(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の金属パターンは、線熱膨張係数の値が16ppm/Kで、前記パワーデバイスは、線熱膨張係数の値が3ppm/K、とした場合の前記枠部材の線熱膨張係数は、2ppm/K〜10ppm/Kの範囲内の値を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
前記パワーデバイスは、IGBT、ダイオード、Si系MISFET、SiC系MISFET、GaNFETのいずれかの半導体チップを備えることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本実施の形態は、各構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。本実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
(パワーモジュールの構成)
本実施の形態に係るパワーモジュール20の鳥瞰構成は、
図1に示すように表される。また、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、セラミックス基板(実装基板)8上に形成された金属パターン(金属基板)3の周辺部にセラミックス枠(枠部材)10を配置した、
図1のII−II線に沿う主要部の模式的断面構造は、
図2に示すように表される。
【0016】
また、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、セラミックス基板8上の金属パターン3の周辺部に配置されたセラミックス枠10の平面パターン構成は、
図3(a)に示すように表され、
図3(a)のIIIb−IIIb線に沿う模式的断面構造は、
図3(b)に示すように表される。
【0017】
本実施の形態に係るパワーモジュール20の主要部は、
図1および
図2に示すように、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上の金属パターン3の中央部付近に接合されたパワーデバイスとしての半導体デバイス(半導体チップ)1と、セラミックス基板8上の金属パターン3の縁に沿って配置され、半導体デバイス1を囲む断面形状がI字構造のセラミックス枠10と、セラミックス枠10を含んで、半導体デバイス1やセラミックス基板8を封止する樹脂層14とを備える。なお、各図において、半導体デバイス1は1つの素子のように図示されているが、複数の素子からなるもの(例えば、モジュール)などであっても良い。
【0018】
半導体デバイス1は、チップ下接合層(接合部)2を介して、セラミックス枠10は、金属スパッタするなどして、半田接合できるようにした枠下接合層11を介して、それぞれ金属パターン3の上面に半田接合される。
【0019】
樹脂層14は、セラミックス基板8の側面部を覆うようにして、トランスファーモールド成形が可能なレジンなどを用いて形成されている。
【0020】
セラミックス基板8には、例えば、0.3mm厚のセラミックスの表面・裏面にCuフレームからなる0.8mm厚の金属パターン3・9を形成したDBC(Direct Bonding Copper)基板を用いている。また、セラミックス基板8に代えて、絶縁シート上にCuフレームを配したものやCu基板などの金属基板を適用することも可能である。
【0021】
また、DBA(Direct Brazed Aluminum)基板、もしくはAMB(Active Metal Brazed, Active Metal Bond)基板も適用可能である。
【0022】
また、セラミックス枠10に限らず、枠部材としては、CTE値が金属基板のCTE値よりも低く、かつ半導体デバイス1のCTE値よりも高い金属部材などを適用することも可能である。
【0023】
また、枠部材としては、セラミックスと金属との複合材料などを適用することも可能である。
【0024】
ここで、セラミックス枠10を設けることによる作用・効果について説明する。すなわち、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、シミュレーション(応力試験)を行った際の結果について説明する。
【0025】
図4(a)〜
図4(c)は、樹脂層14がない場合における、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部に係る応力について、セラミックス枠10を設けた場合(WCF:With Ceramic Frame)と設けない場合(WOCF:Without Ceramic Frame)とを対比して示すもので、
図4(a)は、セラミックス枠10を設けた場合のパワーモジュール20-1a の模式的断面構造を示しており、
図4(b)は、セラミックス枠10を設けない場合のパワーモジュール20-1b の模式的断面構造を示しており、
図4(c)は、それぞれの応力のシミュレーション結果の各成分(σxx,σzz,σzx)をグラフ化して示している。
【0026】
なお、各パワーモジュール20-1a ,20-1b は、金属パターン3の断面のサイズ(幅×厚さ)が10×1とされ、半導体デバイス1の断面方向のサイズ(幅×厚さ)が5×0.25とされている。
【0027】
また、ここでは、
図5(a),(b)に示すように、接合部CPに係る応力のz方向の成分を垂直応力σzzと称し、x方向の成分を水平応力σxxと称し、zx方向の成分をせん断応力σzxと称する。
【0028】
図4(c)からも明らかなように、セラミックス枠10を設けることによって、パワーモジュール20(20-1a )は、接合部CPに係る応力を各成分とも低減させることが可能である。特に、せん断応力σzxについて、その他の応力σxx,σzzよりも著しく低減できる。
【0029】
図6(a)〜
図6(c)は、樹脂層14がある場合における、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部に係る応力について、セラミックス枠10を設けた場合(WCF)と設けない場合(WOCF)とを対比して示すもので、
図6(a)は、セラミックス枠10を設けた場合のパワーモジュール20-2a の模式的断面構造を示しており、
図6(b)は、セラミックス枠10を設けない場合のパワーモジュール20-2b の模式的断面構造を示しており、
図6(c)は、それぞれの応力のシミュレーション結果の各成分(σxx,σzz,σzx)をグラフ化して示している。
【0030】
図6(c)からも明らかなように、セラミックス枠10を設けることによって、パワーモジュール20(20-2a )は、接合部CPに係る応力を各成分とも低減させることが可能である。特に、せん断応力σzxについて、その他の応力σxx,σzzよりも著しく低減できる。
【0031】
以上のことから、樹脂層14の有無にかかわらず、パワーモジュール20は、セラミックス枠10を設けることによって、接合部CPに係るせん断応力σzxを低減させることが可能である。
【0032】
