(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各棟制御部は、自棟内の各居室親機と当該居室親機から呼出し可能な少なくとも一つの集中管理室親機または他棟の管理室親機とが対応付けられた呼出テーブルを記憶する記憶部を備え、
前記呼出テーブルは、前記各棟制御部と通信可能な設定部により設定変更される、請求項1に記載のインターホンシステム。
前記自棟内の前記棟制御部と通信可能に接続された前記設定部により、前記ネットワークを介して前記他棟の前記棟制御部に記憶された呼出テーブルを設定可能である、請求項2または3に記載のインターホンシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような多棟構成の住宅に対して、インターホンシステムを導入する場合、多棟を集中して制御する集中制御機を集中制御棟内に設置して、インターホンシステムを集中して管理している。また、各住居棟の管理室に設置された管理室親機の他に、集中制御機が設置された集中制御棟には集中制御機の制御を管理する集中管理室親機が設置されている。従来は、居室親機から各住居棟の管理室親機を呼び出した際に、管理室に管理人が不在の場合は居室親機からの呼出に応対することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、各住居棟の管理室親機で呼出に応対することができない場合に、他の管理室親機で呼出に応対可能なインターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のインターホンシステムは、
複数の住居棟で構成される集合住宅に用いられるインターホンシステムであって、
前記住居棟の各々は、
各居室に設置される居室親機と、
インターホン回線を介して前記居室親機と通信可能に接続され、前記居室親機からの呼出に対して応答可能な自棟内の管理室親機と、
前記インターホン回線を介して自棟内の前記各居室の居室親機と自棟内の前記管理室親機とに通信可能に接続する棟制御部と、を備え、
前記複数の住居棟の棟制御部は、汎用プロトコルに従って通信が行われるネットワークを介して互いに接続され、
前記ネットワークには、さらに集中棟が接続され、当該集中棟は、前記複数の住居棟の各居室の居室親機との通話が可能な集中管理室親機と、インターホン回線を介して前記集中管理室親機と通信可能に接続する集中制御部と、を備え、
各住居棟の前記棟制御部は、自棟内の前記管理室親機に加えて前記集中管理室親機または他棟の管理室親機を呼出可能な特定の呼出時間帯を設定可能であり、
設定された前記呼出時間帯に前記居室親機から呼出があった場合に、自棟内の前記管理室親機は前記居室親機からの呼出信号を受信するとともに、前記棟制御部は前記居室親機からの呼出信号を受信して前記集中管理室親機または前記他棟の前記管理室親機へ当該呼出信号を送信する。
【0007】
この構成によれば、自棟内の管理室親機で呼出に応対することができない時間帯に棟制御部による制御により集中管理室親機または異なる住居棟の管理室親機を呼び出す設定を行うことで、居室親機からの呼出に確実に応対可能となる。
【0008】
また、本発明のインターホンシステムにおいて、
各棟制御部は、自棟内の各居室親機と当該居室親機から呼出し可能な少なくとも一つの集中管理室親機または他棟の管理室親機とが対応付けられた呼出テーブルを記憶する記憶部を備え、
前記呼出テーブルは、前記各棟制御部と通信可能な設定部により設定変更されても良い。
【0009】
この構成によれば、各住居棟の棟制御部が自棟内の居室親機からの集中管理室親機呼出または他棟の管理室親機呼出のための呼出テーブルを記憶しているため、集中制御部に要求される処理能力を低く抑えることができ、コストの増加を抑制することができる。また、各棟制御部に接続された設定部により呼出テーブルを容易に設定変更することができる。
【0010】
また、本発明のインターホンシステムは、
前記呼出テーブルにおいて、前記呼出時間帯を複数設定可能であっても良い。
【0011】
この構成によれば、異なる呼出時間帯の組み合わせにより、各住居棟の状況に応じて様々な呼出パターンを作成することができる。
【0012】
また、本発明のインターホンシステムは、
前記自棟内の前記棟制御部と通信可能に接続された前記設定部により、前記ネットワークを介して前記他棟の前記棟制御部に記憶された呼出テーブルを設定可能であっても良い。
【0013】
