特許第6591985号(P6591985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6591985スラリー混合及び分注装置用の、可変ポート挿入体を備えた泡注入システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6591985
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】スラリー混合及び分注装置用の、可変ポート挿入体を備えた泡注入システム
(51)【国際特許分類】
   B28C 5/00 20060101AFI20191007BHJP
   C04B 38/10 20060101ALI20191007BHJP
   B01F 5/04 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   B28C5/00
   C04B38/10 J
   B01F5/04
【請求項の数】15
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2016-543586(P2016-543586)
(86)(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公表番号】特表2017-510473(P2017-510473A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】US2015011154
(87)【国際公開番号】WO2015108851
(87)【国際公開日】20150723
【審査請求日】2017年12月27日
(31)【優先権主張番号】61/927,881
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/527,417
(32)【優先日】2014年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ウィットボールド
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・カラスコ
【審査官】 西垣 歩美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−539103(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0244183(US,A1)
【文献】 特開平07−100813(JP,A)
【文献】 米国特許第05393341(US,A)
【文献】 特開2006−167624(JP,A)
【文献】 実開昭58−019732(JP,U)
【文献】 米国特許第05105843(US,A)
【文献】 特表平11−501002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 5/00−7/16
B01F 5/04
C04B 38/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)用の泡注入システム(301、701)であって、
泡注入本体(305、605)であって、前記泡注入本体(305、605)はスラリー経路(310、610)とポート経路(315、615)を画定し、前記ポート経路(315、615)は前記スラリー経路(310、610)と流体連通するポート開口(317、617)を有する、前記泡注入本体(305、605)と;
第1のポート挿入体(100、400)であって、前記第1のポート挿入体(100、400)は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィス(140、440)を有する第1の泡経路(115、415)を画定し、前記第1の泡経路(115、415)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられるように適合された前記第1のポート挿入体(100、400)と;
第2のポート挿入体(200、500)であって、前記第2のポート挿入体(200、500)は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィス(240、540)を有する第2の泡経路(215、515)を画定し、前記第2の泡経路(215、515)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられるように適合され、前記第2のオリフィスサイズは前記第1のオリフィスサイズとは異なる、前記第2のポート挿入体(200、500)と、
を備える前記泡注入システム(301、701)。
【請求項2】
前記泡注入本体(305、605)は少なくとも2つのポート経路(315、615)を画定し、各ポート経路(315、615)は、前記スラリー経路(310、610)と流体連通するポート開口(317、617)を有し、前記泡注入本体(305、605)におけるポート経路(315、615)の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2のポート挿入体(100、400;200、500)をさらに備える、請求項1に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項3】
前記泡注入本体(305、605)は外周面(345)と、前記外周面(345)に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面(347、645)とを有する泡リング(305、605)を備え、各ポート経路(315、615)は前記外周面(345)と前記内周面(347、645)の間に径方向に延在し、前記内周面(347、645)は前記スラリー経路(310、610)を画定する、請求項1又は請求項2に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項4】
前記第1のポート挿入体(100、400)は、泡補給端部(110、410)と取付け端部(112、412)とを有するポート挿入体本体(105、405)を含み、前記泡補給端部(110、410)は、泡補給導管(755)と保持係合するように適合され、泡入口開口(120、420)を画定し、前記取付け端部(112、412)は泡出口開口(122、422)を画定し、前記第1の泡経路(115、415)は、前記泡入口開口(120、420)と前記泡出口開口(122、422)との間に延在しかつそれらと流体連通する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項5】
前記泡入口開口(120、420)は前記第1のオリフィス(140、440)より大きく、前記第1の泡経路(115、415)は先細り入口部分(142)と主要部分(144)を含み、前記先細り入口部分(142)は、前記泡入口開口(120、420)と、前記主要部分(144)と流体連通する入口部出口開口(146)とを含み、前記入口部出口開口(146)は、前記先細り入口部分(142)が前記泡入口開口(120、420)から前記入口部出口開口(146)へ狭くなるように、前記泡入口開口(120、420)より小さく、前記第1のオリフィスサイズに相当し、前記主要部分(144)は、前記泡出口開口(122、422)を含み、前記第1のオリフィスサイズに相当する断面サイズを有する、請求項4に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項6】
前記ポート挿入体本体(405)は前記泡補給端部(410)及び前記取付け端部(412)の間に長手方向軸線(LA)に沿って延在し、前記第1のポート挿入体(400)は、前記ポート挿入体本体(405)から外に向かって径方向に延在する取付けフランジ(407)を含み、前記取付けフランジ(407)は、留め具(409)を中に通して受け入れるように構成された取付け孔(408)を画定し、前記泡注入本体(605)は、前記第1のポート挿入体(400)の前記取付け端部(412)が前記ポート経路(615)に位置合せされかつ前記取付けフランジ(407)が前記泡注入本体(605)に隣接するときに、前記取付けフランジ(407)の前記取付け孔(408)が前記泡注入本体(605)内の相手となる取付け孔(648)と位置合せ可能であるように構成された前記相手となる取付け孔(648)を、中に画定する、請求項4又は請求項5に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項7】
前記第1のポート挿入体(400)は、前記ポート挿入体本体(405)から突出しかつ前記長手方向軸線(LA)に沿って延在する畝部(438)を含み、前記泡注入本体(605)は、前記第1のポート挿入体(400)が前記長手方向軸線(LA)を中心にして前記泡注入本体(605)に対して回転することを前記畝部(438)とキー溝(622)の相互係合によって実質的に制約されるように前記畝部(438)を中に保持的に受け入れるように構成された前記キー溝(622)を画定する、請求項6に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項8】
前記第1のポート挿入体(400)の取付け端部(412)は、曲率半径(R1)を有する凹面部分(436)をもった遠位端面(435)を有し、前記泡注入本体(605)は、前記スラリー経路(610)を画定する内部湾曲面(625)を有し、前記内部湾曲面(625)は、前記第1のポート挿入体(400)の前記遠位端面(435)の前記凹面部分(436)と実質的に同じ曲率半径をもった、前記ポート経路(615)に隣接する凹面部分(618)を有し、前記第1のポート挿入体(400)が、前記第1のポート挿入体(400)の前記取付け端部(412)が前記ポート経路(615)内に配置されるようかつ前記第1のポート挿入体(400)の前記遠位端面(435)の前記凹面部分(436)が前記泡注入本体(605)の前記凹面部分(618)に対して実質的に同心円状に配置されるよう、前記泡注入本体(605)に着脱可能に取り付けられるように適合された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項9】
前記第1のポート挿入体(100、400)は、前記第1の泡経路(115、415)と流体連通する圧力センサー経路(150、450)を画定する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記泡注入システム(301、701)。
【請求項10】
水とセメント質材料とを撹拌して、水性セメント質スラリーを形成するように適合されたミキサー(705)と;
前記ミキサー(705)と流体連通するスラリー排出導管(710)と;
請求項1〜9のいずれか一項に記載の泡注入システム(301、701)であって、前記ミキサー(705)及び前記スラリー排出導管(710)の少なくとも1つとともに配置された前記泡注入システム(301、701)と、
を備えるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
【請求項11】
前記泡注入本体(305、605)は前記スラリー排出導管(710)の一部を備える、請求項10に記載の前記セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
【請求項12】
前記排出導管(710)と関係付けられてかつ前記排出導管(710)を通る前記ミキサー(705)からのセメント質スラリーの流れを修正するように適合された流れ修正要素(730)であって、前記排出導管(710)を通る、前記ミキサー(705)からのセメント質スラリーの前記流れの流れ方向に対して前記泡注入本体(305、605)の下流に配置された前記流れ修正要素(730)をさらに備える、
請求項10又は請求項11に記載の前記セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
【請求項13】
水性セメント質スラリーの流れをミキサー(705)から排出することと;
請求項1〜9のいずれか一項に記載の泡注入システム(301、701)の泡注入本体(305、605)のスラリー経路(310、610)に水性セメント質スラリーの前記流れを通すことと;
前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた第1のポート挿入体(100、400)であって、前記第1の泡経路(115、415)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)に流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた前記第1のポート挿入体(100、400)の第1の泡経路(115、415)に水性泡の流れを運ぶことと;
前記第1のポート挿入体(100、400)の前記第1の泡経路(115、415)における水性泡の前記流れを、前記スラリー経路(310、610)を通り抜ける水性セメント質スラリーの前記流れの中に第1の流れ条件の下で注入して、発泡したセメント質スラリーの流れを形成することと、
を含む、セメント質製品を調製する方法。
【請求項14】
前記第1のポート挿入体(100、400)の前記第1の泡経路(115、415)における水性泡の前記流れの圧力を測定すること、
を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のポート挿入体(100、400)を前記泡注入本体(305、605)から係脱することと;
第2のポート挿入体(200、500)であって、前記第2のポート挿入体(200、500)は、第2の泡経路(215、515)を画定し、前記第2の泡経路(215、515)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられ、前記第2の泡経路(215、515)が前記第1の泡経路(115、415)とは異なる、前記第2のポート挿入体(200、500)を、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取付けることと;
前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた前記第2のポート挿入体(200、500)の前記第2の泡経路(215、515)に水性泡の流れを運ぶことと;
前記第2のポート挿入体(200、500)の前記第2の泡経路(215、515)における水性泡の前記流れを、前記スラリー経路(310、610)を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に、第2の流れ条件であって前記第1の流れ条件とは異なる前記第2の流れ条件の下で注入して、発泡したセメント質スラリーの流れを形成することと、
をさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2014年1月15日に出願された米国仮特許出願第61/927,881号及び2014年10月29日に出願された米国特許出願第14/527,417号の優先権の利益を主張し、その両方とも「スラリー混合及び分注装置用の、可変ポート挿入体を備えた泡注入システム」と題し、その両方とも全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、連続的なボード製造プロセスに関し、より詳細には、セメント質物品の製造に関連して水性泡をセメント質スラリーの中に導入するためのシステム及び方法に関する。
【0003】
