(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加熱チャンバーおよび凝縮チャンバーを画定するハウジングであって、前記ハウジングは、前記加熱チャンバー中への吸着ポート、前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の脱着ポート、および前記凝縮チャンバーから外への通気ポートを有する、ハウジングと、
前記加熱チャンバー中に位置する乾燥剤と、
前記加熱チャンバー中に保持されおよび前記加熱チャンバーを加熱するように構成されたヒーターと、
弁アセンブリであって、前記ハウジングによって保持され、ならびに、
前記弁アセンブリが前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の前記脱着ポートを密閉し、および前記加熱チャンバーの中へ水蒸気を送るために前記加熱チャンバーの中への前記吸着ポートを開く吸着位置と、
前記弁アセンブリが、前記吸着ポートを密閉し、および水蒸気を前記加熱チャンバーから外へ送るために前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の前記脱着ポートを開く脱着位置と、の間を移行できる、弁アセンブリと、
を含む、装置。
前記弁アセンブリが、前記脱着位置において前記吸着ポートを密閉するように構成された吸着ポートカバーおよび前記吸着位置において前記脱着ポートを密閉するように構成された脱着ポートカバーをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
前記加熱チャンバーを断熱するような構造の断熱材をさらに含み、ならびに前記断熱材が、前記ハウジング中に位置しおよび前記加熱チャンバーに隣接している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
前記乾燥剤から放たれた粒子が内側環境に入ることを妨げるように構成された、前記ハウジングと前記内側環境との間に位置する膜をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
前記弁アセンブリが、吸着ポートカバー、および脱着ポートカバーを含み、前記脱着ポートカバーが前記凝縮チャンバー中に位置し、および前記吸着ポートカバーおよび前記脱着ポートカバーの少なくとも1つがガスケットを含む、請求項6に記載の装置。
前記弁アセンブリが、1つまたは2つ以上の開口をスライドさせて前記吸着ポートおよび前記脱着ポートの1つと位置合わせすることによって移行するように構成されている1つまたは2つ以上の開口を含む、請求項14に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、筺体を画定し、および内側環境16から外側環境14を分離する筺体ハウジング12を含むシステム10の部分的な上面図である。本明細書中で使用される場合、「外側」および「内側」は、例えば、筺体ハウジングの反対側上にある、筺体ハウジング12に対する空間を記載するように使用される用語である。
図1に示すように、システム10は、筺体ハウジング12によって保持され、および外側環境および内側環境14、16と連通した湿気ポンプ20をまた含む。
【0029】
いくつかの態様において、電球などの加熱源(示されていない)は、内側環境16中に位置する。システム10は、加熱源が自動車用途の要求によってオンおよびオフをサイクルする、ヘッドランプなどの自動車用途において使用される。湿気ポンプ20のためのほかの潜在的用途は、種々の電子筺体を含む。1つの例では、電子筺体は、サイクルで加熱源として機能する電子構成部分を有する。ヘッドランプかまたはほかの加熱源かどうかで、加熱源のサイクルは、湿気18(例えば、空気中の湿気または水蒸気)を、システム10の内側環境16中に蓄積させる。湿気の存在は、システム10の内側環境16に曝された加熱源またはほかの構成部分、特に電気または電子構成部分の有用なライフサイクルを減少させる場合がある。
【0030】
具体的に説明したように、湿気ポンプ20は、筺体ハウジング12に隣接して位置しておりおよび外側環境14および内側環境16に曝されている。湿気ポンプ20は、湿気18を内側環境16から出て外側環境14へと向かわせる。示されているように、湿気ポンプ20は、種々の形が考えられるが、概して円筒形を有する。
【0031】
図1Aは、ポンプハウジング25(部分的切り欠き図で示されている)、乾燥剤26(部分的切り欠き図で示されている)、ヒーター27、ヒートシンク28(部分的切り欠き図で示されている)、およびポンプハウジング25によって規定された1つまたは2つ以上のチャンバーの中へおよびそうしたチャンバーから外へ水蒸気を選択的に送ることができるように移行できる弁アセンブリ29(部分的切り欠き図で示されている)を有するいくつかの態様による湿気ポンプ20の切り欠き斜視図である。
【0032】
ポンプハウジング25は、筺体ハウジング12と伴に、任意選択的に気密、防湿、および防水シールの少なくとも1つを形成する。いくつかの態様において、湿気ポンプ20は、湿気18を内側環境16からポンプハウジング25の内側の1つまたは2つ以上のチャンバーに向かわせ、および湿気18を1つまたは2つ以上のチャンバーから外側環境14に向かわせる。このように、湿気ポンプ20は、内側環境16からの湿気18の除去を促進し、システム10の内側環境16に曝される加熱源またはほかの構成部分の有用なライフサイクルを伸ばす。
【0033】
図2は、いくつかの態様による湿気ポンプ10のポンプハウジング25の切り欠き上面図である。別個の、接続された部品も考えられるが、示されているように、ポンプハウジング25は、単一片の材料でできている。一般的には、ポンプハウジング25は、湿気を含有するかまたは送るための1つまたは2つ以上のチャンバーを画定する。
図2に示すように、ポンプハウジング25は、加熱チャンバー30、加熱チャンバー30に隣接した凝縮チャンバー35、および加熱チャンバー30に隣接したくずチャンバー36を画定する。運転中では、水蒸気は、(例えば、くずチャンバー36を通って)加熱チャンバー30の中へ、そして次に加熱チャンバー30から凝縮チャンバー35に選択的に送られる。
【0034】
示されているように、ポンプハウジング25は、加熱チャンバー30、凝縮チャンバー35、およびくずチャンバー36の少なくとも側面の境界を形成する壁39を含む。凝縮チャンバー35において、壁39の内側表面は、水蒸気が集まりまたは液体として凝結する場所として任意選択的に機能し、凝縮チャンバー35の空気中の湿気を減少させる凝縮表面を画定する。
