(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記書込手段は、前記仮想空間内のオブジェクトのうち画面表示されるオブジェクトに関する情報を、前記情報記憶媒体に書き込む、請求項2に記載の情報処理プログラム。
前記書込手段は、前記仮想空間内のオブジェクトのうち、書き込みの指示を受け付けたときに画面表示されているオブジェクトに関する情報を、前記情報記憶媒体に書き込む、請求項3に記載の情報処理プログラム。
前記更新手段は、前記情報記憶媒体に格納された利用可能なコンテンツ情報に加えて、前記情報記憶媒体の種類に応じて定められたコンテンツ情報に基づいて、前記コンテンツの利用可否状態を更新する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
前記書込手段は、選択指示に従って選択された1または複数のコンテンツの情報を前記利用可能なコンテンツ情報として、前記情報記憶媒体に書き込む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
前記書込手段は、前記利用可能なコンテンツ情報を前記情報記憶媒体に書き込む前に、以前に書き込まれた利用可能なコンテンツ情報が前記読込手段により読み込まれていなければ、ユーザへ告知する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との間で実行される情報処理方法であって、前記第1および第2の情報処理装置の各々は、情報記憶媒体と近距離無線通信によりデータを遣り取りする通信手段と、予め用意されている、互いに同一なコンテンツの実体であるデータと、当該コンテンツの利用可否状態を示す情報とを保持する保持手段とを備えており、前記情報処理方法は、
前記第1の情報処理装置が、利用可能なコンテンツ情報を前記情報記憶媒体に書き込む書込ステップと、
前記第2の情報処理装置が、前記情報記憶媒体から前記利用可能なコンテンツ情報を読み込む読込ステップと、
前記第2の情報処理装置が、前記読み込んだ利用可能なコンテンツ情報に基づいて、前記コンテンツの利用可否状態を更新する更新ステップとを備える、情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0025】
[A.情報処理装置100の構成]
まず、本実施の形態に従う情報処理装置100の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に従う情報処理装置100の構成例を示す模式図である。
【0026】
図1を参照して、情報処理装置100は、情報記憶媒体であるRFタグ200との間で近距離無線通信が可能な任意のコンピュータである。
【0027】
本実施の形態においては、近距離無線通信の一例として、情報処理装置100とRFタグ200との間でNFC(Near Field Communication)規格に基づく通信が行なわれる場合を例として説明する。
【0028】
本実施の形態に従う近距離無線通信は、NFC通信であってもよい。但し、近距離無線通信とは、一例として一方の装置からの電波によって(例えば、電磁誘導によって)他方の装置に起電力を発生させる任意の通信方式を包含する。他方の装置は、発生した起電力によって動作することが可能である(他方の装置は、電源を有していてもよいし、そうでなくてもよい)。
【0029】
近距離無線通信においては、情報処理装置100とRFタグ200とが接近した場合(典型的には両者の距離が十数センチ以下となった場合)に通信可能となる。また、近距離無線通信では、2つの通信装置の通信が確立している間(通信装置に他のタグが接近している間)は電波が送出され続ける。なお、一例として電波によって通信する方式について説明したが特にこれに限られず光でもよいし、他の媒体を用いた通信でもよくその方式については何ら限定しない。
【0030】
情報処理装置100は、近距離無線通信が可能な任意の情報処理装置である。本実施の形態においては、情報処理装置100は、例えば、携帯型ゲーム装置、携帯電話、あるいはスマートフォン等といった、携帯型(可搬型とも言う)の装置であってもよいし、パーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機等といった据置型の装置であってもよいし、業務用のアーケードゲーム装置のような大型の装置であってもよい。例えば、情報処理装置100は、NFCリーダライタの機能を有する携帯機器であってもよい。
【0031】
RFタグ200は、情報処理装置100との間で近距離無線通信が可能な任意の装置である。本実施の形態においては、RFタグ200は、NFCタグの機能を有する情報記憶媒体である。すなわち、タグは、近距離無線通信を行なう回路(ICチップ)と、データを記憶する記憶手段(メモリ等)とを備える。すなわち、読み書き可能な回路を含むRFID(Radio Frequency IDentification)である。RFタグ200は、データを記憶する機能のみを有する装置(RFタグ)であってもよく、例えば、NFCのカードエミュレーション機能を有する情報処理装置(携帯機器)であってもよい。
【0032】
RFタグ200は、カード型の筐体(ケース)に内蔵されていてもよいし、フィギュア内に内蔵されていてもよい。
【0033】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)102と、第1表示部104と、第2表示部106と、メインメモリ108と、入力部110と、通信チップ112と、通信部114を含む。
【0034】
CPU102は、情報処理装置100で実行される各種の情報処理を実行するための処理主体(処理手段)である。CPU102は、記憶部120に格納されている情報処理プログラム122を読み込んでメインメモリ108に展開して、後述するような情報処理を実行する。
【0035】
第1表示部104および第2表示部106は、CPU102で実行される情報処理の結果として生成される画像および情報を表示する。本実施の形態においては、一例として、複数の表示部を備える情報処理装置100を示すが、単一の表示部のみを有する構成であってもよい。あるいは、1または複数の外部の表示部を情報処理装置100が利用する構成であってもよい。
【0036】
入力部110は、ユーザまたは外部装置からの指示を受け付ける。入力部110としては、典型的には、各種ボタン、操作レバー、タッチパネル、マウスなどによって実現される。あるいは、入力部110としては、各種の通信インターフェイスによって実現してもよい。
【0037】
通信チップ112は、RFタグ200との間で遣り取りされる無線信号を処理する回路であり、典型的には、NFCチップを用いて実装される。通信部114は、近距離無線通信に用いられるアンテナである。より具体的には、通信チップ112は、CPU102からの指示に従って、通信部114から送出される電波または信号を生成するとともに、通信部114を介して受信されるRFタグ200からの応答信号をデコードする。このように、情報処理装置100においては、CPU102が情報処理プログラム122を実行することで、通信部114および通信チップ112を用いて、RFタグ200(情報記憶媒体)と近距離無線通信によりデータを遣り取りする通信機能を実現する。