多くの種類のセメント質物品の中で、硬化石膏(硫酸カルシウム二水和物)がしばしば主要な構成物質である。例えば、硬化石膏は、伝統的なプラスターの使用によって作り出される最終製品(例えば、建物のプラスター表面内壁)、また、建物の内壁及び天井の典型的な乾式壁建築で使用される表面石膏ボードの、主要な構成成分である。加えて、硬化石膏は、米国特許第5,320,677号に記載される通り、石膏/セルロース繊維複合のボード及び製品の主要な構成成分である。また、成形及び金型製作に有用な精密に機械加工される材料など、多くの特殊材料も、主要な量の硬化石膏を含有する製品を生み出す。典型的には、かかる石膏含有セメント質製品は、発泡したセメント質スラリーを形成させるのに適切なように焼石膏(硫酸カルシウムアルファ型若しくはベータ型半水和物及び/又は無水硫酸カルシウム)、水、水性泡、及び他の構成成分の混合物を調製することによって作製される。セメント質物品の製造において、セメント質スラリー及び望ましい添加剤はしばしば、米国特許第3,359,146号に記載されるように、連続式ミキサーの中で混合される。
【0004】
例えば、典型的な製造プロセスにおいて石膏ボードは、焼石膏(一般に「スタッコ」と呼ばれる)を水の中に均一に分散させて水性焼石膏スラリーを形成することによって生成される。水性焼石膏スラリーは、典型的にはスタッコ及び水並びに他の添加剤を内容物を撹拌する手段を含むミキサーに挿入して均一な石膏スラリーを形成することにより連続的な手法で生成される。スラリーは、ミキサーの排出出口を通って、ミキサーの排出出口に接続された排出導管内へ連続的に向けられる。水性泡は、ミキサー内及び/又は排出導管内の水性焼石膏スラリーと組み合わせられてもよい。発泡したスラリーの流れは、排出導管を通り抜けてそこから、形成テーブルによって支持されるカバーシート材料の移動するウェブ上に連続的に堆積される。
【0005】
発泡したスラリーは、前進するウェブ上に拡げられる。第2の、カバーシート材料のウェブが、発泡したスラリーを覆うために塗布されて、連続的なウォールボード予備形成物のサンドイッチ構造を形成し、これが従来型の形成ステーションなどにおいて形成を受けて、所望の厚さを得る。
【0006】
焼石膏は、コンベヤがウォールボード予備形成物を製造ラインの下流の方へと移動させるにつれてウォールボード予備形成物内の水と反応して、硬化する。ウォールボード予備形成物は、ラインに沿って予備形成物が十分に硬化した地点でセグメントに裁断される。セグメントはひっくり返され、過剰の水を追い出すために(例えば、炉内で)乾燥されて、所望の寸法の最終ウォールボード製品を提供するために加工される。水性泡が硬化石膏中に気泡を生じさせ、それによって最終製品の密度を、類似のスラリーを用いて作製されてはいるが泡のない製品に比べて、低減させる。
【0007】
石膏ウォールボードの製造に関連した一部の運転上の問題に対処するための先の装置及び方法は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,683,635号、第5,643,510号、第6,494,609号、第6,874,930号、第7,007,914号、及び第7,296,919号に開示されており、これらは参照により組み込まれる。
【0008】
従来の設備では、特定のサイズのオリフィスをもった1つ又は複数の固定されたポートを有する、泡ブロック(foam block)又は本体を通してセメント質スラリーの中に水性泡が注入される。オリフィスのサイズを変更すること(例えば、泡ポートを通って流れる泡の圧力を変えること)が望まれる場合、泡ブロック全体を取り外し、異なるサイズをもったオリフィスを有する1つ又は複数のポートをもった異なる泡ブロックと交換しなければならない。このアプローチは、コストがかかることがあり、達成するのにかなりの長時間を消費することがある。
【0009】
本背景の記載は、発明者によって読者の一助とするために作成されたものであり、示された問題のいずれかが当技術分野においてそれ自体認識されていたことを示すものとしては見なされないことを理解されたい。記載される原理は、一部の態様及び実施形態において、他のシステムにおける固有の問題を軽減し得るが、保護される革新の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものであり、本明細書に記載されたいずれかの特定の問題をいずれかの開示された特徴が解決することが可能であることよって規定されるものではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【0010】
一態様において、本開示は、セメント質製品を調製することにおいて用いるための泡注入システムの実施形態を対象とする。実施形態では、泡注入システムは、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリの一部であってもよく、アセンブリにおいて生成されるセメント質スラリーの流れの中に泡を注入するために用いられる。
【0011】
一実施形態では、泡注入システムは、泡注入本体、第1のポート挿入体、及び第2のポート挿入体を含む。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。第1のポート挿入体は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する第1の泡経路を画定する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のポート挿入体は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のポート挿入体もまた、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のオリフィスサイズは第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0012】
本開示の他の態様では、スラリー混合及び分注アセンブリの実施形態が記載される。一実施形態では、スラリー混合及び分注アセンブリは、ミキサー、スラリー排出導管、及び泡注入システムを含む。
【0013】
ミキサーは、水及びセメント質材料を撹拌して水性セメント質スラリーを形成するように適合される。スラリー排出導管は、ミキサーと流体連通する。
【0014】
泡注入システムは、ミキサー及びスラリー排出導管の少なくとも1つとともに配置される。泡注入システムは、泡注入本体、第1のポート挿入体、及び第2のポート挿入体を含む。
【0015】
泡注入本体は、ミキサー及びスラリー排出導管のうち少なくとも1つの一部を備える。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。スラリー経路は、そこを通してセメント質スラリーを運ぶように構成される。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。
【0016】
第1のポート挿入体は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する第1の泡経路を画定する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0017】
第2のポート挿入体は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のポート挿入体もまた、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のオリフィスサイズは第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0018】
本開示の他の態様では、セメント質製品を調製する方法の実施形態が記載される。セメント質製品を調製する方法の一実施形態では、水性泡の流れが、泡注入本体に着脱可能に取り付けられた第1のポート挿入体の第1の泡経路に運ばれる。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる。第1のポート挿入体の第1の泡経路における水性泡の流れは、スラリー経路を通る水性セメント質スラリーの流れの中に、第1の流れ条件の下で注入され、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する。
【0019】
開示される原理の追加的及び代替的態様及び特徴が、次の詳細な説明及び添付の図面から理解されよう。理解されるであろうように、本明細書に開示される泡注入システム及び技術は、他の異なる実施形態で実施し用いることができ、種々の点で修正することができる。したがって、前述の一般的な説明及び次の詳細な説明の両方とも、例示的及び説明的であるに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限しない、ということを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示の原理に従って組み立てられる、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリの泡注入システムの一実施形態における使用に適切な泡ポート挿入体の一実施形態の斜視図である。
図2図2は、図1の泡ポート挿入体の側面図である。
図3図3は、図1の泡ポート挿入体の正面図である。
図4図4は、図3の線IV−VIに沿って見た、図1の泡ポート挿入体の断面図であり、泡ポート挿入体とともに用いるのに適切な例示的な圧力センサーの部分側面図である。
図5図5は、図1の泡ポート挿入体と構造が類似してはいるが、異なるオリフィスサイズを有する異なる泡経路をもった、本開示の原理に従って組み立てられる泡ポート挿入体の他の実施形態の、図4におけるような図である。
図6図6は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムにおける使用に適切な泡注入本体の一実施形態の斜視図であり、それに着脱可能に取り付けられる図1の泡ポート挿入体を示す。
図7図7は、図6の泡注入本体の長手方向断面図であり、それに着脱可能に取り付けられる、図1の泡ポートと構造が類似する泡ポート挿入体を示す。
図8図8は、図6の泡注入本体の横断面図であり、それに着脱可能に取り付けられる図1の泡ポート挿入体を示す。
図9図9は、本開示の原理に従って組み立てられる泡ポート挿入体の他の実施形態の斜視図である。
図10図10は、図9の泡ポート挿入体の側面図である。
図11図11は、図9の泡ポート挿入体の背面図である。
図12図12は、図9の挿入体の泡ポートの取付け端部平面図である。
図13図13は、図11の線XIII−XIIIに沿って見た、図9の泡ポート挿入体の断面図である。
図14図14は、図9の泡ポート挿入体と構造が類似してはいるが、異なるオリフィスサイズを有する異なる泡経路をもった、本開示の原理に従って組み立たてられる泡ポート挿入体の他の実施形態の、図13におけるような図である。
図15図15は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムにおける使用に適切な泡注入本体の他の実施形態の斜視図であり、それに着脱可能に取り付けられる図9の泡ポート挿入体を示す。
図16図16は、図15の泡注入本体及び泡ポート挿入体の長手方向断面図である。
図17図17は、泡注入本体の横断面図であり、それに着脱可能に取り付けられる、図9の泡ポートと構造が類似する泡ポート挿入体を示す。
図18図18は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムの一実施形態を含む、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリの一実施形態の概略平面図である。
図19図19は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムの一実施形態を含む、石膏ウォールボード製造ラインのウェットエンド(wet end)の一実施形態の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、例えば石膏ウォールボードなどセメント質製品の製造で用いられ得る、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリの種々の実施形態を提供する。本開示の原理に従って組み立てられるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリの実施形態は、(例えば、相異なるポートオリフィスサイズをもった)相異なる泡経路をもった交換可能な注入ポート挿入体を通して泡をセメント質スラリーの中に注入するように適合された泡注入システムを含んでもよく、その泡経路を通して水性泡の流れの流れ条件を容易に変更し、例えば、所望の流れ条件を達成するために泡注入圧力を変更するなどする。
【0022】
本開示の原理によるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリは、如何なる種類のセメント質製品をも形成させるように用いられてもよい。実施形態では、例えば、石膏ウォールボード、吸音パネル、又はポルトランドセメントボードなど、セメント質ボードが形成されてもよい。
【0023】
本開示の原理に従って組み立てられるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリの実施形態は、連続的なボード(例えば、石膏ウォールボード)製造プロセス時に、コンベヤ上を移動する前進するウェブ(例えば、紙又はマット)上にセメント質スラリー(例えば、水性焼石膏スラリー)を混合及び分配するように用いられてもよい。一態様では、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムは、従来型の石膏乾式壁製造プロセスにおいて用いられてもよく、焼石膏及び水を撹拌して水性焼石膏スラリーを形成するように適合されたミキサー及びそのミキサーに取り付けられかつ流体連通するスラリー排出導管のうち少なくとも1つとともに配置されてもよい。
【0024】
セメント質スラリーは、如何なる従来型のセメント質スラリー、例えば、石膏ウォールボード、例えば米国特許出願公開第2004/0231916号に記載される吸音パネルを含めた吸音パネル、又は例えばポルトランドセメントボードを生成するために一般に用いられるものなど、如何なるセメント質スラリーであってもよい。したがって、セメント質スラリーは、セメント質製品の製造で一般に用いられる泡に加えて如何なる他の添加剤をもさらに含んでもよい。かかる添加剤としては、ミネラルウール、連続的であるか又は細断されたガラス繊維(ファイバーグラスともいう)、パーライト、粘土、バーミキュライト、炭酸カルシウム、ポリエステル、及び紙繊維を含めた構造添加剤(structural additive)、並びに発泡剤、充填剤、促進剤、糖、例えばリン酸塩、ホスホン酸塩、及びホウ酸塩などの増強剤、遅延剤、結合剤(例えば、デンプン及びラテックス)、着色剤、殺菌剤、殺生物剤、シリコーン系材料(例えば、シラン、シロキサン、又はシリコーン−樹脂マトリックス)などの疎水剤、及び同種のものなどの化学添加剤が挙げられる。これらの一部及び他の添加剤の使用の実施例は、例えば、米国特許第6,342,284号、第6,632,550号、第6,800,131号、第5,643,510号、第5,714,001号、及び第6,774,146号、並びに米国特許出願公開第2002/0045074号、第2004/0231916号、第2005/0019618号、第2006/0035112号、及び第2007/0022913号に記載される。
【0025】
