特許第6592003号(P6592003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592003
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】眼科手術用液圧ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/109 20060101AFI20191007BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20191007BHJP
   F04B 23/00 20060101ALI20191007BHJP
   F04B 23/06 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   F04B9/109
   A61F9/007 130C
   F04B23/00 A
   F04B23/06
【請求項の数】18
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-560968(P2016-560968)
(86)(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公表番号】特表2017-514058(P2017-514058A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】US2015026293
(87)【国際公開番号】WO2015161149
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年3月28日
(31)【優先権主張番号】61/981,012
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/471,089
(32)【優先日】2014年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】ジョン モーガン ボーン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー ピー.ソレンセン
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−157076(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0301328(US,A1)
【文献】 特表平08−505065(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0234394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 9/109
A61F 9/007
F04B 23/00
F04B 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプシステムであって、
吸引ポンプであって、
第1のシリンダーであって、
前記第1のシリンダー内で移動可能な第1のピストンであって、前記第1のシリンダーが前記第1のピストンにより、第1の部分と第2の部分に分割されている、前記第1のピストン、
前記第1のシリンダーの第1の端部に形成された第1の開口部、及び
前記第1のシリンダーの前記第1の端部に形成された第2の開口部を備える前記第1のシリンダーと、
第2のシリンダーであって、
前記第2のシリンダー内で移動可能な第2のピストンであって、前記第2のシリンダーが前記第2のピストンにより、第1の部分と第2の部分に分割されている、前記第2のピストン、
前記第2のシリンダーの第1の端部に形成された第3の開口部、及び
前記第2のシリンダーの前記第1の端部に形成された第4の開口部を備える前記第2のシリンダーと、
前記第1の開口部を介して前記第1のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第1の一方向弁であって、前記第1のピストンが第1の方向に変位すると、流体は前記第1の一方向弁を通って前記第1のシリンダーの前記第1の部分に流入可能である、前記第1の一方向弁と、
前記第2の開口部を介して前記第1のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第2の一方向弁であって、前記第1のピストンが前記第1の方向と反対の第2の方向に変位すると、流体は前記第2の一方向弁を通って前記第1のシリンダーの前記第1の部分から流出可能である、前記第2の一方向弁と、
前記第3の開口部を介して前記第2のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第3の一方向弁であって、前記第2のピストンが前記第1の方向に変位すると、流体は前記第3の一方向弁を通って前記第2のシリンダーの前記第1の部分に流入可能である、前記第3の一方向弁と、
前記第4の開口部を介して前記第2のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第4の一方向弁であって、前記第2のピストンが前記第2の方向に変位すると、流体は前記第4の一方向弁を通って前記第2のシリンダーの前記第1の部分から流出可能である、前記第4の一方向弁と、を備える前記吸引ポンプと、
ポンプアクチュエータであって、前記第1のシリンダー内の前記第1のピストン及び前記第2のシリンダー内の前記第2のピストンを変位させるように動作可能であるポンプアクチュエータと、
を備え
前記吸引ポンプは、ハンドピースに組込まれ、前記ポンプアクチュエータは、手術用コンソールに組込まれる、ポンプシステム。
【請求項2】
前記吸引ポンプが、前記第2の一方向弁及び前記第4の一方向弁と流体連通し、前記第1のシリンダー及び第2のシリンダーから排出された流体をそれぞれ、前記第2の一方向弁及び第4の一方向弁を介して導くように適合されている導管をさらに備える、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項3】
前記導管と流体連通する回収容器をさらに備え、前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダーから排出された流体が前記回収容器に受容される、請求項2に記載のポンプシステム。
【請求項4】
前記ポンプアクチュエータが、
第3のシリンダーであって、第3のピストンが、前記第3のシリンダー内に配置され、かつ前記第3のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割し、前記第3のシリンダーの前記第1の部分が前記第1のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している、前記第3のシリンダーと、
第4のシリンダーであって、第4のピストンが、前記第4のシリンダー内に配置され、かつ前記第4のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割し、前記第4のシリンダーの前記第1の部分が前記第2のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している前記第4のシリンダーと、を備える、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項5】
液体が、前記第3のシリンダーの前記第1の部分と前記第1のシリンダーの前記第2の部分との間、及び前記第4のシリンダーの前記第1の部分と前記第2のシリンダーの前記第2の部分との間で流体連通しており、前記第3のシリンダー内の前記第3のピストンの変位が対応して前記第1のシリンダー内の前記第1のピストンを変位させ、前記第4のシリンダー内の前記第4のピストンの変位が対応して前記第2のシリンダー内の前記第2のピストンを変位させる、請求項4に記載のポンプシステム。
【請求項6】
前記第3のピストンに結合され、第1の長手方向及び第2の長手方向に移動可能な第1のアクチュエータ、及び
前記第4のピストンに結合され、前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向に移動可能な第2のアクチュエータをさらに備える、請求項4に記載のポンプシステム。
【請求項7】
前記第1のアクチュエータが前記第1の長手方向または前記第2の長手方向のいずれかに移動すると、それに対応して、前記第1のピストンが前記第1の方向または前記第2の方向にそれぞれ変位し、前記第2のアクチュエータが前記第1の長手方向または前記第2の長手方向のいずれかに移動すると、それに対応して、前記第2のピストンが前記第1の方向または前記第2の方向にそれぞれ変位する、請求項6に記載のポンプシステム。
【請求項8】
前記ポンプアクチュエータが、
前記第1のシリンダーの前記第2の部分及び前記第2のシリンダーの前記第2の部分と連通する流体導管ネットワークと、
前記流体導管ネットワークと流体連通しており、それによって流体を圧送するように適合したポンプと、
前記流体導管ネットワーク内に配置された複数の弁であって、前記複数の弁は、前記第1のピストンが前記第1の方向に変位し、前記第2のピストンが前記第2の方向に変位している第1の位置と、前記第1のピストンが前記第2の方向に変位し、前記第2のピストンが前記第1の方向に変位している第2の位置との間で移動可能である前記複数の弁と、を備える、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項9】
前記ポンプアクチュエータは、手術用コンソールのカセット受入れ部に受入れ可能である、請求項8に記載のポンプシステム。
【請求項10】
前記吸引ポンプは吸引ハンドピースに着脱自在に結合可能である、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項11】
ポンプシステムであって、
第1の流体回路及び第2の流体回路であって、前記第1の流体回路及び前記第2の流体回路のそれぞれが、
第1のシリンダーであって、前記第1のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第1のピストンを備え、前記第1のピストンが前記第1のシリンダー内で第1の方向、及び前記第1の方向と反対の第2の方向に移動可能である、前記第1のシリンダーと、
第2のシリンダーであって、前記第2のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第2のピストンを備え、前記第2のピストンが前記第2のシリンダー内で前記第1の方向及び前記第2の方向に移動可能である、前記第2のシリンダーと、
