特許第6591880号(P6591880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591880
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】通信装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   H05K7/20 J
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-235493(P2015-235493)
(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公開番号】特開2017-103349(P2017-103349A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】517121630
【氏名又は名称】APRESIA Systems株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真道
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−107236(JP,A)
【文献】 特開平04−295223(JP,A)
【文献】 特開2002−032152(JP,A)
【文献】 特開2002−108483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却用の空気を通すための通風孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられた複数の発熱部品と、
前記筐体に設けられ、前記通風孔を通して冷却用の空気を吸排気し、前記筐体内を冷却するためのファンと、
前記筐体内に設けられ、前記冷却用の空気の風量を検出する風量センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の湿度を検出する湿度センサと、
前記風量センサが検出した風量および前記湿度センサが検出した湿度に基づいて、アラーム通知の制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御し、前記風量センサが検出した風量が前記第1閾値以下であり、かつ、前記湿度センサが検出した湿度が前記第2閾値以上であるときは、通信装置をシャットダウンするように制御する、通信装置。
【請求項2】
冷却用の空気を通すための通風孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられた複数の発熱部品と、
前記筐体に設けられ、前記通風孔を通して冷却用の空気を吸排気し、前記筐体内を冷却するためのファンと、
前記筐体内に設けられ、前記冷却用の空気の風量を検出する風量センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の湿度を検出する湿度センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の温度を検出する温度センサと、
前記風量センサが検出した風量および前記湿度センサが検出した湿度に基づいて、アラーム通知の制御を行う制御部と、
を備え、
前記複数の発熱部品は、外部とのデータ通信を行う複数の通信用LSIを含み、
前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御し、前記温度センサが検出した温度が予め段階的に設定した第3閾値以上であるときは、前記複数の通信用LSIを予め設定した優先順位に従って動作を停止させるように制御する、通信装置。
【請求項3】
請求項に記載の通信装置において、
前記制御部は、
前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であり、かつ、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるとき、
または、前記温度センサが検出した温度が予め段階的に設定した第3閾値以上であるときは、
前記通信装置をシャットダウンするように制御する、通信装置。
【請求項4】
冷却用の空気を通すための通風孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられた複数の発熱部品と、
前記筐体に設けられ、前記通風孔を通して冷却用の空気を吸排気し、前記筐体内を冷却するためのファンと、
前記筐体内に設けられ、前記冷却用の空気の風量を検出する風量センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の湿度を検出する湿度センサと、
前記風量センサが検出した風量および前記湿度センサが検出した湿度に基づいて、アラーム通知の制御を行う制御部と、
を備えた、通信装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御し、前記風量センサが検出した風量が前記第1閾値以下であり、かつ、前記湿度センサが検出した湿度が前記第2閾値以上であるときは、前記通信装置をシャットダウンするように制御する、通信装置の制御方法。
