【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、患者体内の管腔構造の寸法および他の特徴を直接測定するための方法、デバイス、およびシステムを提供する。本明細書で以下および請求項に使用されるように、用語「管腔構造」は、ステント、ステント移植片、心臓弁、および同等物等の構造内に移植された人工装具インプラントを含む、具体的には、心臓弁輪部、動脈瘤、左心耳、および血管管腔(特に、閉塞血管系の領域を含む)を含む、全ての体管腔、通路、開口体管腔、閉鎖体管腔、および同等物を指す。特に、本発明は、管腔の不連続な軸方向長さにわたる体管腔の側方または半径寸法の直接測定を提供する。寸法は、光学ツールを使用して取得され、典型的には、体管腔内にある照射源と、そしてまたこれも体管腔内にある(但し、照射源から離間された)光センサとの相対位置に基づいて計算され得る。照射源は、測定される管腔の壁の領域にわたって光のパターンを投影し、そして側方または半径寸法は、三角測量を使用して計算され得る。寸法は、様々な方法で判定されてもよいが、通常、従来の半径またはデカルト座標系を使用して、3次元空間内の点または線として取得され得る。寸法情報は、通常、デジタルファイルで提供され、デジタルファイルは、ディスプレイ画面上にワイヤフレーム、ベタ画像、または他の従来の画像として表され得る。次いで、得られる寸法的に正確な画像は、移植されることが意図される人工装具デバイスの寸法的に正確な画像が重ね合わせられ得る。次いで、医師またはユーザは、意図されるインプラントの適性を視覚的に判定することができる。代替として、または加えて、確認アルゴリズムが、人工装具の嵌合を査定するために使用され得る。しかしながら、そのような寸法情報は、標的体管腔または他の解剖学的空間の解剖学的寸法に精密に合致するように作製され得るカスタムインプラントのサイズ決定および設計において等、多くの他の状況において有用である。
【0010】
本発明は、典型的には、体管腔の内壁または他の内部構造の直接測定および特性評価のために光学プローブおよびツールを利用し得る。通常、光学パターンが、壁上に投影され、パターンは、静止してか、または壁上を走査され得る。パターンは、管腔壁上に直接投影され得るが、より一般的には、標的体管腔内に展開されたバルーンまたは他の一致可能な構造の内壁上、またはそれを通して投影され得る。バルーンは、膨張し、管腔壁の内部表面に一致するように、弾性であり得る。代替として、バルーンは、非弾性であるが、過度のバルーン材料が存在する折り畳みを伴って管腔壁に一致し得るように、必要以上に大きいサイズあってもよい。
【0011】
本発明のプローブおよびツールは、典型的には、少なくとも1つの照射源と、管腔壁またはバルーンの内部から反射された後に、照射源から光を捕捉するための少なくとも1つの光センサとを含み得る。完全なパターンは、光センサが異なる点の仰角、パターンの線または他の構成要素を判定することができるように、既知の幾何学形状を用いて、管腔壁の全部または主要部を覆うように照射源から投影され、パターン上の任意の特定の点における壁の半径寸法が、三角測量によって計算されることを可能にし得る。しかしながら、より一般的には、点、線、リング、または他の離散光学パターンが、照射源から投影され、そして照射源からの光は、体管腔の内部表面またはバルーンにわたって、物理的または電子的に走査され得る。典型的には、カテーテルの形態における、プローブまたはツールは、順に、体管腔の管腔壁の幾何学形状の3次元モデルを生成し得る、コンピュータまたは他のプロセッサにアナログまたはデジタルデータを送達するために接続され得る。典型的には、プロセッサは、変形力に起因する幾何学形状の変化を考慮するとき、3次元モデルを計算することにおいて、有限要素モデリング(FEM)技術を利用し得る。
【0012】
本発明に利用されるカテーテルは、概して、その標的解剖学的構造に到達するために必要とされるような従来の構造を有してもよい。例えば、大動脈弁輪部の寸法を測定するために意図されるカテーテルの本体は、典型的には、後続の実装のために意図されるのと同一のルートによって、輪部に導入されるように構造化され得る。したがって、カテーテルは、大腿動脈の中に、そして大動脈弓にわたって導入されるように構造化され得る。代替として、カテーテルは、心臓および大動脈弁輪部の中に経心尖的に前進されるように構造化され得る。腹部大動脈瘤(AAA)を撮像するために意図されるカテーテルは、典型的には、大腿動脈中に、そして腹部大動脈中を上向きに導入されるように構成され得る。カテーテルはまた、体の中にカテーテルおよびプローブを導入するための腹腔鏡、胸腔鏡、または他の既知の技術を通した導入のために構成されてもよい。