この構成によれば、1つの住居棟の棟制御部に接続された設定部によってすべての住居棟の呼出テーブルを設定することができるため、作業効率を大きく向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のインターホンシステムによれば、各住居棟の管理室親機で呼出に応対することができない場合に、他の管理室親機で呼出に応対することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、インターホンシステム1は、複数の住居棟(本例では住居A棟〜住居E棟)で構成されるマンション等の集合住宅に用いられるシステムである。インターホンシステム1は、住居A棟〜住居E棟の各々の棟に、居室親機10と、管理室親機20と、集合玄関機30と、棟制御部40とを備えている。本例の
図1では、住居A棟のみに上記各構成を示している。
【0017】
各住居棟は、汎用プロトコルに従って通信が行われるネットワークN(本例では、LAN:Local Area Network)を介して互いに接続されている。また、インターホンシステム1には、構成が同様な管理センターF,G(集中棟の一例)が設けられており、ネットワークNを介して各住居棟と接続されている。なお、管理センターの数は、複数であっても単数であっても良い。
【0018】
居室親機10は、集合住宅の各住居内に設置されている。居室親機10は、管理室を呼び出すための管理室ボタン101を備えている。また、居室親機10は、管理人や訪問者などと通話するための通話部102、居住者に対するメッセージや、訪問者の映像などが表示される表示部103等を備えている。居室親機10は、例えば集合玄関機30や管理室親機20からの呼び出しに対して応答できるように構成されている。また、居室親機10は、例えば自棟内の管理室親機20、管理センターの集中管理室親機50(後述する)、および他の住居棟(他棟)の管理室親機20を呼び出すことができるように構成されている。各居室親機10には、その居室機を特定する情報(例えば居室親機ID:identification)が記憶されている。居室親機10は、インターホン回線(インターホン専用線)L1を介して棟制御部40と、インターホン回線L1,L2を介して管理室親機20と、インターホン回線L1,L3を介して集合玄関機30と通信可能に接続されている。なお、居室親機10と管理室親機20とを棟制御部40を介さずに直接インターホン回線で接続することも可能である。この場合、居室親機10は、棟制御部40を中継することなく、管理室親機20と通信可能に接続される。
【0019】
管理室親機20は、各住居棟の管理室に設置されている。管理室は、各住居棟に複数設けられていても良いし単数であっても良い。管理室親機20は、居室親機10を呼び出すために操作する操作部201、居住者や訪問者などと通話するための通話部202、管理人に対するメッセージや、訪問者の映像などが表示される表示部203等を備えている。管理室親機20は、例えば自棟内の任意の居室親機10を呼び出すことができるように構成されている。また、管理室親機20は、例えば居室親機10に居る居住者や、集合玄関機30に居る訪問者と通話可能に構成されている。管理室親機20は、インターホン回線L2を介して棟制御部40と、インターホン回線L2、L3を介して集合玄関機30と通信可能に接続されている。
【0020】
集合玄関機30は、各住居棟の集合玄関や共用スペースに設置されている。集合玄関機30は、呼出部301と、カメラ302と、集合玄関表示部303と、通話部304等を備えている。集合玄関機30は、例えば自棟内の任意の居室親機10や自棟内の管理室親機20を呼び出すことができるように構成されている。集合玄関機30は、インターホン回線L3を介して棟制御部40と通信可能に接続されている。なお、集合玄関機30についても、棟制御部40を介さずに、居室親機10や管理室親機20と直接インターホン回線で接続されても良い。
【0021】
棟制御部40は、インターホン回線L1〜L3を介してそれぞれ接続されている居室親機10、管理室親機20、および集合玄関機30との間の通信等を制御している。また、棟制御部40は、ネットワークNを介して、他の住居棟(本例では住居B棟〜住居E棟)の棟制御部40、および各管理センター(ここでは、管理センターF,G)の集中制御部70(後述する)と通信可能に接続されている。また、棟制御部40は、無線通信(例えばNFC:Near Field Communication,Bluetooth(登録商標)等)により、外部機器80(例えばPC:Personal Computer等)と通信可能に接続されうる。あるいは、棟制御部40は、ネットワークNを介して、外部機器80と通信可能に接続されうる。
【0022】
管理センターF,Gは、住居A棟〜住居E棟までの集合住宅全体を管理することができるように構成されている。各管理センターF,Gには、集中管理室親機50と、集中集合玄関機60と、集中制御部70とが設けられている。本例の
図1では、管理センターFのみに上記各構成を示している。
【0023】
