド50の回転はシャフト32を介して駆動され得る一方、繊維ガイド52の回転はシャフト34を介して駆動され得る。シャフト32は、繊維ガイド50の内面および/またはドーム状端部76に接続されてもよい。シャフト34は、繊維ガイド50のドーム状端部76のクリアランス開口86を通過して、繊維ガイド52のドーム状端部76および/または内面と係合してもよい。以下により詳細に記載するように、繊維ガイド50、52の相対回転は、構造物14の得られる織りパターンに影響を及ぼし得る。特に、繊維ガイド50、52の回転は、所望の特性を有する独特のおよび/または動的に変化する織りパターンを形成するために、例えば、同じ方向、互いに対向、連続的、断続的、揺動的であってもよく、より小さいまたはより大きな揺動範囲を有してもよく、より低いまたはより高い速度で実施されてもよい。さらに、繊維ガイド50、52の回転は、支持体16の動きに関連して、ダイバータ54の動きに関連して、軸方向押出し距離および/または速度に関連して、および/または構造物14の既知の幾何学的形状(例えば、終点、結合点、ティー、正反対の変化、スプライス、ターン、高圧および/または高温領域等)に関連して、振り付けられてもよい。
【0019】
[0026] ダイバータ54は概ね釣鐘形であってもよく、ドーム状端部88を口部62の反対側に有する。ドーム状端部88は、口部62よりも小さい直径を有してもよく、繊維ガイド52内に少なくとも部分的に入れ子状になるように構成されてもよい。口部62は、ドーム状端部88から半径方向外向きに広がってもよく、繊維ガイド52の外径よりも大きい外径を有してもよい。一実施形態では、口部62の外径は、ハウジング48の外径とほぼ同じであってもよい。ダイバータ54は、その外側に広がる輪郭のため、両方の繊維ガイド50、52の通路84から出ていく繊維を半径方向外側にそらすように機能してもよい。このように、構造物14の得られる内径は、ダイバータ54の外径によって定められてもよい。さらに、ダイバータ54は、繊維をハウジング48の面69に向けてそらせ、それにより繊維を間隙61内に挟み込むことができる(
図3参照)。従って、ダイバータ54のそらし機能は、構造物14の内径を確立することに加えて、構造物14の壁厚を決定してもよい。ダイバータ54は、概ね釣鐘状であると記載されているが、必要に応じてダイバータ54は代わりに円錐形であってもよいことが考えられる。
【0020】
[0027] 一実施形態では、ダイバータ54は、構造物14の壁厚を選択的に調整するように可動式であってもよい。具体的には、ロッド36は、ダイバータ54のドーム状端部76に係合するために繊維ガイド50、52のクリアランス開口86を通過してもよい。この接続により、アクチュエータ30(
図3参照)によって生じるロッド36の軸方向並進が、間隙61の幅および構造物14の対応する壁厚を変化させ得る。従って、構造物14のより厚い壁は、ダイバータ54をハウジング48から押し出すことによって製造することができ、より薄い壁は、ダイバータ54をハウジング48の近くに引っ張ることによって製造することができる。
【0021】
[0028] 構造物14の壁内の特定の特徴は、間隙61の幅を急速に変化させることによって(すなわち、ダイバータ54を急速に引き入れたりダイバータ54を急速に押し戻したりすることによって)形成され得ると考えられる。例えば、引き/押し動作の速度、持続時間、および/または距離を調整することによって、隆起部(
図8参照)、フランジ(
図7参照)、可撓性セクション、および他の特徴が形成され得る。
【0022】
[0029] UVライト56は、構造物14の形成中に構造物14の内面を電磁放射線に連続的に曝露するように構成することができる。電磁放射線は、間隙61を通って吐出されるマトリックス材料内で生じる化学反応の速度を上げ、それによりマトリックス材料が硬化するのに必要な時間を短縮する一助となり得る。開示されている実施形態では、UVライト56は、軸37と概ね整列してダイバータ54の口部62内に取り付けられてもよく、またダイバータ54から放射線を外方に向けるように方向付けられてもよい。UVライト56は軸37の周りに等しく分散された複数のLED(例えば6個のLED)を含んでもよい。しかしながら、任意の数のLEDまたは他の電磁放射線源が、開示された目的のために代替的に利用されてもよいことが考えられる。UVライト56は、シャフト32、34およびロッド36を介して電源38(