【0013】
本発明のカテーテルは、それらが体管腔内に直接暴露され得るような方法で、照射源および光センサがカテーテルの遠位部に、またはその近傍に搭載されて、体管腔を直接走査することと、その測定とのために構成されてもよい。しかしながら、より典型的には、カテーテルは、使用中、膨張可能構造(例えば、照射源および光センサを覆うように構成されるバルーン)を含み得る。特に、カテーテルが血管環境(血液が光学的測定を不明瞭にし得る)において使用されるように意図されるとき、干渉なくしてパターンが投影かつ検出され得るように、照射源および光センサを取り囲む光学的透明環境を提供することが有用であり得る。そのような光学的透明媒体を用いてバルーンを膨張させることによって、光学的透明環境は、容易に取得されることができる。光学的透明とは、媒体が、事前に選択された波長(または、複数の波長)の光が、実質的干渉または減衰なくして管腔環境内に伝送、反射、および検出されることを可能にし得ることを意味する。
【0014】
代替として、少なくともカテーテル本体の遠位部が、上記に定義されるようなカテーテル本体壁を通じて光の通過を可能にする光学的に透明な材料から形成され得る。次いで、照射源および光センサは、管腔壁を走査するために、カテーテル本体の透明遠位部内の内部通路または管腔内に留置され得る。カテーテル本体は、通常、拡張可能ではないであろうため、いくつかの事例では、下記にさらに詳細に説明されるように、光の通過を可能にする流体を用いてカテーテル本体の透明区分を取り囲む光学的な場を透明にすることが望ましくまたは必要であり得る。
【0015】
バルーンを使用するとき、バルーンは、典型的には、管腔構造の内表面に一致するように膨張され得る。バルーンは、高度に展性であって、構造に「弾性的」に一致することができる。代替として、バルーンは、非弾性または非展性であるが、測定される体管腔を上回る幅または横方向の寸法を有することができる。過剰のバルーン材料は、バルーンが完全に膨張された後に、単に折り重ねる、またはコンパクトにされ得る。いずれの場合も、バルーン膨張圧力は、バルーンが管腔の変形を殆どまたは全く伴わずに、管腔構造の内部に一致し得るように、比較的低く設定され得る。代替として、バルーンは、管腔壁の変形(拡大)を生じさせる、より高い圧力まで膨張されることができる。そのようなより高い圧力の膨張は、管腔壁に対して半径方向に外向きの力を印加するであろうステント、弁、または他のデバイス等の特定のデバイスの移植後に、管腔壁寸法の推定を可能にすることができる。バルーンを移植人工装具の予期される拡張力に略匹敵する圧力に膨張させることによって、人工装具の展開の後の管腔の寸法が正確に予測されることができる。
【0016】
本発明のカテーテル内で利用されるバルーンは、透明であってもよく、その場合、照射源からの光の全てまたはその少なくとも一部が体管腔の内壁から反射し得る。あるいは、バルーンは、不透明であるか、そして/または適度にまたは高度に反射性の内側表面を有することができる。後者の場合、照射源からの光の少なくとも一部は、バルーン壁の内部から反射し得る。
【0017】
いったんカテーテルまたは他のプローブが展開され、そしてバルーンが随意に膨張されると、照射源は、管腔壁またはバルーンのいずれかの内部表面上にパターンを投影するために励起される。光センサは、光センサに対する光学パターンの点、線、または一部の見掛け角度または仰角を含む、投影された光学パターンを検出する。投影された光学パターンの既知の位置および幾何学形状と、観察された反射光の角度または仰角とを使用して、光学パターンの寸法が計算され得る。光学パターンは、体管腔の内壁またはその近傍に存在するため、幾何学形状において計算された寸法は、測定が行われるとき、体壁の寸法と等価である。
【0018】