前記第1のシリンダーと前記第2のシリンダーとの間に延出する流体導管であって、前記流体導管、前記第1のシリンダーの前記第2の部分、及び前記第2のシリンダーの前記第1の部分が互いに流体連通しており、前記第1のシリンダーの前記第2の部分、前記第2のシリンダーの前記第1の部分、及び前記流体導管が液体を含有する、前記流体導管と、
前記第1のシリンダーの前記第1の部分との選択的連通を与える第1の一方向弁であって、前記第1のピストンが前記第1の方向に変位する場合は開放配置に移動可能であり、前記第1のピストンが前記第2の方向に移動可能である場合は閉鎖配置に移動可能である、前記第1の一方向弁と、
前記第1のシリンダーの前記第1の部分に選択的連通をもたらす第2の一方向弁であって、前記第1のピストンが前記第1の方向に変位する場合は閉鎖配置に移動可能であり、前記第1のピストンが前記第2の方向に変位する場合は開放配置に移動可能である、前記第2の一方向弁と、を備える、前記第1の流体回路及び第2の流体回路、
を備え、
前記第1の流体回路の前記第1のシリンダー及び第2の流体回路の前記第1のシリンダーは、ハンドピースに組込まれ、前記第1の流体回路の前記第2のシリンダー及び第2の流体回路の前記第2のシリンダーは、手術用コンソールに組込まれる、
ポンプシステム。
【請求項12】
回収容器をさらに備え、前記第2の一方向弁のそれぞれの出口が前記回収容器と流体連通している、請求項11に記載のポンプシステム。
【請求項13】
第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータをさらに備え、前記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータのそれぞれが、第1の長手方向、及び前記第1の長手方向と反対の第2の長手方向に移動可能であり、前記第1のアクチュエータが、前記第1の流体回路の前記第2のピストンに結合され、前記第2のアクチュエータが、前記第2の流体回路の前記第2のピストンに結合される、請求項11に記載のポンプシステム。
【請求項14】
前記第1のアクチュエータの前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向への変位が、それぞれ、前記第1の流体回路の前記第1のピストンの前記第1の方向及び第2の方向への変位を引き起こし、
前記第2のアクチュエータの前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向への変位が、それぞれ、前記第2の流体回路の前記第1のピストンの前記第1の方向及び第2の方向への変位を引き起こす、請求項13に記載のポンプシステム。
【請求項15】
さらにコントローラを備え、前記コントローラが、前記第1の流体回路の前記第1のピストン及び前記第2のピストンを、前記第2の流体回路の前記第1のピストン及び前記第2のピストンと位相をずらして往復運動させるように適合されている、請求項11に記載のポンプシステム。
【請求項16】
外科システム用ポンプシステムであって、
第1のシリンダーであって、
第1のピストンであって、前記第1のピストンに作用する圧力の変化に応答して前記第1のシリンダー内で移動可能であり、前記第1のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割する、前記第1のピストン、
吸入ラインと流体連通している前記第1のシリンダーの第1の部分に形成された第1の流体入口、及び
流体排出ラインと流体連通している前記第1のシリンダーの第1の部分に形成された第1の流体出口を備える、前記第1のシリンダーと、
第2のシリンダーであって、
第2のピストンであって、前記第2のピストンに作用する圧力の変化に応答して前記第2のシリンダー内で移動可能であり、前記第2のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割する、前記第2のピストン、
吸入ラインと流体連通している前記第2のシリンダーの第1の部分に形成された第2の流体入口、及び
流体排出ラインと流体連通している前記第2のシリンダーの第1の部分に形成された第2の流体出口を備える、前記第2のシリンダーと、
前記流体排出ラインと流体連通する回収容器と、
前記第1のピストンに作用する前記圧力を変更するように動作可能なポンプアクチュエータと、
を備え、
前記第1のシリンダーから排出された流体は、前記回収容器に受容され、
前記第1のピストン及び前記第2のピストンは、前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダー内で、それぞれ、反対の第1の方向と第2の方向に、互いに反対に往復運動し、前記第1のピストンが前記第1の方向に移動すると、前記第2のピストンが前記第2の方向に移動するようにされ、
前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダーは、ハンドピースに組込まれ、前記ポンプアクチュエータは、手術用コンソールに組込まれる、
ポンプシステム。
【請求項17】
前記ポンプアクチュエータが、
第3のシリンダーであって、
第3のピストンであって、該第3のピストンに適用される力に応答して前記第3のシリンダー内で移動可能であり、前記第3のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割する、第3のピストンを備える、前記第3のシリンダーを備え、
前記第3のシリンダーの前記第1の部分が、前記第1のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している、請求項16に記載のポンプシステム。
【請求項18】
前記第1の流体入口と流体連通している第1の一方向弁であって、前記第1のシリンダーの前記第1の部分に流体を流入させるように配置される、前記第1の一方向弁と、
前記第1の流体出口と流体連通している第2の一方向弁であって、前記第1のシリンダーの前記第1の部分から流体を流出させるように配置される、前記第2の一方向弁をさらに備える、請求項16に記載のポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハンドピースを介して材料を吸引するためのシステム、装置、及び方法に関し、具体的には、吸引流体の流れを生成するために、ハンドピースにおいて圧送を提供するシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の吸引は、任意の多くの外科手術において必要とされ得る。例えば、眼科の分野では、多くのタイプの外科手術において材料の吸引が必要とされ得る。吸引は、硝子体網膜の外科手術及び水晶体超音波乳化吸引術の外科手術で使用される。水晶体超音波乳化吸引処置の過程の間に、レンズ断片は、吸引流体の流れを介して除去され得る。流体の流れは、手術用コンソールによって生成され、ハンドピースを介して眼に伝達され得る。
【発明の概要】
【0003】
一態様によれば、本開示は、吸引ポンプ及び複数の一方向弁を備え得るポンプシステムを記載する。吸引ポンプは、第1のシリンダー及び第2のシリンダーを備え得る。第1のシリンダーは、第1のシリンダー内で移動可能な第1のピストンを備え得る。第1のピストンは、第1のシリンダーを第1の部分及び第2の部分に分割する。第1の開口部を第1のシリンダーの第1の端部に形成することができ、第2の開口部を第1のシリンダーの第1の端部に形成することができる。第1の一方向弁は、第1の開口部を経由して第1のシリンダーの第1の部分と流体連通することができる。第1の一方向弁は、第1のピストンが第1の方向に変位すると、流体を第1のシリンダーの第1の部分へ流入させるように動作可能である。第2の一方向弁は、第2の開口部を経由して第1のシリンダーの第1の部分と流体連通することができる。第2の一方向弁は、第1のピストンが第1の方向と反対の第2の方向に変位すると、流体を第1のシリンダーの第1の部分から流出させるように動作可能である。第3の一方向弁は、第3の開口部を経由して第2のシリンダーの第1の部分と流体連通することができる。第3の一方向弁は、第2のピストンが第1の方向に変位すると、流体を第2のシリンダーの第1の部分へ流入させるように動作可能である。第4の一方向弁は、第4の開口部を経由して第2のシリンダーの第1の部分と流体連通することができる。第4の一方向弁は、第2のピストンが第2の方向に変位すると、流体を第2のシリンダーから流出させるように動作可能である。
【0004】
本開示の別の態様は、第1の流体回路及び第2の流体回路を備えるポンプシステムを包含する。第1の流体回路及び第2の流体回路のそれぞれは、第1のシリンダー、第2のシリンダー、及び第1のシリンダーと第2のシリンダーとの間に延びる流体導管を備え得る。第1のシリンダーは、第1のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第1のピストンを備える。第1のピストンは、第1のシリンダー内で、第1の方向及び、第1の方向と反対の第2の方向に移動可能である。第2のシリンダーは、第2のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第2のピストンを備える。第2のピストンは、第2のシリンダー内で、第1の方向及び第2の方向に移動可能である。流体導管、第1のシリンダーの第2の部分、及び第2のシリンダーの第1の部分は、互いに流体連通している。流体は、第1のシリンダーの第2の部分、第2のシリンダーの第1の部分、及び流体導管内に収容され得る。
【0005】
第1の流体回路及び第2の流体回路のそれぞれはまた、第1の一方向弁及び第2の一方向弁も備え得る。第1の一方向弁は、第1のシリンダーの第1の部分との選択的連通を与える。第1の一方向弁は、第1のピストンが第1の方向に変位すると、解放配置に移動可能であることができ、第1のピストンが第2の方向に移動可能である場合、閉鎖配置に移動可能である。第2の一方向弁は、第1のシリンダーの第1の部分との選択的連通を与える。第2の一方向弁は、第1のピストンが第1の方向に変位すると、閉鎖配置に移動可能であることができ、第1のピストンが第2の方向に変位すると、解放配置に移動可能である。
【0006】
