(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6591714
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ヘアゴム
(51)【国際特許分類】
A45D 8/36 20060101AFI20191007BHJP
A45D 8/00 20060101ALI20191007BHJP
D04B 21/20 20060101ALI20191007BHJP
D04B 21/18 20060101ALI20191007BHJP
D04C 1/12 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
A45D8/36 C
A45D8/00 502C
D04B21/20 A
D04B21/18
D04C1/12
【請求項の数】10
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-70657(P2019-70657)
(22)【出願日】2019年4月2日
【審査請求日】2019年4月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505235989
【氏名又は名称】株式会社ツインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100139033
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 賢治
(72)【発明者】
【氏名】梶原隆司
(72)【発明者】
【氏名】土田高史
【審査官】
新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−143778(JP,U)
【文献】
実開昭52−115746(JP,U)
【文献】
特開2014−012912(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0014351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 8/36
D04C 1/10−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
こぶ部を軸線方向に複数配置し、軸線方向に弾性変形可能な環状のヘアゴムであって、
前記ヘアゴムは、外形を形成する外層と、当該外層の内部全長に渡って連続配置される芯材からなり、
前記外層は、
外層用糸が疎に編み込まれた前記こぶ部と、前記外層用糸が密に編み込まれ、かつ前記こぶ部より小径な連結部とから構成され、当該外層に形成される前記こぶ部は弾性変形可能であり、
前記芯材は、
伸縮性を有する紐、又は非伸縮性の紐で構成され、前記こぶ部の内部に弛緩及び/又は蛇行した状態で配置されている、
ことを特徴とするヘアゴム。
【請求項2】
前記芯材に用いる前記伸縮性を有する紐は、伸縮性糸と非伸縮性糸を、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5のいずれかの本数比で編んだ編紐である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアゴム。
【請求項3】
前記芯材に用いる前記伸縮性を有する紐は、伸縮性繊維と非伸縮性繊維を一体化した伸縮性複合繊維糸を用いて編んだ編紐であり、前記伸縮性繊維の配合割合は、前記非伸縮性繊維に対して15〜50%である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアゴム。
【請求項4】
前記伸縮性糸は、合成ゴム又は天然ゴム素材からなる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のヘアゴム。
【請求項5】
前記非伸縮性糸は、ナイロン又はポリエステル素材からなる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のヘアゴム。
【請求項6】
前記芯材に用いる前記紐は、組紐又はリリアン編み紐である、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のヘアゴム。
【請求項7】
前記外層は、組紐である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のヘアゴム。
【請求項8】
前記外層用糸は、伸縮性糸と非伸縮性糸との組合せである、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のヘアゴム。
【請求項9】
前記こぶ部の径は、全て同一径である、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のヘアゴム。
【請求項10】
前記こぶ部の径は、複数の異なる径で構成される、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のヘアゴム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性変形可能な環状のヘアゴムに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアゴムとは、髪をまとめるために使用する輪になったゴム状の髪留めであり、ポニーテールやおさげ髪などの髪型を作る際に欠かせない用具の一つである。一般的に「ヘアゴム」と呼ばれているが、必ずしも、完全なゴム材料のみからなるものではなく、弾性素材と非弾性素材を組み合わせて構成されるものも多数存在する。
【0003】
従来のヘアゴムは、いわゆる輪ゴム形状のものや、組紐の場合、全体が同一径の環状体で全長に渡って同一構造であるため、ファッション性に劣るとともに、締め付けの調整が難しかった。
【0004】
特許文献1には、弾性のある紐体に合成樹脂製のボールを等間隔に一体成形によって固定し、このボールは弾性を備えた紐体を圧潰した状態で固着している伸縮ボールチエンを主な構成としたヘアゴムが開示されているが、合成樹脂製ボールと弾性のある紐体とが固着される構成であるため、ボールが固く、またボールと紐体との間に髪が挟まる可能性あった。また、外部からの衝撃によって、ボールと紐体との固着が壊れてしまう可能性もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−279018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、上記した従来技術が有する課題を解決し、ファッション性に優れるとともに、外層と芯材によって弾性変形可能なこぶ部を有するヘアゴムを提供することを目的とする。
【0007】