【請求項5】
冷却用の空気を通すための通風孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられた複数の発熱部品と、
前記筐体に設けられ、前記通風孔を通して冷却用の空気を吸排気し、前記筐体内を冷却するためのファンと、
前記筐体内に設けられ、前記冷却用の空気の風量を検出する風量センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の湿度を検出する湿度センサと、
前記筐体内に設けられ、前記筐体内の温度を検出する温度センサと、
前記風量センサが検出した風量および前記湿度センサが検出した湿度に基づいて、アラーム通知の制御を行う制御部と、
を備えた、通信装置の制御方法であって、
前記複数の発熱部品は、外部とのデータ通信を行う複数の通信用LSIを含み、
前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御し、前記温度センサが検出した温度が予め段階的に設定した第3閾値以上であるときは、前記複数の通信用LSIを予め設定した優先順位に従って動作を停止させるように制御する、通信装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置は、内部に通信用LSIが実装されている。このような通信装置では、通信用LSIが通信トラフィック量に応じて発熱するため、この通信用LSIを冷却するためのファンが設置されている。このファンにより、通信装置内部に冷却用の空気の流れを作り、通信用LSIを冷却する。このような通信装置の構成において、通信装置の筐体には通風孔が形成されており、この通風孔から冷却用の空気が取り込まれる。
【0003】
例えば、ファンに関する技術として、特許文献1がある。この特許文献1には、温度や湿度が閾値よりも高くなったときにファンの通気量を増やすように制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−191772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような通信装置は、例えば、空調などが無く埃が滞留するような環境に置かれる場合がある。このような場合、埃が通風孔を通り抜けて通信装置内部に取り込まれることがある。例えば、通風孔を通り抜けた埃が通信装置内部の電気回路に付着して空気中の水分と結びついた場合には、埃が炭化するなどしてトラッキング現象が発生するおそれがある。なお、上述した特許文献1では、トラッキング現象の発生については考慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、トラッキング現象の発生を防止する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の形態の通信装置は、冷却用の空気を通すための通風孔が形成された筐体と、前記筐体内に設けられた複数の発熱部品と、前記筐体に設けられ、前記通風孔を通して冷却用の空気を吸排気し、前記筐体内を冷却するためのファンと、を備える。さらに、一実施の形態の通信装置は、前記筐体内に設けられ、前記冷却用の空気の風量を検出する風量センサと、前記筐体内に設けられ、前記筐体内の湿度を検出する湿度センサと、前記風量センサが検出した風量および前記湿度センサが検出した湿度に基づいて、アラーム通知の制御を行う制御部と、を備える。
【0008】
より望ましくは、前記一実施の形態の通信装置において、前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御する。
【0009】
本発明の一実施の形態の通信装置の制御方法は、上述した一実施の形態の通信装置において、前記制御部は、前記風量センサが検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、前記湿度センサが検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施の形態によれば、トラッキング現象の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る通信装置の全体構成および冷却用の空気の流れの一例を説明する図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る通信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る通信装置の前面の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る通信装置の制御方法の一例を示すフロー図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る通信装置の全体構成および冷却用の空気の流れの一例を説明する図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る通信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る通信装置の制御方法の一例を示すフロー図である。
