(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記暗箱は、前記発光ダイオードを夫々格納すると共に、前記コリメートレンズが配置される開口を有し、前記暗箱の内面は、可視光の吸収係数が90%より高い光吸収材で形成される、
請求項2に記載の人工照明装置。
前記暗箱及びその内面の形状は、前記コリメートレンズの円形又は多角形の開口と合致する上面を有する円柱であり、前記発光ダイオードは、前記円柱の底面の開口に統合されている又は前記円柱内に位置しており、
前記暗箱は、前記発光ダイオードと前記コリメートレンズの開口との間のあらゆる直接光の経路が遮蔽されないように構成される、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の人工照明装置。
前記第1の放射面と前記第2の放射面の一方が他方に対して下流側に配置され、前記人工照明装置の前記外側放射面を形成するか、又は、前記第1の放射面と前記第2の放射面とが合致して前記人工照明装置の前記外側放射面を形成し、
前記発光ダイオードと前記コリメートレンズの対は、複数の前記コリメートレンズが1つの接合面を形成するように、前記対の前記コリメートレンズが相互に隣接して並置される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の人工照明装置。
自由形状レンズ又は反射複合放物面集光器(CPC)が、前記発光ダイオードと前記コリメートレンズとの間に配置され、前記自由形状レンズ又は前記反射複合放物面集光器(CPC)は、前記主要光の照度分布を前記コリメートレンズの上において平坦化するように構成される、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の人工照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
既に紹介したように、空及び太陽からの自然照射の知覚は、照明装置により放射される光の一側面に依存し、それは、太陽からの光を再現する、低CCTで多大にコリメートされる直接光成分と、空の照明効果を再現する、高CCT拡散光成分とを特徴付けるはずであり、それによって、直接光成分が、照明装置により照射される対象物の鮮明且つ平行な影を落とすことが可能となり、且つ拡散光成分が、そのような影に青みがかった色の影を与える。一方、空及び太陽からの自然照射の知覚は、照明装置自体を直接見るときの空及び太陽像の無限の深さの知覚に依存する。
【0018】
対象物の距離、よって3次元の光景を構成する見え方の深さを評価する観察者の能力は、集束、両眼視差及び輻輳、運動視差、輝度、大きさ、コントラスト、空気遠近法などに結び付けられる多数の生理学的及び心理学的なメカニズムに基づいている。いくつかのメカニズムは、観察条件(例えば、観察者が移動又は静止しているか、片眼又は両眼で見ているか、など)、及び光景の特性の両方に従って、他と比較して重要となることがあり、後者(光景の特性)は、例えば、既知の大きさ、距離、又は輝度を有する対象物が存在するかに依存し、光景の観察される要素がどの程度離れているかを評価する基準として機能する。特に、これらのメカニズムは、実像及び虚像の両方のケースに適用される。さらに具体的には、単一の視覚キュー、又は2以上の矛盾する異なる高レベルの視覚キューを理由に、観察者によって異なる深さで同時に知覚される2以上の異なる像の面の間に矛盾が存在するときに、視覚的不快感又は目の負担が生じることがある。
言い換えると、発明者は、深さの視覚が一連の視覚キューによって判定されると実際に気付いており、例えば、
(a)調節、すなわち、光景に焦点を合わせるための接眼レンズを適合させる毛様筋の動き、調節は数メートルの距離では最も効果的である。
(b)両眼輻輳、すなわち、観察者の2つの眼球の軸が同一の対象物上で収束する、すなわち、対象物が位置している面上で収束するという事実。
(c)運動視差、すなわち、移動している観察者によって見られる背景に対する対象物の明確な相対的な動き、運動視差から深さへの強いキューをごくわずかな身体のゆれのみからでさえ取得することができる。
(d)空気遠近法、すなわち、遠く離れた対象物が、大気によって散乱される光に因る低輝度コントラスト及び彩度を有するという事実。さらに、離れた対象物の色は、スペクトルの最後の青に向かってシフトされる。
(e)両眼視差、すなわち、観察者のそれぞれの目は、同一の光景のその自身の像を記憶する、わずかに異なる角度から見られるそのような2つの異なる像を使用することによって、観察者は、高度な精度で対象物への距離を三角測量することが可能になる。オートステレオグラム、3D映画、及び立体写真は、この視覚キューを使用して、2次元光景の奥行き感を得る。
(f)動きからの深さ、すなわち、対象物の大きさの動的な変化
(g)遠近法、すなわち、無限に集束する平行線の特性
(h)既知の対象物間の相対的大きさ
(i)他による対象物の遮断
【0019】
実際の空及び太陽が本来行っているように見える照明装置の要件の1つを表す、空及び太陽の無限の奥行き感が、特に、両眼輻輳、運動視差、及び調節視覚的奥行き感キューなどの相乗効果によって一貫してサポートされるとき、すなわち、上述したそれらの視覚キューの間に矛盾が存在しないときに、実現される。空気遠近法は、空及び太陽の像の無限の深さの知覚にもさらに寄与する。
発明者はまた、視覚の矛盾が以下の2つの主要な理由によって生じることを気付いた。
(a)内的矛盾と称される、単一の視覚キューに応じた2以上の異なる深さ面の間の不明瞭さ
(b)相互的矛盾と称される、異なる視覚キューから派生する情報の間の矛盾
【0020】
視覚的奥行き感のキューの間の内的矛盾及び相互的矛盾がないことは、太陽及び空の両方の無限の深さの自然な知覚をもたらすために必須である。さらに、キューの間での一致の欠如を避けることによって、目の負担及び不快感を回避することができるとともに、見ることの快感を高める。
【0021】
例えば、
図29で示した上述した人工照明装置を既に参照した。特に、光源902を直接見るとき、2つの矛盾する像が観察者によって同時に知覚される。レイリーパネルの固有の透過性に起因する第1の像は、LEDの配列、調節及びLEDの配列面上の両眼輻輳によって特にサポートされる有限の距離、並びに運動視差の実像である。第2の像は、無限に知覚される、青みがかった背景によって囲まれる輝点の虚像である。この第2の像は、各LED910がすべての他のLEDのそれらと同一の分岐及び配光を有する円形対称光円錐を光らせる限り、それぞれの目によって見られるLED910のグループが、観察者の目の網膜において円形スポットを形成するという事実によって与えられる。言い換えると、LED910は、
図29のケースではパネル906に垂直なLEDの配列方向によって与えられる固定した方向、及びLEDの分岐の円錐角と一致する固定した開口角を有する円錐の下で見られる。特に、観察者の目の各々は、所与の方向及び円錐角の下に、照射されたLED910のその自身のグループを見る。これらの輝点は、無限の距離で両眼輻輳によって知覚され、これは、通常の視覚が要求するように、網膜上でそのような円形スポットの同一の中心像を作り出す状況である。この輝点の大きさは、各々の単一のLED素子910によって放射される光の角分岐に依存する。
【0022】
光源902は、第1の像面、すなわち、LED910の配列の実像の面が、光源902を直接見る観察者によって見られることを妨げるいかなるメカニズムをも含まないので、異なる面において知覚された2つの上述した像の間で、視覚矛盾が生じる。よって、例えば、両眼輻輳によって判定される内的矛盾として説明することができるこの矛盾は、観察者が自然の空及び太陽の見え方を知覚することを妨げる。特に、そのような知覚矛盾によって、
図29における装置は、本発明の根底にある技術的課題を解決するのに不適格である。言い換えると、観察者が円形輝点からの温光成分、直接光成分のみでなく、LED配列全体からの温光成分、直接光成分をも見ているので、矛盾が生じる。実際には、LEDからの光のほとんどが、分岐円錐の内部で光っている場合でさえ、無視できない部分は未だに、それの外側で光っており(例えば、ドーム状LED装置910の内部で発散が発生していることを理由に、及びドーム状レンズが撮像光学部品では全くないという事実を理由に)、そのことによって、観察の任意のほとんどの角度からの照射対象物として、照射されたLEDが明確に可視的なものとなる。
【0023】
大角度での、すなわち、LEDの分岐円錐の外部での、LEDによって生成される背景光は、全く均一でなく、且つLEDのピッチ周期に従う。そのような均一の不存在は、大角度でのLEDに因る平均輝度が輝点に対して非常に低い場合でさえ、且つそれが拡散光発生器の均一な輝度に対しても弱い場合でさえ、有限の距離でのLED配列の第1の像を、無限の距離での輝点の第2の像上に広がらせる主要な理由として、発明者によって理解される。実際には、人類の目は、輝度の空間的勾配に対して、特に輝度の空間的周期変調に対して非常に敏感である。
【0024】
さらに、大角度でのLEDによって生成される背景光は、例えば、
図28で説明された実施形態のケースに対して、結果として生じる色が、澄んだ空からの光の色と相当に異なるという意味で、拡散光の色品質を多大に損なう。
【0025】
パネルを超えてLED配列全体を観察者が明確に見ているという事実は、LED光源からの背景への寄与が、レイリーパネル自体からのそれを克服することから、背景の均一性及び色の両方を損なう。結果として、自然の空及び太陽の光景の色及び実質的に無限の奥行き感のいずれもが、
図29の装置によって再生されない。
【0026】
さらに、商業的な、ドーム状の装備されたLEDによって達成可能な最小の分岐は概して、数10度の階数、すなわち、実際の太陽ビームの分岐を特徴付ける0.5度の値よりもはるかに大きい数字の分岐である。この制限によって、光源902に対し自然の一つよりもはるかに大きい半影の角度が生じる。結果として、対象物の影であるが莫大な大きさを有するそれらが全く生成されず、その大きな対象物の影の鮮明さは、とにかく非常に弱い。LED光ビームの分岐は、より大きなコリメータ、例えば、商業的に利用可能なTIR(全反射)レンズ、又はCPC(複合放物集光器)反射体を使用することによって、例えば、6度から7度程度の低い値に低減される。しかしながら、この選択は、無限の深さの知覚をサポートすることを補助することにならず、これらの大きなコリメータは、標準的なLEDドームよりも、目によってさらに容易にスポットされる非常に粗い画素化に通じる。
【0027】
実際に、自然の空及び太陽の視覚的な見え方において不利な、
図29に示された光源902の更なる問題は、輝点、すなわち、そのような輝点が観察される角度上の知覚可能な画素化である。実際には、多大にコリメートされたLEDは、標準的なドームよりも通常ははるかに大きい、すなわち、約1cm以上のレンズ(よってピッチ)の大きさにつながり、非常に少ない画素、すなわち、LED/レンズの対によって形成されることになる輝点を生じさせ、スポットが観察されるより低い円錐角を理由に、及びレンズの大きさの増加を理由に、LED分岐の減少とともに数が減少する。この状況で、無限の深さの面に対応する虚像は、2つの非常に異なる画素化された像に分離し、それらの像によって、LEDの配列面の知覚が無限の深さ像上で広がる。よって、そのような状況によって、観察者が無意識に太陽の像に対する無限の深さを知覚することが妨げられる。
【0028】
さらに、周囲光の効果、すなわち、照明装置又はいくつかの他の光源によって照らされる周囲から来る光、及びレイリー散乱パネル906を上流/逆方向に交差させる、LED910の配列を再度照らす光の効果とともに、レイリーパネル906によってLED配列に向かって反射又は拡散される光の効果が考慮されるべきである。概してすべての方向から来る、すなわち、拡散されたこの光は、LED配列の可視性をさらに高める、好ましくない寄与をもたらす。言い換えると、
図29の装置は、周囲からの光フィードバックが役割を果たさないときに発生するように、オフに切り替わったときでさえ黒くない。
【0029】
要約すると、
図29の装置は本発明の根底にある技術的課題を解決することができない。何故ならば、観察者が直接装置自身を見ているとき、同時に発生する視覚面の間での視覚キューの矛盾を引き起こし、それらの面は例えば、LED910の配列の実像、及び太陽に対応する輝点の虚像であるので、実際の空及び太陽としての視覚的な見え方の要件を満たさないからである。さらに、輝点が知覚される大きな円錐角、及びそのような虚像の明確に知覚可能な画素化に因って、太陽に対応する像を的確に表すことができない。
【0030】
装置が無限の深さの視覚的な経験を作り出すことを妨げる視覚キューの間での矛盾の発生の更なる例として、
図30に示した既に述べた実施形態への参照がなされる。この点において、コリメーション及びレイリー散乱の両方を実行することに代わって、単一の光学素子の使用によって、直接光及び拡散光の両方を可能な限り前方方向に案内することによって、輝度効率を最大化するために、実施形態が最適化されることに触れる価値がある。処理能力を高めるために、逆散乱光を前方方向にリダイレクトする反射防止被膜及び反射房が提供される。特に、レンズ980からの焦点距離に位置する温光源984を必要とする、最小分岐を有する温(例えば、低CCT)直接光を生成するために、
図30の装置では何ら努力がなされていない。一方で、
図30から明らかなように、光源984はレンズのより近くに位置し、目的は、レンズによる集光量を最大化することであって、平行光線を生成することではない。
【0031】
レンズから光源984の短い距離に起因して、蛍光体からレンズへの光線経路がより長く、且つ傾斜角度がより大きい(照射への各光線の寄与は、入射角のコサイン倍の経路長の2乗の逆数に比例する)ことに因って、レンズの円周部に存在する温光は中心よりも弱い。実際には、レンズの外側部分上の60度の平均入射角を想定すると、差異が係数8としてのレンズにわたる温光輝度変動につながることがあり、それは、レイリー拡散体の輝度における強い空間変調をもたらす。ここで、照度(光源984からの)が小さくなる場合に拡散体の密度が下がるので、不均一さが更に増す。
【0032】
したがって、
図30に示す装置は未だに、観察者が人工照明に関する自然な感覚を得ることを妨げる、視覚的キューの矛盾を含む(それに限定されない)、いくつかの問題を抱えている。実際に、温光源984とレンズとの間の短い距離によって、光の虚像が、太陽の自然な像に対して生じるものと異なって、無限の距離で現れることが生じる。さらに、(レンズ)レイリー拡散体の不均質な照明によって、不均質な空−輝度プロファイルが生じ、空輝度プロファイルによって、視覚キューが、実像面と虚像面との間のキュー矛盾を判定する、装置面における照射レンズの実像を形成する。加えて、光源とレンズとの間の同一の近距離は、
図30の装置が、実際の太陽のケースと異なり、典型的な放射状に対称的な外側に向かう挙動によって特徴付けられる影を落とすことにつながる。最終的に、反射体箱986は、観察者に向かって、いくつかの照射寄与物を照らす、すなわち、照射寄与物は、光源984から直接来る光、2つのレンズ−空気境界面から反射される光、ナノ拡散体から逆散乱される光、並びにレンズ下流の照射された光景から来る光、及び上流方向にレンズを交差させる光、である。結果として、反射体箱によって更に、レンズの像面と光の像面との間の中間位置において、レイリー拡散体を超える、不均質且つ発光背景を作り出すことによって、いずれかの潜在的な大きな深さの視覚的経験が妨げられる。特に、レイリー散乱光の色とは異なる色を有する、光源984からの光と、周囲から反射された背景への光との寄与に因って、反射体箱986によって、拡散光の色が空の光の実際の色とは異なることが生じ、よって、空の自然な見え方を損ね、且つ知覚された深さを深める空気遠近法に関連する潜在的な好ましい効果を妨げる。要するに、
図30の装置は、本発明の根底にある技術的課題を解決することができない。何故ならば、観察者が装置自体を直接見るときの実際の空及び太陽としての視覚的な見え方の要件と、空及び太陽によって行われるような周囲を照射する要件との両方を満たさないからである。
【0033】
同一の光源の配列のケースで、輝点の虚像を無限の距離で形成することができるメカニズムをさらに明確にするために、本発明の発明者は
図1に例示されるような
図29に示された構造を概念化した。すなわち、拡散光発生器10が、第1の光放射デバイス14の2次元配列で構成された直接光源12に対して下流に位置し、各々の第1の光放射デバイス14は、それぞれの第1の光放射デバイス14によって出力される光をコリメートするように、それに関連付けられたコリメータ16を有する。拡散光発生器10は、レイリーライク拡散体であってもよく、又は以下でさらに詳細に述べられるような、代替的に若しくは追加的に、直接光源12によって生成されるコリメート光に対して少なくとも部分的に透過的な拡散光源を備えてもよい。
図1はまた、全体的に、参照符号20で示される人工照明装置の方向を見ている観察者の目18
L及び18
Rを示す。
図1では、目18
L及び18
Rは、両眼視力に因って、観察者は必然的にそれぞれの網膜22上の同一の位置で2つの太陽の像を有することを試みることから、本来的に無限遠に設定される。拡散光発生器10がコリメータ16の面の近くに配置されていることに因って、目18
L及び18
Rは、青い空の環境での丸い太陽を見ることになる。特に、部屋の中で歩くことによって、目は、パネルを交差する視太陽を、それが実際に起こっているように見る。光源の角スペクトルがフラットトップでないが鐘形である場合、太陽の像は鮮明でなく青みがかることになる。
図1が無限の距離での輝点の虚像の形成のみに関係していることが思い出される一方で、目の調節及びLED配列面への収束によって形成され、且つ
図29で示された装置が、空及び太陽の自然の視覚的な見え方を保証することを妨げる、LED配列の実像を考慮していない。
【0034】
図2Aは、太陽及び空が窓を介して行うような周囲を照射することが可能であり、且つ空及び太陽が窓を介して観察されるときに本来行うのと同時に、実質的に無限の深さの経験を保証する照明装置の視覚的な見え方を保証する、本発明に従った実施形態を示している。
【0035】
言い換えると、実施形態は、太陽及び空のように、すなわち、太陽及び空からの光と類似する輝度プロファイル及び見え方を有する、自然光を生成する人工照明装置20を示している。
【0036】
図2Aの人工照明装置は、直接光源を備えている。
図2の理解を軽減する目的で、直接光源の第1の放射面28が単に示されている。しかしながら、
図1から明確になり、且つ以下の図面からより明確になるように(図示しない)、直接光源は、主要光を放射するように構成され、且つ光放射面に対して上流に位置する第1の光放射デバイスを備えている。直接光源12は、主要光から直接光236を生成するように構成され、直接光236は、第1の放射面28にわたって均一な(例えば、空間依存性に関して)輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)を有する第1の放射面28を出射し、且つ直接光方向32に沿って狭いピーク30(すなわち、角度依存に関して)を有し、x及びyは、第1の放射面28に及ぶ軸x及びyに沿った横軸座標であり、θは、直接光方向32に対して測定される極角(polar angle)であり、φは、方位角(azimuthal angle)である。用語「狭い」は、以下で更に明確にされるが、概して、L
direct(x、y、θ、φ)が2πsrよりも非常に小さく、例えば、0.4srよりも小さく、好ましくは0.3srよりも小さく、更に好ましくは0.2srよりも小さい、立体角によって定められるピークを有する、として理解されてもよい。さらに、
