特許第6592015号(P6592015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6592015コップの縁部に蓋材を熱封緘するための方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592015
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】コップの縁部に蓋材を熱封緘するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/18 20060101AFI20191007BHJP
【FI】
   B29C65/18
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-571077(P2016-571077)
(86)(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公表番号】特表2017-519658(P2017-519658A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】FR2015051598
(87)【国際公開番号】WO2015193611
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年5月16日
(31)【優先権主張番号】1401368
(32)【優先日】2014年6月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516360513
【氏名又は名称】1/4 ヴァン
【氏名又は名称原語表記】1/4 VIN
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァン、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ミュラ、クリスチャン
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭48−025108(JP,B1)
【文献】 実開昭59−026702(JP,U)
【文献】 特開2003−261101(JP,A)
【文献】 特開2000−118503(JP,A)
【文献】 米国特許第04969965(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00−65/82
B65B 7/00− 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コップ(15)の縁部(17)にフィルム蓋材(18)を熱封緘するためのデバイス(10)であって、フィルム蓋材及び縁部を加熱するためにフィルム蓋材及び縁部に押し付けられるように設計された変形可能かつ熱伝導性の要素(19)を備え、伝導性要素(19)の周縁部分(190)が縁部を越えて延在するように配置構成されていることと、変形可能な伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段(24、240、26〜30)を備えていることと、アクチュエータ(13)によって加えられた圧力を伝導性要素(19)に伝達するための力伝達手段(31、32)であって、力伝達手段は伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段とは異なっている、手段を備えていることと、を特徴とするデバイス。
【請求項2】
伝導性要素(19)、加熱要素(20)、並びに伝導性要素及び加熱要素に固定された金属部品(21)を有する熱封緘ツール(11)を備えており、熱封緘ツール(11)を移動させるためのアクチュエータ(13)をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
変形可能な伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段は、伝導性要素(19)及びアクチュエータ(13)が互いに関して並進移動することを可能にする少なくとも1つのガイド部材(24)を含んでいる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
熱封緘ツールは、アクチュエータ(13)のロッド(12)に締結された第1のツール部分と、第1のツール部分に可動式かつ浮動式に連結された第2のツール部分であって、金属部品(21)、加熱要素(20)、及び伝導性要素(19)を備えた第2のツール部分とを備えている、請求項2又は請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
