(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングと前記圧縮ガスキャニスターとの間に配置された弾性部材をさらに含み、前記弾性部材は、前記アクチュエータが前記作動位置に動かされると、前記アセンブリを前記初期位置の方へ促す付勢力を加えるように構成されている、請求項2に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記挿入器具本体内でのアセンブリの変位は、前記オリフィスに対して前記ニードル弁を変位させ、前記アパーチャを介して、前記第2の内部キャビティの前記第2の部分と前記オリフィスとの間の流体連通をもたらす、請求項6に記載の眼内レンズ挿入器具。
プランジャーハウジングをさらに含み、前記プランジャーハウジングは、前記プランジャーを受け入れるように構成された第3の内部キャビティを形成し、前記第3の内部キャビティは、前記オリフィスと流体連通しており、前記実質的に非圧縮性の流体は、前記挿入器具本体内での前記アセンブリの変位に応答して、前記プランジャーに圧力を加えて前記プランジャーを前記第3の内部キャビティ内で変位させるように前記アパーチャおよび前記オリフィスを通って流れることができる、請求項7に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記ニードル弁は、テーパ状面を含み、前記オリフィス内での前記ニードル弁の変位は、前記ニードル弁の前記テーパ状面と前記オリフィスとの間に間隙を形成し、前記間隙は、前記ニードル弁が前記オリフィスに対して動かされる量によって変化する、請求項6に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記アセンブリは、前記圧縮ガスキャニスターから放出された圧縮ガスを前記第2の内部キャビティ内に流通させるように動作可能な通路をさらに含む、請求項11に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記可動部材は、前記第2の内部キャビティ内で変位可能であり、かつ前記圧縮ガスの圧力に応答して、前記第1の部分内の前記圧縮ガスの圧力を、前記第2の部分内に入れられた前記実質的に非圧縮性の流体に伝達するように動作可能であり、
前記実質的に非圧縮性の流体は、前記可動部材の変位に応答して前記オリフィスを介して前記チャンバー内に流れることができ、
前記プランジャーは、前記実質的に非圧縮性の流体によって前記プランジャーに伝達された圧力に応答して前記チャンバー内で可動である、請求項17に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記アセンブリと前記圧縮ガスキャニスターとの間に配置された付勢部材をさらに含み、前記付勢部材は、前記アセンブリが前記第1の位置から変位されるときに、前記アセンブリを前記第1の位置に戻すように促す付勢力を加える、請求項17に記載の眼内レンズ挿入器具。
前記ニードル弁は、テーパ状面を含み、前記ニードル弁が前記オリフィスから押しのけられると、前記ニードル弁の前記テーパ状面と前記オリフィスとの間に間隙が形成され、前記間隙のサイズは、前記ニードル弁が前記オリフィスに対して変位される量によって変更される、請求項16に記載の眼内レンズ挿入器具。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の第1の態様は、第1の内部キャビティを画定する挿入器具本体と、挿入器具本体に結合された圧縮ガス
キャニスターと、キャビティ内に配置されかつ第1の内部キャビティ内で挿入器具本体に対して可動であるアセンブリと、プランジャーとを有する眼内レンズ挿入器具を含み得る。アセンブリは、ハウジング、ハウジング内に形成された第2の内部キャビティ、および第2の内部キャビティ内に配置され、かつ第2の内部キャビティ内でハウジングに対して可動である可動部材を含み得る。可動部材は、第2の内部キャビティを、圧縮ガス
キャニスターから圧縮ガスを受け入れるように適合された第1の部分と、実質的に非圧縮性の流体を入れるように構成された第2の部分とに分割する。可動部材は、
圧縮ガスからの圧力を、入れられている実質的に非圧縮性の流体に与えるように構成され得る。プランジャーは、実質的に非圧縮性の流体によって与えられた圧力に応答して可動であり得る。
【0003】
別の態様によれば、本開示は、第1の内部キャビティを画定する挿入器具本体と、第1の内部キャビティ内に配置された