図3参照)から延びる電気リード線90を介して給電されることができる。いくつかの実施形態では、ロッド36自体が電気リード線90として機能することができる。電磁放射線の量は、構造物14が口部62から離れる方へ所定の長さよりも軸方向に成長する前にマトリックス材料を硬化するのに十分なものであり得る。一実施形態では、構造物14は、軸方向の成長長さが構造物14の外径と等しくなる前に完全に硬化される。
【0023】
[0030] 超音波発信器58が、構造物14内のマトリックス材料の硬化速度を上げるために、UVライト56の代わりにまたはそれに加えて使用され得る。例えば、超音波発信器58は、ダイバータ54の口部62の中に直接取り付けられ得るか、またはUVライト56の遠位端に(例えば、対応する凹部内に)取り付けられ得る。超音波発信器58は、超音波エネルギーをマトリックス材料中の分子に放出し、分子を振動させるために使用され得る。振動はマトリックス材料内に気泡を生成し得、気泡は高温および高圧で空所を作り、それがない場合よりも迅速にマトリックス材料を硬化させ得る。超音波発信器58は、UVライト56と同じ方法で給電されてもよく、構造物14を内側から硬化するように同じく機能し得る。UVライト56および/または超音波発信器58に加えてまたはその代わりに、必要ならば、構造物14の硬化速度を外側から上げることを補助するために、1つまたは複数の追加の硬化促進部(図示せず)を配置してもよい。
【0024】
[0031] 切断装置60は、構造物14の長さを選択的に終わらせるか、または固定するために、構造物14の製造中に使用されてもよい。
図3および4に示すように、切断装置60は概ねリング状であってもよく、ハウジング48の外面に移動可能に取り付けられてもよい。切断装置60は、間隙61を介して吐出されるマトリックス被覆繊維と係合するまで軸線37に沿って摺動するように構成された鋭利な刃92を有していてもよい。同じ方向のさらなる摺動は、繊維を口部62に対してせん断し、それによって構造物14の長さを固定するように機能することができる。このせん断作用は、マトリックス材料がまだ未硬化の間のみ起こり得、その結果、構造物14の繊維を通して刃92を押すのに必要な力はより小さくてよく、得られる切断面はより微細な仕上げを有し得ることに留意されたい。
【0025】
[0032] 切断装置60の軸方向移動は、専用のアクチュエータ93(
図3参照)によって生じさせることができる。アクチュエータ93は、ハウジング48に取り付けられ、必要に応じてリニアアクチュエータ(例えば、油圧ピストンまたはソレノイド)または回転型アクチュエータ(例えば、ハウジング48のおねじに係合するモータ)を具体化することができる。アクチュエータ93は、外部配線を介して電源38から電力を受け取ることができる。
【0026】
[0033] いくつかの実施形態では、切断装置60の動きは、構造物14の繊維せん断中にダイバータ54の動きと協調させることができる。例えば、構造物14の繊維に向かって切れ刃92を軸方向に移動させる直前または間に、ダイバータ54を、ロッド36およびアクチュエータ30によってハウジング48に向かって内側に引っ張ってもよい。ダイバータ54を内側に引くことによって、構造物14の壁厚を低減させ、それによりせん断しやすくすることができる。さらに、ダイバータ54を内側に引くことにより、より大きなクランプ力を繊維に及ぼすことができ、それにより、必要なせん断力および/または切れ刃92の動きが低減される。
【0027】
[0034] 構造物14のマトリックス被覆繊維は間隙61を通って吐出された後に素早く硬化し得るとしても、この硬化の速度はいくつかの用途には不十分である場合がある。例えば、水中、宇宙空間、または理想的でない(例えば厳しいまたは極端な)温度、理想的でない圧力、および/または汚染度の高い別の不快な環境下で構造物14を製造する場合、マトリックス被覆繊維は、所望の構造的特徴を確保するように硬化が完了するまで環境から遮蔽されるべきである。この理由のために、シールド94が設けられ、ヘッド20の遠位端に選択的に結合されてもよい。シールド94の例は、チューブ96および/または可撓性カップリング98を含むものとして