したがって、セラミックス枠10を設けることにより、半導体デバイス1のCTE値と金属パターン3のCTE値との差が大きい場合にも、熱サイクル試験において接合部CPに破断などの劣化が生じるのを抑制できるようになる。
【0033】
図7〜
図10は、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、セラミックス枠10を設けることによる作用・効果について、さらに詳細に説明するために示すものである。
【0034】
図7および
図8は、樹脂層(Resin)14がない場合における、半導体デバイス(SiC)1と金属パターン(Cu基板)3との接合部に係る応力について、セラミックス枠(SiN)10を設けた場合と設けない場合とを対比して示すもので、
図7(a)は、セラミックス枠10を設けた場合のパワーモジュール20-1a の模式的断面構造をYc−Yc線に沿う軸対称に示しており、
図7(b)は、セラミックス枠10を設けない場合のパワーモジュール20-1b の模式的断面構造をYc−Yc線に沿う軸対称に示している。また、
図8(a)は、パワーモジュール20-1a の軸からの距離とせん断応力σzxとの関係を示す応力シミュレーション結果であり、
図8(b)は、パワーモジュール20-1b の軸からの距離とせん断応力σzxとの関係を示す応力シミュレーション結果である。
【0035】
なお、軸対称に示されたパワーモジュール20-1a は、セラミックス枠10の断面のサイズ(幅×厚さ)が、半導体デバイス1の厚みよりも厚く、例えば、2×1(金属パターン3とほぼ同じ厚さ)とされている。
【0036】
図7(b)に示す構造とした場合、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部の境界部分において応力が最も集中するのに対し、
図7(a)に示す構造とした場合、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部の境界部分において応力が集中するものの、その応力集中が緩和されている。
【0037】
図9および
図10は、樹脂層(Resin)14がある場合における、半導体デバイス(SiC)1と金属パターン(Cu基板)3との接合部に係る応力について、セラミックス枠(SiN)10を設けた場合と設けない場合とを対比して示すもので、
図9(a)は、セラミックス枠10を設けた場合のパワーモジュール20-2a の模式的断面構造をYc−Yc線に沿う軸対称に示しており、
図9(b)は、セラミックス枠10を設けない場合のパワーモジュール20-2b の模式的断面構造をYc−Yc線に沿う軸対称に示している。また、
図10(a)は、パワーモジュール20-2a の軸からの距離とせん断応力σzxとの関係を示す応力シミュレーション結果であり、
図10(b)は、パワーモジュール20-2b の軸からの距離とせん断応力σzxとの関係を示す応力シミュレーション結果である。
【0038】
なお、軸対称に示されたパワーモジュール20-2a ,20-2b は、樹脂層14の断面のサイズ(幅×厚さ)が15×7.5とされている。
【0039】
図9(b)に示す構造とした場合、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部の境界部分において応力が最も集中するのに対し、
図9(a)に示す構造とした場合、半導体デバイス1と金属パターン3との接合部の境界部分において応力が集中するものの、その応力集中が緩和されている。
【0040】
以上のことから、セラミックス枠10は、金属パターン3のCTE値と半導体デバイス1のCTE値との差に応じたせん断応力σzxを抑制するように作用する。すなわち、セラミックス枠10は、金属パターン3を縮ませないように、CuのCTE値を下げる効果を有する。
【0041】
したがって、トランスファーモールドタイプのパワーモジュールとした場合にも、金属パターン3のCuよりもCTE値が小さく、かつ半導体デバイス1よりもCTE値が大きいセラミックス枠10を設けることによって、上記したように、熱サイクル試験時などに接合部CPに係るせん断応力σzxを著しく低減させることができる。
【0042】
例えば、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、半導体デバイス(SiC)1のCTE値を3ppm/K程度とし、金属パターン(Cu)3のCTE値を16ppm/K程度とした場合、2〜10ppm/K程度のCTE値を有するセラミックス枠(SiN)10が設けられる。
【0043】
なお、本実施の形態に係るパワーモジュール20において、樹脂層14は、CTE値が12〜14ppm/K程度に設定される。
【0044】
(製造方法)
本実施の形態に係るパワーモジュール20の製造方法は、主に、セラミックス基板8上の金属パターン3の周辺部にセラミックス枠10を形成する工程と、セラミックス枠10の内側の金属パターン3上に半導体デバイス1を配置する工程と、セラミックス枠10を含んで、半導体デバイス1およびセラミックス基板8を封止する樹脂層14を形成する工程とを有する。
【0045】
本実施の形態に係るパワーモジュールの製造方法について、
図11〜
図13を参照して説明する。
【0046】
(a)まず、
図11(a)に示すように、実装基板として、セラミックス基板8の表面・裏面にCuフレームを形成したDBC基板を準備し、セラミックス基板8の表面上に、CTE値が16ppm/K程度の金属パターン3と共に、パターニングされた金属パターン(銅箔)5・7を形成する。セラミックス基板8の裏面上には、金属パターン(金属フレーム)9が形成されている。
【0047】
(b)次に、
図11(b)に示すように、セラミックス基板8の表面の金属パターン3上に、枠下接合層11を介して、CTE値が2〜10ppm/K程度のセラミックス枠10を形成する。枠下接合層11には、例えば、半田層や接着剤層を適用可能である。
【0048】
(c)次に、
図12(a)に示すように、セラミックス枠10の内側のセラミックス基板8の表面の金属パターン3上に、チップ下接合層2を介して、CTE値が3ppm/K程度のSiC系の半導体デバイス1をダイボンディングにより接合する。チップ下接合層2としては、半田層や銀焼成層を適用可能である。なお、チップ下接合層2としては、半導体デバイス1の裏面に予め形成されたAgナノ粒子層などを用いても良い。
【0049】
なお、金属パターン3上にセラミックス枠10を形成する工程(b)と、半導体デバイス1を金属パターン3上にボンディングする工程(c)とは、プロセスの順番が逆になっても良い。つまり、半導体デバイス1をボンディングした後に、セラミックス枠10を形成することとしても良い。
【0050】
(d)次に、
図12(b)に示すように、半導体デバイス1のゲート電極・ソース電極に対してボンディングワイヤ4・6をボンディングする。ここで、ボンディングワイヤ4・6は、パターニングされた金属パターン5・7上にボンディング接続されていても良い。ボンディングワイヤ4・6は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0051】