集中管理室親機50は、管理センターFの管理室に設置されている。管理室は、管理センターFに複数設けられていても良いし単数であっても良い。集中管理室親機50は、居室親機10を呼び出すためなどに操作する操作部501、居住者や訪問者などと通話するための通話部502、管理人に対するメッセージや、訪問者の映像などが表示される表示部503等を備えている。集中管理室親機50は、例えば各住居棟の居室親機10を呼び出すことができるように構成されている。また、集中管理室親機50は、例えば居室親機10に居る居住者や、集中集合玄関機60に居る訪問者などと通話可能に構成されている。集中管理室親機50は、インターホン回線L4を介して集中制御部70と、インターホン回線L4、L5を介して集中集合玄関機60と通信可能に接続されている。
【0024】
集中集合玄関機60は、管理センターFの玄関に設置されている。集中集合玄関機60は、呼出部601、表示部602、カメラ603、通話部604等を有している。集中集合玄関機60は、例えば各住居棟の任意の居室親機10や管理センターFの集中管理室親機50を呼び出すことができるように構成されている。集中集合玄関機60は、インターホン回線L5を介して集中制御部70と通信可能に接続されている。
【0025】
集中制御部70は、例えばインターホン回線を介して接続されている集中管理室親機50、および集中集合玄関機60との間の通信の送受を制御している。また、集中制御部70は、ネットワークNを介して、住居A棟〜住居E棟の各棟制御部40、および他の管理センター(例えば管理センターG)の集中制御部70と通信可能に接続されている。
【0026】
図2(a)に示すように、棟制御部40は、棟制御機410と、映像制御機420と、オーディオ制御機430と、棟制御部インターフェース440(以下、インターフェースをI/Fと称する)とを備えている。また、
図2(b)に示すように、棟制御機410は、記憶部411と、タイマー412と、棟制御機CPU413と、信号変換部414とを備えている。
【0027】
棟制御機410の記憶部411には、自棟内の各居室の部屋番号と、各居室の居住者の氏名や各居室の名称(例えばテナント名等)と、各居室の居室親機10を特定する居室親機IDと、が対応付けられた管理テーブル(図示省略)が記憶されている。また、記憶部411には、自棟内の居室親機10と、自棟内の居室親機10から呼出し可能な管理センターの集中管理室親機50または他の住居棟の管理室親機20と、が対応付けられた呼出テーブル(例えば、
図3を参照して後述する住居A棟の呼出テーブルTA)が記憶されている。
【0028】
タイマー412は、現在の時刻(××時××分××秒)を計測する。
棟制御機CPU413は、棟制御機410を構成する各部を制御するための処理を行う。棟制御機CPU413は、例えば自棟内の居室親機10から送信されてきた管理室を呼出すための管理室呼出信号と記憶部411に記憶されている呼出テーブルTAとに基づいて管理室呼出信号の送信先を決定する。また、棟制御機CPU413は、例えば外部機器80から取得した管理テーブルや呼出テーブルTAを記憶部411に記憶させる。
【0029】
信号変換部414は、インターホン回線L1〜L3で使用される信号とネットワークNで使用される信号とを相互に変換処理するための回路である。信号変換部414は、アナログデジタル変換部414A(以下、アナログデジタルをA/Dと称する)と、デジタルアナログ変換部414B(以下、デジタルアナログをD/Aと称する)とを有する。
【0030】
A/D変換部414Aは、各々の住宅棟内におけるインターホン回線L1〜L3で通信可能なアナログ信号を、各住居棟間および住居棟と管理センター間におけるネットワークNで通信可能なデジタル信号に変換する。一方、D/A変換部414Bは、各住居棟間および住居棟と管理センター間におけるネットワークNで通信可能なデジタル信号を、各々の住宅棟内におけるインターホン回線で通信可能なアナログ信号に変換する。
【0031】
映像制御機420は、集合玄関機30のカメラ302で撮像された映像信号や、管理センターから送信されてきた映像信号を信号処理するとともに、処理した映像信号を自棟内の各居室親機10、あるいは管理室親機20に向けて送信する。オーディオ制御機430は、集合玄関機30の通話部304からの音声信号や、管理室親機20の通話部202からの音声信号や、管理センターから送信されてきた音声信号を音声処理するとともに、処理した音声信号を自棟内の居室親機10、あるいは管理室親機20に向けて送信する。
【0032】
棟制御部I/F440は、棟制御機410、映像制御機420、およびオーディオ制御機430とインターホン回線L1〜L3間における双方向の信号伝送路を形成する。
【0033】
なお、図示は省略するが、管理室親機20も棟制御部40と同様に、管理テーブルや呼出テーブルが記憶された記憶部を有している。また、管理センターの集中制御部70も棟制御部40と同様に、信号変換部(A/D変換部,D/A変換部)を有しており、インターホン回線L4,L5で通信可能なアナログ信号とネットワークNで通信可能なデジタル信号とを相互に変換する。