図5に示されている。チューブ96はヘッド20の遠位端に単独で選択的に結合されてもよく、カップリング98はヘッド20の遠位端に単独で選択的に接続されてもよい。またはチューブ96は、必要に応じてカップリング98を介してヘッド20の遠位端に選択的に結合されてもよい。シールド94は、構造物14のより制御された環境を提供し得、構造物14がシールド94の端部を越えて軸方向に押し出される前に、その中のマトリックスが所望の量だけ硬化することを可能にする。いくつかの実施形態では、シールド94は不活性ガスで加圧されてもよく、マトリックスの硬化速度を高めるガスで加圧されてもよく、および/または製造中に構造物14を取り囲む環境をより完全に制御するために減圧されてもよい。構造物14の軸22が主に真っ直ぐである場合、チューブ96は単独で(すなわち、カップリング98なしで)使用されてもよく、一方で、軸22が三次元である場合、カップリング98は単独でまたはチューブ96ととともに使用されてもよい。カップリング98は、構造物14が軸37(
図3参照)に対して曲がり、湾曲することを可能にする。
【0028】
[0035] システム10は、構造物14の壁内に多くの異なる織りパターンを作り出すことができるかもしれない。
図6〜9は、システム10で製造することが可能であり得る例示的な構造物14を示す。
図10〜18は、構造物14を作製するために使用され得る織りパターンの例示的な例を示す。開示された概念をさらに説明するために、以下のセクションで
図6〜18をより詳細に論じる。
【0029】
[0036]
図19および20は、構造物14を製造するために使用され得るヘッド20の別の例示的な実施形態を示す。
図3の実施形態と同様に、
図19および20のヘッド20は、ハウジング48の内側に配置された、シャフト32、34(明確にするために
図19および20から省かれ、
図3に示されている)、ロッド36(明確にするために
図19および20から省かれ、
図3に示されている)、1つまたは複数の繊維ガイド50、52、ダイバータ54、UVライト56、および/または超音波発信器58を含むことができる。いくつかの実施形態において、
図19および20のヘッド20はまた、第1の端部でハウジング18に接続され、反対の第2の端部で構造物14の外面と係合するシールド94を含むことができる。しかしながら、
図3の実施形態と対照的に、
図19および20のヘッド20は、構造物14の形成中に構造物14を他の材料140で充填するために協働する追加の構成要素を含むことができる。材料140は、例えば、断熱材、遮蔽材、剛性支持材、液体マトリックス、粒子強化マトリックス、発泡材、圧縮ガス、コンクリート、または当技術分野で公知の他の充填材を含むことができる。
【0030】
[0037] 構造物14を材料140で充填するために協働するヘッド20の構成要素は、とりわけ、ハウジング48から(例えば、繊維ガイド50、繊維ガイド52、およびダイバータ54を通って)構造物14の中心軸に沿ってシールド94の第2の端部まで延在する中空のワンド142と、ワンド142の遠位端に動作可能に接続されたノズル144とを含むことができる。ワンド142は、剛性または可撓性であってよく、第1の端部で、例えばシャフト32、34ロッド36の内側に配置された内部供給路を介して、材料140を提供されてもよい。ノズル144は、材料140が構造物14の内壁に充填されるおよび/または接合するように、下流の位置で軸方向および/または半径方向外側に材料140を吐出(例えば噴霧)するように構成されてもよい。
【0031】
[0038]
図19および20の実施形態では、ワンド142はヘッド20と一体であり、その結果、ヘッド20は常に構造物14に材料140を充填可能であり得る。しかしながら、必要に応じて、ワンド142はヘッド20に取り外し可能に接続されてもよいことが考えられる。同様に、ノズル144は、異なる材料140および/または充填特徴が使用され得るように、ワンド142に永久にまたは交換可能に接続されてもよい。
【0032】
[0039] ノズル144は、
図19および20の例示的な実施形態において、構造物14の内面に材料140の内側環状層または薄膜を適用するように構成される。特に、ノズル144は、ディスク状本体146であって本体146の周囲に配置された複数のオリフィス(例えば、正方形、円形、楕円形、三角形または他の多角形形状オリフィス)148を有するディスク状本体146と、本体146のほぼ中心に位置する半径方向ダイバータ150と、ダイバータ150からオリフィス148まで延びる半径方向に向けられた複数の内部通路152とを含むことができる。この構成では、ワンド142から軸方向に前進する材料140は、ダイバータ150に衝突し、通路152およびオリフィス148を通して半径方向外側に押されて、構造物14の内面と接触し得る。材料140は、少なくとも材料140の硬化が達成されるのに十分な長さ、それが内面に接合することを可能にする粘度を有し得る。いくつかの例では、オリフィス148を出る材料140は、オリフィス148を通って吐出されるとおよび硬化前に流れることがあり、その結果、各オリフィス148からの材料140は隣接するオリフィス148からの材料140と合体(coalesce)して連続環状薄膜を形成する。しかしながら、他の実施形態では、材料140の別個の軸方向隆起部が堆積され硬化されるように、材料140は吐出時および硬化前にさほど流れないことがある。