図2Aの人工照明装置はまた、第1の放射面28の下流に位置するとしても例示されていない、拡散光発生器10を備えている。拡散光発生器10は、第2の放射面34及び第2の放射面と対向する入力面33を備え、且つ少なくとも部分的に、入力面33上に影響する光に対して透過的になるように構成されている。さらに、拡散光発生器10は、第2の放射面34から拡散光35を放射するように構成され、拡散光35は、実質的にすべての前方方向に散乱され、且つ空間座標x、yに応じて均一又は少なくとも弱い、第2の放射面34を出射する、外側光の成分である。例えば、拡散光発生器10は、狭いピーク30を定める立体角の少なくとも4倍大きく、好ましくは9倍大きく、より好ましくは16倍大きい立体角上で、拡散光を放射するように構成されている。
【0037】
加えて、
図2Aの装置は、直接光源12によって生成される直接光236が、拡散光35のCCTよりも低い(例えば、少なくとも1.2倍低い、好ましくは1.3倍低い、より好ましくは1.4低い)CCTを有するように構成されている。拡散光発生器10が少なくとも部分的に光透過であるという事実に因って、直接光236の少なくとも一部は、第2の放射面34の下流に伝播する。結果として、外側光は、狭いピーク30内に含まれる方向に沿って(例えば、狭いピーク30を定める方向の少なくとも90%に沿って、すなわち、狭いピークのHWHM極角よりも小さい極角θを有する方向の90%に沿って)伝播する第1の光成分と、狭いピーク30から間隔を介した方向、例えば、方向32及び狭いピークのHWHM極角よりも3倍大きい半開口部に沿って向けられた軸を有する円錐の外側の角領域の少なくとも30%、好ましくは50%、最も好ましくは90%に及ぶ方向、に沿って伝播する第2の光成分とを備えている。
【0038】
図2Bに示される更なる実施形態では、第1の放射面28及び第2の放射面34の相互位置は、
図2Aのケースに対して逆になる。言い換えると、
図2Aのケースでは、第2の放射面34が装置20の外側面37を形成し、
図2Bのケースでは、第1の放射面28が装置20の外側面37を形成する。
【0039】
具体的には、
図2Bの実施形態は、主要光(図示せず)を放射するように構成された第1の光放射デバイス14(図示せず)及び直接光源の下流に位置する第1の放射面28を備える直接光源(図示せず)を備える人工照明装置に言及し、直接光源12は、輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)を有する第1の放射面28を出射する直接光236を、主要光から生成するように構成されており、輝度プロファイルは、第1の放射面28にわたって均一であり(例えば、空間依存性に関して)、且つ直接光方向32に沿って狭いピーク30を有する(すなわち、角度依存性に関して)。さらに、
図2Bにおける実施形態はまた、第1の光放射デバイスの下流に位置し、且つ第1の放射面28の上流に位置し(すなわち、直接光源12の内部に位置する)、且つ少なくとも部分的に主要光、すなわち、入力面33上に影響する光に対して透過的であり、第2の放射面34から拡散光35を放射するように構成された拡散光発生器10(図示せず)を備えており、拡散光35は、実質的にすべての前方方向に散乱され、且つ空間座標x、yに応じて均一又は少なくとも弱い、第2の放射面34を出射する光の成分である。したがって、
図2Bにおける実施形態について、第1の放射面28は、第2の放射面34の下流に位置し、輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)は、第1の放射面28における輝度であり、拡散光発生器10は、系から物理的に除去される。
図2Bの実施形態では、照明装置は、主要光14が、拡散光35のCCTよりも低いCCT(例えば、少なくとも1.2倍低く、好ましくは1.3倍低く、より好ましくは1.4倍低い)を有するように構成されている。拡散光発生器10が少なくとも部分的に光透過であるという事実に因って、第1の放射面28における外側光は、狭いピーク30内に含まれる方向に沿って伝播する第1の光成分と、狭いピーク30と間隔を介した方向に沿って伝播する第2の光成分とを備え、第1の光成分は、第2の光成分のCCTよりも低いCCTを有する。
【0040】
特定のケースとして、第1の放射面28が第2の放射面34と一致するという事実のみについて
図2Bの実施形態とは異なる更なる実施形態が考えられる。言い換えると、実施形態は、拡散光発生器10及び第1の放射面28の両方の機能、例えば、主要光14のCCTよりも高いCCTを有する拡散光成分を生成する機能、及び
図30におけるレンズ980に関して、それぞれ主要光のCCTよりも低いCCT(例えば、少なくとも1.2倍低く、好ましくは1.3倍低く、より好ましくは1.4倍低い)を有する補完光成分をコリメートする機能、を保証する2色性光学素子を備えている。このケースでは、均一であり(例えば、空間依存性に関して)、且つ直接光方向32に沿って狭いピーク30を有する(すなわち、角度依存性に関して)輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)を生成する特性は、2色性光学素子と同一の光学素子を備えるが、拡散光発生器の機能を有しない直接光源12のケースに起因するはずである。
【0041】
更なる特定のケースとして、主要光を直接光に変換する処理(例えば、コリメーション処理)が、第1の放射面28の上流に位置する幾つかの光学素子によって実行される実施形態が可能であり、第1の放射面28の上流に位置する拡散光発生器10は、主要光及び直接光のいずれによっても直接照らされないが、主要光から発展し且つ第1の放射面28において直接光をもたらす中間光によって照らされる。またこのケースでは、L
direct(x、y、θ、φ)の性能が、照明装置から拡散光発生器を物理的に除去して検証される必要がある。
より全体的な人工照明装置の更なる実施形態が、上記4つの機能のすべての特徴を保証し、したがって、
直接光源12と、
拡散光発生器10と
を備え、直接光源12は、主要光を放射するように構成された第1の光放射デバイス14と、第1の光放射デバイスの下流に位置する第1の放射面28とを備え、
拡散光発生器10は、少なくとも部分的に光透過であり、及び第1の光放射デバイスの下流に位置し、且つ第2の放射面34を備え、及び第2の放射面34において拡散光35を生じさせるように構成され、
直接光源12は、第1の放射面28の上流に位置する場合に拡散光発生器10が除去され、直接光源12は、第1の放射面28にわたって均一であり、且つ直接光方向32の周りの角度分布において狭いピーク30を有する輝度プロファイルを有する第1の放射面28を出射する直接光236を、主要光から生成するように構成され、
第1の放射面28及び第2の放射面34の1つが他に対して下流に位置し、且つ人工照明装置の外側放射面を形成し、又は第1の放射面28及び第2の放射面34の両方が、人工照明装置の外側放射面を形成するように一致し、
人工照明装置は、直接光源12及び拡散光発生器10が外側放射面において外側光を形成するように協働するように構成され、外側光は、狭いピーク30に含まれる方向に沿って(例えば、狭いピーク30を定める方向の少なくとも90%に沿って)伝播する第1の光成分と、狭いピーク30から間隔を介した方向に沿って(例えば、方向、及び狭いピークのHWHM極角よりも3倍大きい半開口部の少なくとも30%、好ましくは50%、最も好ましくは90%にかかる方向、に沿って)伝播する第2の光成分とを備え、
第1の光成分は、第2の光成分のCCTよりも低い、例えば、1.2倍低く、好ましくは1.3倍低く、より好ましくは1.4倍低い、CCTを有している。
【0042】
図2A及び
図2Bにおける実施形態、並びに述べられた代替手段及び一般化はすべて、輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)によって特徴づけられる直接光源を保証し、輝度プロファイルは、空間座標に関して同時に均一であり、且つ角座標に関して狭いピークがある。拡散光発生器が少なくとも部分的に光透過であるので、L
direct(x、y、θ、φ)の実際の特徴は、視覚キューに関して本質的なものである。
【0043】
なお、L
direct(x、y、θ、φ)の均一性(空間座標に関して)は、視覚キューの矛盾を回避するのに十分である。実際には、発明者は、均一の輝度プロファイルが調節、両眼輻輳、及び運動視差の視覚的キューの中のいずれかに対する無限の奥行き感とは異なる奥行き感につながることがないことに気付いた。さらに、L
direct(x、y、θ、φ)角プロファイルにおける狭いピーク30は、広範な無限の奥行き感の視覚的な見え方において重要な役割を果たす。
【0044】
実際には、鮮明な角度ピークを有する空間座標に沿った均一な輝度プロファイルの存在は、
図1に示した配置と同様に、無限遠で両眼輻輳によりサポートされる虚像を生成する。そのような均一性は、LED配列の実像が、例えば、LED素子のピッチに因る非空間的に均一な照射によって判定されるので、
図29における実施形態の明白な制約を克服する。
【0045】
なお、空間的に均一なL
direct(x、y、θ、φ)の角度プロファイルにおけるピーク30はさらに、無限の奥行き感を改善する。実際に、観察者の視覚的な注意は、好ましくは、最大輝度、最大コントラスト、及び最大空間周波数(角分解能制限に対応する周波数よりも小さいと仮定して)が発生する面に向けられる。言い換えると、鮮明且つ明るい像が、相関位置に関して2つの網膜上に異なって位置することを回避するために、両眼輻輳は目を定める。したがって、L
direct(x、y、θ、φ)角度プロファイルにおける狭いピークは、同一方向(L
direct空間的均一性、及び直接光方向32に沿ってピークとなる事実から得られる)から両眼で知覚される限り、太陽を表す輝点の無限の奥行き感をサポートする、平行方向に沿って両眼を配置させる。特に、これは、眼球の軸の両方が配置される実際の方向に独立して発生する(すなわち、L
directのピークが目の網膜の中心から離れてスポットを作り出すように目が向けられる場合でさえ)。言い換えると、明るく且つ狭いスポットが視野にある限り、たとえ、それが中心又は側面にあったとしても、効果が生じる。
【0046】
さらに、既に述べた、観察者の視覚的注意が好ましくは、最大輝度、最大コントラスト、及び最大空間周波数(分解能未満の)が発生する面に向けられるという事実に因って、
図2の実施形態のケースにおける目の調節が、無限遠面を広くもたらし、これは、輝度L
direct(x、y、θ、φ)における狭い角度ピーク30を理由に、最大輝度、最大コントラスト、及び最大空間周波数が発生する仮想面である。
【0047】
L
direct(x、y、θ、φ)の空間的均一性は、運動視差の視覚キューに対する無限の奥行き感をも保証する。何故ならば、移動している観察者が、L
direct(x、y、θ、φ)のいずれかの角度構造、例えば、実際に移動しているように見える対象物から非常に離れた観察者とともに太陽が移動しているとして表す狭いピーク30に因る虚像を経験するからである。
【0048】
さらに、上述した実施形態における輝度プロファイルの特性によって、各々の単一の観察者が視覚キューによって一貫してサポートされる同一の無限の奥行き感を経験するという意味で、観察者の数及び光源に対する相対的位置に依存しないようになる。
【0049】
したがって、直接光源12の第1の放射面28に存在する光の輝度プロファイルL
direct(x、y、θ、φ)は、視覚的奥行き感のキューの間での相互的及び内的矛盾がないことを保証し、これは、太陽及び空の両方の無限の深さの自然な知覚をもたらすために必須となる。
【0050】
なお。無限の奥行き感を判定するL
direct(x、y、θ、φ)の能力は概して、輝度角度プロファイルにおけるピークと背景とのコントラストが増加するとともに増加する、すなわち、明るい角度ピークが存在すると、暗い背景が広範の無限の奥行き感を強くサポートする。
【0051】
また、暗い背景はさらに、より明るい1つに関して広範の無限の奥行き感を改善する。何故ならば、それらの不均一な構造の平均輝度値が、主な狭い角度ピークに関して低くなると、背景輝度プロファイルにおける潜在的な不均一性の視界が低くなるからである。言い換えると、暗い背景における不均一性は、背景の平均値に関する変動の同一の相対量について、密な背景の不均一性よりも弱い視覚キューの矛盾を判定し、暗さ又は密度は、狭い角度ピーク30の輝度に関するものとなる。
【0052】
また、L
direct(x、y、θ、φ)が同時に(x、y)プロファイルにおいて均一となり、且つ(θ、φ)プロファイルにおいてピークとなるという要求は、
図29における実施形態のケースと矛盾する。何故ならば、変動が知覚できなくなるように、(x、y)プロファイルにおける均一性が、コリメータの大きさを微小光学領域まで最小化することを要求しており、且つ例えば、LED光源の固有の分岐を除去するために、(θ、φ)プロファイルにおける狭いピークが、コリメータの大きさを最大化することを要求しているからである。
【0053】
直接光方向32に沿った狭い角度ピークは、鮮明な反影を有する平行な影を保証する。拡散光発生器10は、一方では、
図2に示された実施形態が、実際の窓に入射する自然光に対して発生するように、影を青みがかった色にする高いCCT拡散光成分を提供することによって、自然の空及び太陽として周囲を照射することを保証する。もう一方で、拡散光発生器10は、装置自体を直接見ているときに、装置自体の視覚的な見え方にも影響を与える。実際に、拡散光発生器10は、直接光源の輝度によって判定される低CCT輝点の周りの拡散発光の青みがかった背景を作りだす。この発光背景は、白または灰色の発光背景に対して発生するような無限の奥行き感を損ねる代わりに、空気遠近法の視覚キューと、直接光源に沿ってサポートされる、既に述べた他の視覚キューとの間の相乗作用を理由に、無限の奥行き感をさらにサポートする。
【0054】
上記相乗作用に関して、すなわち、拡散光発生器10を見ているとともに、視界の側面上で太陽を表す輝点を有しているとき、観察者によって知覚される深さに関して、発明者は、L
direct角度プロファイルにおける狭いピークの効果、空間的均一性及び第2の放射面34から放射される拡散光の平坦な角度依存の効果、並びに拡散光CCT(直接光CCTに関して)の高い値の効果、の3つの同時効果が重要な役割を果たすことに気付いた。実際に、空間的均一性及び拡散光の平坦な角度依存は単独で、拡散光の光源の知覚された距離を不確定なものとし、すなわち、観察者と、均一性がなくなるフレーム又はそれと同様の部分を除く第2の放射面34との間の距離を観察者が推定することは困難である。そのような状況下で、観察者の注意を拡散光発生器の物理面に向けるいずれかの細事の存在(例えば、拡散体の面上の傷の存在)は、第2の放射面34に焦点を置いた広範の奥行き感を作り出す。一方で、L
direct角度プロファイルにおける狭いピークは、目を無限遠で集束させる。結果として、拡散光がそこから向けられる知覚される面も、無限遠とされる。観察者が均一な背景を見ているとき、それ自体が定められていない距離、集束、調節、及び運動視差の視覚キューが、L
directにおける狭い角度ピーク30によるこのケースで表される光景の単一の定められた構造によって解決されていないままであることを理由に、これが発生する。
図2に示された実施形態のケースでは、拡散体がレイリー発散領域で動作しているような、空の色及び輝度(周囲に関する)と同様の色及び輝度を拡散光が有するときに、この効果が大幅に改良されることが発見されている。実際にこのケースでは、心理学的な観点から、離れた対象物として空を知覚する観察者の習性が、無限の奥行き感を実施する。言い換えると、空気遠近法はさらに、背景を無限の距離に引き込むことに寄与する。最終的に、青みがかった背景の無限の距離への述べられた引き込みは、
図29における実施形態では観察されなかったことに気付くことができる。何故ならば、この場合、知覚可能な画素化が、拡散光の放射の面をLED配列の面に引き込むからである。
【0056】
本発明の或る実施形態では、光照明装置は、
図3(A)、(B)に示すように、直接光源12が立方骨内に収容されてもよいという意味でコンパクトであり、その地面12aの領域は、光放射面の領域以上であり、高さ12bは、第1の放射面28の最大幅よりも小さい。地面12aは、第1の放射面28を備えてもよく、又は立方骨内に完全に入る第1の放射面28と平行に位置してもよい。まさに例を与えるために、第1の放射面28の領域は、10cm×10cmよりも大きくてもよい。地面12aの領域は、第1の放射面28の領域の1.1倍よりも小さくてもよい。上述した最大幅は、第1の放射面28のいずれか2つのポイントの間の最小距離として定められ
【0057】
以下、さらに概要を説明する実施形態では、拡散光発生器10は、広い空間を収容することができない。例えば、拡散光発生器10は、
図3(A)に示すように、第1の放射面28と同一面内の研削端面10aを有するとともに高さ10bだけ下流方向36へ延びた立方体内に配置され得る。研削端面10aの面積は、研削端面12a以下であってもよい。高さ10bについても同様であり、高さ12b以下であり得る。研削端面10aとは反対側の上面10cは、第2の放射面34を備えてもよく、後者は、拡散光発生器10の立方体内に含まれ得る。第2の放射面34の面積は、例えば第1の放射面28の面積の±10%の程度に、第1の放射面28の面積とほぼ等しいことが好ましい。上述のように、発生器10と光源12とは、面34および28の面積を超えてもよい。高さ10bは、第1の放射面28の最大値にかかわらず、第1の放射面28の上述の最大幅の10%未満でもよく、10cm未満でもよい。下流方向36は、例えば、直接光源12で発生した直接光が第1の放射面28から放射される方向32を指すように定義され得る。上述のように、この方向32は、第1の放射面28の法線と平行であってよい。
図3(B)は、
図2Bの面28および34の一連の配列に対応する。ここで、発生器10の立方体は、直接光源の立方体内に完全に含まれ得る。
【0058】
第1の放射面28の全体に亘って均一であって直接光方向32周辺に狭いピーク30がある輝度プロファイルL
directで、第1の放射面28から同様に発せられる直接光を放射する直接光源の機能の結果として、以下のようになる。1)直接光方向32は、第1の放射面28の全体において実質的に一定であり、2)発散は小さく、3)発散は、第1の放射面28の全体において実質的に一定である。「小さく」および「実質的に」の程度については、以下により詳細に説明する。いずれの場合でも、
図4を参照すると、これらの制約に従う直接光源12により発せられる直接光により、直接光源およびその第1の放射面28を見ている観察者38は、輝点40を狭い可視円錐角42で見ており、輝点は、両眼輻輳、遠近調節および運動視差の深さキュー(motion parallax depth cue)に関して、無限の距離で知覚される。換言すれば、観察者38は、第1の放射面28を見るときに、輝点40を見ており、観察者が光放射面に対して動くと、輝点40は、無限遠の位置にある対象物から生じているかのように、第1の放射面28に対して動く。
【0059】
第1の放射面28で直接光源12により発せられた光の輝度プロファイルによる上述の均一性およびピークの尖鋭性に関して従うべき上述の制約を定義するため、狭いピークの形成に寄与する一方の内側直接光成分と、残余の背景を形成することになる周辺のより発散性のある他方の成分とを、区別し得るものであり、輝度プロファイルのとりうる変化を、両眼輻輳および運動視差の深さキューに関し、より狭い領域とより広い領域(すなわち、第1の放射面28のほぼ全領域)とで区別し得る。その制約について、以下に定義する。
【0060】
特に、直接光源12は、第1の放射面28の全体に亘り均一な強度で、放射面の法線zに対して単一の所定方向32に光を発し、発散円錐が非常に低く、好ましくは円形対称で、このような発散円錐の外側の背景も低く、発散と背景の両方ともパネル全体に亘って均一になっている。これについて、L
