(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分D)の化合物が、ピロリン酸カルシウムとの混合物、またはリン酸水素カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム二水和物との混合物の形態で使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
A)がポリブチレンテレフタレートを表し、B)がトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを表し、C)がメレムを表し、D)がビス(リン酸二水素)マグネシウムを表し、およびE)がメラミンシアヌレートを表すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
A)がポリブチレンテレフタレートを表し、B)がトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを表し、C)がメレムを表し、D)がトリス(リン酸二水素)アルミニウムを表し、およびE)がメラミンシアヌレートを表すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
A)がポリブチレンテレフタレートを表し、B)がトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを表し、C)がメレムを表し、D)がビス(リン酸二水素)亜鉛を表し、およびE)がメラミンシアヌレートを表すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
A)がポリブチレンテレフタレートを表し、B)がトリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウムを表し、C)がメレムを表し、D)がビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物を表し、およびE)がメラミンシアヌレートを表すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
製品を製造するためのプロセスにおいて、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物が混合されて成形コンパウンド物をもたらし、押出し物の形態で排出され、ペレット化が可能となるまで冷却され、かつペレット化され、および最後にマトリックス材料として射出成形または押出成形の操作にかけられることを特徴とする、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「アルキル」という用語は、本発明に関連して、直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基を指している。ある種の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基が使用される。それは、「低級アルキル基」と呼ぶことも可能である。好ましいアルキル基は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、特にn−プロピルおよびイソプロピル、ブチル、特にn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル基、特にn−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル基などである。「ポリアルキレン」という用語の場合でも同様の注釈が適用される。
【0023】
「アリール」という用語は、本発明に関連して、単環式の芳香族炭化水素環構造、またはその中で2個以上の芳香族炭化水素環が縮合している多環状の環構造、または1個もしくは複数のシクロアルキル環および/またはシクロヘテロアルキル環と縮合している少なくとも1個の芳香族単環式炭化水素環を指している。本発明による実施形態では、アリールまたはアリーレンは、6〜14個の炭素原子を有するアリール基である。芳香族炭素環式環系を有する好ましいアリール基は、フェニル、1−ナフチル(二環式)、2−ナフチル(二環式)、アントラセニル(三環式)、フェナントレニル(三環式)、ペンタセニル(五環式)、および同様の基である。その他の好ましいアリール基は、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル、インドリニル基などである。多くの実施形態において、本明細書に記載されたアリール基が置換されていてもよい。多くの実施形態では、アリール基が1個または複数の置換基を有していてもよい。
【0024】
本発明の意味では、「アルキルアリール」という用語は、アルキル−アリール基を表しており、そのアルキルアリール基は、アルキル基を介して所定の化学構造に共有結合的に結合されている。本発明において好ましい1つのアルキルアリール基は、ベンジル基(−CH
2−C
6H
5)である。本発明におけるアルキルアリール基は、交互に置換されていてもよく、これは、アリール基および/またはアルキル基のいずれかが置換されていてもよいことを意味する。これとは対照的に、「アリールアルキル」という用語は、本発明の意味では、アリール基を介して所定の化学構造に共有結合的に結合されているようなアリール−アルキル基を表している。
【0025】
本明細書におけるd50およびd97の値に関して、その測定法およびその意味については、Chemie Ingenieur Technik(72),p.273−276,3/2000,Wiley−VCH Verlags GmbH,Weinheim,2000も参照されたく、それによれば、d50は粒子の量の50%がそれより下にある粒径(中央値)であり、d97は粒子の量の97%がそれより下にある粒径である。
【0026】
本発明に関連して、粒径分布または粒径についての数字は、それぞれ成形コンパウンド物中に組み入れる前の表面ベースの粒径と呼ばれているものを意味している。粒径は、本発明に関連して、レーザー回折法によって求める;C.M.Keck,Moderne Pharmazeutische Technologie[Modern Pharmaceutical Technology]2009,Free University of Berlin,Chapter 3.1、またはQUANTACHROME PARTIKELWELT,NO6,June 2007,pages 1 to 16を参照されたい。ベースとなっている標準はISO 13317−3である。
【0027】
好ましくは、本発明は、100質量部の成分A)を基準にして、
10〜70質量部の成分B)、
1〜30質量部の成分C)、
0.01〜5質量部の成分D)、および
2〜50質量部の成分E)
を含む、組成物、成形コンパウンド物、および製品に関する。
【0028】
1つの実施形態では、本発明による組成物、成形コンパウンド物、および製品は、成分A)〜E)に加えて、
F)100質量部の成分A)を基準にして、好ましくは1〜40質量部の量の少なくとも1種の金属の硫酸塩
も含む。
【0029】
1つの実施形態では、本発明による組成物、成形コンパウンド物、および製品は、成分A)〜F)に加えて、またはF)に代えて、
G)100質量部の成分A)を基準にして、好ましくは0.1〜300質量部の量の、成分B)〜F)とは別の少なくとも1種の充填剤または補強剤
も含む。
【0030】
1つの実施形態では、本発明による組成物、成形コンパウンド物、および製品は、成分A)〜G)に加えて、またはF)および/もしくはG)に代えて、
H)100質量部の成分A)を基準にして、好ましくは0.01〜80質量部の量の、成分B)〜G)とは別の少なくとも1種のさらなる添加物
も含む。
【0031】
本発明では、成分F)、G)、およびH)が、組成物、成形コンパウンド物、および製品中に存在していてもよく、またはそれらが存在していなくてもよい。組成物、成形コンパウンド物、および製品には、成分の以下の組合せを用いるのが好ましい:A)、B)、C)、D)、E);A)、B)、C)、D)、E)、F);A)、B)、C)、D)、E)、G);A)、B)、C)、D)、E)、H);A)、B)、C)、D)、E)、F)、G);A)、B)、C)、D)、E)、F)、H);A)、B)、C)、D)、E)、F)、G)、H)。
【0032】
本発明における組成物は、プラスチック業界で一般的に成形コンパウンド物とも呼ばれ、成分A)〜E)および任意選択的にまた成分F)、G)またはH)の少なくとも1種を好ましくはペレット化物として、押出し物の形態でまたは粉体として加工することにより得られる。配合は、少なくとも1種の混合装置、好ましくはコンパウンダー、特に好ましくは同方向回転二軸スクリューエクストルーダー内で本発明における組成物を混合することにより実施される。本発明における組成物を粉体、ペレット化物、または押出し物として製造するための、成分A)〜E)ならびに任意選択的に少なくとも1種のさらなる成分F)および/またはG)および/またはH)を混合する手順もプラスチック業界でコンパウンディングと呼ばれている。これにより、中間体としての、本発明による組成物をベースとする成形組成物が得られる。これらの成形コンパウンド物(熱可塑性プラスチック成形コンパウンド物としても知られている)は、成分A)〜E)のみから構成されていてもよく、またはそうでなければ、成分A)〜E)に加えて、さらなる成分、好ましくは成分F)および/またはG)および/またはH)の少なくとも1種を含んでいてもよい。さらなる工程では、本発明の成形コンパウンド物を、次いで、マトリックス材料として射出成形または押出成形の操作、好ましくは射出成形の操作にかけて、それから本発明による製品を製造する。したがって、本発明による製品は、同一の成分A)〜E)、ならびに任意選択的にまた成分F)、G)、またはH)の少なくとも1種を含む。
【0033】
成分A)
本発明における成分A)として使用するためのポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートは、各種の方法で調製することができ、各種の構成単位から合成することができ、および特定の使用シナリオでは、単独または加工助剤、安定剤、ポリマーアロイ用の共成分(たとえばエラストマー)、またはそうでなければ補強用物質(たとえば鉱物質充填剤またはガラス繊維)ならびに任意選択的にさらなる添加剤との組合せを備え、適合された性質の組合せを有する材料を与えることができる。他のポリマーを部分的に含むブレンド物も好適であり、このような場合、任意選択的に1種または複数の相溶化剤を採用することも可能である。必要に応じて、エラストマーを添加することにより、ポリマーの性質を改良することもできる。
【0034】
成分A)として使用するのに好ましいポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸(またはその反応性誘導体)と、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族または脂環族のジオールとから公知の方法によって調製することができる(Kunststoff−Handbuch[Plastics Handbook],vol.VIII,p.695ff,Karl Hanser Verlag,Munich,1973)。
【0035】
成分A)として使用するのに好ましいポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートには、ジカルボン酸を基準にして、少なくとも80mol%、好ましくは少なくとも90mol%のテレフタル酸基と、ジオール成分を基準にして、少なくとも80mol%、好ましくは少なくとも90mol%の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/またはエチレングリコールおよび/またはプロパン−1,3−ジオール(ポリプロピレンテレフタレートの場合)および/またはブタン−1,4−ジオール基とが含まれる。