圧縮ガスキャニスターと、第1の内部キャビティ内に配置され、かつ第1の内部キャビティ内で挿入器具本体に対して可動であるアセンブリと、挿入器具本体に旋回可能に結合されたアクチュエータとを含み得る眼内レンズ挿入器具について説明する。アセンブリは、第2の内部キャビティを画定する第1のハウジング、第1のハウジングの第1の端部に配置された弁体、第2の内部キャビティ内に配置されかつ第1のハウジングに対して可動である可動部材、および第1の端部に対向する、第1のハウジングの第2の端部に配置された穿孔部材を含み得る。アクチュエータは、アセンブリに係合するレバーアームを含み得る。アクチュエータは、アクチュエータが挿入器具本体に対して旋回されると、挿入器具本体内でアセンブリを変位させるように動作可能である。
【0004】
様々な態様は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。アクチュエータは、非作動位置と作動位置との間で可動であり得る。アクチュエータは、アクチュエータの作動位置への動きに応答して、内部アセンブリを、初期位置と圧縮ガスキャニスターに対して変位された位置との間で変位させるように動作可能であり得る。ハウジングと圧縮ガスキャニスターとの間に弾性部材が配置され得る。弾性部材は、アクチュエータが作動位置に動かされると、アセンブリを初期位置の方へ促す付勢力を加えるように構成され得る。アセンブリは、圧縮ガス
キャニスターを穿孔するように構成された穿孔部材を含み得る。穿孔部材は、ガスキャニスターに対するアセンブリの変位に応答して圧縮ガス
キャニスターを穿孔するように構成され得る。眼内レンズ挿入器具はオリフィスを含み、およびアセンブリは弁体を含み得る。弁体は、アパーチャと、オリフィスに受け入れることができるニードル弁とを含み得る。挿入器具本体内でのアセンブリの変位は、ニードル弁をオリフィスに対して変位させ、アパーチャを介して、第2の内部キャビティの第2の部分とオリフィスとの間の流体連通をもたらし得る。
【0005】
様々な態様はまた、以下の特徴の1つ以上を含み得る。プランジャーハウジングも含まれ得る。プランジャーハウジングは、プランジャーを受け入れるように構成された第3の内部キャビティを形成し得る。第3の内部キャビティは、オリフィスと流体連通してもよく、および実質的に非圧縮性の流体は、挿入器具本体内でのアセンブリの変位に応答して、プランジャーに圧力を加えて第3の内部キャビティ内でプランジャーを変位させ得るようにアパーチャおよびオリフィスを通って流れ得る。ニードル弁はテーパ状面を含んでもよく、およびオリフィス内でのニードル弁の変位は、ニードル弁のテーパ状面とオリフィスとの間に間隙を形成し得、この間隙は、ニードル弁がオリフィスに対して動かされる量によって変化する。
【0006】
様々な態様は、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。穿孔部材は、アセンブリが挿入器具本体内で変位されると、
圧縮ガスキャニスターを穿孔するように構成され得る。アセンブリは、圧縮ガスキャニスターから放出された圧縮ガスを第2の内部キャビティ内に流通させるように動作可能な通路を含み得る。可動部材は、
圧縮ガスキャニスターから放出された
圧縮ガスに応答して第2の内部キャビティ内で変位可能であり得る。可動部材は内部キャビティを第1の部分と第2の部分とに分割し、および実質的に非圧縮性の流体は第2の部分内に配置され得る。アセンブリは、第1の部分と圧縮ガスキャニスターとの間に通路を含んでもよく、および圧縮ガスキャニスターから放出された圧縮ガスは、通路を介して第1の部分に流通され得る。
【0007】
様々な態様は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。眼内レンズ挿入器具はまた、プランジャーハウジングと、プランジャーハウジングに形成されたチャンバーに受け入れられたプランジャーと、プランジャーハウジングに形成されたオリフィスとを含み得る。オリフィスは、プランジャーハウジングに形成されたチャンバーと流体連通し得る。弁体は、オリフィス内に取り外し可能に受け入れられるニードル弁を含み得る。ニードル弁は、挿入器具本体内でのアセンブリの変位に応答してオリフィスから変位可能であり得る。オリフィスからのニードル弁の変位は、第2の内部キャビティの第2の部分内に入れられた実質的に非圧縮性の流体と、プランジャーハウジングに形成されたチャンバーとの間の流体連通をもたらし得る。