【0035】
示されているように、ポンプハウジング25はまた、吸着ポート40、脱着ポート45、および通気ポート50を有し、ここで、吸着ポート40は水蒸気を加熱チャンバー30中へ送るための領域を提供し、および脱着ポート45は水蒸気を加熱チャンバー30から出て凝縮チャンバー35の中へ送るための領域を提供する。示されているように、脱着ポート45は加熱チャンバー30と凝縮チャンバー35との間に位置し、および種々の形が考えられるが、概してポンプハウジング25が直径で小さくなる領域に相当する。より詳細に記載されるであろうように、チャンバー30、35、36は典型的には弁および/またはフィルター(例えば、膜)構造によって選択的にまたは連続的にのいずれかで分離されている。
【0036】
いくつかの態様において、通気ポート50は、水蒸気を凝縮チャンバー35から出て、および、例えば、システム10(
図1)の外側環境14へ送るための開口を提供する。ある場合には、いくらかまたはすべての水蒸気は凝縮チャンバー35に入り、および凝縮チャンバー35から外への通気ポート50を出る。ほかの態様では、いくらかまたはすべての水蒸気は、凝縮チャンバー35中に入り、および凝縮チャンバー35から外へ送られる前に、凝縮表面37の上へ凝結する。いくつかの態様により、例えば、凝縮物、液体の水は、長い間に凝縮チャンバー35の空気中に蒸発しおよび通気ポート50を通して送られるかまたは排水部分(示されていない)から外へ出されることができる。
【0037】
示されているように、くずチャンバー36は、吸入ポート60を含む。吸入ポート60は、システム10の内側環境16と連通している(
図1)。吸入ポート60は、概して水蒸気をくずチャンバー36の中へ送るための領域を提供する。示されているように、くずチャンバー36は、加熱チャンバー30に隣接して存在する。特に、吸着ポート40は、加熱チャンバー30とくずチャンバー36との間に位置する。くずチャンバー36はまた、凝縮チャンバー35と加熱チャンバー30の反対に位置する。くずチャンバー36が存在しない、いくつかの態様において、吸着ポート40は、システム10の内側環境16と直接連通する(
図1)。
【0038】
示されているように、ポンプハウジング25は、概して1つまたは2つ以上の直径を有する円筒の形で形成される。ポンプハウジング25のチャンバーは、並んで、相互に順次隣接して、縦軸に沿って、位置する。ポンプハウジング25は、任意選択的に、導電体(示されていない)を収容するための1つまたは2つ以上の開口55を含む。導電体は、加熱チャンバー30へのなどのポンプハウジング25の内部への、電力の送達を可能にする。
【0039】
図3に示すように、いくつかの態様により、湿気ポンプ20は、(部分的切り欠き図で示されている)乾燥剤26、ヒーター27、および(部分的切り欠き図で示されている)ヒートシンク28を含む。湿気ポンプ20は、概して湿気ポンプ20に入る空気から湿気を除去しおよび湿気ポンプ20から出る空気に湿気を戻すように運転される。乾燥剤26は、概して加熱されていない場合に、空気から水蒸気を吸着するように構成されている。乾燥剤形態の非限定の例は、スクリム上に糊で付けられたビーズ、(例えば、吸着剤に加えてバインダーを有する)固体の錠剤、(例えば、編まれた、織られた、または不織の)布、および乾燥剤材料に付け加えたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、シリカゲルを充填したPTFE)を含むがこれらに限られない。示されているように、乾燥剤26は、外側表面67および内側表面69を含む。なんらかの特定の形に限定されないが、乾燥剤26は、円筒形で形成されて示されている。
【0040】
具体的に説明された態様において、ヒーター27は、乾燥剤26を加熱するためのヒートシンク28へ熱を向かわせる。ヒーター27は、任意選択的に運転可能にそこに連結された導電体を通して電力を供給されており、ポンプハウジング25の1つまたは2つ以上の開口を通って位置する。ヒーター27の非限定の例は、正熱係数(positive thermal coefficient:PTC)ヒーターである。いくつかの態様において、PTCヒーターは自己調節的である。具体的に説明したように、ヒートシンク28は、ヒーターによって生成された熱を受けるようにヒーター27に隣接して位置する。示されているように、ヒートシンク28は、ヒーター27と伝導接触しており、ヒーター27と熱的に連結しているが、ほかの熱伝導モード(例えば、放射)を受け入れることはできる。ヒーター27はまた、ヒートシンク28に固定されていることができる。いくつかの態様において、ヒートシンク28は、2つの部分、概して円筒型の部分76および内部部分77を含む。示されているように、ヒーター27は、概して円筒型の部分76とヒートシンク28の内部部分77との間に位置する。いくつかの態様において、ヒートシンク28はまた乾燥剤26に隣接して位置する。例えば、具体的に説明したように、ヒートシンク28の概して円筒型の部分は、乾燥剤26と伝導接触している。特に、乾燥剤26の外側表面67は、ヒートシンク28の概して円筒型の部分と接触している。乾燥剤26はまた、例えば、接着剤または糊によってヒートシンク28に固定されていることができる。
【0041】
運転中では、ヒーター27は、熱を生成するように選択的に電力を供給されている。熱の一部分は、(例えば、対流を介して)空気またはほかの構成部分を通して消えてしまう場合があるが、概して生成された熱の大幅な部分はヒートシンク28中に吸収される。ヒートシンク28中の熱の少なくとも一部分は、例えば、(例えば、伝導を介して)乾燥剤26中に吸収される。乾燥剤26中に吸着された水蒸気は加熱されおよび乾燥剤26から加熱チャンバー30中の空気に放出される。ヒーター27に電力が供給されていない場合、および乾燥剤26が充分に冷却されていない場合、乾燥剤26は、空気中の水蒸気を吸着する。
【0042】
図4は、いくつかの態様による、湿気ポンプ20の弁アセンブリ29を含む湿気ポンプ20のさらなる特徴を示す。弁アセンブリ29は、ポンプハウジング25によって画定された1つまたは2つ以上のチャンバーの中へおよびそこから外へ水蒸気を選択的に送ることができるように移行できる。示されているように、弁アセンブリ29は、ポペット弁タイプの形を有する。
【0043】
弁アセンブリ29は、第1の位置と第2の位置との間でハウジングに対して、弁アセンブリ29を移行させるように構成されたアクチュエーター85を含む。アクチュエーター85は、ピストン90および第1の位置と第2の位置との間でピストンを移動するためのドライブ95を含む。