図8図7に続く通信装置の制御方法の一例を示すフロー図である。
図9図7および図8による通信装置の制御方法において、各閾値とアラームおよびシャットダウンとの関係の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
[実施の形態1]
実施の形態1に係る通信装置およびその制御方法を、図1図4を用いて説明する。
【0014】
<通信装置>
図1図3は、本実施の形態に係る通信装置を説明するための図である。図1は、通信装置の全体構成および冷却用の空気の流れの一例を説明する図である。図1では、通信装置を上面から見て、その概略を示している。図2は、通信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図3は、通信装置の前面の一例を示す図である。
【0015】
図1図3に示すように、通信装置1は、冷却用の空気を通すための通風孔2が形成された筐体3と、筐体3内に設けられた複数の発熱部品4と、筐体3に設けられ、通風孔2を通して冷却用の空気を吸排気し、筐体3内を冷却するためのファン5と、を備えている。
【0016】
ここでは、一例として、通信装置1がネットワークスイッチ(スイッチングハブ)1aである場合を説明する。この場合、発熱部品4は、外部とのデータ通信を行う通信用LSI(Large Scale Integration)4a〜4bや、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、監視タイマーおよび内部タイマーなどを含む制御部12や、CPUおよびメモリなどを含む制御回路13となる。
【0017】
通信用LSI4a〜4bは、複数のポートをまとめたポートブロック6ごとに設けられ、外部とのデータ通信において、符号処理などの通信処理を行うものである。ここでは、12のポートのうち6のポートを1つのポートブロック6として、2つの通信用LSI4a〜4bを備えている場合を説明する。以下、第1〜6ポートに対応するものを第1通信用LSI4a、第7〜12ポートに対応するものを第2通信用LSI4bと呼称する。なお、ポートは12に限らず、これ以上でも、これ以下でもよい。また、ポートが増えれば、これに対応して通信用LSIも増えることになる。また、1つのポートブロックは6のポートに限らず、これ以上でも、これ以下でもよい。
【0018】
制御部12は、各通信用LSI4a〜4bに接続され、各ポートのフレーム転送制御を行う。また、制御部12は、LED(Light Emitting Diode)10に接続されたLED駆動回路11に接続され、LED10を点灯させるなどのアラーム通知の制御も行う。LED10は、筐体3の正面(前面)側に設けられている。
【0019】
制御回路13は、風量センサ7および湿度センサ8に接続され、各センサが検出した風量および湿度の情報を制御部12へ転送する。また、制御回路13は、制御部12に接続され、この制御部12では、制御回路13から転送されてくる風量および湿度の各検出情報に基づいた制御を行う。
【0020】
通信装置1において、通信用LSI4a〜4b、制御部12および制御回路13や、風量センサ7および湿度センサ8の各センサは、基板上に実装されて、筐体3内に収納されている。
【0021】
この通信装置1において、筐体3の背面側にはファン5が設けられている。ファン5は、筐体3の正面(前面)側に形成された通風孔2を通して、外部から冷却用の空気を取り込み、この冷却用の空気を吸排気して筐体3内を冷却するように設けられている。すなわち、この通信装置1は、筐体3の前面の通風孔2から吸気し、筐体3の背面から排気する前面吸気・背面排気の構造となっている。
【0022】
なお、図1では、筐体3内にファン5を2つ設ける場合を示しているが、ファン5の数はこれに限定されるものではない。また、ここでは、通信装置1の起動中にファン5が一定回転数で回転される場合を説明するが、通信装置1の稼働状態などに応じてファン5の回転数を調整する機構を有していても構わない。
【0023】
図3に示すように、ネットワークスイッチ1aでは、前面のパネル21には各ポートのジャック22が多数配置されているため、大径の通風孔2を形成するスペースを確保することが困難であり、パネル21の縁部(ここでは上方の縁部)に小径の通風孔2を多数形成するのが一般的である。図3のネットワークスイッチ1aのように小径の通風孔2を多数形成したタイプの通信装置1は、例えば、空調などが無く埃が滞留するような環境に置かれる場合がある。
【0024】
このような場合、埃が通風孔2を通り抜けて通信装置1内部に取り込まれることがある。例えば、通風孔2を通り抜けた埃が通信装置1内部の通信用LSI4a〜4b、制御部12や制御回路13などの電気回路に付着して空気中の水分と結びついた場合には、埃が炭化するなどしてトラッキング現象が発生するおそれがある。トラッキング現象は、埃が水分を含むことで導通路ができ、この導通路は細く高抵抗なので発熱して炭化し、導通抵抗が低くなり大電流が流れて火花放電し、発火につながる現象である。このトラッキング現象の発生は空気中の水分が影響するため、この水分に関係する通信装置1内部の湿度を監視することが望ましい。