様々な態様は、1つまたは複数の以下の特徴を含み得る。吸引ポンプはまた、第2の一方向弁及び第4の一方向弁と流体連通する導管も備え得る。導管は、第1のシリンダー及び第2のシリンダーから排出された流体を、それぞれ、第2の一方向弁及び第4の一方向弁を介して導くように適合させることができる。吸引ポンプはまた、導管と流体連通する回収容器も備え得る。第1のシリンダー及び前記第2のシリンダーから排出された流体は回収容器に受容され得る。ポンプシステムは、ポンプアクチュエータも備え得る。ポンプアクチュエータは、第1のシリンダー内で第1のピストンを、及び第2のシリンダー内で第2のピストンを、変位させるように動作可能であり得る。
【0007】
ポンプアクチュエータは第3のシリンダーを備え得る。第3のピストンは、第3のシリンダー内に配置され得て、第3のシリンダーを第1の部分及び第2の部分に分割し得る。第3のシリンダーの第1の部分は、第1のシリンダーの第2の部分と流体連通し得る。ポンプアクチュエータはまた、第4のシリンダーも備え得る。第4のピストンは、第4のシリンダー内に配置され得て、第4のシリンダーを第1の部分及び第2の部分に分割し得る。第4のシリンダーの第1の部分は、第2のシリンダーの第2の部分と流体連通し得る。液体は、第3のシリンダーの第1の部分と第1のシリンダーの第2の部分との間、及び第4のシリンダーの第1の部分と第2のシリンダーの第2の部分との間で流体連通し得る。第3のシリンダー内の第3のピストンが変位することにより、それに対応して、第1のシリンダー内の第1のピストンが変位する。第4のシリンダー内の第4のピストンが変位することにより、それに対応して第2のシリンダー内の第3のピストンが変位する。
【0008】
第1のアクチュエータは、第3のピストンに結合することができ、第1の長手方向及び第2の長手方向に移動可能である。第2のアクチュエータは、第3のピストンに結合することができ、第1の長手方向及び第2の長手方向に移動可能である。第1のアクチュエータが第1の長手方向または第2の長手方向のいずれかに移動すると、それに対応して、第1のピストンが第1の方向または第2の方向にそれぞれ変位する。第2のアクチュエータが第1の長手方向または第2の長手方向のいずれかに移動すると、それに対応して第2のピストンが第1の方向または第2の方向にそれぞれ変位する。
【0009】
ポンプアクチュエータは、第1のシリンダーの第2の部分及び第2のシリンダーの第2の部分と連通する流体導管ネットワークと、流体導管ネットワークと流体連通しているポンプと、流体導管ネットワーク内に配置された複数の弁と、を備え得る。ポンプは、流体導管ネットワークを介して流体を圧送するように動作可能である。複数の弁は、第1のピストンが第1の方向に変位し、第2のピストンが第2の方向に変位している第1の位置と、第1のピストンが第2の方向に変位し、第2のピストンが第1の方向に変位している第2の位置との間で、移動可能である。ポンプアクチュエータは、手術用コンソールのカセット受入れ部に受入れ可能である。吸引ポンプは吸引ハンドピースに着脱自在に結合可能であり得る。
【0010】
様々な態様はまた、1つまたは複数の以下の特徴を含むことができる。回収容器もまた備えられ得る。第2の一方向弁のそれぞれの出口は回収容器と流体連通し得る。第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータもまた備えられ得る。第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータのそれぞれは、第1の長手方向、及び第1の長手方向と反対の第2の長手方向に移動可能であり得る。第1のアクチュエータは、第1の流体回路の第2のピストンに結合することができ、第2のアクチュエータは第2の流体回路の第2のピストンに結合することができる。第1のアクチュエータが第1の長手方向及び第2の長手方向へ変位すると、第1の流体回路の第1のピストンが第1の方向及び第2の方向へそれぞれ変位することになる。第2のアクチュエータが第1の長手方向及び第2の長手方向へ変位すると、第2の流体回路の第1のピストン第1の方向及び第2の方向へそれぞれ変位することになる。第1のアクチュエータは、第1の流体回路の第2のピストンに結合することができ、第2のアクチュエータは第2の流体回路の第2のピストンに結合することができる。コントローラは備えられて、第1の流体回路の第1のピストン及び第2のピストンを、第2の流体回路の第1のピストン及び第2のピストンと位相をずらして往復運動させるように適合され。第1の流体回路の第1のシリンダー及び第2の流体回路の第1のシリンダーは、手術ハンドピースに結合可能であり得る。第1の流体回路の第1のシリンダー及び第2の流体回路の第1のシリンダーは、手術ハンドピースの一部に直接結合するように構成され得る。液体は生理食塩水であってもよい。
【0011】
別の態様によれば、ポンプシステムは、第1のシリンダー及びポンプアクチュエータを備え得る。第1のシリンダーは、ピストンに作用する圧力の変化に応答して、第1のシリンダー内で移動可能な第1のピストンを備え得る。第1のピストンは、第1のシリンダーを第1の部分及び第2の部分に分割し得る。吸入ラインと流体連通している第1の部分に流体入口を形成することができ、流体排出ラインと流体連通している第1の部分に流体出口を形成することができる。ポンプアクチュエータは第2のシリンダーを備え得る。第2のシリンダーは、適用される力に応答して第2のシリンダー内で移動可能な第2のピストンを備え得る。第2のピストンは第2のシリンダーを第1の部分及び第2の部分に分割し得る。第2のシリンダーの第1の部分は、第1のシリンダーの第2の部分と流体連通し得る。第1の一方向弁は、流体入口と流体連通し得る。第1の一方向弁は、第1のシリンダーの第1の部分に流体を流入させるように構成され得る。第2の一方向弁は、流体出口と流体連通することができる。第2の一方向弁は、第1のシリンダーの第1の部分から流体を流出させるように構成され得る。
【0012】
前述の一般的説明及び以下の詳細な説明の両方は例示的であり、本質的に説明的なものであって、本開示の範囲を限定することなく、本開示の理解をもたらすことを意図していることが理解されるべきである。この点において、本開示の追加の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】吸引流体の流れを生成するように動作可能な例示的液圧ポンプの略図である。
図2】個々の流体回路の流量グラフ及び全体としてのポンプシステムの全体の流量を示す図である。
図3】別の例示的液圧ポンプの略図である。
図4】別の例示的液圧ポンプの略図である。
図5】例示的液圧ポンプと例示的ハンドピースとの間の例示的接続を示す図である。
図6】例示的液圧ポンプと例示的ハンドピースとの間の例示的接続を示す図である。
図7】本明細書に記載の原理を取入れた例示的眼科手術システムを示す図である。
図8】液圧ポンプを使用した圧送のための例示的方法を示すフローチャートである。
図9】例示的圧送アセンブリを示す図である。
図10】眼科手術システムに対してポンプシステムを使用するための例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、流体の流れを生成するためのシステム、方法、及び装置に関する。より具体的には、本開示は、外科手術中に吸引流体の流れを生成するように動作可能なポンプに関するシステム、方法、及び装置を記載する。さらに、本開示は、手術用ハンドピースと一体化された例示的吸引ポンプを記載する。いくつかの例では、ポンプは単回使用後に使い捨てできる。他の例では、例示的ポンプは再使用可能であり得る。本記載は、眼科外科手術を参照し得るが、本開示の範囲はそれに限定されない。むしろ、本開示は任意の適用可能な用途を包含することを意図している。
【0015】
図7は、例示的眼科手術システム700を示す。図7に示される手術システム700は眼科手術システムであるが、手術システム700は、耳の、鼻の、喉の、顎顔面の、または他の手術を行うためのシステムを含む、任意の手術システムであり得る。システム700は、超音波出力を生成するために使用され得る電力、及び加圧灌注流体をハンドピース705に提供するように動作可能である。いくつかの実装形態では、ハンドピース705は、水晶体超音波乳化吸引術ハンドピースであり得る。
【0016】
図示の実施形態では、システム700は、手術用コンソール710、ハンドピース705、及び双方向バスまたはケーブル720を介して手術用コンソール710に接続されたフットスイッチ715を備える。患者の病態を治療するための器具先端725が、ハンドピース705に取付けられている。いくつかの例では、器具先端725は、侵襲的に患者の眼を突き通すように配置され得る。ハンドピース705は、ポンプシステム765を介して手術用コンソール710に接続される。いくつかの例では、ポンプシステム765の一部は、コンソール710に結合するセグメント770、及びハンドピース705に結合するセグメント775を備える。いくつかの例では、ポンプシステム765のすべてまたは一部は使い捨てできる。フットスイッチ715は、ポンプシステム765を制御するのに使用され得る。フットスイッチ115は、ケーブル720を介して手術用コンソール710に接続されている。いくつかの実装形態では、電力は、手術用コンソール710から延出する電気ケーブル735を介してハンドピース705に供給される。
【0017】
手術用コンソール710はまた、本体745、及び本体745の表面上に配置された制御コンソール750に接続されたグラフィックユーザーインターフェース740も備える。いくつかの実装形態では、グラフィックユーザーインターフェース740は、タッチスクリーン機能を備えた液晶ディスプレイ(LCD)を備え得る。他の実装形態では、グラフィックユーザーインターフェース740は、例えば、LEDディスプレイ、CRT、及びフラットパネルスクリーンを含む、任意の様々なディスプレイ装置を備え得る。グラフィックユーザーインターフェース740は、他の入力装置のうちの例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、ダイヤル、及びボタンを含む、追加の入力装置またはシステムを備え得る。
【0018】
システム700は、マイクロプロセッサー、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読み取り専用メモリー(ROM)、バス720などの入力/出力回路、オーディオ出力装置、及び当業者に公知の顕微システムの他の構成要素、を含み得る。これらは、コンソール710の一部で実行されるか、もしくはそれを形成することができるか、またはシステム700周辺の別の場所に配置され得る。マイクロプロセッサーは、手術システム700の様々な態様を制御するように動作可能であり得る。例えば、マイクロプロセッサーは、本明細書に記載のポンプシステムの作動を制御するように動作可能なコントローラの少なくとも一部を形成し得る。記憶装置(ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブなど)、プリンタ、及び他の入力/出力装置などの様々な周辺装置もまた、システム700に結合され得る。
