(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
(実施の形態1)
図1〜
図6を用いて、本発明の実施の形態1のラベル管理システム、方法及びプログラムについて説明する。実施の形態1のラベル管理方法は、実施の形態1のラベル管理システムで実行される方法である。実施の形態1のラベル管理プログラムは、実施の形態1のラベル管理システムに処理を実行させるプログラムである。
【0016】
[ラベル管理システム]
図1は、実施の形態1のラベル管理システムの構成を示す。
図1ではシステム全体をラベル管理システムとした。実施の形態1のラベル管理システムは、インターネットや専用回線等のWAN53に対して接続される、販売会社本部50の本部コンピュータ51と、店舗10の店舗コンピュータ1及びLAN9と、を有する。店舗10は、販売会社に属する1つ以上の店舗である。
【0017】
本部コンピュータ51は、商品マスタDB52を管理している。商品マスタDB52は、各店舗10で販売する各商品の商品情報を含む。この商品情報は、商品IDや通常価格等の情報を含む。商品IDは商品の識別情報であり、通常価格は商品の基本的な販売価格を示す。本部コンピュータ51は、本部の人の操作に基づいて、WAN53及びLAN9を介して、各店舗10の店舗コンピュータ1と通信し、商品マスタDB52から商品情報を提供する。
【0018】
店舗10のシステムは、LAN9、店舗コンピュータ1、ラベル2、検出装置3、POSレジ端末4、無線LANアクセスポイント5、ラベルリーダライタ6、棚7、等を有する。店舗コンピュータ1、検出装置3、POSレジ端末4、及び無線LANアクセスポイント5は、LAN9に接続されており、相互に通信可能である。LAN9は、有線LANでも無線LANでもよい。
【0019】
店舗コンピュータ1は、店舗10の店員が使用するPCやサーバ等のコンピュータであり、ラベル管理ソフトウェア11、販売管理ソフトウェア12、DB13、DB14、等を備える。例えば、店舗10の店員として販売管理の責任者は、店舗コンピュータ1を操作し、販売管理やラベル管理を行う。
【0020】
ラベル管理ソフトウェア11は、ラベル2の表示内容の書き替えの制御を含む、ラベル管理の処理を実行させるプログラムである。DB13は、ラベル管理DBであり、ラベル管理に係わる各種のデータ及び情報が格納されている。ラベル管理ソフトウェア11は、DB13を用いて、商品8の価格や販促情報を含む、ラベル2の表示情報を決定及び管理し、ラベル2の表示情報の書き替えのためのラベル書き替え情報を作成及び出力する。ラベル管理ソフトウェア11は、ラベル書き替え情報を、無線LANアクセスポイント5またはラベルリーダライタ6の少なくとも一方を通じて、ラベル2に転送する。
【0021】
販売管理ソフトウェア12は、店舗10で販売する商品8に関する販売管理の処理を実行させるプログラムである。DB14は、販売管理DBであり、販売管理に係わる各種のデータ及び情報が格納されている。販売管理ソフトウェア12は、DB14を用いて、店舗10内の商品8の入荷や在庫を管理し、売上等の販売実績情報を管理し、棚7に陳列される商品8に関する陳列数等を含む店頭在庫を管理する。販売管理ソフトウェア12は、POSレジ端末4と通信で連係し、POS管理を含む販売管理を行う。
【0022】
ラベル2は、表示内容の書き替えが可能な電子ラベル機器である。ラベル2は、棚7または商品8に対して関連付けて付与または設置される。例えば、1つの棚7に1つのラベル2が設置される。例えば、1つの商品8に1つのラベル2が設置される。
【0023】
棚7は、店舗10内のエリア等に設置されている。棚7は、各種のタイプが適用可能である。棚7は、例えば、鉛直方向に立ち、側面の広い開口面に複数の仕切り板が設けられ、仕切り板上に複数の商品8が陳列されるタイプでもよい。その棚7において、仕切り板の手前等の所定位置に、ラベル2が固定で設置される。棚7は、例えば、水平方向に広い開口面を持ち、その中に複数の商品8が陳列されるタイプでもよい。その棚7において、中央等の所定位置に、ラベル2が固定で設置される。なお、商品8には、ラベル2とは別に、個別の商品情報をバーコード等の形で記載した既存のラベル等が付与されている場合がある。
【0024】
検出装置3は、店舗10内に配置されており、設定に基づいて、対象とする棚7の付近の状況を検出する装置である。検出装置3は、棚7、商品8、及び顧客等の状況を検出し、その状況を表す検出情報D1を、LAN9を通じて、店舗コンピュータ1へ送信する。検出装置3は、棚7の商品8の陳列数等を含む、棚7及び商品8の状況を検出する。検出装置3は、顧客が棚7や商品8に近付いたことや離れたこと、顧客が棚7の商品8を手に取ったことやその商品8を戻したこと等、顧客の挙動を含む顧客の状況を検出する。
【0025】
実施の形態1では、検出装置3は、解析部31、カメラ32を備える。カメラ32は、予め設定された、対象となるエリアや通路における棚7の付近を含む範囲を撮影し、撮影画像データを得る。解析部31は、カメラ32の撮影画像データを入力し、所定の画像処理を行うことにより、棚7、商品8、及び顧客の状況を解析し、解析結果データを得る。検出装置3は、解析結果データに基づいた解析情報D1を、店舗コンピュータ1のラベル管理ソフトウェア11へ向けて送信する。
【0026】
解析部31は、例えば、画像間の差分から動きを検出することにより、商品8の移動や顧客の挙動を検出する。解析部31は、例えば、画像からの顔や体の認識処理により、顧客の存在や人数や属性等を検出する。顧客属性は、例えば性別、年齢層、大人や子供の区別等が挙げられる。
【0027】
検出装置3は、対象として、棚7に限らず、店舗10の入口等を観察することにより、店舗10の現在時点の全体状況として、来店顧客数等を含む、混雑や閑散の状況を判断及び検出してもよい。
【0028】
検出装置3は、カメラ32等に限らず、各種の手段を適用可能であり、例えばビーコン、RFID、赤外線センサ等の技術も適用可能である。例えば、検出装置3は、RFIDリーダを用いて、商品8に付与されているRFIDタグからID等の情報の読み取りや読み取り不可状態の認識により、商品8の位置の移動を検出してもよい。例えば、検出装置3は、所定位置の赤外線信号の遮断等の状態を検出することにより、顧客による所定位置の通過や移動を検出してもよい。
【0029】
検出装置3または店舗コンピュータ1は、LAN9及びWAN53に接続して情報を取得することにより、店舗10に係わる状況を判断してもよい。例えば、検出装置3は、店舗10の付近の天候状況や交通状況の情報を取得することにより、店舗10への顧客の来店数を予想してもよい。また、検出装置3または店舗コンピュータ1は、過去の検出情報D1をDBに蓄積しておき、当該DBのデータ分析、例えば統計処理により、店舗10の状況を判断してもよい。
【0030】
POSレジ端末4は、POS機能を持つレジ端末であり、店員の操作に基づいて、商品販売に係わる決済処理を行う。顧客は、棚7から購買する商品8を取り出し、POSレジ端末4の所に持ち込む。店員は、POSレジ端末4で、商品8のバーコードを読み取り、顧客による現金またはクレジットカード等の支払いを受けて、商品8の購買に関する決済を行う。POSレジ端末4は、商品8のPOS情報を、ジャーナル54に格納する。POSレジ端末4は、ジャーナル54のPOS情報を、店舗コンピュータ1に送信する。
【0031】
店舗コンピュータ1の販売管理ソフトウェア12は、随時、POSレジ端末4からPOS情報を取得し、所定の処理を施し、販売実績情報を含む情報として、DB14に格納する。販売管理ソフトウェア12は、顧客が商品8を購買した場合、即ち、新たな販売実績情報が発生した場合、それに対応する販売実績情報D2をラベル管理ソフトウェア11に送信する。販売実績情報D2は、商品ID、販売日時、販売価格等を含み、当該商品を購買した顧客の情報、例えば顧客IDや顧客属性を含んでもよい。
【0032】
販売管理ソフトウェア12、POSレジ端末4、または、連係する他のシステムは、商品8を購買した顧客個人または顧客属性を特定する機能を有する。例えば、POSレジ端末4は、付近に設置されたカメラの画像の解析処理から、あるいは、決済時の顧客のクレジットカード等の情報から、顧客個人または顧客属性を特定してもよい。店員は、POSレジ端末4で顧客属性を入力してもよい。なお、ラベル管理システムは、顧客個人の顧客情報を扱う場合、データ暗号化等、所定のセキュリティ確保処理を施す。