(e)次に、
図13(a)に示すように、セラミックス基板8の表面上にパターニングされた金属パターン5・7上に、半田層(図示省略)を介して、ブロック端子電極12・13を接続する。
【0052】
(f)次に、
図13(b)に示すように、セラミックス枠10の内側を含んで、半導体デバイス1およびセラミックス基板8を封止する樹脂層14を形成し、パワーモジュール全体を封止する。ここで、樹脂層14の形成工程では、トランスファーモールド成形工程を適用可能である。
【0053】
本実施の形態に係るパワーモジュール20は、例えば
図14に示すように、ヒートシンク100を備え、セラミックス基板8はヒートシンク100上に配置されていても良い。ここで、ヒートシンク100は、例えば、放熱用Cuベースで形成される。セラミックス基板8は、裏面に形成された金属パターン9が基板下半田層16を介してヒートシンク100に接続される。
【0054】
本実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。
【0055】
また、本実施の形態に係るパワーモジュール20においては、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0056】
なお、セラミックス枠10の高さは、例えば、5mm程度〜0.2mm程度である。また、セラミックス枠10は、ほぼ正方形状を有している。枠の高さや幅は、シミュレーションなどによって算出された十分に効果のある設計とした上で、小型化・低コスト化のため、チップサイズに合わせるなど、できるだけ小さいほうが好ましい。
【0057】
枠部材をセラミックスで形成するセラミックス枠10の場合には、セラミックスは、例えば、Al
2 O
3 、AlN、SiN、AlSiC、もしくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。また、Al
2 O
3 の表面にW、Ni、Auなどがめっき加工されていても良い。
【0058】
また、枠部材を金属部材で形成する場合には、枠部材をフライス加工などによって形成しても良い。
【0059】
また、樹脂層14の厚さは、例えば、4.0mm〜10mm程度である。
【0060】
ブロック端子電極12・13は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0061】
セラミックス基板8は、例えば、Al
2 O
3 、AlN、SiN、AlSiC、もしくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0062】
(変形例1)
本実施の形態の変形例1に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の平面パターン構成は、
図15(a)に示すように表され、
図15(a)のXVII−XVII線に沿う模式的断面構造は、
図15(b)に示すように表される。
【0063】
本実施の形態の変形例1に係るパワーモジュールにおいては、セラミックス枠10の断面構造は、
図15(b)に示すようにセラミックス枠10に突起構造のキャップ部分10Aを備えることによって、T字構造を有していても良い。セラミックス枠10に突起構造のキャップ部分10Aを備えることによって、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0064】
(変形例2)
本実施の形態の変形例2に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図15(c)に示すように表される。
【0065】
本実施の形態の変形例2に係るパワーモジュールにおいては、セラミックス枠10の断面構造は、
図15(c)に示すように、キャップ部分10Bを備えることによって、逆L字構造もしくはΓ(ガンマ)字構造を有していても良い。セラミックス枠10に突起構造のキャップ部分10Bを備えることによって、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0066】
(変形例3)
本実施の形態の変形例3に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図15(d)に示すように表される。
【0067】
本実施の形態の変形例3に係るパワーモジュールにおいても、セラミックス枠10の断面構造は、
図15(d)に示すように、キャップ部分10Cを備えることによって、逆L字構造もしくはΓ字構造を有していても良い。セラミックス枠10に突起構造のキャップ部分10Cを備えることによって、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0068】
(変形例4)
本実施の形態の変形例4に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図16(a)に示すように表される。
【0069】
本実施の形態の変形例4に係るパワーモジュールにおいては、I字構造を有するセラミックス枠10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。セラミックス枠10は、サンドブラスト処理などによって粗面化処理可能である。このように、セラミックス枠10の表面10Sを粗面化処理することによって、より一層、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0070】
(変形例5)
本実施の形態の変形例5に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図16(b)に示すように表される。
【0071】
本実施の形態の変形例5に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Aを備えることによって、T字構造を有するセラミックス枠10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、セラミックス枠10の表面10Sを粗面化処理することによって、より一層、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0072】
(変形例6)
本実施の形態の変形例6に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図16(c)に示すように表される。
【0073】
本実施の形態の変形例6に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Bを備えることによって、逆L字構造もしくはΓ字構造を有するセラミックス枠10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、セラミックス枠10の表面10Sを粗面化処理することによって、より一層、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0074】