【0034】
次に、
図3,
図4を参照して、呼出テーブルについて説明する、
呼出テーブルにおいて、居室親機10と居室親機10から呼出すことができる管理室親機とは、以下のように対応付けられている。
【0035】
例えば
図3に示す住居A棟の呼出テーブルTAでは、自棟内の居室親機10で「管理室ボタン」101が押された場合、「呼出時間1」と「呼出時間2」に示される複数の呼出時間帯において、自棟内の管理室親機20に加えて、管理センターF,Gの集中管理室親機50と他の住居棟(住居B棟〜住居E棟)の管理室親機20とが呼び出されるように対応付けられている。
【0036】
呼出テーブルは、管理センターの集中管理室親機50と他の住居棟の管理室親機20とが呼び出される呼出時間帯を予め設定することができるように構成されている。本例において、呼出テーブルTAの呼出時間帯は、呼出時間1が17:00〜09:00に設定され、呼出時間2が12:00〜13:00に設定されている。
【0037】
また、呼出テーブルは、上記の呼出時間1および呼出時間2のそれぞれについて、自棟内の管理室親機20に加えて呼出される集中管理室親機50および他の住居棟の管理室親機20を予め設定することができるように構成されている。本例の呼出テーブルTAでは、呼出時間1に呼び出される管理室親機は、管理センターF,Gの集中管理室親機50と、住居B棟の管理室親機20に設定されている。また、呼出時間2に呼び出される管理室親機は、管理センターFの集中管理室親機50と、住居B棟〜住居D棟の管理室親機20に設定されている。すなわち、
図4に示す設定例1のように、呼出テーブルTAでは、夜間帯(17:00〜09:00)に住居A棟の居室親機10から管理室親機20の呼出しがあった場合には、住居A棟の管理室親機20に加えて、管理センターFの集中管理室親機50、管理センターGの集中管理室親機50および住居B棟の管理室親機20が呼び出されるように設定されている。また、昼休み(12:00〜13:00)に呼出があった場合には、住居A棟の管理室親機20に加えて、管理センターFの集中管理室親機50および住居B棟〜住居D棟の管理室親機20が呼び出されるように設定されている。
なお、管理センターF,G内に複数の集中管理室親機50が設置されている場合、あるいは住居B棟〜住居E棟内に複数の管理室親機20が設置されている場合には、集中管理室親機50毎あるいは管理室親機20毎に呼出しの有無を設定するようにしても良い。
【0038】
呼出時間帯は、
図3および
図4に示す設定例1で設定された呼出時間1および呼出時間2の他に、例えば
図4の設定例2〜設定例4のように設定しても良い。設定例2は、呼出時間1が09:00〜12:00に設定され、呼出時間2が13:00〜17:00に設定されている。すなわち、設定例2では、昼休み(12:00〜13:00)以外の午前9時〜午後5時の間に管理室の呼出しがあった場合には、集中管理室親機50および他の住居棟の管理室親機20も呼び出されるように設定されている。設定例3は、呼出時間1が00:00〜00:00に設定され、呼出時間2が設定されていない。すなわち、設定例3では、管理室の呼出しがあった場合には必ず集中管理室親機50および他の住居棟の管理室親機20も呼び出されるように設定されている。設定例4は、呼出時間1も呼出時間2も設定されていない。すなわち、設定例4では、管理室の呼出しがあっても集中管理室親機50および他の住居棟の管理室親機20は呼び出されないように設定されている。
【0039】
なお、呼出時間帯は、「呼出時間1」と「呼出時間2」の2つに限定されず、各住居棟における管理室の対応可否の状況に応じて追加しても良く、1つの呼出時間帯のみが設定可能であっても良い。また、上記のような構成を有する呼出テーブルは、住居棟毎に設定されて、各棟制御部40の記憶部411に記憶されている。
【0040】
呼出テーブルの各データは、棟制御部40の棟制御機CPU413と通信可能な外部機器80(設定部の一例)を通じて設定変更することができるように構成されている。設定部としては、外部機器80の他に例えば棟制御部40自体に設定操作部を設ける構成としても良い。例えば外部機器80を用いて設定する場合には、設定ツールにしたがって外部機器80で呼出テーブルを設定しておき、無線通信により外部機器80と棟制御部40とを接続して、外部機器80から棟制御部40に呼出テーブルを送信するようにしても良い。また、外部機器80が接続された住居棟の棟制御部40からネットワークNを介して、他の住居棟の棟制御部40に対して、設定した各住居棟の呼出テーブルを送信するようにしても良い。
【0041】
次に、インターホンシステム1の動作について
図5を参照して説明する。
例えば住居A棟における101号室の居室親機10で「管理室ボタン」101(