セメント系材料の非限定的な例としては、ポルトランドセメント、ソレルセメント(sorrel cement)、スラグセメント、フライアッシュセメント、カルシウムアルミナセメント、水溶性無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウムα−半水和物、硫酸カルシウムβ−半水和物、天然、合成又は化学的修飾硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム二水和物(「石膏」、「硬化石膏」又は「水和石膏」)、及びそれらの混合物が挙げられる。一態様では、セメント系材料としては、望ましくは硫酸カルシウムアルファ型半水和物、硫酸カルシウムベータ型半水和物、及び/又は無水硫酸カルシウムの形態などの焼石膏(「スタッコ」ということもある)が挙げられる。焼石膏は、一部の実施形態では繊維質であってもよく、他の実施形態では非繊維質であってもよい。実施形態では、焼石膏は、少なくとも約50%のベータ型硫酸カルシウム半水和物を含んでもよい。他の実施形態では、焼石膏は、少なくとも約86%のベータ型硫酸カルシウム半水和物を含んでもよい。水の焼石膏に対する重量比は、任意適切な比率であってもよいが、当業者なら理解するであろうように、製造時にスタッコの水和プロセスを完了させた後、まだ追い出す必要がある過剰な水がより少なく、それによってエネルギーが節約できるので、より低い比率がより効率的であり得る。いくつかの実施形態では、セメント質スラリーは、製品に応じたボード製造のために、約1:6から約1:1の範囲の、例えば約2:3の適切な水対スタッコ重量比で水と焼石膏を混ぜ合わせることによって調製されてもよい。
【0026】
実施形態では、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムは、泡注入本体、少なくとも1つの第1の種類の泡挿入体ポート、及び少なくとも1つの第2の種類の泡挿入体ポートを含む。本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムの実施形態は、例えば、既存のウォールボード製造システムにおけるものなど、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリの改装部品として有利に構成され得る。
【0027】
実施形態では、泡注入本体は、セメント質スラリーが通ることのできるスラリー経路と少なくとも1つの泡ポート経路とを画定し、これはそれぞれスラリー経路に流体連通している。実施形態では、泡注入本体は、ミキサーの任意適切な一部及び/又はミキサーに取り付けられた排出導管を備えてもよい。実施形態では、泡注入本体は、ミキサー自体の混合チャンバーの少なくとも一部(例えば、そこで、ミキサー蓋が少なくとも1つの泡ポート経路を画定する)を備えてもよい。実施形態では、泡注入本体は、「ゲート」といわれる排出導管の構成要素を備えてもよく、これは、ミキサー出口に取り付けられ、1つ又は複数の泡ポート経路を含む。他の実施形態では、泡注入本体は、「泡リング」といわれる排出導管の構成要素を備えてもよく、これは1つ又は複数の泡ポート経路を含む。実施形態では、泡リングは、泡リングの外周の回りに、互いに対して実質的に均等に間隔をおいた関係にあるいくつかの数(例えば、3つ又は4つ)の泡ポート経路を有する。
【0028】
泡注入システムは、泡注入本体における泡ポート経路の数に相当する数の第1の種類の泡ポート挿入体と、同様の数の第2の種類の泡ポート挿入体を含んでもよい。実施形態では、第1の種類の泡ポート挿入体のそれぞれは、第1のサイズをもったオリフィスを有する泡経路を画定してもよい。第2の種類の泡ポート挿入体のそれぞれは、第1の種類とは異なる第2のサイズをもったオリフィスを有する泡経路を画定してもよい。第1の種類の泡ポート挿入体は、第1の種類の泡ポート挿入体のそれぞれが泡ポート経路のそれぞれを通して泡注入本体のスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0029】
第1の種類の泡ポート挿入体のそれぞれは、それが内側に着脱可能に取り付けられている泡注入本体のそれぞれの泡ポート経路から取り外されて、スラリー経路の中への水性泡の流れを変更するために第2の種類の泡ポート挿入体のそれぞれと交換されてもよい。第1及び第2の種類の泡ポート挿入体は、構造は類似していても、異なる泡経路(例えば、異なるオリフィスサイズ)をもち、少なくとも1つの異なる流れ条件(例えば、圧力)で、異なる流れの水性泡をそこを通して生じさせてもよい。実施形態では、第1及び第2の種類の泡ポート挿入体は、泡ポート挿入体を泡注入本体に着脱可能に取り付けるための、類似の取付け上の特徴を有する。複数の泡ポート経路を有する泡注入本体の実施形態では、少なくとも2つの異なる種類の泡ポート挿入体が、所定のときに泡注入本体の異なるポート経路内に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0030】
ここで図を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる第1の種類の泡ポート挿入体100の一実施形態が図1〜4に示される。泡ポート挿入体100は、本開示の原理に従う泡注入システムの実施形態における使用に適切である。泡ポート挿入体100は、例えば泡発生器などからの、水性泡の補給源と流体連通する泡補給導管から、水性泡の流れを受け入れ、泡ポート挿入体100が着脱可能に取り付けられる、泡注入システムのうちの適合的な泡注入本体305のスラリー経路310を通り抜けるセメント質スラリーの中に泡を注入するように、適合されてもよい(図6参照)。
【0031】
泡ポート挿入体100は、セメント質製品の製造時に任意適切な技術を用いて泡をセメント質スラリーの中に注入するのに適切な圧力で水性泡を通らせて運ぶために用いられ得る適切な金属又は他の任意適切な材料など、任意適切な材料から作製されてもよい。実施形態では、泡ポート挿入体100は、アルミニウム、ステンレススチール、黄銅など、適切な金属から作製されてもよい。実施形態では、泡ポート挿入体100の少なくとも一部分は、耐久性を増すために、適切な材料(例えばクロム)でめっきされてもよい。
【0032】
図1を参照すると、泡ポート挿入体100は、長手方向軸線LAに沿って泡補給端部110と取付け端部112の間に延在するポート挿入体本体105を含む。ポート挿入体本体105は一般に、それを通る泡経路115を泡ポート挿入体100が画定するような、中空の円筒体の形式である。泡補給端部110は、泡入口開口120を画定し、取付け端部112は、泡出口開口122を画定する(図4も参照)。泡経路115は、泡入口開口120と泡出口開口122の間に延在し、それらに流体連通する。
【0033】
泡ポート挿入体100は、泡経路115が、泡注入本体305に画定されたポート経路315を通って泡注入本体305のスラリー経路310と流体連通してポート開口317でスラリー経路310と流体連通するように、相手となる泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される(図8参照)。泡ポート挿入体100は、泡入口開口120に入る水性泡の流れを受け入れ、水性泡の流れを泡出口開口122から排出することによって、泡ポート挿入体100が着脱可能に取り付けられている泡注入本体305のスラリー経路310を通るセメント質スラリーの流れの中に水性泡の流れを注入するように、適合される。
【0034】
図2を参照すると、泡補給端部110は、適切な泡補給導管と保持係合されるように適合される。例示される泡補給端部110は、泡補給導管の適切な連結部のうち相手となる雌ねじ面と密封係合するように適合される雄ねじ面125を含む。
【0035】
他の実施形態では、泡補給端部110は、泡補給導管と保持連結するための他の適切な取付け構造を含んでもよい。例えば、他の実施形態では、泡補給端部110は、外側とげ付き(barbed)面と適切な大きさの泡補給導管の内面との間の摩擦嵌めを促進することのできるその外側とげ付き面を含んでもよい。調節可能なホースクランプが、泡補給導管の外面に外嵌され、泡補給端部110のうち泡補給導管内に配置される部分と重なる関係におかれ、泡ポート挿入体100の泡補給端部110に対する泡補給導管の保持係合をさらに促進するように締められてもよい。
【0036】
実施形態では、泡ポート挿入体100の取付け端部112は、泡ポート挿入体100を相手となる泡注入本体305に着脱可能に取付けるのに適切な構造を含んでもよい。実施形態では、泡ポート挿入体100の取付け端部112の少なくとも一部分が、泡ポート挿入体100が泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるときに、泡注入本体305のポート経路315の中に配置されてもよい(図8参照)。図2に戻って参照すると、例示される泡ポート挿入体100の取付け端部112は、泡注入本体305内の相手となるねじ面320と保持係合するように適合されたねじ面127を含み、ポート経路315と関係付けられてもよい(図8参照)。実施形態では、泡注入本体305内の相手となるねじ面320は、泡注入本体305の各ポート経路315の中の雌ねじ面であってもよい。
【0037】
図1及び3を参照すると、泡ポート挿入体100の、相手となる泡注入本体305からの取り付けと取り外しを容易にするために、泡ポート挿入体100は、お互いに間隔をおいた実質的に平行な関係に配置された一対のフラット面132、133、即ち平面を含んでもよい。平面132、133は、レンチのあごがそれぞれ平面132、133を把持し、操作者が泡ポート挿入体100を回転させて泡注入本体305と螺係合させるか係脱させるかいずれかさせるのに役立てるためにレンチを用いることができるように、構成されてもよい。実施形態では、フラット面132、133は、ポート挿入体本体105の外側円筒状面を機械加工することによって提供されてもよい。
【0038】
図3を参照すると、取付け端部112のねじ面127は、回転軸線RAを画定し、それを中心として泡ポート挿入体100が、泡注入本体305内の相手となるねじ面320と螺係合及び係脱するように回転する。例示される回転軸線RAは、泡ポート挿入体100の長手方向軸線LAと実質的に一致する。例示される平面132、133は、お互い及び回転軸線RAに対して実質的に平行である。
【0039】
図1〜4を参照すると、泡ポート挿入体100の取付け端部112は、遠位端面135を有する。例示される遠位端面135は、実質的に平面である。図8を参照すると、泡ポート挿入体100は、泡ポート挿入体100の取付け端部112がポート経路315内に配置され、スラリー経路310を画定する泡注入本体305の内面325に泡ポート挿入体100の遠位端面135が隣接するように、相手となる泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合されてもよい。
【0040】
図4を参照すると、例示される泡ポート挿入体100の泡経路115は、一般に円筒状であり、その縦に沿った長手方向軸線LAに対して直交する平面において実質的に円形断面形状を有する。泡ポート挿入体100の泡経路115は、第1のオリフィスサイズΦ1をもった第1のオリフィス140を有する。泡経路115のオリフィスサイズΦ1は、泡経路115を通る流れの方向に対して実質的に直交する平面における、この場合、長手方向軸線LAに対して実質的に直交する平面における、泡経路115の断面積として測定されてもよい。流れの方向に対して実質的に直交する平面における泡経路115の断面積のサイズが泡経路115の長手方向の縦に沿って変化する実施形態では、オリフィスサイズΦ1は泡経路115内に見出される公称最小値として測定されてもよい。泡経路115が円筒状である実施形態では、オリフィスサイズΦ1は、ポート挿入体本体105の内径として表されてもよい。例示される第1のオリフィスサイズΦ1は、公称3/4インチである。
【0041】
同じ泡補給導管及び同じ相手となる泡注入本体305に対する異なる種類の泡ポート挿入体100、200の適合を容易にするために、第1の泡経路115は、先細り入口部分142及び主要部分144を含んでもよい。先細り入口部分142は、泡入口開口120と、泡経路115の主要部分144と流体連通する入口部出口開口146とを含んでもよい。入口部分142は、水性泡の流れが特定の断面をもった補給導管から泡経路115の主要部分144に移動する可変移行領域を提供してもよく、主要部分144は、補給導管のサイズとは異なるオリフィスサイズΦ1をもった第1のオリフィス140を含む。実施形態では、入口部分142は、水性泡の破壊を低減するのに役立つように、補給導管から泡ポート挿入体100に水性泡の流れの移行を促進するように構成されてもよい。
【0042】
例示される入口部分142は、長手方向断面において、略円錐台状である。他の実施形態では、入口部分142は、特定の断面積を有する補給出口開口をもった補給導管から、泡補給導管の補給出口開口の断面積とは異なる第1のオリフィスサイズΦ1に相当する断面積を有する泡経路115の主要部分144に、水性泡の流れを移行させるように適合された異なる形状を有してもよい。例示される泡入口開口120は、第1のオリフィスサイズΦ1より大きいサイズΦ2を有する。例示される入口部出口開口146は、入口部分142が泡入口開口120から入口部出口開口146へ狭くなるように、泡入口開口120のサイズΦ2より小さく、第1のオリフィスサイズΦ1に相当する。例示される主要部分144は、入口部出口開口146及び泡出口開口122の間に延在し、第1のオリフィスサイズΦ1に相当する断面サイズを有する。例示される主要部分144は、その縦に沿って長手方向軸線LAのどこに対しても実質的に均一な断面積を有する。
【0043】
泡ポート挿入体100は、泡経路115と流体連通する圧力センサー経路150を画定してもよい。圧力センサー経路150は、その中に、泡経路115を通り抜ける水性泡の流れの圧力を検出するように適合された圧力センサー155を受け入れるように、構成されてもよい。
【0044】
圧力センサー経路150は、圧力センサー経路150の中に配置される適合的な圧力センサー155が泡ポート挿入体100に密封取り付けされるように、適合されてもよい。圧力センサー155は、泡ポート挿入体100に密封取り付けされ、泡経路115を通り抜ける水性泡の流れの圧力を検出するために用いられてもよい。例示される圧力センサー経路150は、適合的な圧力センサー155の雄ねじ面158と密封接合するように構成された雌ねじ面157を含む。
【0045】
例示される泡ポート挿入体100は、泡経路115の主要部分144と流体連通する圧力センサー経路150を画定する。泡ポート挿入体100自体の泡経路115に通路を供給することによって、より正確な圧力読み値が、圧力センサー経路150を通して得られてもよい。実施形態では、圧力センサー155は、実質的に連続的な圧力読み値を適切なコントローラーに供給してもよい。コントローラーは、泡経路115を通って操作の間泡注入本体305のスラリー経路に注入される水性泡の流れの圧力をモニターするように適合されてもよい。実施形態では、コントローラーは、圧力センサー155によってコントローラーに送信された圧力信号に応答し、水性泡の補給に対するプロセス変更を行って、泡経路115を通る水性泡の流れ条件を変更するように、適合されてもよい。
【0046】
図1を参照すると、例示される泡ポート挿入体100のポート挿入体本体105は、そこから延在するショルダー部分170を含む。圧力センサー経路150は、ポート挿入体本体105のショルダー部分170の中に画定される。ショルダー部分170は、圧力センサー経路150を画定するため及び泡ポート挿入体100の製造を促進するために、適切な囲繞構造を提供するように含まれてもよい。例えば、ショルダー部分は、圧力センサー経路を画定するように、機械加工(例えば、穴あけ及びねじ切り)されてもよい。例示される実施形態では、フラット面132、133は、ポート挿入体本体105のショルダー部分170に機械加工される。