【0038】
記憶部120は、CPU102がアクセス可能な任意の記憶装置(記憶媒体)である。記憶部120は、情報処理プログラム122に加えて、アプリケーションおよびオペレーティングシステムなどを格納する。記憶部120は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体を用いて実装される。あるいは、記憶部120は、例えば、光ディスクおよびカートリッジ等の情報処理装置100に着脱可能な記憶媒体を用いて実装してもよい。この場合、情報処理装置100および任意の記憶媒体を含む情報処理システムとして構成してもよい。
【0039】
情報処理装置100は、複数の独立した装置の組み合わせによって実現してもよい。例えば、CPU102および入力部110に相当するエレメントを備える第1の装置と、通信チップ112および通信部114に相当するエレメントを備える第2の装置とを着脱可能に接続される構成であってもよい。このような構成は、情報処理装置に代えて、情報処理システムと称されてもよい。あるいは、CPU102に相当するエレメントを備える本体装置と、入力部110、第1表示部104、および第2表示部106を備える装置とが別体である構成を採用してもよい。
【0040】
他の実施形態として、情報処理装置100は、本体装置と、入力部110および、第1表示部104および第2表示部106を有する端末装置とによって構成されてもよいし、本体装置と、入力部110を有する操作装置とによって構成されてもよい。また、情報処理装置100は、第1表示部104および第2表示部106を備えず、テレビを表示装置として用いる構成であってもよい。
【0041】
また、他の実施形態として、情報処理装置100において実行される情報処理の少なくとも一部が、ネットワーク(広域ネットワークおよび/またはローカルネットワーク)によって通信可能な複数の装置によって分散していてもよい。
【0042】
[B.概要]
次に、本実施の形態に従う情報処理装置100が複数含まれる情報処理システムでの処理について概説する。ユーザは、複数の情報処理装置100を用いて、本実施の形態に従う情報処理を楽しむことができる。典型的には、複数の情報処理装置100が関係して本実施の形態に従う情報処理が実行されるため、本明細書においては、複数の情報処理装置100を含む全体を「情報処理システム」と称す。但し、システムとして明確に具現化されているとは限らず、友達同士のユーザがそれぞれ保有する情報処理装置100の間で、後述するような情報処理が実行される場合であっても、それられの情報処理装置100が、本実施の形態に従う「情報処理システム」を構成するとみなすことができる。
【0043】
図2は、本実施の形態に従う情報処理システム1での処理概要を示す模式図である。
図2を参照して、一例として、情報処理装置100−1(第1の情報処理装置)および情報処理装置100−2(第2の情報処理装置)から構成される情報処理システム1について例示する。
【0044】
上述したように、情報処理装置100−1,100−2の各々は、RFタグ200(情報記憶媒体)と近距離無線通信によりデータを遣り取りする通信機能を有している。
【0045】
本実施の形態に従う情報処理の一形態として、ユーザがRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと、情報処理装置100−1が保持している情報の一部がRFタグ200に書き込まれる((1)情報格納)。ユーザが、情報の書き込まれたRFタグ200を情報処理装置100−2にかざすと、情報処理装置100−2は、RFタグ200に格納されている情報を読み込み、その読み込んだ情報を用いて、自装置が保持している情報を更新する((2)情報マージ)。
【0046】
本実施の形態において、RFタグ200を介して遣り取りされる情報は、情報処理装置100−1および情報処理装置100−2で利用することができるコンテンツの情報、種類、数などを示す、利用可能なコンテンツ情報を含み得る。
【0047】
本明細書において、「コンテンツ」は、情報処理装置100−1,100−2で実行される情報処理装置にて利用される何らかのデータまたは設定値を含む。例えば、情報処理が各種のコミュニケーションのアプリケーションに関連するような場合には、コンテンツは、キャラクタ、アバター、スタンプ、絵文字、背景画像、背景テクスチャなどを含み得る。
【0048】
情報処理が各種のゲームのアプリケーションに関連するような場合には、コンテンツとしては、ゲームに関するコンテンツを含んでいてもよい。この場合、コンテンツの具体例は、上述のものに加えて、オブジェクト、アイテム(または、ゲームアイテム)、プレイ可能なステージ(または、隠しステージ)、ミニゲームなどを含み得る。
【0049】
以下では、主として、アプリケーションで使用されるオブジェクトがコンテンツである場合を例に説明する。
【0050】
[C.アプリケーション例]
次に、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションの一例について説明する。本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションは、コミュニティシミュレーションゲームとも分類されるゲームアプリケーションである。ユーザは、ゲーム内の仮想空間(ゲーム空間)において、1または複数のキャラクタを操作して、オブジェクト(例えば、ゲームアイテムなど)を使って活動し、あるいは、ゲーム空間内のキャラクタあるは別のユーザが操作するキャラクタとの間でコミュニケーションすることができる。
【0051】
図3および
図4は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションの一例を示す模式図である。
図3および
図4には、各ユーザが保持しているオブジェクトを用いて、ゲーム空間内でそれを自在に利用するようなゲーム処理を示す。より具体的には、ユーザは、自身が保持している家具のオブジェクトを自身の家(または、それに含まれる部屋)に自在に配置することができる。複数のユーザがプレイしている場合には、他のユーザが操作するキャラクタを自身が作成した家または部屋へ招待することもできる。
【0052】
本実施の形態においては、コンテンツの一例として家具のオブジェクトが用いられる。すなわち、コンテンツの一例として、情報処理の一例であるゲームアプリケーションによって管理される仮想空間内のオブジェクトが用いられる。
【0053】
情報処理装置100は、各ユーザが自在にアレンジできる、すなわち自由に利用できる家具のオブジェクトの利用可否状態を保持および管理する。各ユーザが自身の家に配置することができる家具のオブジェクトは、ゲーム中で生じる各種イベントやゲーム進行などに応じて増減されてもよい。本実施の形態において、利用可能なコンテンツ情報は、アプリケーションにおいて予め用意されている家具のオブジェクトのうち、利用できる家具のオブジェクトを特定するための情報を含む。