【0033】
無線LANアクセスポイント5は、店舗10内の無線LANの基地局装置であり、ラベル2との無線通信を行う機能を有する。無線LANアクセスポイント5は、設定に基づいて、店舗コンピュータ1からLAN9を通じてラベル書き替え情報を受信し、そのラベル書き替え情報を、所定のアドレス及びラベルIDを持つラベル2へ無線通信で転送する。
【0034】
ラベルリーダライタ6は、店員が使用するハンドヘルド端末であり、ラベル2に情報の読み書きを行う機能を有し、これによりラベル2の表示の書き替えが可能である。店員は、ラベル2の表示を書き替える作業を行う場合、所定の操作により店舗コンピュータ1からラベル書き替え情報をラベルリーダライタ6に転送する。店員は、ラベルリーダライタ6を持って棚7のラベル2の所へ行き、ラベルリーダライタ6をラベル2に近付けて所定の操作を行う。これにより、ラベルリーダライタ6からラベル書き替え情報が近距離無線通信でラベル2に転送される。
【0035】
店員は、ラベルリーダライタ6を用いて、ラベル2内の情報を読み取り、店舗コンピュータ1に反映してもよい。ラベル2内の情報は、棚7や商品8に関する販売管理用の情報が挙げられる。これにより、棚7及び商品8に関する状況の一部、例えば陳列数等を把握することができる。
【0036】
ラベルリーダライタ6は、商品8のバーコードを読み取るバーコードリーダ機能を兼ねるものでもよい。店員は、既存のバーコードリーダ、またはラベルリーダライタ6のバーコードリーダ機能を用いて、商品8に記載のバーコード、またはラベル2に表示されたバーコードを読み取り、その情報を店舗コンピュータ1に反映する。これにより、棚7及び商品8に関する状況の一部、例えば陳列数等を把握することができる。
【0037】
実施の形態1のラベル管理システムは、店舗10の商品8の販売管理と連係して、店舗10の棚7及び商品8に関連付けられたラベル2の表示内容を管理及び制御する。ラベル管理システムは、販売実績を含む、棚7、商品8、及び顧客の状況に応じて、ラベル2の表示情報を決定する。この表示情報は、時間帯や対象顧客毎に変更する商品8の価格及び販促情報等を含む。そして、ラベル管理システムは、時間帯に応じたタイミングで、ラベル2の表示情報を自動的に書き替える。
【0038】
[ラベル表示書き替えに係わる構成]
図2は、店舗コンピュータ1、無線LANアクセスポイント5、ラベルリーダライタ6、及びラベル2等の装置間における、ラベル表示書き替えに係わる構成を示す。店舗コンピュータ1は、通信インタフェース部15を有し、ラベル管理ソフトウェア11により作成したラベル書き替え情報を、通信インタフェース部15による通信処理を通じて、無線LANアクセスポイント5またはラベルリーダライタ6へ転送する。ラベル書き替え情報は、ラベルID、及びラベル表示情報を含み、このラベル表示情報は、価格や販促情報を含む。
【0039】
無線LANアクセスポイント5は、通信インタフェース装置501、無線通信インタフェース装置502を有する。無線LANアクセスポイント5は、通信インタフェース装置501の通信処理を通じて、店舗コンピュータ1からLAN9経由でラベル書き替え情報を受信する。無線LANアクセスポイント5は、ラベル書き替え情報を、無線通信インタフェース装置502による中距離無線通信処理を通じて、対象のアドレス及びラベルIDを持つラベル2へ転送する。なお、LAN9が無線LANである場合、通信インタフェース装置501は無線通信インタフェース装置502に統合できる。
【0040】
ラベルリーダライタ6は、CPU、RAM、ROM、記憶装置、入力装置、表示装置、無線通信インタフェース装置601、等を備える。ラベルリーダライタ6は、店員の操作に基づいて、店舗コンピュータ1からのラベル書き替え情報を、無線通信インタフェース装置601による近距離無線通信処理を通じて受信する。ラベルリーダライタ6は、店員の操作に基づいて、ラベル書き替え情報を、無線通信インタフェース装置601による近距離無線通信処理を通じて、対象のラベル2へ転送する。
【0041】
ラベル2は、無線通信インタフェース部21、ICチップ22、不揮発性メモリ23、バッテリ24、表示部25を備える。ラベル2は、無線LANアクセスポイント5またはラベルリーダライタ6から転送されるラベル書き替え情報を、無線通信インタフェース部21による無線通信処理を通じて受信する。ラベル2は、ICチップ22による制御処理に基づいて、受信したラベル書き替え情報から、表示部25に表示する内容に対応したラベル表示情報を得る。ラベル2は、ICチップ22により、ラベル表示情報を不揮発性メモリ23に格納する。不揮発性メモリ23は、ラベル表示情報を保持する。
【0042】
ラベル2は、ICチップ22により、不揮発性メモリ23のラベル表示情報を、表示部25に出力して反映することにより、表示内容の維持または書き替えを行う。バッテリ24は、ラベル2の表示のための電力を含む電力を供給する。ラベル2は、ラベルリーダライタ6との近距離無線通信の際に電磁誘導により電力を生成する機器等でもよい。その場合、ラベル2は、バッテリ24を省略可能である。表示部25は、複数画素による2次元画面を持ち、例えば液晶、LED、または電子ペーパー等により構成される。
【0043】
実施の形態1では、無線LANアクセスポイント5とラベルリーダライタ6との両方を使用するが、他の実施の形態では、それらの一方のみを使用してもよいし、他の無線通信手段を使用してもよい。
【0044】
[店舗コンピュータ]
図3は、店舗コンピュータ1の機能ブロック構成を示す。店舗コンピュータ1は、ラベル管理ソフトウェア11によるラベル管理部100、販売管理ソフトウェア12による販売管理部200、通信インタフェース部15、入出力インタフェース部16、等を有する。店舗コンピュータ1は、図示しないCPU、RAM、ROM、記憶装置、入力装置、出力装置、バス等を備える。店舗コンピュータ1は、CPU等によるソフトウェアプログラム処理により、ラベル管理部100等を実現する。
【0045】
入出力インタフェース部16は、入力装置や表示装置等の出力装置が接続される部分であり、店員による入力操作を受け付け、店員に対して表示装置の画面で情報を表示する。入出力インタフェース部16は、店員からの入力情報を、ラベル管理部100や販売管理部200へ与える。入出力インタフェース部16は、ラベル管理部100や販売管理部200からの出力情報を、表示装置の画面に出力する。
【0046】
販売管理部200は、店員に対して公知の販売管理機能を提供する。販売管理部200は、通信インタフェース部15を通じて、本部コンピュータ51から、商品情報等を取得し、DB14に反映する。販売管理部200は、通信インタフェース部15を通じて、POSレジ端末4からPOS情報を取得し、DB14に反映する。
【0047】
ラベル管理部100は、詳しくは、検出情報入力部101、販売実績情報入力部102、顧客モニタリング部103、棚商品モニタリング部104、商品価格決定部105、ラベル表示書き替え部106、データ管理部107、及び設定部108を有する。
【0048】
検出情報入力部101は、サーバ機能を含み、検出装置3から、LAN9を通じて、検出情報D1を受信して入力し、メモリに保持する。検出情報入力部101は、検出装置3にアクセスして検出情報D1を取得、収集してもよい。検出情報入力部101は、検出装置3からカメラ32の撮影画像データのような検出データを入力してもよい。
【0049】
販売実績情報入力部102は、サーバ機能を含み、販売管理部200またはDB14から、販売実績情報D2を入力し、メモリに保持する。販売実績情報入力部102は、販売管理部200やDB14にアクセスして販売実績情報D2を取得、収集してもよい。
【0050】
顧客モニタリング部103は、検出情報入力部101から検出情報D1を取得し、販売実績情報入力部102から販売実績情報D2を取得し、取得した情報を用いて、顧客の挙動を含む顧客の状況を判断、検出、把握する。また、顧客モニタリング部103は、顧客の挙動から、顧客の関心度を算出する処理を行う。この関心度は、棚7の付近の顧客による商品8に対する関心の度合いを示す指標値である。顧客モニタリング部103は、顧客の挙動や関心度を含む顧客状況情報D3を、商品価格決定部105へ出力する。