【0047】
図5を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる第2の種類の泡ポート挿入体200の一実施形態が示される。図5の泡ポート挿入体200は、泡ポート挿入体200が第2のオリフィスサイズΦ3をもった第2のオリフィス240を有する第2の泡経路215を画定することを除いて、構造と機能が図1の泡ポート挿入体100に類似する。実施形態では、第2のオリフィスサイズΦ3は、第1のオリフィスサイズΦ1の公称値、例えば3/4インチなどとは異なる、例えば7/8インチなど、任意適切な公称値を有してもよい。例示される第2のオリフィスサイズΦ3は、例示される第1のオリフィスサイズΦ1より大きい。
【0048】
他の実施形態では、第2の種類の泡ポート挿入体200は、例えば、図5の隠れた線241に示される、第2のオリフィス240の内径と内径Φ4の間の如何なる内径をもったものなど、異なるオリフィスサイズを有してもよい。実施形態では、異なる種類の泡ポート挿入体のオリフィスサイズΦ1、Φ3、Φ4は、異なっていてもよい。
【0049】
第2のポート挿入体200は、それが関係付けられるポート経路315のポート開口317で第2の泡経路215がスラリー経路310と流体連通するように、第1の種類の泡ポート挿入体100と同様、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される。本開示の原理による泡注入システムの実施形態では、取付け構造を含めて構造が類似してはいるが、異なるオリフィスサイズΦ1、Φ3、Φ4をもった第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200が提供されてもよい。各種類の泡ポート挿入体100、200は、それぞれの泡経路115、215がポート経路315のポート開口317で泡注入本体305のスラリー経路310と流体連通するように、同じ適合的な泡注入本体305に着脱可能に取り付けられてもよい。泡注入本体305に取り付けられた特定の泡ポート挿入体100、200は、取り外され、泡注入本体305のスラリー経路310を通り抜けるセメント質スラリーの流れの中への泡注入圧力を変更するように、相手となる泡注入本体305のスラリー経路310の中への水性泡の流れを修正するように、他の種類の泡ポート挿入体100、200と交換されてもよい。
【0050】
実施形態では、本開示の原理による泡注入システムは、泡経路115、215に異なる内径(そうして異なる断面積)をもった異なるオリフィスサイズΦ1、Φ2、Φ3などをそれぞれが有する異なる種類の泡ポート挿入体100、200を含んでもよい。使用時、泡注入本体305のスラリー経路310を通り抜けるセメント質スラリーの中への水性泡の所望の平均流れ速度を変更するように、異なる種類の泡ポート挿入体が、適合的な泡注入本体305に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0051】
実施形態では、本開示の原理による泡注入システムは、異なる種類の泡ポート挿入体の使用によって少なくとも1つの可変の流れ特性を生じさせるように構成された、異なる形状及び/又はサイズを有する泡経路をそれぞれがもった3種類以上の泡ポート挿入体を含んでもよい。実施形態では、本開示の原理による泡注入システムは、所定の範囲に対して可変の内径の、異なるオリフィスサイズをもった泡経路を有する一組の異なる種類の泡ポート挿入体、例えば、1/4インチと1インチの間の内径の可変オリフィスサイズを有する一組の異なる種類の泡ポート挿入体など、を含んでもよい。実施形態では、1/4インチから1インチまで1/16インチの増加分ずつ(即ち、1/4インチ、5/16インチ、3/8インチ、7/16インチ、1/2インチ、9/16インチ、5/8インチ、11/16インチ、3/4インチ、13/16インチ、7/8インチ、15/16インチ、及び1インチ)内径が大きくなっている各オリフィスサイズを有する一組の異なる種類の泡ポート挿入体など、一組の異なる種類の泡ポート挿入体は、オリフィスサイズの範囲に亘ってサイズを増加的としてもよい。他の実施形態では、異なる増加分及び/又は範囲のオリフィスサイズが用いられてもよい。
【0052】
図6〜8を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入本体305の一実施形態が開示される。泡注入本体305は、セメント質製品の製造時に中を通してセメント質スラリーを運ぶために用いられ得る適切な金属又は他の任意適切な材料など、任意適切な材料から、任意適切な技術を用いて作製されてもよい。実施形態では、泡注入本体305は、アルミニウム、ステンレススチール、黄銅などのような適切な金属から作製されてもよい。実施形態では、泡注入本体305の少なくとも一部分は、耐久性を増すために、適切な材料(例えば、クロム)でめっきされてもよい。
【0053】
図6を参照すると、図1の泡ポート挿入体100は、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられる。図6の泡注入本体305は、図1及び5にそれぞれ示される第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200に適合的である。図1及び5にそれぞれ示される第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200及び図6の泡注入本体305は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システム301の一実施形態を備える。実施形態では、適切な数の第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200が泡注入本体305と関係付けられてもよい(例えば図7参照)。第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200は、泡注入本体305を通り抜けるセメント質スラリーの流れの中へ水性泡を異なる流れ条件の下で注入するために、泡注入本体305で互換的に用いられてもよい。使用時、一組の中に他の泡ポート挿入体とは異なる少なくとも1つの種類の泡ポート挿入体を含むその一組の泡ポート挿入体が、所定のときに泡注入本体305に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0054】
図6を参照すると、実施形態では、泡注入本体305は、スラリー経路310と、スラリー経路と流体連通する少なくとも1つのポート経路315とを画定する。実施形態では、泡注入本体305は、スラリー経路310と流体連通する少なくとも2つのポート経路315を画定する。実施形態では、泡注入システム301は、泡注入本体305におけるポート経路315の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2の泡ポート挿入体100、200を含んでもよい。
【0055】
図8を参照すると、例示される泡注入本体305は、スラリー経路310と流体連通する4つのポート経路315を含む。例示されるポート経路315のそれぞれは、類似の構造を有する。したがって、1つのポート経路315の説明が他のポート経路315のそれぞれにもまた等しく適用できることを理解されたい。
【0056】
実施形態では、泡注入本体305のスラリー経路310は、セメント質スラリーの流れを受け入れ、それを製造システムの下流部分に運ぶように適合される。実施形態では、泡注入本体305は、水とセメント質材料を混合して水性セメント質スラリーにするように適合された、ミキサーの一部分か、又はミキサーと流体連通する、排出導管の一部分を備えてもよい。
【0057】
図6及び7を参照すると、例示される泡注入本体305は、排出導管の一部を備え、スラリー入口開口332を画定するスラリー入口端部330と、スラリー排出開口336を画定するスラリー排出端部334とを含む。スラリー経路310は、スラリー入口開口332及びスラリー排出開口336に流体連通する。実施形態では、スラリー入口端部330とスラリー排出端部334とは、セメント質混合及び分注アセンブリの上流の部分と下流の部分とにそれぞれ固定されるように適合されてもよい。
【0058】
例示される、泡注入本体305のスラリー入口端部330及びスラリー排出端部334はそれぞれ、外側とげ付き面338、339を有し、これは、その外側とげ付き面338、339と、適切なサイズのスラリー導管の内面との間の摩擦嵌めを促進するように構成される。調節可能なホースクランプが、スラリー導管の外面に外嵌され、泡注入本体305のうちスラリー導管内に配置される部分と重なる関係におかれ、泡注入本体305に対するスラリー導管の保持係合をさらに促進するように締められてもよい。
【0059】
図7を参照すると、実施形態では、泡注入本体305のスラリー入口端部330は、スラリーミキサーと流体連通するように置かれ、それからスラリーの主要な流れを受け入れるように適合されてもよい。泡注入本体305に着脱可能に取り付けられた1つ又は複数の泡ポート挿入体100、200を通して、スラリー経路310内のスラリーの主要な流れの中に水性泡が注入されて、発泡したセメント質スラリーを形成してもよい。発泡したセメント質スラリーは、泡注入本体305からスラリー排出端部334の外へ排出されてもよい。実施形態では、泡注入本体のスラリー排出端部334は、発泡したスラリーをカバーシート材料の移動するウェブ上に排出するように構成されたものなど、発泡したセメント質スラリーを流れ修正要素及び適切なスラリー分配器の少なくとも1つに運ぶように適合された排出導管の送出導管とともに配置されてもよい。例示される実施形態では、スラリー排出開口336は、スラリー入口開口332より大きい。
【0060】
図7及び8を参照すると、泡注入本体305の内面325は、スラリー経路310を画定する。各ポート経路315は、スラリー経路310と流体連通するポート開口317を有する。各ポート経路315は、スラリー経路310を通るスラリー流れの方向に対して実質的に直交する関係に配置される。他の実施形態では、少なくとも1つのポート経路315は、スラリー経路310を通るスラリー流れの方向に対する少なくとも1つの平面に沿って、スラリー経路310に対して、異なる向きを有してもよい。
【0061】
例示される泡注入本体305は、外周面345と、外周面345に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面347とを有する泡リングを備える。実施形態では、外周面345は、その中に画定されるポート入口352を境界とする、外周面345に画定されるフラット又は平らな面350を有してもよい。内周面347は、スラリー経路310を画定する。ポート経路315は、外周面345と内周面347の間に、径方向に延在する。例示されるポート経路315は、それらが泡リング305の周囲にお互いから約90度離れるように、その周囲に、お互いに対して実質的に均等に間隔をおいている。
【0062】
泡ポート挿入体100、200の各種類は、それぞれの泡経路115、215が泡ポート挿入体の関係付けられるポート経路315のポート開口317でスラリー経路310と流体連通するように、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される。例示される実施形態では、各ポート経路315は、その中に、泡挿入体の第2の種類のいずれかの第1の種類の取付け端部112を受け入れるように構成される。各ポート経路は、第1の種類又は第2の種類の泡ポート挿入体100、200のいずれかの、その取付け端部に配置された相手となるねじ面と密封係合するように適合された雌ねじ面を含む。
【0063】
実施形態では、泡ポート挿入体100、200の各種類は、泡ポート挿入体100、200の取付け端部112、212がポート経路315内に配置され、泡ポート挿入体100、200の遠位端面135、235が泡注入本体305の内面325に隣接するように、適合的な泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される。実施形態では、異なる種類の泡ポート挿入体100、200のそれぞれは、泡注入本体305のポート経路315のいずれにも着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0064】
図7及び8を参照すると、第1の種類の泡ポート挿入体100は、関係付けられるポート経路315内で泡ポート挿入体100の遠位端面135が泡注入本体305の底部ポート壁355に接触するまで、関係付けられるポート経路315の中にねじ込まれてもよい。例示される底部ポート壁355は、ポート経路のポート開口317を画定する。第2の種類の泡ポート挿入体200は、類似の構造を有してもよい。
【0065】
実施形態では、泡注入本体305内のスラリー経路310の幾何学的形状は、異なる種類の泡ポート挿入体100、200が泡注入本体305に取り付けられるときに損なわれも破壊されもしない。実施形態では、スラリー経路310を通るセメント質スラリーの流れが泡ポート挿入体100、200の構造的特徴によって破壊されないように、泡ポート挿入体100、200は、それが泡注入本体305に完全に取り付けられたときにスラリー経路310の中に突出しない。実施形態では、図7に示すように、例えば、泡注入本体305に完全に取り付けられたときに泡ポート挿入体100は、それと泡注入本体305との間に、スラリーが捕らえられ蓄積し得る「空いた」領域を残さない。この蓄積は、操作上の問題につながり、泡注入本体305を清浄化するために、ついには、ボードライン(board line)を停止させざるを得なくすることがある。
【0066】
図9〜13を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる第1の種類の泡ポート挿入体400の他の実施形態が示される。泡ポート挿入体400は、本開示の原理に従う泡注入システムの実施形態における使用に適切である。泡ポート挿入体400は、例えば泡発生器など水性泡の補給源と流体連通する泡補給導管から、水性泡の流れを受け入れ、泡ポート挿入体400が着脱可能に取り付けられる泡注入システムの泡注入本体605のスラリー経路610を通り抜けるセメント質スラリーの中に泡を注入するように、適合されてもよい(図15参照)。
【0067】
図9を参照すると、泡ポート挿入体400は、長手方向軸線LAに沿って泡補給端部410と取付け端部412の間に延在するポート挿入体本体405を含む。ポート挿入体本体405は一般に、それを通る第1の泡経路415を泡ポート挿入体400が画定するような、中空の円筒体の形式である。泡補給端部410は、泡入口開口420を画定し(図13も参照)、取付け端部412は、泡出口開口422を画定する。泡経路415は、泡入口開口420と泡出口開口422の間に延在し、それらに流体連通する。
【0068】
泡ポート挿入体400は、泡注入本体605に画定されたポート経路615を通って泡経路415が泡注入本体605のスラリー経路610と流体連通するように、相手となる泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように適合される(図16参照)。泡ポート挿入体400は、泡入口開口に入る水性泡の流れを受け入れ、水性泡の流れを泡出口開口から排出することによって、泡ポート挿入体400が着脱可能に取り付けられている泡注入本体605のスラリー経路を通るセメント質スラリーの流れの中に水性泡の流れを注入するように適合される。