【0036】
成分A)として使用するのに好ましいポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートには、テレフタル酸基に加えて、最高で20mol%までの量の、8〜14個の炭素原子を有する他の芳香族ジカルボン酸の基、または4〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸の基、より特にフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸の基を含んでいてもよい。
【0037】
成分A)として使用するのに好ましいポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートには、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/またはエチレングリコールおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,4−ブタンジオールに加えて、最高で20mol%までの量の、3〜12個の炭素原子を有する他の脂肪族ジオール、または最高で20mol%までの量の、6〜21個の炭素原子を有する脂環族ジオール、好ましくはプロパン−1,3−ジオール、2−エチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、ヘキサン−2,5−ジオール、1,4−ジ(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス(3−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、および2,2−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンの基を含んでいてもよい。
【0038】
成分A)として特に好ましいのは、単に、テレフタル酸およびその反応性誘導体、特にそのジアルキルエステルと、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/またはエチレングリコールおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,4−ブタンジオールとから調製されたポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレート、特に好ましくはポリ−1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート、ならびにそれらの混合物である。
【0039】
成分A)として使用するためのポリエチレンテレフタレートは、リサイクル品であってもよい。リサイクル品とは、一般的には、以下のものを意味していると理解される:
1)製造工程後のリサイクル品(販売前のリサイクル品)と呼ばれているもの:これには、重縮合からの製品廃棄物、コンパウンディングから(たとえば、規格外物質)または加工から、たとえば、射出成形におけるスプルー、射出成形または押出成形の際の加工におけるスタートアップの物質、または押出成形したシートまたはフィルムからの縁部切り出し物などが含まれる。
2)使用済みのリサイクル品:これには、末端ユーザーによって使用された後に回収、加工したプラスチック物品が含まれる。量の点で圧倒的に多いのは、ミネラルウォーター、ソフトドリンク、およびジュースのための吹き込み成形PETボトルである。
【0040】
本発明において成分A)として好適に使用される、リサイクルされたPETボトルからのPETリサイクル品は、好ましくは、独国特許出願公開第103 24 098A1号明細書、国際公開第2004/009315A1号パンフレットまたは国際公開第2007/116022A2号パンフレットに記載のプロセスによって得られる。
【0041】
成分A)として好適に使用するためのポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートはさらに、上述の酸成分の少なくとも2種からおよび/または上述のアルコール成分の少なくとも2種から調製されたコポリエステルである。特に好ましいコポリエステルは、ポリ(エチレングリコール/ブタン−1,4−ジオール)テレフタレートである。
【0042】
成分A)として使用するためのポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートは、それぞれの場合にフェノール/o−ジクロロベンゼン(1:1、重量部)中25℃で測定して、好ましくは30〜150cm
3/gの範囲、より好ましくは40〜130cm
3/gの範囲、最も好ましくは50〜100cm
3/gの範囲の固有粘度を有している。固有粘度IVは、Staudinger Indexまたは極限粘度とも呼ばれ、Mark−Houwink式に従って平均分子質量に比例し、粘度数VNを無視できる程度に低いポリマー濃度まで外挿した値である。それは、一連の測定からまたは適切な近似法(たとえば、Billmeyer)を使用して予測することができる。VN[mL/g]は、キャピラリー粘度計、好ましくはUbbelohde粘度計で溶液粘度を測定することにより得られる。溶液粘度は、ポリマーの平均分子量の目安である。その測定は、各種の溶媒、好ましくはギ酸、m−クレゾール、テトラクロロエタン、フェノール、1,2−ジクロロベンゼンを用いて溶解させたポリマーについて、濃度を用いて実施される。粘度数VNにより、プラスチックの加工特性および性能特性をモニターすることが可能となる。ポリマーに対する熱負荷、老化性または化学薬品に対する曝露、耐候性および耐光性は、相応の測定法によって調べることができる。その手法は、一般的なポリマーについて標準化されており、本発明に関連して、ポリエステルのためのDIN ISO 1628−5に従う。この点に関しては、以下も参照されたい:http://de.wikipedia.org/wiki/Viskosimetrieおよび“http://de.wikipedia.org/wiki/Mark−Houwink−Gleichung”。
【0043】
本発明における成分A)として使用するポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートは、他のポリエステルおよび/またはさらなるポリマーとの混合物として使用してもよい。
【0044】
成分A)として使用されるポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートに対して、コンパウンディングの際に、その溶融物中に慣用される添加剤、特に離型剤を混合してもよい。当業者であれば、コンパウンディングとは、プラスチックスの加工とみなし得るプラスチックス技術からの用語として、および性能プロファイルを目標の最適値にするための、補助剤(充填剤、添加剤など)を混合することによるプラスチックスの性能向上プロセスを指していると理解する。コンパウンディングは、好ましくはエクストルーダー、より好ましくは共回転二軸スクリューエクストルーダー、異方向回転二軸スクリューエクストルーダー、プラネタリーローラーエクストルーダー、またはコニーダー内で実施され、搬送、溶融、分散、混合、脱気、および昇圧のプロセス操作が包含されている。
【0045】
成分A)として好適に使用されるのは、ポリエチレンテレフタレート[CAS No.25038−59−9]またはポリブチレンテレフタレート[CAS No.24968−12−5]、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)から選択される少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレートである。成分A)としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)[CAS No.24968−12−5]を使用するのが好ましく、これは、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)からPocan(登録商標)ブランドで入手可能である。
【0046】
成分A)として代わりに使用されるのは、好ましくはポリシクロアルキレンテレフタレートとしてのポリ−1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート[CAS No.25037−99−4]である。
【0047】
成分B)
本発明において成分B)として使用される、先に示した式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または先に示した式(II)の有機ジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマーも本発明に関連してホスフィン酸塩と呼ばれる。
【0048】
式(I)または(II)において、Mがアルミニウムであるのが好ましい。式(I)および(II)において、R
1およびR
2が、同一または異なっており、かつ直鎖状または分岐状のC
1〜C
6アルキルおよび/またはフェニルを表しているのが好ましい。R
1およびR
2が、同一であるかまたは異なっており、かつメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルを表しているのが特に好ましい。
【0049】
式(II)におけるR
3が、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、フェニレン、ナフチレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、tert−ブチルナフチレン、フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、またはフェニルブチレンであるのが好ましい。R
3が、フェニレンまたはナフチレンであれば特に好ましい。成分B)として使用するためのホスフィン酸塩は、国際公開第A97/39053号パンフレットに記載されており、ホスフィン酸塩に関するその内容はすべて本出願に組み入れられる。本発明に関連して特に好ましいホスフィン酸塩は、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、およびメチル−n−プロピルホスフィン酸、さらにはそれらの混合物のアルミニウム塩および亜鉛塩である。
【0050】
式(I)において、mは、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
【0051】
式(II)において、nは、好ましくは1または3、より好ましくは3である。
【0052】
式(II)において、xは、好ましくは1または2、より好ましくは2である。
【0053】
成分B)として、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム[CAS No.225789−38−8]を使用するのが極めて特に好ましく、これは、たとえばClariant International Ltd.(Muttenz,Switzerland)からExolit(登録商標)OP1230またはExolit(登録商標)OP1240の商品名で供給されている。
【0054】
成分C)
本発明では、少なくとも1種の縮合メラミン誘導体が成分C)として使用される。好ましいメラミンの縮合反応生成物は、メラム[CAS No.3576−88−3]、メレム[CAS No.1502−47−2]、またはメロン[CAS No.32518−77−7]、およびそれらの混合物である。
【0055】