direct(x,y,θ,φ)は、暗環境で直接光源から発せられた直接光の輝度を示すこととする。ここで、暗環境とは、直接光源外部で光が一切発せられたり反射したりすることがないものであり、x、y、θおよびφは、既に定義したとおりである。なお、輝度を、空間および角座標の関数で表すには、検出器の実際の角分解能および光源からの距離を説明すべきであり、これにより、検出可能な空間分解能が決まる。本発明に関し、角分解能は0.07°と想定されており、これは、典型的な裸眼の角分解能に近似するものである。空間分解能は1mmと想定されており、これは、観察距離が約1mであることに対応する。したがって、本発明に関連して説明した輝度プロファイルに関する全ての制約は、上述の分解能となることが意図されている。これは、高い角周波数または空間周波数で(すなわち、高い角分解能および/または近接した距離で)最終的に生じる変動は、本発明の目的からして関係がないということである。制約は以下のようになる。
【0061】
方向32から遠い。すなわち、極角θ>θ
HWHM。ここで、θ
HWHMは、平均極角分布のHWHM(半値半幅)であり、これは、光放射面における全ての位置(x,y)および全ての方位方向φについての輝度プロファイルL
directの平均であり、輝度プロファイルL
directは、全ての位置および角度でのL
directの絶対最大値の10%を下回り、好ましくは1%、より好ましくは0.1%を下回る。
【0062】
方向32に近い。すなわち、極角θ≦θ
HWHM。ここで、輝度プロファイルL
directは、方位座標φに弱く依存する。例えば、各位置(x,y)について、外側でL
directが最大値の10%を下回る領域θ,φは、実質的に底面が円形の円錐となり、これにより、観察者は、光源を方向32に見たときに、円形の点を知覚可能となる。定量的には、同量の合計の半分に規格化された上記領域の最大極角と最小極角との差は、サンプルにおけるあらゆる位置について、0.5を下回り、好ましくは0.2を、より好ましくは0.1を下回ることになる。
ここで、θ
HWHM≦2.5°であり、好ましくはθ
HWHM≦1.5°、より好ましくはθ
HWHM≦0.5°である。
数式では、以下のようになる。
および
ここで、
Aは、第1の放射面28の面積、
θ
HWHM≦2.5°であり、好ましくはθ
HWHM≦1.5°、より好ましくはθ
HWHM≦0.5°であり、
k=0.1であり、好ましくはk=0.01、より好ましくはk=0.001であり、
h=0.5であり、好ましくはh=0.2、より好ましくはh=0.1である。
ここで、以下の定義が真として成り立つ。
【0063】
方向32から遠く離れた残りの直接光の背景の均一性にさらに注目すると、L
directについての要件は、極角θが3θ
HWHMより大きい場合に、空間振幅変動が最小となることを示している。例えば、上記輝度空間変動の標準偏差と輝度平均値との比は、あらゆる10mm径空間円形領域内で光放射面の少なくとも90%について、0.3の値を超えず、好ましくは0.1の値を超えず、光放射面の少なくとも90%の全体内であらゆる既定の方位角φおよび3θ
HWHMより大きいあらゆる既定の極角θについて、0.4の値を超えず、好ましくは0.3の値を超えず、より好ましくは0.2の値を超えなくともよい。
【0064】
方向32に近接した直接光の均一性が考慮される限り、5cm径の空間領域内でθ
HWHMの20%より大きな標準偏差で、好ましくは10cm径、より好ましくは20cm径で、L
directについての要件は、(極大)最大輝度となる(局所的)極角内の空間変動を示すものではなく、光放射面の全体の少なくとも90%の全体内で、標準偏差がθ
HWHMより大きい(極大)最大輝度となる(局所的)極角内の空間変動を示すものではない。ここでθ
HWHM≦2.5°、好ましくはθ
HWHM≦1.5°、最も好ましくはθ
HWHM≦0.5°である。
数式で表現すると、上述の制約は、以下のように定式化される。
【0065】
要約すると、上記の制約により、直接光方向32から充分に離れた極角については、L
directが相当に弱く、均一となる一方、直接光方向32に近接した極角については、L
directは方位座標に弱く依存し、同方向にピークを持つ、すなわち、任意の(x,y)∈Aについてθ=0、少なくとも実質的に円形の点40が確実に現れることが、保障される。上述のように、これらの制約により、観察者38は、2・θ
HWHMと同じかまたは同様の全幅角サイズ42で、弱く均一な背景に囲まれた、明るく円形の点40のみを見るようになることが保障される。
【0066】
ある実施形態では、直接光源は、かなり明るい環境内で動作するときにも、背景が確実に暗く均一となるように構成される。すなわち、周辺光は、背景輝度レベルおよび均一性について、第1の放射面28の形成を損なう程には、反射されたり、後方散乱されたりしない。実際に、第1の放射面28は、発光するだけでなく、例えば拡散光発生器10(その下流に位置する場合)からおよび/または周辺から受光する。例えば、人工照明装置20が完全に白い部屋を照明する理想的な場合には、直接光源から発せられた全光束は、直接光源自体に戻ることになる。
【0067】
上記要件は、換言すれば、直接光源12がオフであるときに、拡散した外側の照明下で外観が暗く均一であるという、第1の放射面28の要件である。特に、本実施形態では、直接光源12は、第1の放射面28の全反射(平均)係数がη
r≦0.4、好ましくはη
r≦0.2、より好ましくはη
r≦0.1、さらに好ましくは、η
r≦0.04となるように、構成されている。ここで、全反射係数η
rは、試料の面が境界となった半球内の全角度で反射した光束と、同一の幾何学的空間的測定条件において完全反射拡散体で反射した光束との比として定義される。これは、例えば、サンプルに均一な照度(lux/m)を提供するD65標準光源による拡散照明下でなされる。
【0068】
さらに別の実施形態では、方向32から遠く離れた第1の放射面28の外観が暗く均一であるという要件は、更に厳しくなっている。これは、絶対輝度値とその変動の両方に関わるため、反射光の上限が直接光により制限されることが要請されるためである。さらに正確には、本実施形態は、第1の放射面28が、背景光について、受動光学素子としても、同じ特性を保つことを保障している。すなわち、かなり明るい環境内で動作する場合に、反射および拡散する光についても、保障されている。換言すると、直接光源12は、放射円錐30の外側での観測におけるあらゆる極角について、また、強い周辺光があるときにも、暗く均一な外観を保障している。
【0069】
この要件は、換言すると、拡散光発生器10が人工照明装置から取り外されて、直接光源12がオフで、第1の放射面28が第1の放射面28に当たる外部の拡散光により照明され、オンになっているときに直接光源12自体によって第1の放射面に当たる照度の平均に等しい一定の照度となる場合、外側の拡散光が、光放射面により反射または後方散乱され、あらゆる位置でL
directより弱く、あらゆる角度で第1の放射面28の少なくとも90%となる、第1の放射面28での反射率輝度プロファイルL
Rを生じるように、直接光源12が構成されるべきということになる。ここで、L
Rは、任意の10mm径の空間円形領域内での振幅の標準偏差が、第1の放射面28の少なくとも90%内である対応するL
directの標準偏差よりも小さくなっている。
数式におけるL
Rの「弱さ」および「均一性」についての上述の制約は、以下のように読み取ることができる。
全ての(x,y)∈A
10mm(X,Y),全てのφ∈[0;2π[,および全てのθ∈[0,π]について
ここで、(X,Y)∈A
90%について、
A
90%は、第1の放射面28の全領域の90%を占める部分を示し、この部分は単連結であってもそうでなくともよく、A
10mmは、A内の(X,Y)での10mm径の任意の
【0070】
その他の実施形態では、第1の放射面28での直接光源12により発せられた光の狭いピーク30の方向および幅における空間変動についての制約は、異なる形に定式化される。すなわち、輝度プロファイルL
directは、第1の放射面28の全体における最大値の局所方向の分布範囲が2°未満であることを示し、全ての方位角に亘るL
directの局所平均極角プロファイルのHWHMの第1の放射面28の全体における平均値が、5°未満である。数式により表現すると、これは以下のようになる。
【0071】
もちろん、輝度プロファイルの最大値の方向の分布は、放射対称ベクトル場とは異なるべきであるので、直接光内の物体により投射される影は、収束方向に揃わない。これは、
図28、
図30および
図31の装置の場合である。より正確には、直接光源により照明されて、方向32に沿って互いに平行に配列された複数の長尺物は、有限距離で局所化された光源による照明に典型的な外側に放射対称に向く作用により特徴づけられるものではない、複数の影を、任意の平面に落とすように、直接光源は構成されている。この目的を達成するために、狭いピーク30の方向の空間変動は、上述の制限内で発生し得るものであり、不規則またはランダムである。
【0072】
直接光源12と拡散光発生器10とを、上述のいずれかの方法で組み合わせることにより、人工照明装置20は、明るく、好ましくは、空を模して拡散光発生器10から発せられる青みがかった背景を提供するとともに、直接光源12から発せられて輝点40となる光は、より暖かいCCTとなる。第1の放射面28の前を歩くと、太陽が実際の窓を横切るように、この点40は面に沿って横切って行く。
【0073】
特に、直接光源12の直接光が観察者38の両眼で一旦視認されると、観察者38は、無限の距離に輝点40を知覚する。実際に、輝度プロファイルL
directの概略的特徴によると、
図1に示すように、2つの網膜上に等しく位置したそれぞれの輝点を両眼が平行に知覚するようになっている。これは、装置20が深い奥行き感を提供することを保障する条件である。L
directがx,yおよびφから独立し、θ>θ
0について仮想的に0で、θ<θ
0について定数値をとる場合に、これらの条件は理想的に保障され、ここで、θ
0は、例えば3°、より好ましくは1°、さらに好ましくは0.5°である。しかしながら、この理想的な領域とある程度の差異は、可能な制約の上述の例に示すように、明らかに許容可能である。許容される差異量は、視覚の不一致の不在または少なくとも有限距離で支配的な奥行き感をもたらす不一致の不在をもたらすように、上述の大きな(仮想的には無限の)奥行き感を保障する必要によって主として決定される。この条件は、可能な制約についての上記の例により保障される。
【0074】
有限距離での直接光源の実像の視認性は、換言すれば、奥行き効果を妨げないようにある程度の制限内とされた輝度プロファイルL
directへの所定の寄与である。すなわち、L
directに対する上述の理想的な制約が満たされた場合、直接光源12は視認不能であり、可視の物体は輝点40のみである。許容可能な差異を明瞭にするためには、角周波数は、眼の分解能、すなわち0.07°により課される制限よりも大きくないという条件で、観察者38は、色分布と同様、物体の輝度上の非常に弱い空間変動を容易に知覚するものと説明されることになる。これは、観察者38の装置20からの最短距離を1mと想定して、例えば、直接光源12の空間変動は、約1mm未満のスケールで生じるとすれば許容可能であることを意味する。大きなスケールでのこのような変動の発生は、少なくともθ>θ
0について発生する場合、観察者の眼で容易に特定可能である。なお、ここで、視覚は飽和していない。
【0075】
なお、最大値の10%の背景輝度は、非常に高い数値であるが、ある条件下で許容可能となりうる。条件は、まさに日の出と日没における空および太陽の照明を再現するためのもので、すなわち、太陽の輝度が、空の輝度に対して、日中と同じようには高くない時である。
【0076】
略述した制約のいずれかにて、これらの制約が
図28に示す設定を満たさないことは明らかである。これは、光源902は、L
directの空間的均一性が、外側に放射対称に向く作用により特徴づけられる影を確実に妨げるように、パネル906から極めて離れたところに配置されるべきであるためである。さらに、
図29の設定は、ドーム集光器を伴うLEDアレイを示し、制約を満たさない。これは、輝度のHWHMは、必要とされるよりも1オーダー大きいため、および結果としての輝度が、LEDアレイのピッチにより1mmよりもかなり大きいスケール上で、HWHM円錐放射角について強い空間変動を示すためである。
図29の設定のLEDが接続されていなければ、所望の仕様も得られないことに注目すべきである。例えば、TIR光学集光器で、より一般的には、例えば、複合放物面集光器(CPC)デバイス等、非結像光学の分野で用いられる標準的な集光器のうちの任意のものによる。実際に、所望の低い発散がかなり大きくなることが保障されるように、これらの光学素子がとるべき横寸法は、すなわち、現在入手可能な一般的照明LEDチップの最小寸法が約1mmであることと、一般的LEDライトと光学素子との結合の必要について考慮する場合、数センチである。このことは、少なくとも光放射面に近接して、すなわち、光放射面から1m離れた観察者について、例えば、観察者の眼は、光学素子の各々の内側の輝点40を見る、すなわち、例えば、1°の完全な発散で1mの距離で輝点が2cmなどのように、輝点の寸法は光学素子の寸法よりも小さいことを意味する。そこから(上記参照)短い距離のこのような低発散非結像光学素子を見ている観察者は、あらゆる円形の点の真像を知覚することができず、さらには、あらゆる無限遠焦点深度を経験することができない。これは、このような非結像光学素子により生じた輝度は、真に均一(すなわち、シフト不変)ではなく、方位角について不変でもないからである。結果として、両眼は2つの像を捉える。これらの像は、光学素子と接続された放射光源(例えばLED)が円形であって一様でなくとも、(i)が一般には円形ではない。両眼が異なる像を知覚するという事実は、平行方向に向いた両眼が従うべきものについては、非常に好ましくない。一方、この環境下で、両眼にとって真に等しく見えるものに、すなわち有限距離の光源物体に、両眼が焦点を合わせることははるかに容易である。このことにより、太陽の外観の丸みだけでなく、無限の奥行き感をも妨げる。
言及した考え方は、以下の制約がLEDにより満たされる場合には、直接光源12のさらに別の実施形態が
図29の文脈で解釈され得ることを示唆している。
【0077】
(i)放射方向に垂直な方向の各LED(レンズドームを含む)の大きさは、実質的に小さくなり得る。すなわち、3mm、好ましくは1mm、最も好ましくは0.5mmにまで低減し得る。このことは、オンおよびオフの両モードにおいて、均一性の制約に従うことになる。
【0078】
(ii)LED発光器の大きさ、すなわち蛍光体または色素帯の大きさ、すなわち、その線形寸法は、現在入手可能な最小の一般照明LEDについて通例約1mmであり、これとドームレンズの焦点距離との比は、1°から5°の範囲の発散を保障するためには、約1/10から1/50となるべきである。例えば、1°の発散を考慮して、焦点距離を1mmとし、ドーム径が、最大のスループットを保障するのに必要な焦点距離と同等になると想定して、LED発光器の寸法が、結局、20μm未満となる。
【0079】
(iii)さらに、各LED発光器および対応するドームは、微小な暗箱に実装されている。この暗箱は、LED発光器に帰る周辺光から離れたドームレンズを横切る周辺光を実質的に全て吸収する吸収体により被覆されるべきである。この場合、LEDマトリクスは、外部の光により照明された場合に暗くなり得る。さらに、レンズドームと組み合わされるLED周辺から(例えば、LEDボードから)の散乱光を防ぐことになる。
【0080】
(iv)LEDドームレンズは、周辺から戻る周辺光の反射を最小化するために、反射防止コーティングされ得る。
【0081】
上記内容を要約すると、直接光源12は、
図5を参照して以下により詳細に説明する特別な構造のLEDの2次元アレイを備えるものと解釈され得る。特に、各LED44は、蛍光体および/または色素などを含む発光ダイオードなどの発光体46と、コリメータとを備える。コリメータは、例えばドームレンズ48であり、ドームは、発光体46からドームの焦点距離と実質的に等しい距離49をとって配置される。発光体46は、方位座標から独立した輝度分布が得られやすくなるように、方向32に垂直な平面内に円形の断面を有することが好ましい。ドーム48における窓52の上流側を通じて発光体46が光を発し、下流端部にて光コリメートレンズ面54が形成されており、窓以外のドームの全内面は、56として示す微小暗箱を形成するように、光吸収体により被覆される。ここで述べたように、面54には、反射防止コーティングが施されてもよく、発光体46の発光帯の横寸法または幅、すなわち58は、充分に小さくする必要があり、一方の幅58と他方の長さ49との比が1/10未満となる必要があり、好ましくは1/20未満、最も好ましくは1/50未満となるとよい。さらに、ピッチ50は、3mm未満となる必要があり、好ましくは1mm未満、最も好ましくは0.5mm未満になるとよい。上述のように、LED44は、六角形状になるように密に充填され得る。LED44のアレイは、第1の放射面28と同じ面積を覆うことになる。
【0082】
もちろん、
図1の光放射デバイス/コリメータの対を、
図5および
図6に示すような個々のLED素子44に実装することは、必ずしも必要ではない。これは、以下の実施形態のために説明されている。
【0083】
図7は、例えば、直接光源12を、主要光62を発するように構成された第1の光放射デバイス60と、コリメートレンズ64の形をとるコリメータとを備えるものとして示し、コリメータは、下流側に、第1の光放射デバイスから、直接光方向32と一致する光軸68に沿って焦点距離66で配置されている。例えば、
図28の実施形態を特徴づけるLEDドームレンズの場合のような標準的な照明デバイスとは異なり、本実施形態では、レンズ64は、結像光学素子であってもよい。これは、所定の光学レイアウトパラメータ(系の開口数、レンズと放射デバイスとの距離、焦点距離と横寸法との比など)が、レンズに、第1の光放射デバイス60の像を無限遠において確実に形成させ得るという意味においてである。
【0084】
製造コストの削減、および構造的な小型化を図るために、コリメートレンズ64は、フレネルレンズであってもよい。それにより、第1の光放射デバイス60は、LEDとして実装され得る。
【0085】
なお、
図7の説明を参照し、光軸68は、コリメートレンズ64の光軸と一致してもよく、それとは斜行していてもよく、ここで、光軸68は、コリメートレンズ64の主平面(主平面が2つの場合、第1の光放射デバイス60により近接して位置する面)とレンズ64の光軸との交点61を、第1の光放射デバイス60の発光帯の重心とを結ぶ線により定義されている。フレネルレンズ64の場合、フレネルレンズ64は、第1の放射面28と平行に配列されてもよく、以下に概要を示すように、面内にあってもよい。他のコリメートレンズ64の場合、主平面について同様のことが適用され得る。いずれにせよ、レンズ64の開口が、第1の放射面28と同じ広さの領域を覆う。
第1の光放射デバイス60は、無限遠に合焦した観察者の眼において輝点40が円形状になるように、円形の開口を有してもよい。
【0086】
図7にも示すように、
図7の直接光源12は、第1の光放射デバイス60を格納する暗箱70を形成するとともにコリメートレンズ64が配置される開口を有する吸収体を、さらに備え得る。暗箱70の内面72は、可視光の吸収係数が70%より高く、好ましくは90%、より好ましくは95%より高い光吸収材で、形成されている。これにより、反射率輝度角度プロファイルの制約に従う結果となる。
【0087】
なお、
図7は、多くの特徴についての説明に役立つものであり、それぞれの特徴に応じて変化する。例えば、コリメートレンズ64の開口は、
図7に示すように円形である必要はない。その代わりに、矩形、六角形、または他の多角形状でもよい。暗箱70の形状およびその内面72についても、上面がコリメートレンズ64の開口に一致し、第1の光放射デバイス60が円柱の底面の開口に統合されるか、または円柱内に位置する円柱形である必要はない。第1の光放射デバイス60とコリメートレンズ64の開口との間のあらゆる直接光の経路が、遮蔽されていない限り、任意の形状が有効である。例えば、内面72は、