第1及び第2のツール部分のうちの一方は、平行する導路(27〜29)が貫通している本体(26)を有し、導路はそれぞれ当接部(28)を備え、かつ、導路の長手方向軸に沿って延びるばね(30)を受承しており、第1及び第2のツール部分のうちの他方は、平行するガイド部材(24)であって導路(27〜29)のうちのそれぞれ1つに部分的に係合し、かつ、それぞれのばね(30)に対して押し付けられるガイド部材を備えており、ガイド部材はそれぞれ、導路のうちの1つの中を間隔を空けて摺動するように配置構成されて該間隔によりガイド部材が導路の長手方向軸に対して傾動することが可能となっており、当接部(28)は導路(27〜29)からガイド部材が逸脱するのを防止している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
導路(27〜29)の数及びガイド部材(24)の数は3に等しく、導路及びガイド部材は2つ1組での距離が等しい、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
熱封緘ツールは、熱封緘ツールに組み込まれた空気圧グリッパによってフィルム蓋材が把持されるのを可能にするために水平軸の周りを回転するように取り付けられている、請求項2〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
変形可能な伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段は、伝導性要素が、伝導性要素の走行軸、又は伝導性要素によってフィルム蓋材及び縁部に加えられる圧力の方向、あるいはその両方に対して略直交する2つのピボット軸の周りを枢動することを可能にする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
力伝達手段は、第1及び第2のツール部分のうちの一方に剛体的に接続された力伝達部(31)を含んでなり、力伝達部は第1ツール部分と第2のツール部分との間に延在する支え面(32)を備えている、請求項4〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
支え面(32)はドーム形である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
伝導性要素(19)は縁部の外径より大きな外径のディスク又はリングの形態である、請求項1〜1のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
請求項1〜1のいずれか1項に記載の熱封緘デバイスが使用される、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘する方法。
【請求項13】
コップは、プラスチック材料から作製されている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
コップの縁部は、フィルム蓋材の熱封緘の間に塑性的に変形されるリブを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
コップの縁部を越えて延びる伝導性要素(19)によってフィルム蓋材及び縁部に加わる圧力は、縁部の外側部分の丸み付け、又は湾曲をもたらす、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
コップの縁部(17)は熱封緘の終了時に輪郭が湾曲した区域を有し、かつ、伝導性要素(19)は、フィルム蓋材の周縁部分が縁部の周縁部分の湾曲したプロファイルに沿って該周縁部分に熱封緘されるのを可能にするために、縁部の側面の周縁部分に密接に嵌合するように変形するのに十分な厚さ、直径、及び弾性を有している、請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
伝導性要素(19)は、熱封緘ツールが縁部との接触に至るときと、アクチュエータによって伝導性要素に施されたストロークの終わりとの間に、フィルム蓋材及び縁部に圧力を加え、この圧力は縁部にフィルム蓋材を熱封緘するために必要とされる圧力よりも小さい、請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
フィルム蓋材は、少なくとも部分的に、凹凸を有するか刻印が施されているかのうち少なくともいずれか一方である、請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
コップには飲料が入っている、請求項1〜1のいずれか1項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘するための方法及びデバイスに関する。
本発明は特に、プラスチック材料で作製され、かつ、調整雰囲気下で充填されたワインで満たされたコップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘することに関する。
【背景技術】
【0002】
密閉型飲用コップへのワインの充填については特許文献1に記載されている。この特許文献に記載された容器は、充填済み容器を封緘するために該容器の壁面に密接に嵌合し、かつ、「上部空隙」とも称される小さな残余空間を画成するためにワインの自由表面に近接して位置する平らな底面を有している、密閉要素を含んでなる。このコップはガラス又はプラスチック材料で作製される。