【0044】
種々の態様において、アクチュエーター85は、温度に応答する熱機械的アクチュエーターである。いくつかの態様において、アクチュエーター85のドライブ95は、相変化材料を含み、ドライブ95は、相変化ドライブであるようになっている。本明細書中で使用される場合、相変化材料は、温度に応答して、膨張しまたは収縮し、例えば、相変化材料は、加熱されたことに応答して膨張し、および冷却されたことに応答して収縮するようになっている。相変化材料の非限定の例は、ワックス(例えば、パラフィンワックス)、バイメタル要素、およびニチノール(Nitinol)を含む。アクチュエーター85は、少なくとも1つの方向にピストン90を駆動、例えば、相変化材料の膨張により第1の方向に第2の位置へとピストン90を押し、そして次にピストン90が冷却による相変化材料の収縮により第1の位置に戻ることを可能にする。
【0045】
また示されているように、弁アセンブリ29は、スプリング100を含む。いくつかの態様において、スプリング100は、(例えば、ドライブ95がピストン90を押す、第1の方向と反対の第2の方向へ)弁アセンブリ29を偏らせる。具体的に説明したように、スプリング100は、ピストン90およびドライブ95と接触しており、ならびにこれらに作用する。スプリング100は、アクチュエーター85と協働して、弁アセンブリ29を位置づける。種々の態様において、スプリング100およびアクチュエーター85は、ヒーターによって生じるアクチュエーターの特別な加熱または冷却に応答して、弁アセンブリ29を作動するように協働する。例えば、スプリング100は、スプリング100が存在しない場合より低い温度で収縮するようにアクチュエーター85を偏らせ、またはその逆をする。
【0046】
弁アセンブリ29はまた、ポートを覆うフレーム102を含んで示されている。ポートを覆うフレーム102は、アクチュエーター85に連結されて、アクチュエーター85の動作に応答して移行する。ポートを覆うフレーム102は、吸着ポートカバー105、脱着ポートカバー110、留め金具112、リンケージ115、およびガスケット120を含む。示されているように、脱着ポートカバー110は、留め金具112によってアクチュエーター85のピストン90に連結されている。脱着ポートカバー110は、リンケージ115に連結されている。示されているように、リンケージ115は、4つの柱を含む。吸着ポートカバー105は、リンケージ115に連結されており、脱着ポートカバーがピストン90に操作可能に連結されているようになっている。
【0047】
具体的に説明したように、吸着ポートカバー105と脱着ポートカバー110の両方は、ガスケット120、またはハウジングに対して密閉を促進するようなほかの手段を含む。ガスケット120は、弾性エラストマーまたはポートをカバーで密閉するための任意のほかの好適な材料でできている。いくつかの態様において、ガスケット120は、ポートカバー105、110の少なくとも1つ上に含まれている。
【0048】
弁アセンブリ29のいくつかの態様は、ブリッジ125をまた含む。ブリッジ125は、ハウジングに対するアクチュエーター85、特にドライブ95の位置を保持する。ブリッジ125は、アクチュエーター85のドライブ95に固定されていることができる。
【0049】
図5は、いくつかの態様による、集成された湿気ポンプ20の切り欠き斜視図である。乾燥剤26、ヒーター27、ヒートシンク28、および弁アセンブリ29は、ポンプハウジング25によって直接的にまたは間接的に保持されている。弁アセンブリ29は、一度に一つずつ、吸着ポート40または脱着ポート45のいずれかを選択的に覆うように移行している。ポート40、45を覆うことおよび密閉することは、それぞれ、湿気ポンプ20の中へおよびそこから外へ水蒸気を送ることを妨げる。示されているように、弁アセンブリ29の一部は、加熱チャンバー30、凝縮チャンバー35、およびくずチャンバー36中に位置する。特に、吸着ポートカバー105は、くずチャンバー36中に位置し、および脱着ポートカバー110は、凝縮チャンバー35中に位置する。
【0050】
ブリッジ125は、ポンプハウジング25、乾燥剤26、およびアクチュエーター85のドライブ95をポンプハウジング25に固定するヒートシンク28の少なくとも1つに連結されている。乾燥剤26およびヒートシンク28は、ブリッジ125が存在する設置に適合するように1つまたは2つ以上の細長い穴を含んで示されている。
【0051】
乾燥剤26、ヒーター27、およびヒートシンク28は、加熱チャンバー30中に位置してまたは保持されて示されている。ヒーター27は、凝縮チャンバー35の外に位置する。乾燥剤26は、加熱チャンバー30の空気中の湿気に曝されている。ヒートシンク28の概して円筒型の部分はまた、任意選択的にポンプハウジング25に固定されて、ポンプハウジング25に対して、乾燥剤26、ヒーター27、およびヒートシンク28の動きを妨げる。ほかの態様において(示されていない)、乾燥剤26、ヒーター27、およびヒートシンク28の1つまたは2つ以上は、部分的に加熱チャンバー30中に位置する。また(示されていない)ほかの態様では、ヒーター27は、加熱チャンバー30の外に位置し、およびヒートシンク28は、加熱チャンバー30中に位置するかまたは部分的に加熱チャンバー30中に位置する。
【0052】
アクチュエーター85のドライブ95は、加熱チャンバー30中に位置する。ドライブ95の一部分はまた、ヒートシンク28の内部部分中に位置しおよび任意選択的にそこに固定されている。
【0053】
運転の間、およびいくつかの態様により、ヒーター27が加熱チャンバー30に熱を送達する場合、アクチュエーター85および乾燥剤26は、ヒートシンク28を通して加熱される。これに応答して、アクチュエーター85は膨張し、および乾燥剤26は湿気を吸収してチャンバー30を加熱する。ヒーター27が加熱チャンバー30に熱を送達しない場合、アクチュエーター85および乾燥剤26は冷却される。これに応答して、アクチュエーター85は収縮し、および乾燥剤26は、加熱チャンバー30の空気中の水蒸気を吸着する。
【0054】
示された態様において、リンケージ115は、加熱チャンバー30に隣接するポンプハウジング25中に形成された1つまたは2つ以上のルーメン中に部分的に位置する。1つまたは2つ以上のルーメンは、ポンプハウジング25に対して、弁アセンブリ29の移行を促進する。
【0055】
湿気ポンプ20の種々の態様は、1つまたは2つ以上の目的のために構成された1つまたは2つ以上の膜を含む。1つまたは2つ以上の膜の1つの目的は、固体片が湿気ポンプ20中に入るか、またはそこから出ることを妨げる、例えば、乾燥剤26から供給されるかまたは塵として出る乾燥剤粒子が湿気ポンプ20のポンプハウジング25を離れおよび内側環境16に入ることを妨げるか(