【0054】
本実施の形態において、コンテンツの利用可否状態とは、アプリケーション内で利用可能な複数のオブジェクトのうち、いずれのオブジェクトが利用可能であるか、および/または、いずれのオブジェクトが利用不可能であるかを示す情報を含む。具体的なデータ構造としては、アプリケーション内で利用可能な複数のオブジェクトの各々について、利用可能または利用不可能を示す情報が関連付けられていてもよいし、利用可能なオブジェクトのみがリストされていてもよいし、利用不可能なオブジェクトのみがリストされていてもよい。このようなコンテンツの利用可否状態は、ユーザ毎に保持および管理されてもよいし、情報処理装置100毎に保持および管理されてもよい。
【0055】
本実施の形態においては、RFタグ200には特定の識別情報(以下、他の識別情報との区別のため、「カード識別情報」とも称す。)が割り当てられており、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100(厳密には、通信部114)にかざすと、情報処理装置100は、当該RFタグ200に格納されているカード識別情報に対応するキャラクタをゲーム空間に登場させることもできる。なお、RFタグ200の表面には、各RFタグ200に割り当てられたカード識別情報に対応するキャラクタが描かれていてもよい。
【0056】
図3(A)を参照して、情報処理装置100−1の第1表示部104には、ゲーム空間が表示されており、当該ゲーム空間内には、ユーザが操作するメインキャラクタ150が表示されている。ゲーム空間として、ユーザが自在にアレンジできる部屋が表現されている。情報処理装置100−1のユーザは、自身が保持している1または複数の家具のオブジェクトから適宜選択されたオブジェクトを、ゲーム空間内の任意の位置に配置することができる。
図3(A)の例では、3つのオブジェクト152,154,156が配置されている。
【0057】
図3(A)に示す状態において、情報処理装置100−1では、RFタグ200を第2表示部106に近づけることで、ゲーム空間内にキャラクタを登場させることができる旨が告知されている。すなわち、第2表示部106には、「カードをかざすとキャラクタを呼び出すことができます」といったメッセージ160が表示されている。
【0058】
ここで、
図3(B)に示すように、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと、当該RFタグ200に格納されているカード識別情報に対応するキャラクタがゲーム空間内に登場するような演出が実行される。
【0059】
本実施の形態に従う情報処理装置100−1では、第2表示部106に近接した位置に通信部114(
図1)が配置されている。RFタグ200が第2表示部106に接近することで、情報処理装置100−1とRFタグ200との間でデータの遣り取りが開始される。このデータの遣り取りによって、情報処理装置100−1は、RFタグ200に格納されているカード識別情報を読み込む。そして、情報処理装置100−1は、読み込まれたカード識別情報に対応するゲストキャラクタ170を特定し、ゲーム空間に具現化する。このゲストキャラクタ170の登場に併せて、「キャラクタXがやってきました」といったメッセージ172が第1表示部104に表示される。
【0060】
情報処理装置100−1は、利用可能なコンテンツ情報として、利用可能な家具のオブジェクトに関する情報を、情報記憶媒体であるRFタグ200に書き込む書込機能を有している。
【0061】
ここで、
図3(C)に示すように、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと、コンテンツの一例である、オブジェクトの情報がRFタグ200に書き込まれる。すなわち、RFタグ200が第2表示部106に接近することで、情報処理装置100−1とRFタグ200との間でデータの遣り取りが開始される。このデータの遣り取りによって、情報処理装置100−1は、利用可能なコンテンツ情報をRFタグ200に書き込む。
【0062】
図3(C)に示す状態において、情報処理装置100−1では、第2表示部106に近づけられたRFタグ200に対して、利用可能なコンテンツ情報が書き込まれている旨が告知されている。具体的には、第1表示部104には、「家具を覚えています」および「書き込みが終わるまでタッチし続けて下さい」といったメッセージ174が表示されている。また、第2表示部106には、「家具を覚えています」といったメッセージ164が表示されている。
【0063】
RFタグ200に利用可能であるとして書き込まれる対象のコンテンツは、情報処理装置100−1において、利用可能になっているコンテンツの全部であってもよいし、その一部であってもよい。
図3に示す例においては、比較的広いゲーム内の仮想空間(ゲーム空間)内に存在するオブジェクトのうち、第1表示部104または第2表示部106に画面表示されるオブジェクトに関する情報を、情報記憶媒体であるRFタグ200に書き込むようにしてもよい。例えば、ユーザは、家具のオブジェクトを、自身の家の中で自在に配置することができる。このとき、各ユーザの家には、複数の部屋が存在しており、ユーザ操作によってキャラクタが自在に部屋の間を移動することができるようになっている。そのため、利用可能なコンテンツ情報として、各ユーザの家を構成する複数の部屋にそれぞれ配置された家具のオブジェクトのすべてを対象としてもよいし、特定の部屋に配置されたオブジェクトのみ、または、現実にユーザが見ているオブジェクトのみに限定してもよい。
【0064】
例えば、
図3(C)に示すように、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすことで、RFタグ200への書き込みの指示が受け付けられる。情報処理装置100は、仮想空間内のオブジェクトのうち、その書き込みの指示が受け付けられたときに、現実に画面表示されているオブジェクトに関する情報のみを、情報記憶媒体であるRFタグ200に書き込むようにしてもよい。このように、RFタグ200に書き込む対象のオブジェクトを、現実にユーザが見ているものに限定することで、ユーザはいずれのオブジェクトに関する情報がRFタグ200に書き込まれたのかを一見して把握することができる。
【0065】
次に、同一のユーザまたは別のユーザが、RFタグ200を別の情報処理装置100−2にかざすと、当該RFタグ200に書き込まれているコンテンツ情報が読み込まれて、情報がマージされる。
【0066】
図4(A)を参照して、情報処理装置100−2の第1表示部104には、情報処理装置100−2において現時点で利用可能な家具のオブジェクトの一覧を示す一覧画面180が表示されている。
図4(A)に示す一覧画面180では、3つのオブジェクト182が利用可能であるとして提示されている。
【0067】