(変形例7)
本実施の形態の変形例7に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の模式的断面構造は、
図16(d)に示すように表される。
【0075】
本実施の形態の変形例7に係るパワーモジュールにおいては、キャップ部分10Cを備えることによって、逆L字構造もしくはΓ字構造を有するセラミックス枠10の表面10Sは粗面化処理されていても良い。このように、セラミックス枠10の表面10Sを粗面化処理することによって、より一層、樹脂層14のくいつきを良くし、密着性を向上可能となる。
【0076】
(変形例8)
本実施の形態の変形例8に係るパワーモジュールにおいて、セラミックス枠10の平面パターン構成は、
図17(a)〜
図17(d)に示すように表される。
【0077】
本実施の形態の変形例8に係るパワーモジュールにおいては、
図17(a)に示すように、長方形などの矩形形状のセラミックス枠10aであっても良いし、1個の半導体デバイス1の周囲を囲むセラミックス枠10aに限らず、
図17(b)に示すように、複数個の半導体デバイス1A・1Bの周囲を囲むセラミックス枠10bであっても良い。
【0078】
また、
図17(c)に示すように、丸や楕円などの円形状のセラミックス枠10cであっても良いし、
図17(d)に示すように、半導体デバイス1A・1Bの周囲を囲むことなく、半導体デバイス1A・1Bの近傍に金属パターン3の長辺に沿って配置される直線状などの線形状のセラミックス枠10dであっても良い。
【0079】
さらに、セラミックス枠10としては、金属パターン3の縁に沿って配置する場合に限らず、
図17(a)〜
図17(d)に示すように、金属パターン3の縁よりも内側に配置可能である。また、
図17(a)〜
図17(d)に示したセラミックス枠10a〜10dは、必ずしも一体型でなくても良く、分割されて断片的に配置しても良い。
【0080】
また、図示していないが、複数個の半導体デバイス1A・1Bの周囲を
図1に示したような金属パターン3の縁に沿って配置された正方形状のセラミックス枠10によって、あるいは、複数個の半導体デバイス1の周囲を円形状のセラミックス枠10cによってそれぞれ囲む構成としたり、1個の半導体デバイス1の周囲に線形状のセラミックス枠10dを配置するようにしても良い。
【0081】
本実施の形態およびその変形例によれば、金属パターン3と金属パターン3上に接合される半導体デバイス1とのCTE値の差が大きいトランスファーモールドタイプのパワーモジュール20においては、接合部CPに係るせん断応力σzxを著しく低減させることが可能となる。したがって、熱サイクル試験時などに接合部CPが破断などにより破壊されるなどの劣化を抑制でき、電気特性や熱特性を高く保つことが可能となるなど、信頼性の向上が図れる。
【0082】
特に、Cuなどの金属基板上にIGBTチップを搭載してなるIGBTモジュールや、ダイオードモジュール、MIS(Si、SiC、GaN)モジュールなど、トランスファーモールドタイプの各種のパワーモジュールに適用できる。
【0083】
また、構造が簡単で、小型化や製造プロセスの簡略化が図れるなど、低コスト化可能なパワーモジュールを提供することができる。しかも、作製が容易で、量産性にも優れたものとすることができる。
【0084】
[他の形態1]
本実施の他の形態に係るパワーモジュール20としては、
図18に示すように、ボンディングワイヤ4・6の代わりに、ブロック端子電極17を備えるようにしても良い。
【0085】
ここで、ブロック端子電極17は、半導体デバイス1の表面上のゲート電極もしくはソース電極上に配置可能である。
図18に示す例では、ブロック端子電極17は1本のみ図示されているが、ゲート電極およびソース電極用に複数本配置されていても良い。また、ブロック端子電極17は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0086】
なお、その他の構成は、上記した本実施の形態(例えば、
図14参照)と同様であり、ワイヤボンディングに代えて、ブロック端子電極12・13を接続すると同時または前後に、半導体デバイス1の表面上のゲート電極もしくはソース電極上にブロック端子電極17を接続することによって、簡単に製造できる。
【0087】
[他の形態2]
本実施の他の形態に係るパワーモジュール20としては、
図19および
図20に示すように、セラミックス枠10の内側の金属パターン3上に、ボンディングワイヤ19とブロック端子電極23とを切り替える中継用基板18、および半導体デバイス1上のソース電極とセラミックス基板8上の金属パターン7との間を接続するブロック端子電極21を備えるようにしても良い。
【0088】
なお、
図19には、パワーモジュール20の模式的断面構造が、
図20には、樹脂層14を透過した状態でパワーモジュール20の鳥瞰構成が、それぞれ示されている。
【0089】
ここで、中継用基板18は、セラミックス基板と、セラミックス基板の表面・裏面に配置された銅箔(Cuフレーム)とを備える。すなわち、中継用基板18は、DBC基板構造を有する。また、中継用基板18としては、DBA基板もしくはAMB基板を用いても良い。
【0090】
ボンディングワイヤ19は、半導体デバイス1上のゲート電極と中継用基板18上の銅箔との間をボンディング接続している。ボンディングワイヤ19は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0091】
ブロック端子電極23は、中継用基板18上の銅箔とセラミックス基板8上の金属パターン5との間をそれぞれ半田層(図示省略)により接続している。
【0092】
なお、ブロック端子電極21・23は、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0093】
その他の構成は、上記した本実施の形態(例えば、
図14参照)と同様であり、セラミックス枠10の内側の金属パターン3上に中継用基板18をダイボンディングと同様に接続すると共に、半導体デバイス1をダイボンディングにより接合した後に、半導体デバイス1と中継用基板18との間をボンディングワイヤ19によりボンディング接続し、さらに、金属パターン5上にブロック端子電極12を接続すると同時または前後に、半導体デバイス1と金属パターン7との間および中継用基板18と金属パターン5との間をブロック端子電極21・23により接続することによって、簡単に製造できる。
【0094】
[他の形態3]
本実施の他の形態に係るパワーモジュール200であって、2個の半導体デバイスが1つのモジュールに内蔵された、いわゆるツーインワンモジュール(2 in 1 Module:ハーフブリッジ内蔵モジュール)の鳥瞰構成は、
図21に示すように表される。
【0095】
また、樹脂層14を形成する前のパワーモジュール200の平面パターン構成は、
図22に示すように表され、半導体デバイスとしてSiC MISFET Q1・Q4を適用したツーインワンモジュールの回路構成は、