図1)、または外側環境または内側環境14、16(
図1)から湿気ポンプ中に粒子(例えば、塵)が入ることを妨げることである。1つまたは2つ以上の膜の別の目的は、空気および水蒸気がそこに送られることを可能にすることである。1つまたは2つ以上の膜のまた別の目的は、液体の水がそこを通して送られることを妨げることである。1つまたは2つ以上の膜のまた別の目的は、膜の上に油を堆積させないようにすることである。いくつかの態様において、1つまたは2つ以上の膜は、選択された1つまたは2つ以上の目的に応えて、固体くず不浸透性、空気浸透性、蒸気浸透性(例えば、水蒸気浸透性)、水不浸透性、および撥油性である。具体的に説明したように、膜130は、通気ポート50を覆う。また、具体的に説明したように、膜135は、吸入ポート60を覆い、およびポンプハウジング25と内側環境16との間に位置し(
図1)、乾燥剤26から放たれた粒子が内側環境に入ることを妨げる。いくつかの態様において、膜130は、ポンプハウジング25に付着している。好適な膜材料の例は、米国特許第6,210,014号明細書、米国特許第6,709,493号明細書、および米国特許第8,968,063号明細書(その内容をすべての目的のために参照により本明細書中に取り込む)中に記載されたものなどのePTFE膜を含む。
【0056】
図6および
図7は、それぞれ、いくつかの態様による、吸着位置および脱着位置での集成された湿気ポンプ20の切り欠き斜視図である。いくつかの態様により、いずれかの位置において、水蒸気を含む空気は放出されて、くずチャンバー36中に膜135を通して送られる。
【0057】
図6に示すように、吸着位置140において、アクチュエーター85およびスプリング100は収縮しているか、または引っ込んだ位置にあり、水蒸気は、乾燥剤26へ送達されることができるようになっている。いくつかの態様において、アクチュエーター85は、乾燥剤26が水蒸気の吸収に備えるようにヒーター27の加熱サイクルの後の、乾燥剤26が乾燥されたか、または再生された後の(例えば、ヒーター27を切った後の冷却後の)引っ込んだ位置にある。吸着位置140への移行で、弁アセンブリ29は、吸着ポート40を開き、および脱着ポート45を密閉する。特に、ガスケット120を含む脱着ポートカバー110は、ポンプハウジング25に接触しており、脱着ポート45を密閉する。いくつかの態様により、吸着サイクルの間に、弁アセンブリ29は、吸着位置140にあり、およびヒーター27によって、加熱チャンバー30へ、アクチュエーター85または乾燥剤26へと熱は送達されない。
【0058】
吸着位置(
図6)において、水蒸気は放たれてくずチャンバー36から乾燥剤26による吸着のために加熱チャンバー30中へと送られる。しかし、水蒸気は、通常示されているような脱着ポートカバー110の密閉により加熱チャンバー30と凝縮チャンバー35との間を送られることができない。
【0059】
脱着位置(
図7)において、アクチュエーター85およびスプリング100は膨張し、または延長された位置にある。脱着位置への移行において、弁アセンブリ29は、吸着ポート40を密閉し、および脱着ポート45を開く。特に、ガスケット120を含む吸着ポートカバー105は、ポンプハウジング25に接触しており、吸着ポート40を密閉する。加熱サイクルの間および/または加熱サイクル後の所望の期間の間、弁アセンブリ29は、脱着位置145にあり、および熱は、加熱チャンバー30に、特にアクチュエーター85および乾燥剤26に送達される。ヒーター27によって送達された熱に応答して、アクチュエーター85は膨張し、および乾燥剤26は空気中に湿気を解放し始める。示されているように、脱着または吸着位置のいずれかにおいて、ヒーター27は、ポンプハウジング25の凝縮チャンバー35の外のポンプハウジング25に対して固定された位置にある。
【0060】
水蒸気は、解放されて、例えば、拡散によって、加熱チャンバー30から凝縮チャンバー35の中へ送られる。しかし、
図6および
図7中に具体的に説明された操作により、水蒸気は、湿気ポンプ20が脱着位置にある場合、通常吸着ポートカバー110の密閉によりくずチャンバー36の中へ送られることができない。したがって、加熱チャンバー30からの水蒸気はまた、通常膜135から外へ送られることができない。凝縮チャンバー35中の加熱された水蒸気は膜130を通して放出されるか、または凝縮チャンバー中の1つもしくは2つ以上の表面上に凝縮し始める。
【0061】
一態様では、凝縮チャンバー35を有する湿気ポンプ20は、22℃および50%の相対湿度において、300分間で約10%超で、例えば、約20%超でまたは約30%超で、乾燥剤26から湿気の脱着を増加させる。いくつかの態様において、凝縮チャンバー35を有する湿気ポンプ20は、22℃および50%の相対湿度において、300分間で約60%で乾燥剤26から湿気の脱着を増加させる。これは乾燥剤26が筺体からさらに湿気を除くことを可能にする。
【0062】
本開示の種々の態様は、弁アセンブリの位置140、145間の適当なタイミングおよび乾燥剤26の加熱を促進して、乾燥剤から湿気を外に出す。適当なタイミングを促進する代わりのまたは組み合わせで示される設定の非限定の例は、乾燥剤26の脱着温度より低くアクチュエーター85のワックスの溶融温度を設定すること、アクチュエーター85の近くにおよびヒートシンク上の乾燥剤26から比較的より遠くに、ヒーターを配置すること、乾燥剤26よりアクチュエーター85へのさらに多くの一時的な熱流束を有利にするようにヒートシンクの断面積を設定すること、および乾燥剤26の前にアクチュエーター85への高い熱移送割合を有利にするようにヒートシンクの材料特性を選択することを含む。さらに、いくつかの態様においてマイクロコントローラーは、相変化アクチュエーター(示されていない)よりむしろ電子(例えば、ソレノイド)のヒーター温度および期間および/または運転を直接制御するために任意選択的に利用される。
【0063】
いくつかの態様において、選択された量の時間後には、熱は加熱チャンバー30にもはや送達されず、および弁アセンブリ29は、脱着ポート45を密閉して、蒸発サイクルを開始する。凝縮チャンバー35中の液体の水は、解放されて蒸発を続け、および凝縮チャンバー中の残りの水蒸気は、湿気ポンプ20が吸着位置140にとどまる間の期間にわたって、解放されて凝縮チャンバーから外へ送られ続ける。脱着ポート45の密閉により、この湿気は、通常加熱チャンバー30の中に再度入ることはできない。乾燥剤26は、解放されて、吸着ポート40を通して加熱チャンバー30に入る湿気を吸着し始める。当業者およびこの本開示の利益を受けるものは、特別な用途および湿気ポンプの特性を考慮して加熱、脱着、および吸着のための適当な時間を選択できるであろう。