投影された光が、管腔壁から直接、または透明バルーンを通して反射されると、反射または放射光の色および/または蛍光の内容が、組織組成に関する情報を生じるために分析され得る。例えば、白色光が投影され、そして赤色光が受信される場合、組織が赤色であることが明らかである。同様に、反射された黄色光または白色光は、管腔壁が、それぞれ、黄色または白色であることを医師に伝える。他の事例では、非白色光は、組織蛍光および同等物等の組織の他の特徴を判定するために、照射源として使用され得る。そのような色情報は、例えば、血管系において不安定プラークの存在を検出する際、有用であり得る。
【0019】
本発明の第1の側面では、体管腔の管腔表面のデジタルトポグラフィモデルを生成するための方法は、体管腔内にある第1の場所から管腔表面上に光学パターンを投影するステップを含む。投影パターンから反射された光の少なくとも一部は、第2の場所が第1の場所から離間される、管腔内の第2の場所から検出される。次いで、デジタルトポグラフィモデルは、投影および検出場所から検出パターンを三角測量することによって生成される。例えば、三角測量は、投影および検出角度を判定することと、第1の場所と第2の場所との間の距離に基づく管腔の半径を計算することとに基づき得る。
【0020】
具体的な実施形態では、投影するステップは、体管腔内に位置する少なくとも1つの照射源から光を投影するステップを含む。随意に、照射源は、管腔壁にわたって投影パターンを走査するために、管腔を通した経路に沿って並進され得る。並進移動経路は、異なる体管腔に関する以下で提示される具体的な距離を用いて、体管腔内の目的の「特性評価」距離または長さ(典型的には、5mm〜250mm、通常、10mm〜150mmの範囲)にわたって延在し得る。平行移動経路の具体的な長さは、どの管腔構造が測定されているかとういうことと、何の目的のためであるかということとに大きく依存し得る。大動脈弁輪部は、通常、腹部大動脈瘤(AAA)、左心耳、血管系の領域、または同等物と異なる特性評価長さを要求し得る。具体的な例示的特性評価長さは、異なる解剖学的構造に対して下記の表1に提示される。投影パターンは、様々な幾何学的形状を有してもよいが、多くの場合、管腔の断面に外接する円形またはリングパターンであり得る。そのようなリングまたは円形パターンを管腔を通して軸方向に前進させることによって、体管腔の断面寸法は、走査長にわたって計算され得る。
【表1】
【0021】
典型的には、投影パターンの少なくとも一部を検出するステップは、管腔内の少なくとも1つの光センサ位置を用いて、管腔壁および/またはバルーン内部から反射された照射源からの光を感知するステップを含み得る。照射源からの光は、センサが、壁上に光が当たったときに投影された光の見掛け位置を観察し得るように、壁から反射され得る。センサは、光を検出する画素の場所を判定し得る、CCD、CMOS、または他のアレイ検出器であり得る。そのような技術を使用して、センサおよび関連付けられたレンズを横断する光の入射角が計算されてもよい。
【0022】
具体的な実施形態では、光センサは、管腔を通じて列になって並進され得るように、照射源に結合され得る。好ましくは、進行軸に対して垂直角度において、固定された距離にある光センサを、半径方向外向きに光のリングを投影する照射源に結合することによって、三角測量は、光センサによって感知される光の検出角度に基づいて、容易に達成され得る。
【0023】
別の具体的な実施形態では、少なくとも1つの光センサは、照射源が管腔を通って並進される間、静止されたままであってもよい。照射源は、典型的には、進行軸に垂直な角度において、半径方向外向きにリングパターンを投影し得る。固定された光センサは、センサと照射源との間の距離が変化し、追跡されるとき、反射光の入射の角度を追跡し得る。
【0024】
さらに別の具体的な実施形態では、照射源は、管腔を通した経路に沿って分散される複数の個々の照射源を含む。通常、必ずしもそうとは限らないが、分散された照射源は、固定され、そして相互または光検出器に対して移動しない。代替として、概して、複数の照射源のいくつかまたはその全てを移動させることが可能であり得るが、一般には好ましくはない。複数の照射源は、代表的には、上記の表1に提示される異なる解剖学的構造について特定の範囲で、代表的には、5mm〜250mm、通常、10mm〜150mmの範囲の特性評価距離にわたって延在し得る。照射源は、典型的には、軸方向に並進する照射源に類似する様式で光源を取り囲む管腔の断面に外接する、リングパターンを投影し得る。他の事例では、複数の照射源の少なくともいくつかは、その他の照射源によって投影される1つ以上のパターンとは幾何学的に異なるパターンを投影してもよい。加えて、いくつかの事例では、複数の照射源の少なくともいくつかは、他の照射源のうちの1つ以上によって投影されるのと異なる光波長を有するパターンを投影し得る。