情報処理装置100−2は、情報記憶媒体であるRFタグ200から、利用可能なコンテンツ情報として、利用可能な家具のオブジェクトに関する情報を読み込む読込機能を有している。
図4(A)に示す状態において、情報処理装置100−2では、RFタグ200を第2表示部106に近づけることで、当該RFタグ200に格納されている利用可能な家具のオブジェクトの情報を読み込むことができる旨が告知されている。すなわち、第2表示部106には、「カードをかざすと家具を追加できます」といったメッセージ190が表示されている。
【0068】
ここで、
図4(B)に示すように、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100−2にかざすと、RFタグ200から利用可能なオブジェクトの情報が読み込まれ、一覧画面180での一覧表示が更新される。すなわち、情報処理装置100−2は、情報記憶媒体であるRFタグ200から読み込んだ、利用可能なコンテンツ情報である利用可能な家具のオブジェクトに関する情報に基づいて、情報処理装置100−2でのオブジェクトの利用可否状態を更新する更新機能を有している。
【0069】
より具体的には、RFタグ200には、
図3(A)において表示されていたピアノ、イス、ベッドにそれぞれ対応する情報が格納されており、情報処理装置100−2がRFタグ200から格納されている情報を読み込むことで、一覧画面180においては、オブジェクト184、186、188が追加される。
【0070】
情報処理装置100−1では、RFタグ200から利用可能なオブジェクトの情報が読み込まれた旨が告知されている。すなわち、第2表示部106には、「家具が追加されました」といったメッセージ192が表示されている。
【0071】
このように、情報処理装置100−1において、利用可能な家具のオブジェクトに関する情報がRFタグ200に書き込まれるとともに、情報処理装置100−1とは別の情報処理装置100−2においては、RFタグ200から読み込まれた利用可能な家具のオブジェクトに関する情報を反映して、利用可能な家具のオブジェクトの利用可否状態が更新される。このように、情報記憶媒体であるRFタグ200を介して、複数の情報処理装置100間(すなわち、複数のユーザ間)で利用可能なコンテンツ情報を交換することで、ゲームアプリケーションでのユーザの楽しみが広がるとともに、他のユーザとのコミュニケーションを促進することもできる。
【0072】
図3および
図4を用いた説明においては、便宜上、情報処理装置100−1が、利用可能なコンテンツ情報を情報記憶媒体に書き込む書込機能を有しており、情報処理装置100−2が、情報記憶媒体から利用可能なコンテンツ情報を読み込む読込機能、および、情報記憶媒体から読み込んだ利用可能なコンテンツ情報に基づいて、コンテンツの利用可否状態を更新する更新機能を有している構成について例示したが、情報処理装置100−1と情報処理装置100−2との間で、その役割が入れ替わることもある。つまり、情報処理装置100−1および情報処理装置100−2は、いずれも、読込機能、書込機能、更新機能のすべてを有していることが好ましい。
【0073】
以下の説明においては、複数の情報処理装置100に関するデータの遣り取りを説明する際には、必要に応じて、情報処理装置100−1が利用可能なコンテンツ情報をRFタグ200に書き込み、情報処理装置100−2がRFタグ200から利用可能なコンテンツ情報を読み込むとともに、利用可能なコンテンツ情報に基づいてコンテンツの利用可否状態を更新するものとする。
【0074】
[D.情報格納および情報マージの実装例]
次に、RFタグ200に書き込まれる利用可能なコンテンツ、および、情報処理装置100での情報マージの実装例について説明する。
【0075】
(d1:実装例1)
図5は、本実施の形態に従う情報処理システム1での情報格納および情報マージの実装例1を説明するための図である。
図5を参照して、情報処理装置100−2は、オブジェクト管理テーブル300Aを保持および管理している。オブジェクト管理テーブル300Aは、オブジェクト識別ID(IDentification)カラム310と、保持フラグカラム312と、表示名カラム314とを含む。
【0076】
各行のオブジェクト識別IDカラム310の欄には、家具のオブジェクトの各々を特定するための識別情報(以下、他の識別情報との区別のため、「オブジェクト識別情報」とも称す。)が格納される。
【0077】
各行の保持フラグカラム312の欄には、当該行に対応するオブジェクト(すなわち、当該行のオブジェクト識別IDカラム310の欄に格納されたオブジェクト識別情報によって特定されるオブジェクト)を利用可能であるか否かを決定するためのフラグが格納される。
図5に示す例においては、「1」が利用可能であることを示し、「0」が利用不可能であることを示すものとする。すなわち、保持フラグカラム312は、各コンテンツの利用可否状態を示すフラグが格納される。
【0078】
各行の表示名カラム314の欄には、当該行に対応するオブジェクトを表示する際に、併せて表示されるオブジェクト名(表示名)が格納される。なお、表示名カラム314は、必ずしも必要ではない。例えば、オブジェクト識別IDカラム310の欄に格納されたオブジェクト識別情報によって特定されるオブジェクトのデータの一部に、表示名などの情報が含まれている場合には、その一部のデータを用いて、オブジェクトを適宜表示すればよい。
【0079】
一方、情報処理装置100−1からRFタグ200に書き込まれる利用可能なコンテンツ情報は、利用することができるオブジェクトのオブジェクト識別情報を含む識別情報データセット210を含む。すなわち、識別情報データセット210として、利用可能な1または複数のオブジェクトを特定するための1または複数のオブジェクト識別情報がRFタグ200に書き込まれる。このように、識別情報データセット210は、利用可能に変更される対象のコンテンツを特定するためのユニークなオブジェクト識別情報を含む。
【0080】
情報処理装置100−2は、RFタグ200から読み込んだ識別情報データセット210に基づいて、オブジェクト管理テーブル300Aの内容を更新する。
図5に示す例では、オブジェクト管理テーブル300Aの、識別情報データセット210に含まれるそれぞれのオブジェクト識別情報に対応する、それぞれの行における保持フラグカラム312の値が「0」から「1」にそれぞれ変更される(3つの符号302を参照)。すなわち、情報処理装置100−2は、RFタグ200に格納された識別情報データセット210に含まれるオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトについて、利用不可能な状態から利用可能な状態に更新する。このような更新処理によって、オブジェクト管理テーブル300Aは、オブジェクト管理テーブル300Bのように変更される。
【0081】
図5に示すような識別情報データセット210を採用することで、データを格納するためのRFタグ200の領域が小さくても、利用可能なコンテンツ情報を遣り取りすることができる。