【0033】
[0040] 上述したように、
図19および20のヘッド20は、UVライト56および/または超音波発信器58を含んでもよい。これらの構成要素は、上で既に記載したように構造物14の硬化を容易にすることに加えて、材料140の硬化を容易にすることもできる。特に、第1のUVライトまたはライト56のセットは、(
図3の実施形態に類似して)ワンド140の第1の端部の周りに配置され、構造物14の液体マトリックスを硬化するように構成されてもよい一方、第2のUVライトまたはライト56のセットは、ノズル144の外端面に取り付けられ、材料140をオリフィス148を通して吐出される間に硬化するように構成されてもよい。いくつかの例では、超音波発信器58は、例えばUVライト56の第2のセットの中心で、ノズル144の露出した端面に同じく取り付けられてもよい。
【0034】
[0041] いくつかの実施形態では、内部シールド151が、ワンド142および/またはノズル144に(例えば、直接または追加の構成要素を介して間接的に)接続され、シールド94の内側に配置されてもよい。内部シールド151は、構造物14の液体マトリックスがまだ十分に硬化されてない可能性があるときに、極端な環境から構造物14をさらに隔離するようにワンド142および/またはノズル144の周囲の空間をシールする一助となり得る。内部シールド151はバッフルを具体化してもよく、このバッフルは、ワンド142の外側環状面と係合するためにノズル144の内側端面から半径方向内側に向かって先細りし、ノズル144の内側端面からワンド142の第1の端部まで軸方向に延在する。必要に応じて、内部シールド151は省略してもよいことが考えられる。
【0035】
[0042] ノズル144の外周は、構造物14の内側環状面と係合してもよく、または必要に応じて、内側環状面の手前で終了してもよいと考えられる。ノズル144の周囲が構造物14の内側環状面と係合するとき、ノズル144は、場合によってはガイドとして作用することができる。すなわち、構造物14は、これらの場合に、および構造物14がまだ完全に硬化していないときに、ノズル144上を摺動する可能性がある。これが起こると、ノズル144は実際に構造物14を成形する一助となり得る。例えば、ノズル144は概ね円形であり、構造物14が通常であれば垂れ下がる傾向があり得るときに、構造物14が円形断面形状を維持する一助となり得る。あるいは、ノズル144は、矩形、楕円形、三角形、または他の多角形形状であってもよく、および/またはダイバータ54のサイズより一般に大きいまたは小さいサイズを有してもよい。このようにして、ノズル144を使用して、ダイバータ54上に元々押し出されたものから、構造物14の形状を調整することができる。
【0036】
[0043] 構造物14の独特の特徴を変えるおよび/または作り出すために、構造物14の押出しの間、ノズル144を選択的に移動できることも考えられる。例えば、ワンド142は、材料140が構造物14の内部にらせん構造で、および/または隆起部、フランジ、可撓性部分および他の特徴部で堆積されるように、曲がる、回転する、および/または平行移動するべく(例えば、アクチュエータ26、28および/または30のような駆動装置18内に配置されたアクチュエータを介して(
図3参照))駆動されてもよい。
【0037】
[0044]
図21および22に示される代替実施形態において、ワンド142およびノズル144は、別の取付け構造を有する。特に、ワンド142およびノズル144は、ヘッド20(図示せず)に永久的に接続されなくてもよい。代わりに、ワンド142、ノズル144、およびシールド94は、カメラレンズがカメラ本体に接続され得るのとほとんど同じやり方で、ヘッド20に取り外し可能に接続され得るアタッチメント154を共に形成してもよい。このように、任意の数の異なるアタッチメント154(例えば、異なる長さのワンド142、異なるノズル形状等を有するアタッチメント)をヘッド20と共に交換可能に使用して、様々な異なる構造物14を作り出すことができる。ワンド142の第1の端部は、ヘッド20の対応するソケット(例えば、ハウジング48の閉鎖端部内に形成されたソケット)内に受け入れられてもよい。ワンド142をソケットの内部に固定するために、ネジ留め、圧縮結合、または別の形態の接続が使用されてもよい。その後、シールド94の基端部はハウジング48の外側環状面上を単に摺動してもよい。