【0003】
特許文献2は、全体的な酸素透過性が十分に低いためにワインを長期間保存することができる密閉型容器にワインを充填することを提案している。該容器はガラス製であり、保護層にコーティングされたアルミニウムの層を含んでなる熱封緘可能なフィルム蓋材によって密閉される。ワインは酸素に乏しい雰囲気下で充填される。その結果、フィルム蓋材によって画成された上部空隙、ガラスの壁面、及びワインの自由表面は酸素をほとんど含有せず、それによりワインの酸化が制限される。
【0004】
特許文献2は、コンベヤによって移動するコップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘するためのステーションを有している充填デバイスについて述べており、該ステーションは、抵抗ヒータ要素と、底面がシリコーンのような熱伝導性の材料で作られた変形可能なパッドでコーティングされた固体金属部品とを備えたツールを鉛直方向に移動させるためのアクチュエータを有している。
【0005】
特許文献3は、コンベヤによって移動するコップの中に飲料を充填するためのデバイスであって、コップがコンベヤによって担持されたポットの中に置かれるデバイスについて述べている。該デバイスは、既にワインで満たされたコップを不活性ガスで置換するための手段であって、上部空隙を満たすための緩徐な不活性ガス流を送達するために加圧下で不活性ガスが供給される多孔性ダクトを含んでなる手段を備えた熱封緘ステーションを有する。
【0006】
特許文献4は、プラスチック材料で作られたコップについて述べている。このコップの端部又は縁部の上端部は、熱可塑性材料で作られた上下逆転したT字形状の断面を示す環状リブを有しており、環状リブの両側にあり、かつ、リブの上端から後退した2つの回収表面又は回収容積が、縁部にフィルム蓋材を熱封緘する間にリブを平らにすることから生じる材料を収容するようになっている。これは、縁部と、縁部へのフィルム蓋材の封緘のために使用される材料のフィルムとの間の接触面積を大きくする一方で縁部の幅又は厚さは増大させないことにより、フィルム蓋材が剥離に耐える能力を高め、接続区域、特に封緘フィルムの酸素透過性を減少させ、縁部とフィルム蓋材とを相互に連結させ、かつ、フィルム蓋材が剥がされた後のいかなる突出残留物の存在をも制限又は回避する、という役割を果たす。
【0007】
熱封緘ツールとコップの縁部とが平行ではない場合、熱封緘されるフィルム蓋材によって密閉されるコップの封緘不良に結びつく可能性がある。
これは、縁部が熱封緘中に変形する融解可能部分を含んでいる場合は特に重大な意味を持つ。というのも、その部分が縁部の周りに不均一な変形を、さらには飲料で満たされたコップのユーザが快適であるためには望ましくない突部の形成を、もたらす可能性があるためである。
【0008】
特にコップの縁部及び脚部が平行ではないために、ツール及び縁部が平行ではない場合がある。
コップがポットのようなコップ支持体を介してコンベヤ上に置かれる場合、平行ではないツール及び縁部は、熱封緘ツール及びコンベヤが平行ではないこと、並びに、コンベヤ上のコップ支持体の支持面及びコップ支持体上のコップの支持面が平行ではないこと、のうち少なくともいずれか一方に起因する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許発明第2735003号明細書
【特許文献2】欧州特許第1235501号明細書
【特許文献3】国際公開第2006/136694号
【特許文献4】国際公開第2010/106239号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘するための方法及びデバイスであって、コップの縁部と熱封緘ツールとが平行ではないことを補正することを可能にする方法及びデバイスを提案することである。
【0011】
本発明の目的は、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘するための方法及びデバイスであって、改良されているか、今まで知られていた熱封緘の方法及びデバイスの短所又は欠点を少なくとも部分的に是正するかのうち少なくともいずれか一方である、方法及びデバイスを提案することである。
【0012】
本発明の目的は、様々な形状を呈するそれぞれの縁部を有しているコップを密閉するために使用可能な、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘するための方法及びデバイスを提案することである。
【0013】
