(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態である包装袋10の正面図である。また、
図2は、この包装袋10を開封した際の一部拡大図である。なお、本願の図面では、発明を理解しやすくするために、タックシール24で覆われた切り込み線22を太実線で描いているが、実際には、この切り込み線22は、タックシール24で覆われ、外部からは視認できない。また、以下の説明における「上」、「下」とは、吊下部20を利用して包装袋10を吊り下げ保持した状態での「上」、「下」である。
【0015】
包装袋10は、可撓性のシート材からなり、正面視略矩形の平袋である。この包装袋10の内部には、内容物(図示せず)が収容される。内容物は、乾燥したシート状であれば特に限定されないが、比較的柔らかいシート状物、例えば、マスク、ガーゼ、ワイパー、紙おむつ等が特に適している。こうしたシート状物は、広げた状態、あるいは、包装袋10に対応した大きさに折り畳まれた状態で包装袋10に収容される。収容される内容物は、単数または複数で個包装されたものでもよい。
【0016】
包装袋10は、シート材から構成される。シート材の材質は、内容物の種類や、コスト等に応じて適宜変更できるが、シート材は、耐衝撃性や耐磨耗性など、包装体としての基本的な機械的特性を備えることが要求される。また、シート材は、製造の都合上、ヒートシール性も要求される。本実施形態において、シート材は、少なくとも、ヒートシール性を付与するシーラントフィルムと、包装体としての基本的な機械的特性を付与する熱可塑性フィルムとが積層された多層シートとなっている。高いガスバリア性が要求される場合には、シート材は、さらに、バリア層を有していてもよい。
【0017】
シーラントフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のヒートシール性の熱可塑性樹脂から構成される延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0018】
前記熱可塑性フィルムとしては、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の熱可塑性樹脂から構成される一層又は二層以上の延伸又は未延伸フィルムが例示できる。
【0019】
バリア層(例えば、ガスバリア性や光バリア性を有する層)としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルムに、アルミニウム等の金属、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。また、蒸着フィルムを用いる代わりに、シーラントフィルムや熱可塑性フィルムに金属や無機化合物などを直接蒸着してもよい。また、シート体には、必要に応じて、物品等に関する名称や説明、デザインを表示するための印刷層を設けてもよい。
【0020】
また、後に詳説するように、本実施形態では、シート材の一部を上下方向に破断して開封するため、シート材は、少なくとも、上下方向への破断が容易な引き裂き性を有していることが望ましい。引き裂き性を付与するために、シート材を構成するフィルムの少なくとも一つは、一軸延伸であることが望ましい。なお、引き裂き性を担保できるのであれば、シート材を構成するフィルムに未延伸や二軸延伸のものが含まれてもよい。
【0021】
本実施形態の包装袋10は、1枚のシート材を、折り曲げるとともに、一部を接合することで構成される。すなわち、包装袋10を構成する際には、まず、1枚のシート材の幅方向両端の裏面同士を接合して筒状体を構成する。続いて、この筒状体の上端および下端において互いに対向するシート材同士を接合することで、包装袋10が構成される。幅方向両端の裏面同士を接合した部分は、背びれ状の縦シール部(図示せず)となる。この縦シール部は、第二面の幅方向略中央に位置している。また、上端および下端における接合部は、それぞれ、上縁シール部14および下縁シール部16となる。
【0022】