アセンブリは、ニードル弁がオリフィス内に載置される第1の位置と、ニードル弁がオリフィスから押しのけられる第2の位置との間で可動であり得、および穿孔部材は、アクチュエータの第3の位置から第4の位置への関節接合に応答して、ガスキャニスターを貫通して圧縮ガスを第1の部分内に放出する。可動部材は、第2の内部キャビティ内で変位可能であり得、かつ圧縮ガスの圧力に応答して、第1の部分内からの圧縮ガスの圧力を、第2の部分に入れられた実質的に非圧縮性の流体に伝達するように動作可能であり得る。実質的に非圧縮性の流体は、可動部材の変位に応答してオリフィスを介してチャンバー内に流れることができ、およびプランジャーは、実質的に非圧縮性の流体によって伝達された圧力に応答してチャンバー内で可動であり得る。アセンブリと圧縮ガスキャニスターとの間に付勢部材が配置され得る。付勢部材は、アセンブリが第1の位置から変位されると、アセンブリを第1の位置に戻すように促す付勢力を加え得る。ニードル弁はテーパ状面を含んでもよく、およびニードル弁がオリフィスから押しのけられると、ニードル弁のテーパ状面とオリフィスとの間に間隙が形成され得る。間隙のサイズは、ニードル弁がオリフィスに対して変位される量によって変更され得る。間隙のサイズは、アクチュエータが挿入器具本体に対して旋回される量に応答して変更され得る。
【0008】
上記の概要および以下の詳細な説明は、両方とも本質的に例示および説明であり、本開示の範囲を限定せずに本開示の理解をもたらすことを意図されることを理解されたい。その点において、本開示の追加的な態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から当業者に明白である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促すために、ここで、図面に示す実装形態を参照し、およびそれらを説明するための特定の言語を使用する。それにも関わらず、本開示の範囲の限定は意図していないことを理解されたい。上述の装置、器械、方法、および本開示の原理の任意のさらなる適用例のいずれの代替形態およびさらなる修正形態も、本開示が関係する技術分野の当業者が通常想到するようなものとして十分に考えられる。特に、1つの実装形態に関して説明される特徴、構成要素、および/またはステップは、本開示の他の実装形態に関して説明される特徴、構成要素、および/またはステップと組み合わせられ得ることが十分に考えられる。
【0011】
本開示は、眼に眼内レンズ(「IOL」)を挿入するためのシステム、方法、および装置に関する。特に、本開示は、眼に眼内レンズを挿入するために圧縮流体を用いる方法、装置、およびシステムについて説明する。
【0012】
図1は、本体102と、本体102に旋回可能に結合されたレバー104と、本体102の遠位端部108に接続されたノズル106とを有する例示的なIOL挿入器具100の斜視図を示す。本体102は、
図4に関して下記で詳細に示すようなキャビティ103を画定している。場合により、ノズル106は、本体102に一体的に接続され得る。他の例では、ノズル106は、本体102から分離され、かつインターロッキング関係を介して本体102に結合され得る。場合により、本体102は、細くて長い形状を有し得る。場合により、本体102は、第1の半体110および第2の半体112を有し得る。第1の半体110は複数のアパーチャ114を含み得る。第2の半体112は、第1の半体110と第2の半体112とを接合するためにアパーチャ114に受け入れられる複数のタブ116を含み得る。タブ116は、アパーチャ114とインターロッキング嵌合(interlocking fit)を形成し得る。しかしながら、本体102の構成はそのように限定されるものではない。むしろ、場合により、本体102は単一の一体部片であり得る。場合により、本体102は1つ以上のシリンダー状部片を含み得る。さらに、本体102は、任意の数の構成要素から任意の望ましい方法で構成され得る。
【0013】
図1〜3を参照して説明すると、本体102はまた、レリーフ118、119、および120を含み得る。レリーフ118、119、および120は、例えば、ユーザの1本以上の指に適合するために本体に形成された浅い凹部である。レリーフ118、119、および120の1つ以上は、IOL挿入器具100の改善された把持およびコントロールをユーザに提供し得るテクスチャー加工面122を含み得る。