【0025】
また、埃が通風孔2を通り抜けず、通風孔2に溜まって目詰まりを起こしてしまう場合もある。このような場合、通信装置1内部に冷却用の空気が取り込まれないため、トラッキング現象の発生に影響することも考えられるので、この空気の風量を監視することも望ましい。
【0026】
そこで、本実施の形態に係る通信装置1では、筐体3内に設けられた風量センサ7と、筐体3内に設けられた湿度センサ8と、を備えている。そして、制御部12は、風量センサ7が検出した風量と、湿度センサ8が検出した湿度とに基づいて制御を行う。例えば、制御部12は、風量センサ7が検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、湿度センサ8が検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御する。さらに、制御部12は、風量センサ7が検出した風量が予め設定した第1閾値以下であり、かつ、湿度センサ8が検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは、通信装置1をシャットダウンするように制御する。
【0027】
風量センサ7は、通風孔2を通して吸排気される冷却用の空気の風量を検出するセンサである。風量センサ7が検出した風量の出力信号は、制御回路13を介して制御部12に入力される。この風量センサ7は、例えば、通風孔2の近傍などの空気の流れが大きくなる場所に配置されることが望ましい。
【0028】
湿度センサ8は、筐体3内の湿度を検出するセンサである。ここでの湿度は、相対湿度を指す。湿度センサ8が検出した湿度の出力信号は、制御回路13を介して制御部12に入力される。この湿度センサ8は、例えば、電気回路である通信用LSI4a〜4b、制御部12および制御回路13の近傍などの湿度が高くなる場所に配置されることが望ましい。
【0029】
なお、本実施の形態では、図1のように風量センサ7および湿度センサ8をそれぞれ1つ備える場合を説明するが、2つ以上であっても構わない。
【0030】
制御部12において、風量および湿度の判断基準となる閾値は、風量異常(風量低下)に基づくアラーム通知、湿度異常(湿度上昇)に基づくアラーム通知のそれぞれに対応して設定される。風量および湿度の判断基準となる閾値は、通信装置1の動作を継続した際にトラッキング現象を発生する危険のある風量および湿度に設定される。
【0031】
本実施の形態では、風量の判断基準となる閾値、湿度の判断基準となる閾値をそれぞれ設定し、風量異常アラーム通知、湿度異常アラーム通知を行うように制御部12を構成した。
【0032】
具体的には、風量が第1閾値以下であるときは、風量異常アラーム通知を行い、湿度が第2閾値以上であるときは、湿度異常アラーム通知を行う。さらに、風量が第1閾値以下であり、かつ、湿度が第2閾値以上であるときは、通信装置1をシャットダウンするように構成した。
【0033】
このように、本実施の形態では、風量が第1閾値以下になったら風量異常アラーム通知を行い、さらに、湿度が第2閾値以上になったら湿度異常アラーム通知を行い、そして、通信装置1をシャットダウンすることで、トラッキング現象の発生を防止することができる。
【0034】
また、通信装置1の起動直後は、ファン5の回転数が安定しないので、誤動作を抑制するために、制御部12は、起動から所定時間は、風量および湿度の検出値と閾値との比較判断を行わないように監視タイマーなどを設けることが望ましい。
【0035】
また、本実施の形態では、風量異常アラーム通知および湿度異常アラーム通知のために、LED10とLED10を駆動するLED駆動回路11とを備えている。そして、制御部12は、風量が第1閾値以下となったときに、風量異常のアラーム信号をLED駆動回路11に出力し、LED駆動回路11を制御してLED10を点灯させることで、作業者に、通信装置1の風量異常が発生してメンテナンスが必要であることを光により報知するように構成した。また、制御部12は、風量が第1閾値以下でないときは、アラーム解除信号をLED駆動回路11に出力し、LED駆動回路11を制御してLED10を消灯させるように構成した。
【0036】
さらに、制御部12は、湿度が第2閾値以上となったときに、湿度異常のアラーム信号をLED駆動回路11に出力し、LED駆動回路11を制御してLED10を点灯させることで、作業者に、通信装置1の湿度異常が発生してメンテナンスの必要性が高まったことを光により報知するように構成した。また、制御部12は、湿度が第2閾値以上でないときは、アラーム解除信号をLED駆動回路11に出力し、LED駆動回路11を制御してLED10を消灯させるように構成した。なお、風量異常が発生した場合と、湿度異常が発生した場合とで、点灯させるLED10の色を異ならせることがより望ましい。
【0037】
ただし、風量異常アラーム通知および湿度異常アラーム通知の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)トラップなどによりネットワークを通じて上位装置に警報を行うように構成してもよいし、ブザーなどを用いて音により報知を行うように構成してもよい。