【0069】
図9及び12を参照すると、例示される泡ポート挿入体400は、ポート挿入体本体から外に向かって径方向に延在する取付けフランジ407を含む。取付けフランジ407は、一対の取付け孔408を画定し、これらはそれぞれ、それらを通して留め具を受け入れるように構成される。実施形態では、取付けフランジ407は、ただ1つの取付け孔408又は3つ以上の取付け孔408を画定してもよい。取付けフランジ407の各取付け孔408は、1つ又は複数の留め具409が図9の泡ポート挿入体400を適合的な泡注入本体605に着脱可能に取り付けるために用いられるように、適合的な泡注入本体605の中に画定される相手となる取付け孔と位置が合うように適合されてもよい(例えば、図16参照)。
【0070】
図9〜12を参照すると、図9の泡ポート挿入体400は、泡注入本体605の中に画定されたポート経路615内に泡ポート挿入体400の取付け端部412が配置されるように、適合的な泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように構成される。例示される泡ポート挿入体400の取付け端部412は、密封面428をもった中間ショルダー426を画定するように、減少された外径を有する遠位部分424を含む。エラストマーO−リング430が、遠位部分424の周りに外嵌され、密封面428に対して配置されてもよい。泡ポート挿入体400の密封面428及び取付けフランジ407は、取付けフランジがそれの取り付けられる泡注入本体605内部分と係合接触するときに、O−リング430が圧縮されて泡注入本体605の密封面428及び穴ぐり密封面616と密封接触するように、お互いに関連して配置されてもよい(例えば図16参照)。
【0071】
図10を参照すると、実施形態では、泡ポート挿入体400は、泡ポート挿入体400の取付け端部412が、適合的な泡注入本体605のスラリー経路610の内部幾何学的形状と実質的に同一面に揃う、フラッシュ取付(flush−mounting)の特徴を含むように適合されてもよい。例示される実施形態では、泡ポート挿入体400の取付け端部412は、曲率半径がR1である凹面部分436をもった遠位端面435を有する。例示される泡ポート挿入体400は、泡ポート挿入体400の取付け端部412がポート経路615内に配置され、泡ポート挿入体400の遠位端面435が泡注入本体605の内面625に隣接し、遠位端面435の凹面部分436が泡注入本体605の内面625の類似形状の凹面部分618に対して実質的に同心円状に配置されてそれらの間に実質的に同一面に揃う境界を画定するように、泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように適合される(図17参照)。
【0072】
実施形態では、本開示の原理に従って組み立てられる泡ポート挿入体は、回転防止機構及び位置合せ機構を含んでもよい。実施形態では、同じ構造の泡ポート挿入体が、相手となる泡注入本体に対して泡ポート挿入体が回転するのを防ぎ、泡ポート挿入体を泡注入本体に対して少なくとも1つの特定の向きに向けるように構成されてもよい。
【0073】
図9〜12を参照すると、例示される泡ポート挿入体400は、ポート挿入体本体405から突出して長手方向軸線LAに沿って延在する畝部438を含む。畝部438は、泡ポート挿入体400が、泡注入本体605に取り付けられたときに長手方向軸線LAを中心にして回転することを防ぐのに役立ち、位置合せ機構を提供するように、提供されてもよい。畝部438は、泡注入本体605の中に画定されてかつ畝部を中に保持的に受け入れるようにポート経路615と関係付けられたキー溝622と、相補的であるように構成されてもよい(例えば図17参照)。
【0074】
泡ポート挿入体400が泡注入本体605に取り付けられたときに、泡ポート挿入体400は、長手方向軸線LAを中心にして泡注入本体605に対して回転することを畝部438とキー溝622の相互係合によって実質的に制約される。畝部438とキー溝622の構成は、畝部438をキー溝622内に配置して泡ポート挿入体400が泡注入本体605に取り付けられたときに、実質的に連続的な内面−泡注入ポート境界を提供してスラリー経路610の幾何学的形状を維持することに役立つように、泡ポート挿入体400の取付け端部412の遠位端面435を泡注入本体605のポート開口617の周りの内面625の凹面領域618と位置合せするように、適合されてもよい(図17参照)。
【0075】
他の実施形態では、本開示の原理に従って組み立てられる泡ポート挿入体及び泡注入本体は、異なる位置合せ及び回転防止機構を含んでもよい。例えば、実施形態では、泡ポート挿入体は、間隔をおいた実質的に平行なお互いに対する関係において配置された一対の位置合せフラット面又は平面を含んでもよい。位置合せフラット面は、泡ポート挿入体のフランジと取付け端部との間に、泡ポート挿入体に沿って軸方向に配置される。位置合せフラット面は、泡注入の中に画定されたポート経路の一部分と相補的であるようにして、その中に一対の位置合せフラット面を保持的に受け入れるように、構成されてもよい。例えば、実施形態では、泡注入本体の外周面は、ポート経路が経路に沿って略T形状の断面を有するように、ポート入口と重なる関係に配置される溝又は流路を画定してもよい。
【0076】
泡ポート挿入体の位置合せフラット面は、泡ポート挿入体が長手方向軸線LAを中心にして泡注入本体に対して回転することを位置合せフラット面と溝の相互係合によって制約されるように、泡注入本体における、ポート入口に隣接する溝と保持係合するように構成されてもよい。位置合せフラット面と溝の構成は、位置合せフラット面を泡注入本体の溝内に配置して泡ポート挿入体が泡注入本体に取り付けられたときに、実質的に連続的な内面−泡注入ポート境界を提供して、泡注入本体に画定されたスラリー経路の幾何学的形状を維持することに役立つように、泡ポート挿入体の取付け端部の遠位端面を泡注入本体のポート開口の周りの内面の凹面領域と位置を合わせるように、適合されてもよい。なおも他の実施形態では、泡ポート挿入体及び/又は泡注入本体は、異なる構造をもった位置合せ機構及び/又は回転防止機構を有してもよい。
【0077】
図13を参照すると、図9の泡ポート挿入体400の構造及び機能は、他の点において、図1の泡ポート挿入体100に類似する。例えば、泡補給端部410は、上に記載するのと同様に、泡補給導管と保持係合するように適合されてもよい。泡ポート挿入体400は、図1の泡ポート挿入体100と同様に、圧力センサー経路450を第1の泡経路415と流体連通するように画定する。また、図9の泡ポート挿入体400の泡経路415は、上に記載の泡ポート挿入体100、200の実施形態に画定される泡経路115、215と類似の幾何学的形状を有してもよい。
【0078】
図13を参照すると、泡ポート挿入体400の第1の泡経路415は、第1のオリフィスサイズΦ4をもった第1のオリフィス440を有する。図14を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる第2の種類の泡ポート挿入体500の一実施形態が示される。図14の泡ポート挿入体500は、泡ポート挿入体500が、図9の泡ポート挿入体400の泡経路415の第1のオリフィスサイズΦ4とは異なる第2のオリフィスサイズΦ5をもった第2のオリフィス540を有する泡経路515を画定することを除いて、構造と機能が図9の泡ポート挿入体400に類似する(図13参照)。実施形態では、第2のオリフィスサイズΦ5は、第1のオリフィスサイズΦ4の公称値、例えば3/4インチなどとは異なる、例えば3/8インチなど、任意適切な公称値を有してもよい。実施形態では、異なる種類の泡ポート挿入体400、500のオリフィスサイズΦ4、Φ5は、異なっていてもよい。他の実施形態では、第2の種類の泡ポート挿入体500は、例えば、約1/4インチと1インチの間などの所定の範囲にある内径をもったものなど、異なるオリフィスサイズΦ5を有してもよい。
【0079】
図14の第2のポート挿入体500は、ポート経路615のポート開口617で第2の泡経路515がスラリー経路610と流体連通するように、図9の第1の種類の泡ポート挿入体400と同様、泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように適合される。本開示の原理による泡注入システムの実施形態では、取付け構造を含めて構造が類似してはいるが、異なるオリフィスサイズΦ4、Φ5をもった第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500が提供されてもよい。実施形態では、泡注入本体605に取り付けられた1つの種類の泡ポート挿入体400、500は、取り外され、泡注入本体605のスラリー経路610を通り抜けるセメント質スラリーの流れの中への泡注入圧力を変更するように、相手となる泡注入本体605のスラリー経路610の中への水性泡の流れを修正するように、他の種類の泡ポート挿入体400、500と交換されてもよい。
【0080】
図15〜17を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入本体605の一実施形態が開示される。図15を参照すると、図9の泡ポート挿入体400は、泡注入本体605に着脱可能に取り付けられる。図9の泡注入本体605は、図9及び14にそれぞれ示される第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500に適合的である。図9及び14にそれぞれ示される第1及び第2の種類の泡ポート400、500、及び図15の泡注入本体605は、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムの一実施形態を備える。
【0081】
実施形態では、適切な数の第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500が泡注入本体605と関係付けられてもよい。第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500は、泡注入本体605を通り抜けるセメント質スラリーの流れの中へ水性泡を異なる流れ条件の下で注入するために、泡注入本体605で互換的に用いられてもよい。実施形態では、本開示の原理による泡注入システムは、異なる種類の泡ポート挿入体の使用によって少なくとも1つの可変の流れ特性を生じさせるように構成された異なる形状及び/又はサイズを有する泡経路をそれぞれがもった3種類以上の泡ポート挿入体を含んでもよい。実施形態では、本開示の原理による泡注入システムは、所定の範囲のオリフィスサイズに亘る可変内径を有する一組の異なる種類の泡ポート挿入体を含んでもよい。実施形態では、少なくとも2つの異なる種類の泡ポート挿入体400、500が、所定のときに泡注入本体のそれぞれのポート経路の内に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0082】
図15〜17を参照すると、例示される泡注入本体605は、スラリー経路610と流体連通する4つのポート経路615を含む。例示されるポート経路615のそれぞれは、類似の構造を有する。したがって、1つのポート経路615の説明が他のポート経路615のそれぞれにもまた等しく適用できることを理解されたい。実施形態では、泡注入本体605は、スラリー経路610と流体連通する異なる数のポート経路615を画定する。実施形態では、泡注入システムは、泡注入本体605の中のポート経路615の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2の泡ポート挿入体400、500を含んでもよい。
【0083】
図15を参照すると、各ポート経路615のために、泡注入本体605は、泡注入本体605の略平面の座面650の中に一対の相手となる取付け孔648を画定する。座面650は、泡注入本体605への第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500の取り外し可能な取り付けのために、泡ポート挿入体400、500のいずれかの取付けフランジ407に密封接触するように構成される。
【0084】
相手となる取付け孔648は、各泡ポート挿入体400、500の取付け端部412が、関係付けられるポート経路615に位置合せされ、取付けフランジ407が泡注入本体605に隣接するときに、取付けフランジ407の取付け孔408が泡注入本体605内の相手となる取付け孔648と位置合せ可能であるように、構成されてもよい(図16も参照)。相手となる取付け孔648は、適切な留め具409と螺係合するように構成される雌ねじ面を有してもよい。例示される実施形態では、各泡ポート挿入体400、500の取付け孔408は、泡ポート挿入体400、500の畝部438が、泡ポート挿入体400、500が関係付けられるポート経路615のキー溝622の内に配置されるときに、泡注入本体内の相手となる取付け孔648と位置合せされる関係にある。
【0085】
図16を参照すると、泡ポート挿入体400は、泡注入本体605のポート経路615の1つの内に配置される。一対のねじ留め具409がそれぞれ、泡ポート挿入体400の取付けフランジ407の取付け孔を通って延在し、泡ポート挿入体400を泡注入本体605に着脱可能に取り付けるように、それぞれ泡注入本体605内の相手となる取付け孔内の雌ねじ面と螺係合する。泡ポート挿入体400の取付けフランジ407を泡注入本体605の座面650上に着座させて、泡ポート挿入体400の取付け端部412の遠位部分424の周りに配置されたO−リング430が、泡ポート挿入体400の密封面428と泡注入本体605の穴ぐり密封面616の間に、その間に密封関係を提供するように、密封圧縮される。
【0086】
図17を参照すると、例示される泡注入本体605は、排出導管の一部として用いられ得る泡リングの形である。例示される泡注入本体605は、スラリー経路610を画定する内周面645を有する。内周面645は、第1のポート挿入体の湾曲遠位端面と実質的に同じ曲率半径R2をもった、各ポート経路615に隣接する凹面部分618を有する。異なる種類の泡ポート挿入体400、500のそれぞれは、泡ポート挿入体400、500の取付け端部412、512がポート経路615内に配置され、スラリー経路610を画定する泡注入本体605の内面625に泡ポート挿入体400、500の遠位端面435、535が実質的に位置合せされるように、泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0087】
図15〜17を参照すると、例示される泡注入本体605の各ポート経路615は、第1又は第2の種類の泡ポート挿入体400、500の1つの畝部を中に保持的に受け入れるように構成されたキー溝622を含む。第1又は第2の種類の泡ポート挿入体400、500のいずれかが泡注入本体605に取り付けられたとき、畝部438がキー溝622内に配置され、泡ポート挿入体400、500は、長手方向軸線LAを中心にして泡注入本体605に対して回転することを畝部438とキー溝622の相互係合によって実質的に制約される。他の実施形態では、畝部438とキー溝622はそれぞれ、異なるサイズ及び/又は形状を有してもよいが、やはり、泡ポート挿入体400、500と泡注入本体605の間の相対的回転を防ぐように構成される。
【0088】