図1〜2に示すように、レリーフ118および119は、テクスチャー面122を含む。しかしながら、範囲はそのように限定されるものではない。むしろ、レリーフ118、119、および120のいずれかまたは全てがテクスチャー加工面を含んでも、またはいずれのレリーフもテクスチャー加工面を含まなくてもよい。同様に、レバー104は、テクスチャー加工面124を含むとして示されている。しかしながら、場合により、レバー104は、テクスチャー加工面を含まなくてもよい。
【0014】
ノズル106は、
図4に詳細に示す開口部128を画定する遠位チップ126を含む。ノズル106はまた、広がった部分または創傷保護部130を含み得る。遠位チップ118は、IOLを送達するために、眼に形成された創傷に挿入されるように適合される。創傷保護部130は、遠位チップ118が眼に貫入し得る深さを制限するために眼の外表面と接触するように動作可能な端面132を含む。しかし、場合により、創傷保護部130は省略されてもよい。
【0015】
いくつかの実装形態では、IOL挿入器具100は予め装填され得る。すなわち、エンドユーザに提供されるとき、IOL挿入器具100は、そこに既にIOLが存在しており、送達準備が整い得る。IOL挿入器具100にIOLを予め装填することにより、IOLを患者に送達する前にユーザが達成する必要があるステップ数を減らす。ステップ数が減少したことで、患者へのIOLの送達に関連付けられるエラーおよびリスクが低減され得る。さらに、IOLを送達するために必要な時間も削減され得る。
【0016】
図1および
図4を参照して説明すると、ノズル106は、IOLが受け入れられるチャンバー134を含む。チャンバー134から開口部128までルーメン135が延在する。ルーメン135は、IOLがルーメン135を通過するときにIOLを折り重ねるように構成される。IOLは、ノズル106の第1の側面138に形成された開口部136を介してチャンバー134に挿入され得る。開口部136は、扉140によって囲まれ得る。場合により、扉140は、ヒンジ141を介してノズル106に旋回可能に接続され得る。場合により、扉140はノズル106と一体的に形成され得る。他の例では、扉140はノズル106から完全に取り外され得る。
【0017】
図4、
図5A、および
図5Bを参照して説明すると、IOL挿入器具100は、弁体142、可動部材またはピストン144、隔壁146、キャニスター148、および内側ハウジング150を含む。内側ハウジング150はキャビティ151を画定する。弁体142の少なくとも一部分、ピストン144、および隔壁146は、内側ハウジング150のキャビティ151内に配置され得る。さらに、弁体142および隔壁146は、内側ハウジング150に固定式に取り付けられ得る。例えば、内側ハウジング150は、弁体142に形成された環状凹部154に受け入れられるタブ152を含み得る。内側ハウジング150の近位端部156は、隔壁146の近位端部158に一致するような輪郭にされてもよく、および内側ハウジング150は、突出部分160であって、隔壁146に形成されたリップ162に係合し、内側ハウジング150に対して隔壁146を固定して内側ハウジング150に対する隔壁の位置を維持する突出部分160を含み得る。しかしながら、弁体142および隔壁146は、任意の所望のまたは好適な方法で内側ハウジング150に固定式に結合され得る。結果として、内側ハウジング150、弁体142、ピストン144、および隔壁146は、アセンブリ161を画定し、かつ本体102内で一緒に可動である。
【0018】
隔壁146は、穿刺針などの穿孔部材147を含み、およびキャニスター148は蓋149を含み得る。キャニスター148は圧縮ガスを閉じ込めている。場合により、キャニスター148は、二酸化炭素(CO
2)を閉じ込めている。場合により、キャニスター148内のCO
2は液体形態にある。さらに他の例では、キャニスター148内のCO
2は二相形態にあってもよい。すなわち、キャニスター内にあるCO
2の一部分はガス状形態にあってもよく、CO
2の別の部分は液体形態にあってもよい。下記で詳細に説明するように、穿孔部材147は、蓋149を穿孔するように適合される。蓋149を穿刺すると、CO
2は、ガス状CO
2形態でキャニスター148から逃げる。しかしながら、キャニスター148内に残るCO
2の一部分は液体形態のままであり得る。液体形態のままのCO
2の部分は、キャビティ151に放出される一定のガス圧力を提供する。液体形態のままのCO
2は、IOL挿入器具100がIOLを折り重ねて送達するように動作するときに、一定のガスの力を提供するように動作する。下記でより詳細に説明するように、蓋149を穿刺すると、ガス状CO