調製は、https://de.wikipedia.org/wiki/Melem_(Verbindung)に従い、たとえばシアナミド、アンモニウムジシアナミド、ジシアンジアミド、またはメラミンを縮合させることによって可能であり、合成は数工程を経て進行する。最初にシアナミドまたはアンモニウムジシアナミドからジシアンジアミドを形成させ、次いで環化させてメラミンを得る。メラミンの縮合は、アンモニアの放出を伴い、直接的にまたは中間体化合物のメラムを経由して目標化合物とする。
【0056】
本発明では、成分C)としてメレムを使用するのが特に好ましく、1.0重量%未満のメラミン含量を有するメレムの品質が極めて特に好ましく、メラミンの含量は、NIR FT−IRを用いて測定される。
【0057】
本発明において成分C)として使用するためのメレムは、たとえば、Delamin Ltd.(Derby,UK)からのDelacal(登録商標)NFRとして供給される。
【0058】
成分D)
成分D)としては、金属のリン酸水素塩、金属のリン酸二水素塩、金属のピロリン酸二水素塩、および/または金属のピロリン酸塩の群からの少なくとも1種の無機リン酸塩が使用され、ここで成分D)中の金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、および/またはアルミニウムである。本発明において成分D)として使用するための無機リン酸塩には、それらの相当する水和物も含まれる。
【0059】
成分D)の好ましい金属は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、またはアルミニウムである。特に好ましい金属は、マグネシウムおよび/または亜鉛である。マグネシウムが特に好ましい。
【0060】
成分D)としては、2〜6.5の範囲、より好ましくは3.5〜6の範囲のpHを有する無機リン酸塩を使用するのが好ましく、そのpHの数字は、この場合、水性媒体上、20℃で1リットルあたり10gのリン酸塩濃度に基づくものである。
【0061】
金属のピロリン酸二水素塩および金属のピロリン酸塩の群の中では、ピロリン酸マグネシウム[CAS No.13446−24−7]またはピロリン酸亜鉛[CAS No.7446−26−6]を使用するのが好ましい。ピロリン酸亜鉛が特に好ましい。
【0062】
金属のリン酸水素塩の群では、リン酸水素マグネシウム[CAS No.7757−86−0]、リン酸水素亜鉛[CAS No.7664−38−2]、またはリン酸水素カルシウムを使用するのが好ましい。後者は、その二水和物の形態のリン酸水素カルシウム二水和物、CaHPO
4・2H
2O[CAS Nr.7789−77−7]で使用するのが好ましい。
【0063】
成分D)として特に好適に使用される金属のリン酸二水素塩の群の中で、使用するのに好ましいのは、トリス(リン酸二水素)アルミニウム[CAS No.13530−50−2]、ビス(リン酸二水素)マグネシウム[CAS No.13092−66−5]、ビス(リン酸二水素)亜鉛[CAS No.13598−37−3]、またはビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物[CAS No.13986−21−5]である。特に好ましいのは、ビス(リン酸二水素)マグネシウムまたはビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物である。極めて特に好ましいのは、ビス(リン酸二水素)マグネシウムである。
【0064】
成分D)の化合物は、個別に使用することも、または混合物として使用することもできる。成分D)の化合物をピロリン酸カルシウム[CAS No.7790−76−3]、またはリン酸水素カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム二水和物との混合物の形態で使用するのが好ましい。
【0065】
成分E)
成分E)としては、成分C)とは別の少なくとも1種のメラミン誘導体が使用される。成分E)として、メラミンと酸との反応生成物を使用するのが好ましい。成分E)として、メラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミン、またはメラミン−インターカーレートされた縮合リン酸のアルミニウム塩、亜鉛塩、またはマグネシウム塩を使用するのが特に好ましい。後者は、国際公開第2012/025362A1号パンフレットに記載されており、その内容はすべて本明細書に包含される。
【0066】
成分E)として、メラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミン、ビスメラミンジンコ二リン酸塩(欧州特許出願公開第2 609 173A1号明細書)、またはビスメラミンアルミノ三リン酸塩(欧州特許出願公開第2 609 173A1号明細書)を使用するのが極めて特に好ましい。
【0067】
成分E)として、ポリリン酸メラミンまたはメラミンシアヌレートを使用するのが特に好ましい。成分E)としてメラミンシアヌレートを使用するのが極めて特に好ましい。
【0068】
メラミンポリホスフェート[CAS No.218768−84−4]は、各種の製品グレードで市場で入手することが可能である。その例としては、Melapur(登録商標)200/70(BASF(Ludwigshafen,Germany)製)、およびBudit(登録商標)3141(Budenheim(Budenheim,Germany)製)が挙げられる。メラミンシアヌレート[CAS No.37640−57−6]は、各種の製品グレードで市場で入手することが可能である。その例としては、BASF(Ludwigshafen,Germany)からのMelapur(登録商標)MC25が挙げられる。
【0069】
成分F)
成分F)としては、少なくとも1種の金属の硫酸塩が使用される。好ましい金属の硫酸塩は、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム[CAS No.7778−18−9]、または硫酸バリウムである。成分F)として、硫酸マグネシウム[CAS No.7487−88−9]または硫酸バリウムを使用するのが特に好ましい。
【0070】
成分F)として特に好適に使用される硫酸バリウム[CAS No.7727−43−7]は、天然産のバライトの形態で使用することもでき、または公知の工業的方法で合成的に製造された硫酸バリウムの形態で使用することもできる。たとえばhttp://de.wikipedia.org/wiki/Bariumsulfatに教示があるような硫酸バリウムの慣用される調製方法は、硫酸ナトリウムを用いた硫化バリウムまたは塩化バリウムの沈降法である。その場合の平均粒径[d50]は、好ましくは0.1〜50μmの範囲、より好ましくは0.5〜10μmの範囲、極めて好ましくは0.6〜2μmの範囲である。この場合の硫酸バリウムは無処理であってもよく、または有機および/もしくは無機の表面処理を受けたものであってもよい。無機または有機の表面処理の例およびそれを表面に適用するための方法は、たとえば、国際公開第2008/023074A1号パンフレットに教示されている。好適な合成硫酸バリウムは、たとえば、Sachtleben Chemie GmbH(Duisburg,Germany)から商品名Blanc fixe FおよびBlanc Fixe Super Fの商品名で入手することが可能である。
【0071】
好適なさらなる硫酸バリウム品質は、たとえば、Deutsche Baryt Industrie Dr.Rudolf Alberti GmbH&Co.KG.(Bad Lauterberg im Harz,Germany)製のAlbasoft(登録商標)90および/またはAlbasoft(登録商標)100である。
【0072】
成分G)
成分G)としては、その組成物、成形コンパウンド物、および製品に、成分A)〜F)とは別の少なくとも1種の充填剤および/または補強剤が含まれる。2種以上の異なる充填剤および/または補強剤の混合物も好ましい。
【0073】
成分G)としては、以下の群からの少なくとも1種の充填剤、および/または補強剤を使用するのが好ましい:マイカ、シリケート、石英、特に石英粉、二酸化チタン、ウォラストナイト、ネフェリンサイアナイト、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、長石、ガラス繊維、ガラスビーズ、摩砕ガラス、および/もしくは繊維質充填剤、ならびに/または炭素繊維をベースとする補強剤。
【0074】
マイカ、シリケート、石英、ウォラストナイト、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョークまたは長石をベースとする、微粒子状の鉱物質充填剤および/または補強剤を使用するのが好ましい。さらには、針状の鉱物質充填剤を使用すれば特に好ましい。本発明では、針状の鉱物質充填剤および/または補強剤とは、極めて顕著な針状の特性を有する鉱物質充填剤を意味していると理解される。その針状の鉱物質充填剤および/または補強剤が、好ましくは2:1〜35:1の範囲、より好ましくは3:1〜19:1の範囲、最も好ましくは4:1〜12:1の範囲の長さ:直径の比率を有している。本発明において使用するための針状の鉱物質の中央粒径d50は、CILAS GRANULOLMETERを用い、ISO 13320:2009に従ってレーザー回折の手段で測定して、好ましくは20μm未満、より好ましくは15μm未満、特に好ましくは10μm未満である。
【0075】
それらを成形コンパウンド物または製品へ加工した結果として、成分G)として使用されることが可能な充填剤および/または補強剤はすべて、それらの成形コンパウンド物または製品中で元々採用した充填剤および/または補強剤および/またはガラス繊維よりも小さいd97またはd50値を有している可能性がある。
【0076】
充填剤および/または補強剤は、個別にまたは2種以上の異なる充填剤および/または補強剤の混合物として使用することができる。
【0077】
1つの好ましい実施形態では、成分G)として使用される充填剤および/または補強剤が、より好ましくは接着促進剤または接着促進剤系を用いて、特に好ましくはエポキシドベースのものを用いて表面変性されているものであってもよい。しかしながら、前処理は必須ではない。
【0078】
1つの特に好ましい実施形態では、成分G)としてガラス繊維が使用される。http://de.wikipedia.org/wiki/Faser−Kunststoff−Verbundによれば、0.1〜1mmの範囲の長さを有するチョップトファイバー(短繊維としても知られている)と、1〜50mmの長さを有する長繊維と、L>50mmの長さを有する連続繊維とは区別される。短繊維は、射出成形技術で使用され、エクストルーダーにより直接加工することができる。長繊維もやはりエクストルーダーで加工することができる。前記繊維は、繊維スプレー法で広く使用されている。長繊維は、熱硬化性樹脂に充填剤として添加されることが多い。連続繊維は、繊維強化プラスチックにおいて、ロービングまたは織物の形態で使用される。連続繊維を含む製品は、最高の剛性および強度値を与える。さらに利用することが可能なのは摩砕したガラス繊維であり、摩砕後のそれらの長さは、典型的には70〜200μmの範囲である。
【0079】
本発明において成分G)として使用するのに好ましいのは、1〜50mmの範囲、より好ましくは1〜10mmの範囲、極めて好ましくは2〜7mmの範囲の初期長さを有するチョップトガラス長繊維である。開始時長さは、本発明における組成物をコンパウンディングして、本発明における成形コンパウンド物を得るより前に存在していたガラス繊維の平均長さを指している。成形コンパウンド物中または製品中では、成分G)として好適に使用されたガラス繊維が、成形コンパウンド物または製品得るための加工、特にコンパウンディングを行った結果として、元々採用されたガラス繊維よりも小さいd97および/またはd50を有している可能性がある。したがって、加工後のガラス繊維の長さの算術平均は、多くの場合、わずか150μm〜300μmの範囲である。
【0080】