【0051】
顧客モニタリング部103は、棚7の付近の顧客の状況を把握する際、検出情報D1、DB13またはDB14内の顧客情報等を用いて、顧客個人または顧客属性を特定してもよい。例えば、顧客モニタリング部103は、店舗10の顧客の購買実績情報を用いて、お得意様顧客を特定してもよいし、新規来店顧客を判断してもよい。なお、顧客の特定は、厳密な特定でなくてもよく、例えば画像から類似の形状や挙動を持つ人物を同じ顧客個人として推定することでもよい。
【0052】
棚商品モニタリング部104は、検出情報入力部101から検出情報D1を取得し、販売実績情報入力部102から販売実績情報D2を取得し、取得した情報を用いて、棚7及び商品8の状況を判断、検出、把握する。棚7及び商品8の状況とは、棚7に陳列されている商品8の陳列数等の状態や、店舗10の商品8の購買数や在庫数等の状態を含む。棚商品モニタリング部104は、棚7及び商品8の状況を表す、棚商品状況情報D4を、商品価格決定部105へ出力する。
【0053】
顧客モニタリング部103と棚商品モニタリング部104は、連係により、特定の顧客が特定の棚7の特定の商品8を購買したといった、棚7、商品8、顧客に関する状況を検出する。顧客モニタリング部103または棚商品モニタリング部104は、検出データである撮影画像データを用いて、解析部32の処理に相当する処理を行って、棚7、商品8、顧客に関する状況を検出してもよい。
【0054】
商品価格決定部105は、顧客モニタリング部103からの顧客状況情報D3と、棚商品モニタリング部104からの棚商品状況情報D4と、DB13及びDB14の情報とを用いて、商品8の価格や販促情報を決定する。商品価格決定部105は、DB14内の商品8の通常価格を含む商品情報に基づいて、棚7、商品8、及び顧客の状況に応じて、当該商品8の変更後の価格や販促情報を決定する。なお、説明上、通常価格に対して変更後の価格を変更価格と称する。商品価格決定部105は、商品8の変更価格と合わせて、変更後の販促情報等も決定する。
【0055】
商品価格決定部105は、時間帯に応じて異なる情報、及び対象顧客に応じて異なる情報として、変更後情報である変更価格及び販促情報等を決定する。時間帯に応じて異なる情報とは、特定の日時に応じて異なる価格や販促情報による商品販売を行うための情報であり、いわゆるタイムサービス等に対応した情報である。対象顧客とは、顧客個人または顧客属性である。対象顧客に応じて異なる情報とは、顧客個人または顧客属性に適合した価格や販促情報による商品販売を行うための情報である。
【0056】
商品価格決定部105は、棚7、商品8、及び顧客の状況として、棚7の付近での顧客の挙動や、商品8への関心度、及び商品8の購買実績等を考慮して、変更価格及び販促情報を決定する。また、商品価格決定部105は、棚7の商品8の陳列数や、店舗10での売上等の状況を考慮して、変更価格及び販促情報等を決定する。
【0057】
商品価格決定部105は、時間帯や対象顧客毎に関連付けた、変更価格及び販促情報等を含む変更後情報を決定し、変更後情報D5をラベル表示書き替え部106に出力する。
【0058】
ラベル表示書き替え部106は、商品価格決定部105からの変更後情報D5に対応させて、ラベル2及び時間帯毎に関連付けられたラベル表示情報を決定し、決定したラベル表示情報をタイムサービス情報としてDB13に管理する。ラベル表示書き替え部106は、タイムサービス情報に基づいて、ラベル2の表示内容を変更後情報に対応したラベル表示情報に書き替えるためのラベル書き替え情報を作成する。ラベル表示書き替え部106は、対象の時間帯に合わせたタイミングで、ラベル書き替え情報を、自動的に無線LANアクセスポイント5へ転送する。無線LANアクセスポイント5は、転送されたラベル書き替え情報を対象のラベル2へ転送する。ラベル2は、受信したラベル書き替え情報に従い、自身の表示情報を書き替える。
【0059】
あるいは、ラベル表示書き替え部106は、店員の操作に基づいて、対象の時間帯よりも少し前のタイミングで、ラベル書き替え情報を、ラベルリーダライタ6へ転送する。なお、ラベルリーダライタ6に、予め複数の時間帯に対応した複数のラベル書き替え情報を転送しておいてもよい。店員は、ラベルリーダライタ6からラベル書き替え情報を対象のラベル2に転送する。ラベル2は、受信したラベル書き替え情報に従い、自身の表示情報を書き替える。
【0060】
実施の形態1では、時間帯に応じた商品8の変更価格が決定されるが、その時間帯においてその商品8が顧客により購買される場合、即ちPOSレジ端末4で決済が行われる場合、その変更価格が適用される。そのため、ラベル管理部100は、変更価格を含む情報を、DB13またはDB14に反映し、販売管理部200は、その情報を各POSレジ端末4での決済に適用する。
【0061】
店員は、ラベル管理部100が提供する画面で、変更後情報を含むラベル表示情報の内容を確認することができる。即ち、店員は、店舗10の棚7の商品8について、ラベル2の表示情報として、時間帯毎に、どのような対象顧客に対し、どのような価格や販促情報が表示されるかを確認することができる。また、店員は、画面で、その価格を手動で変更することや、販促情報の内容であるテキストや画像等を編集することもできる。
【0062】
データ管理部107は、DB13内の各種のデータを管理し、商品価格決定部104等の各部からの要求に応じてDB13やDB14にアクセスしてデータを読み書きする。データ管理部107は、設定部108を通じて設定されるデータをDB13に登録する。
【0063】
設定部108は、入出力インタフェース部16を介して、店員に対し、ラベル管理及びその設定に係わるGUIとなる画面を提供する。設定部108は、当該画面で受け付けた店員の入力操作に基づいて、各部への指示の送信や、ラベル管理の設定処理を行う。この設定は、ラベル管理部100によるラベル管理機能をオン/オフする設定を含む。ラベル管理機能が、オン状態の場合、価格変更を含むラベル2の表示の書き替えが実行され、オフ状態の場合、当該書き替えが停止され、変更前の通常価格等の表示内容に戻される。
【0064】
また、この設定では、店舗10内でラベル管理を適用する対象の設定が可能である。この設定では、対象とするエリア、棚7、商品8、ラベル2等を設定可能である。例えば、一部の棚7及び商品8をラベル2の表示書き替え対象として指定することができる。また、この設定では、価格変更の対象の時間帯や対象顧客の設定が可能である。例えば、店員は、営業日時や祝日等を考慮して、所望の年月日時分や長さによる時間帯を、表示書き替え対象として指定できる。また、店員は、商品8の特性を考慮して、所望の顧客属性を、表示書き替え対象となる対象顧客として指定できる。
【0065】
また、この設定では、変更価格の上限値や下限値、値上げ率や値下げ率、値上げや値下げの方針の選択、等を設定可能である。商品価格決定部105は、この設定に基づいた範囲内で、変更価格を決定する。また、この設定では、後述の条件として、顧客の挙動から関心度を算出するための条件や、変更価格等をラベル2の表示に適用する判断の際の条件、等を設定可能である。
【0066】
また、この設定では、従来の業務との併用で店員により手動で価格を変更する場合の設定が可能である。例えば、店員は、通常時にはラベル管理機能をオン状態として、タイムサービス情報に基づいたスケジュールでラベル表示書き替えを運用する。更に、店員は、自身による店舗10内の状況の判断に応じて、商品8の価格を即時に変更したい場合、店舗コンピュータ1を操作し、画面でラベル表示情報を確認し、手動で対象の商品8の価格を変更する。この場合、ラベル管理部100は、操作に従い、即時に、上書き更新用のラベル書き替え情報を作成し、対象のラベル2へ転送する。
【0067】
[DBデータ]
図4は、実施の形態1におけるデータ管理の基本構成として、店舗コンピュータ1のDB13及びDB14のデータ構成を示す。
【0068】
まず、販売管理部200における販売管理DBであるDB14では、基本的な管理情報の例として、商品情報、販売実績情報、店頭在庫情報、等がある。商品情報は、商品ID、商品コード、商品名、通常価格、製造元、製造日時、等を含む。販売実績情報は、言い換えると購買実績情報であり、商品ID、販売日時、販売価格、顧客、等を含む。この「顧客」は、当該商品を購買した顧客を示す顧客IDまたは顧客属性等の情報である。店頭在庫情報は、商品ID、棚ID、陳列数、等を含む。