図7に示す円柱と円錐台との間に亘りうる。この円錐台は、非凹状で、最小の体積を有し、一方の第1の光放射デバイス60の発光帯と他方のコリメートレンズ64の開口との間に延びる。
【0088】
輝度プロファイルL
directに関する、既に略述した可能な制約を満たすために、一方のコリメートレンズ64の焦点距離66と第1の光放射デバイス60の開口との比は、10より大きくともよく、好ましくは40より大きくともよい。焦点距離66は、例えば、10cmより長くてもよく、好ましくは20cmより長くてもよい。コリメートレンズ64の開口の面積は、例えば、80cm
2より広くてもよく、好ましくは300cm
2より広くてもよい。コリメートレンズ64の下流側の面は、光放射面を形成し得る。
【0089】
なお、
図5から
図7の実施形態に関して提示された値につき、例えば焦点距離と光出射開口との比に関してこれらの実施形態について提示された値は、輝度プロファイルに関して既に略述された制約に必ずしも完全に従う結果となる必要はない。むしろ、
図5から
図7の実施形態は、例えば、制約を満たすために、以下に述べる微小光学ビームホモジナイザ層の実施形態と組み合わされてもよい。したがって、
図5から
図7の実施形態は、直接光源12の一部のみを形成してもよい。すなわち、プリコリメート光を生成するためのコリメート光源であり、プリコリメート光は、例えば、制限されたHWHM角度発散(たとえば、2.5°未満のHWHM角度発散)であるが、例えば、光ビーム角度プロファイルにおける第2のピークまたはスパイクとなる迷光のように、大きい角度では迷光の存在により特徴づけられる。
【0090】
いずれにせよ、フレネルレンズ64の典型的な寸法である約20cm、およびレンズ64と観察者との典型的な距離である約1.5mにつき、
図7の構成は、コリメートレンズ64の観察者について、第1の光放射デバイス60の虚像の角度発散は、開口角未満という結果になるので、輝点40の像、すなわち、第1の光放射デバイス60の像が、コリメートレンズ64の開口を超えて明るい点として確実に現れる。すなわち、太陽の像が、レンズ64の開口よりも小さく現れ、レンズ64自体は、眼と仮想的に遠方にある対象物40との間にある透明な窓とみなされる。フレネルレンズをレンズ64として用いる利点は、出力発散角低減を実現する技術的可能性である。例として、LEDとTIRレンズとの組み合わせの典型的な発散角は、例えば、8°から10°よりも大きいオーダーである。主要な制限の一つは、光学素子の焦点距離による。すなわち、TIRレンズでは、1cmから5cmオーダーまたはそれ未満である。フレネルレンズの場合、このようなレンズの焦点距離は、例えば、20cmから30cmのオーダーであり得る。このように、出力発散角は、第1の光放射デバイス60の空間開口74(LEDドームなどの一次光学素子を含むかまたは含まない)と上述の焦点距離66との比により与えられる。第1の光放射デバイス60の例としての1mmから2mmのLEDおよび20cmから30cmの焦点距離について、発散は1°のオーダーまたはそれ未満である。
【0091】
図7の構成のさらなる利点は、太陽像のピクセレーションがないことである。
図29の場合、最終的に観察者が遠方を見る最終設定に関し、出力発散は、LEDの光学素子の開口角より大きくなりがちであり、例えば、1mのオーダーまたはそれより長くなり、一次光学素子、すなわちドームの開口が1cmのオーダーとなり、それにより、出力発散が8°から10°であるのに対し、開口角が0.6°という結果となる。このことにより、様々なレンズ素子について像のピクセレーションが決まる。このようなピクセレーションは、眼が個々の素子を区別不能となる限界周期よりも明確に大きい角度周期を特徴づける。この事実は、コントラストに対する眼のさらなる感度とともに、無限遠光源の像の効果を妨げる。これは、観察者が実際に
図29の構造の個々のレンズ素子を実際に見えるようになることによる。このようなことは、
図7の例では発生しない。
【0092】
図8に示すように、第1の光放射デバイス60とレンズ64とのペアが、組み合わされて並列配置され、ペアのコリメートレンズ64が、結合された連続的な平面を形成するように隣接してもい。1つのレンズ64内の環状の線により
図8に示すように、コリメートレンズ64がフレネルレンズとして形成される場合、フレネルレンズのアレイは、プラスチックまたはガラスなどの単一の連続的な物体で、容易に形成され得る。
図6の場合にあるように、光放射デバイス60とコリメートレンズ64とのペアは、ペアの2次元アレイに沿って六角形状に充填され得る。したがって、個々のコリメートレンズ64の開口は、六角形状に形成され得る。素子60およびレンズ64の対の各々の光軸68は、相互にかつ直接光方向32に平行になるように配列され得る。レンズ64の下流側の面は、第1の放射面28を形成し、または少なくとも面28と同じ面積になり得る。
【0093】
すなわち、
図8の場合、直接光源12は、
図7を参照して上述したように、輝点40の円形の外観が得られるように円形の開口を備え得る第1の光放射デバイス60の2次元アレイと、有利な形態としてフレネルレンズとして形成されたコリメートレンズ64の2次元アレイとを備え、2次元アレイは互いに位置合わせされて、光軸68が互いに平行かつ直接光方向32に平行となっている。
図7を参照して説明したように、レンズのアレイおよび第1の光放射デバイスのアレイは、互いに変位して、結果的に直接光方向32となるように、レンズ64の光軸が第1の光放射デバイスの位置からずれており、直接光方向は、レンズ64の開口が配置されて分布する面に対して斜行している。
【0094】
既に上述したように、各コリメートレンズ64を、第1の光放射デバイス60から、コリメートレンズ64の焦点距離に対応するかまたは焦点距離のオーダーで、距離をとって配置することにより、既に定式化した発散の制約を低くすることができるようになる。各コリメートレンズ64が、対応する単一の第1の光放射デバイスと結合されるため、第1の光放射デバイスのピッチは、
図29による構成と比較して、相当に大きくなっている。このことは、単位面積当たり同じルーメンとなるように、第1の光放射デバイス毎の光束を高める必要があることを意味している。すなわち、コリメートレンズ64は、観察者の眼のレンズとともに、第1の光放射デバイスとその開口とを網膜上に形成する望遠鏡を形成する。このことが、各第1の光放射デバイスが、観察者の眼で円形の像を形成する、すなわち、輝点40の丸みを形成するために、円形の開口を有すべき理由である。
【0095】
これまでのところ、直接光源12の実施形態は、いくつかのコリメートレンズの下流側に、直接光方向と一致した光軸に沿って配置されるべき実際の発光帯を示してきた。以下にさらに概説する実施形態は、直接光源12が、端部照射型導光放射パネルを備えうることを示す。端部照射型導光放射パネルは、全反射により作用する導波パネルと、導波パネルの端部に結合した1つまたは複数の光源と、微小プリズムや微小レンズなどの複数の微小光学素子とを備え、微小光学素子は、導波パネルから直接光方向に光を抽出することに寄与する。このように、
図5から
図8の実施形態が、「背景照明発光体」と呼ばれることがあり、以下の図面を参照してさらに概説する実施形態は、「端部照射型導光放射パネル」と称する。
【0096】
図9は、直接光源12の例として端部照射型導光放射パネルの実施形態を示し、これによると、パネルは、光吸収層82の形態の吸収体と光出射層84との間に挟まれた楔形導光層80を備えて、端部照射型導光放射パネルが全反射により導光し、光吸収層82が楔形層80よりも上流側に配置され、光出射層84が、楔形導光層80よりも下流側に配置される。ここで、n
3<n
2<n
1、n
1は、楔形導光層80の屈折率、n
2は光出射層84の屈折率、n
3は光吸収層82の屈折率である。レイヤ80および84については、これらはガラスまたは透明プラスチックからなる一方、光吸収層82を実現するにはいくつかの可能性がある。楔形層80が、1°未満の楔形の傾斜を特徴付けてもよい。
図9に86として示すように、光吸収層82は、実際に、間隙90を隔てて楔形導光層80から分離した、光吸収パネル88であってもよく、間隙は、例えば空気、真空、または低屈折率材で満たされ、その屈折率をn
3として示す。他の可能性として、光吸収層82をある種のコーティングで形成することがある。コーティングは、n
1未満かつn
2未満となるように充分小さい屈折率n
3の材料から成る。光吸収層82は、光吸収層82に当たる可視光の少なくとも70%、好ましくは90%、最も好ましくは95%を吸収し得る。
【0097】
拡大部92に示すように、光出射層84は、楔形導光層80と光出射層84との境界面96と交差して出射層の上(または外側)面118の法線に対して所定の角度で伝搬する光線98の方向を変えるように、光出射層84と楔形導光層80との境界面96にある複数の微小反射体94を備え、この角度は、上記上面にて全反射の臨界角未満であり、ここで、上記上面は、出射層における楔形層から離れた側の面であり、微小反射体により反射した光は、光出射層外へと方向が変えられて、直接光方向へと伝搬する。
【0098】
より正確には、
図9は、全反射により楔形導光層80内を導光方向106に沿って伝搬する光線を示す。すなわち、この方向は、楔形導光層80が薄くなる勾配方向であり、点97で境界面96と交わり、ここで、境界面96の法線に対する光線の角度は、全反射の臨界角よりもわずかに小さくなっている。このことにより、光の一部が、光線98のように、境界面96と交差し、境界面96に対して小さな角度で導光方向106に沿って伝搬することが可能となる。微小反射体94は、境界面96から楔形導光層80と反対の向きに突出し、上面118で反射した後に光線98の反射が直接光方向32を指すように配列された反射面102を有する。したがって、104として示すように、微小反射体94は、一方向に一様に、すなわち、長手方向には、境界面96内に勾配106の方向に垂直な方向99に沿って形成され、それらの面102は、この導光方向10よりも上流に向き、境界面96の法線方向に近い直接光方向32となるように、例えば、境界面に対して40°から50°に向けられている。特に、微小反射体は、例えば、光出射層84の材料内の溝または空隙として形成されてもよく、この層84の面には、楔形導光層80との境界面96が形成される。しかしながら、他の可能性も存在する。すなわち、
図9の端部照射型導光放射パネルは、3層構造(TLS)を備える。中心層80は、楔形であり、屈折率n
1の透明材料から成る。下層は、屈折率n
3<n
1を有し、最終的に層84の上面118からTLS構造に入射する可視光を吸収するようになっている。例えば、周辺光または拡散光発生器10により後方散乱した光を吸収する。上層84は透明であり、屈折率n
2は、n
3<n
2<n
1を満たし、TLSから光を抽出する空隙微小プリズムなどの微小光学素子を備える。
【0099】
図9の直接光源12は、端面照射体108をさらに備え、この端面照射体は、その端部110からの光を導光方向106に楔形導光層80へと結合させるように構成されている。端面照射体108は、反射集光器などの集光器112と、光源114の形態の第1の光放射デバイスとを備える。集光器112と光源114との組み合わせは、方向106および99により規定された第1の面、ならびに導光方向106を含み面118と垂直な第2の面においてコリメートされる光を発する。第1の面でのコリメートは、第2の面よりも強い。このような集光素子は、
図9に示すように、例えば、矩形の複合放物面集光器(CPC)の形状をとり得るものであり、LED光源と結合された矩形入射開口INと、ライトガイド110の入射面に面した矩形出射開口OUTとを備え、4つの放物鏡面を備え、各面は、一次元的に屈曲して発生放物面を有し、いずれも、第1または第2の面内にあり、全ての発生放物面は、入射開口INの面内に焦点を有する。例えば、入射開口INは、第1の面の法線に沿って長尺の薄い矩形状に形成されている。光源114は、LEDなどの第1の光放射デバイス111の1次元アレイで形成され得るもので、同じことが集光器112にも当てはまり、これは、第1の光放射デバイス111と反射器などの集光器113との対の1次元アレイ109が、端面照射体108として利用可能という意味においてである。
【0100】
なお、
図9に示す実施形態の光学作用原理に関するものにつき、第2の面より強い第1の面でのコリメート作用は、面118に存在する光線が第3の面の同様の発散を特徴付け、第3の面での同様の発散を特徴付け、第3の面は方向32および106を含み、第4の面は方向32および99を含む。実際に、ここに説明する光抽出機構は、光線が境界面96に入射する面における光線の発散を実質的に減少させ得ものであるが、直交面においてではない。層80および84の組み合わせは、はコリメータとして作用し、上記の境界面96へと光線が入射する面内の光線の発散を減少させるので、コリメート光学素子の作用が出射光線の発散を最小化するのに、さらに寄与する。コリメート光学素子112が、白色光などの一次光源114から発せられる光を、楔形導光層80と結合させると、光線100は、光吸収層82に面した層80の下面116と層84に面した境界面96に当たって全反射する。
【0101】
値n
1/n
2は、一次光源114と集光器112との組み合わせによって決まる選択された入射光の発散についての結合を保障するのに充分に大きく選択されるべきである。
【0102】
楔形導光層80の楔構造により、光ビームの発散は、導光層80内の伝搬導光方向106に沿った伝搬が増えるにつれて増加し、境界面96と交差するときに、層80から層84への連続的な漏出をもたらす。すなわち、屈折率値を適切に選択すれば、すなわち、n
1/n
2<n
1/n
3であれば、中心帯と下部帯との境界で漏出は発生しない。層80と層84との境界96と交差する光は、境界面96にほぼ平行な光出射層84内を伝搬する。すなわち、例えば、境界面96に対して5°未満のわずかなかすめ角をとる。この光は、層80から離れた層84の上面118に当たり、全反射してから、層80と層84との境界面96と再び交差する。一方、光98は、微小反射体94の1つに当たるので、TLS外へと方向32に反射する。端面照射体108の方向を指す微小反射体84の反射面は、これらの反射面102の法線方向が、界面96に対して半分の角度に対応した角度を成し、その方向32は、境界面96とともに、さらに上述の光線98のかすめ角をも加えて、その角度を囲むように、配置されている。換言すれば、角度は、所望の出力角方向32に応じて選択される必要がある。実際に、微小反射体84は、微小プリズムとして形成されてもよく、特に、これらのプリズムは、既に略述して104として図示した空隙プリズムとして形成されてもよい。空隙プリズムは、全反射にて光を反射させることになる。一方、微小反射体は、光出射層84における鏡面コーティングされた刻み目であってもよい。全ての微小反射体94は、互いに平行に配置され、出射方向32が一定になるように同じ頂角を有し得る。
【0103】
微小反射体94の単位面積当たりの寸法および数、すなわち密度は、輝度の均一性を最適化するため、すなわち、既に略述した輝度の均一性の要件に従うため、TSL全体に亘って、すなわち導光方向106に沿って変化する。
【0104】
第3の面における表面118から出射する光線の発散は、一方の第2の面における端面照射体108の入力の発散および他方の楔形勾配が減少するにつれて、減少する。例えば、n
1/n
2=1.0076については、約14°の内部モードに対応したライトガイド80となる。0.5°の楔形勾配については、上述の第3の面における方向32にTLSを出射する光の出力の発散は、約2.25°HWHMである。一方、1.001<n
1/n
2<1.1で、例えば真となり得る。
図9に示す実施形態について、直交面、すなわち第4の面における出力の発散は、第1の面における入力の発散と基本的に同じである。すなわち、既述の2つの直交面における出力の発散は、互いに独立しており、出力角スペクトルまたは輝度角度プロファイルL
directは、方向32に矩形のピークを示しやすい。矩形スペクトルは、第1および第2の面の入力の発散の比を適切に選択することにより得られる。光源の像の外観における所望の丸み、すなわち、輝点40の丸い外観は、以下に説明するように、
図9に示すTLSの下流側に「Leeフィルタ253Hampshire Forst」または「Leeフィルタ750 Durham Frost」などの小角度白色光拡散体(low−angle white−light diffuser)を追加することにより得られる。既知のように、小角度白色光拡散体は、所定の応答関数で照射光の角スペクトルのたたみ込みを実行することにより作用する拡散体であり、ここでは、ある方向(例えば、小角度白色光拡散体の表面の法線)のまわりに対称となり、HWHM発散が10°未満であり、好ましくは5°、より好ましくは2°である。
【0105】
また、第2の面よりも強い第1の面のコリメート作用を得る目的において、端面照射体108の利用の代替となる解決策は、
図6に説明したものと同様のLEDのアレイを用いるが、方向49を含む2つの直交面において2つの異なる発散値をもたらすように構成することによっても得られる。例えば、2つの面における2.25°および20°のHWHM発散は、大きさが0.31・2.8mm
2の矩形LED発光器46と、焦点距離49が約4mmのレンズドームとを用いることにより得られる。
【0106】
TLSの光吸収層82が光を吸収することにより、直接光源12がオフの際に外観が黒くなることが保障されるので、反射率輝度プロファイルに関して既に略述した制約、すなわち、出射円錐外の輝度値が低いという制約を満たす。実際に、光吸収層と層80との境界面は、導光層80内で導かれた光についてのみ、鏡面として作用するが、TLS外から到来した光、すなわち外部から直接光源12の光放射面に入射する上述の拡散光などについては、仮想的に透明である。そして、このような光は、例えば、光吸収パネル88により吸収される。
【0107】
図10は、端部照射型導光放射の形態の直接光源12の他の実装例を示す。ここで、端部照射型導光放射パネルは、光吸収層122として形成された吸収体と光出射層124とに挟まれた導光層120を備え、光吸収層122は、導光層120の上流側に配置され、光出射層124は、導光層120の下流側に配置される。層120、122および124の可能な実装例に関して、
図9の説明を参照する。ただし、層120から124の屈折率を選択するには、より高い自由度がある。特に、n
3<n
1およびn
2<n
1は、n
1が導光層120の屈折率、n
2が光出射層124の屈折率、n
3が光吸収層122の屈折率で充分であり、
図9の層82について説明したように、透明な間隙を備える。導光層120は、光が層120および124の境界面134の法線に対して所定の角度で、導光層120内を光出射層124へ向けて導かれるように向きを変えるために、光吸収層122と導光層120との境界面128に、複数の微小反射体126を備え、その角度は、層120内を導かれる光の全反射の臨界角未満である。各微小反射体126は、導光層120から離れた側の光出射層124の外側面132上に形成されたレンズ130の焦点に配置されている。このように、微小反射体126とレンズ130アレイとの組み合わせは、コリメータを構成して、出力光の分散を低下させる。
【0108】
図9の実施形態の他に、
図10の端部照射型導光放射パネルの構成は、矩形の導光層120に基づく。すなわち、導光層120は、層122および124とそれぞれ平行な境界面を有する。すなわち、境界面128と光吸収層122、および境界面134と光出射層124である。微小反射体126と、光出射層124の外側面に形成されたコリメートレンズとは、境界面128と外側面132とにそれぞれ沿って、2次元的に分布し、相互に位置決めされ、各微小反射体126およびそれぞれのコリメートレンズ130を通って延びる光軸135は、相互におよび直接光方向32と平行になる。さらに、端面照射体108は、光を導光層120の端部136に結合し、ここで、