【0019】
本明細書に記載の原理を具現化するポンプシステム765は、水晶体超音波乳化吸引ツールの分野で考察される。しかし、本開示の範囲はそれに限定されるものではない。むしろ、ポンプシステム765は、他のタイプの外科手術における他のタイプの外科用器具と使用され得る。従って、他の眼科外科手術を含む他の外科手術もまた、本明細書に記載のポンプシステムを利用し得る。
【0020】
図1は、例示的ポンプシステム100を示す。このシステム100は、第1の流体回路102及び第2の流体回路104を備える。2つの流体回路のみが示されているが、本開示の範囲はそれに限定されるものではない。むしろ、他の実装は、追加のまたはより少数の流体回路を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、単一の流体回路が使用され得る。他の実装形態では、複数の流体回路が使用され得る。例えば、複数の流体回路を含む実装形態では、1つまたは複数の流体回路は、生成された吸引流体の流れにおける脈動を実質的に減少させるかまたは排除するために、1つまたは複数の異なる流体回路と位相をずらして動作し得る(以下により詳細に記載されるように)。
【0021】
第1の流体回路102及び第2の流体回路104のそれぞれは、シリンダー106、シリンダー108、及びシリンダー106とシリンダー108との間に流体連通をもたらす導管110を備え得る。シリンダー106及びシリンダー108のそれぞれは、その中で配置されて移動可能なピストン112を備える。第1の流体回路102及び第2の流体回路104は、ピストン112の間に配置された作動流体114を備え得る。いくつかの実装形態では、流体回路102、104のそれぞれのピストン112の間に延在する容積部を、液体112が完全に充填する。ピストン112は、そのそれぞれのシリンダーを2つの区画に分割し、それらの間を封止する。ピストン112がそのそれぞれのシリンダー内で移動することにより、1つの区画が増加すると、同じ量だけ他の区画が減少するように、2つの区画の容積が変化する。
【0022】
導管110は、可撓性チューブの長さであり得る。例えば、導管110は真空及び圧力チューブの長さであり得る。いくつかの例では、導管110を形成するチューブは、チューブの内腔の容積変動を防止または制限するのに十分な強度及び/または剛性を提供する肉厚を有し得るものであり、一方、手術中などに、ユーザー(例えば、外科医または他の医療専門家)が導管110に結合された器具またはハンドピースを容易に操作するのに十分な量の可撓性を依然として提供するものである。いくつかの例では、導管110は、長さが約6フィートであり得る。そのような長さは、ユーザーに、手術中に、それに結合された器具またはハンドピースを快適に操作するのに十分な緩みを提供し得る。しかし、本開示の範囲はそれに限定されるものではない。むしろ、導管110の他の長さも考慮される。例えば、導管110は、12フィート未満の長さを有し得る。他の例では、導管110は、約4〜8フィートの範囲内の長さを有し得る。しかし、導管110の長さは、任意の所望の長さであってよい。
【0023】
いくつかの実装形態では、接続部材116は、シリンダーの106のピストン112に結合され、それから延出している。システム100はまた、接続部材116を選択的に把持するように動作可能なアクチュエータ118も備え得る。例えば、アクチュエータ118は、把持部材120が接続部材116を把持する係合配置と、把持部材120が接続部材116から解放される解放配置の間とで移動可能である把持部材120を備え得る。図1では、アクチュエータ118が係合配置で示されている。アクチュエータ118はまた、矢印122及び124の方向に振動するように動作可能でもある。
【0024】
把持部材120は、システム100の圧送を迅速に中止するために、接続部材116から解放され得る。例えば、以下により詳細に考察されるように、圧送の中止は、吸引ライン128内の任意の残留真空を緩和するのに望ましい場合がある。例えば、以下に考察されるハンドピース126などのハンドピース、またはシステム100内の閉塞に応答して、圧送を直ちに停止することが望ましい場合がる。これは、閉塞後サージの発生を回避または減少させることができる。アクチュエータ118の動きを単に停止するのではなく、接続部材116を解放することにより、アクチュエータ118上の任意の残留力はシステム100に伝達されず、システム内の残留力差は直ちに緩和される。
【0025】
アクチュエータ118は、流体回路102、104を動作させるために使用され得る。例えば、アクチュエータ118を、接続部材116に係合するように係合配置に作動させ、矢印122、124の方向に振動させることができる。アクチュエータ118の振動運動に応答して、シリンダー106のピストン112が変位する。シリンダー106のピストン112によって行使される力は、作動流体114によってシリンダー108のピストン112に付与される。
【0026】
特に、接続部材116が矢印124の方向に変位すると、ピストン112も矢印124の方向に変位し、それによって、作動流体114が充填されたシリンダー106の一部が増加する。順に、流体が連続する結果として、シリンダー108内の作動流体114は導管110に排出され、それによって、シリンダー108内のピストン112が矢印124の方向に変位する。その結果、ピストン112の反対側のシリンダー1108の部分の容積が増加し、それによって、シリンダー108内に吸引材料を引き込むように動作する真空が発生する。同様に、接続部材116、及びシリンダー106のピストン112が矢印122の方向に変位すると、シリンダー108内の吸引材料がそこから排出される。その結果、シリンダー108のピストン112は、シリンダー106のピストン112と同じ方向に変位する。従って、シリンダー108のピストン112は、シリンダー106のピストン112の変位の結果、液圧的に作動する。
【0027】
図1に示される例示的システム100は、係合配置と解放配置の間で移動可能である把持部材120を有するアクチュエータ118を備えるが、他の実装は、接続部材116に固定して係合されるアクチュエータを備え得る。すなわち、いくつかの例では、システム100は、接続部材116から解放されないアクチュエータを備え得る。
【0028】
さらに他の実装形態では、アクチュエータ118は完全に排除され得る。例えば、いくつかの実装形態では、シリンダー106内のピストン112は、空気圧または液圧によって作動され得る。いくつかの例では、シリンダー106は、空気圧システムを備える手術用コンソールに結合され得る。空気圧システムは、シリンダー106のピストン112に正の圧力を適用して、矢印122の方向にピストン112の変位を引起す。シリンダー106のピストン112のこの動きによって、作動流体114は加圧されて変位する。作動流体114は、結果的に、シリンダー118のピストン112を変位させる。いくつかの実装形態では、アクチュエータ118及びシリンダー106は、ポンプアクチュエータ119を形成し得る。
【0029】
ピストン112を矢印124の方向に変位させるために、ピストン112に真空が適用され得る。その結果、真空は、シリンダー106のピストン112、作動流体114、及びシリンダー108のピストン112を矢印124の方向に変位させる。従って、第1の流体回路102及び第2の流体回路104を動作させるのに、空気圧が利用され得る。シリンダー106内のピストン112を作動させるのに、同様の方法で、液圧が使用され得る。
【0030】
いくつかの実装形態では、シリンダー108はハンドピース126に組込まれ得る。例えば、システム100は、選択的にハンドピース126に結合され、そこから切離され得る。特に、いくつかの実装形態では、システム100の少なくとも一部は、手術用ハンドピースの筐体に取り付けられるか、またはその内部に収容され得る。例えば、いくつかの例では、シリンダーの108のすべてまたは一部などのシステム110の一部は、ハンドピース126内に形成された空洞内に収容され得る。従って、そのような例では、シリンダー108はハンドピース126の一体化された一部となる。一体的な接続はさらに、手術部位とシステム100との間の吸引ラインの長さを短縮することができ、それによって、より応答的な吸引プロセスがもたらされる。さらに他の例では、吸引導管128と連通している導管は、システム100とハンドピースとの間に延出し得る。
【0031】
例えば、いくつかの例では、システム100及びハンドピース126は、図5に示されるように、ルアー接続で結合され得る。特に、図5は、雄ルアー500を形成するハンドピース126の一部を示す。システム100の一部も示される。システム100は、レセプタクル510を備える。レセプタクル510は、雄ルアー500を収容して、システム100とハンドピース126とを接続する。
【0032】
他の例では、システム100とハンドピース126との間の接続はまた、ねじ接続も含み得る。図6は、ハンドピース126とシステム100との間の別の例示的接続を示す。特に、ハンドピース126は、遠位雄ねじ620及びテーパー部630を備える雄ルアー600を備え得る。それに対応して、遠位の雄ねじ620は、レセプタクル610の内面に形成された雌ねじ640と係合する。テーパー部630は、ハンドピース126及びシステム100を整列させるために、かつそれらの間で剛性接続及び封止を形成するために、面650に係合する。
【0033】
ハンドピース126及びシステムシステム100を選択的に結合し、切離す能力は、システム100が使い捨てシステムである場合に、特に有利であり得る。従って、いくつかの例では、システム100は単回使用後に使い捨てされ得る。他の例では、システム100は再利用可能であってよく、さらにハンドピース126に選択的に結合可能及び切離し可能であり得る。いくつかの例では、ハンドピース126は眼科手術ハンドピースであり得る。いくつかの例では、ハンドピース126は水晶体超音波乳化吸引術ハンドピースであり得る。さらに他の例では、ハンドピース126は、潅注と吸引の両方の機能を提供するように動作可能なハンドピースであり得る。他のタイプのハンドピースはまた、本明細書に開示のポンプシステムに結合可能であることができ、したがって、この開示の範囲内にある。
【0034】