図23に示すように表される。
【0096】
すなわち、本実施の他の形態に係るパワーモジュール200は、2個のMISFET Q1・Q4が1つのモジュールに内蔵された、いわゆるハーフブリッジ内蔵モジュールの構成を備える。
【0097】
図22においては、MISFET Q1・Q4が、それぞれ4チップ並列に配置されている例が示されている。例えば、1つのMISFETは、最大で5個のトランジスタ(チップ)を搭載することが可能となっている。なお、5チップの内、一部をダイオードDI用として搭載することも可能である。
【0098】
ここで、モジュールは、一つの大きなトランジスタとみることができるが、内蔵されているトランジスタ(チップ)が1個または複数個の場合がある。すなわち、モジュールには、1 in 1、2 in 1、4 in 1、6 in 1などがあるが、例えば、モジュール上において、縦2個分のトランジスタを接続内蔵したモジュールは2 in 1、2 in 1を2組配線内蔵したモジュールは4 in 1、全て配線内蔵したものは6 in 1と呼ばれている。
【0099】
本実施の形態に係るパワーモジュール200は、
図21に示すように、樹脂層14に被覆されたセラミックス基板8の第1の辺に配置された正側電力端子P(D1)および負側電力端子N(S4)と、第1の辺に隣接する第2の辺に配置されたゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1と、第1の辺に対向する第3の辺に配置された出力端子O(S1)・O(D4)と、第2の辺に対向する第4の辺に配置されたゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4とを備える。
【0100】
また、
図22に示すように、ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1は、MISFET Q1のゲート用信号配線パターンGL1・ソース用信号配線パターンSL1に接続され、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4は、MISFET Q4のゲート用信号配線パターンGL4・ソース用信号配線パターンSL4に接続される。
【0101】
図22に示すように、MISFET Q1・Q4から信号基板24
1 ・24
4 上に配置されたゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4に向けて、ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4が接続される。また、ゲート用信号配線パターンGL1・GL4およびソースセンス用信号配線パターンSL1・SL4には、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびソースセンス端子SST1・SST4が半田付けなどによって接続される。
【0102】
図22に示すように、信号基板24
1 ・24
4 は、セラミックス基板8上に、半田付けなどによって接続される。
【0103】
また、本実施の他の形態に係るパワーモジュール200であって、ハーフブリッジ内蔵モジュールにおいて、上面板電極22
1 ・22
4 を形成後で、樹脂層14を形成する前の鳥瞰構成は、
図24に示すように表される。なお、
図24においては、ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4の図示を省略している。
【0104】
4チップ並列に配置されたMISFET Q1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1 ・22
4 によって共通に接続される。
【0105】
なお、
図21〜
図24においては、図示は省略されているが、MISFET Q1・Q4のドレインD1・ソースS1間およびドレインD4・ソースS4間に逆並列にダイオードが接続されていても良い。
【0106】
図21〜
図24に示された例では、4チップ並列に配置されたMISFET Q1・Q4のソースS1・S4は、上面板電極22
1 ・22
4 によって共通に接続されているが、上面板電極22
1 ・22
4 の代わりにソース同士がワイヤで導通されていても良い。
【0107】
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4、およびソースセンス端子SST1・SST4は、例えば、Cuで形成可能である。
【0108】
信号基板24
1 ・24
4 は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al
2 O
3 、AlN、SiN、AlSiC、もしくは少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0109】
電極パターンとなる主配線導体(金属基板)32
1 ・32
4 ・32
n (EP)は、例えば、Cu、Alなどで形成可能である。
【0110】
MISFET Q1・Q4のソースS1・S4と上面板電極22
1 ・22
4 を接続する柱状電極25
1 ・25
4 および上面板電極22
1 ・22
4 の部分は、例えば、Cu、CuMoなどで形成されていても良い。
【0111】
ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4は、例えば、Al、AlCuなどで形成可能である。
【0112】
MISFET Q1・Q4としては、SiC DIMISFET、SiC TMISFETなどのSiC系パワーデバイス、あるいはGaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT: High Electron Mobility Transistor)などのGaN系パワーデバイスのようなワイドバンドギャップ型の素子を適用可能である。また、場合によっては、Si系MISFETやIGBTなどのパワーデバイスも適用可能である。
【0113】
本実施の他の形態に係るパワーモジュール200においては、4チップ構成のMISFET Q1が、主配線導体32
1 上に半田層などを介して配置されたセラミックス枠10
1 内の、主配線導体32
1 上にチップ下接合層2を介して接合されている。同様に、4チップ構成のMISFET Q4が、主配線導体32
4 上に半田層などを介して配置されたセラミックス枠10
4 内の、主配線導体32
4 上にチップ下接合層2を介して接合されている。
【0114】
セラミックス枠10
1 ・10
4 内には樹脂が充填され、4チップ構成のMISFET Q1・Q4は樹脂封止されると共に、上面板電極22
1 ・22
4 などを含んで、全体が同一材料からなる樹脂層14によってモジュール全体がパッケージングされる。
【0115】
なお、セラミックス枠10
1 ・10
4 は、
図22および
図24に示す例では複数のMISFET Q1・Q4を一括して内包しているが、複数のMISFET Q1・Q4をそれぞれ個別に内包するように配置しても良い。