上記の目的を達成するため、本願発明は、こぶ部を軸線方向に複数配置し、軸線方向に弾性変形可能な環状のヘアゴムであって、前記ヘアゴムは、当該紐の外形を形成する外層と、当該外層の内部全長に渡って連続配置される芯材からなり、前記外層は、外層用糸が疎に編み込まれた前記こぶ部と、前記外層用糸が密に編み込まれ、かつ前記こぶ部より小径な連結部とから構成され、当該外層に形成される前記こぶ部は弾性変形可能であり、前記芯材は、伸縮性を有する紐で構成され、前記こぶ部の内部に弛緩及び/又は蛇行した状態で配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本願発明によれば、外層に形成される弾性変形可能なこぶ部と弾性変形可能な芯材によって、ヘアゴムとして作用する適度な弾性力を発揮するとともに、適宜の間隔を持って配置されるこぶ部によって、優れたファッション性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るヘアゴムの全体斜視図。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るヘアゴムの断面を模式的に説明するための図。
【
図3】紐の製造装置及び製造方法を模式的に説明するための図。
【
図4】本発明の第二実施形態に係るヘアゴムの全体斜視図。
【
図5】本発明の第二実施形態に係るヘアゴム紐の断面を模式的に説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。なお、本発明で言う芯材の「弛緩及び/又は蛇行した状態」とは、弾性力を有する芯材が、真っ直ぐに伸びた状態ではなく、弛緩し、蛇行した状態の形状を意味するものである。
【0011】
図1は、本発明の第一実施形態に係る環状のヘアゴム1の全体斜視図である。
図1は、ヘアゴム1に対して外力が働いていない自然状態を示す全体像であり、軸線方向に同一径の複数のこぶ部2が適宜の間隔をおいて配置され、こぶ部2とこぶ部2との間は、小径の連結部3によって連結されている。
【0012】
図2は、ヘアゴム1の断面を模式的に示した図である。図示のとおり、ヘアゴム1は、外形を形成する外層4と、当該外層4の内部全長に渡って連続して配置される芯材5とで構成される。外層4の構造は、本出願人による特許第5079926号と基本的に同じであり、伸縮性の糸と非伸縮性の糸を適宜の組合せで編み込んだ組紐であり、こぶ部2は疎に編み込むことで柔らかく膨出するよう形成され、連結部3は密に編み込むことで硬く細く形成されている(当該連結部3は、通常の紐と同様に実質的に弾性変形しない)。
【0013】
芯材5は、外層4内に配置する細く弾性変形可能な編み紐であり、こぶ部2の内部において蛇行した状態で配置され、連結部3の内部では真っ直ぐに伸びた状態で配置されている。
【0014】
芯材5は、天然ゴム、合成ゴム等の弾性素材からなる伸縮性糸と、ナイロン、ポリエステル等の非弾性素材からなる非伸縮性糸を、適宜の本数比で編み込んだ編紐(例えば組紐やリリアン編紐)として形成され、伸縮性を有する。芯材5の弾性力は、伸縮性糸と非伸縮性糸の本数比で変化させることができ、例えば、伸縮性糸と非伸縮性糸の本数比を1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6等の適宜の本数比で編むことができる。この本数比を適宜に決定することで、芯材5の弾性力を調整することができる。
【0015】
また芯材5に用いる編紐は、伸縮性繊維と非伸縮性繊維を一体化した、いわゆる公知の伸縮性複合繊維糸のみを用いて編んだ編紐でも良い。この伸縮性複合繊維糸を用いる場合、微細な伸縮性繊維と微細な非伸縮性繊維を適宜の割合で配合することができるため、前記した伸縮性糸及び非伸縮性糸を用いる場合に比べて、芯材5の弾性力を微調整することができる。本願発明においては、芯材5の機能を考えて、伸縮性繊維の配合割合は、非伸縮性繊維に対して15〜50%の範囲とすることが好ましい。
【0016】
ヘアゴム1は、こぶ部を有する紐を適宜の長さで切断し、当該切断した紐の2つの切断面を接着剤で固定することで環状に形成するものである。切断箇所は、こぶ部2であっても、連結部3であっても良い。
図3は、ヘアゴム1の元となるこぶ部を有する紐を製造する装置及び方法を模式的に示したものであり、上記により予め作成した芯材5を中心として、非伸縮性糸であるナイロン糸7と伸縮性糸であるゴム糸8を適宜の組合せで編み込むものであり、引き上げ速度を調整することにより疎又は密に編み込み、柔らかく膨出するこぶ部2と、硬く細い連結部3が外層4として形成される。同時に、その内部中心に位置する芯材5は、こぶ部2の内部で蛇行した状態で配置され、連結部3の内部では真っ直ぐに伸びた状態で配置される。
【0017】
芯材5は、硬く細い連結部3の内部では外層4と密着(圧着)しており、柔らかく膨出したこぶ部2の内部では外層4と密着せず、ほぼフリーな蛇行状態となっている。
【0018】
以上の装置と方法を用いて製造されたヘアゴム1の元となる紐は、疎に編み込むことで柔らかく膨出するよう形成されたこぶ部2が軸線方向からの外力によって容易に弾性変形する一方、密に編み込むことで硬く細く形成される連結部3は、ほとんど変形しない。
【0019】
図4は、本願発明の第二実施形態に係るヘアゴム1の全体斜視図、
図5はその断面を模式的に示したものである。当該第二実施形態は、複数種の径を有するこぶ部2が、ヘアゴム1の軸線方向に配置されたものであり、第一実施形態のヘアゴムに比べて、よりファッション性を高めることができるとともに、こぶ部の径の違いによって、その弾性力も変化させることができる。
【0020】
なお、本第一実施形態及び第二実施形態において、芯材5はこぶ部2の内部で蛇行した状態としているが、真っ直ぐに伸びていない、いわゆる弛緩した状態であれば良い。また、上記各実施形態に係る芯材5は、伸縮性を有する紐としたが、非伸縮性の紐であっても良い。この場合、ヘアゴム1の弾性力は、外層4に形成されるこぶ部2のみの作用になる。
【0021】
以上のとおり、本願発明に係るヘアゴム1によれば、適宜の間隔を置いて配置されるこぶ部によるファッション性を有するとともに、弾性変形可能な外層4のこぶ部とその内部に配置される弾性変形可能な芯材5との組み合わせとする場合、ヘアゴムとして最適な弾性力を発揮することができる。もちろん、芯材5を非伸縮性の紐としても、ヘアゴムとして適度な弾性力を有することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 ヘアゴム
2 こぶ部
3 連結部
4 外層
5 芯材
7 ナイロン糸
8 ゴム糸
【要約】
【課題】弾性変形可能な環状のヘアゴムにおいて、ファッション性に優れ、かつ最適な弾性力を発揮させることを目的とする。
【解決手段】ヘアゴムは、外層と当該外層の内部に配置される芯材からなり、外層は、外層用糸を疎に編み込んだこぶ部と、外層用糸を密に編み込むことで形成したこぶ部より小径な連結部から構成され、外層のこぶ部は弾性変形可能であり、芯材は、伸縮性を有する紐、又は非伸縮性の紐で構成され、こぶ部の内部に弛緩及び/又は蛇行するよう配置する。
【選択図】
図1