本発明に関連して、ガラス繊維の長さおよびガラス繊維の長さ分布は、加工されたガラス繊維の場合、ISO 22314に従って測定し、そこでは、最初に試料を625℃で灰化するように規定されている。次いで、その灰分を、適切な結晶皿内の、脱イオン水を用いて被覆した顕微鏡スライドグラス上に置き、その灰分を、超音波浴を用いて機械的な作用を加えずに分散させる。次の工程では、オーブン中130℃での乾燥が含まれ、それに続けて、光学顕微鏡画像を用いてガラス繊維の長さを測定する。この目的のために、3枚の画像で少なくとも100本のガラス繊維を測定するため、合計して300本のガラス繊維を用いて長さを確定する。ガラス繊維の長さは、次式に従って算術平均l
nとして計算することもでき
【数1】
(式中、l
i=i番目の繊維の長さ、n=測定した繊維の数、ヒストグラムで近似的に表される)、あるいは別の方法として、測定したガラス繊維の長さlが正規分布とみなされる場合、次式に従ってガウス関数の手段で求めることもできる。
【数2】
【0081】
この式において、l
cおよびσは、正規分布に特有のパラメーターであり、l
cは、平均値であり、およびσは標準偏差である(参照:M.Schossig,Schaedigungsmechanismen in faserverstaerkten Kunststoffen[Damage Mechanisms in Fibre−Reinforced Plastics],1,2011,Vieweg und Teubner Verlag,page 35,ISBN 978−3−8348−1483−8)。ポリマーマトリックス中に組み入れられなかったガラス繊維は、上述の方法に従ってそれらの長さに関する分析を行うが、ただし灰化処理および灰分からの分離は行わない。
【0082】
本発明では、成分G)として好適に使用されるガラス繊維[CAS No.65997−17−3]は、好ましくは、7〜18μmの範囲、より好ましくは9〜15μmの範囲の繊維直径を有し、繊維直径は、当業者が利用することが可能な少なくとも1種の装置で求めることができる、特に以下の文献に類似したコンピュータX線断層撮影法によって求めることができる:“Quantitative Messung von Faserlaengen und −verteilung in faserverstaerkten Kunststoffteilen mittels μ−Roentgen−Computertomograhie”[Quantitative measurement of fibre length and fibre distribution in fibre−reinforced plstic components by computer x−ray microtogmography],J.KASTNER,et al.,DGZfP−Jahrestagung 2007−paper 47。成分G)として好適に使用されるガラス繊維は、連続繊維としてまたはチョップトもしくは摩砕ガラス繊維として使用されるのが好ましい。
【0083】
1つの実施形態では、成分G)として使用するためのその充填剤および/または補強剤、より具体的にはガラス繊維が、好ましくは適切なサイジング系、および接着促進剤または接着促進剤系、より好ましくはシランをベースとするものを備えている。
【0084】
前処理のために特に好ましいシランベースの接着促進剤は、一般式(IV)のシラン化合物である。
(X−(CH
2)
q)
k−Si−(O−C
rH
2r+1)
4−k (IV)
(式中、置換基は以下のように定義される:
X:NH
2−、HO−、
【化2】
q:2〜10、好ましくは3〜4の整数、
r:1〜5、好ましくは1〜2の整数、
k:1〜3の整数、好ましくは1)。
【0085】
特に好ましい接着促進剤は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、および置換基Xとしてグリシジル基を含む相当するシランの群からのシラン化合物である。
【0086】
ガラス繊維を変性させるには、表面コーティングのためにシラン化合物を、充填剤および/または補強剤、より具体的にはガラス繊維の100重量%を基準にして、好ましくは0.05%〜2重量%の範囲、より好ましくは0.25%〜1.5重量%の範囲、より特に0.5%〜1重量%の範囲の量で使用する。
【0087】
成分H)
成分H)として使用される、成分B)〜G)以外の好ましいさらなる添加剤としては、以下のものが挙げられる:潤滑剤および離型剤、UV安定剤、着色剤、鎖伸張性添加剤、抗酸化剤、可塑剤、流動助剤、熱安定剤、ガンマ線安定剤、加水分解安定剤、エラストマー変性剤、帯電防止剤、乳化剤、成核剤、加工助剤、垂れ防止剤、および成分B)、C)および適切である場合にE)以外のさらなる難燃剤。
【0088】
それらの添加剤は単独で使用することもでき、または混合物中/マスターバッチの形態で使用することもできる。
【0089】
先に挙げた理由から、ハロゲンフリーの添加剤を使用するのが好ましい。
【0090】
潤滑剤および離型剤は、一連の長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の塩、長鎖脂肪酸のエステル誘導体、およびモンタンワックスの少なくとも1種から選択するのが好ましい。
【0091】
好ましい長鎖脂肪酸は、ステアリン酸またはベヘン酸である。好ましい長鎖脂肪酸の塩は、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛である。好ましい長鎖脂肪酸のエステル誘導体は、ペンタエリスリトールをベースとするもの、より特にペンタエリスリトールのC
16〜C
18脂肪酸エステル[CAS No.68604−44−4]または[CAS No.85116−93−4]である。
【0092】
本発明に関連して、モンタンワックスは、28〜32個の炭素原子の鎖長を有する直鎖の飽和カルボン酸の混合物である。本発明では、8〜40個の炭素原子を有する飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸と2〜40個の炭素原子を有する脂肪族飽和アルコールとのエステル、および8〜40個の炭素原子を含む飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸の金属塩の群からの潤滑剤および/または離型剤を使用するのが特に好ましく、ここで極めて特に好ましいのは、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール、ステアリン酸カルシウム[CAS No.1592−23−0]、および/またはジモンタン酸エチレングリコール、ここでは特にLicowax(登録商標)E[CAS No.74388−22−0](Clariant(Muttenz,Basle)製)であり、極めて特に好ましいのは、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール[CAS No.115−83−3]、たとえば、Emery Oleochemicals GmbH(Duesseldorf,Germany)からLoxiol(登録商標)P861として入手可能なものである。
【0093】
使用するのに好適なUV安定剤は、置換されたレソルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾール、トリアジン誘導体、またはベンゾフェノンである。
【0094】
使用するのに好適な着色剤としては、以下のものが挙げられる:有機顔料好ましくは、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、および染料好ましくは、ニグロシン、またはアントラキノン、およびさらには無機顔料、特に二酸化チタン(すでに充填剤として使用していない場合)、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、硫化亜鉛、またはカーボンブラック。
【0095】
本発明における顔料として好適に使用される二酸化チタンのための有用な二酸化チタン顔料は、その親酸化物を硫酸法(SP)または塩素法(CP)により製造することが可能であり、アナターゼおよび/またはルチル構造、好ましくはルチル構造を有しているものである。その親酸化物は、安定化が必須ではないが、特定の安定化をするのが好ましく、CP親酸化物では、0.3〜3.0重量%(Al
2O
3として計算)のAlドーピングを行い、四塩化チタンを酸化させて二酸化チタンを形成させる場合の気相では、酸素を少なくとも2%過剰とする方法により、SP親酸化物の場合、たとえば、Al、Sb、Nb、またはZnを用いてドーピングする方法による。特に好ましいのは、Alを用いた「軽」安定化、またはAlの量がより多い場合、アンチモンを用いて補償したドーピングである。ペイントおよびコーティング、プラスチック物質などにおいて二酸化チタンを白色顔料として使用する場合、UV吸収が原因の望ましくない光触媒反応により、その顔料処理された物質の分解が引き起こされることは公知である。これには、二酸化チタン顔料が近紫外領域の光を吸収し、電子−正孔対が形成され、それが二酸化チタンの表面上に反応性の高いフリーラジカルを作り出す現象が含まれる。形成されたフリーラジカルが有機媒体中のバインダーの分解をもたらす。本発明において好ましいのは、二酸化チタンを無機的に後処理することにより、より好ましくはSiおよび/またはAlおよび/またはZrの酸化物を用いるか、および/またはSn化合物を使用することにより、二酸化チタンの光活性を低下させることである。
【0096】
二酸化チタン顔料の表面に、化合物SiO
2および/またはAl
2O
3および/または酸化ジルコニウムの非晶質の沈降酸化物水和物の被覆を有しているのが好ましい。Al
2O
3のシェルにより、ポリマーマトリックス中への顔料の分散が容易となり;SiO
2シェルにより、顔料表面における電荷の交換がより困難となり、それによってポリマーの分解が防止される。
【0097】
本発明では、その二酸化チタンが、特にシロキサンまたはポリアルコールを用いた親水性および/または疎水性の有機コーティングを備えているのが好ましい。
【0098】
本発明において成分H)の着色剤として好適に使用される二酸化チタン[CAS No.13463−67−7]は、好ましくは90nm〜2000nmの範囲、より好ましくは200nm〜800nmの範囲の中央粒径d50を有している。中央粒径d50は、粒子の50重量%がこのd50値よりも小さい球相当径を有する粒径分布から求めた数値である。ベースとなっている標準は、ISO 13317−3である。
【0099】
二酸化チタンについての粒径分布および平均粒径の記述は、それぞれの場合に熱可塑性プラスチック成形コンパウンド物中に組み入れる前のいわゆる表面ベースの粒径に基づいている。粒径は、本発明では、レーザー回折法によって求める;C.M.Keck,Moderne Pharmazeutische Technologie[Modern Pharmaceutical Technology],2009,Free University of Berlin,Chapter 3.1、またはQUANTACHROME PARTIKELWELT,NO6,June 2007,pages 1 to 16を参照されたい。
【0100】
市場で入手可能な二酸化チタンの例としては、Kronos(Dallas,USA)からのKronos(登録商標)2230、Kronos(登録商標)2233、Kronos(登録商標)2225、およびKronos(登録商標)vlp7000が挙げられる。
【0101】
顔料として使用される二酸化チタンは、それぞれの場合に100質量部の成分A)を基準にして、好ましくは0.1〜60質量部の範囲、より好ましくは1〜35質量部の範囲、最も好ましくは2〜20質量部の範囲の量で使用する。
【0102】