図10に示すように、この端面照射体108は、第1の光放射デバイス138と、端部136に沿って1次元的に延びる対応する集光器140とのペアの1次元アレイによっても構成され得る。これは
図9に示したとおりである。
【0109】
すなわち、各微小反射体126は、コリメートレンズ130のうちの対応する1つに面し、両者は、互いに焦点距離をとって配置される。微小反射体126は、楕円鏡面を有し、この面は、光を反射して、中心伝搬方向142(すなわち、ライトガイドが照明される方向)に沿った導光層120に結合した光を、方向32、すなわち、光軸135に沿って反射するように配置される。特に、微小反射体126の形状は、境界面128から突出した円柱形状であってもよく、既述の鏡角で切られており、この角度は、すなわち、方向32と直交する平面上に突出したときに、円形の断面とするのに必要な角度である。この環境により、円形の出力角スペクトルが保障されて、これにより円形の光源または輝点40の外観が保障される。レンズの焦点距離と、方向32と直交する既述の面内で測定された反射体の大きさ/幅との比は、出力FWHM角スペクトルまたは輝度プロファイルL
directを規定するので、例えば、所望の分散に応じて、10から100の範囲の値を有し、この幅は、例えば、面134と垂直の方向32について
図10にて144と示すものである。例えば、反射体126の直径144が100ミクロンで、レンズの焦点距離146が3mmであり、ここで、焦点距離は、屈折層120および124内で規定されて、面132の下流側の分散HWHMが約1.5°となり、ここで、層120および124の屈折率が、約1.5の値を有するものと想定され、空気中の伝搬が下流側の層124と想定されている。レンズ130の大きさは、微小反射体で反射した光を補足する必要性によって決まる。例えば、焦点距離146と内部ライトガイドモードの半分散の正接の2倍との積の1.5倍とすることができ、これは、レンズ径148が、2×10°の内部分散モードと結合したライトガイドの焦点距離の半分のオーダーであることを意味している。横分布または反射体/レンズ−カプラ対の2次元分布の密度は、いくつかのレンズ径の領域に亘って平均化された輝度の均一性を最大化するために、調整されるべきである。レンズ130は、導光層120との平坦な境界面134を特徴付けるとともに屈折率の低い層124の材料上に形成され得る。この際、レンズ130は、ライトガイド120と干渉せず、第1の放射面28から方向32に出射するように微小反射体126で反射した光についてのみ作用する。
【0110】
図11は、直接光源12を形成するその他の可能性の概略を示す。その場合、発光体を備えるとともに
図11で150として示す第1の光放射デバイスと集光器との組み合わせなどの一次光源は、直接光源の第1の光放射デバイス28を、ミラー系156を介して照射する。
図11の場合、ミラー系は、1つのミラー152のみから成る。光源150とミラー系156とは、光源150により発せられた光線154がミラー系156によりコリメートされ、上述の制約のいずれかに従って第1の放射面28から輝度角度プロファイルL
directで直接光方向32に出射するように、このようにコリメートされて第1の放射面28の後面に当たる。この目的を達成するために、ミラー系156は、例えば、ミラー152のように凹状に屈曲したミラーを備える。換言すれば、一次光源150は、ミラー系156の焦平面に位置し、一次光源150を出射した光のためのコリメータとして作用することになり、一次光源150の開口を、方向32に第1の放射面28を通じて無限遠に結像する。反射率輝度角度プロファイルL
Rについて上記のように特定された制約に従うために、光源150およびミラー系150は、吸収体内に格納される。吸収体は、暗箱158の形状をとり、暗箱の内面に沿って光吸収材で完全に被覆され、第1の放射面28を形成する窓を備える。好ましくは、ミラー系150は、第1の放射面28から暗箱158内部へと光が出射してミラー系156のミラー152に当たることがないように構成され、ミラー系は、光源150から第1の放射面28へと導く光路160に沿って最も下流側に配置され、光がこのミラー系156で反射して第1の放射面28に戻ることがないように構成される。
【0111】
なお、
図5から
図10を参照して提示した直接光源の例は、
図11の実施形態よりもコンパクトであり、より容易に実装され、一方の直接光方向32と他方の第1の放射面28の法線方向との角度が、例えば、10°未満またはさらに5°未満となっているという点で有利である。
【0112】
既に略述した直接光源の実施形態のいくつかは、第1の放射面28の全体に亘って強い空間輝度変調にさらされ得る。例えば、
図7および
図8の実施形態の場合、各コリメートレンズ64に亘る光の照度は、このような空間変調により特徴づけられる。その空間変調は、例えば、レンズの開口の中央において、各レンズ64の縁よりも数倍強い。しかしながら、これは、
図8に示した実施形態では、照度周期変調となり、これは、レイリー様拡散体を拡散光発生器10として用いる場合の問題である。この拡散体は、光放射面で直接光源により発せられた直接光の一部を、波長についての拡散効率のレイリー様の依存性を伴って拡散することにより、拡散光を発する。すなわち、拡散効率は、可視領域では、短波長において長波長よりも強い。このような場合、コリメートレンズ64の既述の照度周期変調は、拡散光発生器10により発せられた拡散光の高いCCT背景の周期輝度変調へと、自動的に変換される。これは、周期輝度変調の極めて高い視覚感度によるものである。このような効果は、自然照明の品質にとって有害である。
【0113】
この問題に対する第1の解決法は、格天井構造を外側放射面37の下流側に加えることであり、この構造は、例えば、
図8の実施形態の場合のコリメートレンズ64と同じピッチを有する、又はコリメートレンズ64のピッチの整数倍又は単位分数であるピッチを有する。
【0114】
例えば、格天井構造は、壁面によって分割された隙間容量によって形成されたセルのネットワークを備えており、前記壁面は、僅かな全透過率を有し、外側放射面37の平面及び出力ファセットF_OUTに平行な平面にあり、F_IN及びF_OUTは、同じ形状を有していても有していなくてもよく、F_OUTの重心は方向32に沿ってF_OUT上のF_INの重心の投射に対してずれている可能性があり、F_INが、方向32に沿ってF_INを含む平面上でレンズ64及びレンズ64の開口部の投射内に内接されているという意味では、各セルはレンズ64に面している。
【0115】
例えば、
図12を参照すると、さらなる詳細が
図8の直接光源12を使用して以下説明されるレイリー拡散パネルとして例示的に具体化された拡散光発生器10の下流側に位置決めされたこのような格天井構造170を示している。
図12から分かるように、格天井構造170は、コリメートレンズ64及び対応する第1の光放射デバイス(
図12には図示せず)が、
図12の場合に拡散光発生器10とコリメートレンズ64の平面の間に延びる放射面28に沿って分散されている周期性174と同一の第1の同期性172を有する。明確にするため、
図12に図示した実施形態では、拡散光発生器10は、第1の放射面28の下流側に位置決めされ、したがって、外側放射面27を構成する。普通、格天井構造170の存在は、この場合に限ることを意図するものではないが、第1の放射面28が拡散光発生器10の下流側に位置決めされ、外側放射面37を構成する場合、又は拡散光発生器10の第1の放射面28及び第2の放射面34は適合して、外側放射面37を形成する場合にも当てはまる。
【0116】
さらに、直接光方向32は、観察者がコリメートレンズ64の輝度変調に起因する輝度周期性を実現することから目をそらせる影響を大きくするために考慮することができる。例えば、格天井構造170の壁面又は側面は、外側放射面37に垂直に配向することができ、直接光方向32は外側放射面37の法線と平行な方向に対して傾斜又は斜めになっている。さらに一般的には、直接光方向32は、格天井構造の外側面の90%より大きく傾斜又は斜めになっている。このように、観察者は、格天井構造170の交互に照明される(低CCT)側面(
図12では白く示されている)、及び格天井構造170の陰影の付いた(高CCT)側面(
図12では斜線で示されている)を見る。この設定は、強い強度及び色輝度空間変調を作り出し、自然な効果と完全に準拠しており、コリメートレンズ64の不均一な照明によって生じる輝度変調を支配する。しかし、格天井構造170の壁面の外面を傾斜させることによっても同じ効果を得ることができる。例えば、格天井構造の外面は、直接光方向32に沿った投射では、格天井構造170の外面の少なくとも30%は対面しており、格天井構造170の外面の少なくとも30%が防止されるように配向させることができる。後者の環境は、光放射面の法線方向に平行であるように直接光方向32を配置することによってさらに可能になる。
【0117】
図12は、
図8による直接光源12に対する実施形態に関する格天井構造を示しているが、格天井構造は次に説明するものを含む直接光源12のあらゆる実施形態と組み合わせることが可能であることを説明すべきである。さらに、周期性174などの周期性はまた、直接光源に対する他の実施形態でも起こる可能性があり、したがって、周期性依存はまた、任意でこのような他の実施形態に当てはめることができる。さらに別の実施形態では、周期性依存は、周期性172は、周期性174の整数倍又は単位分数であるように選択することができる。
【0118】
格天井構造をより詳細に明確にするために、
図13を参照する。
図13は、
図12に示した実施形態に言及しており、拡散光発生器の第2の放射面34は、外側放射面37を構成している。拡散光発生器10はまた、以下により詳細に概略を説明するレイリー拡散体であると考えられる。特に、格天井構造170は、コリメートレンズ64の非均一照明による人工空の強度変調の問題を解消する。実際、非均一照明により、レンズ64自体の空間的寸法に沿った非均一出力光強度が決まる。したがって、拡散体パネル10に衝突する非均一光により、拡散青色光内の一連のより明るい及び暗い領域、すなわち「空」内のより明るい及び暗いゾーンが決まる。さらに、拡散体パネルに加えて(
図8の例示的な場合では)コリメートレンズのアレイにより、このような強度変調の周期性が決まり、観察者の目によって容易に見分けられる。格天井構造170は、個別のレンズ64に重なる(その第2の放射面34は、この場合、外側放射面37を構成する)拡散体パネル10の個別のゾーンの間に延びる一連のバリアからなり、外側放射面37の外側に延びる、すなわち、そこから突起する。人工太陽からのより低いCCTを有するコリメート直接光成分の方向、すなわち方向32は、外側放射面37と垂直な方向に対して傾斜させることができるので、このような直接光成分は、バリア構造170の側面の半分だけを照明することしかできない。天井を見る場合、観察者は空と各バリア170の一部を見る。より詳細には、観察者は空照明の各高CCTゾーンの間で、「白色」バリアと呼ぶことができる直接照明によって照らされ、したがってより低いCCTを備えたバリア170の一部、又は陰影ゾーンに入る(したがって、「暗い」バリアと呼ぶことができる拡散高CCT成分によって部分的に照明される)バリアの一部を見る。両方の場合とも、バリアの輝度は、空の平均輝度とは非常に異なり、「白色」の場合にははるかに高く、「暗い」場合にははるかに低い。空ゾーンと非常に異なる輝度を有するバリアの間のこのような交代は、人工空の変調をマスキングするのに有用である。というのは、空から「白色」へ、又は空から「暗い」への変調は、上に例示したような意図しない輝度変調から生じる、空自体の内部変調よりもはるかに強いからである。このような空変調はその後、大きく減衰するように見える。格天井構造170はその後、観察者と明らかに均一な空の間の「白色」及び「暗い」グリッドとして見える。
【0119】
図12及び13に関して、本明細書において使用される限り「格天井構造」という用語は、光放射面が水平に配置されて、例えば、部屋の天井に人工照明デバイスを形成する場合にこれらの実施形態を限るものと理解すべきではない。むしろ、この用語は単に、構造170を構造的に説明するものと理解されたい。
【0120】
最後に、格天井構造170は、拡散光発生器10としてのレイリー拡散体との直接光源12の組合せに関してだけでなく、拡散光発生器10が、その実施形態を以下により詳細に説明する拡散光源からなる他の実施形態に関しても有利であることに留意されたい。また、構造170は、あらゆる他の源12と組み合わせることができ、また、構造170が外側放射面37の下流側に位置決めされている限り、拡散光発生器10が第1の放射面28に対して上流側に位置決めされている場合にもそうである。
【0121】
図7及び8の実施形態に関して、ちょうど説明した問題、すなわちコリメートレンズの開口部にわたる一定でない照明に関する問題を、その開口部にわたってコリメートレンズ64の均一照明を行なうために、第1の光放射デバイスとコリメートレンズ64の間で第1の光放射デバイス60の下流側に、好ましくは第1の光放射デバイス60のより近くに配置された、自由形状レンズなどの主要レンズの使用によって対処することもできる。他の意味では、自由形状レンズは、コリメートレンズの上で主要光の輝度分布を平坦にするように構成されている。
【0122】
例示的には、
図14Aは、光軸68に沿って第1の光放射デバイス60とそのコリメートレンズ64の間に位置決めされた自由形状レンズ180を示している。自然に、このような自由形状レンズ180はまた、各対の第1の光放射デバイス60とコリメートレンズ64に対して、
図8の実施形態で使用することができる。
【0123】
自由形状レンズの問題をよりよく理解するために、
図15を参照する。均一照明の要件により、
図12及び13に関して上で既に説明したように、均一な空外観により人工照明デバイスの最終知覚が良くなる。しかし、一方の第1の光放射デバイス60ともう一方のコリメートレンズ64の間の光の伝搬により、レンズ64の入力面(開口部)上の輝度分布は一般的に非均一である。さらに、光の損失を最小限にするために、レンズ64の入力面での光分布のさらなる要件は、輝度がレンズ64の開口部の領域の外側で急速に小さくなることである。
【0124】
第2の重要な点は、観察者の目に源60が視覚的に現れることである。人工「太陽」の円形画像が得られるので、第1の光放射デバイス60の円形外観が必要である。
【0125】
自由形状レンズは、前の要件の1つ或いはほとんどを達成することができる。より詳細には、均一な照明の要件は、
図15の左手側に示されるように、放射の外側領域に向かって低い伝搬角度で軸方向周りに伝搬する光の方向を変える光学素子を使用することによって対処することができる。
特定の伝搬距離の後、このような強度プロファイルにより、ターゲット上の十分な均一性が達成される。
【0126】
特定の実施形態では、自由形状レンズ180は、自由形状レンズ180がレンズ64を通して観察者の目によって画像化される場合に、丸い光源の視覚的外観を容易にするために、円の形状を特徴とする。
【0127】
最後に、自由形状レンズと異なる光学成分を前の要件に使用することもできる。例えば、反射複合放物面集光器CPCを使用して、レンズ64上に均一の照明を得ることができる。自由形状レンズの場合と同様に、このようなCPC要素の出力開口部は、CPCの出力開口部がレンズ64を通して観察者の目によって画像化される場合に、丸い光源の視覚的外観を容易にするために、円形であってもよい。完全性のために、
図14bは、第1の光放射デバイス60の前、すなわち下流側でこのような反射CPC182を使用することの代替形態を示している。
【0128】
図14A、
図14B及び15に示す実施形態の場合、第1の光放射デバイス60の幅74、及び第1の光放射デバイス60とレンズ64の間の距離66は、自由形状レンズ180又はCPC182の存在により、構成の差を説明するために修正される。
【0129】
特に、
図14A、
図14B及び15の実施形態はまた、
図8の実施形態と組み合わせることができる。さらに、
図14A、
図14B及び15の実施形態はまた、
図12及び13の実施形態と組み合わせることができる。
【0130】
これまで提供した直接光源12に対する実施形態は、いくつかの場合では、例えば、散乱問題などによる上記輝度角度プロファイル制約を達成する際の小さな問題を示している。以下にさらに概略を説明する実施形態によると、これらの問題は、直接光源12に対する上記実施形態が、コリメート光源190の下流側、及び拡散光発生器10の上流側に位置決めされた微小光学ビームホモジナイザ層192が、ビームホモジナイザ層192と拡散光発生器10の間に位置決めされている、又は拡散光発生器10の下流側に位置決めされた第1の放射面28と共に、事前コリメート光を発生させるコリメート光源190として使用される点において、次に説明する微小光学ビームホモジナイザ層のいずれかで、直接光源12に対して概略を説明した実施形態、すなわち
図5から11、14a、b及び15に関して記載したもののいずれかを使用することによって対処される。そのように位置決めされた微小光学ビームホモジナイザ層192は、コリメート光源190から前記ホモジナイザ層192に衝突する迷光の存在によって特徴付けられる第1のコリメートビームを、第1のコリメートビームの発散と同じ又はそれより大きい分散を備え、迷光の影響を受けない第2のコリメートビームに変換する。このような第2のコリメートビームはしたがって、
図16に示すように、拡散光発生器10に向かって第1の放射面28を出る。異なる実施形態では、第1の放射面28は、拡散光発生器10の第2の放射面34の下流側に位置決めされる、又はこれと一致し、したがって、ビームホモジナイザ層192から出る第2のコリメートビームは、第1の放射面28に向かって拡散光発生器10の上に衝突する。
【0131】
説明したばかりの迷光は、例えば、コリメートレンズ64を具体化するために、フレネルレンズを使用した場合に、いくつかのフレネルレンズの非理想的挙動から生じる可能性がある。このようなフレネルレンズ64の溝先端からの散乱、多数の内部反射などにより、第1の光放射デバイス60によって照らされたフレネルレンズ64は、狭いピーク30からゼロには到達しない輝度プロファイルを有する可能性がある。これに対して、完全に暗い又は均一な背景が必要である、
図7及び8の実施形態では、最後にフレネルレンズ64をはっきり視覚可能で明るい物体にする、角度及び位置の両方でも構造化された残りのプロファイルによって特徴付けることができる。このような問題はまた、それぞれ今までのところ説明した、直接光源及びコリメート光源190に対する他の実施形態に関して起こることもある。
【0132】
このような輝度背景が、その不均一性、及び拡散光発生器10の透明度により、低い、例えば、ピーク輝度値の1%低いとしても、このような輝度背景は視覚可能であり、したがって、自然の空の質を損なう可能性がある。このような問題を解決するため、微小光学ビームホモジナイザ層192を使用することができ、それに対する特定の実施形態を以下にさらに説明する。
【0133】
微小光学ビームホモジナイザ層192の第1の実施形態を、
図17A〜
図17Cを参照して説明する。
図17A〜
図17Cは、コリメート光源190に対する例として、第1の光放射デバイス60及びフレネルレンズ64などの光放射器及びコリメータの組合せを例示的に示しているが、前のパラグラフで既に説明したように、
図17A〜
図17Cに例示されたビームホモジナイザ層192は、コリメート光源190及びビームホモジナイザ層192の組合せからなる直接光源12に対する別の実施形態につながるために、上記までに記載した直接光源12に対する実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0134】
図17A〜
図17Cの微小光学ビームホモジナイザ層192は、2次元アレイの微小レンズ194、及び各微小レンズ194はそれに関連するピンホール196を有するように、2次元アレイの微小レンズ194の下流側に位置決めされ、延びている2次元アレイのピンホール196によって穿孔された吸収層202として成形された吸収体を備えている。