【0064】
図8〜10は、本開示のいくつかの態様による、別の集成された湿気ポンプ200の切り欠き斜視図である。
図9は、(例えば、X−Z平面に沿った)
図8に類似する断面図に沿った湿気ポンプ200を示すが、90度回転している(例えば、Y−Z平面に沿っている)。
図10は、(例えば、X−Y平面に沿った)
図8〜9に示された断面図に垂直な断面図に沿った湿気ポンプ200を示す。湿気ポンプ200は、任意選択的に湿気ポンプ20に類似しおよび任意選択的に湿気ポンプ20に類似する種々の構成部分を含むが、不必要な繰り返しを避けるために記載していない。湿気ポンプ200の種々の追加のまたは代替の特徴は、
図8〜10に関して本明細書中で記載される。いくつかの態様において、湿気ポンプ200は、湿気ポンプ20と同じような様式で運転されて使用され、吸着位置と脱着位置との間の移行を可能にすることを含む。
【0065】
図8に示すように、湿気ポンプ200は、モジュール式でありおよび加熱体231および凝縮体232を含むポンプハウジング225を含む。凝縮体232は、いくつかの態様により、凝縮キャップ部分233を含む。示されているようなポンプハウジング225は、くずチャンバーを規定しないが、ポンプ20に類似のそうした特徴の使用は考慮される。示されているように、例示的凝縮体232は、加熱体231に連結されている。ポンプハウジング225の加熱体231は、加熱チャンバー230を概して画定する。ポンプハウジング225の凝縮体232は、凝縮チャンバー235を概して画定する。存在しない場合、凝縮体232は、任意選択的に集成の間にポンプハウジング225中に挿入される構成部分のための開口を提供する。
【0066】
また、ポンプハウジング225の壁239は、ポンプハウジング225の壁239中に位置する通気ポート250を含む。示されているように、通気ポート250は、ポンプハウジング225の壁239中に形成された1つまたは2つ以上の開口を含む。通気ポート250は、膜330によって覆われている。いくつかの態様において、膜330は、膜130に類似している。
【0067】
いくつかの態様において、凝縮チャンバー235は、凝縮表面237をまた含む。例えば、凝縮表面237は、凝縮チャンバーに曝されたポンプハウジング225によって任意選択的に画定され、凝縮体232の内部表面を含むことができる。示されているように、凝縮表面237は、ポンプハウジング225の壁239によって画定されており、およびまた凝縮体232の凝縮キャップ部分233の内部によって画定されている。
【0068】
また、具体的に説明したように、ヒーター227は、ヒートシンク228と接触している2つの加熱要素を含む。ヒーター227のそれぞれの加熱要素は、凝縮チャンバー235の外に位置する。ヒートシンク228は、概して円筒型の部分276および概して円筒型の部分の内部直径にわたって伸びる内部部分277を含む。示されているように、湿気ポンプ200は、ブリッジを含まないが、そうした特徴の使用は考えられる。ヒートシンク228は、ポンプハウジング225に固定されていることができる。
【0069】
図9中の具体的に説明したように、弁アセンブリ229は、ピストン290に連結しおよび吸着ポートカバー305に連結したリンケージ315を含む。脱着ポートカバー310は、例えば、留め金具(示されていない)によってピストン290に連結されている。リンケージ115と対照的に、リンケージ315は、ポンプハウジング225中で形成される1つまたは2つ以上のルーメン中に位置していないが、むしろ、リンケージ315は、加熱チャンバー230中に部分的に位置している。ほかの態様において、リンケージ315は、例えばリンケージ115と類似して、加熱チャンバー230中に位置する。示されているように、脱着ポートカバー310は、凝縮チャンバー235中に位置する。
【0070】
図10に示すように、湿気ポンプ200は、断熱材355を含み、加熱チャンバー230を断熱する。断熱材355は、加熱チャンバー230から外への熱の移送を減少させるように構成されている。いくつかの態様において、断熱材355は、例えば、断熱材料(例えば、断熱フォーム)でできているか、またはくくられたエアーギャップとして構成されている。
【0071】
示されているように、断熱材355は、加熱チャンバー230に隣接したポンプハウジング225中に位置する。断熱材355は、ポンプハウジング225とヒートシンク228との間に位置する。いくつかの態様において、断熱材355は、凝縮チャンバー235に大幅な断熱を提供しない。言い換えれば、ポンプ200は、加熱チャンバー230中に熱を保持するように構成されており、一方凝縮チャンバー235を加熱チャンバー230より比較的冷たいままにし、水蒸気の冷却、したがって凝縮を促進することができる。
【0072】
(示されていない)種々の態様において、断熱材はまた、凝縮チャンバー235と加熱チャンバー230の間に位置し、ヒーターおよび加熱チャンバー230から凝縮チャンバー235の中への熱の移送を妨げるか、または減少させることを助ける。例えば、断熱材355に類似の断熱材は、脱着ポートカバー310中にさらに位置するかまたは代わりに位置する。さらにある例では、通路は、加熱チャンバーと脱着ポートと流体連通した凝縮チャンバーとの間に任意選択的に形成される。通路に隣接して、加熱チャンバー230と凝縮チャンバー235との間の任意選択的空間は、断熱材355をそこに位置させるように画定されている。
【0073】
図11は、いくつかの態様による、また別の湿気ポンプ400の斜視図である。ほかの態様に類似して、使用中に、湿気ポンプ400は、内側環境から湿気を除去しおよび外側環境に送ることを助ける。湿気ポンプ400は、任意選択的に湿気ポンプ20、200のいずれかに類似しており、および任意選択的に湿気ポンプ20、200のいずれかに類似する種々の構成部分を含むが、不必要な繰り返しを避けるために記載していない。湿気ポンプ400の種々のさらなるまたは代替の特徴は、
図11〜17に関して本明細書中に記載される。いくつかの態様において、湿気ポンプ400は、湿気ポンプ20、200のいずれかと同じような様式で運転されて使用され、吸着位置と脱着位置との間の移行を可能にすることを含む。
【0074】
ほかの湿気ポンプ20、200の概して円筒形の代わりに、湿気ポンプ400は、概して長方形立方骨形またはマッチ箱形を有するが、ほかの形も考えられる。湿気ポンプ400は、1つまたは2つ以上のチャンバーを規定するポンプハウジング425を含む。