成分H)として、1分子あたり少なくとも2個、および15個以下の分岐性または鎖伸張性官能基を含む、二官能または多官能の分岐性または鎖伸張性添加剤を使用することも好適かつ可能である。適切な分岐性または鎖伸張性の添加剤としては、1分子あたり少なくとも2個で、かつ15個以下の分岐または鎖伸張作用を有する官能基を有し、一級および/または二級アミノ基、および/またはアミド基および/またはカルボン酸基と反応することが可能な低分子質量またはオリゴマー性の化合物が挙げられる。鎖伸張性官能基は、好ましくはイソシアネート、アルコール、ブロックトイソシアネート、エポキシド、無水マレイン酸、オキサゾリン、オキサジン、オキサゾロンであり、好ましいのはエポキシドである。
【0103】
特に好ましい二官能または多官能の分岐性または鎖伸張性添加剤としては、以下のものが挙げられる:ジグリシジルエーテルをベースとするジエポキシド(ビスフェノールおよびエピクロロヒドリン)、アミンエポキシ樹脂をベースとするジエポキシド(アニリンおよびエピクロロヒドリン)、ジグリシジルエステルをベースとするジエポキシド(脂環族ジカルボン酸およびエピクロロヒドリン)の単独または混合物の形態、ならびにさらには2,2−ビス[p−ヒドロキシフェニル]プロパンジグリシジルエーテル、ビス[p−(N−メチル−N−2,3−エポキシプロピルアミノ)フェニル]メタン、および1分子あたり少なくとも2個、および15個以下のエポキシ基を含むグリセロールのエポキシ化脂肪酸エステル。
【0104】
特に好ましい二官能または多官能の分岐性または鎖伸張性添加剤は、グリシジルエーテル、極めて特に好ましくはビスフェノールAジグリシジルエーテル[CAS No.98460−24−3]またはグリセロールのエポキシ化脂肪酸エステル、およびさらには極めて特に好ましくはエポキシ化ダイズ油[CAS No.8013−07−8]である。
【0105】
さらには、分岐/鎖伸張として特に好ましいのは、以下のものである:
1.少なくとも2個の遊離のアルコール性ヒドロキシ基および/またはフェノール性ヒドロキシ基を有する化合物と、適切に置換されたエピクロロヒドリンとをアルカリ性条件下で反応させるか、または酸性触媒の存在下の反応に続けてアルカリ処理することによって得ることが可能なポリまたはオリゴグリシジルまたはポリ(β−メチルグリシジル)エーテル。ポリまたはオリゴグリシジルまたはポリ(β−メチルグリシジル)エーテルは、好ましくは、非環状アルコール、特にエチレングリコール、ジエチレングリコールおよび高級ポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ビストリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールから、またはポリエピクロロヒドリンから誘導される。しかしながら、前記エーテルはさらに、好ましくは、脂環族アルコール、特に1,3−もしくは1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、または1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキセ−3−エンから誘導されるか、またはそれらに芳香族核が含まれ、特にN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、またはp,p’−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンである。エポキシ化合物はさらに、好ましくは、単環式フェノールから、特にレソルシノールまたはヒドロキノンから誘導されてもよく、または多環フェノール、特にビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンをベースとするか、もしくは酸性条件下でのフェノールとホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、特にフェノールノボラックをベースとしていてもよい。
2.エピクロロヒドリンと、少なくとも2個のアミノ水素原子を有するアミンとの反応生成物を脱塩化水素化することによって得ることが可能なポリまたはオリゴ(N−グリシジル)化合物。それらのアミンは、好ましくは、アニリン、トルイジン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−[キシリレンジアミン/キシリレンジアミン]、またはビス(4−メチルアミノフェニル)メタン、またはそうでなければ、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェニル、またはN,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノールである。しかしながら、それらのポリ(N−グリシジル)化合物にはさらに、好ましくは、シクロアルキレン尿素、特に好ましくはエチレン尿素または1,3−プロピレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、およびヒダントイン、特に5,5−ジメチルヒダントインのN,N’−ジグリシジル誘導体が含まれる。
3.ポリまたはオリゴ(S−グリシジル)化合物、特に、ジチオール、好ましくはエタン−1,2−ジチオールまたはビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルから誘導されるジ−S−グリシジル誘導体。
4.エポキシ化されたグリセロールの脂肪酸エステル、特にエポキシ化植物油。前記エステルは、不飽和脂肪酸のトリグリセリドの反応性オレフィン基をエポキシ化することによって得られる。エポキシ化されたグリセロールの脂肪酸エステルは、グリセロールの不飽和脂肪酸エステル、好ましくは植物油と、有機ペルオキシカルボン酸とから製造されてもよい(Prilezhaev反応)。エポキシ化植物油を製造するためのプロセスは、たとえばSmith,March,March’s Advanced Organic Chemistry(5th edition,Wiley−Interscience,New York,2001)に記載されている。エポキシ化されたグリセロールの脂肪酸エステルが、植物油であるのが好ましい。本発明で特に好ましいエポキシ化されたグリセロールの脂肪酸エステルは、エポキシ化大豆油[CAS No.8013−07−8]である。
5.スチレン、メタクリル酸グリシジル、およびアクリル酸および/またはメタクリル酸を重合させることによって得ることが可能なメタクリル酸グリシジル変性スチレン−アクリレートポリマー。
【0106】
成分H)として好適に使用される可塑剤は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル、炭化水素オイル、またはN−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドである。
【0107】
成分H)として好適に使用される流動助剤は、少なくとも1種のα−オレフィンと、少なくとも1種の脂肪族アルコールのメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとを含むコポリマーである。特に好ましいのは、少なくとも1種のα−オレフィンと、脂肪族アルコールのメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルの少なくとも1種とのコポリマーである。極めて特に好ましいのは、α−オレフィンと、脂肪族アルコールのアクリル酸エステルとのコポリマーである。ここで特に好ましいのは、そのα−オレフィンがエテンおよび/またはプロペンから形成され、そのメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルが、そのアルコール成分として、6〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含んでいるコポリマーである。エテンとアクリル酸2−エチルヘキシルとのコポリマーが極めて特に好ましい。本発明における流動助剤に適したコポリマーは、その組成だけでなく、その低分子量性の点でも注目に値する。したがって、特に好ましいのは、190℃、2.16kgの負荷下で測定して、少なくとも100g/10分、好ましくは少なくとも150g/10分、より好ましくは少なくとも300g/10分のMFIを有するコポリマーである。MFI、すなわちメルトフローインデックスは、熱可塑性プラスチックの溶融物の流動特性を表すために使用され、標準のISO 1133またはASTM D 1238に規定されている。本発明に関連して、MFI、およびMFIに関連するすべての数値は、ISO 1133に記載の標準法により、190℃、試験荷重2.16kgで測定するか、または求めたものである。
【0108】
成分H)として好適に使用するためのエラストマー変性剤には、以下のものからなる1種または複数のグラフトポリマーが含まれているのが好ましい:
H.1:5%〜95重量%、好ましくは30%〜90重量%の少なくとも1種のビニルモノマー、
H.2:95%〜5重量%、好ましくは70%〜10重量%の、<10℃、好ましくは<0℃、より好ましくは<−20℃のガラス転移温度を有する1種または複数のグラフトベース。この場合の重量パーセントは、100重量%の成分H)を基準にしたものである。
【0109】
グラフトベースのH.2は、一般的には0.05〜10μmの範囲、好ましくは0.1〜5μmの範囲、より好ましくは0.2〜1μmの範囲の中央粒径(d50)を有している。
【0110】
モノマーH.1は、以下のものの混合物であるのが好ましい:
H.1.1:50%〜99重量%のビニル芳香族化合物および/または環置換されたビニル芳香族化合物、特に、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、および/またはメタクリル酸(C
1〜C
8)−アルキル、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ならびに
H.1.2:1%〜50重量%のビニルシアニド、特に、不飽和ニトリル、たとえば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、および/または(メタ)アクリル酸(C
1〜C
8)−アルキル、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、および/または誘導体、特に不飽和カルボン酸の無水物およびイミド、特に無水マレイン酸またはN−フェニルマレイミド。この場合の重量パーセントは、100重量%の成分H)を基準にしたものである。
【0111】
好適なモノマーH.1.1は、スチレン、α−メチルスチレンおよびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択され、好適なモノマーH.1.2は、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メタクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択される。
【0112】
特に好適なモノマーは、H.1.1ではスチレン、H.1.2ではアクリロニトリルである。
【0113】
エラストマー変性剤において使用するグラフトポリマーに好適なグラフトベースのH.2の例は、ジエンゴム、EPDMゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび任意選択的にジエンをベースとするもの、さらにはアクリル酸エステル、ポリウレタン、シリコーン、クロロプレン、およびエチレン/酢酸ビニルゴムである。EPDMは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを表している。
【0114】
好適なグラフトベースH.2は、ジエンゴム、特にブタジエン、イソプレンなどをベースとするもの、またはジエンゴムもしくはジエンゴムのコポリマーもしくはそれらの混合物と、さらなる共重合性モノマー、特にH.1.1およびH.1.2に記載のものとの混合物であるが、ただし、成分H.2のガラス転移温度は、<10℃、好ましくは<0℃、より好ましくは<−10℃である。