図17Aの実施形態は例示的に、直接光方向32が2次元アレイの微小レンズ194を含む平面と垂直である場合のことに言及している。各ピンホール196は、それぞれの微小レンズの焦点長さ198に対応するそれぞれの微小レンズ194に対する長さで、直接光方向32と一致する方向に位置決めされている。以下により詳細に設定した理由により、微小レンズ194は、直径D
mを有する円形開口部を有することが好ましい。直径D
mは、5mm未満であることが好ましく、3mm未満であることがさらに好ましく、1.5mm未満であることがより好ましい。微小レンズ194は、できるだけ密接に、すなわち可能な最も高い密度で2次元アレイに一緒に固められていることが好ましく、したがって、コリメート光源190として
図7及び8の実施形態のいずれかにより、1つのコリメートレンズ64に面する微小レンズ194の数は、
図17A〜
図17Cに例示的に示したものより高い可能性が極めて高い。例えば、微小レンズ194及びピンホール196がそれぞれ2次元アレイ内に配置されているピッチは、直径D
mに等しい、又は少なくとも1.5×D
m未満であってもよい。
【0135】
さらに、微小レンズ194の焦点長さf
m198は、D
m/f
m<2・tan(7.5°)、好ましくは<2・tan(5°)、最も好ましくは<2・tan(2.5°)に従うように選択することができる。例示的に円形である可能性があるピンホール196の直径は、コリメート光源190からビームホモジナイザ層192に衝突するコリメート光のHWHM発散θ
INにしたがって選択される、例えば、d
mはd
m≧2ftan(θ
IN)に従うことがある。
【0136】
これらの制約を使用して、輝度プロファイルL
directへの上記制約は、
図17A〜
図17Cの実施形態により、第1の放射面28を形成するビームホモジナイザ層192の下流側で達成することができる。異なる実施形態では、以下に説明するように、第1の放射面28は、ビームホモジナイザ層192の下流側に位置決めすることができ、それによって、輝度プロファイルL
directへの制約は、この表面でのみ達成される。非円形であるピンホール196の形状の場合、d
mは、ピンホール196と同じ面積を有する円の直径を示すことがある。
【0137】
また、
図17A〜
図17Cに示すように、微小光学ビームホモジナイザ層192はさらに、隣り合った対の微小レンズ194及びピンホール196の間のクロストークを小さくするように構成されたチャネル分離構造200として成形された吸収体を備えることができる。特に、チャネル分離構造200は、微小レンズ194の1つがそれぞれの管の上流側に位置決めされ、ピンホール196の1つがその下流側に位置決めされた方向32に沿ってそれぞれ延びる管によって形成することができる。有利には、チャネル分離構造200は、可視領域で光を吸収し、チャネル分離構造200の上に衝突する光に対して、例えば、70%、好ましくは90%、より好ましくは95%より高い吸収度を可視で有する。チャネル分離構造200はまた、
図17Bに示すように、微小レンズ194の間の空間204を埋めることができる。
【0138】
ビームホモジナイザ層192の実施形態はしたがって、一連のピンホール196を備えたこれらのレンズ194の焦点面に置かれた吸収マスク202の後に、コリメート光源190から放射される入射コリメート光前面に面するレンズ194の層の使用を利用する。各ピンホール196の中心又はちょうど中心は、方向32の下でレンズアレイのレンズ194の中心又はちょうど中心に対応する、すなわち、レンズ194及びピンホール196アレイは、互いに対して見当合わせされている。この構成により、出力角度プロファイルL
directは、レンズ194の開口部と同じ形状を特徴とするフラットトップ分布を示す、すなわち、四角形タイプのレンズ開口が使用された場合には四角形フラットトップであり、六角形開口部がレンズ194に対して使用された場合には六角形である。観察者の目内にスポット40の円形画像を有するために、したがって、円形開口部を備えたレンズ194を有する必要がある。開口部間の空間、すなわち空間204は、吸収層で黒くなっているなど、光吸収であるべきである。出力ビームの例えば、θ
HWHMによって測定したような発散は、θ
HWHM≒arctan(D
m/(2f
m))などの、レンズ194の焦点長さf
m及び全直径D
mに関連している。
【0139】
コリメート光源190からレンズ194のアレイに衝突するビームの発散は、フラットトップ分布のブレを案内し、したがって、円形画像の鮮明な位数を円滑にすることによって、出力発散θ
HWHMに影響を与える。ピンホール196の直径はまた、出力角度分布L
directの鮮明さに影響を与える。より小さいピンホール196は、より鮮明な画像を暗示するが、レンズ194のアレイの前の共に比較的大きい発散を備えたより小さいピンホール196はまた、吸収マスク202でのより高い損失を意味する。
【0140】
図17A〜
図17Cのビームホモジナイザ層192は、最後の層、すなわちビームホモジナイザの下流端部に配置されたものが、観察者の目に対してレンズ194のアレイの存在をマスキングする、2次元アレイのピンホールによって穿孔された黒い(吸収)層である。したがって、
図17A〜
図17Cの実施形態は、反射輝度を最小限に抑える、すなわち、デバイスがオフの場合に直接光源12の黒い外観を保証する目的に関して最適の性能を保証する。
【0141】
しかし、伝達及び吸収ゾーンの変更によるピンホール層202に関連する画像のピクセル化を避けるためには、低角度白色光拡散体230は、ピンホール196の画像をぼかし、第1の放射面28とその後一致する低角度白色光拡散体230平面で均一な輝度を保証するように、以下に記載するように、ピンホール層202の下流側に位置決めすることができる。輝度プロファイルの狭いピーク30内の余分なブレを防ぐために、白色光拡散体230は、HWHM応答関数≦10°、好ましくは≦5°、より好ましくは≦2°をとる。輝度均一を保証するために、白色光拡散体230は、ピンホール層202の平面から十分離れて、例えば、f
mから1から3倍の距離に置かれる。しかし、白色光拡散体230の使用は常に必要ではない、例えば、観察者は大きな距離(例えば、3〜5mの距離)からの照明デバイスを観察することになっている場合に必要ないことがあり、レンズ194の直径D
mが観察の予測距離に対して十分小さく、例えば、1mm未満、好ましくは0.5mm未満をとる場合に必要ない。
【0142】
レンズ194のアレイ、及びピンホール196のアレイを見当合わせする問題が、レンズ194のアレイ自体によりピンホール196のアレイを製造することによって直接解決されても意味がない。例えば、製造プロセスの始めでは、連続層である、すなわちいかなるホール/ピンホール196もない吸収層202上のレンズ194によって焦点が合わせられた高強度層は、層202内にピンホール196をエッチングする。このようなレーザビームの出力及び発散を制御することによって、ピンホール寸法、すなわち、ピンホール直径d
mは、適当に設定される。
【0143】
例として、レンズ194に対する1.5mmの開口部、及び約1.7cmの焦点長さは、2.5°の半分の角度出力発散につながり、上に記載したように、直接光の所望の発散に近づく。
【0144】
記載したチャネル分離構造200の使用は、任意選択であるが、隣り合った対のレンズ194及びピンホール196の間のクロストーク効果を防ぐためのものである。これらのクロストーク効果は、中心高強度のものの周りの太陽画像の一連のゴースト複製内に現れる可能性がある。これらは、
図17Aで光線206によって示されるように、十分に大きい伝搬角度、例えば(D
m/f
m)−(d
m/(2f
m))ラジアンより大きい、ビームホモジナイザ層192に衝突する光ビーム内の強い迷光の存在で起こることがある。この場合、大きな角度で伝搬するこのように強い迷光206は、隣接するレンズ194に関連するピンホール106内で1つのレンズ194によって焦点を合わせることができる。
【0145】
上で説明し、
図17A〜
図17Cに示したように、チャネル分離構造は、吸収材料の管のアレイ、すなわちレンズ194及びピンホール196の対毎に1つの管で形成することができ、これらの管はレンズ194のアレイとピンホール196のアレイの間に位置決めされた要素の第3のアレイを構成している。大きな角度でレンズ194のアレイに衝突し、チャネル分離構造200なしで、隣接するピンホール、すなわち隣接するレンズ194に属するピンホール上で焦点が合わせられる光は、その後、チャネル分離構造200によって吸収され、したがってクロストークがなくなる。出力ピンホール層200はまた、後者の場合になくすことができる。というのは、これらは、出力輝度分布に角度ブレを加える代償を払って、チャネル分離構造200自体の管の開口部に置き換えられる。
【0146】
したがって、
図18に示すように、微小光学ビームホモジナイザ層192に対する別の実施形態は、2次元アレイの微小レンズ194と、2次元アレイの微小レンズ194の下流側に延びる2次元アレイの微小管200のチャネル分離構造として成形された吸収体とを備えており、それによって、各微小レンズ194は、
図17A〜
図17Cの実施形態の場合と同様に、それぞれの微小レンズ194から直接光方向32に延びるこれに関連した微小管を有する。微小レンズ194の直径D
m、及び微小レンズ194の焦点長さf
mに関連して、
図17A〜
図17Cの実施形態の説明を参照する。
図18で211と印がつけられた微小管200の長さlに関して、このような長さlは必ずしもf
mと等しくなく、0.5f
m<l<1.2f
mの範囲で変化してもよい。
【0147】
図19は、微小光学ビームホモジナイザ層192に対する別の実施形態を示している。
図17A〜
図17C及び
図18それぞれの場合と同様に、微小光学ビームホモジナイザ層192は図では、直接光源12に対する別の実施形態を形成するように、コリメート光源190と組み合わせられているが、放射器及びコリメータを備えたコリメート光源190は例示的には、
図7の例と同様に、フレネルレンズ64と第1の光放射デバイス60の組合せを備えているように示されており、
図5から11、14及び15の前に記載した例のいずれも、コリメート光源190を実施するために使用することができる。
【0148】
図19の微小光学ビームホモジナイザ層192は、焦点長さf
m1の第1の2次元アレイの微小レンズ210、焦点長さf
m2の第2の2次元アレイの微小レンズ212、及び六角形などにつめられたようなアレイ状に横方向に分配され、互いに平行であり、直接光方向32と平行な望遠鏡軸を有する望遠鏡216のアレイを形成するように、第1及び第2のアレイの微小レンズ210、212の間に配置されたピンホール214のアレイによって穿孔された吸収層220として成形された吸収体を備えている。各望遠鏡216では、それぞれのピンホール214、第1の2次元アレイのそれぞれの微小レンズ210、及び第2の2次元アレイのそれぞれの微小レンズ212が、f
m1である第1の2次元アレイのそれぞれのピンホール214とそれぞれの微小レンズ210の間の距離、及びf
m2である第2の2次元アレイのそれぞれのピンホール214とそれぞれの微小レンズ212の間の距離で、望遠鏡軸に沿って配置されている。f
m2<γ・f
m1において、γ<1、好ましくはγ≦0.9、最も好ましくはγ≦0.85である。望遠鏡216のアレイの下流側に面した外面218は、反射防止コーティングを備えることができる。
【0149】
図19の実施形態では、ビームホモジナイザ層192はしたがって、2つのアレイのレンズ210、212、及びピンホール214の中心アレイから構成されている。両方のレンズ210及び212の焦点平面に配置されたピンホール214は、薄い層の光吸収材料から切り出すことができる。したがって、
図19の構成は、
図17A〜
図17C及び
図18に示した微小光学ビームホモジナイザシステムと同様であるが、レンズ212の追加アレイを備えている。各レンズ210の開口部は、下流側アレイのレンズ212の開口部に、2つのレンズ210と212の間の軸217上で中心合わせされたピンホール214に対応する。ビームホモジナイザ層192はしたがって、光学望遠フィルタのアレイを形成する。中にピンホール214が形成された吸収層220は、全ての空間的成分、すなわち、焦点平面内ではピンホール214の外側になる伝搬角度をなくす。このビームホモジナイザ層の出力発散は、全幅において測定され、ビームホモジナイザ192に衝突する光の入力半幅拡散のf
m1/f
m2倍と、Δθ≒arctan(d
m/2・f
m2)の間の最低値であり、d
mはピンホール214のピンホール直径である。観察者の目に形成される画像は、下流側アレイの1つの単レンズ212の焦点平面の画像である。したがって、円形画像がピンホール214の円形形状によって与えられる。さらに、コリメートレンズ64が存在する場合、レンズ210と同じ存在により、中心ピンホール214の上に主要光源60が画像化される。したがって、
図7及び8に示すむき出しになったコリメートレンズの場合と同様に、観察者の目の中で、
図19の直接光源12は、ピンホール開口部214によってクリッピングすることができる主要光源60を画像化する。コリメート光源190からレンズ210のアレイに衝突する光は、例えば、コリメートレンズ64の出口などで初期発散を示すので、焦点長さf
m1及びf
m2は同じであるべきではない。第1のアレイ210のレンズに衝突する光の入力発散が与えられる、1:1顕微鏡216は実際、このようなアレイ212に属する対応するレンズの全開口部より大きい第2のアレイ212の平面上でのスポットの生成につながる。このような場合はしたがって、このような対応する出力レンズの周りの隣接するレンズの望ましくない照明につながる。所与の入力発散に対する幾何学的検討から、下流側アレイのより短い焦点長さf
m2により、このような効果なしでアレイ212の単レンズの出力開口部の全照明が決まる。
【0150】
吸収層220での光損失を少なくするために、ピンホール直径d
mは、コリメート光源190から入射するビームの発散にしたがって選択することができることが望ましい。主要源60が、例えば、円形形状を呈していない場合、ピンホール214に関して損失がある可能性がある。
図17及び18のビームホモジナイザ層192の場合に対して、
図19の例は、レンズ210の開口部は円形である必要はなく、その入力面の部分の黒色化は必要ない。すなわち、レンズ210の開口部は互いに当接して、コリメートレンズ64の横寸法、又は
図8の場合にはこのようなレンズ64のアレイなどのコリメート光源190から入射する光前部の横延長部と連続して位相が重なる、及び重複することができる。
【0151】
中心吸収層220内のピンホール214は、
図17A〜
図17Cに関して上に記載した製造プロセスの説明と同様に、レンズ210の第1のアレイによって焦点が合わせられた高強度レーザビームの使用によって書き込むことができる。
【0152】
すなわち、レーザ印刷を使用して、微小レンズはピンホールを製造しなければならない正確な位置でレーザビームに焦点を合わせるように、上流側微小レンズ層を通して適切にコリメートされたレーザビームによって上記成分を照らし、ピンホールの所望の直径が得られるように露光時間及びビーム散乱を調節することによって得られるピンホールのレーザ微小製造の後に、ピンホールを位置決めしなければならない表面上に連続遮断層が蒸着されているという事実とは別に、開示するホモジナイザと同一の成分の第1の実現に依存する上記微小光学ビームホモジナイザ層のピンホールを形成することができる。
【0153】
図17A〜
図17C及び
図18のビームホモジナイザ層の出力層のピクセル化に関する検討は、
図19の場合にも当てはまる。したがって、レンズ212の開口部は、5mm未満、好ましくは3mm未満、最も好ましくは1.5mm未満であってもよい。しかし、最終散乱は、一方ではレンズ210及び212のレンズ開口部間の比に、もう一方では焦点長さf
m1及びf
m2に関連していないので、レンズ210及び212の焦点長さf
m1及びf
m2はそれぞれ、ほぼレンズ210及び212の開口部である、すなわち、
図17及び18の実施形態の場合よりはるかに短い。
【0154】
十分に大きい、例えば、D
m及びd
mはそれぞれレンズ210及びピンホール214の直径である、(D
m/f
m1)−(d
m/(2 f
m1))ラジアンより大きい伝搬角度で、ビームホモジナイザ層192に衝突する光ビーム内の強い迷光が存在する状態で、クロストークは、
図17の実施形態で説明したように、
図19の実施形態でも起こる。隣接するレンズ210に属するピンホール内に1つのレンズ210によって焦点が合わせられた光222から生じる前記クロストークは、レンズ210のレンズ開口部、焦点長さf
m2、及びピンホール直径d
mに依存する、大きな伝搬角度で所望の出力スポットの薄れた複製につながる可能性がある。所望の出力スポットの前記薄れた複製が見える可能性がある角度は、
図19の実施形態では、
図17よりはるかに大きく、例えば、約45°である。その理由は、ピッチと焦点長さの間の比のはるかに大きな値、及びレンズ194に関してレンズ210によって隣接するピンホールが見られるはるかに大きな角度である。
図19の実施形態の場合では、例えば、1次クロストークの場合では、これを通して前記クロストークが予め成形される二次顕微鏡(すなわち、入力レンズ210、及び入力レンズ210の前に位置決めされたレンズ210に二番目に隣接した出力レンズによって形成された顕微鏡)は、コリメート光を伝達することが可能ではない。実際、方向32に対して大きく傾斜した前記二次顕微鏡の軸であり(D
m≒f
m1の典型的な場合に、約45°である)、前記二次顕微鏡のピンホール214と出力レンズ212の間の距離はf
m2よりはるかに大きく(例えば、√2倍大きい)、二次顕微鏡軸の方向にレンズ212の実際の焦点長さは、大きな動作角度によって生じる非点収差により、公称値f
m2より実質的に短い。この状況では、平行方向に沿ってレンズ212から次第に出る光線は、ピンホール214によって遮断される。というのは、前記ピンホールは二次顕微鏡軸の方向にレンズ212の実焦点から離れているからである。二次顕微鏡が平行光線を伝達することができないという事実は、輝度プロファイル中の二次的な狭いピーク、すなわち、ピーク30の幅に相当するピークにつながるクロストーク形を防ぐ。すなわち、クロストークにより形成することができる二次スポットは、ビームホモジナイザ層192に衝突する非コリメート光の場合でさえも、はるかに大きくぶれ、したがって、はるかに見えにくい。より高次のクロストークは、方向32に対するより大きな顕微鏡軸角度により、さらに大きなブレ効果につながる。したがって、
図17の実施形態が、チャネル分離構造200なしで作用する限り、
図19の実施形態は、
図17の実施形態に対してはるかに弱いクロストークを発生する利点があり、動作される価格はレンズ210に対するレンズ212のアレイを見当合わせする必要性に関連している。
【0155】
別の実施形態では、顕微鏡216毎に1つの吸収管がある、吸収管のアレイ、すなわち吸収チャネル分離構造224は、レンズ210のアレイの下流側に位置決めされている。チャネル分離構造200の場合、
図17A〜
図17C及び
図18の実施形態の場合に関して、前記吸収チャネル分離構造224は、停止クロストーク222の関数を有し、これはしかし、ちょうど説明した前の場合よりもここでははるかに影響が少ない。この吸収チャネル分離構造224のバリアは、レンズ210と直接接触しているグリッドを形成することができる。レンズ直径と焦点長さの間の比は、
図17A及び
図18の実施形態ではレンズ194の場合より、
図19の実施形態のレンズ210の場合でははるかに大きい、例えば、3〜30倍大きい可能性があるので、吸収チャネル分離構造224の個別の管の吸収チャネル分離構造224、すなわち、レンズ210の開口部228によって分割される管長さ226は、
図17及び18の場合よりはるかに低い、例えば、0.5〜3の範囲である可能性があり、したがって、はるかに少ない要求の技術的労力につながる。