【0075】
図12は、いくつかの態様による、湿気ポンプ400のポンプハウジング425の切り欠き斜視図である。具体的に説明したように、ポンプハウジング425は、モジュール式であり、および加熱体431、凝縮体432、および加熱終端キャップ433を含む。ポンプハウジング425は、加熱チャンバー430および凝縮チャンバー435を画定する。示されているように、加熱終端キャップ433は、ヒーターを受けるように、ポンプハウジング425中の開口、特に加熱体431と反対に位置する。別個の片であることによって、加熱終端キャップ433は、集成の間に、構成部分がポンプハウジング425中に挿入されるための開口を提供することを助ける。
【0076】
いくつかの態様において、凝縮チャンバー435は、凝縮チャンバーに曝される凝縮表面437を含む。例えば、凝縮表面437は、凝縮チャンバーに曝されるハウジングの壁439を含むことができるポンプハウジング425によって任意選択的に画定される。示されているように、凝縮表面437は、凝縮体432の内部表面、凝縮チャンバー435に曝される加熱体431の外部表面438、およびハウジングの壁439の内部表面を含む。
【0077】
種々の態様において、ポンプハウジング425は、吸着ポート440、脱着ポート445、および通気ポート450をまた含む。示されているように、吸着ポート440は、ハウジングの加熱体431などのポンプハウジング425の中に形成された1つまたは2つ以上の開口を含む。具体的に説明したように、脱着ポート445は、ハウジングの加熱体431などのポンプハウジング425の中に形成された1つまたは2つ以上の開口を含む。また具体的に説明したように、通気ポート450は、ハウジングの凝縮体432などのポンプハウジング425の中に形成された1つまたは2つ以上の開口を含む。
【0078】
示された態様において、吸着ポート440は、脱着ポート445の反対側で加熱チャンバー430に隣接しており、脱着ポート445はまた加熱チャンバーに隣接している。さらに示されているように、通気ポート450は、脱着ポート445の反対側で凝縮チャンバー435に隣接しており、脱着ポート445はまた凝縮チャンバー435に隣接している。
【0079】
図13は、本開示のいくつかの態様による、湿気ポンプ400の乾燥剤426、ヒーター427、およびヒートシンク428の切り欠き斜視図である。具体的に説明された乾燥剤426は、外側表面467および内側表面469などの1つまたは2つ以上の表面を含む。示されているように、ヒートシンク428は、内側表面469に連結されおよび接触しており、ヒートシンクから乾燥剤に熱を移送する。ヒーター427は、ヒートシンク428に連結されおよび接触しており、ヒーターからヒートシンクにおよび究極的に乾燥剤426に熱を移送する。ヒーター427は、凝縮チャンバーの外側に位置する。
【0080】
図14は、本開示のいくつかの態様による、湿気ポンプ400の弁アセンブリ429の切り欠き斜視図である。具体的に説明したように、弁アセンブリ429は、アクチュエーター485を含む。アクチュエーター485は、ピストン490および少なくとも2つの位置の間でピストンを移動するためのドライブ495を含む。示されているように弁アセンブリ429は、弁アセンブリを偏らせるためのスプリング500をまた含み、このスプリング500はスプリング100に類似することができ、および収縮した位置および延長された位置を有する。
【0081】
いくつかの態様において、弁アセンブリ429は、ポートを覆うフレーム502をまた含む。示されているように、ポートを覆うフレーム502は、アクチュエーター485の動作に応答して移動するアクチュエーター485、特にピストン490に(示されていない)留め金具によって連結されている。
【0082】
いくつかの態様において、ポートを覆うフレーム502は、概して、長方形立方骨の形、および特に、2つの空いた側を有する長方形立方骨の形であるが、ほかの設定も考えられる。示されたポートを覆うフレーム502は、吸着ポートカバー505、吸着ポートカバー中の1つまたは2つ以上の開口507、脱着ポートカバー510、脱着ポートカバー中の1つまたは2つ以上の開口512、およびポートカバー505、510に連結したリンケージ515およびピストン490を含む。
【0083】
具体的に説明された態様において、吸着ポートカバー505は長方形立方骨の側部を形成し、脱着ポートカバー510は長方形立方骨の反対側を形成し、およびリンケージ515は、ポートカバー505、510の間を伸びおよび長方形立方骨の少なくとも別の側を形成する。具体的に説明したように、リンケージ515の2つの側が示され、およびリンケージ515の第3の側は破断図である。ポートカバー505、510の開口は、ポートを覆うフレーム502を通して水蒸気を選択的に送ることを可能にする。示されたリンケージ515は、1つまたは2つ以上の開口をまた含み、集成された場合、水蒸気を加熱チャンバーを通して送ることを可能にする。
【0084】
図15は、本開示のいくつかの態様による、集成された湿気ポンプ400の切り欠き斜視図である。乾燥剤426、ヒーター427、ヒートシンク428、および弁アセンブリ429は、ポンプハウジング425によって直接的にまたは間接的に保持される。いくつかの態様において、ヒーター427は、加熱チャンバー430中に位置しまたは保持される。弁アセンブリ429は選択的に移行して、吸着ポート440および脱着ポート445の1つを一度に覆う。被覆することは、水蒸気が送られることを妨げる。示されているように、弁アセンブリ429の全体は、加熱チャンバー430中に位置する。弁アセンブリ429はスライドして、1つまたは2つ以上の開口と1つまたは2つ以上のポートとを位置合わせする。
【0085】
具体的に説明したヒーター427は、ポンプハウジング425中の開口中に少なくとも部分的に配置されている。乾燥剤426は、加熱チャンバー429中に位置しおよび加熱チャンバー中の湿気を吸収するようにそこに曝されている。
【0086】
湿気ポンプ400は、通気ポート450を覆うように位置する膜530をさらに含む。いくつかの態様において、膜530は、膜130に類似する。(示されていない)いくつかの態様において、膜は、ポンプハウジング425と内側環境(例えば、
図1の内側環境16)との間の吸着ポート440(
図12)を覆って、例えば、乾燥剤426から放たれた粒子が内側環境に入ることを妨げるように位置し、これは膜135(
図5)に類似することができる。
【0087】
図16および