シリンダー106は、手術用コンソールに結合されるか、またはその中に提供され得る。例えば、シリンダー106は、手術用コンソール内に形成されたレセプタクル内に収容され得る。他の例では、シリンダー106は、手術用コンソール上に設けられた継手に結合され得る。しかし、いくつかの例では、シリンダー106は、任意の適切な方法で、手術用コンソールに結合され得るか、または、そうでなければ、その中に収容され得る。
【0035】
システム100はまた、吸引ライン128も備え得る。吸引ライン128は、本体内の作業領域に導入され得るカニューレまたは針を備え得る。吸引ライン128の遠位端130は、吸引流が作業領域から吸引ラインに入り得る開口を備え得る。吸引ライン128はまた、ハンドピース126内のある長さの吸引導管も備え得る。
【0036】
示された例では、吸引ライン128は、第1の流体回路102のシリンダー108との流体連通をもたらす吸引ライン132、及び第2の流体回路104のシリンダー108との流体連通をもたらす吸引ライン134に分かれる。吸引ライン132または吸引ライン134によって定義される距離は短くてもよい。吸引ライン132及び134によって定義される最小距離は、ポスト閉塞サージ(すなわち、吸引ライン内の閉塞を有する通路による流体のサージ及び眼中の関連する圧力降下)を低減する。いくつかの実装形態では、吸引ライン132及び134の長さは、手術用コンソールからハンドピースに延出する従来のチューブの全長よりも著しく短い。従って、システム100は、ポスト閉塞サージにより迅速に応答し、ポスト閉塞サージに関連した患者へのリスクを実質的に低減する。いくつかの実装形態では、吸引ライン132及び/または134の長さは、2フィート未満でよい。他の例では、吸引ライン132及び/または134の長さは1フィート未満でよい。他の例では、吸引ライン132及び/または134の長さは、6インチ未満でよい。さらに他の実装形態では、吸引ライン132及び/または134の長さは、ほんの2〜3センチメートル以下でよい。吸引ライン128の遠位端130とシリンダー108との間の距離が短いと、流体安定性が改善する。
【0037】
図1は、シリンダー108に延出する単一の吸引ライン、すなわち、吸引ライン132、134を示すが、他の実装では、シリンダー108のそれぞれに、複数の吸引ラインが延出し得る。
【0038】
吸引ライン132及び吸引ライン134を介して移動する吸引流体は、それぞれ入口136及び入口138を介して、それぞれの流体回路102、104のシリンダー108に入る。一方向弁140は吸引ライン136内に配置され得、一方向弁142は吸引ライン134内に配置され得る。本明細書に記載の一方向弁は、流体が一方向に通過するのを許容するが、流体が反対方向に通過するのを防止するように動作可能な任意のタイプの弁であり得る。例示的一方向弁は、ボールタイプ逆止弁またはフラップ弁を含む。
【0039】
シリンダー108のそれぞれはまた、それぞれの出口144及び出口146も備え得る。吸引導管148及び吸引導管150は、それぞれの出口144、146から延出する。一方向弁152は吸引ライン148内に配置することができ、一方向弁154は吸引ライン150内に配置することができる。吸引導管148及び吸引導管150は、結合部158で吸引導管156と流体連通する。吸引導管156は吸引回収容器160に延出する。いくつかの実装形態では、回収チャンバー160は、患者の眼から吸引された流体及び材料を保持するためのバッグまたは何らかの他のタイプの容器であり得る。他の実装形態では、排液チャンバー160は廃液管であってもよい。いくつかの例では、シリンダー108、一方向弁140、142、152、及び154、並びに吸引ライン132、134、148、150、及び156は、吸引ポンプ155と呼ばれ得る。
【0040】
動作において、アクチュエータ118は接続部材116と係合するように係合配置に移動する。次いで、アクチュエータ118の1つは矢印124の方向に移動することができ、他のアクチュエータ118は矢印122の方向に移動することができる。矢印124の方向に移動すると、シリンダー106内のピストン112は、上述のように、シリンダー108内のピストン112を変位させる。
【0041】
シリンダー108内のピストン112が矢印方向124に移動すると、シリンダー108内に真空が発生し、それによって、流体は吸引ライン128の遠位端130に形成された開口に入り、そこを介して導入されるようになる。例えば、図1に図示した例では、第1の流体回路102のシリンダー108のピストン112が矢印124の方向に移動する場合、生成された吸引流体の流れは、吸引ライン128を介して吸引ライン132に導かれる。吸引流体の流れは、一方向弁140を介してシリンダー108の内部に入る。第2の流体回路104が作動されておらず、それにより、シリンダー108のピストン112が矢印124の方向に変位されていない場合、吸引流体の流れは、吸引ライン134を介して流れないであろう。また、弁152は一方向弁であるので、ピストン112が矢印124の方向に移動する場合、吸引ライン148及び156に含有される任意の流体は、これらの構造を介してシリンダー108の内部に侵入することを防止される。
【0042】
第1の流体回路102に結合したアクチュエータ118が反転すると、シリンダー108のピストン112は、矢印122の方向に移動させられる。シリンダー108の内部に含有される吸引流体は加圧され、吸引ライン148、一方向弁152、及び吸引ライン156に押し込まれる。圧送が続くと、この吸引流体は最終的に回収容器160に搬送される。この場合も、弁140は一方向弁であるので、吸引流体は、バルブ140及び吸引ライン132並びに128を介して戻ることを防止される。
【0043】
いくつかの実装形態では、回収容器160は、手術用コンソール内に配置されるのとは対照的に、ハンドピース126からわずか離れて配置され得る。その結果、吸引材料は、ハンドピースから遠く離れてポンプされる必要がない。いくつかの例では、吸引ライン148及び150は、互いに分離したままであってよく、別々に回収容器160に結合され得る。
【0044】
いくつかの実装形態では、第1の流体回路102または第2の流体回路104のうちの1つのピストン112が、矢印122及び124に対応する方向の1つに移動すると、第1の流体回路102または第2の流体回路104のもう一方のピストン112が、反対方向に移動することができる。従って、ピストン112が移動している間、吸引ライン128及び256を通る連続的な流体の流れが発生する。
【0045】
いくつかの実装形態では、吸引流体の流量の脈動または変動は、互いに位相がずれている第1の流体回路102及び第2の流体回路104のピストン112の動作により、実質的に減少させるかまたは排除することができる。これらの例では、第1の流体回路102のピストン112は、第2の流体回路104のピストン112と位相がずれていると考えられているが、これは、第2の流体回路104のピストン112が矢印122及び124の方向のいずれかで、それらのストロークの終わりに到達するのと同時に、第1の流体回路102のピストンが矢印122及び124の方向のいずれで、それらのストロークの終わりに到達しないためである。
【0046】
例えば、図2は、第1の部分201における個々の流体回路の流量のグラフ、及び第2の部分203におけるポンプシステム全体としての全体の流量を示す。第1の部分201において、流量200及び流量202が示されている。流量200はポンプシステムの第1の流体回路に対する経時吸引流体流量を反映する。例えば、そのようなポンプシステムはシステム100と同様のものであり得る。従って、流量200は、第1の流体回路102のシリンダー108に引き込まれる流体に関連した吸引流体流量の変化を反映し得る。同様に、流量202は、ポンプシステムの別の流体回路に対する吸引流体の流量の経時変化を反映する。例えば、流量202は、第2の流体回路104のシリンダー108に引き込まれる吸引流体の流れの経時変化を反映し得る。第2の部分203に示される流量204は、全体システムに対する総吸引流量を表す。従って、例えば、流量204は、システム100によって生成される吸引流体流量の経時変化を反映し得る。システム100、第1の流体回路102、及び第2の流体回路104が、例として提供されているが、図2に示される例で図示される流量性能は、本明細書に記載のまたはそうでなければ本開示によって包含されるシステムのいずれかに適用され得る。
【0047】
図2の第1の部分201を参照すると、時間Aで、流量200はQのレベルにあり、流量202はゼロである。時間Bにおいて、流量200は減少し始めるが、流量202は増加し始める。流量200の減少は、ピストンがそのストロークの限界に近づく結果であり得る。例えば、背景システム100において、時間B〜時間Cの流量の減少は、第1の流体回路102のシリンダー108のピストン112が矢印124の方向のストロークの限界に近づく結果であり得る。同様に、流量202に対する時間B〜時間Cの流量の増加は、第2の流体回路104のシリンダー8のピストン112が、矢印124の方向のストロークを開始する結果であり得る。時間Cにおいて、流速200はゼロであり、流量202はQである。時間BとCの間との任意の時間では、流量200と流量202との組合せ流量はQに等しいが、これは、流量200の所与の減少に対して、流量202では等しい量が増加するためである。従って、組合せ流量はQである。流量200、202のこの組合せ流量は、流量204として図示されている。流量200及び202に対するゼロ流量は、シリンダー108がその中の吸引流体を回収容器160に向けて押し出している時間として理解され得る。
【0048】
図2によって示されるように、連続する吸引流体の流れを提供するために、第1の流体回路102内のピストン112及び第2の流体回路104内のピストン112の動きは位相がずれている。第1の流体回路102のピストン112が、矢印124の方向においてそのストロークの終りに達するときに減速されると、第2の流体回路104内のピストン112は、吸引をシリンダー108に引き込むように矢印124の方向に移動し始める。その結果、第2の流体回路104のピストン112は、時間Bで矢印122の方向のストロークの終わりに到達し、時間Bから時間Cまで、第1の流体回路102内のピストン112と同じ方向に移動し始める。従って、時間B〜C期間では、第1の及び第2の流体回路102及び104のピストン112は、同じ方向に、すなわち矢印124の方向に移動している。同様に、時間D〜E期間では、ピストン112はまた、矢印124の方向にも移動している。図2の流量204によって示されるように、第1の及び第2の流体回路102及び104内のピストン112が位相をずらして移動すると、連続的な吸引流がもたらされ、それによって、吸引流体の流れの任意の変動または脈動がなくなるかまたは実質的に減少する。第1の及び第2の流体回路102及び104内のピストン112のこの周期運動は、任意の所望の長さの時間、継続し得る。