【0116】
本実施の他の形態に係るパワーモジュール200の主要部は、本実施の形態と同様に、セラミックス基板8と、セラミックス基板8上の主配線導体32
1 ・32
4 に接合されたMISFET Q1・Q4と、主配線導体32
1 ・32
4 上に配置され、MISFET Q1・Q4を囲むセラミックス枠10
1 ・10
4 と、セラミックス枠10
1 ・10
4 の内側のMISFET Q1・Q4を封止すると共に、主配線導体32
1 ・32
4 およびセラミックス基板8を封止する樹脂層14とを備える。
【0117】
本実施の他の形態に係るパワーモジュール200においても、樹脂層14には、本実施の形態およびその変形例1〜8と同様の樹脂材料を適用可能であり、セラミックス枠10
1 ・10
4 には、本実施の形態およびその変形例1〜8と同様のセラミックス枠10の構成を採用することができる。
【0118】
また、本実施の他の形態に係るパワーモジュール200においても、ゲート用ワイヤGW1・GW4およびソースセンス用ワイヤSSW1・SSW4の代わりにブロック端子電極12・13や中継用基板18などを適用し、熱ストレスなどによる断線を防止して信頼性の向上を可能にしても良い。
【0119】
また、本実施の他の形態に係るパワーモジュール200においても、本実施の形態やその他の形態と同様の製造方法を適用可能であり、ケース付け無しでモジュール作製が可能となるため、モジュール作製プロセスの簡略化、モジュールの小型化を図ることができる。また、ケースなどの部材が不要となり、部品点数が削減され、低コスト化可能である。
【0120】
このように、本実施の他の形態によっても、主配線導体32
1 ・32
4 と主配線導体32
1 ・32
4 上に接合されるMISFET Q1・Q4とのCTE値の差が大きいトランスファーモールドタイプのパワーモジュール200においては、接合部に係るせん断応力σzxを著しく低減させることが可能となる。したがって、トランスファーモールドタイプのパワーモジュール200とした場合であっても、熱サイクル試験時などに接合部が破壊されるなどの劣化を抑制でき、電気特性や熱特性を高く保つことが可能となるなど、信頼性の向上が図れる。
【0121】
また、構造が簡単で、作製が容易であり、量産性が向上すると共に、小型化、製造プロセスが簡略化され、低コスト化可能なパワーモジュールを提供することができる。
【0122】
(パワーモジュールの具体例)
以下、本実施の形態に係るパワーモジュール20の具体例を説明する。もちろん、以下に説明するパワーモジュール20においても、金属パターン3上の半導体デバイス1の周囲にセラミックス枠10を形成し、金属パターン3と半導体デバイス1とのCTE値の差を緩和させる構成を採用している。
【0123】
本実施の形態に係るパワーモジュール20であって、例えば、ワンインワンモジュールのSiC MISFETの回路表現は、
図25(a)に示すように表され、ワンインワンモジュールのIGBTの回路表現は、
図25(b)に示すように表される。
【0124】
図25(a)には、MISFET Qに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。MISFET Qの主電極は、ドレイン端子DTおよびソース端子STで表される。
【0125】
同様に、
図25(b)には、IGBT Qに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。IGBT Qの主電極は、コレクタ端子CTおよびエミッタ端子ETで表される。
【0126】
また、本実施の形態に係るパワーモジュール20であって、例えば、ワンインワンモジュールのSiC MISFETの詳細回路表現は、
図26に示すように表される。
【0127】
本実施の形態に係るパワーモジュール20は、例えば、ワンインワンモジュールの構成を備える。すなわち、1個のMISFETが1つのモジュールに内蔵されており、一例として、1個のMISFETは5チップ(5個のトランジスタ)まで並列接続による搭載が可能である。なお、5チップの内、一部をダイオードDI用として搭載することも可能である。
【0128】
さらに詳細には、
図26に示すように、MISFET Qに並列にセンス用MISFET Qsが接続される。センス用MISFET Qsは、MISFET Qと同一チップ内に、微細トランジスタとして形成されている。
図26において、SSは、ソースセンス端子、CSは、電流センス端子であり、Gは、ゲート信号端子である。
【0129】
なお、本実施の形態においても、半導体デバイス1には、センス用MISFET Qsが同一チップ内に微細サイズのトランジスタとして形成されている。
【0130】
また、本実施の形態に係るパワーモジュール20Tであって、ツーインワンモジュールのSiC MISFETの回路表現は、
図27(a)に示すように表される。
【0131】
図27(a)に示すように、2個のMISFET Q1・Q4と、MISFET Q1・Q4にそれぞれ逆並列接続されるダイオードD1・D4とが、1つのモジュールに内蔵されている。
図27(a)において、G1は、MISFET Q1のゲート信号端子であり、S1は、MISFET Q1のソース端子である。G4は、MISFET Q4のゲート信号端子であり、S4は、MISFET Q4のソース端子である。Pは、正側電源入力端子であり、Nは、負側電源入力端子であり、Oは、出力端子である。
【0132】
また、本実施の形態に係るパワーモジュール20Tであって、ツーインワンモジュールのIGBTの回路表現は、
図27(b)に示すように表される。
【0133】
図27(b)に示すように、2個のIGBT Q1・Q4と、IGBT Q1・Q4に逆並列接続されるダイオードD1・D4とが、1つのモジュールに内蔵されている。
図27(b)において、G1は、IGBT Q1のゲート信号端子であり、E1は、IGBT Q1のエミッタ端子である。G4は、IGBT Q4のゲート信号端子であり、E4は、IGBT Q4のエミッタ端子である。Pは、正側電源入力端子であり、Nは、負側電源入力端子であり、Oは、出力端子である。
【0134】
(半導体デバイスの構成例)
本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC MISFET110の模式的断面構造は、
図28(a)に示すように表され、IGBT110Aの模式的断面構造は、
図28(b)に示すように表される。
【0135】
図28(a)に示すように、n
- 高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたソース領域130と、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ ドレイン領域124と、n
+ ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0136】
図28(a)の例では、プレーナゲート型nチャネル縦型SiC MISFETの構成が開示されているが、後述する