実施形態では、泡注入本体及び異なる種類の泡ポート挿入体400、500の少なくとも1つは、泡ポート挿入体400、500それぞれの取付け端部412、512が、適合的な泡注入本体605のスラリー経路610の内部幾何学的形状と実質的に同一面に揃う、泡ポート挿入体400、500のフラッシュ取付け特徴を促進するように適合された位置合せ特徴を含んでもよい。例示される畝部とキー溝の構成は、泡ポート挿入体400、500が特定の向きで泡注入本体605に着脱可能に取り付けられるように、泡ポート挿入体400、500の各種類に取付け方向性を付与する。
【0089】
例示される実施形態では、第1及び第2の種類の泡ポート挿入体400、500の取付け方向性は、異なる種類の泡ポート挿入体400、500の各遠位端面435、535が泡経路610の内面625と実質的に合致する関係に配置されるように、構成される。泡注入本体605に取り付けられたとき、泡ポート挿入体400、500の遠位端面435、535の凹面部分436、536は、泡ポート挿入体400、500の遠位端面435、535の湾曲が泡注入本体605の内面625の湾曲と位置合せされて泡注入本体605の遠位端面435、535と内面625の間に実質的に同一面に揃う関係を提供するように、泡注入本体605の内面625と実質的に同心円状に配置される(図17参照)。
【0090】
図15の泡注入本体605は、図6の泡注入本体305に他の点で類似していてもよい。例えば、泡注入本体605のスラリー経路610は、構造と機能が図6の泡注入本体305のスラリー経路310と実質的に同じであってもよい。
【0091】
実施形態では、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システム701は、例えば、図18及び19に示す通り、発泡したセメント質スラリーを生成させるようにスラリーミキサー705と流体連通するように配置されてもよい。実施形態では、泡注入システム701は、ミキサー705及び/又はミキサー705に取り付けられて流体連通する排出導管710に直接取り付けられることによってミキサー705と流体連通するように配置されてもよい。
【0092】
図18を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリ700の一実施形態が示される。セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ700は、ミキサー705、スラリー排出導管710、及び泡注入システム701を含む。
【0093】
ミキサー705は、水とセメント質材料を撹拌して水性セメント質スラリーを形成するように適合される。スラリーミキサー705は、排出導管710及び泡注入システム701と流体連通する。水とセメント質材料の両方は、1つ又は複数の入口を通して当分野で周知のミキサー705に供給されてもよい。実施形態では、他の任意適切なスラリー添加剤が、セメント質製品を製造する当分野で周知のミキサー705に供給されてもよい。任意適切なミキサー(例えばピンミキサー)が、スラリー混合及び分注アセンブリ700とともに用いられてもよい。
【0094】
スラリー排出導管710は、ミキサー705と流体連通する。実施形態では、スラリー排出導管710は、当業者に理解されるような任意適切な排出導管構成要素を備えてもよい。例示される排出導管710は、送出導管720、泡注入システム701の泡注入本体305、流れ修正要素730、及びスラリー分配器740を含む。
【0095】
排出導管710は、セメント質スラリーの主要流れをミキサー下流から更なる製造ステーション(例えば、実施形態では、石膏ウォールボードを生産するために用いられる、カバーシート材料の移動するウェブ上)に送出するように構成される。実施形態では、送出導管720は、任意適切な材料から作製されてもよく、異なる形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、送出導管720は、可撓性の導管を備えてもよい。
【0096】
実施形態では、流れ修正要素730は、排出導管710の一部であり、排出導管710を通る、ミキサー705からのセメント質スラリーの流れを修正するように適合される。流れ修正要素730は、排出導管710を通るミキサー705からのセメント質スラリーの流れの流れ方向に対して泡注入本体305の下流に配置される。実施形態では、1つ又は複数の流れ修正要素730が、排出導管710と関係付けられ、スラリーミキサー705から排出されるスラリーの主要流れを制御するように適合されてもよい。流れ修正要素730は、水性セメント質スラリーの主要流れの動作特性を制御するように用いられてもよい。図18及び19の、例示される実施形態では、流れ修正要素730は排出導管710と関係付けられる。適切な流れ修正要素の例としては、例えば、米国特許第6,494,609号;第6,874,930号;第7,007,914号;及び第7,296,919号に記載されるものを含め、体積制限器(volume restrictor)、減圧器、圧縮弁(constrictor valve)、キャニスターなどが挙げられる。
【0097】
実施形態では、スラリー分配器740は、可撓性のホース又は一般に「ブート」といわれる構成要素の形式の或る長さの導管など、従来の排出導管の任意適切な末端部分であってもよい。実施形態では、ブートは、多枝の排出ブートの形式であってもよい。
【0098】
他の実施形態では、スラリー分配器740は、米国特許出願第2012/0168527号;第2012/0170403号;第2013/0098268号;2013/0099027号;第2013/0099418号;第2013/0100759号;第2013/0216717号;第2013/0233880号;及び第2013/0308411号に示され記載されるものに類似していてもよい。かかる実施形態のいくつかでは、排出導管710は、セメント質スラリーの主要流れを、スラリー分配器740で再合流される2つの流れに分割するための適切な構成要素を含んでもよい。
【0099】
泡注入システム701は、ミキサー705及びスラリー排出導管710の少なくとも1つとともに配置される。泡注入システム701は、泡源750(例えば、当分野で周知の通りに構成された泡発生システムなど)、泡補給導管755、泡注入本体305、少なくとも1つの第1の種類の泡ポート挿入体100、及び少なくとも1つの第2の種類の泡ポート挿入体200を含んでもよい。例示される実施形態では、泡注入システムは、少なくとも4つの第1の種類の泡ポート挿入体100及び少なくとも4つの第2の種類の泡ポート挿入体200を含む。
【0100】
実施形態では、任意適切な泡源750が用いられてもよい。好ましくは、水性泡は、発泡剤と水との混合物の流れが泡発生器に向けられ、かつ結果として生じる水性泡の流れが発生器を離れてセメント質スラリーに向けられ混合される連続的な手法で生成される。実施形態では、任意適切な泡源が用いられてもよい。適切な発泡剤のいくつかの例が、例えば米国特許第5,683,635号及び第5,643,510号に記載される。
【0101】
実施形態では、泡源750からの水性泡は、発泡したセメント質スラリーを形成するために、ミキサー102の下流及び/又は(適切な泡注入本体をもった)ミキサー102自体の中の任意適切な位置で、泡補給導管755及び泡ポート挿入体100、200の少なくとも1つを通して構成物質材料に加えられてもよい。実施形態では、水性泡補給導管755は、スラリーミキサー705及び送出導管710の少なくとも1つと流体連通していてもよい。例示される実施形態では、泡補給導管755は、スラリーミキサー705の下流に配置される。例示される実施形態では、水性泡補給導管755は、排出導管710と関係付けられる注入リング又はブロックの形式である泡注入本体305に着脱可能に取り付けられる4つの泡ポート挿入体100に泡を供給するためのマニホールド型配置を有する。
【0102】
他の実施形態では、それぞれがミキサー705と流体連通する1つ又は複数の二次的泡補給導管が提供されてもよい。なおも他の実施形態では、水性泡補給導管は、スラリーミキサー705のみと流体連通してもよい。当業者によって理解されるであろうように、スラリー混合及び分注アセンブリ700におけるセメント質スラリー内に水性泡を導入するための手段は、アセンブリにおけるその相対的位置を含め、セメント質スラリーにおける水性泡の均一な分散系を提供してその意図される目的に適合的なボードを提供するために変更及び/又は最適化されてもよい。
【0103】
実施形態では、泡注入本体305は、ミキサー705及びスラリー排出導管710の少なくとも1つの一部を備える。例示される泡注入本体305は、排出導管710の一部を備える。泡注入本体305は、上に説明した通りに、スラリー経路及び少なくとも1つのポート経路を画定してもよい。スラリー経路は、それを通してセメント質スラリーを運ぶように構成され、例示される実施形態では、排出導管710の一部を形成する。実施形態では、泡注入本体305は、少なくとも2つのポート経路を画定する。例示される泡注入本体305は、4つのポート経路を画定する。
【0104】
各ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。泡注入システム701は、それぞれの数が泡注入本体305におけるポート経路の数に相当する第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200を含んでもよい。
【0105】
例示される泡注入本体305は、外周面と、外周面に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面とを有する泡リングを備える。各ポート経路は、外周面と内周面の間に、径方向に延在する。内周面は、スラリー経路を画定する。
【0106】
第1の種類の泡ポート挿入体100のそれぞれは、上に説明した通り、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する第1の泡経路を画定する。第1の種類の泡ポート挿入体100は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0107】
第2の種類の泡ポート挿入体200のそれぞれは、上に説明した通り、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2の種類の泡ポート挿入体200は、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のオリフィスサイズは、第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0108】
使用時、セメント質スラリーの主要流れがミキサー705から排出導管710の中に排出され、泡注入本体305を通って進むセメント質スラリーの主要流れの中に、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられた第1の種類の泡ポート挿入体100のそれぞれを通り抜ける水性泡の流れを通して水性泡が挿入されて、発泡したスラリーの流れを生じさせる。流れ修正要素730は、発泡したスラリーの流れの動作特性を制御する。発泡したスラリーの流れは、スラリー分配器740の中に向けられ、これは、排出導管710の任意適切な末端部分であってもよい。泡注入本体305を通り抜けるセメント質スラリーの中への水性泡の流れを変更するために、第1の種類の泡ポート挿入体100は、第2の種類の泡ポート挿入体200に交換されてもよい。
【0109】
発泡したセメント質スラリーが固まり乾燥すると、スラリーに分散した泡は、その中に、セメント質製品の総合密度を低下させるように作用する気泡を生じさせる。泡の量及び/又は泡中の空気の量は、得られる製品が所望の重量範囲内にあるように、乾燥セメント質製品の密度を調整するように変更されてもよい。
【0110】
図19を参照すると、石膏ウォールボード製造ラインのウェットエンド750の一例示的実施形態が示される。例示されるウェットエンド750は、本開示の原理による泡注入システム701を含むセメント質スラリー混合及び分注アセンブリ700、カバーシート材料の第1の移動するウェブ756が間に配置されるように排出導管710のスラリー分配器740の上流に配置されかつ形成テーブル754上に支持されたハードエッジ/表スキムコートローラー752、カバーシート材料の第2の移動するウェブ762が間に配置されるように支持要素760の上に配置された裏スキムコートローラー758、及び予備形成物を所望の厚さに形づくるように適合された形成ステーション764を含む。スキムコートローラー752、758、形成テーブル754、支持要素760、及び形成ステーション764は、当技術分野で周知のように全てそれらの意図される目的のために適切な従来型の設備を備えてもよい。ウェットエンド750は、当技術分野で周知のように他の従来型の設備を備えていてもよい。
【0111】
水性焼石膏スラリーを形成するために水及び焼石膏がミキサー705内で混合されてもよい。一部の実施形態において、水及び焼石膏は、約0.5から約1.3、及び他の実施形態においては約0.75以下の水対焼石膏比で連続的にミキサーに加えられてもよい。
【0112】
石膏ボード製品は、前進するウェブ156が完成したボードの「表」カバーシートとして機能を果たすように典型的には「表を下にして」形成される。表スキムコート/ハードエッジ流766(第1及び第2の水性焼石膏スラリーの流れの少なくとも1つと比較してより高密度な水性焼石膏スラリーの層)が、スキムコート層を第1のウェブ756に適用しかつボードのハードエッジを画定するために、縦方向768に対して、ハードエッジ/表スキムコートローラー752の上流の第1の移動するウェブ756に適用されてもよい。
【0113】
図7及び18を参照すると、泡注入システム701は、ミキサー705によって生成された焼石膏スラリーの中に水性泡を注入するために用いられてもよい。水性焼石膏スラリーの主要流れ721が、ミキサー705から、泡注入本体305を含む排出導管710の中に排出される。水性焼石膏スラリーの主要流れ721は、泡注入本体305の中に画定されたスラリー経路に進入する。水性泡の流れ722は、泡注入本体305に着脱可能に取り付けられた第1の種類の泡ポート挿入体100の各泡経路115に運ばれる(図7も参照)。第1のポート挿入体100の泡経路115のそれぞれの中の水性泡の流れ722は、それぞれのポート開口317で、スラリー経路310を通り抜ける水性焼石膏スラリーの主要流れ721の中に注入されて、発泡した焼石膏スラリーの流れ723を形成する。発泡した焼石膏スラリーの流れ723は、1つ又は複数の流れ修正要素730によって作用され、排出導管710のスラリー分配器740から第1の移動するウェブ756上に排出されてもよい。
【0114】
スラリー経路310を通り抜ける水性焼石膏スラリーの主要流れ721の中への水性泡の流れを変更するために、第1の種類の泡ポート挿入体100は、取り外され、第2の種類の泡ポート挿入体200と交換されてもよい。実施形態では、第2の種類の泡ポート挿入体200は、それを通る水性泡の流れの流れ条件を、第1の種類の泡ポート挿入体を通る水性泡の流れに対して変更するように適合される。実施形態では、第1及び第2の種類の泡ポート挿入体100、200は、異なるオリフィスサイズを有する。実施形態では、第1の種類の泡ポート挿入体100、200を通る水性泡の流れは、第2の種類の泡ポート挿入体を通る水性泡の流れとは異なる圧力を有する。
【0115】