【0049】
第1の流体回路102及び第2の流体回路104を動作させるのに、コントローラが使用され得る。例えば、いくつかの例では、システム100に結合された手術用コンソール内のコントローラは、上述のように位相がずれた第1の及び第2の流体回路102及び104を動作させるのに使用され得る。しかし、コントローラは、互いに対して任意の所望の方法で第1の流体回路102及び第2の流体回路104を動作させるように利用されるかまたはプログラムされ得る。いくつかの実装形態では、コントローラは、アクチュエータ118を制御し得る。例えば、コントローラは、互いに対してアクチュエータ118のストローク及びアクチュエータ118の移動を制御するのに利用され得る。コントローラはまた、係合配置と解放配置との間の把持部材120の移動を制御するのにも使用され得る。
【0050】
システム100の別の利点は、システム100が、アクチュエータ118によってシステム100になされた入力に迅速に応答するという点である。液体は本質的に非圧縮性であるので、シリンダー106内のピストン112への入力は、シリンダー108内のピストン112の本質的に瞬間的反応をもたらす。この迅速な応答はまた、圧送の停止の状況においても望ましい場合がある。例えば、システム100は、眼から乳化レンズを吸引するのに使用され得る。乳化レンズの吸引中に、レンズ粒子は1つまたは複数の吸引ライン内で閉塞を引き起こし得る。閉塞が除去されると、流体がそこから急速に吸引されるので、眼内の急激な圧力低下が生じ得る。このように眼から流体を急激に排出すると、例えば、「シャロー」を含む、眼の損傷が引き起こされる場合がある。例えば、水晶体超音波吸引処置の間、眼の前眼部内の圧力の低下に起因するシャローは、水晶体嚢の背面が水晶体乳化先端に向かって引付けられる場合がある。水晶体乳化チップとの接触は、水晶体嚢の背面を破壊し得る。従って、吸引流体の流れの変動への迅速な対応は、患者への損傷のリスクを減少させることができる。
【0051】
システム100は、IOPの変化に迅速に応答するように動作可能である。例えば、IOPの減少、例えば、選択された圧力より低いIOPの減少がある場合、アクチュエータ118を、迅速に解放配置に移動させて、直ちにシステム100の圧送動作を停止することができる。システム100のこの即時応答性は、大部分は、作動流体114の非圧縮性の性質の結果である。
【0052】
システム100の迅速応答性はまた、第1の及び第2の流体回路102及び104を循環させる他の方法を利用する他の実装においても実現され得る。これらの代替例、例えば、空気圧または液圧作動によるものなどは、以上に記載されている。
【0053】
システム100の別の利点は、システムは、システム100に電力を供給するためにハンドピース126で電気モーターまたは他の電気機器を必要としないという点である。その結果、ハンドピース126はより少ない重量と複雑さを有し、ハンドピース126のサイズは減少する。さらに、ハンドピースは電力を追加する必要がなくなり、それによってハンドピース126に延出する二次電気ケーブルが不要となる。これは、また、重量を減少させ、ハンドピース126を操作するユーザーの能力を向上させる。さらに、システム100は単回使用後に使い捨て可能である。これは、ユーザーに利便性を提供し、システム100を滅菌する必要性を排除する。さらに、システム100は、様々なタイプのハンドピースと動作可能に交換可能であり得る。すなわち、単一のタイプのシステムを、異なるタイプのハンドピースに結合して、それを動作させることができる。
【0054】
いくつかの実装形態では、システム100は、ユーザーに供給される前に予め充填されてもよい。従って、ユーザーは、システム100を選択し、使用するためのハンドピースにシステム100をすぐに結合することができる。他の実装形態では、システム100は、使用の直前に、作動流体114で充填され得るが、これは「プライミングされる」とも称される。いくつかの例では、作動流体114は、液体であり得る。例えば、いくつかの例では、作動流体114は、Fort Worth TexasのAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるBSS(登録商標)滅菌灌注液などの平衡塩類溶液であり得る。従って、いくつかの例では、システム100をプライミングするのに使用される液体は、外科手術の間に他の目的に使用される液体であり得る。さらに他の実装形態では、任意の適切な液体が、システム100をプライミングするのに使用され得る。
【0055】
いくつかの実装形態では、シリンダー106内のピストン112は、シリンダー108内のピストン112と同じサイズであり得る。他の実装形態では、シリンダー106内のピストン112のサイズは、シリンダー108内のピストン112のサイズと異なり得る。例えば、いくつかの例では、シリンダー106内のピストン112のサイズは、シリンダー108内のピストン112のサイズより大きくてもよい。他の例では、シリンダー106内のピストン112のサイズは、シリンダー108内のピストン112のサイズより小さくてもよい。
【0056】
さらに他の実装形態では、システム100は追加の流体回路を備え得る。すなわち、いくつかの実装形態では、システム100は複数の流体回路備え得る。さらに他の実装形態では、例示的システムは単一流体回路を備え得る。
【0057】
図3及び4は、別の例示的ポンプシステム300を示す。システム300は、アクチュエータ118及びシリンダー106を備えないことを除いて、システム100と同様であり得る。システム300は吸引ポンプ301及びポンプアクチュエータ303を備える。
【0058】
吸引ポンプ301は、第1のシリンダー302及び第2のシリンダー304を備える。第1のシリンダー302及び第2のシリンダー304のそれぞれは、そこで移動可能なピストン306を備える。ポンプアクチュエータ303は流体導管ネットワーク308を備える。第1の及び第2のシリンダー302、304の内部は、流体導管310及び312を介して流体導管ネットワーク308と流体連通している。特に、流体導管310は、第1のシリンダー302の内部と流体連通しており、流体導管312は、第2のシリンダー304の内部と流体連通する。
【0059】
ポンプアクチュエータ303はまた、ポンプ314、複数の回転弁316、318、及び320、並びに吸引圧力センサー322も備え得る。吸引圧力センサー322は、流体導管324内に配置され、流体導管ネットワーク308内、及び、特に、流体導管324内の圧力を検出するように動作可能である。圧力センサー322によって感知された圧力は、吸引流体の流れの圧力を反映するように相関し得る。流体導管324は、回転弁318と回転弁320との間に延出する。回転弁316は、第1の位置において流体導管310と流体導管328との間の選択的流体連通をもたらし、かつ第2の位置において流体導管330と流体導管310との間の流体連通をもたらす。回転弁318は、第1の位置において流体導管324と流体導管312との間の選択的流体連通をもたらし、かつ第2の位置において流体導管330と流体導管324との間の流体連通をもたらす。回転弁320は、第1の位置において流体導管324と流体導管328との間の選択的流体連通をもたらし、かつ第2の位置において流体導管324と流体導管326との間の流体連通をもたらす。
【0060】
いくつかの実装形態では、ポンプ314は蠕動ポンプであり得る。例えば、ポンプ314は、蠕動流体の流れを生成するために流体導管324の可撓性部分を係合するように適合している回転可能なヘッド315を備え得る。いくつかの例では、ヘッド315は、蠕動流体の流れを生成するために流体導管を係合するように適合している、複数のローラーなどの複数の突起を備え得る。例えば、流体導管324の一部は、ヘッド315によって変形可能な可撓性材料から形成され得る。従って、いくつかの例では、ポンプ326のヘッド315は、流体導管324の可撓性部分を係合して圧縮し、流体の流れを生成し得る。しかし、蠕動プンポは、一例としてのみ提供されており、開示の範囲はそれに限定されない。むしろ、ポンプ314は、任意の所望のまたは適切なポンプであり得る。
【0061】
いくつかの実装形態では、システム300のポンプアクチュエータ330は、手術用コンソールのカセット受入れ部に収用可能であり得る。そのような実装形態では、ポンプヘッド315は、手術用コンソールの一部であり得る。以上で説明したように、ポンプヘッド315は、流体導管324の可撓性部分などの、流体導管ネットワーク308の流体導管の一部に係合するように動作可能であり得る。いくつかの例では、流体導管ネットワーク324の一部は、円弧形状であり得る。その結果、システム300は、ハンドピース332などのハンドピース、及び手術用コンソール334などの手術用コンソールのカセット受入れ部に迅速に着脱可能である、単一の一体化されたシステムであり得る。例えば、いくつかの実装形態では、吸引ポンプ301は、ハンドピース332の筐体に取付けられ得る。いくつかの実装形態では、吸引ポンプ301の少なくとも一部は、ハンドピース332の筐体内に収容され得る。いくつかの例では、吸引ポンプ301及びハンドピース332は、図5及び6に示されるものと同様の方法の1つなどの方法で接続され得る。従って、いくつかの例では、吸引ポンプ301は、ハンドピース332と一体であり得る。いくつかの例では、吸引ポンプ301は、流体導管310及び312がハンドピース332から延出するように、ハンドピース332に取付けられ得る。従って、システム300は外科手術の前に迅速に実装され得る。さらに、いくつかの例では、システム300は、単回使用後に使い捨てすることができる。いくつかの例では、システム300は、流体導管ネットワーク308内を循環する液体で予め充填され得る。他の例では、システム300は、使用直前に液体でプライミングされ得る。Fort Worth TexasのAlcon Laboratories,Inc.によって製造されるBSS(登録商標)滅菌潅注液などの液体は、システム300で使用され得る。しかし、本開示の範囲はそれに限定されるものではない。むしろ、任意の適切な液体が使用され得る。
【0062】