図32に示すように、トレンチゲート型nチャネル縦型SiC TMISFETなどで構成されていても良い。また、SiC MISFETの代わりに、GaN系FETなどを採用することもできる。本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tとして、SiC系、GaN系のいずれかのパワーデバイスを採用する場合は特に効果的となる。
【0137】
さらには、本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用可能な半導体デバイスには、バンドギャップエネルギーが、例えば、1.1eV〜8eVのワイドバンドギャップ型の半導体を用いることができる。
【0138】
同様に、本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用可能な半導体デバイスの例として、IGBT110Aは、
図28(b)に示すように、n
- 高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたエミッタ領域130Eと、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、エミッタ領域130Eおよびpボディ領域128に接続されたエミッタ電極134Eと、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたp
+ コレクタ領域124Pと、p
+ コレクタ領域124Pに接続されたコレクタ電極136Cとを備える。
【0139】
図28(b)の例では、プレーナゲート型のnチャネル縦型IGBTの構成が開示されているが、トレンチゲート型nチャネル縦型IGBTなどで構成されていても良い。
【0140】
本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用可能な半導体デバイスの例であって、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GPを含むSiC MISFET110の模式的断面構造は、
図29に示すように表される。
【0141】
図29において、ゲートパッド電極GPは、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。また、ゲートパッド電極GPおよびソースパッド電極SPは、
図29に示すように、表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。
【0142】
なお、ゲートパッド電極GPおよびソースパッド電極SPの下方の半導体基板126内には、
図28(a)あるいは
図29の中央部と同様に、微細構造のトランジスタ構造が形成されていても良い。
【0143】
さらに、
図29に示すように、中央部のトランジスタ構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜144上にソースパッド電極SPが延在して配置されていても良い。
【0144】
本実施の形態に係るパワーモジュール20・20Tに適用する半導体デバイスの例であって、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GPを含むIGBT110Aの模式的断面構造は、
図30に示すように表される。
【0145】
図30において、ゲートパッド電極GPは、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続され、エミッタパッド電極EPは、エミッタ領域130Eおよびpボディ領域128に接続されたエミッタ電極134Eに接続される。また、ゲートパッド電極GPおよびエミッタパッド電極EPは、
図30に示すように、表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。
【0146】
なお、ゲートパッド電極GPおよびエミッタパッド電極EPの下方の半導体基板126内には、
図28(b)あるいは
図30の中央部と同様に、微細構造のIGBT構造が形成されていても良い。
【0147】
さらに、
図30に示すように、中央部のIGBT構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜144上にエミッタパッド電極EPが延在して配置されていても良い。
【0148】
―SiC DIMISFET―
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC DIMISFET110の模式的断面構造は、
図31に示すように表される。
【0149】
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tに適用可能なSiC DIMISFETは、
図31に示すように、n
- 高抵抗層からなる半導体基板126と、半導体基板126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ ソース領域130と、pボディ領域128間の半導体基板126の表面上に配置されたゲート絶縁膜132と、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138と、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ ドレイン領域124と、n
+ ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0150】
図31において、pボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ ソース領域130とがダブルイオン注入(DI)で形成され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。また、ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GP(図示省略)は、
図31に示すように、表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。
【0151】
SiC DIMISFET110は、
図31に示すように、pボディ領域128に挟まれたn
- 高抵抗層からなる半導体基板126内に、破線で示されるような空乏層が形成されるため、接合型FET(JFET)効果に伴うチャネル抵抗R
JFETが形成される。また、pボディ領域128/半導体基板126間には、
図31に示すように、ボディダイオードBDが形成される。
【0152】
―SiC TMISFET―
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC TMISFET110の模式的断面構造は、
図32に示すように表される。
【0153】