図17は、本開示のいくつかの態様による、吸着位置540および脱着位置545を、それぞれ示す集成された湿気ポンプ400の切り欠き斜視図である。吸着サイクルの間に、弁アセンブリ429は、吸着位置540に移行して、弁アセンブリ429の1つまたは2つ以上の開口507が吸着ポート440と位置合わせされて吸着ポートを開き、および脱着ポート510が弁アセンブリのポートを覆うフレームによって密閉されるようになっている。拡散に応答して、例えば、水蒸気は、吸着ポート440を通って加熱チャンバー430中に送られ、一方加熱チャンバーから外へおよび凝縮チャンバー435の中へ送られることは妨げられる。乾燥剤は、水蒸気を吸着する。
【0088】
例示的な加熱サイクルの間に、弁アセンブリ429は、脱着位置545に移行して、弁アセンブリ429の1つまたは2つ以上の開口512が、脱着ポート445と位置合わせされて脱着ポートを開き、および吸着ポート505が、弁アセンブリのポートを覆うフレームによって密閉されるようになっている。点灯しているヒーターに応答して、乾燥剤によって吸着された湿気は、水蒸気として加熱チャンバー430の空気として入る。水蒸気は、脱着ポート445を通して凝縮チャンバー435中に送られ、一方吸着ポート440を通って送られることを妨げられる。凝縮チャンバー435は、水蒸気が通気ポート上の膜530を通って出ることを可能にし、および水蒸気の冷却および凝縮を促進する。
【0089】
いくつかの態様において、蒸発サイクルの間に、湿気ポンプ400が吸着位置540に移行する場合、凝縮チャンバー435中の液体の湿気は、長い間に蒸発し、および膜530を通して凝縮チャンバーから出るであろう。乾燥剤426は、加熱チャンバー430中の水蒸気を吸着し続けることができる。
【実施例】
【0090】
本発明は、以下の非限定の例を鑑みてより良く理解されるであろう。
【0091】
例1
【0092】
図18は、本開示のいくつかの態様による、凝縮チャンバーを有する湿気ポンプ対凝縮チャンバーなしの湿気ポンプの試験データのグラフィカル表示600である。本開示の態様中の凝縮チャンバーの存在は、水蒸気の凝縮を促進し、それによって加熱チャンバーと凝縮チャンバーとの間の空気から外へ水蒸気を引き出し、および、ヒーターが切られている間に、水が蒸発し、および湿気ポンプを離れるためのより長い期間を提供する。
【0093】
(湿気ポンプ20、200、または400のいずれかに類似する)凝縮チャンバーを有する湿気ポンプおよび凝縮チャンバーのない湿気ポンプは以下の試験方法に曝された。それぞれの湿気ポンプは、膜なしで25℃および80%相対湿度(RH)に設定された環境のチャンバー中に少なくとも24時間配置され、乾燥剤を湿気で飽和させた。吸着ポートを、例えば、水蒸気不浸透性の接着剤によって閉鎖した。
【0094】
飽和にした後で、膜をそれぞれの機器に付着させ、および初期の質量を環境チャンバーの外において、22℃、50%RHで計量皿上で記録した。各ヒーターは、20分間、135℃の温度での加熱サイクルで活性化した。
【0095】
加熱サイクルの後で、それぞれの湿気ポンプのその後の質量測定を、ヒーターを切った蒸発サイクルにおいて約10時間5分間隔で記録した。
【0096】
グラフィカル表示600は、蒸発サイクルの間にそれぞれの湿気ポンプ(凝縮チャンバーありおよびなし)中の質量損失(ミリグラム)を記載する質量損失グラフである。質量損失は、乾燥剤中にいったん貯蔵された湿気ポンプから外への湿気の通気を表す。
【0097】
散布
図605は、凝縮チャンバーを有する湿気ポンプでの質量損失を表す。示されているように、この湿気ポンプは、加熱サイクルの終端および測定610での蒸発サイクルの開始において約480ミリグラムを失った。次に、約300分で、全約580ミリグラムの質量を、測定615で失った。蒸発サイクルは、約100ミリグラムまでの湿気(約20.8%超の湿気)が、凝縮チャンバーを有する湿気ポンプを離れるよう促進した。
【0098】
散布
図620は、凝縮チャンバーのない湿気ポンプでの質量損失を表す。示されているように、この湿気ポンプは、300ミリグラムを、加熱サイクルの終端および測定625での蒸発サイクルの開始で失った。次に約300分において、全約360ミリグラムの質量を、測定630で失った。蒸発サイクルは、約60ミリグラムまでの湿気(約20%超の湿気)が凝縮チャンバーのない湿気ポンプを離れるように促進したが、約60ミリグラムのみであった。
【0099】
比較すると、それぞれの湿気ポンプ中のほとんど全ての湿気が加熱サイクル前にそれぞれの乾燥剤によって吸着されていたと仮定すると、凝縮チャンバーを有する湿気ポンプは、同じ条件下および約300分後に、凝縮チャンバーのない湿気ポンプより約10%質量多い水の損失を示した。特に、凝縮チャンバーを有する湿気ポンプは、同じ条件下および約300分後に、加熱サイクル後の約60%超の質量の水損失および約61%質量超の全体的な水の損失を示した。したがって、実験的データは、本明細書中に記載された態様によるなどの凝縮チャンバーの存在が本開示による湿気ポンプの乾燥剤の湿気の脱着効率を改善することを示す。湿気の脱着効率は、乾燥剤から脱着された水の質量対乾燥剤中に吸着された水の質量として規定される。さらに、データは、凝縮チャンバーの存在がさらなる湿気質量を促進し加熱サイクル後に湿気を蒸発させることを示す。さらに、凝縮チャンバーの存在は、湿気ポンプが凝縮チャンバーから湿気を同時に蒸発すること、一方で筺体の内側環境から加熱チャンバー中の湿気を吸着することを可能にする。
【0100】
例2
【0101】
図19は、本開示のいくつかの態様による、(湿気ポンプ200などの)断熱された加熱チャンバーのみをシミュレートする湿気ポンププロトタイプ対完全断熱をシミュレートする湿気ポンププロトタイプの試験データのグラフィカル表示700である。加熱チャンバーのための断熱の存在は、熱が乾燥剤に隣接した加熱チャンバーにとどまることを促進する。実験的データによって示されるように、加熱チャンバーの周りの断熱は、チャンバーの間の温度差を改善し、凝縮チャンバーがより冷たいままであること、一方で加熱チャンバーが加熱されることを可能にし、それによって凝縮チャンバー中の水蒸気の凝縮を促進し、一方で乾燥剤に熱を放出させることを可能にする。上記に記載したように、断熱は、この本開示によって考えられる態様のいずれかに適用できる。
【0102】
(湿気ポンプ200などの加熱チャンバーの周りの)部分的な断熱をシミュレートする湿気ポンププロトタイプおよび(加熱チャンバーおよび凝縮チャンバーの周りの)を完全断熱シミュレートする湿気ポンププロトタイプが以下の試験方法に曝された。それぞれのプロトタイプは、ヒーターを有する加熱チャンバー、ヒートシンク、そこに位置するヒートシンクに糊付けされたシリカゲルタイプAビーズでできた乾燥剤、および体積で約1立方センチメートル(cm