【0115】
特に好適なグラフトベースH.2は、ABSポリマー(エマルション法、バルク法、および懸濁法のABS)であり、ここでABSは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンを表しており、たとえば以下の文献に記載されている:独国特許出願公開第A2 035 390号明細書、または独国特許出願公開第A2 248 242号明細書、またはUllmann,Enzyklopaedie der Technischen Chemie,vol.19(1980),p.280ff。
【0116】
それらのエラストマー変性剤/グラフトポリマーは、フリーラジカル重合、好ましくはエマルション重合、懸濁重合、溶液重合、またはバルク重合、特にエマルション重合またはバルク重合で製造される。
【0117】
特に好適なグラフトゴムとしてはさらに、ABSポリマーが挙げられ、これは、米国特許第A4 937 285号明細書に従った、有機過酸化物とアスコルビン酸とからなる重合開始剤系を用いた酸化還元開始法によって製造される。
【0118】
周知のように、グラフト化反応では、グラフトモノマーがグラフトベース上にすべてグラフトされなければならないわけではないため、グラフトポリマーは、本発明では、グラフトベースの存在下でグラフトモノマーを(共)重合させ、さらに仕上げ作業によって得られた反応生成物を意味していると理解されたい。
【0119】
同様に好適なアクリレートゴムは、好ましくはアクリル酸アルキルのポリマーであるグラフトベースH.2をベースとし、任意選択的にH.2を基準にして、最高40重量%までのその他の重合性エチレン性不飽和モノマーを組み合わせたものである。好適な重合性アクリル酸エステルとしては、以下のものが挙げられる:C
1〜C
8−アルキルエステル、たとえばメチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステル;ハロアルキルエステル、好ましくはハロC
1〜C
8−アルキルエステル、好ましくはアクリル酸クロロエチル、グリシジルエステル、ならびにそれらのモノマーの混合物。これに関連して特に好ましいのは、コアとしてのアクリル酸ブチルとシェルとしてのメタクリル酸メチルを含むグラフトポリマー、より特にParaloid(登録商標)EXL2300(Dow Corning Corporation(Midland Michigan,USA)製)である。
【0120】
H.2として好適なさらなるグラフトベースは、以下の特許に記載されているような活性なグラフトサイトを有するシリコーンゴムである:独国特許出願公開第A3 704 657号明細書、独国特許出願公開第A3 704 655号明細書、独国特許出願公開第A3 631 540号明細書、および独国特許出願公開第A3 631 539号明細書。
【0121】
シリコーンを部分的に含む好ましいポリマーは、シェルとしてメタクリル酸メチルまたはスチレン−アクリロニトリルを、およびコアとしてシリコーン/アクリル酸エステルグラフト物を含むものである。使用することが可能である、シェルとしてスチレン−アクリロニトリルを含むものとしては、たとえば、Metablen(登録商標)SRK200が挙げられる。使用することが可能である、シェルとしてメタクリル酸メチルを含むものとしては、たとえば、Metablen(登録商標)S2001、Metablen(登録商標)S2030および/またはMetablen(登録商標)SX−005が挙げられる。使用するのに特に好ましいのは、Metablen(登録商標)S2001である。Metablen(登録商標)の商品名がついた製品は、三菱レイヨン株式会社(日本国、東京)から入手することが可能である。
【0122】
架橋は、2個以上の重合性二重結合を含む共重合性モノマーによって達成することが可能である。架橋性モノマーの好ましい例としては、以下のものが挙げられる:3〜8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸と、3〜12個の炭素原子を有する不飽和1価アルコールまたは2〜4個のOH基および2〜20個の炭素原子を有する飽和ポリオールとのエステル、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル;ポリ不飽和ヘテロサイクリック化合物、好ましくはトリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート;多官能ビニル化合物、好ましくはジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼン、さらにはリン酸トリアリルおよびフタル酸ジアリル。
【0123】
好適な架橋性モノマーは、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、および少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有するヘテロサイクリック化合物である。
【0124】
特に好適な架橋性モノマーは、環状モノマーのトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋されるモノマーの量は、100重量%のグラフトベースH.2を基準にして、好ましくは0.02%〜5重量%、特に0.05%〜2重量%である。
【0125】
少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環状の架橋性モノマーの場合、100重量%のグラフトベースH.2を基準にして、1重量%未満の量に制限するのが有利である。
【0126】
アクリルエステルに加えて、任意選択的にグラフトベースH.2を調製するために使用することが可能な好ましい「その他の」重合性でエチレン性の不飽和モノマーとしては以下のものが挙げられる:アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC
1〜C
6−アルキルエーテル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、ブタジエン。グラフトベースのH.2として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有するエマルションポリマーである。
【0127】
グラフトポリマーをベースとするエラストマー変性剤と共に、同様に使用することが可能なその他の物質は、グラフトポリマーをベースとせず、10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−20℃未満のガラス転移温度を有するエラストマー変性剤である。好ましくは、これらには、ブロックコポリマー構造を有するエラストマーおよびそれに加えて、熱可塑性的に溶融することが可能なエラストマー、特に、EPM、EPDMおよび/またはSEBSゴム(EPM=エチレン−プロピレンコポリマー、EPDM=エチレン−プロピレン−ジエンゴム、SEBS=スチレン−エテン−ブテン−スチレンコポリマー)が含まれる。
【0128】
成分H)として使用するのに好適なさらなる難燃剤は、成分C)およびE)と異なっており、ハロゲンフリーのものである。
【0129】
成分H)として好適に使用されるさらなるリン含有難燃剤としては、たとえば、以下の群からのリン化合物が挙げられる:無機金属のホスフィン酸塩、特にホスフィン酸アルミニウムおよびホスフィン酸亜鉛、モノもしくはオリゴマー性のリン酸およびホスホン酸エステル、特にリン酸トリフェニル(TPP)、ビス(ジフェニルリン酸)レソルシノール(RDP)、ビス(ジフェニルリン酸)ビスフェノールA(BDP)(オリゴマーを含む)、ポリホスホン酸塩、特にビスフェノールA−メチルホスホン酸ジフェニルのコポリマー、たとえばNofia(商標)HM1100[CAS No.68664−06−2](FRX Polymers(Chelmsford,USA)製)、さらには9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン 10−オキシの誘導体(DOPO誘導体)、ホスホン酸塩アミン、金属のホスホン酸塩、特にホスホン酸アルミニウム、およびホスホン酸亜鉛、ホスフィンオキシド、およびホスファゼン。ここで特に好ましいホスファゼンは、フェノキシホスファゼンオリゴマーである。ホスファゼンおよびそれらの調製法は、たとえば欧州特許出願公開第A728 811号明細書、独国特許出願公開第A1961668号明細書、および国際公開第A97/40092号パンフレットに記載されている。本発明において使用するのに特に好ましいのは、環状のフェノキシホスファゼン、たとえば2,2,4,4,6,6−ヘキサヒドロ−2,2,4,4,6,6−ヘキサフェノキシトリアザトリホスホリン[CAS No.1184−10−7]、および/またはたとえば株式会社伏見製薬所(日本国、香川)からRabitle(登録商標)FP110の名称で得られるもの[CAS No.1203646−63−2]である。
【0130】
成分H)のさらなる難燃剤として、成分C)およびE)以外のさらなる窒素含有難燃剤を個別にまたは混合物中で使用することも同様に可能である。
【0131】
好ましいのは、グアニジン塩、特にグアニジン炭酸塩、一級グアニジンシアヌレート、一級グアニジンリン酸塩、二級グアニジンリン酸塩、一級グアニジン硫酸塩、二級グアニジン流酸塩、グアニジンペンタエリスリチルホウ酸塩、グアニジンネオペンチルグリコールホウ酸塩、尿素リン酸塩、および尿素シアヌレートである。さらに、メレム、メラムおよびメロンと縮合リン酸との反応生成物を使用することも可能である。同様に好適なのが、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートまたはそのカルボン酸との反応生成物、ベンゾグアナミンおよびそのアダクトおよび/または塩、さらには窒素上で置換されているその反応生成物、ならびにそれらの塩およびアダクト物である。好適なさらなる窒素含有成分としては、アラントイン化合物、およびそれとリン酸、ホウ酸またはピロリン酸との塩、さらにはグリコルリルまたはそれらの塩が挙げられる。成分C)およびE)とは別のその他の好ましい窒素含有難燃剤は、トリクロロトリアジン、ピペラジン、およびモルホリンの反応生成物[CAS No.1078142−02−5]、特にMCA PPM Triazin HF(MCA Technologies GmbH(Biel−Benken,Switzerland)製)である。
【0132】
本明細書で特に取り上げなかったその他の難燃剤または難燃相乗剤を成分H)としてさらに採用してもよい。そのようなものとしては、特に成分B)とは別の純粋に無機のリン化合物、より特に赤リンまたはリン酸ホウ素水和物が挙げられる。さらに、鉱物質の難燃添加剤または脂肪族および芳香族のスルホン酸の塩、特に1−ペルフルオロブタンスルホン酸の金属塩を使用することも可能である。それらに加えて好適なのは、以下の群からの難燃相乗剤である:その金属がアンチモン、亜鉛、モリブデン、カルシウム、チタン、マグネシウム、またはホウ素である、酸素含有、窒素含有、または硫黄含有金属化合物、好ましくは、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化モリブデン、ならびに着色剤としてすでに使用されているものでなければ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、窒化亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、またはそれらの混合物。
【0133】