【0038】
さらに、風量の判断基準となる第1閾値、湿度の判断基準となる第2閾値は、段階的に設定することも可能であり、この場合には、風量が徐々に低下してきていること、湿度が徐々に上昇してきていることを段階的に報知することができる。
【0039】
<通信装置の制御方法>
図4は、本実施の形態に係る通信装置の制御方法の一例を示すフロー図である。本実施の形態に係る通信装置1において、制御部12は、通信装置1の起動後に図4の制御フローを実行する。
【0040】
まず、ステップS1にて、制御部12は、監視タイマーを監視して、通信装置1の起動後に所定時間が満了するまで待つ。この所定時間とは、通信装置1の各構成部品などが安定に動作するまでの時間である。その後、ステップS2にて、制御部12は、風量センサ7で検出した風量が第1閾値以下であるか否かを判断する。
【0041】
ステップS2でYESと判断された場合、ステップS3にて、制御部12は、風量異常アラーム通知を行う。この風量異常アラーム通知では、LED10の点灯や、SNMPトラップ、ブザーなどにより警報を発し、管理者にメンテナンスが必要であることが報知される。
【0042】
さらに、ステップS3の実行後に、ステップS4にて、制御部12は、湿度センサ8で検出した湿度が第2閾値以上であるか否かを判断する。
【0043】
ステップS4でYESと判断された場合、ステップS5にて、制御部12は、湿度異常アラーム通知を行う。この湿度異常アラーム通知でも、LED10の点灯や、SNMPトラップ、ブザーなどにより警報を発し、管理者にメンテナンスが必要であることが報知される。
【0044】
さらに、ステップS5の実行後に、ステップS6にて、制御部12は、内部タイマーにおいて、通信装置1のシャットダウンに必要な所定時間が満了したか否かを判断する。この所定時間とは、通信装置1の各構成部品などが処理を終了し、シャットダウンの準備完了となるまでの時間である。ステップS6でNOと判断された場合、ステップS6に戻る。
【0045】
ステップS6でYESと判断された場合、ステップS7にて、制御部12は、通信装置1全体をシャットダウンし、処理を終了する。
【0046】
また、ステップS2でNOと判断された場合、ステップS8にて、制御部12は、風量異常アラーム解除通知を行う。この風量異常アラーム解除通知では、LED10の消灯や、SNMPトラップ、ブザーなどによる警報が解除される。
【0047】
さらに、ステップS8の実行後に、ステップS9にて、制御部12は、ステップS4と同様に、湿度センサ8で検出した湿度が第2閾値以上であるか否かを判断する。
【0048】
ステップS9でYESと判断された場合、ステップS10にて、制御部12は、ステップS5と同様に、湿度異常アラーム通知を行う。そして、ステップS10の実行後に、ステップS2に戻る。
【0049】
また、ステップS9でNOと判断された場合、ステップS11にて、制御部12は、湿度異常アラーム解除通知を行う。この湿度異常アラーム解除通知でも、LED10の消灯や、SNMPトラップ、ブザーなどによる警報が解除される。そして、ステップS11の実行後に、ステップS2に戻る。
【0050】
また、ステップS4でNOと判断された場合、ステップS12にて、制御部12は、ステップS11と同様に、湿度異常アラーム解除通知を行う。そして、ステップS12の実行後に、ステップS2に戻る。
【0051】
<実施の形態1の効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る通信装置1では、風量センサ7と、湿度センサ8と、制御部12と、を備える。風量センサ7は、筐体3内に設けられ、冷却用の空気の風量を検出する。湿度センサ8は、筐体3内に設けられ、筐体3内の湿度を検出する。そして、制御部12は、風量センサ7が検出した風量が予め設定した第1閾値以下であるときは風量異常のアラーム通知を行うように制御し、湿度センサ8が検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは湿度異常のアラーム通知を行うように制御することができる。さらに、制御部12は、風量センサ7が検出した風量が予め設定した第1閾値以下であり、かつ、湿度センサ8が検出した湿度が予め設定した第2閾値以上であるときは、通信装置1をシャットダウンするように制御することができる。
【0052】
これにより、通風孔2を通り抜けた埃が通信装置1内部の通信用LSI4a〜4b、制御部12や制御回路13などの電気回路に付着した場合であっても、湿度を監視することで、埃が空気中の水分と結びついて炭化することを回避し、トラッキング現象の発生を防止することができる。また、風量を監視することで、埃が通風孔2に溜まって目詰まりを起こすことを防止することができる。この結果、通信装置1の故障を未然に防止することができる。
【0053】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る通信装置およびその制御方法を、図5図9を用いて説明する。
【0054】