図1参照)が押された場合、以下のように動作する。
図5においては、住居A棟における居室親機10と管理室親機20とは棟制御部40を介さずにインターホン回線で直接に接続されている構成を示している。
【0042】
管理室ボタン101が押されると、管理室を呼出す管理室呼出信号と101号室の居室親機10を特定する居室親機IDとが、矢印91〜93で示すようにインターホン回線を介して、101号室の居室親機10から住居A棟内の管理室親機20および住居A棟内の棟制御部40に送信される。
【0043】
住居A棟の管理室親機20は、管理室呼出信号と居室親機IDを居室親機10から直接(すなわち、棟制御部40を介することなく)受信する。当該管理室親機20は管理室呼出信号と居室親機IDを受信すると、自己が記憶している呼出テーブルに基づいて、管理室が居室親機10から呼出しされていることを判別する。その後、管理室親機20は、呼出音を発するとともに、例えば呼出元が101号室である旨を表示部203に表示して報知する。
【0044】
住居A棟の棟制御部40は、管理室呼出信号と居室親機IDを受信すると、現在の時間が予め設定されている呼出時間帯であるか否か呼出テーブルTA(
図3参照)を参照して判断する。現在の時間が例えば呼出時間1(17:00〜09:00)内の時間である場合、棟制御部40は、呼出テーブルTAに基づいて、管理室呼出信号と居室親機IDとを送信する送信先を決定する。棟制御部40は、決定した送信先である管理センターF,Gの集中管理室親機50および住居B棟の管理室親機20に向けて、矢印94〜99で示すようにネットワークNを介して、管理室呼出信号と居室親機IDとを送信する。
【0045】
管理センターF,Gの集中制御部70は、住居A棟の棟制御部40から送信されてきた管理室呼出信号と居室親機IDを、それぞれ自管理センター内の集中管理室親機50に送信する。集中管理室親機50は、管理室呼出信号と居室親機IDを受信すると、呼出音を発して報知する。
【0046】
住居B棟の棟制御部40は、住居A棟の棟制御部40から送信されてきた管理室呼出信号と居室親機IDを、自棟内の管理室親機20に送信する。住居B棟の管理室親機20は、管理室呼出信号と居室親機IDを受信すると、呼出音を発して報知する。
【0047】
また、現在の時間が例えば呼出時間2(12:00〜13:00)内の時間である場合、棟制御部40は、上記と同様に、呼出テーブルTAに基づいて送信先を決定し、送信先である管理センターFの集中管理室親機50および住居B棟〜住居D棟の管理室親機20に向けて、ネットワークNを介して、管理室呼出信号と居室親機IDとを送信する。
以降の管理センターFおよび住居B棟〜住居D棟における動作は、上記管理センターF,Gおよび住居B棟と同様である。
【0048】
このようなインターホンシステム1によれば、居室親機10からの管理室呼出しに自棟内の管理室親機20で応対することができない時間帯がある場合、その時間帯に管理センターの集中管理室親機50または別の住居棟(他棟)の管理室親機20を呼出すように設定することができる。このため、自棟内の管理室親機20で呼出しに応対できない状況が生じても、他の管理室でその呼出しに確実に応対することができる。
【0049】
また、集中管理室親機50や別の住居棟の管理室親機20を呼出す呼出時間帯の設定は、任意の呼出時間帯毎に複数設定することが可能である。このため、異なる呼出時間帯の組み合わせにより、各住居棟の状況に応じて様々な呼出パターン(例えば、
図4の設定例1〜4)を作成することができる。
【0050】
また、各住居棟の棟制御部40が自棟内の居室親機10から集中管理室親機50を呼出すためまたは他棟の管理室親機20を呼出すための呼出テーブル(例えば、
図3の呼出テーブルTA)を記憶している。このため、システム全体の制御を各棟制御部40で分散して制御することができるので、管理センターF,Gの集中制御部70に要求される処理能力を低く抑えることができ、コストの増加を抑制することができる。
【0051】
また、ある特定の住居棟の棟制御部40に通信可能に接続された例えば外部機器80により、自棟内の呼出テーブルを設定することができるだけでなく、ネットワークNで接続された他の住居棟の呼出テーブルを設定することができる。このため、呼出テーブルの設定変更を短時間かつ容易に行うことができ、作業効率を大きく向上させることができる。
【0052】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0053】
例えば、上記形態では居室親機10が管理室親機20を呼び出す場合について説明したが、これに限定されず、集合玄関機30が管理室親機20を呼び出す場合、集中集合玄関機60が集中管理室親機50を呼び出す場合にも同様に設定された呼出時間帯に応じた管理室親機の呼び分けを行うようにしても良い。