【0025】
本発明の方法のさらにさらなる側面では、照射源および光検出器が、通常、固定された距離においてともに結合されてもよく、結果として生じるアセンブリは、随意に、ガイドワイヤまたは他の案内要素上で体管腔を通じて引っ張られてもよい。照射源は、典型的には、円周リングを投影し、そして光検出器は、順に、カテーテルが引っ張られる長さにわたる全ての点において、円周方向に、(照射源と光検出器との間の既知の通常固定距離に基づいて)管腔壁表面までの半径の距離を三角測量するために使用され得る、反射角度を測定し得る。
【0026】
反射光を検出するステップは、典型的には、少なくとも1つの照射源から光を感知するステップを含み、照射源からの光は、まず、管腔内の壁および/または内側バルーン表面から反射される。いくつかの実施形態では、単一の光センサが、利用されてもよく、その場合、単一の光センサは、1つ以上の照射源のうちの1つの一端に位置し得る。他の事例では、2つ以上の光センサが、利用されてもよく、その場合、少なくとも1つの光センサが、照射源(単数または複数)の一端にあり、第2の照射源が、複数の照射源の別の端部に存在し得る。付加的センサの使用は、光センサの視野を増大し、したがって、管腔壁の補償範囲の増加および/または正確性の増加を可能にする。
【0027】
本明細書および請求項に使用されるように、用語「管腔表面」は、被覆構造がない完全に暴露された管腔表面ならびにバルーン構造または他の膜によって覆われる管腔表面の両方を含み得る。通常、そのようなバルーン構造または他の膜は、管腔壁の輪郭および幾何学的形状がバルーンまたは管腔表面に付与されるであろうように、管腔壁に一致し得る。多くの場合、本発明の方法は、バルーンが管腔表面に一致するように、体管腔内にあるバルーンを膨張させるステップを含むであろう。上記に説明されるように、バルーンは、弾性または非弾性であってもよく、そして照射源からの光は、バルーンの内壁から反射されてもよい。代替として、バルーンが、照射波長の少なくとも一部に透明であるとき、照射光は、バルーンを貫通し、管腔壁から直接反射されてもよい。バルーンが透明ではないとき、通常、反射性の向上を伴う内側表面(例えば、鏡面反射を向上させる材料でコーティングされる)を有し得る。
【0028】
本発明の方法は、事実上任意のヒトまたは動物の体管腔のデジタルトポグラフィモデルを生成するために好適であるが、特に、心臓弁輪部、動脈瘤、血管閉塞、および同等物をモデリングするために有用であり得る。特に、本方法は、人工装具弁移植に先立つ大動脈弁輪部のトポグラフィモデルを判定するためと、ステント移植片の移植または他の手技に先立つ腹部大動脈瘤のトポグラフィモデルを判定するためとに有用である。
【0029】
本発明の方法は、特に、トポグラフィモデルの判定のために有用であるが、本方法はまた、走査されている管腔壁の性質を分析するために有用である。例えば、管腔壁から反射または放射される光および/または蛍光の波長あるいは他の光学的特性は、血管内の閉塞または罹患物質の性質等のいくつかの壁特徴を判定するために、分析されてもよい。具体的な入射では、投影された光は、2つ以上の異なる波長を備え、波長のそれぞれに対して特異的である異なる特性の同時分析を可能にし得る。
【0030】
第2の側面では、本発明は、体管腔の管腔表面を走査し、管腔表面のデジタルトポグラフィモデルを提供するために有用な電子信号を生成するためのカテーテルおよびデバイスを提供する。そのようなカテーテルは、遠位端および近位端を有するカテーテルシャフトを備える。少なくとも1つの照射源が、カテーテルシャフトの遠位部にまたはその近傍に搭載される。照射源は、典型的には、カテーテルの遠位部が体管腔内にあるとき、光学パターンを管腔壁上に投影するように構成される。少なくとも1つのセンサが、照射源の場所から離間された場所において、カテーテルの遠位部上またはその近傍に搭載される。このセンサは、管腔壁から反射された照射源からの光を感知し、反射光のパターンを表す電子信号を作るように構成される。デジタルトポグラフィモデルは、投影された光学パターン、照射源とセンサとの間の距離、および電子信号に基づいて、三角測量によって生成されることができ、電子信号は、典型的には、照射源から投影される光と光センサによって検出される光との両方の角度および仰角を表す情報を含む。