表スキムコート/ハードエッジ流766は、発泡した焼石膏スラリーの流れ723が排出導管710から第1の移動するウェブ756上に排出される、縦方向768における第1の移動するウェブ756の動きの方向に対して、上流の地点においてミキサー705から堆積されてもよい。裏スキムコート流784(発泡した焼石膏スラリーの主要流れと比較してより高密度な水性焼石膏スラリーの層)が、第2の移動するウェブ762に適用されてもよい。裏スキムコート流784は、裏スキムコートローラー758の、第2の移動するウェブ762の動きの方向に対して、上流の地点においてミキサー705から堆積されてもよい。カバーシート材料の第2の移動するウェブ762は、前進する第1のウェブ756上に排出導管710から排出された発泡したスラリー上に配置されて、サンドイッチ状のウォールボード予備形成物を形成してもよく、これは、形成ステーション764に供給されて、予備形成物を所望の厚さに形づくる。実施形態では、水性泡又は他の剤は、表スキムコート及び/又は裏スキムコートを含むスラリーに加えられてその密度を減少させ、但し、排出導管710から分注される発泡したスラリーより大きい密度としてもよい。
【0116】
本開示の一態様では、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムの例示的実施形態は、セメント質スラリー混合及び分注アセンブリにおいて用いられてもよい。実施形態では、泡注入システムは、泡注入本体、第1のポート挿入体、及び第2のポート挿入体を含む。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。第1のポート挿入体は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する第1の泡経路を画定する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のポート挿入体は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のポート挿入体もまた、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のオリフィスサイズは第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0117】
泡注入システム実施形態の第1の変形では、泡注入本体は、少なくとも2つのポート経路を画定する。各ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。泡注入システムは、泡注入本体の中のポート経路の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2のポート挿入体をさらに備える。
【0118】
泡注入システム実施形態の第1の変形のいくつかでは、泡注入本体は、外周面と、外周面に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面とを有する泡リングを備える。ポート経路は、外周面と内周面の間に径方向に延在し、内周面は、スラリー経路を画定する。
【0119】
泡注入システム実施形態の第2の変形では、第1のポート挿入体は、泡補給端部及び取付け端部を有するポート挿入体本体を含む。泡補給端部は、泡補給導管と保持係合するように適合され、泡入口開口を画定する。取付け端部は、泡出口開口を画定する。第1の泡経路は、泡入口開口と泡出口開口の間に、それらと流体連通するように延在する。
【0120】
泡注入システム実施形態の第2の変形の第1の組では、泡入口開口は、第1のオリフィスより大きく、第1の泡経路は、先細り入口部分及び主要部分を含む。先細り入口部分は、泡入口開口と、主要部分と流体連通する入口部出口開口とを含む。入口部出口開口は、入口部分が泡入口開口から入口部出口開口へ狭くなるように、泡入口開口より小さく、第1のオリフィスサイズに相当する。主要部分は、泡出口開口を含み、第1のオリフィスサイズに相当する断面サイズを有する。泡注入システム実施形態の第2の変形の第1の組のいくつかでは、第1のポート挿入体は、第1の泡経路の主要部分と流体連通する圧力センサー経路を画定する。
【0121】
泡注入システム実施形態の第2の変形の第2の組では、取付け端部は、ポート経路と関係付けられる、泡注入本体内の相手となるねじ面と保持係合するように適合されたねじ面を含む。これらの実施形態のいくつかでは、取付け端部のねじ面は、第1のポート挿入体が泡注入本体内の相手となるねじ面と螺係合及び係脱するように周りを回転する回転軸線を画定し、ポート挿入体本体は、お互いに対して間隔をおいた関係にある一対の平面を含む。平面は、お互いに対してかつ回転軸線に対して実質的に平行である。
【0122】
泡注入システム実施形態の第3の変形では、第1のポート挿入体は、泡補給端部及び取付け端部を有するポート挿入体本体を含む。ポート挿入体本体は、泡補給端部と取付け端部の間に長手方向軸線に沿って延在する。第1のポート挿入体は、ポート挿入体本体から外に向かって径方向に延在する取付けフランジを含む。取付けフランジは、それを通して留め具を受け入れるように構成された取付け孔を画定する。泡注入本体は、第1のポート挿入体の取付け端部がポート経路に位置合せされ、取付けフランジが泡注入本体に隣接するとき、取付けフランジの取付け孔が泡注入本体内の相手となる取付け孔と位置合せ可能であるように構成されたその、相手となる取付け孔を、中に画定する。
【0123】
泡注入システム実施形態の第3の変形の第1の組では、第1のポート挿入体の取付け端部は、遠位端面を有し、泡注入本体は、スラリー経路を画定する内面を有する。第1のポート挿入体は、第1のポート挿入体の取付け端部がポート経路内に配置され、第1のポート挿入体の遠位端面が泡注入本体の内面と実質的に位置合せされるように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0124】
泡注入システム実施形態の第3の変形の第2の組では、第1のポート挿入体は、ポート挿入体本体から突出して長手方向軸線に沿って延在する畝部を含む。泡注入本体は、第1のポート挿入体が、長手方向軸線を中心にして泡注入本体に対して回転することを畝部及びキー溝の相互係合によって実質的に制約されるように、畝部を中に保持的に受け入れるように構成された、キー溝を画定する。
【0125】
泡注入システム実施形態の第3の変形の第2の組のいくつかでは、第1のポート挿入体の取付け端部は、曲率半径を有する凹面部分をもった遠位端面を有し、泡注入本体は、スラリー経路を画定する内部湾曲面を有する。内部湾曲面は、第1のポート挿入体の遠位端面の湾曲部分と実質的に同じ曲率半径をもった、ポート経路に隣接する凹面部分を有する。第1のポート挿入体は、第1のポート挿入体の取付け端部がポート経路内に配置され、第1のポート挿入体の遠位端面の凹面部分が泡注入本体の凹面部分に対してそれらの間に実質的に同一面に揃う境界を画定するよう実質的に同心円状に配置されるように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0126】
泡注入システム実施形態の第4の変形では、第1のポート挿入体の取付け端部は、遠位端面を有し、泡注入本体は、スラリー経路を画定する内面を有する。第1のポート挿入体は、第1のポート挿入体の取付け端部がポート経路内に配置され、第1のポート挿入体の遠位端面が泡注入本体の内面に隣接するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0127】
泡注入システム実施形態の第5の変形では、第1のポート挿入体は、泡補給端部及び取付け端部を有するポート挿入体本体を含む。ポート挿入体本体は、泡補給端部と取付け端部の間に長手方向軸線に沿って延在する。第1のポート挿入体は、ポート挿入体本体から突出して長手方向軸線に沿って延在する畝部を含む。泡注入本体は、第1のポート挿入体が、長手方向軸線を中心にして泡注入本体に対して回転することを畝部及びキー溝の相互係合によって実質的に制約されるように、畝部を中に保持的に受け入れるように構成された、キー溝を画定する。
【0128】
泡注入システム実施形態の第6の変形では、第1のポート挿入体は、第1の泡経路と流体連通する圧力センサー経路を画定する。
【0129】
本開示の他の態様では、本開示の原理に従って組み立てられるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリの例示的実施形態は、アセンブリの中で生成されるセメント質スラリーの流れの中に水性泡を注入するように適合された泡注入システムを含んでもよい。実施形態では、スラリー混合及び分注アセンブリは、ミキサー、スラリー排出導管、及び泡注入システムを含む。
【0130】
ミキサーは、水とセメント質材料を撹拌して水性セメント質スラリーを形成するように適合される。スラリー排出導管は、ミキサーと流体連通する。
【0131】
泡注入システムは、ミキサー及びスラリー排出導管の少なくとも1つとともに配置される。泡注入システムは、泡注入本体、第1のポート挿入体、及び第2のポート挿入体を含む。
【0132】
泡注入本体は、ミキサー及びスラリー排出導管の少なくとも1つの一部を備える。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。スラリー経路は、それを通してセメント質スラリーを運ぶように構成される。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。
【0133】
第1のポート挿入体は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する第1の泡経路を画定する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。
【0134】
第2のポート挿入体は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のポート挿入体もまた、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられるように適合される。第2のオリフィスサイズは第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0135】
セメント質スラリー混合及び分注アセンブリのいくつかの実施形態では、泡注入本体は、排出導管の一部を備える。かかる実施形態のいくつかでは、泡注入本体は、外周面と、外周面に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面とを有する泡リングを備える。ポート経路は、外周面と内周面の間に径方向に延在し、内周面は、スラリー経路を画定する。
【0136】
セメント質スラリー混合及び分注アセンブリのいくつかの実施形態では、泡注入本体は、少なくとも2つのポート経路を画定する。各ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。アセンブリは、泡注入本体の中のポート経路の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2のポート挿入体をさらに備える。
【0137】
セメント質スラリー混合及び分注アセンブリのいくつかの実施形態では、アセンブリは、排出導管と関係付けられてかつミキサーから排出導管を通るセメント質スラリーの流れを修正するように適合された、流れ修正要素をさらに備える。流れ修正要素は、排出導管を通るミキサーからのセメント質スラリーの流れの流れ方向に対して泡注入本体の下流に配置される。
【0138】
本開示の他の態様では、本開示の原理に従って組み立てられる泡注入システムは、種々の製造プロセスにおいて用いられてもよい。例えば、実施形態では、泡注入システムは、石膏ボードなど、セメント質製品を調製する方法において用いられてもよい。
【0139】
セメント質製品を調製する方法の実施形態では、水性セメント質スラリーの主要流れが、ミキサーから排出される。水性セメント質スラリーの主要流れは、泡注入本体のスラリー経路を通される。
【0140】
泡注入本体に着脱可能に取り付けられる第1のポート挿入体の第1の泡経路に水性泡の流れが運ばれる。泡注入本体は、スラリー経路及びポート経路を画定する。ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。第1のポート挿入体は、第1の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる。第1のポート挿入体の第1の泡経路における水性泡の流れは、スラリー経路を通る水性セメント質スラリーの流れの中に第1の流れ条件の下で注入され、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する。ミキサーからの水性セメント質スラリーの主要流れは、第1のポート挿入体の第1の泡経路の中の水性泡の流れが、中へと注入されて、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れを含んでもよい。
【0141】
実施形態では、第1のポート挿入体の第1の泡経路における水性泡の流れの圧力が測定されてもよい。実施形態では、第1の種類の泡ポート挿入体は、取り外され、他の種類の泡ポート挿入体に異なる圧力の水性泡の流れを生じさせるように構成されたその、他の種類の泡ポート挿入体と交換されてもよい。
【0142】
第1の泡ポート挿入体は、泡注入本体から係脱されてもよい。第2のポート挿入体が、泡注入本体に着脱可能に取り付けられてもよい。第2のポート挿入体は、第2の泡経路を画定した。第2のポート挿入体は、第2の泡経路がポート経路のポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる。第2の泡経路は、第1の泡経路とは異なる。
【0143】
水性泡の流れが、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる第2のポート挿入体の第2の泡経路に運ばれる。第2のポート挿入体の第2の泡経路における水性泡の流れは、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に第2の流れ条件の下で注入されて、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する。第2の流れ条件は、第1の流れ条件とは異なる。
【0144】
実施形態では、第1のポート挿入体の第1の泡経路は、第1のオリフィスサイズをもった第1のオリフィスを有する。第2のポート挿入体は、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のオリフィスサイズは、第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0145】
実施形態では、水性泡の流れは、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に第1の圧力で注入されるように第1のポート挿入体の第1の泡経路から出、水性泡の流れは、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に第2の圧力で注入されるように第2のポート挿入体の第2の泡経路から出る。第1の圧力は、第2の圧力とは異なる。
【0146】
実施形態では、泡注入本体は、少なくとも2つのポート経路を画定する。各ポート経路は、スラリー経路と流体連通するポート開口を有する。かかる実施形態では、同様の数の第1のポート挿入体が、第1のポート挿入体それぞれの第1の泡経路がポート経路それぞれのポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる。水性の流れが、泡注入本体に着脱可能に取り付けられた第1のポート挿入体のそれぞれに運ばれてもよい。第1のポート挿入体のそれぞれにおける水性泡の流れは、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に注入されて、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する。