【0082】
(d2:実装例2)
図6は、本実施の形態に従う情報処理システム1での情報格納および情報マージの実装例2を説明するための図である。
図6に示す実装例2は、
図5に示す実装例1に比較して、RFタグ200に格納されるデータ構造が異なっている。より具体的には、RFタグ200には、オブジェクト管理テーブル220が格納される。オブジェクト管理テーブル220は、オブジェクト管理テーブル300Aにおいて定義されているオブジェクトと同数のオブジェクトについて、各オブジェクトが利用可能であるか否かを決定するためのフラグを格納するための領域が設けてある。
【0083】
情報処理装置100−1は、利用することができる1または複数のオブジェクトに対応する保持フラグを「1」にセットした、オブジェクト管理テーブル220を用意し、それをRFタグ200に書き込む。このように、オブジェクト管理テーブル220は、オブジェクト毎の利用可否状態のすべてを含む。
【0084】
情報処理装置100−2は、RFタグ200からオブジェクト管理テーブル220を読み込み、その読み込んだオブジェクト管理テーブル220に基づいて、オブジェクト管理テーブル300Aの内容を更新する。典型的な処理として、情報処理装置100−2は、オブジェクト管理テーブル300Aの保持フラグカラム312のデータ列と、オブジェクト管理テーブル220の保持フラグカラム312のデータ列との間で、対応する各データについての論理和を算出し、オブジェクト管理テーブル300Bを出力する。
【0085】
図6に示すようなオブジェクト管理テーブル220を採用することで、オブジェクト管理テーブル300Aからオブジェクト管理テーブル300Bへの更新処理をより簡素化および高速化できる。
【0086】
(d3:オブジェクト管理テーブルの初期設定)
図5および
図6に示す実装例においては、オブジェクト管理テーブル300Aが所与である前提で説明したが、オブジェクト管理テーブル300Aの初期設定(更新前のコンテンツの利用可否状態)については、予め定められた内容を一律に決定してもよいし、各種の情報(例えば、アプリケーションを利用するユーザのステータスなど)に基づいて動的に決定してもよい。一例として、RFタグ200の種類などに応じて、オブジェクト管理テーブル300Aの初期設定を動的に決定する方法について説明する。
【0087】
図3および
図4を参照して説明したように、典型的には、RFタグ200の表面には、予めアプリケーション内で利用可能な複数のキャラクタのうち1つが描かれている。RFタグ200は、その表面に描かれているキャラクタに対応するオブジェクト識別情報を格納している。例えば、ユーザは、アプリケーションの開始前または実行中に設定操作を行なうことができる。ユーザは、情報処理装置100上で選択したキャラクタを操作することができる。あるいは、ユーザは、いずれかのRFタグ200を情報処理装置100にかざすことで、RFタグ200の表面に描かれているキャラクタを自身が操作するキャラクタとして設定できるようにしてもよい。
【0088】
この設定操作において、情報処理装置100は、RFタグ200から読み込まれたカード識別情報に基づいて、オブジェクト管理テーブル300Aを初期設定してもよい。
【0089】
図7は、本実施の形態に従う情報処理システム1でのオブジェクト管理テーブルの初期設定を実現するためのデータ構造の一例を示す図である。
図7(A)には、RFタグ200のデータ構造の一例を示し、
図7(B)には、情報処理装置100が保持するオブジェクト管理テーブル群300のデータ構造の一例を示す。
【0090】
図7(A)を参照して、RFタグ200は、各RFタグ200の種類を特定するための情報であるカード識別ID202と、利用可能なコンテンツ情報204とを格納している。カード識別ID202としては、それを格納するRFタグ200の表面に描かれているキャラクタに対応した値が設定される。利用可能なコンテンツ情報204は、
図5に示す識別情報データセット210、または、
図6に示すオブジェクト管理テーブル220を含む。
【0091】
図7(B)を参照して、情報処理装置100は、RFタグ200の種類に応じた数のオブジェクト管理テーブルからなる、オブジェクト管理テーブル群300を保持している。オブジェクト管理テーブル群300に含まれるそれぞれのオブジェクト管理テーブルのカード識別ID欄320には、RFタグ200に設定され得るそれぞれのカード識別ID202に対応する値が格納されている。情報処理装置100は、いずれかのRFタグ200からカード識別IDの値を読み込むと、その読み込んだ値と同一の値がカード識別ID欄320に設定されているオブジェクト管理テーブルを選択する。そして、情報処理装置100は、その選択したオブジェクト管理テーブルの内容をオブジェクト管理テーブル300Aの初期設定値として決定する。
【0092】
このような設定処理によって、オブジェクト管理テーブル300Aの初期設定の内容を、RFタグ200の種類に応じて動的に決定することができる。
【0093】
なお、ユーザが設定操作において用いるRFタグ200と、上述したようなオブジェクトの利用可否状態を更新する処理に用いるRFタグ200とは、同一である必要はない。すなわち、設定操作においては、第1のRFタグ200に格納されているカード識別IDに基づいて、オブジェクト管理テーブル300Aの初期設定の内容が決定され、その後の更新処理においては、第2のRFタグ200に格納されている利用可能なコンテンツ情報204に基づいて、コンテンツの利用可否状態が更新されてもよい。
【0094】
あるいは、その逆の構成として、設定操作に用いたRFタグ200と同種類のRFタグ200でなければ、オブジェクトの利用可否状態を更新できないようにしてもよい。
【0095】
以上のように、本実施の形態に従う更新機能としては、情報記憶媒体であるRFタグ200に格納された利用可能なコンテンツ情報204に加えて、RFタグ200の種類に応じて定められたコンテンツ情報(オブジェクト管理テーブル300A)に基づいて、コンテンツの利用可否状態を更新するようにしてもよい。
【0096】
さらに別の実装例として、オブジェクト管理テーブル300Aの初期設定として、すべてのオブジェクトを利用不可能に設定してもよい。この場合には、実質的に、RFタグ200から読み込んだ利用可能なコンテンツ情報204のみに基づいて、コンテンツの利用可否状態が更新されることになる。
【0097】
(d4:コンテンツの利用可否状態の出力)
情報処理装置100に対して、上述したような更新処理によって得られた更新後のコンテンツの利用可否状態(
図5および
図6に示されるオブジェクト管理テーブル300B)を出力する出力機能を実装してもよい。このような出力機能の典型例としては、第1表示部104および/または第2表示部106上で、コンテンツの利用可否状態を視覚的に表現する方法がある。
【0098】
図5および
図6を参照して説明したように、オブジェクト管理テーブル300Aに定義されており、当初から利用可能なオブジェクトと、RFタグ200に格納された利用可能なコンテンツ情報204(