本実施形態では、この上縁シール部14に、当該包装袋10を吊り下げ保持するための吊下部20を設けている。吊下部20は、包装袋10を吊り下げ保持するバーやフック等が係止される部位で、例えば、貫通孔や、
図1に示すようなC字状の切り込みが吊下部20として機能する。
図1に示すようなC字状の切り込みの場合、当該切り込みで囲まれた部位を押すことで、バー等が挿通される孔が形成される。こうした吊下部20は、上縁シール部14の幅方向略中央に設けられている。ただし、吊下部20は、左右均等に配されるのであれば、一つに限らず、複数設けられてもよい。また、その形状も、略円状に限らず、他の形状、例えば、幅方向に長尺な楕円形等でもよい。
【0023】
包装袋10の第一面12には、当該包装袋10の開閉を可能にするための切り込み線22およびタックシール24が設けられている。切り込み線22は、包装袋10の非シール部18に形成されている。より具体的に説明すると、切り込み線22は、包装袋10の幅方向略中央、すなわち、吊下部20の下方位置に形成されている。また、切り込み線22は、包装袋10の下側1/5〜1/3程度の高さ位置に形成されている。また、切り込み線22の幅は、包装袋10の幅の略1/3程度である。さらに、切り込み線22は、上側に凸の円弧状であり、その両端は、斜め下方向に向いている。
【0024】
なお、こうした切り込み線22の位置や形状は、一例であり、取り出す内容物のサイズや、柔らかさによって適宜変更してもよい。すなわち、後に詳説するように、本実施形態では、この切り込み線22をきっかけとして、包装袋10のシート材を破断し、内容物を取り出すための開口部32を形成する。したがって、内容物を取り出すための開口部32の形状やサイズは、切り込み線22の位置および形状に依存する。したがって、切り込み線22は、取り出したい内容物の態様に応じて決定されることが望ましい。特に、切り込み線22の幅は、収容状態の内容物の幅よりも小さくする。例えば、ガーゼが四つ折りにされた状態で包装袋10に収容されている場合、切り込み線22の幅は、四つ折り状態のガーゼよりも小さくすることが望ましい。
【0025】
包装袋10の第一面12には、この切り込み線22を覆うタックシール24も設けられている。このタックシール24は、裏面に感圧式の接着剤が塗布されており、第一面12に繰り返し着脱できるようになっている。タックシール24は、切り込み線22を覆えるのであれば、その形状やサイズは、特に限定されない。ただし、材料費の観点から考えれば、タックシール24は、切り込み線22を覆うことができる範囲で、極力小さいことが望ましい。また、不正な開封の発見を容易にするためには、タックシール24の下端は、下縁シール部16より上側にある、すなわち、タックシール24と下縁シール部16との間に、シールされていない非シール部18が露出していることが望ましい。タックシール24の上端縁には、接着剤が塗布されていない把持部26が形成されている。ユーザは、包装袋10を開封する際には、当該把持部26を把持して、タックシール24を引っ張る。
【0026】
包装袋10の第一面12のうち、切り込み線22と下縁シール部16との間には、幅方向に連続する模様28が描かれている。図示例では、明暗が交互に並ぶストライプ模様28が描かれている。かかる模様28は、包装袋10の不正な開封の発見を容易にするために設けられている。ただし、図示した模様28は、一例であり、少なくとも、切り込み線22の端部と下縁シール部16との間に設けられ、幅方向に連続する模様であれば、他の模様でもよい。
【0027】
次に、以上のような構成の包装袋10を開閉する際の流れについて説明する。本実施形態の包装袋10は、当該包装袋10を手に持った状態でも当然に開封できるが、当該包装袋10を吊り下げ保持しておけば、片手で開封できる。すなわち、包装袋10の吊下部20に、フックやバーを挿通し、包装袋10を吊り下げた状態にしておく。この状態で、第一面12に貼着されたタックシール24を下方向に引っ張り、当該タックシール24を第一面12から剥がす。このとき、包装袋10全体が下方向に引っ張られるが、吊下部20がフック等に係止されているため、包装袋10は、タックシール24の引っ張り力に抗して、その場に留まる。換言すれば、包装袋10をフック等で吊り下げ保持しておけば、ユーザは、当該包装袋10を手で押さえていなくても、容易に、タックシール24を剥がすことができる。