前記実施の形態1に係る通信装置1では、風量センサ7と湿度センサ8とを備えている場合を説明したが、より好適には、温度センサを備えることが望ましい。本実施の形態では、風量センサ7と湿度センサ8とに加えて、温度センサを備えた例を、前記実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0055】
<通信装置>
図5図6は、本実施の形態に係る通信装置を説明するための図である。図5は、通信装置の全体構成および冷却用の空気の流れの一例を説明する図である。図6は、通信装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0056】
本実施の形態に係る通信装置1では、図5図6に示すように、風量センサ7と湿度センサ8とに加えて、温度センサ31を備えている。温度センサ31は、筐体3内に設けられ、筐体3内の温度を検出するセンサである。この温度センサ31も、風量センサ7および湿度センサ8と同様に、基板上に実装されて、筐体3内に収納されている。温度センサ31が検出した温度の出力信号は、制御回路13を介して制御部12に入力される。この温度センサ31は、例えば、発熱部品である通信用LSI4a〜4b、制御部12および制御回路13の近傍などの温度が高くなる場所に配置されることが望ましい。
【0057】
制御回路13は、風量センサ7、湿度センサ8および温度センサ31に接続され、各センサが検出した風量、湿度および温度の情報を制御部12へ転送する。また、制御回路13は、制御部12に接続され、この制御部12では、制御回路13から転送されてくる風量、湿度および温度の各検出情報に基づいた制御を行う。風量および湿度については、前記実施の形態1と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】
本実施の形態のような通信装置1では、埃が通風孔2に溜まって目詰まりを起こしてしまう場合に、通信装置1内部に冷却用の空気が取り込まれないため、通信装置1内部の温度が上昇することも考えられる。特に、通信装置1内部の温度の上昇は、通信トラフィック量に応じて発熱する通信用LSI4a〜4bを含む発熱部品4の動作による影響が大きい。このような場合も考慮して、通信装置1内部の温度を監視することが望ましい。
【0059】
そこで、本実施の形態に係る通信装置1では、筐体3内に設けられた温度センサ31を備えている。温度センサ31を備えた構成において、制御部12は、風量センサ7が検出した風量および湿度センサ8が検出した湿度の他、温度センサ31が検出した温度に基づいて制御を行う。例えば、制御部12は、風量センサ7が検出した風量が予め設定した第1閾値以下でなくても、あるいは、湿度センサ8が検出した湿度が予め設定した第2閾値以上でなくても、温度センサ31が検出した温度が予め段階的に設定した第3(3a、3b)閾値以上であるときは、通信用LSI4a〜4bを予め設定した優先順位に従って動作を停止させるように制御する。
【0060】
制御部12において、温度の判断基準となる閾値は、段階的に、温度異常(温度上昇)に基づく第1〜第2指定ブロックシャットダウン通知のそれぞれに対応して設定される。温度の判断基準となる閾値は、通信用LSI4a〜4bの動作を継続した際に故障が発生する危険のある温度に段階的に設定される。ここで、第1指定ブロックは、第1通信用LSI4aに繋がる第1〜6ポートに対応する。また、第2指定ブロックは、第2通信用LSI4bに繋がる第7〜12ポートに対応する。
【0061】
本実施の形態では、風量の判断基準となる閾値、湿度の判断基準となる閾値の他、温度の判断基準となる閾値をそれぞれ設定し、かつ、温度の判断基準となる閾値については段階的に設定し、通信用LSI4a〜4bの動作停止を段階的に行うように制御部12を構成した。
【0062】
具体的には、風量が第1閾値以下であるときは、風量異常アラーム通知を行い、湿度が第2閾値以上であるときは、湿度異常アラーム通知を行う。さらに、温度が第3a閾値以上であるときは、第1温度異常アラーム通知および第1指定ブロックシャットダウン通知を行い、第1通信用LSI4aの動作を停止させ、温度が第3b閾値以上であるときは、第2温度異常アラーム通知および第2指定ブロックシャットダウン通知を行い、第2通信用LSI4bの動作を停止させるように構成した。また、温度が第3a閾値以上でないときは、第1温度異常アラーム解除通知を行い、温度が第3b閾値以上でないときは、第2温度異常アラーム解除通知を行うように構成した。なお、温度の各閾値の大小関係は、第3a閾値<第3b閾値、である。
【0063】
この場合に、第1指定ブロックシャットダウン通知では、制御部12から第1通信用LSI4aにシャットダウン命令を出力することで、第1通信用LSI4aの動作が停止するとともに第1〜6ポートがシャットダウンする。また、第2指定ブロックシャットダウン通知では、制御部12から第2通信用LSI4bにシャットダウン命令を出力することで、第2通信用LSI4bの動作が停止するとともに第7〜12ポートがシャットダウンする。
【0064】
さらに、風量が第1閾値以下であり、かつ、湿度が第2閾値以上であるときは、通信装置1をシャットダウンするように構成した。また、風量および湿度によらず、温度が第3b閾値以上であるときも、通信装置1をシャットダウンするように構成した。
【0065】