【0156】
f
m1より短い、例えばf
m1より25%短い管長さ226は、幾何学的検討から明らかであるように、クロストーク除去に十分であることに留意されたい(
図19参照)。
【0157】
図19の実施形態ではレンズ212のアレイによって形成される外面218によって放射される光の特徴に関連して、より詳細には、レンズ212のピッチと等しい空間的周期性を有する輝度変調に関する潜在的な問題に関連して、発明者らは、入力レンズ210がコリメート光源190によって均一に照らされ、比fm
1/fm
2が、コリメート光源190ビーム発散を適切に適合させる、すなわち、レンズ寸法に合うレンズ212上の光スポットを達成するために選択される前提で、高い均一性が保証されることに気が付いた。この場合、実際、顕微鏡216は表面218で、レンズ210の内面を特徴付けるが、大きな角度成分から生じる(軸方向に反転した)輝度プロファイルを再生する、すなわち、レンズピッチで大きな輝度変調を加えない。すなわち、顕微鏡216がコリメート源190の特性に合うように適切に設計されているという前提で、5mm未満のピッチ値が推奨される場合でも、より高いピッチ値も可能である。
【0158】
コリメート源190がオフの場合に、すなわち、外部照明の下で、レンズ212のアレイによって形成される表面218の外観に関して、吸収層220及び可能性のある吸収チャネル分離構造224の存在により、上流方向のレンズ212を交差する光線が吸収されるが、これらは第1の光放射デバイス60に接続されていることに、発明者らは気が付いた。このような状況により、上流方向にレンズ212を交差する光線は、源60による反射により生じる可能性がある小さな貢献を除いて、反射輝度を作り出さないが、これは狭いピーク30の範囲内であり、したがっていかなる外乱も生じさせない。反射輝度への貢献は、レンズ212による直接反射により生じる可能性がある。このために、大きなレンズ212開口部が選択された、すなわち、1〜3mmより大きい場合、目がスポットを当てる反射輝度での周期的変調が生じる危険性を防ぐために、反射防止コーティングは、レンズ214上で実施することができる。
【0159】
直接光源12に対する上記実施形態の全ては、
図20及び21に示すように、拡散光発生器10の上流側又は下流側のいずれかに位置決めされた、低角度白色光拡散体230を人工照明装置20の直接光源12に追加で設けることによって拡張することができる。低角度白色拡散器230を拡散光発生器10の上流側に位置決めする場合、後者は、
図20に示すように、直接光源12の外部及び下流側にある。他の場合では、すなわち、低角度白色拡散体230が拡散光発生器10の下流側に位置決めされている場合、低角度白色光拡散体230は、直接光源12の内部光経路内にあり、その中に位置決めされたデバイスを意味する。両方の場合で、直接光源12の第1の放射面28は、低角度白色光拡散体230、すなわちその外面に形成される。しかし、
図21の場合、拡散光発生器10が照明装置20から物理的に取り除かれる場合に、L
direct(x,y,θ,φ)は、低角度白色光拡散体230外面(すなわち、拡散光発生器10に対して反対の方向に面する表面28)で測定可能な輝度を示すことを意図している。
図21では、参照符号12’が、拡散光発生器10に対して上流側に位置決めされた直接光源12の部分を特定するために使用されている。部分12’及び230は両方とも、
図21の中括弧によって示されるように、直接光源12に属している。反射輝度プロファイルL
Rに関する限り、
図21の場合の直接光源12内にある拡散光発生器10で同じことを規定することができる。例えば、低角度白色光拡散体230は、L
direct内の狭いピーク30のブレを生じさせるように構成されている。白色光拡散体230が拡散光発生器10の上流側及び下流側に位置決めされた両方の場合で、このようなブレが生じる。
【0160】
低角度白色拡散体230は、例えば、透明層材料の外面に形成された、微小屈折器、例えば、微小レンズ、微小空隙、微小プリズム、微小傷、又はこれらの組合せのランダム分布、又は透明なバルク材料内の透明な微小粒子の分散を含むことができ、粒子及びバルク材料は屈折率の不一致がある。すなわち、透明なバルク材料内の透明な微小粒子の分散の場合、透明な微小粒子と透明なバルク材料の間の屈折率の不一致が当てはまる可能性がある。しかし、白色光拡散体に対するいくつかの他の実施形態も可能である。
【0161】
低角度白色光拡散体に衝突する光線は小さな角度偏差(例えば、2.5°未満)があるだけであるので、小角度白色光拡散体は典型的には、本発明の内容で解釈する透明度の定義にしたがって仮想的に透明な要素であることに留意されたい(光線が2.5°より大きい角度偏差なしで要素を交差する場合に、要路は透明であると考えられる;以下の詳細を参照のこと)。したがって、小角度偏差がある拡散体を交差する光線はここでは、透過光線と考えられる(詳細は以下を参照のこと)。しかし、必要な機能にしたがって、ここで考えられる小角度白色光拡散体により典型的には、透過光線のほとんど(例えば、少なくとも50%、好ましくは70%、最も好ましくは95%)が、少なくともいくつかの角度偏差(例えば、少なくとも0.5°の偏差)があることが保証されるべきである。すなわち、拡散体は、低角度透過率(例えば、50%未満、好ましくは30%未満、最も好ましくは5%未満の角度透過度)を保証すべきである。
【0162】
低角度白色拡散体230は、直接光輝度プロファイルL
directに以下のプラスの効果を有することができる。より詳細には、この白色光拡散体230の散乱断面は、2°から10°に設定することができる。第1の範囲は、L
directプロファイル内のあらゆる鮮明な角度ピーク、すなわち、狭いピーク30の外側で生じる可能性がある、1.5°〜10°未満のHWHMによって特徴付けられるピークをぼかすことである。範囲はここでは、L
direct内の鮮明な二次角度ピークの可視性を小さくすることである。このため、拡散体は、前記輝度角度ピークが配向される平面の下流側であらゆる平面に位置決めすることができる。第2の範囲は、明るく、空間的に局所化されたスポットによって生じる輝度値及びその空間は派生物の両方をぼかし、したがって小さくし、輝度プロファイルの空間的均一性を良くすることである。このため、低角度白色光拡散体は、各局所化されたスポットを、平面上の十分大きく、したがって十分弱いブレたスポットにすることを可能にするために、前記輝度スポットが発生する平面、例えば、
図17Aの実施形態のピンホール196の平面から特定の距離に位置決めすべきである。そうする際、低角度白色光拡散体は、空間輝度プロファイル内のブレを生じさせ、(僅かな角度透過率の場合)点は、拡散体角度応答のタンジェント及びオリジナルの輝度平面と拡散体の間の距離の積にほぼ等しい半径のブレたスポットにぼやける。自然に、新しくブレた輝度プロファイルが、拡散体平面に生じる。例えば、2.5°HWHM白色光拡散体230が、≒10α・dsの距離で前記スポットの下流側に位置決めされている場合に、≒α
2の因数によって約分した輝度においてオリジナルの寸法dsの局所化スポットを観察者が見る。ここで、比例して大きくなる距離は、狭い角度応答によって特徴付けられる白色光拡散体に必要である。
【0163】
今まで、提示した人工照明装置20の様々な実施形態は、直接光源12の実施における変更形態に関連するものであった。次に、拡散光発生器10の実施における可能性のある変更形態を説明する。次に行なう説明は、上に記載した実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0164】
図22Aは、直接光源12及び拡散光発光器10の可能性のある一般的な相対配置の1つを示している。拡散光発生器10は、この図において、直接光源12に対して下流側に配置されている。これらの要素の可能性のある他の相対構成は既に、前に説明したが、以下でさらに論じる。
図22Aでは、拡散光発生器10の裏側は、直接光源12及び第1の放射面28によって生成された直接光236によって照らされる。拡散光発生器10は上に記載したように、直接光236、又は主要光から生じ直接光236につながるあらゆる中間光に対して少なくとも部分的に透過性があるので、透過した光部分238は、拡散光発生器10の前面/外側放射面37で生じる。
【0165】
これに加えて、拡散光発生器10は拡散光242を生成する。以下により詳細に概略を説明するように、拡散光発生器10は、直接光236、又は主要光から生じ直接光236につながる中間光などの入射光の一部を拡散する、及び/又は加えて追加の貢献として拡散光を放射することによって、拡散光242を生成するように構成することができる。上で既に説明したように、拡散光発生器10は、例えば、第1の放射面28又はいくつかの他の透明物質の上に蒸着された層又は層スタックとしてのパネルとして具体化することができるが、他の実施も実現可能である。
【0166】
直接光源12によって放射される直接光236は、400nmと700nmの間の波長であるスペクトルの可視領域をカバーしていることが好ましい。直接光236のスペクトルは、好ましくは100nmより大きい、より好ましくは200nmより大きいスペクトル幅Δλを有し、ここでスペクトル幅Δλは直接光236のスペクトルの標準偏差として定義することができる。直接光236のスペクトルはしたがって、以下においてCCT
directと呼ばれる関連するCCT値を特徴付ける。
【0167】
拡散光発生器10が、透過光238のCCTを増加させない、すなわちCCT
trans≦CCT
directであるが、偏差も可能であることが好ましい。拡散光242に関する限り、これは、直接光236と比較して、より小さい波長に向かってシフトするスペクトル、したがって、より高いCCT、及びいずれの場合でも、透過光238のCCTと比較してより高いCCTを有する、すなわち、CCT
diffuse>CCT
direct及びCCT
diffuse>CCT
transである。光236及び238がコリメートされる、すなわち狭い角度分布を有する、及び直接光236、242及び238のスペクトルが、(スペクトルがそのピーク値に標準化された場合)角度方向から実質的に独立していることが好ましい。この場合、CCT
direct、CCT
diffuse、及びCCT
transの定義は直接的である。しかし、より正確にするため、及び一般的な場合、拡散光発生器10が装置20内に物理的に設置されない場合に、CCT
directは狭いピーク30内、すなわち、例えばθ
HWHM内で照明装置20によって生成された光の平均スペクトルに対して、CCTと定義することができる。拡散光発生器10が装置20内で物理的に動作される場合に、CCT
transは狭いピーク30内、すなわち、例えばθ
HWHM内で照明装置20によって生成された光の平均スペクトルに対して、CCTと定義することができる。直接光源12及び拡散光発生器10の両方が、照明装置20内で動作させられる場合に、CCT
diffuseは方向32から離れた方向で、例えば、角度θ>3θ
HWHMに対して照明装置20によって生成された光の平均スペクトルに対してCCTと定義することができる。全ての平均は、全ての空間的及び方位角座標の上で予め形成されている。
【0168】
既に上で説明したように、拡散光発生器10を具体化することができる、又はより長い波長と比較して、可視領域内、すなわち400から700nm内のより短い波長に対してより十分に入射光を拡散するように構成された拡散体パネルを少なくとも備え、それによって、実際の空による太陽光のレイリー発散と同様に挙動することができる。例えば、400nmから550nmの間隔内でこれによって拡散/発散された部分の光束は、D65標準発光体の場合に、500nmから700nm内の波長間隔内の入射光の部分の光束より、少なくとも1.1倍、好ましくは1.2倍、より好ましくは1.3倍大きいように、拡散体が構成されている。
【0169】
CCT
diffuseは、例えば、CCT
transより少なくとも1.2倍大きい、好ましくは1.3倍大きい、より好ましくは1.4倍大きい。CCT
diffuseをCCT
directと比較すると、CCT
diffuseは、CCT
directより1.2倍大きい、又は好ましくは1.3倍大きい、又はより好ましくは1.4倍大きい可能性がある。
【0170】
ちょうど説明したレイリー型拡散体の場合、透過光238が、拡散光242に属していない、散乱/拡散されていない入射光の残りの成分を示しているので、拡散体はまた、CCT
directに対してCCT
transを小さくすることができる。
【0171】
拡散体及び/又は拡散光源であるこれとは別に、拡散光発生器10は、入射光のかなりの部分を吸収しないことが好ましい。拡散光発生器10は、好ましくは入射光の光束の20%未満、より好ましくは10%未満を吸収する。しかし、これに関して、入射光の一部は、上流方向で入力面33から離れる方向に後方散乱又は反射されることを説明すべきである。一方では散乱された入射光の部分、及び前方向に、すなわち、下流方向に第2の放射面34から離れて散乱された入射光の部分を比較すると、透過した拡散光部242は、後方散乱された部分より、少なくとも1.1倍大きい、又は1.3倍大きい、又はさらには1.5倍大きい、又はさらには2倍大きいように、光束内で測定して、より大きいことが好ましい。
【0172】
反射及び後方散乱された部分の合計、すなわち、拡散光発生器10によって後方反射又は後方散乱された入射光の部分に関する限り、これは入射光の光束の40%より低いことが好ましく、入射光の光束の25%より低い、又はさらには10%より低い、又はさらには5%より低いことが好ましい。
【0173】
図23は、拡散光発光体10が、第1の材料の固体マトリックスを有する拡散体250として構成されており、第2の材料のナノ粒子254は固体マトリックス252内で分散されている実施形態を示している。ナノ粒子材料の屈折率は、固体マトリックス252の材料の屈折率とは異なる。両方の材料とも基本的には、可視波長内の電磁放射を吸収するべきではない。例えば、第1の材料は透明樹脂であってもよい。例えば、第2の材料は、ZnO、TiO
2、ZrO
2、SiO
2、Al
2O
3などの無機酸化物であってもよい。
【0174】
ナノ粒子254は、モノ分散されていてもよい。ナノ粒子254は、丸い形状、又は他の形状であってもよい。有効直径D(非円形の場合の定義は以下を参照のこと)は、5nm〜350nm、好ましくは10nm〜250nm、より好ましくは40nm〜180nm、さらに好ましくは60nm〜150nmの範囲内であってもよく、Dはナノ粒子254の直径×第1の材料の屈折率によって求められる。
【0175】
さらに、ナノ粒子254は拡散体250の内側に分配することができ、それによって、平方メートル毎の数N、すなわち光伝搬の方向に直交する表面Sの部分によって、1m
2面積で区切られたパネル容量要素内のこのような粒子の数は、条件N
min≦Nを満たす。
(Dがmで示された、数/m
2)
式中、有効直径Dはメートル(寸法用語)で表さなければならず、mは第1の材料の屈折率に対する第2の屈折率の比に等しい。
【0176】
ナノ粒子254は、少なくとも面積密度に関する限り、均一に分配されていることが好ましい。面積密度は、例えば、5%未満又は平均面積密度だけ変化する。別の方法では、面積密度は、入射光によって照らされるようなパネル250の上の照明分散を補償するために、意図的に変化することがある。例えば、第2の放射面34内の点(x,y)での面積密度N(x,y)は、N(x,y)=N
avI
av/I(x,y)+−5%により、点(x,y)で源2によって作り出された照度I(x,y)に関連していてもよい。式中、N
av及びI
avは、パネル領域上の平均照度及び面積密度である。
【0177】
小さなD及び小さな容量断片(すなわち、厚いパネル)の限界では、面積密度N≒N
minは、約5%の散乱効率を作り出すようになっている。単位面積毎のナノ粒子の数が大きくなれば大きくなるほど、色品質を損なう可能性がある、多数の散乱又は干渉(高容量断片の場合)が生じる限り、散乱効率はNに比例して成長するようになっている。ナノ粒子の数の選択はしたがって、特許出願EP2304478に詳細に記載されているように、散乱効率と所望の色の間の妥協に対する探究によって偏る。さらに、ナノ粒子の寸法が大きくなれば大きくなるほど、後方散乱光の光束で割った前方散乱光242の光束の比ηが大きくなり、このような比は、レイリー限界内のものと等しい。さらに、ηが大きくなると、前方散乱錐体の開口部はより小さくなる。したがって、ηの選択は、大きな角度で散乱した光を有することと、後方散乱光の束を最小限に抑えることの妥協に対する探究によって偏る。しかし、それ自体知られている方法で、反射防止層は、反射を最小限に抑える目的で、入力及び第2の放射表面33及び34上にそれぞれ蒸着させることができる。そうすることによって、装置の輝度効率が上げられ、パネル面上の大気反射による観察者への拡散体パネル250の視認性が小さくなる。
【0178】
しかし、ナノ粒子254は球体形状を有していない実施形態が可能である。このような場合、有効直径Dは、等価球状粒子の有効直径、すなわち、上記ナノ粒子と同じ容量を有する球状粒子の有効直径と等しくなるように定義することができる。
【0179】
D’
effは、上記間隔のいずれかのうちに、すなわち、5nm〜350nm、好ましくは10nm〜250nm、より好ましくは40nm〜180nm、さらにより好ましくは60nm〜150nmの範囲内にあるように選択することができる。
【0180】
しかし、別の方法では、拡散光発生器10は、
図24a及び24bに示されるように、又は個別に
図25に示されるように、
図23の拡散体パネル250に加えて拡散光源260によって構成されている、又は備えている可能性がある。拡散体パネル250とは異なり、拡散光源260は、直接光源12とは独立して拡散光を放射することができる。というのは、直接光源の第1の光放射デバイスとは異なる第2の光放射デバイス266を備えているからである。
【0181】
図24a及び24bに示すように、拡散光源260は、拡散体パネル250に対して下流側又は上流側に配置することができる。本明細書で以下に説明するように、拡散光源260はパネル形状をしている、層のような形状をしている、又は層スタックとして具体化することができる。
図24a及び24bの実施形態のいずれかを
図20及び21の実施形態と組み合わせる場合、低角度白色光拡散体230は、拡散体250及び拡散光源260の両方の下流側又は上流側に、又はその間に位置決めすることができる。さらに、白色光拡散体230の機能性は、拡散体250及び/又は拡散光源260に組み込むことができる。拡散光源260は、拡散された光を放射することが可能である。さらに、拡散光源は基本的に、直接光236、又は主要光から生じ直接光236につながる中間光に対して透過性がある。
図24a及び24bに示すように、拡散光源260は、パネル250に平行に位置決めし、これと実質的に接触することができる。
【0182】
拡散光源260は、例えば、LED又は蛍光灯の直線ストライプとして成形された第2の光放射デバイス266によって端部が照らされたライトガイドとして成形された拡散体パネル264を使用して実現することができ、それによって、第2の光放射デバイス266は均一に拡散させる拡散体パネル264の内側でガイドモードで伝搬する。このようなパネル264は、例えば、「Acrylite(登録商標)LED」又は「Plexiglas(登録商標)LED EndLighten」などの側面照明に適切な市販の拡散体であってもよい。さらに、
図26に示すように、拡散体パネル264の軸Hに沿った厚さは、パネル法線方向Hに垂直な方向Kに沿った厚さと比べて、僅かである。
【0183】
特定の構成では、拡散体パネル264は、材料、例えばポリメチルメタクリレートによって形成されており、酸化亜鉛などの材料の微小粒子が分散される。このような材料は、可視範囲内の波長を有する光を吸収しないことが好ましい。より詳細には、微小粒子の直径は2μmから20μmの範囲である。