【0038】
[0045] ノズル144は、
図21および22において、
図19および20とは異なる形状を有するものとして示されている。特に
図21および22の実施形態では、ノズル144は、より小さい直径および単一の中央オリフィス148を有する。この構成は、構造物14を材料140で完全に充填するため、または材料140のコーティングを構造物14の内面に単に噴霧するために使用されてもよい。
【0039】
[0046]
図21および22のノズル144は、構造物14の内側環状面に係合するかまたは近くに接近するべく半径方向外向きに延在しないので、構造物14の軌道変更中にノズル144が構造物14の幾分内側に半径方向に移動することがあり得る。この半径方向の移動はある状況では許容できるかもしれないが、他の状況では構造物14の不均一な充填またはコーティングをもたらす可能性があるので望ましくないかもしれない。この様な理由で、構造物14の内部でノズル144を中心に置く方法をいくつかの状況で使用し得ることが考えられる。一例では、内部シールド151がセンタリング装置として機能し得る。別の例では、1つまたは複数の磁石156がシールド94の遠位端内に配置され、ノズル144と相互作用してノズル144を構造物14のほぼ中心に向かって付勢する磁場を生成するように構成されてもよい。必要に応じて、ノズル144を構造物14内で中心に置くかまたは別の方法で配置するために、他の装置が追加的にまたは代替的に使用されてもよい。
【0040】
産業上の利用可能性
[0047] 開示されたシステムは、任意の所望の断面形状および長さを有する複合構造物を連続的に製造するために使用されてもよい。複合構造物は、同じまたは異なるタイプのおよび同じまたは異なる直径の任意の数の異なる繊維を含んでもよい。さらに、複合構造物を作製するために使用される織りパターンは、構造物の製造中に動的に変更されてもよい。次にシステム10の動作について詳細に記載する。
【0041】
[0048] 製造イベントの開始時に、所望の中空構造物14に関する情報をシステム10に(例えば、支持体16、アクチュエータ26〜28、および/または押出機40の動作を調整する役割を果たすコントローラに)ロードすることができる。この情報は、とりわけ、サイズ(例えば、直径、壁厚、長さ等)、輪郭(例えば、軸22の軌跡)、表面特徴(例えば、隆起部のサイズ、位置、厚さ、長さ;フランジのサイズ、位置、厚さ、長さ;等)、接続形状(例えば、結合点、ティー、スプライス等の位置およびサイズ)、所望の織りパターン、および織り遷移位置を含み得る。この情報は、代替的または追加的に、必要に応じて、製造イベント中に異なる時間におよび/または連続的にシステム10にロードされてもよいことに留意されたい。構成要素の情報に基づいて、1つまたは複数の異なる繊維および/または樹脂をシステム10に選択的に導入してもよい。繊維の導入は、繊維をシャフト32、34に、ガイド50、52の通路84に、および間隙61に通すことを含み得る。いくつかの実施形態では、繊維はまた、引張機(図示せず)および/または取付固定具(図示せず)に接続する必要があるかもしれない。マトリックス材料を導入することは、容器24の充填および/または容器24への押出機40の結合を含み得る。いくつかの実施形態では、集められた構成要素の情報に応じて、より大きいまたはより小さい直径を有するダイバータ、および任意の数の異なる構成の繊維ガイドが、ヘッド20とともに選択的に使用されてもよい。
【0042】
[0049] 次に、構成要素情報が、システム10の動作を制御するために使用されてもよい。例えば、繊維は、駆動装置18が繊維ガイド50、52を回転させるのと同時にヘッド20からのマトリックス材料と共に所望の速度で引っ張られおよび/または押されてもよい。この回転の間、ダイバータ54もまた内または外へ動かされてもよく、マトリックス材料を硬化させるために任意の利用可能な硬化促進部(例えば、UVライト56および/または超音波発信器58)が起動されてもよい。支持体16はまた、結果として得られる中空構造物14の軸22が所望の軌道をたどるように、ヘッド20を所望の方法で選択的に移動させることもできる。構造物14が所望の長さまで成長すると、切断装置60を使用して、上述の方法で構造物14をシステム10から切断してもよい。