動作中、ポンプ314は、流体を単一方向に圧送するように動作可能であり得る。例えば、図3に示されるように、ポンプ314は、矢印336の方向に流体を圧送するように動作可能である。図3に示されるように、回転弁316、318、及び320をそれぞれの第1の位置で用いて、ポンプ314は、流体をシリンダー304の内部から、流体導管312、324、328、310を介して、シリンダー306の内部へ圧送するように動作可能である。その結果、シリンダー304内のピストン306は矢印338の方向に変位し、シリンダー302のピストン306は矢印340の方向に変位する。
【0063】
システム300は、材料を吸引するために、システム100と同様の吸引ラインの配置を備える。シリンダー304のピストン306が矢印306の方向に変位すると、材料は、吸引ライン346を介して吸引ライン344の遠位端342内に吸引され、一方向弁348を介してシリンダー304の内部に吸引される。ピストン302が矢印340の方向に変位すると、シリンダー306内に存在する吸引された材料は、一方向弁350、吸引ライン352、吸引ライン354を介して、回収容器356に押し出される。
【0064】
図4は、回転弁316、318、及び320が、それらのそれぞれの第2の位置にあるシステム300を示す。ポンプ314が矢印336の方向に流体を圧送し続けると、流体は、シリンダー302の内部から、流体導管330、324、326、及び312を介して流出して、シリンダー304の内部に入る。流体の動きによって、シリンダー302のピストン306が矢印338の方向に変位し、シリンダー304のピストン306が矢印340の方向に変位する。その結果、吸引材料は、吸引ライン344、吸引ライン358、一方向弁360を介して、吸引ライン344の遠位端342に引き込まれてシリンダー302に引き込まれる。同時に、シリンダー304内の吸引材料は、一方向弁362を介して、吸引ライン364及び354を介して、回収容器356内に押し出される。
【0065】
また、回転弁316、318、及び320の位置、並びにポンプ314の動作(例えば、流体の圧送方向及び圧送速度)は、コントローラによって制御され得る。さらに、回転弁316、318、及び320をそのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で操作することにより、そのそれぞれのシリンダー内のピストン306の動きが反転することになる。すなわち、ポンプアクチュエータ303は、そのそれぞれのシリンダー内のピストン306を振動させるように動作可能である。
【0066】
さらに、いくつかの実装形態では、シリンダー302及び304内のピストン306の圧送動作は、上述のように、かつ図2に示されるように、位相がずれていてもよい。その結果、システム300は、吸引流体の流れの任意の脈動または変動を排除する、または実質的に減少させることにより、一定の吸引流量を生成するように動作可能である。例示的ポンプアクチュエータ303が示されているが、本開示の範囲はそれに限定されない。むしろ、例えば、回転弁の数及び種類は変更可能であり、及び/または流体導管ネットワークの流体導管の配置は変更可能である。
【0067】
図8は、別の例示的ポンプシステム800を示す。システム800は、図3及び4に示されるシステム300と同様のものであり得る。しかし、システム800では、導管810及び812は互いに流体連通している。ポンプ814は、導管810及び812を介して流体の流れを生成するように動作可能である。いくつかの実装形態では、導管810及び812は、手術用コンソール834に取付けられているカセットの一部と接続するか、または、そうでなければ、それを形成する。いくつかの例では、導管810及び812は、カセット815のポート811及び813のそれぞれに接続する。導管830は、2つのポート811と813との間に延出することができ、かつ導管810及び812と流体連通することができる。いくつかの実装形態では、導管810、812、及び830は、連続した長さの可撓性チューブであり得る。
【0068】
ポンプ314と同様に、ポンプ814は、ポンプローターに隣接して配置される可撓性チューブ内に含有される流体を圧送するのに使用される容積型蠕動ポンプであり得る。ポンプ814は、回転可能なヘッドを備える。回転可能なヘッドは、導管830を係合し圧縮するように適合された多くの突起を備える。これらの突起は、回転可能なヘッドに隣接する導管830の一部を圧縮する。回転可能なヘッドが回転すると、突起により圧縮された導管330の一部は挟まれて閉じられ、そのため、チューブを介して流体が押し出される。
【0069】
ポンプ814が回転可能なヘッドを時計方向に回転させると、作動流体816は、導管810から導管812の中に移動することができる。この方向に作動流体816が流れると、シリンダー302のピストン306が矢印838の方向に移動し、かつシリンダー304のピストン306が矢印840の方向に移動することになる。逆に、ポンプ814が回転可能なヘッドを反時計方向に回転させると、作動流体816は反対方向に移動し、それにより、シリンダー302内のピストン306が矢印840の方向に移動し、かつシリンダー304内のピストン306が矢印838の方向に移動することになる。システム800の動作中、ポンプ814は、時計方向及び反時計方向に交互に移動することができ、それによって、作動流体が往復運動の方法でシリンダー302と304との間を前後に移動する。いくつかの実装形態では、コンソール834は、ポート811、813の異なる1つとそれぞれ結合した2つの蠕動ポンプを備え得る。両方の蠕動ポンプは、往復運動の方法でシリンダー302と304のそれぞれの中と外に流体を移動させるように構成され得る。
【0070】
図9は、ハンドピース332またはハンドピース732などのハンドピースと係合され得て、本明細書に記載のポンプシステムなどのポンプシステムのいずれかを形成し得る圧送アセンブリ900を示す。プライミング接続部904は、シリンダー904の第1の部分918とシリンダー904の第2の部分922との間に配置されている。シリンダー904は、シリンダー108、302、または304と同様のものであり得る。このプライミング接続部904は、流体が、弁902を介して、第1の部分918と第2の部分922との間を流れるように動作可能である。
【0071】
弁902はプライミングプロセス中に開放され得るが、これは、手術のために、本明細書に記載の手術用ポンプシステムのいずれかなどのポンプシステムを準備する場合に生じる。いくつかの実装形態では、第1の部分918内の流体906は、外科手術の過程で使用される潅注流体であり得る。ポンプシステムのプライミングは外科的処置の前に生じるため、流体906は患者から吸引されていないので、まだきれいである。第2の部分922に移送された後、流体は、ポンプシステム用の作動流体908として使用される。
【0072】
いくつかの実装形態では、シリンダー904の第2の部分922は、任意の適切な供給源からの任意の適切な作動流体で充填され得る。例えば、(平衡塩類溶液などの)潅注用食塩水が作動流体として使用され得る。例えば、本明細書に記載の手術用コンソールのいずれかなどの手術用コンソールは、作動流体を保管して本明細書に記載のポンプシステムを所望されるように充填することができる作動流体チャンバーを備え得る。さらに、ポンプシステムは、シリンダー904の第2の部分922の両方とともに真空で格納され得る。いくつかの実装形態では、第2の部分922は、流体で充填する前に空気をパージすることを可能にする通気口を備え得る。弁902は、第2の部分922、及び作動流体を利用するポンプシステムの残りを充填するために、開放され得る。
【0073】
図10は、例えば、手術システム700などの眼科手術システム用のポンプシステムを使用するための例示的方法を示すフローチャートである。ポンプシステムは、例えば、任意のポンプシステム100、300、及び800を含み得る。本実施例によれば、ステップ1001で、手術システムをプライミングする。プライミングプロセスは、外科手術の準備ができている手術システムを得ることを含む。このプロセスは、ポンプシステムに作動流体を加えることを含み得る。いくつかの例では、作動流体は、上記のプライミング接続部904などのプライミング接続部を使用して加えられ得る。
【0074】
ステップ1002では、方法1000は、患者の眼に切開部を作成することを含む。ステップ1004では、方法1000は、患者の眼の中にハンドピースの一部を挿入することを含む。例示的ハンドピースは、本明細書に記載のハンドピースのいずれかを含む。例えば、ハンドピースは、超音波水晶体乳化吸引術ハンドピース、潅注及び吸引ハンドピース、または吸引のみを提供するハンドピースであり得る。いくつかの態様では、眼の中に挿入される部分は、例えば、図7に示される器具先端725などの器具先端を形成する中空針であり得る。
【0075】
ステップ1006では、方法1000はさらに、患者の眼から流体を抽出するためにポンプシステムを動作させることを含む。いくつかの実装形態では、接続部材116などの接続部材は、ピストン112などのピストンに接続される。手術用コンソールに備えられるアクチュエータ118などのアクチュエータは、吸引流体の流れを生成するために圧送システムを動作させる。あるいは、ポンプ314及び流体導管ネットワーク308などのポンプ及び流体導管ネットワークは、吸引流体の流れを生成するために提供され得る。
【0076】
本開示は多数の例を提供するが、本開示の範囲はそれに限定されるものではない。むしろ、上記の開示では、広範囲の修正、変更、及び代替が意図されている。そのような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記になされ得ることが理解される。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
ポンプシステムであって、
吸引ポンプであって、
第1のシリンダーであって、
前記第1のシリンダー内で移動可能な第1のピストンであって、前記第1のシリンダーが前記第1のピストンにより、第1の部分と第2の部分に分割されている、前記第1のピストン、
前記第1のシリンダーの第1の端部に形成された第1の開口部、及び
前記第1のシリンダーの前記第1の端部に形成された第2の開口部を備える前記第1のシリンダーと、
第2のシリンダーであって、
前記第2のシリンダー内で移動可能な第2のピストンであって、前記第2のシリンダーが前記第2のピストンにより、第1の部分と第2の部分に分割されている、前記第2のピストン、
前記第2のシリンダーの第1の端部に形成された第3の開口部、及び
前記第2のシリンダーの前記第1の端部に形成された第4の開口部を備える前記第2のシリンダーと、
前記第1の開口部を介して前記第1のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第1の一方向弁であって、前記第1のピストンが第1の方向に変位すると、流体は前記第1の一方向弁を通って前記第1のシリンダーの前記第1の部分に流入可能である、前記第1の一方向弁と、