3)の加熱チャンバーを含んでいた。チャンバーは、直径で約30ミリメーター(mm)および長さで約5mmの通路によって分離されていた。試験の断熱は、綿および空気を含んでいた。
【0103】
それぞれのプロトタイプの加熱チャンバーを、25℃および80%相対湿度(RH)に設定した環境チャンバー中に約72時間置いて、乾燥剤を湿気で飽和させた。
【0104】
飽和した後で、それぞれのプロトタイプの初期質量を、22℃および50%RHにおいて、計量皿上で環境チャンバーの外で記録した。
【0105】
つぎに、それぞれの凝縮チャンバーを、それぞれのプロトタイプに取り付けた。各ヒーターを、135℃の温度で10分の加熱サイクルで活性化した。
【0106】
加熱サイクルの終わりに、それぞれの凝縮チャンバーを、加熱チャンバーから取り外しおよびそれぞれの加熱チャンバーの最終の質量を記録した。部分的な断熱(加熱チャンバーのみの周りの断熱)をシミュレートするプロトタイプはもう一方プロトタイプより約15%超の質量損失(284ミリグラムの質量損失対246ミリグラムの質量損失)を示した。凝縮チャンバーの存在は、乾燥剤の湿気の脱着効率を改善した。
【0107】
グラフィカル表示700は、凝縮チャンバー中および加熱サイクルの間のそれぞれのプロトタイプの加熱チャンバー中で測定された℃で測定した温度を示す温度グラフである。散布
図705、710は、それぞれ、部分的な断熱プロトタイプにおける凝縮チャンバーおよび加熱チャンバーの温度を表す。散布
図715、720は、それぞれ、完全断熱プロトタイプにおける凝縮チャンバーおよび加熱チャンバーの温度を表す。
【0108】
図に示すように、約10分で、部分的な断熱プロトタイプ中のチャンバーの間の温度差725は、約35℃(約55℃対90℃)であった。対照的に、完全断熱プロトタイプ中のチャンバーの間の温度差は、約10分未満でない場合、最大限で5℃であった。実験データによって示されるように、加熱チャンバーの周りの断熱の存在は、乾燥剤の湿気の脱着効率を改善することを助けた。
【0109】
種々の改変および追加を本発明の範囲を離れることなく記載された例示的な態様に行うことができる。上記の態様は特別な特徴を有するが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する態様および上記の記載された特徴のすべてを含まない態様を含む。例えば、それぞれの湿気ポンプ20、200、400に関連して記載された改変は、本明細書中に記載された湿気ポンプの態様のいずれかに適用できる。
(態様)
(態様1)
加熱チャンバーおよび凝縮チャンバーを画定するハウジングであって、前記ハウジングは、前記加熱チャンバー中への吸着ポート、前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の脱着ポート、および前記凝縮チャンバーから外への通気ポートを有する、ハウジングと、
前記加熱チャンバー中に位置する乾燥剤と、
前記加熱チャンバー中に保持されおよび前記加熱チャンバーを加熱するように構成されたヒーターと、
弁アセンブリであって、前記ハウジングによって保持され、ならびに、
前記弁アセンブリが前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の前記脱着ポートを密閉し、および前記加熱チャンバーの中へ水蒸気を送るために前記加熱チャンバーの中への前記吸着ポートを開く吸着位置と、
前記弁アセンブリが、前記吸着ポートを密閉し、および水蒸気を前記加熱チャンバーから外へ送るために前記加熱チャンバーと前記凝縮チャンバーとの間の前記脱着ポートを開く脱着位置と、の間を移行できる、弁アセンブリと、
を含む、装置。
(態様2)
前記ヒーターが前記凝縮チャンバーの外に位置する、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記ヒーターが、前記加熱チャンバーの中に位置する、態様1に記載の装置。
(態様4)
前記ヒーターと伝導接触したヒートシンクおよび前記乾燥剤を含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の装置。
(態様5)
前記ヒートシンクが、前記乾燥剤の内側表面または外側表面の1つと伝導接触している、態様1〜4のいずれか一項に記載の装置。
(態様6)
前記弁アセンブリが、前記ハウジングに対して、前記弁アセンブリを移行するように構成されたアクチュエーターを含む、態様1〜5のいずれか一項に記載の装置。
(態様7)
前記弁アセンブリが、前記脱着位置において前記吸着ポートを密閉するように構成された吸着ポートカバーおよび前記吸着位置において前記脱着ポートを密閉するように構成された脱着ポートカバーをさらに含む、態様1〜6のいずれか一項に記載の装置。
(態様8)
前記凝縮チャンバーに曝された凝縮表面をさらに含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の装置。
(態様9)
前記加熱チャンバーを断熱するような構造の断熱材をさらに含み、ならびに前記断熱材が、前記ハウジング中に位置しおよび前記加熱チャンバーに隣接している、態様1〜8のいずれか一項に記載の装置。
(態様10)
前記乾燥剤から放たれた粒子が内側環境に入ることを妨げるように構成された、前記ハウジングと前記内側環境との間に位置する膜をさらに含む、態様1〜9のいずれか一項に記載の装置。
(態様11)
前記弁アセンブリが、吸着ポートカバー、および脱着ポートカバーを含み、前記脱着ポートカバーが前記凝縮チャンバー中に位置し、および前記吸着ポートカバーおよび前記脱着ポートカバーの少なくとも1つがガスケットを含む、態様1〜10のいずれか一項に記載の装置。
(態様12)
前記弁アセンブリが、前記脱着ポートカバーと前記吸着ポートカバーとの間に連結された少なくとも1つのリンケージを含む、態様11に記載の装置。
(態様13)
前記弁アセンブリが、前記アクチュエーターと前記吸着ポートカバーとの間に連結されたリンケージを含む、態様11または12に記載の装置。
(態様14)
前記弁アセンブリは、前記加熱チャンバー中に位置するポートを覆うフレームを含む、態様1〜10のいずれか一項に記載の装置。
(態様15)
前記弁アセンブリが、1つまたは2つ以上の開口をスライドさせて前記吸着ポートおよび前記脱着ポートの1つと位置合わせすることによって移行するように構成されている1つまたは2つ以上の開口を含む、態様14に記載の装置。