【0069】
次に、ラベル管理部100におけるラベル管理DBであるDB13では、基本的な管理情報の例として、棚割管理情報、ラベル管理情報、顧客状況情報、棚商品状況情報、タイムサービス情報、等がある。
【0070】
棚割管理情報は、店舗10内における棚7、商品8、及びラベル2の割り当て、関連付けを管理する情報である。棚割管理情報は、棚ID、商品ID、ラベルID、等を含む。ラベル管理情報は、ラベル2毎の管理情報であり、ラベルID、アドレス、ラベル表示情報、等を含む。この「ラベル表示情報」は、含む情報としては、商品名や価格等を含む商品情報と、販促情報と、バーコード等の情報と、が挙げられる。
【0071】
顧客状況情報は、顧客モニタリング部103で把握する顧客状況情報D3と対応し、日時、顧客、挙動、関心度、購買、商品等を含む。「顧客」は、棚7の付近の顧客や商品8を購買した顧客を示す顧客IDまたは顧客属性等の情報である。「挙動」や「関心度」は前述の情報である。「購買」は、顧客が棚7の商品8を購買したかどうか等を示す情報である。「商品」は、顧客が関心を持つ商品や購買した商品の商品ID等の情報である。
【0072】
棚商品状況情報は、棚商品モニタリング部104で把握する棚商品状況情報D4と対応し、日時、棚ID、商品ID、陳列数、等を含む。タイムサービス情報は、変更後情報に基づいてラベル表示書き替え部105で管理するタイムサービス情報と対応し、時間帯、対象顧客、ラベルID、棚ID、商品ID、価格、販促情報、等を含む。
【0073】
[管理情報]
図5は、
図4のDBデータ構成に基づいた管理情報の構成例を示す。
図5の(A)は、通常価格で販売する場合の管理情報の構成例である表を示す。
図5の(B)は、変更価格で販売する場合の管理情報の構成例である表を示す。これらの管理情報は、
図4で説明した情報の組合せにより構成されている。なお、店舗コンピュータ1は、店員に対し、画面で、
図5の表のような内容を表示してもよい。
【0074】
図5の(A)の管理情報の表は、列として、ラベルID、棚ID、商品ID、商品名、通常価格、陳列数、販促情報、備考を有する。ラベルIDは、ラベル2の識別情報であり、本例ではL1等で示す。棚IDは、棚7の識別情報であり、本例ではS1等で示す。商品IDは、商品8の識別情報であり、本例ではP11等で示す。
【0075】
「通常価格」列は、当該行の商品8の通常価格を示す。この通常価格は、商品マスタDB52に従った基本的な売値である。「陳列数」列は、棚7に商品8を陳列する際の陳列数を示し、本例ではn11等で示す。「販促情報」列は、当該行の商品8に関する通常価格に合わせた標準の販促情報を示し、本例ではM1等で示す。「備考」は、ラベル2に対する割り当て対象である棚7または商品8を示す。
【0076】
図5の(A)の例で、第1行は、棚7とラベル2との関連付けの場合を示す。L1で示す1つのラベル2が、S1で示す1つの棚7に対して割り当てられている。また、棚「S1」には、P11で示す商品8である「商品A」が陳列されるように関連付けられている。「商品A」は、通常価格が1000円、陳列数がn11、販促情報がM1である。
【0077】
第2行〜第4行は、商品8とラベル2との関連付けの場合を示す。L2で示すラベル2は、S2で示す棚7のP21で示す商品8である「商品B」に割り当てられている。「商品B」は、通常価格が2000円、陳列数がn21、販促情報がM2である。同様に、ラベル「L3」は、棚「S3」の商品「P31」である「商品C」に割り当てられ、ラベル「L4」は、棚「S4」の商品「P41」である「商品D」に割り当てられている。
【0078】
図5の(B)の管理情報の表は、列として、ラベルID、棚ID、商品ID、商品名、通常価格、時間帯、対象顧客、変更価格、販促情報を有する。「ラベルID」から「通常価格」までの列は、
図5の(A)と同様の情報であり、「時間帯」以降の列は、時間帯に応じて異なる変更後情報を示す。
【0079】
「時間帯」列は、価格を変更する時間単位である時間帯の識別情報を示す。本例ではT1〜T3で示す各時間帯がある。例えば、時間帯T1は、特定の月日や曜日における9時から12時までの時間、時間帯T2は、12時から15時までの時間、等と設定されている。なお、時間帯は、特定の日時に限らず、すべての日時を所定時間毎に区分したものでもよい。時間帯は、状況の検出に応じて即時に現在時点以後の所定期間として設定されるものでもよい。
【0080】
「対象顧客」列は、価格を変更する対象顧客の識別情報を示し、顧客個人の顧客ID、または顧客属性、等である。本例では対象顧客をC1等で示している。なお、特定の対象顧客が存在せず、全顧客が対象である場合には、対象顧客の情報を省略可能である。
【0081】
「変更価格」及び「販促情報」列は、当該行の商品8及びラベル2における、時間帯及び対象顧客に応じて適用する変更価格、及び当該変更価格と共に適用する販促情報を示す。なお、ラベル2に価格や販促情報以外の情報を表示する場合にも、同様に管理が可能である。
【0082】
図5の(B)の例では、第1行〜第3行は、ラベル「L1」、「商品A」の場合を示す。第1行は、時間帯T1で、対象顧客C1に向け、ラベル「L1」の表示情報として、変更価格として1100円、販促情報としてM11を適用することを示す。時間帯T1では、対象顧客C1を考慮して、変更価格が、通常価格である1000円に対して10%高い1100円となっている。第2行は、同様に、時間帯T2で、対象顧客C2に向け、ラベル「L1」の表示情報として、変更価格として900円、販促情報としてM12を適用することを示す。時間帯T2では、対象顧客C2を考慮して、変更価格が、通常価格である1000円に対して10%安い900円となっている。これは値下げ率が10%による100円の値引である。同様に、第3行以降でも、時間帯毎に変更後情報が規定されている。
【0083】
第4行〜第6行は、ラベル「L2」、「商品B」の場合を示す。第4行は、時間帯T1で、対象顧客C1に向け、ラベル「L2」の表示情報として、変更価格として2200円、販促情報としてM21を適用することを示す。第5行は、時間帯T2で、対象顧客C2に向け、ラベル「L2」の表示情報として、変更価格として1800円、販促情報としてM22を適用することを示す。
【0084】
[ラベル表示]
図6は、ラベル2の表示の例を示す。
図6では、ラベル2の表示部25の画面に、主に顧客に対する表示として、商品名、価格、バーコード、商品情報、販促情報、等が表示されている。バーコードは、店員による販売管理用に利用される。商品情報は、製造元や製造日時等がある。販促情報は、テキストや画像によって、割引内容やお値打ち価格等を伝える情報の他、POP、キャッチコピー、説明文、イラスト等、各種の情報がある。
【0085】
[ラベル管理の処理フロー]
図1〜
図6に基づいて、実施の形態1のラベル管理システムの全体の処理フロー等を説明する。この処理フローは、以下に示すステップ(1)〜(9)を有する。
【0086】
(1) 店舗10の棚7の商品8の付近において、顧客の挙動等が生じる。例えば、顧客が棚7に近付き、商品8を手に取るといった挙動が生じる。
【0087】
(2) 検出装置3は、顧客が棚7に近付いたことや商品8を手に取ったこと等を顧客の挙動として、棚7、商品8、及び顧客の状況を検出し、その状況を表す検出情報D1を店舗コンピュータ1へ送信する。この際、検出装置3は、不特定の顧客の挙動として検出してもよいし、特定の顧客個人または顧客属性による挙動として検出してもよい。ラベル管理部100の検出情報入力部101は、検出装置3からの検出情報D1を入力する。
【0088】
(3) 一方、顧客が棚7の商品8を購買した場合、POSレジ端末4から店舗コンピュータ1へPOS情報として反映され、更に、販売管理部200からラベル管理部100へ販売実績情報D2として反映される。ラベル管理部100の販売実績情報入力部102は、その販売実績情報D2を入力する。
【0089】
(4) ラベル管理部100は、検出情報D1及び販売実績情報D2から、顧客モニタリング部103及び棚商品モニタリング部104により、棚7及び商品8の付近における顧客の挙動を含む現在の状況を把握する。顧客モニタリング部103は、把握した顧客状況情報D3を出力し、棚商品モニタリング部104は、把握した棚商品状況情報D4を出力する。