このように、本実施の形態では、温度が第3a閾値以上になったら第1通信用LSI4aの動作を停止させ、さらに、温度が第3b閾値以上になったら第2通信用LSI4bの動作を停止させ、そして、通信装置1をシャットダウンすることで、通信装置1の故障を確実に回避することができる。
【0066】
本実施の形態では、段階的に、第1通信用LSI4a、さらに第2通信用LSI4bの動作を停止させるので、自動的にポートをシャットダウンし、通信トラフィック量を絞っていくことができる。
【0067】
ここで、通信用LSI4a〜4bの動作を停止させる順番(優先順位)については、使用者が任意に選択できるように構成することが望ましい。これにより、例えば、比較的重要度の低いポートから順次シャットダウンし、システムの設計上重要なポートを最後までシャットダウンさせないようにする、といった対応が可能になる。システムの設計上重要なポートには、例えば、ネットワークにおける階層構造の上位側の装置に接続されるポートなどがある。
【0068】
また、本実施の形態では、温度の閾値を第3a閾値と第3b閾値の2段階で設定したが、3段階以上で設定することも可能であり、この場合には、温度が徐々に上昇してきていることを細かに報知することができる。
【0069】
<通信装置の制御方法>
図7および図8は、本実施の形態に係る通信装置の制御方法の一例を示すフロー図である。本実施の形態に係る通信装置1において、制御部12は、通信装置1の起動後に図7および図8の制御フローを実行する。ステップS1〜S12については、前記実施の形態1と同様に行われる。
【0070】
ステップ10(湿度異常アラーム通知)の実行後に、ステップS21にて、制御部12は、温度センサ31で検出した温度が第3a閾値以上であるか否かを判断する。
【0071】
ステップS21でYESと判断された場合、制御部12は、ステップS22にて、第1温度異常アラーム通知を行い、ステップS23にて、第1指定ブロックシャットダウン通知を行い、ステップS24にて、第1通信用LSI4aの動作を停止させる。第1通信用LSI4aの動作停止では、第1指定ブロックの第1〜6ポートもシャットダウンとなる。この第1温度異常アラーム通知や第1指定ブロックシャットダウン通知では、LED10の点灯や、SNMPトラップ、ブザーなどにより警報を発し、管理者にメンテナンスが必要であることが報知される。
【0072】
さらに、ステップS24の実行後に、ステップS25にて、制御部12は、温度センサ31で検出した温度が第3b閾値以上であるか否かを判断する。
【0073】
ステップS25でYESと判断された場合、制御部12は、ステップS26にて、第2温度異常アラーム通知を行い、ステップS27にて、第2指定ブロックシャットダウン通知を行い、ステップS28にて、第2通信用LSI4bの動作を停止させる。第2通信用LSI4bの動作停止では、第2指定ブロックの第7〜12ポートもシャットダウンとなる。この第2温度異常アラーム通知や第2指定ブロックシャットダウン通知でも、LED10の点灯や、SNMPトラップ、ブザーなどにより警報を発し、管理者にメンテナンスが必要であることが報知される。
【0074】
さらに、ステップS28の実行後に、ステップS29にて、制御部12は、ステップS6と同様に、内部タイマーにおいて、通信装置1のシャットダウンに必要な所定時間が満了したか否かを判断する。ステップS29でNOと判断された場合、ステップS29に戻る。
【0075】
ステップS29でYESと判断された場合、ステップS7にて、制御部12は、通信装置1全体をシャットダウンし、処理を終了する。
【0076】
また、ステップS21でNOと判断された場合、ステップS30にて、制御部12は、第1温度異常アラーム解除通知を行う。この第1温度異常アラーム解除通知でも、LED10の消灯や、SNMPトラップ、ブザーなどによる警報が解除される。そして、ステップS30の実行後に、ステップS31にて、第1通信用LSI4aの動作を継続して、ステップS2に戻る。
【0077】
また、ステップS25でNOと判断された場合、ステップS32にて、制御部12は、第2温度異常アラーム解除通知を行う。この第2温度異常アラーム解除通知でも、LED10の消灯や、SNMPトラップ、ブザーなどによる警報が解除される。そして、ステップS32の実行後に、ステップS33にて、第2通信用LSI4bの動作を継続して、ステップS2に戻る。
【0078】
図7および図8で示した通信装置の制御方法において、各閾値とアラームおよびシャットダウンとの関係をまとめると図9のようになる。図9は、図7および図8による通信装置の制御方法において、各閾値とアラームおよびシャットダウンとの関係の一例を説明する図である。
【0079】
図9において、風量(第1閾値)、湿度(第2閾値)、温度(第3a閾値、第3b閾値)のそれぞれは、○が正常状態、×が異常状態を示す。アラームには、風量異常、湿度異常、温度異常の各アラームがある。シャットダウンには、第1通信用LSI、装置の各シャットダウンがある。
【0080】