2がキャニスター148から逃げてピストン144を変位させる。ピストンの変位により、ガス状CO
2によって占められる体積を増加させる。しかしながら、液体CO
2が存在するため、体積が増加するにもかかわらず、ガスの圧力は低下されない。むしろ、液体CO
2の一部分は、相が変化してガスを形成するため、CO
2ガスの圧力は一定のままである。いくつかの実装形態では、残っている液体CO
2の量は、プランジャー182の往復運動全体を通して、ガスの圧力、従ってIOL挿入器具100の駆動力が一定のままであるように選択される。換言すると、CO
2の量は、IOLを係合し、折り重ね、およびIOL挿入器具から押し出すために加えられる力が一定のままであるように選択される。
【0019】
いくつかの実装形態ではCO
2が使用され得るが、任意のガスが使用され得る。さらに、場合により、キャニスター148は蓋を含まなくてもよく、および穿孔部材147は、任意の所望のまたは好適な箇所でキャニスター148を穿刺し得る。
【0020】
ピストン144は、キャビティ151内でおよび内側ハウジング150に対して摺動可能である。ピストン144は、キャビティ151を第1の部分153および第2の部分155に分割する。ピストン144は、内側ハウジング150の内表面166に係合するシール164を含み得る。シール164は、内側ハウジング150とピストン144との間の流体密封または実質的に流体密封シールを提供するように適合される。いくつかの実装形態では、シール164のそれぞれは、ピストン144に形成された対応する環状溝168に配置され得る。場合により、シール164はOリングであり得る。しかしながら、シール164は、内側ハウジング150とピストン144との間の流体密封または実質的に流体密封のシールをもたらすように動作可能な任意の所望のまたは好適な材料または装置であり得る。さらに、場合により、シール164は、任意の所望のまたは好適な方法でピストン144に結合され得る。例えば、シール164は、接着剤、超音波溶接、または任意の他のタイプのボンディング方法などでピストン146にボンディングされ得る。
【0021】
弁体142はまた、内側ハウジング150の内表面166に係合するシール170を含み得る。シール170はシール164と同様であり得る。例えば、シール170は、環状溝172に配置されるOリングであり得る。しかしながら、他の場合、シール170は、任意の所望のまたは好適な方法で弁体142に取り付けられるまたは適合される任意の所望のまたは好適なシーリング材であり得る。
【0022】
キャニスター148は、ハウジング102に対して固定位置を有し得る。キャニスター148は、内側ハウジング150の近位端部156に形成された開口部176に受け入れられるネック部分174を含み得る。シール178が、ネック部分174の一部分と内側ハウジング150の内表面166との間に円周方向に配置される。場合により、シール178はOリングであり得る。さらに、シール178は、内側ハウジング150の近位端部156に形成された区画室180内に含まれ得る。シール178は、内側ハウジング150とキャニスター148との間の流体密封または実質的に流体密封シールをもたらすように適合される。
図4にも示すように、キャニスター148と内側ハウジング150との間に付勢部材181が配置される。場合により、付勢部材181はバネであり得る。特に、場合により、付勢部材181は、コイルバネ、テーパコイルバネ、または付勢力を加えるように動作可能な任意の他のタイプの装置であり得る。
【0023】
図5A、
図5B、
図6A、および
図6Bを参照して説明すると、IOL挿入器具100はまた、プランジャー182およびプランジャーハウジング184を含み得る。
図5は、アセンブリ161が初期の非作動位置にあるIOL挿入器具100の一部分を示す。この位置では、ニードル弁206がオリフィス190内に、特にオリフィス190の拡大部分193に載置される。オリフィス190は縮小部分197も含む。縮小部分197は、拡大部分193から遠位に延在し得る。
図6は、アセンブリ161が関節接合位置にある、
図5に示すIOL挿入器具100の部分を示す。関節接合位置では、穿孔部材147はキャニスター148を穿孔してキャニスター内に延在しており、かつニードル弁206はオリフィス190から押しのけられる。
【0024】
図5A、
図5B、
図6A、および