【0090】
(5) 商品価格決定部105は、DB13、DB14、所定の論理、及び条件に基づいて、顧客状況情報D3及び棚商品状況情報D4に応じて、ラベル2に表示するための、時間帯や対象顧客毎の変更後情報を決定する。即ち、商品価格決定部105は、時間帯及び対象顧客に合わせて最適と考えられる商品8の価格及び販促情報を決定する。商品価格決定部105は、設定に従い、価格変更が許容される商品8について、上下限値の範囲内で変更価格を決定する。
【0091】
商品価格決定部105は、設定されている条件に基づいて、所定の論理として、棚7の商品8の陳列数や購買数、棚7の付近の顧客の数や挙動や関心度と、所定の閾値とを比較して、価格等の変更有無や、変更後の価格等を判定する。商品価格決定部105は、時間帯、対象顧客、価格の上げ下げや維持、変更後の価格、及びそれに合わせた販促情報等を決定し、決定した変更後情報D5を出力する。
【0092】
(6) ラベル表示書き替え部106は、変更後情報D5を含むタイムサービス情報に基づいて、ラベル書き替え情報を作成する。ラベル表示書き替え部106は、ラベル書き替え情報を、規定の時間帯に応じたタイミングで、無線LANアクセスポイント5またはラベルリーダライタ6を通じて、対象のラベル2へ転送する。これにより、時間帯に応じてラベル2の表示が書き替えられる。
【0093】
(7) 顧客は、ラベル2の表示内容を見て、商品8を変更価格で購買する場合がある。その場合、顧客は、棚7から購買する商品8を取り出し、POSレジ端末4の所で決済する。POSレジ端末4は、決済により、顧客が商品8を変更価格で購買したことを表す購買実績情報を含むPOS情報をジャーナル54に格納する。POSレジ端末4は、POS情報を店舗コンピュータ1へ送信する。販売管理部200は、POS情報に基づいて販売実績情報をDB14に格納し、販売実績情報D2をラベル管理部100へ送信する。
【0094】
(8) ラベル管理部100は、上記ステップ(1)に戻り、次の時間帯等のサイクルで同様に繰り返して制御を行う。ラベル2の表示の変更は、棚7の商品8の付近の顧客の挙動に反映される。変更価格等が有効であった場合、商品8の購買の増加につながり、無効であった場合にはつながらない。ラベル管理部100は、次のサイクルでは、前のサイクルでの販売実績等の結果を踏まえ、変更価格等を決定する。前のサイクルでの結果として、変更後情報とそれに対応した購買実績とを含むデータが得られる。
【0095】
例えば、前のサイクルで値上げの変更価格とした場合に、結果が購買の増加になっていた場合には、その変更が有効であった可能性が高い。よって、ラベル管理部100は、次のサイクルでも、同様の変更の方針とし、例えば同じ値上げ価格または更に値上げした価格等に決定する。また、結果が購買の減少になっていた場合には、その変更が無効であった可能性が高い。よって、ラベル管理部100は、次のサイクルでは、異なる変更の方針とし、例えば前のサイクルの価格よりも安い、通常価格または値下げ価格等に決定する。
【0096】
同様に、例えば、前のサイクルで値下げの変更価格とした場合に、結果が購買の増加になっていた場合には、ラベル管理部100は、次のサイクルでも、同様の変更の方針とし、例えば同じ値下げ価格または更に値下げした価格等に決定する。また、結果が購買の減少になっていた場合には、ラベル管理部100は、次のサイクルでは、異なる変更の方針とし、例えば前のサイクルの価格よりも高い、通常価格または値上げ価格等に決定する。
【0097】
(9) 同様に、ラベル管理部100は、複数のサイクルの繰り返しで、検出情報D1及び販売実績情報D2等のデータに基づいて、変更価格や販促情報を試行しながら、総合的に店舗10の利益が高くなる結果となるように、ラベル2の表示を書き替える制御を継続する。ラベル管理部100は、各サイクルにおける、変更後情報によるラベル2の表示と、商品8の販売実績との関係に基づいて、変更価格等を調整する。店員は、設定部108を通じて、画面で、上記関係を確認及び分析し、商品価格決定に係わる条件を設定変更できる。店員は、適宜、新規条件の設定、既存条件の調整、等ができる。
【0098】
上記処理フローに示すように、実施の形態1のラベル管理システムは、PDCA(Plan Do Check Action)によるラベル管理のサイクルを含む。このサイクルは、検出情報D1や販売実績情報D2に応じて変更後情報を含むラベル2の表示を計画するステップと、ラベル2の表示の書き替えを実行するステップと、その結果である販売実績等をチェック及び検証するステップと、その結果を踏まえて次のサイクルのラベル2の表示を計画するステップと、を含む。これにより、店舗10の利益が高くなるように改善ができる。
【0099】
[処理例]
上記商品価格決定部105における変更価格等の決定及び表示への適用に係わる論理、条件の例としては、以下が挙げられる。
【0100】
(a) 商品価格決定部105は、時間帯毎に、商品8の価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0101】
(b) 商品価格決定部105は、商品8の現在の陳列数に応じて、次の時間帯から、価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0102】
(c) 商品価格決定部105は、商品8の現在の購買数に応じて、次の時間帯から、価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0103】
(d) 商品価格決定部105は、現在の棚7の付近の顧客数や、店舗10の来店顧客数に応じて、価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0104】
(e) 商品価格決定部105は、顧客の挙動が特定の挙動である場合、価格を所定率で値上げまたは値下げする。商品価格決定部105は、顧客の商品8に対する関心度が所定閾値以上である場合、あるいは所定閾値以下である場合、価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0105】
(f) 商品価格決定部105は、棚7の付近の顧客が特定の顧客属性、例えば20代女性である場合、価格を所定率で値上げまたは値下げする。商品価格決定部105は、棚7の付近の顧客が特定の顧客個人、例えば過去の購買実績が高いお得意様顧客である場合、価格を所定率で値上げまたは値下げする。
【0106】
商品価格決定部105は、販促情報についても、同様に、各種の状況及び変更価格に合わせた内容を持つ販促情報に決定する。
【0107】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態1によれば、店舗10の商品8の販売管理に係わるラベル管理に関して、価格等の変更及びラベル2の表示書き替えの作業に係わる手間、及び店舗10の管理コストを小さくでき、店舗10の利益を高くすることができる。
【0108】
店員は、販売実績に基づいて店舗10の利益が高くなる結果となるように、効果的な価格や販促情報にすることを実現しやすい。店員は、商品8の価格を単純に値下げ、値上げするのではなく、状況及び対象顧客に合わせた適切なポイントの価格を探って設定することができる。ある時間帯の対象顧客にとっては、通常価格より値下げ価格とした方が売れ行きが上がり、別の時間帯の対象顧客にとっては、通常価格より値上げ価格とした方が売れ行きが上がる、といったことを実現でき、店舗10の利益を高めることができる。
【0109】
(実施の形態2)
次に、
図7〜
図12を用いて、本発明の実施の形態2のラベル管理システムについて説明する。実施の形態2の構成は、実施の形態1の構成を基本として、更に詳細にした構成である。以下、実施の形態2の構成における実施の形態1の構成とは異なる部分について説明する。
【0110】
[処理フロー]
実施の形態2のラベル管理システムは、
図3等の構成に基づいて、全体の処理フローとして、以下に示すステップ(1)〜(6)を含む処理を行う。
【0111】
(1) 実施の形態1と同様に、検出装置3は、店舗10の棚7や商品8の付近における顧客の挙動を含む状況を検出し、検出情報D1を店舗コンピュータ1へ送信する。