例えば、風量、湿度および温度(第3a閾値および第3b閾値)のいずれもが正常状態の場合には、アラームおよびシャットダウンのいずれもない。また、風量、湿度および温度(第3b閾値)が正常状態で、温度(第3a閾値)が異常状態の場合には、アラームはなく、第1通信用LSIがシャットダウンとなる。また、風量および湿度が正常状態で、温度(第3a閾値および第3b閾値)が異常状態の場合には、アラームはなく、装置がシャットダウンとなる。
【0081】
また、風量および温度(第3a閾値および第3b閾値)が正常状態で、湿度が異常状態の場合には、湿度異常のアラームがあり、シャットダウンはない。また、風量および温度(第3b閾値)が正常状態で、湿度および温度(第3a閾値)が異常状態の場合には、湿度異常のアラームがあり、第1通信用LSIがシャットダウンとなる。また、風量が正常状態で、湿度および温度(第3a閾値および第3b閾値)が異常状態の場合には、湿度異常のアラームがあり、装置がシャットダウンとなる。
【0082】
また、湿度および温度(第3a閾値および第3b閾値)が正常状態で、風量が異常状態の場合には、風量異常のアラームがあり、シャットダウンはない。また、湿度および温度(第3b閾値)が正常状態で、風量および温度(第3a閾値)が異常状態の場合には、風量異常のアラームがあり、第1通信用LSIがシャットダウンとなる。また、湿度が正常状態で、風量および温度(第3a閾値および第3b閾値)が異常状態の場合には、風量異常のアラームがあり、装置がシャットダウンとなる。
【0083】
また、温度(第3a閾値および第3b閾値)が正常状態で、風量および湿度が異常状態の場合には、風量異常および温度異常のアラームがあり、装置がシャットダウンとなる。また、温度(第3b閾値)が正常状態で、風量、湿度および温度(第3a閾値)が異常状態の場合には、風量異常および温度異常のアラームがあり、装置がシャットダウンとなる。また、風量、湿度および温度(第3a閾値および第3b閾値)のいずれもが異常状態の場合には、風量異常および温度異常のアラームがあり、装置がシャットダウンとなる。
【0084】
<実施の形態2の効果>
以上説明したように、本実施の形態に係る通信装置1では、風量センサ7と湿度センサ8とに加えて、温度センサ31を備えることで、前記実施の形態1と異なる効果として、以下のような効果を得ることができる。温度センサ31は、筐体3内に設けられ、筐体3内の温度を検出する。そして、制御部12は、温度センサ31が検出した温度が予め段階的に設定した第3a閾値以上であるときは、予め設定した優先順位に従って第1指定ブロックシャットダウン通知により第1通信用LSI4aの動作を停止させ、さらに、温度が予め設定した第3a閾値より高い第3b閾値以上であるときは、第2指定ブロックシャットダウン通知により第2通信用LSI4bの動作を停止させるように制御することができる。さらに、制御部12は、温度センサ31が検出した温度が予め段階的に設定した第3b閾値以上であるときは、通信装置1をシャットダウンするように制御することができる。
【0085】
これにより、通風孔2に埃が溜まるなどして目詰まりが発生した場合であっても、温度を監視することで、通信用LSI4a〜4bを優先順位に従って動作を停止させることで通信トラフィック量を絞っていき、筐体3内の温度上昇を抑えることができる。この結果、通信装置1の故障を未然に防止することができる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0087】
例えば、前記実施の形態では、筐体3の前面の通風孔2から吸気し、筐体3の背面から排気する前面吸気・背面排気の構造とする場合を説明したが、吸気方向や排気方向はこれに限定されるものではなく、例えば、背面吸気・前面排気としても構わない。
【0088】
また、前記実施の形態では、閾値(第1〜3閾値)を固定値としたが、これに限定されるものではない。例えば、ファン5の回転数を可変している場合、ファン5の回転数に応じて閾値を変化させても構わない。
【0089】
また、前記実施の形態において、ファン5の故障を検出するように構成してもよい。例えば、自身の回転数を出力するセンサピンを備えたファン5と制御回路13とを接続し、制御回路13において、ファン5のセンサピンからの回転数の出力を基にファン5の回転数を検出し、制御部12でファン5の状態(すなわち故障であるか否か)を判断するように構成する。この場合には、ファン5の故障を検出することにより、風量低下、湿度上昇または温度上昇の原因が通風孔2の目詰まりによるものか、あるいはファン5の故障によるものか、などといった原因の切り分けをすることが可能になる。
【0090】
また、前記実施の形態では、風量センサ7、湿度センサ8および温度センサ31をそれぞれ1つ備える場合を説明したが、それぞれ、2つ以上であっても構わない。この場合には、2つ以上のセンサで検出した値の平均値を検出値としてもよい。あるいは、1つでも風量低下、湿度上昇または温度上昇となったときに、異常の発生と判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 通信装置
2 通風孔
3 筐体
4 発熱部品
4a〜4b 通信用LSI
5 ファン
7 風量センサ
8 湿度センサ
10 LED
11 LED駆動回路
12 制御部
13 制御回路
31 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9