【0028】
タックシール24を下方向に引っ張って剥がすと、切り込み線22の両端近傍に力がかかり、当該両端近傍から、下方に向かってシート材が破断していく。このシート材の破断は、下縁シール部16に到達するまで進行する。そして、最終的には、
図2に示すように、第一面12から部分的に分離した帯状舌片30が形成されるとともに、第一面12の一部に、帯状舌片30相当のサイズおよび形状の開口部32が形成される。この状態になれば、ユーザは、当該開口部32から内容物を取り出す。
【0029】
ここで、既述した通り、本実施形態では、切り込み線22の幅を、収容状態の内容物の幅よりも小さくしている。例えば、ガーゼを四つ折りにして包装袋10に収容している場合、切り込み線22の幅は、この四つ折り状態のガーゼの幅より小さくしている。切り込み線22の幅をかかる大きさに設定しておけば、内容物の幅は、開口部32の幅より小さくなるため、包装袋10の開封後、内容物の意図しない落下を防止することができる。一方、本実施形態の内容物は、柔らかく変形容易なシート状物であるため、開口部32を介して外部に露出した内容物の一部を手で引っ張ると、当該内容物は、開口部32の形状に合わせて変形し、当該開口部32から引っ張りだすことができる。一つの内容物を取りだした後は、帯状舌片30で開口部32を覆うように、帯状舌片30を持ち上げて、タックシール24を元の場所に再貼着すれば、開口部32は、簡易的に塞がれ、残りの内容物を適切に保存することができる。そして、再度、内容物を取り出したい場合には、再度、タックシール24を引っ張って剥がせばよい。
【0030】
ここで、これまで説明した開閉の手順、すなわち、タックシール24を下方に引っ張って剥がして開封し、開口部32から内容物を引っ張って取り出し、タックシール24を元の場所に貼り付けて再封する、という手順は、包装袋10を吊り下げ保持しておけば、全て、片手で行うことができる。片手で全ての手順を行うことができるため、ユーザの手間をより軽減できる。
【0031】
また、本実施形態では、包装袋10を最初に開封する際には、シート材の破断という不可逆な加工を施すことになる。そのため、不正な開封があった場合には、その痕跡が、シート材の破断として、明確に残ることになる。特に本実施形態では、切り込み線22と下縁シール部16との間に、幅方向に連続する模様28を施している。かかる模様28は、シート材が破断された場合、この破断個所において模様28の連続性が損なわれることになる。結果として、破断の有無、ひいては、不正な開封の有無をより容易に発見することができる。
【0032】
次に、他の実施形態について説明する。
図3は、第二実施形態の包装袋10の一部拡大図であり、
図4は、開封した包装袋10の一部拡大図である。第二実施形態の包装袋10は、第一実施形態の包装袋10と類似しているが、切り込み線22と、下縁シール部16との間に、補助加工線34が形成されている点で相違する。この補助加工線34は、シート材の強度(コシ)を低下させる線であり、例えば、切り込みを間欠的に形成するミシン目線や、シート材の厚み未満の深さの溝を形成するハーフカット線等が該当する。本実施形態では、この補助加工線34を、下縁シール部16の上端のすぐ上側に形成している。補助加工線34の幅は、切り込み線22の幅よりも大きい。また、補助加工線34は、幅方向に真っ直ぐ伸びる直線形となっている。
【0033】
かかる包装袋10でも、タックシール24を引っ張って剥がすと、切り込み線22の両端からシート材の破断が、下方に向かって進む。ただし、このシート材の破断は、補助加工線34を越えては進みにくく、シート材の破断は、補助加工線34に到達した時点で停止する。換言すれば、補助加工線34を設けることで、下縁シール部16に到達する前に、破断を停止できる。結果として、補助加工線34を用いれば、シート材の破断の停止位置を自由に設定することができ、開口部32の大きさや位置の自由度をより向上できる。また、包装袋10の再封が不要な場合には、帯状舌片30を、補助加工線34に沿って切り取ることで、恒久的な開口部32を形成することもできる。