図5の識別情報データセット210、または、
図6のオブジェクト管理テーブル220)に定義されることで利用可能になったオブジェクトとが存在し得る。このような場合、各オブジェクトがいずれの方法で利用可能になったのかを識別可能な状態で出力するようにしてもよい。例えば、第1表示部104および/または第2表示部106に更新後のコンテンツの利用可否状態を出力するような場合には、
図4(B)に示すように、RFタグ200に格納された利用可能なコンテンツ情報204によって利用可能になったオブジェクト184,186,188について、「NEW」といったサブオブジェクト185,187,189を近接または一部重ねて表示してもよい。このようなサブオブジェクトをオブジェクトとともに表示することで、ユーザは、RFタグ200をかざすことでいずれのオブジェクトが利用可能になったのかを一見して把握することができる。
【0099】
このように、更新後のコンテンツの利用可否状態を出力する出力機能を実装した場合には、利用可能な各コンテンツが、情報記憶媒体であるRFタグ200に格納された利用可能なコンテンツ情報204と、RFタグ200の種類に応じて定められたコンテンツ情報(オブジェクト管理テーブル300A)とのいずれによって利用可能になったのかを識別可能に出力するようにしてもよい。
【0100】
なお、出力機能の別形態として、ネットワークまたは任意のインターフェイスを介して、他の表示装置、他の情報処理装置100、ネットワーク上のサーバなどへ、更新後のコンテンツの利用可否状態を出力してもよい。この場合にも、各オブジェクトが、情報記憶媒体であるRFタグ200に格納された利用可能なコンテンツ情報204によって利用可能になったものであるか、あるいは、RFタグ200の種類に応じて定められたコンテンツ情報によって利用可能になったものであるかを識別するための情報を付加してもよい。
【0101】
[E.処理手順]
図8は、本実施の形態に従う情報処理システム1で実行されるアプリケーションの処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す各ステップは、典型的には、情報処理装置100−1および情報処理装置100−2のそれぞれのCPU102(
図1)が情報処理プログラムを実行することで実現される。
【0102】
情報処理装置100−1でアプリケーションの実行が開始されると(ステップS100)、情報処理装置100−1におけるオブジェクト管理テーブルが初期設定される(ステップS102)。続いて、情報処理装置100−1は、
図3(A)に示すようなゲーム空間を表示するとともに、ユーザ操作に応じた処理を実行する(ステップS104)。
【0103】
そして、情報処理装置100−1は、RFタグ200がかざされたか否かを判断する(ステップS106)。ユーザがRFタグ200を情報処理装置100−1にかざさなければ(ステップS106においてNOの場合)、ステップS104以下の処理が繰り返される。
【0104】
ユーザがRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと(ステップS106においてYESの場合)、情報処理装置100−1は、RFタグ200からカード識別情報を読み込み、当該読み込んだカード識別情報に対応するキャラクタが、既にゲーム空間に存在しているか否かを判断する(ステップS108)。
【0105】
当該読み込んだカード識別情報に対応するキャラクタが、既にゲーム空間に存在していなければ(ステップS108においてNOの場合)、情報処理装置100−1は、RFタグ200からカード識別情報を読み込み、当該読み込んだカード識別情報に対応するキャラクタをゲーム空間に登場させる(ステップS110)。
【0106】
一方、当該読み込んだカード識別情報に対応するキャラクタが、既にゲーム空間に存在していれば(ステップS108においてYESの場合)、情報処理装置100−1は、利用可能なコンテンツ情報として、利用可能な家具のオブジェクトに関する情報をRFタグ200に書き込む(ステップS112)。この利用可能なコンテンツ情報が書き込まれたRFタグ200は、ユーザが自在に情報処理装置100−2に対しても使用することができる。
【0107】
ステップS110の実行後、または、ステップS112の実行後、情報処理装置100−1は、アプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する(ステップS114)。アプリケーションの終了が指示されていなければ(ステップS114においてNO)、ステップS102以下の処理が繰り返される。アプリケーションの終了が指示されると(ステップS114においてYES)、情報処理装置100−1でのアプリケーションの実行は終了する。
【0108】
これに対して、情報処理装置100−2でアプリケーションの実行が開始されると(ステップS200)、情報処理装置100−2におけるオブジェクト管理テーブルが初期設定される(ステップS202)。続いて、情報処理装置100−2は、
図4(A)に示すようなゲーム空間を表示するとともに、ユーザ操作に応じた処理を実行する(ステップS204)。
【0109】
そして、情報処理装置100−2は、RFタグ200がかざされたか否かを判断する(ステップS206)。ユーザがRFタグ200を情報処理装置100−2にかざすと(ステップS206においてYESの場合)、情報処理装置100−2は、RFタグ200から利用可能なコンテンツ情報を読み込む(ステップS208)。そして、情報処理装置100−2は、読み込んだ利用可能なコンテンツ情報に基づいて、コンテンツの利用可否状態を更新する(ステップS210)。
【0110】
そして、情報処理装置100−2は、アプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する(ステップS212)。アプリケーションの終了が指示されていなければ(ステップS212においてNO)、ステップS204以下の処理が繰り返される。アプリケーションの終了が指示されると(ステップS212においてYES)、情報処理装置100−2でのアプリケーションの実行は終了する。
【0111】
図8には、説明の便宜上、情報処理装置100−1での書込処理、ならびに、情報処理装置100−2での読込処理および更新処理を分けて示しているが、単一の情報処理装置100がそれぞれの情報処理装置100で実行されるステップのいずれも実行可能に構成してもよい。
【0112】
[F.付加的な機能・処理]
本実施の形態に従う情報処理システム1に対して、以下のような付加的な機能・処理を追加してもよい。なお、以下の機能・処理のうち、任意に選択された複数の機能・処理を適宜組み合わせて実装してもよい。
【0113】
(f1:書き込み対象のオブジェクトのユーザによる選択)
上述の実施の形態においては、
図3(B)または