【0112】
(2) ラベル管理部100は、検出情報入力部101により検出情報D1を入力し、顧客モニタリング部103により顧客の状況を把握する処理を行う。顧客モニタリング部103は、顧客の挙動を判断し、挙動から関心度を算出し、それらを含む顧客状況情報D3を出力する。顧客モニタリング部103は、店員により設定されている条件(後述の関心度算出条件)に従い、挙動から関心度を算出する。この条件の例は、特定の挙動の回数に応じて関心度を高くするという条件である。
【0113】
(3) ラベル管理部100は、顧客モニタリング部103を用いて、過去のラベル2の表示情報である商品8の価格及び販促情報と、販売実績情報D2に基づいた顧客による商品8の購買実績との相関関係を確認及び分析する。即ち、ラベル管理部100は、変更価格等に応じて顧客が棚7の商品8の購買に至った場合と購買に至らなかった場合との相関関係を分析する。ラベル管理部100は、相関関係の分析を、重回帰分析等によって行い、分析結果データをDB13に格納する。
【0114】
店員は、ラベル管理部100が提供する画面で、上記相関関係の分析を行う。店員は、画面で相関関係の分析結果を確認し、その結果を踏まえ、商品価格決定部105での論理に係わる条件(後述の表示適用条件)を、設定部108を通じて設定する。この条件は、ラベル2の表示に変更後情報を適用する判断の際の条件であり、関心度を用いて判断する条件も含む。
【0115】
店員による条件の設定の例は以下である。まず、第1の条件として、対象顧客の特定の挙動及び関心度に応じて値上げ価格を適用するという内容の条件が設定された。第1の条件によるラベル2の表示の変更価格と、顧客購買実績との相関関係の分析の結果、売上が前よりも高くなっていた。その場合、店員は、第1の条件を継続的に使用してもよいし、第2の条件として、同じ方針の別の条件を設定し使用してもよい。第2の条件は、対象顧客の特定の挙動及び関心度に応じて、値上げ価格として、第1の条件の価格よりも更に高い価格を適用するという内容の条件である。
【0116】
また、上記分析の結果、売上が前よりも低くなっていた場合、店員は、第1の条件から、異なる方針による第3の条件に切り替える。第3の条件は、対象顧客の特定の挙動及び関心度に応じて、値下げ価格として、第1の条件の価格または通常価格よりも低い価格を適用するという内容の条件である。
【0117】
(4) 商品価格決定部105は、設定されている条件に基づいて、変更後の価格や販促情報を決定する。商品価格決定部105は、対象顧客の特定の挙動や関心度に応じて、及び商品購買実績に応じて、例えば値上げ価格及びそれに合わせた販促情報を適用するように、時間帯毎の変更後情報を決定する。
【0118】
商品価格決定部105は、条件に従い、価格と販促情報との一方または両方を変更する。同じ販促情報のまま異なる価格に変更することや、同じ価格のまま異なる販促情報に変更することも可能である。
【0119】
(5) ラベル表示書き替え部106は、実施の形態1と同様に、決定された時間帯及び対象顧客に応じた変更価格及び販促情報を含む変更後情報を、タイムサービス情報としてDB13に格納し、ラベル書き替え情報を作成する。ラベル表示書き替え部106は、タイムサービス情報に従い、時間帯に応じたタイミングで、ラベル書き替え情報をラベル2へ転送する。これにより、ラベル2の表示が書き替えられ、付近の顧客に伝えられる。
【0120】
ラベル表示書き替え部106は、例えば1分等の定期間隔で、タイムサービス情報を参照し、ラベル2の表示の書き替えの必要を確認する。ラベル表示書き替え部106は、現在日時と、タイムサービス情報内の予定の時間帯とを比較し、現在日時が、予定の時間帯に該当する場合、その時間帯のラベル書き替え情報を、対象のラベル2へ転送する。
【0121】
(6) 顧客により棚7の商品8が購買された場合、販売管理部200は、ラベル2の表示と関連付けられた販売実績情報D2をラベル管理部100へ与える。ラベル管理部100は、販売実績情報D2から、顧客による商品の購買実績や棚7の商品8の状況を把握する。
【0122】
ラベル管理システムは、上記ステップ(1)に戻り、次の時間帯等のサイクルでも同様に繰り返す。ラベル管理部100は、複数のサイクルや所定期間において、店員により設定される条件に基づいて、変更後情報である価格や販促情報を試行する。ラベル管理部100及び店員は、ラベル2の表示の変更後情報と顧客購買実績との相関関係の分析の結果、変更価格等による販売実績への肯定的な影響が小さかった場合、次のサイクルでは、別の変更価格等が適用されるように、条件を見直す。
【0123】
また、ラベル管理部100及び店員は、例えば閾値以上の所定のサイクルや期間において所定の条件で変更価格等を試行しても、その結果、売上向上等に影響が小さかった場合、当該条件では効果があまり無いと判断する。そして、ラベル管理部100及び店員は、以降のサイクルでは、別の方針による別の条件に切り替えて、変更価格等を試行し、その結果を確認及び分析する。例えば、値上げする条件から、値下げする条件へ切り替えられる。このように、PDCAや試行錯誤を経ることで、店舗10の利益を高めるように改善してゆくことができる。
【0124】
[DBデータ]
図7は、実施の形態2のラベル管理部100によりDB13に管理するデータの構成を示す。ラベル管理部100は、DB13に、顧客情報管理表301、顧客挙動トランザクション表302、顧客購買実績表303、顧客挙動管理表304、関心度算出条件表305、商品情報表311、販促情報表312、タイムサービス管理表313、表示適用条件表314、棚割管理表315、等を管理する。なお、一部のデータは、販売管理部200によりDB14に管理されても構わない。
【0125】
商品情報表311は、商品マスタDB52の情報に基づいて、商品8毎の商品情報を管理する。棚割管理表315は、店舗10、エリア、ゴンドラ、棚7、商品8、及びラベル2等の間における割り当て、関連付けを管理する。
【0126】
顧客情報管理表301は、顧客の顧客属性を含む顧客情報を管理する表である。この顧客情報は、例えば店舗10の会員登録情報でもよい。顧客挙動トランザクション表302は、検出装置3の検出情報D1に基づいて、顧客の挙動に関するトランザクション情報を管理する表である。顧客モニタリング部103は、所定の時間単位で顧客の挙動のデータを集計し、顧客挙動トランザクション表302に格納し、一定期間及び一定量分のデータを保持する。顧客購買実績表303は、販売実績情報D2に基づいて、顧客毎、即ち顧客属性または顧客個人毎に、商品8の購買実績情報を管理する表である。顧客購買実績表303は、顧客による商品8の購買日時を含む購買サイクルと、棚7の商品8とを関係付ける情報を含む。顧客購買実績表303は、顧客の家計簿に近い内容を持つ。
【0127】
顧客挙動管理表304は、顧客挙動トランザクション表302の顧客挙動データや、顧客購買実績表303の情報に基づいて、顧客モニタリング部103により判断及び算出された、顧客単位及び商品単位の情報が管理される。この情報は、顧客の商品8に対する関心度や、顧客による商品8の購買実績等を含む。関心度算出条件表305は、顧客の商品8に対する関心度を算出するための条件を管理する。店員は、設定部108を用いて、関心度算出条件表305に条件を設定可能であり、条件のバリエーションを増やすことができ、また、複数の条件のうちどの条件を使用するかを適宜選択可能である。
【0128】
販促情報表312は、商品8の販売促進のための販促情報を管理する。店員は、設定部108を用いて、販促情報を編集及び設定可能である。タイムサービス管理表313は、時間帯及び対象顧客毎の変更価格や販促情報を含む変更後情報を管理する。表示適用条件表314は、商品8に関連付けられたラベル2の表示情報に変更後情報を適用する際の条件を管理する。店員は、設定部108を用いて、表示適用条件表314に条件を設定可能であり、条件のバリエーションを増やすことができ、また、複数の条件のうちどの条件を使用するかを適宜選択可能である。店員は、ラベル表示と顧客購買実績との相関関係の分析結果等を踏まえ、表示適用条件表314に条件の追加や既存条件の調整が可能である。
【0129】
[商品価格決定処理]