本発明の目的は、熱封緘中に少なくとも部分的に融解可能であるリブ、かつ、特に断面が上下逆転したT字形状のリブを有する、熱可塑性材料で作られたコップの縁部に、フィルム蓋材を熱封緘するための、改良された方法及びデバイスを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の態様において、コップの縁部に置かれたフィルム蓋材に対して押し付けられ、かつ、フィルム蓋材及び縁部を加熱するように設計された、変形可能(圧縮可能)かつ熱伝導性の要素を含んでなる熱封緘デバイスであって、該デバイスは特に縁部の外側面(又は縁部の下のコップの側壁)に向かってフィルム蓋材の周縁部分を押し下げるための、縁部を越えて、すなわち縁部より外側に、突出するように配置構成された周縁部分を有し、上記の(変形可能な)伝導性要素はさらに、特に平行ではない縁部及び伝導性要素を少なくとも部分的に補正するために、可動式かつ浮動(懸下)式に取り付けられている、デバイスが提供される。
【0015】
換言すれば、熱封緘デバイスは特に、伝導性要素を移動させるために使用されるアクチュエータ、特に水圧ジャッキのような線形アクチュエータに対して浮動式かつ可動式に伝導性要素を連結するための手段を備えている。
【0016】
伝導性要素の変形能力は、完全に平らではない縁部又は起伏のある縁部を補正することが可能であり、したがって封緘不良を回避することができる。
コップの縁部が(コップの縁部を構成しているプラスチック材料のクリープによって)変形させられると、すなわち縁部が熱封緘中に部分的に融解されると、縁部に「覆いかぶさっている」変形可能な伝導性要素によってフィルム蓋材及び縁部にかけられた圧力は、縁部の外側部分を丸めるか又は湾曲させ、かつ、縁部の外端に突部が形成されるのを回避する。
【0017】
特に、熱封緘の終了時に、コップの縁部が輪郭の湾曲した区域を、具体的には縁部の上のリブの変形(融解)に起因する輪郭が丸くなった区域又は輪郭が湾曲した区域を有する場合、変形可能な伝導性要素は、変形すると同時に縁部の(外側)側面の周縁部分に密接に嵌合するのに十分な厚さ、直径及び弾性(圧縮性)を有し、よってフィルム蓋材の周縁部分が縁部の周縁部分の上でその湾曲したプロファイル全体に沿って熱封緘されることを可能にする。
【0018】
変形可能な伝導性要素はディスク又はリングの形態であってもよい。特に、伝導性要素はシリコーンで作製可能であり、縁部の直径よりも大きい最大寸法、特に外径、を有する。
【0019】
(変形可能な)伝導性要素は、特に、伝導性要素が熱封緘ツールの線形アクチュエータに対して並進移動すること、及び特にアクチュエータの走行軸に沿って並進移動することを可能にする、1以上の摺動部、又は同等のガイド部材を用いて、浮動式に連結されてもよい。
【0020】
伝導性要素を浮動式に連結するための手段はさらに、1以上の摺動部とそれぞれ協働する1以上の低剛性のばねを備えて、特に、アクチュエータによって変形可能な伝導性要素に与えられるストロークの終了時に、伝導性要素がフィルム蓋材及び縁部に対して無視できる圧力、すなわち縁部の上のフィルム蓋材を熱封緘するのに必要とされる圧力よりはるかに小さい圧力しか加えないことを可能にすることができる。
【0021】
特に、ばねはそれぞれ、一種のプッシャーを形成するために摺動部に対して押し付けられてもよい。
よって、頭部が縁部との接触に至るときと、アクチュエータによって伝導性要素に施された走行の終わりとの間に、伝導性要素によってフィルム蓋材及び縁部に加えられる圧力は非常に低く、これにより伝導性要素と縁部とを、可動式に連結されている伝導性要素によって可能となされるように確実に平行に配置構成させることがより容易になり、これにより結果として縁部全体に均一な圧力を加えること、かつ、結果的にフィルム蓋材が封緘される質を向上させることが可能となる。
【0022】
変形可能な伝導性要素を可動式に連結することにより、好ましくは、伝導性要素が、2つのピボット軸であって略直交し(相互に垂直であり)かつアクチュエータによって伝導性要素に加えられる圧力の軸、並びに伝導性要素によってフィルム蓋材及び縁部に加えられる圧力の軸、のうち少なくともいずれか一方に対して垂直なピボット軸に関して、枢動することが可能となる。
【0023】
変形可能な伝導性要素は一般に、伝導性要素に固定された金属部品と、加熱要素、特に抵抗ヒータ要素とを有する熱封緘ツールに組み込まれ、この熱封緘ツールは、金属部品によって伝導性要素に伝達される圧力を加えるように設計された線形アクチュエータ(水圧ジャッキなど)のロッドに締結されて、伝導性要素がフィルム蓋材に対して、かつ、その結果として縁部に対して押し付けられるようになっている。
【0024】
フィルム蓋材に対して押し付けられてフィルム蓋材を加熱するための伝導性要素を可動式に連結するために、熱封緘ツールは、アクチュエータのロッドに堅く締結された第1のツール部分と、第1のツール部分の上に、又は第1のツール部分に対して可動式に取り付けられた第2のツール部分であって金属部品、加熱要素、及び変形可能な伝導性要素を備えた第2のツール部分とを、含んでなることができる。
【0025】