【0043】
[0050]
図6は、システム10で作製され得る構造物14の一例を示す。この図に見られるように、構造物14の軸22は、複雑な幾何学的形状を作製するために、構造物14の長さ方向の成長の間、任意の方向に(例えば、ヘッド20の対応する動きを介して)並進および/または回転されてもよい。加えて、構造物14の織りパターンは、変化する幾何学的形状を用いて振り付けされてもよい。
図6の例では、コーナーセクション100の周りを移行する複数の織りパターンを有するエルボが形成されている。具体的には、ガイド50または52の一方を通過する繊維は、コーナーセクション100の両端部で振動するが、コーナーセクション100の内側で正される(すなわち軸22と整列する)。同時に、ガイド50または52の他方を通過する繊維は、構造物14の長さ全体にわたって直線を維持する。さらに、振動繊維の頻度は変化し得る。具体的には、振動繊維は、セクション102ではより低い頻度で振動し得、次にセクション104ではより高い頻度で振動し得る。この頻度変化パターンは、いくつかの用途では繰り返してもよい。
【0044】
[0051] 構造物14の長さに沿ったいずれかの特定の点で使用される織りパターンは、対応する点で所望の特性を提供するために選択されてもよいと考えられる。例えば、振動パターンは、構造物14のわずかな動きおよび/または撓みが小さいおよび大きい距離にわたって望ましいおよび/または期待される場合に、効果的に使用され得る。振動パターンが役に立つかもしれない1つの用途は、連続する何マイルにもわたる北極ツンドラ上のガスパイプラインの製造を含み得る。この用途では、ツンドラの凍結および融解は、パイプラインの亀裂を避けるために収容されなければならないパイプラインの望ましくない動きを引き起こす可能性がある。この動きは、振動織りパターンを介して調節されてもよい。振動織りパターンは、構造物14に靱性および/または耐摩耗性を加え得る。構造物14内の異なる特性を生成するために、セクション100内の繊維はすべて平行であってもよい。例えば、平行繊維は高い静的強度を提供し得、ここで曲げはほとんどまたは全く望まれないまたは期待されない。
【0045】
[0052]
図7は、システム10によって作製され得る構造物14の別の例を示す。この図に見られるように、カップリング106が、構造物14を別のデバイス(図示せず)に接続するために、または構造物14の端部を閉鎖するために、構造物14の終端で使用される。カップリング106の使用は、構造物14の壁に異なる特性(例えば、より大きな強度または剛性)を必要とする場合があり、従って、構造物14の織りパターンおよび/または厚さはカップリング位置で対応する方法で変化し得る。例えば、この位置で織りパターンがより密になり得、および/または壁の厚さが増加し得る。織りパターンは、所与の軸方向成長速度(すなわち、所与の押出速度)に対して振動頻度を増加させることによって、および/または振動範囲を増加させることによって、より密になり得る。ダイバータ54をハウジング48から遠ざけるように押して、それにより間隙61がより大きくなるようにすることによって、壁厚はこの位置で増加し得る。
【0046】
[0053]
図8は、システム10によって作製され得る構造物14の別の例を示す。この図に見られるように、構造物14の幾何学的形状は、移行位置108および終端位置110で変化(例えばネックダウン)する。これらの幾何学的形状の変化は、織りパターンのおよび/または構造物14の外側プロファイルの対応する変化を伴い得る。例えば、移行位置108の織りパターンは、振動繊維および平行繊維から平行繊維のみに(あるいは振動繊維のみに)変化し得る。さらに、ダイバータ54の急速な出入り動作を介して終端位置110に隆起部112が形成されてもよい。平行繊維は移行位置108の剛性を高め得る一方、隆起部112は別の構造との接続を容易にし得る。
【0047】
[0054]