図8は、実施の形態2の処理フローのうち、主に顧客モニタリング部103及び商品価格決定部105を用いた処理部分のフローを示す。この処理部分は、顧客状況把握及び設定条件に基づいて最適な変更価格等を導出する商品価格決定処理を含む。以下、
図8のステップS201〜S208を説明する。
【0130】
(S201) 検出装置3は、撮影画像データの解析等により、棚7の付近の顧客を含む状況を検出する。顧客モニタリング部103は、検出情報D1から、顧客個人または顧客属性を特定し、その顧客の挙動を含む状況を把握する。例として、顧客個人として顧客「C1」が特定され、顧客「C1」は、棚「S1」に近付いており、棚「S1」は、商品「P1」が陳列されている。顧客モニタリング部103は、条件に該当する顧客である顧客個人を、変更価格等を提示する対象である対象顧客として決定する。
【0131】
(S202) 顧客モニタリング部103は、DB13の顧客購買実績表303から、棚7の商品8に関する該当顧客の購買サイクルを含む購買実績を参照する。該当顧客は、S201で特定された顧客個人である。顧客モニタリング部103は、該当顧客に関して、近似時期における購買実績有りの商品を特定する。近似時期とは、購買サイクルにおける、例えば1つ前の購買時期のことである。例えば、顧客「C1」は、先月、棚「S1」の商品「P1」を、価格「V1」で購買している。価格「V1」は、通常価格、または通常価格に対して所定の値下げまたは値上げによる価格である。
【0132】
(S203) 顧客モニタリング部103は、顧客購買実績表303に基づいて、該当顧客が、過去に、対象の棚7の対象の商品8の購買実績があるかどうか確認する。該当顧客が過去に対象の棚7の対象の商品8の購買実績が有る場合(S203−Y)には、S204へ進み、無い場合には(S203−N)、S205へ進む。
【0133】
(S204) 商品価格決定部105は、該当顧客の購買商品である対象商品について、過去の購買サイクルの購買金額を踏まえ、最適な変更価格を決定する。なお、変更価格とは、価格を維持する場合も含むとする。S204の処理は、ステップS204A,S204Bを含む。
【0134】
S204Aで、顧客モニタリング部103は、顧客挙動トランザクション表302の顧客挙動データから、関心度算出条件表305に設定されている条件に従い、該当顧客の対象商品に対する関心度を算出する。顧客モニタリング部103は、算出した関心度を、顧客挙動管理表304に記録する。
【0135】
例えば、顧客「C1」の挙動として、棚「S1」に近付き、商品「P1」を手に取る挙動が検出された。顧客モニタリング部103は、条件に従い、その挙動を用いた計算式で、関心度を算出する。計算式は、例えば、その挙動の回数に応じて関心度を大きくするものである。
【0136】
S204Bで、商品価格決定部105は、顧客の商品8に対する関心度から、表示適用条件表314に設定されている条件に従い、変更後の価格及び販促情報を決定する。例えば、顧客「C1」の関心度が、条件に記載の閾値以上である場合、条件を満たし、変更後情報が適用される。条件に従い、変更前の価格「V1」に対し、条件に記載の値引が適用され、変更後の価格と、それに関連付けた販促情報とが決定される。
【0137】
(S205) 顧客モニタリング部103は、顧客購買実績表303に基づいて、該当顧客が、対象商品に対する類似商品の購買実績があるかどうか確認する。類似商品とは、店舗10で販売する商品群のうち、対象商品に対して、カテゴリ、分類が同じであり、単価が近い、異なる商品である。類似商品の購買実績がある場合(S205−Y)には、S206へ進み、無い場合には(S205−N)、S207へ進む。
【0138】
(S206) 商品価格決定部105は、該当顧客による、類似購買商品の過去の購買価格を参照し、その購買価格を踏まえ、対象商品に関する最適な変更価格等を決定する。S206の処理例として、商品価格決定部105は、過去に類似購買商品の変更価格等の決定の際に適用した条件における価格決定の論理を、今回の対象商品の変更価格の決定にも適用する。S206の後、S208へ進む。
【0139】
(S207) 顧客モニタリング部103は、該当顧客を、顧客個人ではなく顧客属性の単位で把握する。顧客モニタリング部103は、該当顧客を、性別や年齢層等の顧客属性によってグループに分ける。条件では、顧客属性に応じた値引等が設定されている。商品価格決定部105は、条件に従い、その顧客属性に応じた最適な変更価格等を決定する。S207の後、S208へ進む。
【0140】
(S208) S207までの処理によって、時間帯及び対象顧客に応じた変更価格が決定された後、S208で、商品価格決定部105は、表示適用条件に基づいて、変更価格に関連付けて、販促情報を決定する。商品価格決定部105は、販促情報表312に設定されている販促情報を参照する。商品価格決定部105は、決定した販促情報を変更価格に付与した変更後情報を出力し、ラベル表示書き替え部106は、その情報をタイムサービス管理表313に格納する。
【0141】
[商品情報]
図9の(A)は、商品情報表311の構成例を示す。
図9の(A)の商品情報表311は、列として、店舗ID、分類名、商品コード(商品ID)、商品名、粗利率、売価(通常価格)、原価、等を有する。「店舗ID」は、店舗10の識別情報である。「分類名」、「商品コード(商品ID)」、「商品名」は、それぞれ、商品8の分類名、商品コード及び商品ID、商品名である。「粗利率」、「売価(通常価格)」、「原価」は、それぞれ、商品8の粗利率、売価として通常価格、原価である。
【0142】
[棚割管理表]
図9の(B)は、棚割管理表315の構成例を示す。
図9の(B)の棚割管理表315は、列として、店舗ID、エリアID、ゴンドラID、棚ID、分類コード、ラベルID、商品名、等を有する。「エリアID」は、店舗10内のエリアや区画に関する識別情報である。「ゴンドラID」は、エリア内に配置されたゴンドラの識別情報である。「棚ID」は、エリアやゴンドラに関連付けて配置された棚7の識別情報である。「分類コード」は、棚7等に関連付けられた、商品の分類コードである。「ラベルID」は、棚7や商品8に関連付けられて配置されたラベル2の識別情報である。
【0143】
[顧客情報管理表]
図10の(A)は、顧客情報管理表301の構成例を示す。
図10の(A)の顧客情報管理表301は、列として、顧客ID、氏名、性別、住所、出身地、年齢層、等の基本情報や属性情報を有する。「顧客ID」は、顧客の識別情報である。
【0144】
[顧客挙動トランザクション表]
図10の(B)は、顧客挙動トランザクション表302の構成例を示す。
図10の(B)の顧客挙動トランザクション表302は、列として、顧客ID、時間、挙動(挙動パターン)、対象エリア(エリアID)、対象棚(棚ID)、対象商品(商品ID)、等を有する。「顧客ID」は、顧客が特定された場合の顧客IDである。「時間」は、挙動が検出された時分である。「挙動(挙動パターン)」は、検出された顧客の挙動であり、挙動を挙動パターンとして類型化した単位であり、括弧内は識別情報を示す。「対象エリア(エリアID)」は、挙動が検出されたエリアを示す。「対象棚(棚ID)」は、挙動が検出された棚7を示す。「対象商品(商品ID)」は、挙動が検出された商品8を示す。
【0145】
[顧客購買実績表]
図10の(C)は、顧客購買実績表303の構成例を示す。
図10の(C)の顧客購買実績表303は、列として、顧客ID、日付、時間、購買商品(商品ID)、金額(購買価格)、等を有する。「日付」、「時間」は、顧客が商品8を購買した年月日及び時分を示す。「購買商品(商品ID)」は、顧客が購買した商品8を示す。「金額(購買価格)」は、顧客が商品8を購買した際の購買価格を示す。
【0146】
[顧客挙動管理表]
図11の(A)は、顧客挙動管理表304の構成例を示す。
図10の(C)の顧客挙動管理表304は、列として、顧客ID、対象商品(商品ID)、関心度、購買実績[回数]、購買頻度[日数]、最近購買日、最高購買金額、平均購買金額、等を有する。「対象商品(商品ID)」は、顧客の挙動から顧客が関心を持っていると推定される商品8や、顧客が購買した商品8を示す。「関心度」は、顧客の対象商品に対する関心度であり、本例では、01から10までの10レベルで算出されている。「購買実績[回数]」は、顧客による対象商品の購買実績として回数である。「購買頻度[日数]」は、顧客による対象商品の購買頻度として日数であり、例えば最新の購買日(「最近購買日」)とその1つ前の購買日との間隔の日数でもよいし、過去の複数の購買日における間隔の平均値でもよい。「最近購買日」は、当該顧客が当該商品を購買した最近の購買日である。「最高購買金額」及び「平均購買金額」は、それぞれ、当該顧客が当該商品を購買した金額(購買価格)における、最高金額、平均値である。