【0034】
また、こうした補助加工線34は、シート材を破断して形成される帯状舌片30の跳ね上がりも防止できる。これについて、
図5を参照して説明する。
図5(a)は、第二実施形態の包装袋10の概略縦断面図であり、
図5(b)は、第一実施形態の包装袋10の概略縦断面図である。
【0035】
包装袋10を開封した場合には、切り込み線22の幅相当の帯状舌片30が形成される。補助加工線34が無い場合、この帯状舌片30の根元は、
図5(b)に示すように、適度なコシ(弾性)を持っており、帯状舌片30は、緩やかな弧を描いて、手前側に飛びだしている。そして、帯状舌片30の先端に貼着されているタックシール24は、開口部32とほぼ同じ高さに位置することになる。この場合、開口部32から内容物を取り出す際に、当該内容物とタックシール24の接着面とが当たりやすくなり、タックシール24の接着力の低下等の問題を招いていた。また、内容物が、薄いガーゼのように比較的弱いシート状物の場合、取り出しの過程でシート状物がタックシール24の接着面に当たって貼りつき、これを無理に剥がそうとすると、シート状物が破損する恐れもあった。
【0036】
一方、第二実施形態のように補助加工線34を設けた場合、帯状舌片30の根元には、補助加工線34が存在することになる。この補助加工線34は、シート材の破断を容易にするために、シート材に、ミシン目加工やハーフ加工を施しており、シート材の強度を低下させている。かかる補助加工線34が、根元にあることで、帯状舌片30の根元は、コシ(弾性)がなくなり、帯状舌片30は、根元から折れ曲がりやすくなる。そのため、
図5(a)に示すように、タックシール24の高さが、開口部32より低くなりやすくなる。結果として、開口部32から内容物を取り出す際に、当該内容物とタックシール24の接着面とが当たりにくくなり、タックシール24の接着力の低下や、内容物の破損といった問題を効果的に防止できる。
【0037】
次に、第三実施形態について、
図6〜
図8を参照して説明する。
図6は、第三実施形態の包装袋10の一部拡大図であり、
図7は、開封した包装袋10の一部拡大図である。さらに、
図8は、再封した包装袋10の一部拡大図である。第三実施形態の包装袋10は、第一実施形態の包装袋10と類似しているが、下縁シール部16の下端に、略四角形の切り欠き36が形成されている点で相違する。この切り欠き36は、幅方向略中央、すなわち、切り込み線22の下方に形成されている。切り欠き36は、上側に近づくにつれて幅細となる略台形であり、その最小幅W2は、切り込み線22の幅W1よりも大きく、その最大幅W3は、タックシール24の最大幅W4より小さい(W1<W2≦W3<W4)。また、下縁シール部16の上端縁からタックシール24の下端までの距離H2は、下縁シール部16の上端縁から切り欠き36の上端までの距離H1より大きく、下縁シール部16の上端縁から下縁シール部16の下端(切り欠き36の下端)までの距離H3より小さくなっている(H1<H2<H3)。
【0038】
かかる包装袋10において、包装袋10を開封する場合は、第一実施形態と同様に、タックシール24を引っ張って剥がし、シート材を切り込み線22の両端から下方に向かって破断する。これにより、開口部32および帯状舌片30が形成される。帯状舌片30を下方に垂れ下げると、タックシール24は、切り欠き36より幅広であるため、
図7に示すように、その幅方向両端の一部が、下縁シール部16と重複した状態となる。帯状舌片30を垂れ下げただけの場合、このタックシール24の重複箇所は、下縁シール部16より手前側に位置している。本実施形態では、このタックシール24または下縁シールをねじらせて、タックシール24の重複箇所を下縁シール部16より奥側に移動させる。そして、
図7に示すように、タックシール24の重複箇所を下縁シール部16の第二面に貼着する。このようにタックシール24の一部を、下縁シールの第二面に貼着すると、
図5(b)に示すような帯状舌片30の浮き上がりが防止できる。結果として、第二実施形態と同様に、タックシール24の接着力の低下や、内容物の破損といった問題を効果的に防止できる。
【0039】