図3(C)に示すような状態において、RFタグ200を情報処理装置100にかざすと、表示されている家具のオブジェクトが利用可能なコンテンツ情報として自動的にRFタグ200に書き込まれる実装例について例示した。表示されているオブジェクトの数が多い場合、または、RFタグ200に書き込める利用可能なコンテンツ情報のサイズに制限があるような場合には、利用可能なコンテンツ情報として書き込まれるオブジェクトをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0114】
図9は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションにおいて書き込み対象のオブジェクトを選択する処理の一例を示す模式図である。
図9に示す状態において、情報処理装置100−1に対して、利用可能なコンテンツ情報として、利用可能な家具のオブジェクトに関する情報を書き込む準備ができているとする。ここで、情報処理装置100−1の第2表示部106には、「カードをかざすと家具を覚えることができます」といったメッセージ162が表示されている。
【0115】
この状態において、ユーザがいずれかのRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと、ユーザに対して、いずれのオブジェクトを、利用可能なコンテンツ情報としてRFタグ200に書き込むべきかの選択が促される。具体的には、第1表示部104には、「どの家具を覚えますか?」といったメッセージ176とともに、書き込み対象のオブジェクト候補177が表示されている。ユーザは、入力部110などを操作して、書き込み対象のオブジェクトを選択する。この選択されたオブジェクトが、利用可能なコンテンツ情報としてRFタグ200に書き込まれる。
【0116】
このように、情報処理装置100の書込機能は、選択指示に従って選択された1または複数のコンテンツの情報を利用可能なコンテンツ情報として、情報記憶媒体であるRFタグ200に書き込む。
【0117】
上述のような書き込み対象のオブジェクトをユーザに選択させることで、RFタグ200の記憶容量に制限がある場合であっても対処が容易になる。ユーザは、自身が選択したオブジェクトが利用可能なコンテンツ情報としてRFタグ200に書き込まれるので、利用可能にしたいオブジェクトを自在に選択することで、趣向性を向上させることができる。
【0118】
(f2:RFタグ200からの読込回数または読込頻度の管理)
上述の実施の形態においては、書込機能および更新機能によって、任意の情報処理装置100でのオブジェクトの利用可否状態を更新することができる。オブジェクトの利用可否状態を更新が更新される情報処理装置100の数については、制限してもよいし、そうでなくてもよい。制限しない場合には、一旦、RFタグ200に利用可能なコンテンツ情報を書き込むと、任意の数の情報処理装置100に対して、オブジェクトの利用可否状態を更新することができる。制限を設けないことで、ユーザ間のコミュニケーションの輪をより容易に広げることができる。
【0119】
一方、書込回数に対する制限、または、書き込み頻度(例えば、1日あたりの書き込み可能回数)に対する制限、を設ける場合には、より密なユーザ間のコミュニケーションの構築を促進することができる。あるいは、アイテムなどのオブジェクトに対して、「レア」感を醸成することもできる。以下、RFタグ200からの読込回数または読込頻度に対して制限を設ける場合の実装例について説明する。
【0120】
図10は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションにおいて読込回数または読込頻度を制限するための構成例を示す模式図である。
図10を参照して、RFタグ200は、各RFタグ200の種類を特定するための情報であるカード識別ID202および利用可能なコンテンツ情報204に加えて、読込回数206を格納している。
【0121】
読込回数206には、RFタグ200から利用可能なコンテンツ情報204が読み込まれた総回数、または、所定期間内に読み込まれた回数が格納される。典型的には、情報処理装置100−2の読込機能がRFタグ200から利用可能なコンテンツ情報204を読み込んだ際に、読込回数206の値を更新する。また、情報処理装置100−2の読込機能は、読込回数206の値が予め定められた条件が満たしているか否かを判断し、条件が満たされている場合に限って、RFタグ200から利用可能なコンテンツ情報204を読み込む。
【0122】
予め定められた条件としては、読込回数206の値が予め定められた上限値に達していない、あるいは、読込回数206に有効な値が設定されているといった条件が想定される。
【0123】
このように、情報記憶媒体であるRFタグ200は、利用可能なコンテンツ情報204に対応付けて、読込機能により読み込まれた回数を管理する管理情報である読込回数206を格納している。そして、情報処理装置100−2の読込機能は、RFタグ200に格納されている読込回数206の値が予め定められた条件を満たしているときに、RFタグ200から利用可能なコンテンツ情報204を読み込む。
【0124】
このような構成を採用することで、あるユーザが使えるオブジェクトを他のユーザも使えるようにコミュニケーションを行なえるようなシステムを構築した際に、システム運営者側でオブジェクトの拡散の度合いを適切に管理できる。
【0125】
(f3:RFタグ200への書込回数または書込頻度の管理)
上述の実施の形態においては、利用可能なコンテンツ情報として書き込まれるオブジェクトは、予め定められたオブジェクトのうち、現実に画面表示されているもの、あるいは、ユーザが選択したものが設定される。このような構成に加えて、例えば、他のユーザとコミュニケーションをより積極的に行なったユーザに対しては、より多くの種類のオブジェクトを、利用可能なコンテンツ情報として書き込むことができるようにしてもよい。
【0126】
あるいは逆に、予め定められた複数種類のオブジェクトのそれぞれについて、利用可能なコンテンツ情報として書き込める回数または頻度を制限するようにしてもよい。
【0127】
すなわち、情報処理装置100−1の書込機能は、利用可能なコンテンツ情報のRFタグ200への書込回数または書込頻度に応じて、利用可能なコンテンツ情報に含ませることのできるコンテンツの数を変化させてもよい。
【0128】
図11は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションにおいて書込回数または書込頻度を制限するための構成例を示す模式図である。
図11を参照して、情報処理装置100−1は、オブジェクト管理テーブル300Cに加えて、書込回数330を保持している。
【0129】
オブジェクト管理テーブル300Cは、オブジェクト識別IDカラム310、保持フラグカラム312、表示名カラム314に加えて、書込可能フラグカラム316を含む。各行の書込可能フラグカラム316の欄には、当該行に対応するオブジェクトを、利用可能なコンテンツ情報としてRFタグ200に書き込むことができるか否かを示すフラグが格納される。
図11に示す例においては、「1」が書込可能であることを示し、「0」が書込不可能であることを示すものとする。