【0147】
[関心度算出条件表]
図11の(B)は、関心度算出条件表305の構成例を示す。
図11の(B)の関心度算出条件表305は、列として、条件ID、条件、関心度計算式、等を有する。「条件ID」は、条件である関心度算出条件の識別情報である。「条件」は、関心度算出条件の内容が設定されている。この関心度算出条件は、関心度を計算するために必要な指標値の定義を含む。この指標値は、例えば、顧客の挙動や購買実績により定義されるものを含む。「関心度計算式」は、顧客の商品に対する関心度を計算する際の計算式を示す。
【0148】
本例で、第1行に示す条件ID「J01」の条件は、「商品を手に取った挙動(AP01)の回数」を含む。前述のように、挙動パターンの1つとして、「AP01」で識別される、「商品を手に取る」という挙動がある。この条件は、顧客がその挙動「AP01」を行った場合に、関心度を計算するために、その挙動「AP01」の回数を用いることを示す。そして、条件に対応する関心度計算式は、「+回数×0.1」である。この関心度計算式は、それまでの関心度に、挙動(AP01)の回数に0.1を乗算した値を加算することにより、最新の関心度を得ることを示す。なお、詳しくは、関心度の値は、10レベルの形式に変換される。
【0149】
同様に、第2行に示す条件ID「J02」の条件は、「商品を手に取って戻した挙動(AP02)の回数」を含む。この条件は、顧客がその挙動「AP02」を行った場合に、関心度を計算するため、その挙動「AP02」の回数を用いることを示す。そして、条件に対応する関心度計算式は、「+回数×商品金額」である。この関心度計算式は、それまでの関心度に、挙動(AP02)の回数に商品金額を乗算した値を加算することを示す。
【0150】
同様に、第3行に示す条件ID「J03」の条件は、「購買回数」を含む。この条件は、顧客が商品を購買した場合に、関心度を計算するため、購買回数を用いることを示す。そして、条件に対応する関心度計算式は、「+abs{10/([平均消化日数]−[購買後日数])}である。この関心度計算式は、[平均消化日数]と[購買後日数]との差分値を計算し、10をその差分値で除算して、その絶対値を、それまでの関心度に加算することを示す。[平均消化日数]は、過去の購買日の間隔の平均値等により得られる。[購買後日数]は、最近購買日からの経過日数等により得られる。同様に、多種多様な条件及び計算式を設定可能である。
【0151】
[販促情報表]
図12の(A)は、販促情報表312の構成例を示す。
図12の(A)の販促情報表312は、列として、販促ID、販促名、対象顧客属性、テキスト情報、イメージ情報、等を有する。「販促ID」は、販促情報の識別情報である。「販促名」は、販促情報に対応した販促名である。「対象顧客属性」は、販促の対象となる顧客属性を示す。「テキスト情報」及び「イメージ情報」は、販促情報を構成するテキスト及び画像を示す。なお、販促情報の構成は、テキストのみ、イメージのみ、両方、その他のデータとの組合せ等、いずれも可能である。店員は、複数の販促パターンを複数の販促情報として設定可能である。
【0152】
[タイムサービス管理表]
図12の(B)は、タイムサービス管理表313の構成例を示す。
図12の(B)のタイムサービス管理表313は、列として、棚ID、商品ID、ラベルID、実施日、実施時刻(開始)、実施時刻(終了)、売価(変更価格)、販促ID、備考(対象顧客)、等を有する。「棚ID」、「商品ID」、及び「ラベルID」は、棚7、商品8、及びラベル2の関連付けを示す。「実施日」、「実施時刻(開始)」、及び「実施時刻(終了)」は、変更後情報を適用する時間帯を示し、それぞれ、年月日、開始時分、終了時分を示す。「売価(変更価格)」は、当該時間帯で適用する当該商品8の売価である変更価格を示す。「販促ID」は、当該時間帯で適用する販促情報の識別情報を示す。「備考(対象顧客)」は、当該時間帯に関連付けられた対象顧客の情報を示す。
【0153】
本例では、第1行は、棚「S01」の商品「P01」に関連付けられたラベル「L01」の表示情報についての管理情報であり、時間帯は、2015年8月1日から31日の期間における、18時30分から所定時刻までの時間である。この時間帯の売価は、「V01」で示す変更価格であり、当該商品の通常価格に対して例えば所定の値引が適用された値下げ価格である。このラベルに表示する販促情報は、「M01」で示す販促情報である。
【0154】
[表示適用条件表]
図12の(C)は、表示適用条件表314の構成例を示す。
図12の(C)の表示適用条件表314は、列として、条件ID、商品名(商品ID)、条件、値引、販促ID、備考、等を有する。「条件ID」は、条件である表示適用条件の識別情報である。「商品名(商品ID)」は、対象の商品名、商品IDである。「条件」は、表示適用条件である。「値引」は、価格変更として値下げを行う場合に対応した項目である。値上げを行う場合には、別の項目で同様に情報が設定される。「値引」は、「条件」を満たす場合に適用される変更価格を決める情報であり、通常価格に対する値引の金額や値下げ率等の値が設定される。「販促ID」は、「条件」を満たす場合に適用される販促情報を示す。「備考」は、ここでは販促情報のうちのテキスト情報を示す。
【0155】
本例では、第1行は、条件ID「K01」で示す条件の設定である。この条件は、商品ID「P07」の対象商品に関して、表示適用条件として、「顧客の関心度が05以上、かつ、購買実績が1以上」であり、変更後情報に関して、「値引」の値が20、「販促ID」が「M020」である。顧客の関心度及び購買実績の値が、表示適用条件の内容を満たす場合、「値引」の値により変更価格が決定され、販促情報「M020」が付与される。
【0156】
なお、店員は、設定部108を通じて、画面で、
図9〜
図12の各表のような内容を表示して確認及び設定が可能である。
【0157】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、価格等の変更及びラベル2の表示書き替えの作業に係わる手間、及び店舗10の管理コストを小さくでき、店舗10の利益を高くすることができる。実施の形態2では、特に、顧客個人を特定し、その顧客の過去の購買実績に合わせて適した価格や販促情報を提示することにより、売上等を高めることができる。
【0158】
(他の実施の形態)
他の実施の形態のラベル管理システムとして、以下が挙げられる。ラベル管理ソフトウェア11によるラベル管理部100と、販売管理ソフトウェア12による販売管理部200とが1つに統合された形態も可能である。また、ラベル管理ソフトウェア11を備える第1の店舗コンピュータと、販売管理ソフトウェア12を備える第2の店舗コンピュータとに分けられ、それらが通信で連係する形態も可能である。
【0159】
顧客の状況を検出及び把握せずに変更後情報を決定する形態も可能である。即ち、ラベル管理部100は、顧客の挙動等の把握を省略し、棚商品状況情報D4及び販売実績情報D2等を用いて、変更後情報を決定する。
【0160】
1つのラベル2は、1つの棚7における商品IDが異なる複数の商品8に対して割り当てられる場合には、それらの複数の商品8に関する情報をまとめて表示してもよい。また、棚7は、無線通信インタフェース機能を備える機器として、ラベル2と連係させてもよい。例えば、店舗コンピュータ1は、ラベル書き替え情報を、棚7へ転送し、棚7は、その情報を、自身に関連付けられたラベル2へ転送する。
【0161】
ラベル管理部100は、条件及び検出情報D1等に基づいて、対象顧客として顧客個人を特定し、その対象顧客に適した変更価格等を決定し、現在時点以降を対象の時間帯として即時に、無線LANアクセスポイント5経由でラベル2の表示を書き替えてもよい。別の対象顧客が検出された場合には、同様に即時にラベル2の表示が書き替えられる。
【0162】
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。