【0184】
使用の際、拡散体パネル264によって案内される放射の一部は、例えば、拡散体パネル264内に埋め込まれた微小粒子による拡散により、拡散体パネル264に沿って伝搬しながら、拡散体パネル264から出る。拡散体パネル264は端部放射方向Kと比べてパネル主要面に垂直な方向Hに沿った僅かな厚さを有するので、パネル264は基本的に、方向Hに沿って伝搬する放射に対して透過性があるが、方向Kに沿って伝搬する放射に対して拡散体として働く。
【0185】
さらに、拡散体パネル264が、それぞれ面S
1、S
2によって上側及び下側で区切られていると想定すると、このような面S
1、S
2の少なくとも1つを表面仕上げして、粗さを出すことができる。このような粗さは、第2の光放射デバイス266によって生成される光の拡散体パネル264による拡散に貢献し、拡散プロセスは方向Kと平行なあらゆる方向に沿って実質的に均一である。それ自体知られている方法で、第2の光放射デバイス266によって生成される光の大部分が、主に面S
1、S
2の間の1つを通して散乱されるように、特に下流方向32に向かって、粗さを設計することができる。面S
1、S
2の間の少なくとも1つが粗さを特徴付ける場合、拡散体パネル264内で微小粒子を拡散させる必要がないことがある。あらゆる場合において、粗さは、拡散体パネル264の面S
1、S
2の両方に存在することがある。
【0186】
異なる構成では、拡散光源260は側面が照らされていないが、OLEDフィルムにより得られる実質的に透明な放射層として成形された第2の光放射デバイスを備えている。側面が照らされたパネル源と同様に、OLEDフィルムはまた、調節された色及び強度を有する拡散光を生成することが可能であり、同時に、その表面に垂直な方向に沿って交差する光に対して透過性があることが可能である。
【0187】
拡散光源260により、基本的には透過成分の色及び強度を変えることなく、拡散光成分242の色及び強度を変更することが可能になる。この目的で、第2の光放射デバイス266によって放射された光の色及び強度に作用することが可能である。
【0188】
例えば、遅い午後の光の特徴を再現する目的で、低CCT、例えば2500Kを有する入射光を使用することができる。このように、透過成分238の色は、拡散体パネル250を使用する場合の日暮れ前の太陽光の色と同様である。拡散光源260なしで、ちょうど拡散体パネル250によって散乱された成分の色は、対応する自然の成分の色とは明らかに異なる。実際のところ、自然に起こることは、観察者の上の空が、白色の太陽光によって、すなわち、ランプのCCTよりはるかに高い値である、6000Kにほぼ等しいCCTを有する、まだ大気と交差していない太陽光によって照らされていることである。その結果、遅い午後の時間に観察者の上の空によって散乱された光のCCTは、入射光が低CCTを有する場合に、拡散体パネル250によって散乱された光のCCTよりかなり高い。しかし、拡散光源260が使用される場合、特に、拡散体パネル250が第2の光放射デバイス266と一緒に使用され、後者が赤色、緑色、青色LED放射体の組合せ(「RGB」)で作られている場合、このような3つの要素の光束を調節することが可能である。これにより、拡散光源260から出る全成分が望ましい色を有するように、パネル264が、色及び強度を有する散乱成分を生成することが可能になる。すなわち、拡散光源260により、透過成分の色を散乱成分の色から分離させることが可能になる。さらに、調節可能なCCTを有するランプが源260として使用される場合、一日の異なる時間での自然の照明の変化を再現することができる。
【0189】
パネル250及び260は、理解を容易にするために示されているように、物理的に離れている必要はない。これはまた、他の図で離れているように描かれている構成部品にも当てはまる。
【0190】
光源260が、拡散体パネル250がない状態で使用される場合、光源260が適切に設計されている限り、拡散光発生器10は、直接光236のCCTより高いCCTを有する、拡散光を放射する。そのような拡散光発生器は少なくとも部分的に光を透過する。この文脈において、光学素子に関する用語「透過性(transparency)」は、いわゆる「透けて見える」性質、すなわち画像形成光が透過する光学素子の性質、すなわち、角度偏移を経験することなく、又は小さな角度だけ、例えば、2.5°より小さな角度だけずれるだけで、光学素子を横断する光線が透過する性質を示すために使用される。この文脈において、それ故、用語「透過光」は、妥当な角度偏移を経験することなく、例えば2.5°より大きな角度偏移を経験することなく、光学試料を横断する衝突光の一部を意味する。本定義が「正透過」の概念に依存せず、対照的に、任意の角度偏移なく透過される光を単に説明することに注意されたい。
【0191】
さらに正確に、円形の放射面S
Sから一様に光を放射する標準光源(例えばD65光源)を想定し、2.5°、好ましくは1.5°、最も好ましくは0.5°の円錐形のHWHM立体角の下で放射面S
Sを視界にとらえる標準観測者O
Sを想定すると、拡散光発生器10が、観測者O
Sと、その主要面が観測者の目と面S
Sとの重心を接続するラインに直角に向いている面S
Sと、の間に配置される場合に、標準観測者O
Sによって把握されるD65放射面S
Sの輝度が、拡散光発生器10が観測者O
Sと面S
Sとの間に配置されない場合に観測者O
Sによって把握される輝度の、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも85%であるならば、拡散光発生器10は、ここで、部分的に透過であると定義される。
【0192】
要約すると、拡散光発生器10が、拡散体パネル250及び/又は拡散光源260、すなわち薄いパネルから拡散光を放射する光源として、具現化されてもよい。まさに拡散光源260を使用する場合、拡散光源260は、拡散体パネル250によって生成される拡散光の色を補正するためでなく、拡散光CCTの調整有り無しで、全体の拡散成分242を生成するために動作する。この場合に、利点は2つではなく1つの拡散素子を有することであり、したがって損失はより少ない。第1の短所は、例えば、
図26の場合には側面からの照射が制限されるため、光源260から十分に大きな輝度を取得することの難しさから生じるだろう。さらに、拡散体パネルの拡散メカニズムが実際の空で起こっているメカニズムと同一であるという事実は、拡散体250の角度分布及び空間の輝度が光源260と比較してより自然に類似するという結果になるだろう。
【0193】
上記で説明した多くの実施形態に従って、人工照明装置は、第1の放射面28が全反射率係数η
r<0.4を示すように配置された、光吸収材で作られた吸収体をさらに含む。
【0194】
そのような吸収体の例は、参照符号58、72、82、122、158、200、及び224によって示された。吸収体は光吸収材で作られてもよい。この光吸収材は、上記の説明では毎回は言及されないが、可視光について95%より大きい吸収係数をおそらく有し、とはいえ80%でも十分だろう。光吸収材は、直接光源12の第1の光放射デバイス、すなわち14、46、60、114、138、150、の下流に置かれてもよく、次に、用語「下流」は、
図9、10、及び11の場合などにおいて、反射器における軽い屈曲を含む、光伝搬方向に従うように定義される。一方では、光吸収材は、第1の放射面28の上流に置かれ、さらには拡散光発生器10及び低角度白色光拡散体230(存在する場合)の上流にも置かれるが、これはそれらが第1の放射面28の上流に置かれた場合である。もっと正確に言うと、このように置かれた場合、光吸収材は、直接光源の第1の放射面28を上流方向に横切ると共に、吸収体がない状態では直接光源の第1の光放射デバイスの方向に向かないだろう、光線を吸収するように実質的に構成される。多くの上記で説明した実施形態において、例えば、人工照明装置は、直接光源の第1の光放射デバイスの下流に置かれると共に、第1の光放射デバイスによって生成される主要光の発散を減少させるように構成される、光学素子である光コリメータを含む。上記の実施形態において、光コリメータは、例えば、レンズ14、48、64、13(ドームレンズ、フレネルレンズ、又は微小レンズなど)、凹面鏡152、光出射層84に連結される楔形ライトガイド80、集光器(112、113、140)として具現化されたが、しかし一般に、光コリメータは、任意の屈折、反射(全ての内部反射を含む)、回折型光学部品、又は複数のそのような光学部品を含む任意のシステムであってもよい。その場合、吸収体は、上流/逆方向に直接光源の第1の放射面28を横切ると共に、直接光源の第1の光放射デバイス以外の他の場所の方へ光コリメータによって向きを変える、光線を吸収体が実質的に吸収するように置かれる、その光吸収材を有し、用語「実質的に」は、そのような光線の少なくとも70%、好ましくは90%、又はさらに好ましくは95%が、吸収されるだろうことを意味する。この状況において、吸収体は、直接光236の迷光の量、すなわち直接光源12によって狭いピーク30の範囲外に生成される光量、の減少に実質的に寄与する。実際、狭いピーク30の角度幅より大きな角度の方向32から出発して観察方向へ向かう場合、そのような実施形態が直接光源12に黒い外観を保証することに注目する。言い換えれば、実施形態は、外部の照明の下で且つ直接光源12がオフである場合、第1の放射面28は、直接光源12がオンである場合に輝点が視界にとらえられる方向から、単に光を再放出してもよいことを保証する。さらに、そのような実施形態は、放出素子の下流に置かれた、コリメータによって、又はデバイス20の他の部品によって、散乱するか又は反射すると共に、吸収体がない状態では第1の放射面28から出射するコリメートされた光ビームに起因しないだろう、放出素子によって発生する光線が吸収されることを保証する。
【0195】
上記を要約すると、具体的な実施形態は、同一のものに基礎をなす考えと同程度にうまく説明された。特に、
図5から11及び14aから21は、直接光源12の異なる例示的な実装に的をしぼった。これらの実施形態は、直接光源12が、概略的に
図27Aに示されるように、それぞれ、素子14、46、60、114、138、150で具現化される、第1の光放射デバイスを含むことを共通に持つ。この第1の光放射デバイスは主要光62を放射する、すなわち能動的に生成する、ように構成される。それはLED、白熱電球、蛍光ランプ、又はハロゲン化金属ランプ、又はある他の光源であるかもしれない。さらに、直接光源12は光放射デバイスの下流に置かれた第1の放射面28を含む。第1の放射面28において直接光236を生成する直接光源の12の能力に関する限り、拡散光発生器10の影響は、拡散光発生器10が取り除かれる状態の第1の放射面28において、直接光236を特定することによって排除された。少なくとも、発生器10が第1の放射面28の上流に置かれた場合に、除去は効果を有する。他の場合において、拡散光発生器10はいずれにしろ主要光62からの直接光の発生に影響しない。特に、上記で説明したように、直接光236が、第1の放射面28に亘って均一であると共に、直接光の方向32のまわりの角度分布において狭いピーク30を有する輝度プロファイルで、第1の放射面28から出射するように、直接光源12は主要光62から直接光236を生成する。
【0196】
上記の
図20から26は、拡散光発生器10と、直接光源12及びその個別部品に対するその相対的な位置との実現可能な実装に的をしぼった。人工照明装置で生じる異なる光成分のCCTがさらに考慮された。一般に、拡散光発生器10は、
図27B及び
図27Cに示すように、直接光源12の第1の光放射デバイスの下流に置かれ、少なくとも部分的に光を透過する。例えば、発生器は、主要光62の、直接光236の、又は、発生器にぶつかり、主要光から進行して結果として直接光236になる任意の中間光の、例えば50%より多くを、実質的にずれることなく通過させ、実質的に、偏差は、単なる小さな角度に亘って、例えば2.5°より小さなHWHM角度に亘って、発生する可能性があることを意味する。
図27B及び
図27Cの斜線の部分302は、拡散光発生器10が、それ自身の第2の放射デバイスを有してもよいことを示す。1つの実現可能な具体例は
図26の266に示される。もう一方は、拡散光源260としてOLEDを使用することにより形成される。代わりに、又は加えて、光拡散発生器10は直接光源の第1の光放射デバイスを共通使用する受動的なものでもよい。換言すれば、それは拡散体を有してもよい。使用可能な代替例に関して詳細のために
図23から25が参照される。拡散体の場合には、それは、直接光、主要光、又は、直接光へのその変換の途中での主要光の中間バージョンに対応する光によって、点灯されるように置かれる。拡散光発生器10の受動及び/又は能動型にかかわりなく、それは、直接光源12の第1の放射面28に対して上流側又は下流側に置かれてもよいが、拡散光発生器10の第2の放射面34において拡散光242を生じさせるように構成される。また、拡散光発生器10はそれ自身の光源302を有しても有さなくてもよい。拡散光発生器10が、直接光源12の第1の放射面28に対して下流側に置かれた場合、そのとき、直接光236は利用可能であり、直接光源12へ課されるその要求値は、拡散光発生器10を除去せずに測定可能である。
【0197】
さらに上記の実施形態から明らかになったように、放射面28及び34の一方は他方に対して下流側に置かれる。
図27Bの場合、例えば、直接光源12の第1の放射面28は、拡散光発生器10の第2の放射面34に対して下流側に置かれ、したがって、人工照明装置の外側放射面37を形成し、一方、
図27Cにおいて、それはより下流に置かれる拡散光発生器10の第2の放射面34であり、外側放射面37を形成する。
図27Dは、直接光源12及び拡散光発生器10の放射面28及び34のどちらが、一般に人工照明装置の外側放射面37を形成することに合致するかに従って、完全性のために更なる代替例を示す。例えば、拡散光発生器10の粒子が、
図23の実施形態に従って、フレネルレンズを有している任意のそれぞれの実施形態のフレネルレンズ64の物質内で散在するだろうことを想像する。その場合、直接光源12のレンズ64は、同時に拡散光発生器10として機能する。もっと正確に言うと、フレネルレンズの物質内で散在する粒子254は、拡散光発生器10を形成するだろうが、直接光源12によって生成される直接光の輝度特性を決定するために(想像上で)取り除かれなければならないだろう。実際には、それら自体が散在する粒子254を有している、そのようなフレネルレンズは、これらの粒子254のない同一のフレネルレンズによって置き換えられるだろう。したがって、
図27B及び
図27Dから認識できることは、拡散光発生器10が直接光源12の第1の放射面28の上流のどこに置かれても、人工照明装置が連携して作られる状況において、上記で説明された輝度制約に従っている直接光236は直接入手可能ではない。逆に、まさに説明されたように、拡散光発生器10は取り除かれなければならないだろう。
【0198】
図27E及び27Fは、直接光源12との連携によって、外側放射面37において形成される外側光239、及び、
図27B及び
図27Cの場合に関する拡散光発生器10に的をしぼる。
図27Eにおいて、ここでは、拡散光発生器10は、直接光源12の第1の放射面28に対して上流側に置かれ、それによって、外側放射面37を形成し、まさに言及された制約に従っている直接光源12の直接光236は、第1の放射面28において、直接に発生しないだろう。逆に、拡散光発生器10を通過したその透過変形体が第1の放射面28で発生し、ここで、透過変形体は、拡散光発生器10が衝突光に対して、例えば主要光62に対して、単に部分的に透過させるだろうという事実の結果として、直接光と異なっているだろう。例えば、H方向に沿って高い規則性を持つ透過率によって特徴づけられる側面が点灯された拡散パネル264に基づいて、拡散光源260(
図26参照)として拡散光発生器10が具現化される場合には、透過変形体は直接光と実質的に同一でもよいが、しかし、主に拡散体空気パネル境界面における反射損失のため、わずかに弱い(例えば、10%さらに弱い)。拡散光発生器10が、OLEDフィルムとして具現化された、拡散光源260として具現化される場合には、透過変形体は直接光より実質的に弱い(例えば、40%さらに弱い)だろう。拡散光発生器10が、レイリー領域で衝突光を散乱させる、受動的な拡散パネル250として具現化される場合には、
図22Aに関して以下に説明するように、透過変形体は、まさに低いCCTため直接光と異なるだろう。最後に、拡散光発生器10が、発生器を通過する衝突光線にわずかな偏差(すなわち2.5°より小さな偏差)を生じさせる場合、すなわち、それが低角度白色光拡散体230の関数を組み込む場合は、透過変形体は、直接光の角スペクトルと低角度白色光拡散体角インパルス応答関数との畳み込みである、角スペクトルにおいても直接光と異なるだろう。
【0199】
図27Eの場合、外側放射面37における外側光239は、直接光のまさに前述の透過変形体と、拡散光発生器10によって放射される拡散光242との結果である。角度方向において、外側光239は、上述のθ
HWHM内などの狭いピーク30内に含まれる方向に沿って伝搬する、第1の光成分241、及び、狭いピーク30から基本的に離れた方向に沿って伝搬する、第2の光成分243を含み、第1の光成分241は、例えば3θ
HWHMより大きい方向の第2の光成分243のCCTより低いCCTを有している。
【0200】
図27D及び
図27Bの比較は、両方の場合が単に異なることを明らかにし、その違いは、直接光の透過変形体及び拡散光の両方を共に不可逆的に融合させ、結果として生じる外側放射面37において外側光239を形成するので、
図27Dの場合に拡散光発生器10によって生成される拡散光が直接光源12によって生じる直接光から、直接入手可能でないか、又は分離可能でない点にある。
【0201】
図27Fは、
図27Cの場合からの結果として生じる外側光の状態を示す。拡散光発生器10は、面28の下流に置かれるので、直接光236は入手可能であり、
図22Aに示すようにCCT
transを有する、その透過変形体は、拡散光発生器10の第2の放射面34によって形成される光放射面37における外側光239に寄与する。角度方向における外側光239の構成は、
図27Eにおいて示される。
【0202】
図27Eに関して、
図22B及び
図22Cは、直接光源12の第1の放射面28に対して、拡散光発生器を上流側に置く2つの代替例を示す。
図22Bは、入力面33へ衝突する光にとって、例えば主要光62にとって、例示的にほぼ完全に透過する、能動型拡散光発生器10を有する場合を例示し、直接光は、それぞれ、放射面28及び37において、外側光239に実質的に直接寄与する。それにもかかわらず、しかしながら、第1の配光成分241は、第1の配光成分241が拡散光発生器10の拡散光の寄与をさらに含むという点で直接光と異なることに注意すべきである。しかしながら、狭いピーク30によってカバーされる小さな角片のため、後者の寄与はきわめて小さく、したがって、直接光236のCCT又は透過光のCCTと前述の拡散光242のCTTとを関連付けるすべてのCCT関係は、その範囲においてさらに第1の光成分に適用されるだろう。
【0203】
さらに、第1の配光成分241は、狭いピーク30内の方向に沿った光線伝搬によってのみ形成される、狭角支援(すなわち輝度プロファイルのピークを支持する方向)を有する。対照的に、直接光236は、任意の角度における背景光の存在を特徴とするかもしれない。
【0204】
図22Cは、例えば、ブラーフィルタを発生器10と放射面28によって形成される外側放射面との間に配置して、上記で概説されたように、波長選択性拡散効率の拡散体を含む拡散光発生器10の場合を示す。この場合、単にまさに前述の直接光の透過変形体が、それぞれ、表面28及び37において結果として生じ、外側光に寄与する。再び、狭いピーク30内の外側光239の配光成分241は、光成分241が拡散光発生器10によって生成される拡散光のそれぞれの角片をさらに含む点で、まさに前述の直接光の透過変形体と異なる。