【0147】
第1の泡ポート挿入体は、泡注入本体から係脱されてもよい。ポート経路の数に相当する数の第2のポート挿入体が、泡注入本体に着脱可能に取り付けられてもよい。第2のポート挿入体のそれぞれは、第2のオリフィスサイズをもった第2のオリフィスを有する第2の泡経路を画定する。第2のポート挿入体は、第2のポート挿入体のそれぞれの第2の泡経路がポート経路のそれぞれのポート開口でスラリー経路と流体連通するように、泡注入本体に着脱可能に取り付けられる。第2のオリフィスサイズは、第1のオリフィスサイズとは異なる。
【0148】
水性泡の流れが、泡注入本体に着脱可能に取り付けられた第2のポート挿入体のそれぞれの第2の泡経路に運ばれる。第2のポート挿入体のそれぞれの第2の泡経路における水性泡の流れは、スラリー経路を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に注入されて、発泡したセメント質スラリーの流れを形成する。
【0149】
本明細書に引用される全ての参照は、あたかもそれぞれの参照が個々にかつ具体的に示されて参照により組み込まれておりその全体が本明細書に記述されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0150】
本発明を記述する文脈における語(特に下記の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「前記(the)」並びに類似の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り又は文脈によって明確に否定されない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈される。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」という語は、特に記載の無い限り、無制限の語(即ち、「含むが、これに限定されない」ことを意味する)と解釈される。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示が無い限り、単に範囲内にあるそれぞれの別個の値を個々に参照する簡単な方法として役立つことが意図され、かつそれぞれの別個の値はあたかも個々に本明細書に列挙されるように本明細書に組み込まれる。本明細書に述べる全ての方法は、本明細書に別段の指示が無い限り又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の適合的な順序で実行してよい。本明細書に提供される任意及び全ての例の使用又は例示的な言葉(例えば、「など(such as)」)は、単に本発明をより良く例示することが意図されるものであり別段の請求が無い限り本発明の範囲に制限を課さない。本明細書における言葉は、任意の非請求要素を本発明の実践に不可欠な物として示すと解釈されるべきではない。
【0151】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するための発明者に知られている最良の形態を含め、本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形形態は、その前の記載を読むことで当業者に明らかになり得る。発明者は当業者が必要に応じてかかる変形形態を採用することを予期し、かつ発明者は本発明が本明細書に具体的に記載される以外の方法で実践されることを意図する。したがって、本発明には、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される準拠法によって許可されるような主題の全ての修正及び同等の方法が含まれる。さらに、それらの全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示が無い限り又は文脈によって明確に否定されない限り、本発明によって包含される。
[付記]
[付記1]
セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)用の泡注入システム(301、701)であって、
泡注入本体(305、605)であって、前記泡注入本体(305、605)はスラリー経路(310、610)とポート経路(315、615)を画定し、前記ポート経路(315、615)は前記スラリー経路(310、610)と流体連通するポート開口(317、617)を有する、前記泡注入本体(305、605)と;
第1のポート挿入体(100、400)であって、前記第1のポート挿入体(100、400)は、第1のオリフィスサイズ(Φ1、Φ4)をもった第1のオリフィス(140、440)を有する第1の泡経路(115、415)を画定し、前記第1の泡経路(115、415)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられるように適合された前記第1のポート挿入体(100、400)と;
第2のポート挿入体(200、500)であって、前記第2のポート挿入体(200、500)は、第2のオリフィスサイズ(Φ3、Φ4、Φ5)をもった第2のオリフィス(240、540)を有する第2の泡経路(215、515)を画定し、前記第2の泡経路(215、515)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられるように適合され、前記第2のオリフィスサイズ(Φ3、Φ4、Φ5)は前記第1のオリフィスサイズ(Φ1、Φ4)とは異なる、前記第2のポート挿入体(200、500)と、
を備える前記泡注入システム(301、701)。
[付記2]
前記泡注入本体(305、605)は少なくとも2つのポート経路(315、615)を画定し、各ポート経路(315、615)は、前記スラリー経路(310、610)と流体連通するポート開口(317、617)を有し、前記泡注入本体(305、605)におけるポート経路(315、615)の数にそれぞれ相当する数の第1及び第2のポート挿入体(100、400;200、500)をさらに備える、付記1に記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記3]
前記泡注入本体(305、605)は外周面(345)と、前記外周面(345)に対して径方向に間隔をおいた関係にある内周面(347、645)とを有する泡リング(305、605)を備え、各ポート経路(315、615)は前記外周面(345)と前記内周面(347、645)の間に径方向に延在し、前記内周面(347、645)は前記スラリー経路(310、610)を画定する、付記1又は付記2に記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記4]
前記第1のポート挿入体(100、400)は、泡補給端部(110、410)と取付け端部(112、412)とを有するポート挿入体本体(105、405)を含み、前記泡補給端部(110、410)は、泡補給導管(755)と保持係合するように適合され、泡入口開口(120、420)を画定し、前記取付け端部(112、412)は泡出口開口(122、422)を画定し、前記第1の泡経路(115、415)は、前記泡入口開口(120、420)と前記泡出口開口(122、422)との間に延在しかつそれらと流体連通する、付記1〜3のいずれか一つに記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記5]
前記泡入口開口(120、420)は前記第1のオリフィス(140、440)より大きく、前記第1の泡経路(115、415)は先細り入口部分(142)と主要部分(144)を含み、前記先細り入口部分(142)は、前記泡入口開口(120、420)と、前記主要部分(144)と流体連通する入口部出口開口(146)とを含み、前記入口部出口開口(146)は、前記先細り入口部分(142)が前記泡入口開口(120、420)から前記入口部出口開口(146)へ狭くなるように、前記泡入口開口(120、420)より小さく、前記第1のオリフィスサイズ(Φ1、Φ4)に相当し、前記主要部分(144)は、前記泡出口開口(122、422)を含み、前記第1のオリフィスサイズ(Φ1、Φ4)に相当する断面サイズを有する、付記4に記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記6]
前記ポート挿入体本体(405)は前記泡補給端部(410)及び前記取付け端部(412)の間に長手方向軸線(LA)に沿って延在し、前記第1のポート挿入体(400)は、前記ポート挿入体本体(405)から外に向かって径方向に延在する取付けフランジ(407)を含み、前記取付けフランジ(407)は、留め具(409)を中に通して受け入れるように構成された取付け孔(408)を画定し、前記泡注入本体(605)は、前記第1のポート挿入体(400)の前記取付け端部(412)が前記ポート経路(615)に位置合せされかつ前記取付けフランジ(407)が前記泡注入本体(305、605)に隣接するときに、前記取付けフランジ(407)の前記取付け孔(408)が前記泡注入本体(605)内の相手となる取付け孔(648)と位置合せ可能であるように構成された前記相手となる取付け孔(648)を、中に画定する、付記4又は付記5に記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記7]
前記第1のポート挿入体(400)は、前記ポート挿入体本体(405)から突出しかつ前記長手方向軸線(LA)に沿って延在する畝部(438)を含み、前記泡注入本体(605)は、前記第1のポート挿入体(400)が前記長手方向軸線(LA)を中心にして前記泡注入本体(605)に対して回転することを前記畝部(438)とキー溝(622)との相互係合によって実質的に制約されるように前記畝部(438)を中に保持的に受け入れるように構成された前記キー溝(622)を画定する、付記6に記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記8]
前記第1のポート挿入体(400)の取付け端部(412)は、曲率半径(R1)を有する凹面部分(436)をもった遠位端面(435)を有し、前記泡注入本体(605)は、前記スラリー経路(610)を画定する内部湾曲面(625)を有し、前記内部湾曲面(625)は、前記第1のポート挿入体(400)の前記遠位端面(435)の前記凹面部分(436)と実質的に同じ曲率半径をもった、前記ポート経路(615)に隣接する凹面部分(618)を有し、前記第1のポート挿入体(400)が、前記第1のポート挿入体(400)の前記取付け端部(412)が前記ポート経路(615)内に配置されるようかつ前記第1のポート挿入体(400)の前記遠位端面(435)の前記凹面部分(436)が前記泡注入本体(605)の前記凹面部分(618)に対して実質的に同心円状に配置されるよう、前記泡注入本体(605)に着脱可能に取り付けられるように適合された、付記1〜7のいずれか一つに記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記9]
前記第1のポート挿入体(100、400)は、前記第1の泡経路(115、415)と流体連通する圧力センサー経路(150、450)を画定する、付記1〜8のいずれか一つに記載の前記泡注入システム(301、701)。
[付記10]
水とセメント質材料とを撹拌して、水性セメント質スラリーを形成するように適合されたミキサー(705)と;
前記ミキサー(705)と流体連通するスラリー排出導管(710)と;
付記1〜9のいずれか一つに記載の泡注入システム(301、701)であって、前記ミキサー(705)及び前記スラリー排出導管(710)の少なくとも1つとともに配置された前記泡注入システム(301、701)と、
を備えるセメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
[付記11]
前記泡注入本体(305、605)は前記スラリー排出導管(710)の一部を備える、付記10に記載の前記セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
[付記12]
前記排出導管(710)と関係付けられてかつ前記排出導管(710)を通る前記ミキサー(705)からのセメント質スラリーの流れを修正するように適合された流れ修正要素(730)であって、前記排出導管(710)を通る、前記ミキサー(705)からのセメント質スラリーの前記流れの流れ方向に対して前記泡注入本体(305、605)の下流に配置された前記流れ修正要素(730)をさらに備える、
付記10又は付記11に記載の前記セメント質スラリー混合及び分注アセンブリ(700)。
[付記13]
水性セメント質スラリーの流れをミキサー(705)から排出することと;
付記1〜9のいずれか一つに記載の泡注入システム(301、701)の泡注入本体(305、605)のスラリー経路(310、610)に水性セメント質スラリーの前記主要流れを通すことと;
前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた第1のポート挿入体(100、400)であって、前記第1の泡経路(115、415)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)に流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた前記第1のポート挿入体(100、400)の第1の泡経路(115、415)に水性泡の流れを運ぶことと;
前記第1のポート挿入体(100、400)の前記第1の泡経路(115、415)における水性泡の前記流れを、前記スラリー経路(310、610)を通り抜ける水性セメント質スラリーの前記流れの中に第1の流れ条件の下で注入して、発泡したセメント質スラリーの流れを形成することと、
を含む、セメント質製品を調製する方法。
[付記14]
前記第1のポート挿入体(100、400)の前記第1の泡経路(115、415)における水性泡の前記流れの圧力を測定すること、
を含む付記13に記載の方法。
[付記15]
前記第1の泡ポート挿入体(100、400)を前記泡注入本体(305、605)から係脱することと;
第2のポート挿入体(200、500)であって、前記第2のポート挿入体(200、500)は、第2の泡経路(215、515)を画定し、前記第2の泡経路(215、515)が前記ポート経路(315、615)の前記ポート開口(317、617)で前記スラリー経路(310、610)と流体連通するように、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられ、前記第2の泡経路(215、515)が前記第1の泡経路(115、415)とは異なる、前記第2のポート挿入体(200、500)を、前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取付けることと;
前記泡注入本体(305、605)に着脱可能に取り付けられた前記第2のポート挿入体(200、500)の前記第2の泡経路(215、515)に水性泡の流れを運ぶことと;
前記第2のポート挿入体(200、500)の前記第2の泡経路(215、515)における水性泡の前記流れを、前記スラリー経路(310、610)を通り抜ける水性セメント質スラリーの流れの中に、第2の流れ条件であって前記第1の流れ条件とは異なる前記第2の流れ条件の下で注入して、発泡したセメント質スラリーの流れを形成することと、
をさらに含む、付記13又は14に記載の方法。
図1
図2
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