図32に示すように、n層からなる半導体基板126Nと、半導体基板126Nの表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたn
+ ソース領域130と、pボディ領域128を貫通し、半導体基板126Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介して形成されたトレンチゲート電極138TGと、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134と、半導体基板126Nの表面と反対側の裏面に配置されたn
+ ドレイン領域124と、n
+ ドレイン領域124に接続されたドレイン電極136とを備える。
【0154】
図32において、pボディ領域128を貫通し、半導体基板126Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介してトレンチゲート電極138TGが形成され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁膜132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SPおよびゲートパッド電極GP(図示省略)は、
図32に示すように、表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144U上に配置される。
【0155】
SiC TMISFETでは、SiC DIMISFETのような接合型FET(JFET)効果に伴うチャネル抵抗R
JFETは形成されない。また、pボディ領域128/半導体基板126N間には、
図31と同様に、ボディダイオードBDが形成される。
【0156】
(パワーモジュールを適用した応用例)
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tを用いて構成した3相交流インバータ140の回路構成において、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用し、電源端子PL・接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した回路構成例は、
図33(a)に示すように表される。
【0157】
同様に、本実施の形態に係るパワーモジュール20Tを用いて構成した3相交流インバータ140Aの回路構成において、半導体デバイスとしてIGBTを適用し、電源端子PL・接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した回路構成例は、
図33(b)に示すように表される。
【0158】
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tを電源Eと接続する際、接続ラインの有するインダクタンスLによって、SiC MISFETやIGBTのスイッチング速度が速いため、大きなサージ電圧Ldi/dtを生ずる。例えば、電流変化di=300A、スイッチングに伴う時間変化dt=100nsecとすると、di/dt=3×10
9 (A/s)となる。
【0159】
インダクタンスLの値により、サージ電圧Ldi/dtの値は変化するが、電源Eに、このサージ電圧Ldi/dtが重畳される。電源端子PL・接地端子NL間に接続されるスナバコンデンサCによって、このサージ電圧Ldi/dtを吸収することができる。
【0160】
(パワーモジュールを適用した具体例)
次に、
図34を参照して、半導体デバイスとしてSiC MISFETを適用した本実施の形態に係るパワーモジュール20Tを用いて構成した3相交流インバータ140について説明する。
【0161】
図34に示すように、3相交流インバータ140は、ゲートドライブ部150と、ゲートドライブ部150に接続されたパワーモジュール部152と、3相交流モータ部154とを備える。パワーモジュール部152は、3相交流モータ部154のU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。
【0162】
ここで、ゲートドライブ部150は、SiC MISFET Q1・Q4、SiC MISFET Q2・Q5、およびSiC MISFET Q3・Q6に接続されている。
【0163】
パワーモジュール部152は、電源もしくは蓄電池(E)146が接続されたコンバータ148のプラス端子(+)とマイナス端子(−)との間に接続され、インバータ構成のSiC MISFET Q1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。また、SiC MISFET Q1〜Q6のソース・ドレイン間には、フリーホイールダイオードD1〜D6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0164】
次に、
図35を参照して、半導体デバイスとしてIGBTを適用した本実施の形態に係るパワーモジュール20Tを用いて構成した3相交流インバータ140Aについて説明する。
【0165】
図35に示すように、3相交流インバータ140Aは、ゲートドライブ部150Aと、ゲートドライブ部150Aに接続されたパワーモジュール部152Aと、3相交流モータ部154Aとを備える。パワーモジュール部152Aは、3相交流モータ部154AのU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。
【0166】
ここで、ゲートドライブ部150Aは、IGBT Q1・Q4、IGBT Q2・Q5、およびIGBT Q3・Q6に接続されている。
【0167】
パワーモジュール部152Aは、蓄電池(E)146Aが接続されたコンバータ148Aのプラス端子(+)とマイナス端子(−)との間に接続され、インバータ構成のIGBT Q1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。また、IGBT Q1〜Q6のエミッタ・コレクタ間には、フリーホイールダイオードD1〜D6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0168】
本実施の形態に係るパワーモジュール20Tは、ワンインワン、ツーインワン、フォーインワン、シックスインワン、もしくはセブンインワンのいずれの型にも形成可能である。
【0169】
以上説明したように、本実施の形態によれば、トランスファーモールドタイプとした場合にも、接合部が劣化するのを抑制でき、作製が容易であると共に、信頼性の向上が可能なパワーモジュール、およびそれを備えたインバータ装置を提供することができる。
【0170】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、実施の各形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0171】
このように、本実施の各形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。