適切であり、成分H)として好適に使用されるさらなる難燃添加剤としては以下のものが挙げられる:炭化層形成剤、より好ましくはポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニル)エーテル、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル[CAS No.25134−01−4]、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンまたはポリエーテルケトン、さらには垂れ防止剤、特にテトラフルオロエチレンポリマー。テトラフルオロエチレンポリマーは、純粋な形態で採用してもよく、または他の樹脂、好ましくはスチレン−アクリロニトリル(SAN)、またはアクリレート類、好ましくはメタクリル酸メチルおよび/またはアクリル酸ブチルと組み合わせて採用してもよい。テトラフルオロエチレン−スチレン−アクリロニトリル樹脂の特に好適な例は、たとえばCycolac(登録商標)INP 449[CAS No.1427364−85−9](Sabic Corp(Riyadh,Saudi Arabia)製)であり、テトラフルオロエチレン−アクリレート樹脂の特に好適な例は、たとえば、Metablen A3800[CAS No.639808−21−2](三菱レイヨン株式会社(日本国、東京)製)である。本発明において成分H)として使用されるテトラフルオロエチレンポリマーを含む垂れ防止剤は、それぞれの場合に100質量部の成分A)を基準にして、好ましくは0.01〜5質量部の範囲、より好ましくは0.05〜2質量部の範囲の量で使用される。
【0134】
使用する必要がある場合、本発明の1つの実施形態において、成分H)として、成分C)およびE)以外のハロゲン化難燃剤を使用することも可能である。それらには、相乗剤の存在下または非存在下での標準的な有機ハロゲン化合物が含まれる。ハロゲン化化合物、特に臭素化および塩素化化合物としては、好ましくは、以下のものが挙げられる:エチレン−1,2−ビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート、テトラクロロビスフェノールAオリゴカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、臭素化ポリスチレン、および臭素化ポリフェニレンエーテル。
【0135】
成分H)として追加使用するための難燃剤は、ポリアルキレンテレフタレートまたはポリシクロアルキレンテレフタレートに、純品の形態でおよびさらにはマスターバッチを介して、または高密度化調製物として添加することができる。
【0136】
成分H)として好適に使用される熱安定剤は、以下の群から選択される:硫黄含有安定剤、特にスルフィド、ジアルキルチオカルバメート、またはチオジプロピオン酸、さらには鉄塩および銅塩の群から選択されるもの、後者の場合では特に、好ましくはヨウ化カリウムおよび/または次亜リン酸ナトリウムNaH
2PO
2と組み合わせて使用されるヨウ化銅(I)、さらには立体障害アミン、特にテトラメチルピペリジン誘導体、芳香族二級アミン、特にジフェニルアミン、ヒドロキノン、置換レソルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾール、およびベンゾフェノン、ならびにさらに立体障害フェノール、および脂肪族または芳香族で置換された亜リン酸塩、さらにはこれらの群の各種置換された典型物。
【0137】
立体障害フェノールの中でも採用するのに好ましいのは、少なくとも1個の3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル構成単位および/または少なくとも1個の3,5−ジ(tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)構成単位を有するものであり、特に好ましいのは以下のものである:1,6−ヘキサンジオール ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][CAS No.35074−77−2](Irganox(登録商標)259(BASF SE(Ludwigshafen,Germany)製)、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][CAS No.6683−19−8](Irganox(登録商標)1010、BASF SE製)、および3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン[CAS No.90498−90−1](ADK Stab(登録商標)AO 80)。ADK Stab(登録商標)AO 80は、Adeka−Palmerole SAS(Mulhouse,France)から市販されている。
【0138】
使用される脂肪族または芳香族で置換された亜リン酸塩の中で好ましいのは、二亜リン酸ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール[CAS No.154862−43−8](これは、たとえばDover Chemical Corp.(Dover,USA)からDoverphos(登録商標)S9228の商品名で入手可能)、およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジイル ビスホスホナイト[CAS No.38613−77−3](これは、たとえば、Clariant International Ltd.(Muttenz,Switzerland)からのHostanox(登録商標)P−EPQである)である。
【0139】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)マグネシウム、およびE)メラミンシアヌレートを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0140】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)マグネシウム、E)メラミンシアヌレート、およびF)硫酸バリウムを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0141】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)マグネシウム、E)メラミンシアヌレート、F)硫酸バリウム、およびG)ガラス繊維、好ましくはEガラスのガラス繊維、より好ましくは10〜12μmの範囲の中央繊維直径および/または4.5mmの中央繊維長さを有するガラス繊維を含むハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0142】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)トリス(リン酸二水素)アルミニウム、およびE)メラミンシアヌレートを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0143】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)トリス(リン酸二水素)アルミニウム、E)メラミンシアヌレート、およびF)硫酸バリウムを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0144】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)トリス(リン酸二水素)アルミニウム、E)メラミンシアヌレート、F)硫酸バリウム、およびG)ガラス繊維、好ましくはEガラスのガラス繊維、より好ましくは10〜12μmの範囲の中央繊維直径および/または4.5mmの中央繊維長さを有するガラス繊維を含むハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0145】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛、およびE)メラミンシアヌレートを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0146】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛、E)メラミンシアヌレート、およびF)硫酸バリウムを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0147】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛、E)メラミンシアヌレート、F)硫酸バリウム、およびG)ガラス繊維、好ましくはEガラスのガラス繊維、より好ましくは10〜12μmの範囲の中央繊維直径および/または4.5mmの中央繊維長さを有するガラス繊維を含むハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0148】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物、およびE)メラミンシアヌレートを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0149】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物、E)メラミンシアヌレート、およびF)硫酸バリウムを含む、ハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0150】
好ましい実施形態では、本発明は、A)ポリブチレンテレフタレート、B)トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム、C)メレム、D)ビス(リン酸二水素)亜鉛二水和物、E)メラミンシアヌレート、F)硫酸バリウム、およびG)ガラス繊維、好ましくはEガラスのガラス繊維、より好ましくは10〜12μmの範囲の中央繊維直径および/または4.5mmの中央繊維長さを有するガラス繊維を含むハロゲンフリーの組成物、ならびにそれから製造することが可能な成形コンパウンド物および製品にさらに関する。
【0151】
使用
本発明は、ハロゲンフリーのポリエステルベースの組成物、成形コンパウンド物、および製品、好ましくは漏れ電流抵抗性製品、より好ましくは電気または電子用集成部品および構成部品を製造するための、成分B)、C)、D)およびE)の使用にさらに関し、ここで、そのポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリシクロアルキレンテレフタレートの群から選択される。
【0152】
本発明は、ハロゲンフリーのポリエステルベースの製品、好ましくは電気または電子産業用の製品の漏れ電流抵抗性を向上させるための、成分B)、C)、D)およびE)の使用にもさらに関し、ここで、使用されるポリエステルは、少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレート、および/または少なくとも1種のポリシクロアルキレンテレフタレート、特に少なくともポリブチレンテレフタレートである。
【0153】
プロセス
さらなる使用のための本発明におけるハロゲンフリーの成形コンパウンド物の配合は、少なくとも1種の混合装置、好ましくはコンパウンダー中で少なくとも成分A)、B)、C)、D)、およびE)を混合することにより実施される。これにより、中間体としての、本発明による組成物をベースとする成形組成物が得られる。その成形コンパウンド物は、最終的には、適切な方法により製品を製造するために使用される。
【0154】