図6Bは、拡大部分193および縮小部分197を含むとしてオリフィス190を示すが、本開示の範囲はそのように限定されるものではない。むしろ、いくつかの実装形態では、オリフィス190は、拡大部分193を省略してもよい。例えば、いくつかの実装形態では、オリフィス190は、均一な断面形状を有する通路を形成し得る。そのような場合、ニードル弁206と同様のニードル弁などの弁は、オリフィスの端部内に延在する弁体を含み、オリフィスを通る流体の流れを制御し得る。
【0025】
他の例では、弁体は、オリフィスの端部に形成された弁座に当接し、オリフィスを通る流体の流れを制御し得る。例えば、弁座は、挿入体192と同様であり得る挿入体の端面の一部分としてもよく、その挿入体を通してオリフィスが形成されている。弁座を形成する端面の部分は、端面に形成されたオリフィス開口部を取り囲み得る。弁体が弁座と接触すると、オリフィスを通る流体の流れが防止される。弁体が弁座から変位されると、流体はオリフィスを通って流れることができる。このタイプのオリフィスおよび弁体の構成は開閉弁を形成し、弁体が弁座に係合すると、弁が「閉」構成になり、流体の流れを防止し得る。弁体が弁座から変位されると、弁は「開」構成になり、流体の流れを可能にする。さらに、弁が「開」構成に配置されると、オリフィスを通る流体の流速は実質的に一定であり、および弁体が弁座から分離される量に関わらず不変である。
【0026】
引き続き
図5A、
図5B、
図6A、および
図6Bを参照して説明すると、プランジャー182は、プランジャーハウジング184に形成されたキャビティ186内に配置され、およびプランジャーハウジング184の一部分は、弁体142に形成されたキャビティ188に受け入れられる。プランジャー182はキャビティ186内で摺動可能である。オリフィス190は、プランジャーハウジング184の通路195内に形成される。通路195およびキャビティ186は互いに流体連通している。オリフィス190は、通路195内に配置される挿入体192によって形成され得る。上述の通り、オリフィス190の拡大部分193は、ニードル弁206を受け入れるように適合されており、これについて下記で詳細に説明する。場合により、オリフィス190のサイズは0.10mm〜1.0mmであり得る。他の例では、オリフィス190のサイズは、示した範囲よりも大きくてもまたは小さくてもよい。例えば、場合により、オリフィス190のサイズは0.005mm〜0.05mmであり得る。より一般的に、オリフィス190のサイズは任意の所望のサイズであり得る。他の例では、オリフィス190は、プランジャーハウジング184内、例えば、プランジャーハウジング184の通路195内に一体的に形成され得る。
【0027】
1つ以上のシール194が通路188の内表面196とプランジャーハウジング184との間に配置され得る。場合により、シール194は、プランジャーハウジング184の近位端部200に形成された環状溝198に配置され得る。上述のシール164および170と同様に、1つ以上のシール194は、1つ以上のOリング、またはプランジャーハウジング184と弁体142との間の流体密封または実質的に流体密封シールをもたらすように適合された任意の他の所望のまたは好適なシーリング装置またはシーリング材であり得る。
【0028】
プランジャー182はまた、キャビティ186の内表面204とプランジャー182との間に配置されたシール部材202を含み得る。シール部材202は、任意の所望のまたは好適な材料から形成されてよく、およびプランジャーハウジング184とプランジャー182との間の流体密封または実質的に流体密封シールをもたらすように適合されている。
【0029】
弁体142はまた、その近位端部208にニードル弁206を含む。1つ以上のアパーチャ210は、弁体142の近位端部208に形成され得る。1つ以上のアパーチャ210は、キャビティ151とキャビティ188との間の流体連通をもたらす。ニードル弁206は、オリフィス190の拡大部分193内に延在する。アセンブリ161が非作動位置にあるとき、ニードル弁206は、オリフィス190内に載置され、キャビティ186からキャビティ151を密封する。
【0030】
場合により、ニードル弁206はテーパ形状を有し得る。例えば、ニードル弁206は、近位端部212から遠位チップ214へテーパが付けられ得る。場合により、オリフィス190の拡大部分193は、一定の横断面サイズを有し得る。しかしながら、本開示の範囲はそのように限定されるものではない。むしろ、場合により、ニードル弁206は一定の断面形状を有し、およびオリフィス190の拡大部分193は広がり得る。さらに他の例では、ニードル弁206はテーパ形状を有し、およびオリフィス190の拡大部分193は広がり得る。さらに他の実装形態では、ニードル弁206およびオリフィス190の拡大部分193は一定の断面形状を有してもよい。下記でより詳細に説明するように、ニードル弁206はオリフィス190に対して可動である。