【0031】
第1の実施形態では、少なくとも1つの照射源は、カテーテルシャフトの遠位部上を軸方向に並進するように搭載される。典型的には、少なくとも1つの照射源は、上記の表1に提示される異なる解剖学的構造について特異的な範囲を伴い、5mm〜250mm、通常、10mm〜150mmの範囲の距離にわたって、並進することが可能であり得る。照射源は、多種多様な特異的なパターンを投影してもよく、多くの場合、リングパターンが採用されている。
【0032】
少なくとも1つの光センサは、典型的には、光センサが照射源と列をなして並進することが可能であり得るように、照射源に結合され得る。そのような結合部は、三角測量計算を簡略化するために、照射源と光センサとの間に固定された距離を提供し得る。
【0033】
他の具体的な実施形態では、少なくとも1つの光センサは、通常、少なくとも1つの照射源の近位側または遠位側にある、シャフトの遠位部分に固定して搭載されてもよい。多くの場合、少なくとも第2の光センサがまた、ほとんどの場合、少なくとも1つの照射源の他方の側のシャフト上に固定して搭載され得る。このようにして、上記少なくとも1つの照射源は、投影された光パターンの向上された追跡を提供するために、2つの固定された光センサ間を平進してもよい。
【0034】
さらなる他の実施形態では、複数の照射源が、シャフトの遠位部にわたって分散されてもよい。複数の照射源は、上記の表1に提示される異なる解剖学的構造に関して特異的な範囲を伴い、5mm〜250mm、通常、10mm〜150mmの範囲の距離にわたって、分散され得る。典型的には、複数の照射源の少なくとも一部は、光源を取り囲む管腔の断面に外接するリングパターンを投影し得るが、様々な他の照射源もまた、利用可能であり得る。複数の照射源は全て、同一のパターンを投影してもよく、または照射源の少なくとも特定のものは、照射源の他のものと異なるパターンを投影してもよい。同様に、複数の照射源は、同一の波長の光を投影してもよく、または光照射源の個々のものは、照射源の他のものによって投影されるのと異なる波長を有する光を投影してもよい。
【0035】
通常、必ずしもそうとは限らないが、膨張可能なバルーンが、光のセンサ内の照射源を管腔環境から隔離するために、照射源および光センサにわたって、シャフトに固着され得る。バルーンは、弾性または非弾性であってもよいが、少なくともほとんどの場合、体管腔内で膨張されるとき、管腔壁に一致するであろう。バルーンは、反射性内表面を有してもよく、あるいは完全または部分的に、照射源からの光が、バルーンを貫通し、そして管腔壁に到達することを可能にするために、透明であってもよい。
【0036】
本発明のカテーテルは、カテーテルから電子信号を受信するために接続されるプロセッサと組み合わせられたカテーテルを備えるシステムに組み込まれてもよい。プロセッサは、典型的には、投影された光学パターンおよび照射源とセンサとの間の距離に基づいて、三角測量によってデジタルトポグラフィモデルを生成するように構成され得る。プロセッサはまた、光センサによって検出される反射光の色および他の特徴を分析することが可能であり得、光または他の特徴は、罹患血管内のプラークの性質等の管腔条件の診断であってもよい。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
体管腔の管腔の表面を走査し、前記管腔の表面のデジタルトポグラフィモデルを生成するために有用な電子信号を生成するためのカテーテルであって、
遠位端および近位端を有するカテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの遠位部上に搭載される少なくとも1つの照射源であって、前記遠位部が前記体管腔内にあるとき、光パターンを前記管腔の壁上に投影するように構成される、照射源と、
前記カテーテルの遠位部上に搭載され、前記照射源から離間される、少なくとも1つのセンサであって、前記管腔の壁から反射された前記照射源からの光を感知し、反射光パターンを表す電子信号を生成するように構成される、センサと、
を備え、それによって、前記デジタルトポグラフィモデルが、投影された前記光パターン、前記照射源と前記センサとの間の距離、および前記電子信号に基づいて、三角測量によって生成されることができる、カテーテル。