第2のツール部分は、好ましくは、前記摺動部によって第1のツール部分から浮動(懸下)式に取り付けられる。第1及び第2のツール部分の間の重要な相互に可動式の連結能力、並びに第1のツール部分に対する第2のツール部分の第2の浮動式連結の両方を得るためには、第2のツール部分は、平行する導路が貫通している本体であって、それぞれの導路が当接部を有しておりかつ前記ばねのうちの1つ、特に導路の長手方向軸に沿って延びる弦巻ばねを受承している、本体を含んでなることが可能であり、第1のツール部分は、平行する摺動部、特にロッドの形態であって導路のうちそれぞれ1つに部分的に係合し、かつ、前記ばねのうちそれぞれ1つに対して押し付けられる摺動部であって、各摺動部が、導路のうちの1つの中を間隔を空けて摺動するように配置構成されており、その間隔により摺動部が導路の長手方向軸に対して傾動することも可能となっており、摺動部は導路から摺動部が逸脱するのを防止するそれぞれの当接部と協働している、摺動部を備えることができる。
【0026】
別例として、導路が貫通している本体は第1のツール部分と締結されてもよいし一体化されてもよい一方、摺動部は第2のツール部分と締結されてもよいし一体化されてもよい。
【0027】
実施形態において、導路の数及び摺動部の数は3に等しくてよい。
前記ばねの剛性は、前記第2のツール部分の重量、すなわち熱封緘ツールの浮動式に連結される部分の重量に釣り合うように選択されて、その結果、熱封緘ツールが例えば、上述の特許文献3(国際公開第2006/136694号)に述べられているように封緘を為す頭部の下側部分に組み込まれた吸着盤のような空気圧グリッパによってフィルム蓋材が把持されるのを可能にするように熱封緘ツールを水平軸に関して枢動することにより上下逆転されたとき、ばねが熱封緘ツールの上記浮動式に連結される部分を支持することができるようになっていてもよい。
【0028】
ばねは、封緘を為す頭部のそのような枢動動作の際に頭部の下側部分を頭部の上側部分と一直線になるように保持する役割を果たして、枢動後に下側部分が正しく位置調整されるように、かつ、フィルム蓋材が空気圧グリッパによって正確な方式で縁部の上に置かれて縁部に接触させられるようになっている。
【0029】
縁部が封緘ツールの底面と平行ではない場合、熱伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段、並びに特に第1及び第2のツール部分を互いに可動式かつ浮動式に連結するための手段は、特に、伝導性要素が、フィルム蓋材及び縁部に対して押し付けられるようになされる移動の間に、その最初の接点に関して難なく枢動すること、又は縁部に対して圧力を加えることを可能にする役割を果たす。
【0030】
この枢動する動きはその後、縁部の上でのフィルム蓋材の摺動、及びフィルム蓋材の上での伝導性要素の摺動のうち少なくともいずれか一方を制限又は回避する役割を果たすことにより、封緘を向上させる。
【0031】
熱封緘デバイスはさらに、アクチュエータによって加えられた圧力を伝導性要素に伝達するための手段であって、伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するための手段とは異なる(別個である)手段を備えている。
【0032】
上記の力伝達手段は、好ましくは、第1及び第2ツール部分のうち一方、特に第2のツール部分及び伝導性要素に剛体的に接続されうる力伝達部を備え、この力伝達部は、第1及び第2のツール部分の間に延在する支え面、好ましくはドーム形の支え面を有している。
【0033】
様々な他の同等の手段が、熱封緘ツールを移動させるために使用されるアクチュエータのロッドに対して伝導性要素を可動式かつ浮動式に連結するために提供されうる。
更に、熱封緘デバイスは、好ましくは、多孔質構造の助けを借りて上部空隙へ不活性ガスを導入するためのデバイス、特に特許文献3(国際公開第2006/136694号)に記載されたもののような低速で不活性ガスを注入するためのデバイスを備えている。
【0034】
本発明の別の態様では、コップの縁部にフィルム蓋材を熱封緘する方法であって、本発明の熱封緘デバイスが使用される方法が提供される。
本発明は、特にポリエチレンテレフタラート(PET)で作製されたコップであって、特に射出吹込成形法によって製作されうる、かつ、上下逆転したT字形の形態のリブを有する横断面プロファイルの縁部を備えうる、及びおそらくは特許文献4(国際公開第2010/106239号)に記載の他の特性をも示しうるコップの縁部に対して、凹凸を有するか刻印が施されているかのうち少なくともいずれか一方であるフィルム蓋材を熱封緘することに特に適用される。
【0035】
本発明のその他の態様、特性、及び利点は、添付の図面を参照し、かつ、本発明の好ましい実施形態を示している以降の説明において、何ら限定する意味合いを伴うことなく示されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】熱封緘ツールの実施形態の概略側面図であって、図4の細部Aの図に相当する。
図2】熱封緘ツールの伝導性要素に対して当初から平行であるコップの縁部に対して押し付けられている、図1に示された熱封緘ツールの概略側面図。
図3】熱封緘ツールの伝導性要素に対して当初は平行ではない、すなわち熱封緘ツールの走行軸に対して垂直ではないコップの縁部に対して押し付けられている、図1に示された熱封緘ツールの概略側面図であり、図5の細部Bの図に相当する。