図9は、システム10によって作製され得る構造物14の最終的な例を示す。この図に見られるように、構造物14の幾何学的形状は必ずしも変化しない。しかしながら、構造物14の織りパターンの変化は、用途特有の目的のためになおも変化し得る。特に、すべての部分が同じ一般的な幾何学的形状を有していても、構造物14の特定の部分114は、同じ構造の他の部分116とは異なる特性を有してもよい。例えば、部分114内に温度および/または圧力に対するより大きな抵抗が必要とされることがあり、より大きな耐摩耗性が必要とされることがあり、および/またはより大きな可撓性および/または剛性が必要とされることがある。これらの特性は、様々な織りパターンによって提供されてもよい。開示された例では、部分114内の織りパターンは、1つのセクション(例えば半分)のみに平行繊維を含み、残りのセクションに、部分116内の繊維密度とは異なる振動繊維の密度を含む。
【0048】
[0055]
図10〜18は、変化する幾何学的形状または特性要件を有する構造物14にかかわらず、任意の構造物14上の任意の位置で使用され得る例示的な織りパターンを示す。
図10において、パターン118は、ガイド50からのらせん状の繊維120と、ガイド52からのらせん状の繊維122とを使用する。パターン118の頂部において、繊維120は、繊維122と等しくインターリーブされてもよく、必要に応じて、同一繊維または異なる直径、形状および/またはサイズの繊維であってもよい。しかしながら、中間の下向きパターン118については、繊維は異なる織りに移行し得、ここで繊維122のうちの2つは互いに直接隣接している。この新しいパターンは、例えば、ガイド52の回転速度をガイド50の回転速度の2倍に増加させることによって達成することができる。
【0049】
[0056]
図11では、第1の方向にらせん状に巻かれている繊維120、122の両方から、異なる方向にらせん状に巻かれている繊維120、122の一方に移行するパターン124が形成されている。同様のパターン126が
図12に示されているが、繊維120、122の一方が異なる方向に移行する代わりに、両方の繊維120、122が反対方向に移行する。別の同様のパターン128が
図13に示されているが、繊維120、122の一方のみが異なる方向にらせん状に移行する代わりに、繊維120、122の一方がらせんではなく振動に移行する。
【0050】
[0057]
図14では、比較的同期した態様で振動する繊維120および122の両方を含むパターン130が形成される。両方の振動繊維は、ほぼ同じ頻度でおよび同じレンジで振動している。
図15はパターン132を示し、繊維120および122は、本質的に同じ頻度およびレンジを使用して互いに位相がずれて振動する。しかしながら、繊維120、122の一方は、異なる頻度でおよび/または異なるレンジで振動するために、パターン132の長さに沿った約半分で移行する。
図16では、本質的に同じ頻度およびレンジを使用して位相がずれて振動する繊維120および122を有するパターン134が示されている。しかしながら、繊維120、120の一方または両方は、パターン134の長さに沿ったほぼ半分で半径方向位置に移動して、重なり合うことから互いに隣接するように移動することができる。
【0051】
[0058]
図17のパターン136において、繊維120、122の一方は直線的であり、軸22(
図1および
図2を参照)とほぼ整列されて示されているが、繊維120、122の他方は最初はパターン136の上半分においてらせん状である。らせん繊維120または122は次いでパターン136の下半分において振動するように移行する。
図18のパターン138では、繊維120、122のすべてが直線状であり、軸22と整列され、互いに等しくインターリーブされる。
【0052】
[0059] ヘッド20から吐出される構造物14内に含まれる繊維120、122の特定のパターンにかかわらず、ワンド142およびノズル144を利用して、構造物14を材料140で少なくとも部分的に充填することができる。例えば、所望の厚さを有する材料140の環状層、1つまたは複数の直線状またはらせん状の溝、薄いコーティングまたは完全なコアの材料140を構造物14の内部に堆積し硬化させることができる。さらに、隆起部、フランジ、可撓性セクション、および他の類似の特徴が、材料140で作製および/または増大されてもよい。
【0053】
[0060] 開示されたシステム、構造、および織りパターンに様々な修正および変更がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。他の実施形態は、本明細書の考察および開示されたシステムの実施から当業者には明らかであろう。明細書および例は、単に例示として考慮され、真の範囲は以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって示されることが意図されている。