包装袋10を再封する際には、
図8に示すように、タックシール24を下縁シール部16の第二面に貼着した状態のまま、下縁シール部16ごと、帯状舌片30を持ち上げて、タックシール24を第一面12に貼着する。すなわち、包装袋10を、
図7におけるラインLあたりで谷折りにして、タックシール24を、位置A付近に貼着する。このように、下縁シール部16ごと持ち上げて再封することにより、開口部32全体を覆うことができ、包装袋10の内部への異物侵入などをより効果的に防止できる。また、下縁シール部16の上側で折り曲げるため、再封後の包装袋10のサイズをさらに低減できる。
【0040】
以上の説明から明らかな通り、第一〜第三実施形態のいずれの形態であっても、片手で包装袋10の開封および再封ができる。また、第一〜第三実施形態のいずれの形態であっても、最初に開封すれば、包装袋10には、シートの破断という、開封の痕跡が残るため、不正な開封を容易に発見することができる。
【0041】
なお、これまで説明した構成は、いずれも一例であり、吊下部20と、切り込み線22と、タックシール24とを備えているのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、幅方向に連続する模様28は、
図1、
図2にのみ図示しているが、他の包装袋10にも、同様の幅方向に連続する模様28を施してもよい。
【0042】
また、切り込み線22やタックシール24の位置、サイズ、形状は、適宜、変更されてもよい。例えば、
図9に示すように、切り込み線22およびタックシール24を、包装袋10の高さ方向略中央に設けてもよい。この場合、タックシール24を引っ張って剥がすことで、包装袋10の高さの略1/2の大きさの大きな開口を形成することができ、比較的大型であったり、固めであったりするシート状物も容易に取り出すことができる。
【0043】
また、切り込み線22は、少なくとも幅方向に長さを持つのであれば、その形状は、限定されず、
図10(a)に示すよう略台形状でもよいし、
図10(b)に示すような、幅方向に延びる直線状でもよいし、
図10(c)に示すような略V字形でもよい。ただし、切り込み線22は、その両端がシート材の破断を誘導する方向に下がった形状であることが望ましい。また、切り込み線22は、その高さ方向幅が大きければ大きい程、当該切り込み線22を覆うタックシール24も大きくする必要があるため、可能であれば、高さ方向幅を小さく抑えることが望ましい。
【0044】
また、切り込み線22は、連続した切り込みで形成される必要はなく、
図10(a)に示すように、途中に、切り込みが途絶えた繋ぎ部38が形成されてもよい。かかる繋ぎ部38を設けることにより、製袋時(タックシール24貼着前)に、意図せずに、切り込み線22周辺がめくれあがる等して、意図しない破断が進むことを防止できる。なお、
図10(a)では、発明の理解を容易にするために、繋ぎ部38を実際より大きく図示しているが、実際には、繋ぎ部38は、極微小(0.5mm前後)である。こうした繋ぎ部38は、包装袋10の開封を阻害しない範囲であれば、複数、設けられてもよい。
【0045】
また、タックシール24の形状も、
図10(a)に示すような略台形状に限らず、
図10(b)に示すような略三角形状、
図10(c)に示すような略楕円形状としてもよい。また、例えば、
図2に示すように、タックシール24の下端に、幅方向に並ぶ一対の切り込み線やU字ノッチ等である係止部40を形成し、包装袋10を、開封した際には、当該係止部40に下縁シール部16の下端を挿し込んで、開封状態を維持するようにしてもよい。また、タックシール24ではなく、下縁シール部16の下端に係止部を形成し、この下縁シール部16の係止部40にタックシール24を係止するようにしてもよい。
【0046】
また、包装袋10そのものの形態も適宜、変形してもよく、長方形に限らず、正方形や円形等の包装袋10としてもよい。また、包装袋10を、両サイドや底部にガセット(マチ)を有した形態としてもよい。さらに、本実施形態では、1枚のシート材で包装袋10を形成したが、複数のシート材で構成してもよい。また、シート材は、複層に限らず単層のフィルムで構成してもよい。