図4】熱封緘の前の、図1に示された熱封緘ツールを備えた熱封緘デバイスであって、ツールが変形可能な伝導性要素に対して平行ではないコップの縁部から距離を置いて配置されている、熱封緘デバイスを示す概略側面図。
図5】熱封緘の際の、図4に示された熱封緘デバイスであって、熱封緘ツールの伝導性要素は熱封緘ツールの走行軸に対して垂直ではないコップの縁部に対して押し付けられている、熱封緘デバイスを示す概略側面図。
図6】フィルム蓋材が熱封緘されている間の、コップの縁部の上に載っているフィルム蓋材に対して押し付けられた状態に保持された伝導性要素の周縁部の変形を示している概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
構造的又は機能的に同一であるか又は類似している要素又は部材は、そうでない旨が明白又は暗黙に記述されないかぎり、様々な図面において同一の参照記号で示される。
特に図4及び5を参照すると、熱封緘デバイス10は熱封緘ツール11を備えており、熱封緘ツール11は、アクチュエータ13及びロッド12の略鉛直な長手方向軸14に沿って該ツールを並進移動させる役割を果たしているアクチュエータ13のロッド12の底部端に取り付けられている。
【0038】
飲料で(部分的に)満たされたコップ15は、図示されていないコンベヤ上に配列されてコンベヤによって移動可能なコップ支持体16の上に配置されている。
支持体16は、支持体16を移動させるコンベヤによって軸14と略一直線上になされることが可能な鉛直な軸を有する円筒状の空洞を有する。
【0039】
コップ15の下側部分は支持体16のこの空洞内に係合しており、縁部17を備えたコップの上側部分だけが図2〜5において見られるようになっている。
特に図1〜3および6を参照すると、熱封緘ツール11は、熱伝導性要素19、加熱要素20、並びに伝導性要素19及び加熱要素20に固定されかつ熱的に接触している金属部品21を含んでなる。
【0040】
金属部品21は、伝導性要素19を加硫によって固定することができる底面を有するディスクの形態であってよい。
フィルム蓋材を封緘するために、加熱要素20には電源(図示せず)によって動力が供給される。
【0041】
加熱要素から与えられた熱は金属部品21に伝達されて該部品を加熱し、さらに伝導性要素19を加熱する。
図6に示されるように、熱伝導性要素19は、熱封緘の際にフィルム蓋材18及び縁部17を加熱するためにフィルム蓋材及び縁部に対して押し付けられ、伝導性要素19の周縁部分190は縁部の外側に延在するように、設計されている。
【0042】
この目的のため、伝導性要素19は、縁部の直径よりも大きい外径を有するディスク又はリングの形態をとることができる。
特にコップがプラスチック材料で作製されており、かつ、リブを備えた縁部を有する場合、加熱された伝導性要素をフィルム蓋材及び縁部に載せると、リブが封緘中に塑性的に変形すること、縁部を越えて延在すると同時に縁部の外側面の形状と一致している伝導性要素の周縁部分190によってフィルム蓋材及び縁部に加わる圧力により、縁部の外側部分が湾曲させられること、及び、フィルム蓋材の周縁部分が縁部の周縁部分に対して、少なくともその湾曲したプロファイルを有する部分に沿って、熱封緘されること、のうち少なくともいずれか一方がもたらされることが可能である。
【0043】
特に図1〜3を参照すると、ツール11は、アクチュエータ13のロッドに締結されるように設計された第1のツール部分、又は上側ツール部分を備えている。
この上側ツール部分は、ディスク又はプレートの形態をとる部品22を含む。また、部品22は、ツール11の走行軸14に対して垂直な平面上に延在し、かつ、プレート22をアクチュエータのロッドに締結するためのブッシング23に固定されている。
【0044】
第1のツール部分はさらに、プレート22の下側から延び、かつ、プレート22にねじ留めされてプレートの上面に寄せて支えているナット25によって保持されている、軸14に平行な3本のロッド24も有している。
【0045】
ツール11はさらに、第1のツール部分に対して可動式かつ第1のツール部分から浮動式に取り付けられる第2のツール部分、又は下側ツール部分も備えている。
この第2のツール部分は、軸14を軸とするディスクの形態でありかつ加熱要素20(図6参照)を受承する金属部品21を備えており、さらには変形可能な伝導性要素19も備えている。
【0046】
第2のツール部分はさらに、3本の相互に平行な導路27が貫通している本体26を有しており、本体26は、それ自体が固定される部品21と一直線になるように上方に延在する。
【0047】
導路27はそれぞれ、部品21から本体26の内部に、かつ、軸14と平行な長手方向軸に沿って、延在する。
導路はそれぞれ、当接部28を形成する円錐台形の接続面を介して導路27の最も広い部分に接続されかつ最も広い部分と同軸である、狭窄部分29(すなわち、直径がより小さい部分)を有しており、導路はそれぞれ本体26の上面に開口する。
【0048】
導路27はそれぞれ、そのより広い下側部分において導路の長手方向軸に沿って延びる弦巻ばね30を受承しており、各ばね30は対応する導路の底部において部品21に対して押し付けられている。
【0049】