(項目2)
前記少なくとも1つの照射源は、前記カテーテルシャフトの遠位部にわたって、軸方向に移動するように搭載される、項目1に記載のカテーテル。
(項目3)
前記少なくとも1つの照射源は、5mm〜250mmの範囲の距離にわたって移動する、項目2に記載のカテーテル。
(項目4)
前記少なくとも1つの照射源は、リングパターンを投影する、項目2に記載のカテーテル。
(項目5)
前記少なくとも1つの光センサは、光センサが前記照射源と列になって移動するように、前記少なくとも1つの照射源に結合される、項目2に記載のカテーテル。
(項目6)
前記少なくとも1つの光センサは、前記少なくとも1つの照射源の一方の側のシャフトの遠位部上に固定して搭載される、項目2に記載のカテーテル。
(項目7)
少なくとも第2の光センサが、前記少なくとも1つの照射源の他方の側に固定して搭載される、項目6に記載のカテーテル。
(項目8)
複数の照射源が、前記シャフトの遠位部にわたって分散される、項目7に記載のカテーテル。
(項目9)
前記複数の照射源は、5mm〜250mmの範囲の距離にわたって分散される、項目8に記載のカテーテル。
(項目10)
前記複数の照射源の少なくともいくつかは、前記光源を囲む前記管腔の断面に外接するリングパターンを投影する、項目8に記載のカテーテル。
(項目11)
前記複数の照射源の少なくともいくつかは、その他の照射源のうちの1つ以上によって投影されるパターンと幾何学的に異なるパターンを投影する、項目8に記載のカテーテル。
(項目12)
前記複数の照射源の少なくともいくつかは、1つ以上のその他の照射源によって投影されるのと異なる光波長を有するパターンを投影する、項目8に記載のカテーテル。
(項目13)
前記少なくとも1つの照射源および前記少なくとも1つのセンサにわたって領域を隔離するように、前記カテーテルシャフトの遠位部上で膨張可能であるバルーンをさらに備える、前記項目のいずれか1項に記載のカテーテル。
(項目14)
前記バルーンは、弾性である、項目13に記載のカテーテル。
(項目15)
前記バルーンは、非弾性である、項目13に記載のカテーテル。
(項目16)
前記バルーンは、反射内表面を有する、項目13に記載のカテーテル。
(項目17)
前記照射源および光検出器の両者は、バルーン内に配置され、前記バルーンは、反射された光からデータを収集するために、前記体管腔を通して引っ張られるように構成される、項目11に記載のカテーテル。
(項目18)
前記カテーテルシャフトは、カテーテル体を備え、少なくとも前記カテーテル体の遠位部は、透明であり、前記照射源およびカメラが、前記カテーテル体の透明遠位部内に配置される、項目1−12のいずれか1項に記載のカテーテル。
(項目19)
前記照射源およびカメラは、前記カテーテル体の透明遠位部内に交互に配置される、項目18に記載のカテーテル。
(項目20)
項目1のカテーテルと、
電子信号を受信するために接続され、投影された光パターンおよび照射源とセンサとの間の距離に基づいて、三角測量によってデジタルトポグラフィモデルを生成するように構成される、プロセッサと、
を備える、システム。
(項目21)
項目13のカテーテルと、
電子信号を受信するために接続され、投影された光パターンおよび照射源とセンサとの間の距離に基づいて、三角測量によってデジタルトポグラフィモデルを生成するように構成される、プロセッサと、
を備える、システム。
(項目22)
バルーン上またはそれに隣接する電極を通じて患者の電気記録図を監視するステップをさらに含み、弁移植に続いて心臓ブロックの可能性を判定する、項目18に記載の方法。
(項目23)
バルーンが膨張されるとき、管腔壁から電気記録図測定を可能にするように構成される前記バルーン上またはそれに隣接する少なくとも2つの電極をさらに備える、項目21に記載のシステム。
(項目24)
少なくとも1つの電極が、バルーンの遠位端またはその近傍に位置付けられ、そして少なくとも1つの電極が、前記バルーンの近位端またはその近傍に位置付けられる、項目21に記載のシステム。
(参照による引用)
【0037】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように特異的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。