本発明は、ハロゲンフリーの製品、好ましくは電気または電子産業用、より好ましくは電子または電気用集成部品および構成部品を製造するためのプロセスにもさらに関し、それは、本発明における組成物を混合して成形コンパウンド物をもたらし、それを押出し物の形態で排出し、その押出し物をペレット化が可能になるまで冷却し、それをペレット化し、最後にそのペレット化物を射出成形または押出成形の操作、好ましくは射出成形の操作にかけてマトリックス材料の形態にすることによるものである。1つの実施形態では、成形コンパウンド物を排出して押出し物に成形し、それをペレット化させることなく、成形コンパウンド物を射出成形または押出成形に直接送ることも可能である。
【0155】
240〜310℃の範囲、好ましくは260〜300℃の範囲、より好ましくは270〜295℃の範囲の温度で混合して溶融物とするのが好ましい。この目的では、二軸エクストルーダーを使用するのが特に好ましい。
【0156】
1つの実施形態では、本発明の組成物を含むペレットを、好ましくは真空乾燥キャビネットまたは乾燥空気ドライヤー中、約120℃の範囲の温度で2時間の範囲の時間をかけて乾燥させた後、マトリックス材料として射出成形または押出成形プロセスにかけて本発明による製品を製造する。
【0157】
本発明は、ポリエステルベースのハロゲンフリーの製品の漏れ電流抵抗性の改良にもさらに関し、それは、少なくとも成分B)、C)、D)およびE)を成分A)と共に組成物として加工して成形コンパウンド物を得て、それらを射出成形または押出成形の操作にかけることによるものであり、そこで使用されるポリエステルは、少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレート、および/または少なくとも1種のポリシクロアルキレンテレフタレート、特に少なくともポリブチレンテレフタレートである。
【0158】
熱可塑性プラスチック成形コンパウンド物の射出成形および押出成形のプロセスは当業者に公知である。
【0159】
押出成形または射出成形によってポリエステルベースのハロゲンフリーな製品を製造するための本発明による方法は、240〜330℃の範囲、好ましくは260〜300℃の範囲、より好ましくは270〜290℃の範囲の溶融温度と、さらに任意選択的に2500bar以下の圧力、さらに好ましくは2000bar以下の圧力、より好ましくは1500bar以下の圧力、極めて好ましくは750bar以下の圧力とで実施される。
【0160】
逐次共押出法では、2種の異なる材料を連続的に交互の順で押出加工することが含まれる。このようにすると、押出される方向に交互に異なる材料組成物を有するプリフォームが形成される。材料を相応に選択することにより、物品の特定の部分に特定の要求性能を備えさせることが可能となり、そのような物品の例としては、たとえば、軟質の末端部と硬質の中央部とを有する物品、または一体化された軟質の蛇腹領域を有する物品が挙げられる(Thielen,Hartwig,Gust,“Blasformen von Kunststoffhohlkoerpern”,Carl Hanser Verlag,Munich 2006,pages 127−129)。
【0161】
射出成形の方法では、好ましくはペレットの形態にある、本発明による組成物を含む成形コンパウンド物を加熱した円筒キャビティ内で溶融させ(すなわち,可塑化させ)、加圧下に温度調節したキャビティ内に射出成形コンパウンド物として射出する。その材料を冷却(固化)させてから、射出成形物を脱型させる。
【0162】
下記の操作に区別される:
1.可塑化/溶融
2.射出相(充填操作)
3.圧力保持相(結晶化の際の熱収縮のため)
4.脱型。
【0163】
これに関して、http://de.wikipedia.org/wiki/Spritzgie%C3%9Fenを参照されたい。射出成形機には型締めユニット、射出ユニット、駆動系および制御系が含まれる。型締めユニットには、金型のための固定および移動熱盤および端盤、さらにはタイバーおよび移動型熱盤のための駆動系(トグリング機構または油圧型締めユニット)が含まれる。
【0164】
射出ユニットには電気加熱可能なバレル、スクリューのための駆動装置(モーター、伝送)、およびスクリューおよび射出ユニットを移動させるための油圧系が含まれる。射出ユニットは、粉体/ペレット化された原料についての溶融、計量、射出、および圧力保持(収縮のため)の機能を果たす。スクリュー内部での溶融物の逆流(漏れ流れ)の問題は、逆止弁によって解決される。
【0165】
射出成形では、流入してくる溶融物を次いで分離および冷却することにより、作成するべき製造物品を作成する。したがって、いずれの場合でも2つ割りの金型が必要となる。射出成形では、次のような機能系に区別される。
− ランナー系
− 成形インサート系
− ベント系
− マシンマウントおよび力吸収系
− 脱型系および移動伝送系
− 温度制御系
【0166】
射出成形とは対照的に、押出成形には、エクストルーダー内で本発明による成形コンパウンド物の無限のプラスチック押出し物を使用することが含まれ、そのエクストルーダーとは、形状化された熱可塑性プラスチック成形物を製造するための機械である。これについては、http://de.wikipedia.org/wiki/Extrusionsblasformenを参照されたい。一軸スクリューエクストルーダーと二軸スクリューエクストルーダーとの間、さらにそれらそれぞれの細分類の通常の一軸スクリューエクストルーダー、輸送一軸スクリューエクストルーダー、逆方向回転二軸スクリューエクストルーダー、同方向回転二軸スクリューエクストルーダーの間では区別がある。
【0167】
押出成形設備にはエクストルーダー、金型、下流の装置、押出しブロー金型の要素が含まれる。異形材を製造するための押出成形設備には、以下の要素が含まれる:エクストルーダー、異形材金型、検量ユニット、冷却ゾーン、キャタピラー引取りおよびローラー引取り、分離装置、および傾斜シュート。
【0168】
その結果、本発明は、本発明における組成物から得ることが可能な成形コンパウンド物を押出成形、好ましくは異形材押出成形するか、または射出成形することにより得ることが可能なハロゲンフリーの製品、特に漏れ電流抵抗性でハロゲンフリーの製品にもさらに関する。
【実施例】
【0169】
グローワイヤ抵抗性および機械的性質における本発明で記述された改良を説明することを目的として、相当するハロゲンフリーの成形コンパウンド物を最初にコンパウンディングにより作成した。この目的のために、個々の成分をCoperion Werner&Pfleiderer(Stuttgart,Germany)からの二軸スクリューエクストルーダー(ZSK 26 Mega Compounder)内で260〜290℃の範囲の温度で混合し、押出し物の形態で排出させ、それらがペレット化できるまで冷却し、ペレット化させた。(一般的には真空乾燥キャビネット中、120℃で2時間)乾燥させてから、ペレットを加工して試験片を作成した。
【0170】
表1に示した検討のための試験片は、Arburg 320−210−500射出成形機で、溶融温度260℃、型温度80℃で射出成形したものである。
− 試験ロッド:80mm・10mm・4mm(ISO 178またはISO 180/1Uに準拠)
− グローワイヤ試験のための試験片:IEC 60695−2−13
【0171】
曲げ強度は、ISO 178に従い、80mm・10mm・4mmの寸法を有する試験片についての曲げ試験により得た。
【0172】
耐衝撃性は、ISO 180−1Uに従い、80mm・10mm・4mmの寸法を有する試験片についてのIZOD法により得た。
【0173】
グローワイヤ抵抗性は、IEC 60695−2−13に従ったGWIT試験をベースにして求めた。GWIT試験に関連して、報告された数値はグローワイヤ発火温度であり、これは連続して3回の試験でグローワイヤへの曝露時間中に発火に至らなかった最大のグローワイヤ温度よりも25K(または900℃〜960℃の範囲の温度の場合には30K)高い温度である。ここにおける発火とは、5秒以上の燃焼時間を有する火炎と理解されたい。この試験では、直径80mm、厚み0.75mmの円板を使用した。燃焼性が全くないこと(すなわち、燃焼時間0秒)を目的とした、本発明の基礎をなす対象物に関しては、IEC 60695−2−13に従って分類に加えて、800℃のグローワイヤ温度での燃焼時間も報告した。
【0174】
溶融粘度は、それぞれの場合にペレットについて、ISO 1133−1に従い、温度260℃、適用荷重2.16kgでの溶融物体積流量(MVR)の形式で測定した。使用したポリマーの初期の粘度と比較して、MVRは、加熱負荷の結果としてのポリマーの分解の目安である。MVRの数値が大きいことは、溶融粘度が低い、したがって熱分解が大きいことを表している。
【0175】
反応剤:
成分A):直鎖状のポリブチレンテレフタレート(Pocan(登録商標)B1300、Lanxess Deutschland GmbH(Leverkusen,Germany)からの市販品)、固有粘度93cm
3/g(フェノール:1,2−ジクロロベンゼン=1:1中、25℃で測定)
成分B):トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミニウム[CAS No.225789−38−8](Exolit(登録商標)OP1230、Clariant SE(Muttenz,Switzerland)製)
成分C):メレム[CAS No.1502−47−2]、メラミン含量1%未満(Delacal NFR、Delamin Ltd.(Derby,UK)製)
成分D):ビス(リン酸二水素)マグネシウム[CAS No.13092−66−5]
成分E):メラミンシアヌレート、(Melapur(登録商標)MC25(BASF SE(Ludwigshafen,Germany)製)
成分F):硫酸バリウム[CAS No.7727−43−7](BLANC FIXE Super F、Sachtleben Chemie GmbH(Duisburg,Germany)製)
成分G):シラン含有化合物を用いてサイジングした直径が10μmのガラス繊維(CS7967、Lanxess N.V.(Antwerp,Belgium)からの市販製品)
実施例において成分H/1として使用されたさらなる成分H)の添加剤は、難燃性の熱可塑性ポリエステルにおいて慣用される以下の成分であった。
離型剤:ペンタエリスリチルテトラステアレート(PETS)[CAS No.115−83−3](Loxiol(登録商標)VPG861、Coginis Deutschland GmbH(Duesseldorf,Germany)製)
熱安定剤:テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジイル ビスホスホナイト[CAS No.38613−77−3](Hostanox(登録商標)P−EPQ、Clariant International Ltd.(Muttenz,Switzerland)製)
添加剤:ポリテトラフルオロエチレン[CAS No.9002−84−0](Dyneon(登録商標)PA5932、Dyneon GmbH&Co KG(Neuss,Germany)製)
【0176】
使用されたさらなる添加剤(成分H/1)は、それぞれの場合に本発明実施例および比較例に対応する物質および量の点で対応している。
【0177】
【表1】
【0178】
溶融物における損傷の目安として、ISO 1133に従い、Zwick/Roell B4106.200フロー試験装置を用い、滞留時間5分でMVR測定を実施した。フロー試験装置中滞留時間5分の後に試験をすることにより、それに先立つ二軸エクストルーダー内でのコンパウンディングの際の溶融物における分解の相対的な評価が可能となる。
【0179】
ISO 1133に従い260℃、荷重2.16kgで測定した実施例1におけるMVR値が、比較例1および比較例2の高いMVR値と比較して、同一の成分A)でありながらもより低く、これは、成分C/1および成分D/1を含む本発明の組合せを使用した場合、ポリマー分解が少ない証拠である。上述のそれら2種の成分のうちの少なくとも1種が欠けた場合、MVR値が高くなるだけでなく、本発明が取り組もうとした前述の問題点に関して機械的性質またはグローワイヤ抵抗性のいずれかが不十分となる。