導路27、28、29の相対的位置付けは、導路27〜29のうちの1つと部分的に係合しているロッド24の相対的位置付けと同一である。
特に、導路は2つ1組での距離は等しくてよく、3本の導路の3つのそれぞれの軸の、それらの軸に対して垂直な平面との交点は、その平面上において正三角形の3つの頂点を形成する。
【0050】
ロッド24はそれぞれ、対応する導路の最も広い部分27に受承される平らな頭部240を有し、この頭部を介してロッドは導路27に受承されたばね30の上端部に対して押し付けられる。
【0051】
各ロッド24の頭部240は、導路に受承されたばね30の上端部と当接部28を形成する狭窄部との間に延在し、かつ、導路の狭窄部分29の直径より大きい直径を示してロッド24が導路27〜29から逸脱するのを当接部28が防止するようになっている。
【0052】
ロッドはそれぞれ、縁部と熱封緘ツールとが平行ではない場合にロッドが導路の長手方向軸に対して自由に傾斜することを特に可能にする大きな半径方向隙間を備えて、対応する導路27〜29の中を摺動するように配置構成及び寸法決定される。
【0053】
ロッド24はそれぞれ、特に図1に示された、ロッドの頭部240が当接部28に対して押し付けられている第1の配置状態と、特に図2に示された、ロッドの頭部240が当接部28から遠く離れており、かつ、頭部240が押し付けられているばね30がロッドの第1の配置状態におけるよりも大きく圧縮されている第2の配置状態との間を、摺動可能である。
【0054】
下側ツール部分はさらに、本体26に固定されて本体26と部品22との間に延在する丸い形状の支え面32も有している。
支え面32は、本体26の中心部に締結されたねじ31の頭部の、ドーム形、例えば球状の面によって構成されてもよい。
【0055】
支え面32が圧縮されているばね30の影響下で部品22の底面との接触に至るとき、並びに特に図2に示されるように下側ツール部分及び上側ツール部分が同軸で一直線上に整列しているか、又は特に図3に示されるように一直線上に整列していないかにかかわらず、ねじ31及び支え面32は、アクチュエータによってツールの上側部分に伝達された力を下側ツール部分に伝達する役割を果たす。
【0056】
図1及び2を比較することによって特に分かるように、ばね30によって当接部28に向かって押される頭部を有するロッド24、並びにロッドを受承してロッドが摺動すること及び小さな幅で枢動/傾動することを可能にする導路は、このように、本体26、部品21、及び伝導性要素19によって構成された剛性アセンブリを、プレート22に対して、かつ、したがってアクチュエータ13のロッド12に対して、浮動式かつ可動式に連結するための手段を形成する。
【0057】
上記の浮動式連結手段は特に、伝導性要素19が線形アクチュエータに対して、軸14上を並進移動することを可能にする役割を果たし、軸14に沿って、伝導性要素がアクチュエータによって移動させられる。
【0058】
特に図1〜3を比較することによって特に分かるように、導路内に係合しているロッド24がその導路に対して傾動する能力、3つのばね30が様々に圧縮される可能性、及びばねの小さな剛性によって、伝導性要素19が、それ自体はアクチュエータのロッドに剛体的に接続されているツールの上側部分に対して可動式に連結されることを可能にする。上記手段によって、伝導性要素19が、部品21及び部品26と共に、2つの略直交するピボット軸に対して、特に、アクチュエータの走行軸14並びに伝導性要素によってフィルム蓋材及び縁部に加えられる圧力の軸のうち少なくともいずれか一方に対して略垂直となりうる2つのピボット軸に対して、略自由に枢動することを可能にする。
【0059】
このように、下側及び上側ツール部分を互いに対して可動式及び浮動式に連結するための上記手段は、フィルム蓋材及び縁部に対する伝導性要素19の最初の接触点を自動的にとっている回転の瞬間中心を有する、玉継手のように作用する。
【0060】
これらの可動式及び浮動式の連結手段は、伝導性要素19がフィルム蓋材と接触するにつれてツールの下側部分がフィルム蓋材及び縁部のうち少なくともいずれか一方に「接線」力又は横力を徐々に伝達するのを防止することによって、縁部及びツールが平行ではない場合に、縁部の上のフィルム蓋材の位置調整不良(センタリング不良)、又は、フィルム蓋材の滑動若しくは折り曲げといった不具合が生じるのを回避するという利点を有している。
【0061】
これらの可動式及び浮動式の連結手段によって、縁部が伝導性要素19に関して当初は傾斜している場合でも、圧力及び熱流束が縁部全体に十分に分布することが可能となる。
更に、それぞれの熱封緘作業の後で、ロッド12がアクチュエータ13によって引き戻されたとき、ロッド24の頭部240が導路の円錐形の支え面28に向かって戻ることによって、下側及び上側のツール部分が相互に中心を合わせて整列させられ、同時に下側及び上側のツール部分が互いに離れていって、その結果支え面32が部品22の底面から離れるようになっている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6