【0130】
書込回数330には、利用可能なコンテンツ情報をRFタグ200へ書き込んだ総回数、または、所定期間内に書き込んだ回数が格納される。典型的には、情報処理装置100−1の書込機能が利用可能なコンテンツ情報をRFタグ200に書き込んだ際に、書込回数330の値を更新する。また、情報処理装置100−1の書込機能は、書込回数330の値が予め定められた条件が満たしているか否かを判断し、条件が満たされている場合には、当該条件に対応する処理を実行する。
【0131】
図11には、条件に該当する処理として、書込回数330の値が「1」から「2」に増加すると、オブジェクト管理テーブル300Cに含まれるいくつかのオブジェクトのエントリに対応する、書込可能フラグカラム316の値が「0」から「1」に変更される処理を示す。すなわち、書込回数330が予め定められたしきい値を超えると、当初は利用可能なコンテンツ情報として書き込むことが許容されていなかったオブジェクトが、利用可能なコンテンツ情報として書き込まれるようになる(符号317を参照)。情報処理装置100−2は、書込可能フラグカラム316の値が変更されることで生成されたオブジェクト管理テーブル300Dを保持することになる。
【0132】
なお、
図11に示す処理とは逆に、書込回数330の値が「1」から「2」に増加すると、いくつかのオブジェクトについて、書込可能フラグカラム316の値を「1」から「0」に変更してもよい。すなわち、書込回数330が予め定められたしきい値を超えると、当初は利用可能なコンテンツ情報として書き込むことが許容されていたオブジェクトを、利用可能なコンテンツ情報として書き込みすることができなくなるようにしてもよい。
【0133】
上述のように、利用可能なコンテンツ情報のRFタグ200への書込回数または書込頻度に応じて、利用可能なコンテンツ情報に含ませることのできるコンテンツの数を増加させることで、ユーザ間のコミュニケーションをより活性化するような動機付けが生まれる。逆に、利用可能なコンテンツ情報のRFタグ200への書込回数または書込頻度に応じて、利用可能なコンテンツ情報に含ませることのできるコンテンツの数を減少させることで、特定のオブジェクトの拡散する範囲を制限できるので、アイテムなどのオブジェクトに対して、「レア」感を醸成することもできる。
【0134】
(f4:RFタグ200への書き込み前の告知)
例えば、ユーザが複数のRFタグ200を有しているような場合には、それぞれのRFタグ200を用いて、オブジェクトの利用可否状態を更新したか否かを一見して識別することが難しい。そのため、何らかの利用可能なコンテンツ情報をあるRFタグ200に書き込んだものの、それを利用することなく、別の利用可能なコンテンツ情報を書き込んでしまうような場合も想定される。
【0135】
そこで、情報処理装置100の書込機能は、利用可能なコンテンツ情報を情報記憶媒体であるRFタグ200に書き込む前に、以前に書き込まれた利用可能なコンテンツ情報がいずれかの情報処理装置100の読込機能により読み込まれていなければ、ユーザへ告知するようにしてもよい。ここで、利用可能なコンテンツ情報が読み込まれているか否かは、
図10に示すRFタグ200に格納される読込回数206に基づいて判断してもよい。
【0136】
図12は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションにおいてRFタグ200への書き込み前の告知例を示す模式図である。
図12を参照して、例えば、
図3(B)または
図3(C)に示すような状態において、ユーザがRFタグ200を情報処理装置100−1にかざすと、情報処理装置100−1は、RFタグ200に格納されている読込回数206(
図10参照)の値を読み込む。その読み込んだ読込回数206の値が「0」である場合には、利用可能なコンテンツ情報が未だ読み込まれていないと判断する。このように判断された場合には、ユーザに対する告知が行なわれる。具体的には、情報処理装置100−1の第2表示部106には、「このカードが覚えている家具は一度も利用されていません。新たに覚え直しますか?」といったメッセージ178が表示されている。ユーザは、入力部110などを操作して、利用可能なコンテンツ情報のRFタグ200への書き込みを続行するか否かを指示する。情報処理装置100−1は、ユーザの指示に応じて、RFタグ200への書き込みを続行するか否かを判断する。
【0137】
上述のようなRFタグ200への書き込み前の告知を行なうことで、一度も利用されていない利用可能なコンテンツ情報を、誤って上書きしてしまう事態を防止できる。
【0138】
(f5:RFタグ200への書き込みが制限されたオブジェクト)
利用可能なコンテンツ情報に含ませることのできるコンテンツに対して、何らかの制限を加えてもよい。すなわち、利用可能なコンテンツ情報に含めることが許可されていないコンテンツを予め定めていてもよい。例えば、複数のオブジェクトのうち、特定のオブジェクトについては、利用可能なコンテンツ情報に含ませることができないようにしてもよい。このような制限を設定することで、特定のアイテムなどのオブジェクトに対して、「レア」感を醸成することができる。
【0139】
図13は、本実施の形態に従う情報処理を適用したアプリケーションにおいて特定のオブジェクトを利用可能なコンテンツ情報に含めることを制限するための構成例を示す模式図である。
図13を参照して、情報処理装置100が管理するオブジェクト管理テーブル300Eは、オブジェクト識別IDカラム310、保持フラグカラム312、表示名カラム314に加えて、書込禁止フラグカラム318を含む。各行の書込禁止フラグカラム318の欄には、当該行に対応するオブジェクトを、利用可能なコンテンツ情報に含めることができるか否かを示すフラグが格納される。
図13に示す例においては、「1」が書込禁止であることを示し、「0」が書込禁止されていないことを示すものとする。
【0140】
なお、
図13には、各オブジェクトに対する書込禁止が設定されているか否かを示す個別のフラグを設ける構成について例示したが、
図11に示す書込可能フラグカラム316を用いて、同様の書込禁止であるか否かを設定するようにしてもよい。
【0141】
[G.利点]
従来技術においては、ICタグ自体に割り当てられた識別情報を読み込んで、当該ICタグに関連付けられた1つのフラグを設定してデータまたはアイテムを使えるようする程度のものであった。これに対して、本実施の形態においては、ある情報処理装置100にて可能なコンテンツ情報をRFタグ200に格納し、別の情報処理装置100で読み込ませることで、例えば、情報処理装置100の仮想空間に配置されるオブジェクトと同じオブジェクトを、別の情報処理装置100でも利用できるようにするといった処理が可能になる。
【0142】
このような機能によって、複数ユーザ間でのコミュニケーションをより円滑化することができる。
【0143】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。