前記第2の開口部を介して前記第1のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第2の一方向弁であって、前記第1のピストンが前記第1の方向と反対の第2の方向に変位すると、流体は前記第2の一方向弁を通って前記第1のシリンダーの前記第1の部分から流出可能である、前記第2の一方向弁と、
前記第3の開口部を介して前記第2のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第3の一方向弁であって、前記第2のピストンが前記第1の方向に変位すると、流体は前記第1の一方向弁を通って前記第2のシリンダーの前記第1の部分に流入可能である、前記第3の一方向弁と、
前記第4の開口部を介して前記第2のシリンダーの前記第1の部分と流体連通している第4の一方向弁であって、前記第2のピストンが前記第2の方向に変位すると、流体は前記第4の一方向弁を通って前記第2のシリンダーの前記第1の部分から流出可能である、前記第4の一方向弁と、を備える前記吸引ポンプを備える、前記ポンプシステム。
〔態様2〕
前記吸引ポンプが、前記第2の一方向弁及び前記第4の一方向弁と流体連通し、前記第1のシリンダー及び第2のシリンダーから排出された流体をそれぞれ、前記第2の一方向弁及び第4の一方向弁を介して導くように適合されている導管をさらに備える、態様1に記載のポンプシステム。
〔態様3〕
前記導管と流体連通する回収容器をさらに備え、前記第1のシリンダー及び前記第2のシリンダーから排出された流体が前記回収容器に受容される、態様2に記載のポンプシステム。
〔態様4〕
ポンプアクチュエータをさらに備え、前記ポンプアクチュエータが、前記第1のシリンダー内の前記第1のピストン及び前記第2のシリンダー内の前記第2のピストンを変位させるように動作可能である、態様1に記載のポンプシステム。
〔態様5〕
前記ポンプアクチュエータが、
第3のシリンダーであって、第3のピストンが、前記第3のシリンダー内に配置され、かつ前記第3のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割し、第3の前記第3のシリンダーの前記第1の部分が前記第1のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している、前記第3のシリンダーと、
第4のシリンダーであって、第4のピストンが、前記第4のシリンダー内に配置され、かつ前記第4のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割し、第4の前記第4のシリンダーの前記第1の部分が前記第2のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している前記第4のシリンダーと、を備える、態様4に記載のポンプシステム。
〔態様6〕
液体が、前記第3のシリンダーの前記第1の部分と前記第1のシリンダーの前記第2の部分との間、及び前記第4のシリンダーの前記第1の部分と前記第2のシリンダーの前記第2の部分との間で流体連通しており、前記第3のシリンダー内の前記第3のピストンの変位が対応して前記第1のシリンダー内の前記第1のピストンを変位させ、前記第4のシリンダー内の前記第4のピストンの変位が対応して前記第2のシリンダー内の前記第2のピストンを変位させる、態様5に記載のポンプシステム。
〔態様7〕
前記第3のピストンに結合され、第1の長手方向及び第2の長手方向に移動可能な第1のアクチュエータ、及び
前記第3のピストンに結合され、前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向に移動可能な第2のアクチュエータをさらに備える、態様5に記載のポンプシステム。
〔態様8〕
前記第1のアクチュエータが前記第1の長手方向または前記第2の長手方向に移動すると、第1のそれに対応して、前記第1のピストンが前記第1の方向または前記第2の方向にそれぞれ変位し、前記第2のアクチュエータが前記第1の長手方向または前記第2の長手方向のいずれかに移動すると、第2のそれに対応して、前記第2のピストンが前記第1の方向または前記第2の方向にそれぞれ変位する、態様7に記載のポンプシステム。
〔態様9〕
前記ポンプアクチュエータが、
前記第1のシリンダーの前記第2の部分及び前記第2のシリンダーの前記第2の部分と連通する流体導管ネットワークと、
前記流体導管ネットワークと流体連通しており、それによって流体を圧送するように適合したポンプと、
前記流体導管ネットワーク内に配置された複数の弁であって、前記複数の弁は、前記第1のピストンが前記第1の方向に変位し、前記第2のピストンが前記第2の方向に変位している第1の位置と、前記第1のピストンが前記第2の方向に変位し、前記第2のピストンが前記第1の方向に変位している第2の位置との間で移動可能である前記複数の弁と、を備える、態様4に記載のポンプシステム。
〔態様10〕
前記ポンプアクチュエータは、手術用コンソールのカセット受入れ部に受入れ可能である、態様9に記載のポンプシステム。
〔態様11〕
前記吸引ポンプは吸引ハンドピースに着脱自在に結合可能である、態様1に記載のポンプシステム。
〔態様12〕
ポンプシステムであって、
第1の流体回路及び第2の流体回路であって、前記第1の流体回路及び前記第2の流体回路のそれぞれが、
第1のシリンダーであって、前記第1のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第1のピストンを備え第1の、前記第1のピストンが前記第1のシリンダー内で第1の方向、及び前記第1の方向と反対の第2の方向に移動可能である、前記第1のシリンダーと、
第2の前記第2のシリンダーの内部チャンバーを第1の部分と第2の部分に分割する第2のピストンを備える第2のシリンダーであって、前記第2のピストンが前記第2のシリンダー内で前記第1の方向及び前記第2の方向に移動可能である、前記第2のシリンダーと、
前記第1のシリンダーと前記第2のシリンダーとの間に延出する流体導管であって、前記流体導管、前記第1のシリンダーの前記第2の部分、及び前記第2のシリンダーの前記第1の部分が互いに流体連通しており、前記第1のシリンダーの前記第2の部分、前記第2のシリンダーの前記第1の部分、及び前記流体導管が液体を含有する、前記流体導管と、
前記第1のシリンダーの前記第1の部分との選択的連通を与える第1の一方向弁であって、前記第1のピストンが前記第1の方向に変位する場合は解放配置に移動可能であり、前記第1のピストンが前記第2の方向に移動可能である場合は閉鎖配置に移動可能である、前記第1の一方向弁と、
前記第1のシリンダーの前記第1の部分に選択的連通をもたらす第2の一方向弁であって、第2の前記第1のピストンが前記第1の方向に変位する場合は閉鎖配置に移動可能であり、前記ピストンが前記第2の方向に変位する場合は解放配置に移動可能である、前記第2の一方向弁と、を備える、前記第1の流体回路及び第2の流体回路、
を備える前記ポンプシステム。
〔態様13〕
回収容器をさらに備え、前記第2の一方向弁のそれぞれの出口が前記取集容器と流体連通している、態様12に記載のポンプシステム。
〔態様14〕
第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータをさらに備え、前記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータのそれぞれが、第1の長手方向、及び前記第1の長手方向と反対の第2の長手方向に移動可能であり、前記第1のアクチュエータが、前記第1の流体回路の前記第2のピストンに結合され、前記第2のアクチュエータが、前記第2の流体回路の前記第2のピストンに結合される、態様12に記載のポンプシステム。
〔態様15〕
前記第1のアクチュエータの前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向への変位が、それぞれ、前記第1の流体回路の前記第1のピストンの前記第1の方向及び第2の方向への変位を引き起こし、
前記第2のアクチュエータの前記第1の長手方向及び前記第2の長手方向への変位が、それぞれ、前記第2の流体回路の前記第1のピストンの前記第1の方向及び第2の方向への変位を引き起こす、態様14に記載のポンプシステム。
〔態様16〕
さらにコントローラを備え、前記コントローラが、前記第1の流体回路の前記第1のピストン及び前記第2のピストンを、前記第2の流体回路の前記第1のピストン及び前記第2のピストンと位相をずらして往復運動させるように適合されている、態様12に記載のポンプシステム。
〔態様17〕
前記第1の流体回路の前記第1のシリンダー及び前記第2の流体回路の前記第1のシリンダーが、手術ハンドピースに結合可能である、態様12に記載のポンプシステム。
〔態様18〕
外科システム用ポンプシステムであって、
第1のシリンダーであって、
第1のピストンであって、前記ピストンに作用する圧力の変化に応答して前記第1のシリンダー内で移動可能であり、前記第1のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割する、前記第1のピストン、
吸入ラインと流体連通している前記第1の部分に形成された流体入口、及び
流体排出ラインと流体連通している前記第1の部分に形成された流体出口を備える、前記第1のシリンダーと、
前記第1のピストンに作用する前記圧力を変更するように動作可能なポンプアクチュエータとを備える、前記ポンプシステム。
〔態様19〕
前記ポンプアクチュエータが、
第2のシリンダーであって、
第2のピストンであって、前記ピストンに適用される力に応答して前記第2のシリンダー内で移動可能であり、前記第2のシリンダーを第1の部分と第2の部分に分割する、前記第2のピストンを備える、前記第2のシリンダーを備え、
前記第2のシリンダーの前記第1の部分が、前記第1のシリンダーの前記第2の部分と流体連通している、態様18に記載のポンプシステム。
〔態様20〕
前記流体入口と流体連通している第1の一方向弁であって、前記第1のシリンダーの前記第1の部分に流体を流入させるように配置される、前記第1の一方向弁と、
前記流体出口と流体連通している第2の一方向弁であって、前記第1のシリンダーの前記第1の部分から流体を流出させるように配置される、前記第2の一方向弁をさらに備える、態様18に記載のポンプシステム。
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