【0031】
図7は、弁体142の近位端面図を示す。この例では、弁体142は、3つのアパーチャ210を含む。しかしながら、弁体142は、1つ、2つ、または任意の数のアパーチャ210を含み得る。
【0032】
キャビティ151の第2の部分155内の、ピストン144と弁体142との間に流体が配置され得る。場合により、流体は、実質的に非圧縮性の流体、例えば液体であり得る。例示的な液体は、油(シリコーン油など)、プロピレングリコール、グリセリン、水、食塩水、または任意の他の実質的に非圧縮性の流体を含み得る。シール164および170によってピストン144と弁体142との間の流体を保持する。
【0033】
図8を参照して説明すると、レバー104は突起216を含む。突起216の1つを示すが、他の突起は、レバー104の、
図8に示す側とは反対の側に設けられている。突起216はレバー104に一体的に形成されても、または他の場合、突起216は、レバー104に追加された別個の構成要素としてもよい。突起216のそれぞれは、本体102に形成された嵌合する受口に受け入れられる。突起216および対となる受口は、レバー102の旋回軸218を画定する。従って、レバーが押し下げられると、レバー104はこの旋回軸218の周りで旋回する。
【0034】
図8および
図11を参照して説明すると、レバー104は、弁体142に形成された凹部222に受け入れられるレバーアームまたは脚220を含む。脚220は、レバー104が押し下げられると、弁体142、ピストン144、および隔壁146を近位に変位させるように動作可能である。例えば、レバー104が押し下げられると、脚220のコーナーエッジ221が凹部222の表面223に接触する。レバー104が押し下げられ続けると、脚220は、近位に揺動し、弁体142(およびその結果としてアセンブリ161)の近位方向の変位を生じる。
【0035】
付勢部材181は二重機能を提供し得る。
図5は、非作動位置にある内側ハウジング150を示す。付勢部材181は付勢力をもたらして、内側ハウジング150を非作動位置に維持し得る。これは、使用前のIOL挿入器具100の配送および/または取り扱いの際に望ましいことがあり得る。従って、この条件では、付勢部材181は、IOL挿入器具100の意図しない動作を防止するのを支援する。付勢部材181はまた、
図6Aおよび
図6Bに示すように、IOL挿入器具100の作動およびそれに関連する内側ハウジング150の変位中に復帰力をもたらす。
【0036】
動作中、ユーザはIOL用インジェクター100の本体102を把持し、かつ眼に形成された創傷内に遠位チップ126を挿入する。場合により、遠位チップ126は、創傷保護部130の端面132が眼の外表面に接触するまで創傷を通って前進され得る。その後、レバー104が押し下げられ得る。上述の通り、レバー104を押し下げることによるレバー104の脚220と弁体142に形成された凹部222との相互作用の結果、アセンブリ161を近位に動かす。弁体142、ピストン144、内側ハウジング150、および隔壁146が近位に動かされると、穿孔部材147がキャニスター148の蓋149を穿孔する。さらに、ニードル弁206が遠位に動かされ、オリフィス190の拡大部分193などのオリフィス190からニードル弁206を押しのける。その結果、キャビティ188と通路204との間の流体連通がもたらされる。その上、付勢部材181が内側ハウジング150とキャニスター148との間で圧縮される。このようにして、レバー104が押し下げられると、キャニスター148の蓋149が穿刺され、かつニードル弁206が同時に押しのけられる。
【0037】
蓋149を穿刺することにより、そこに入れられている圧縮ガスを放出する。放出されたガスは、隔壁146を貫通して形成された通路224を通過し、かつピストン144の近位端部226に衝突する。ピストン144に加えられたガスの圧力により、ピストン144を内側ハウジング150のキャビティ151内で遠位に動かす。上述の通り、場合によりキャニスター148内に入れられた物質の一部分は液体形態に留まる。この液体は、隔壁146とピストン144との間のキャビティ151の一部分を満たす追加的な量のガスを提供し、これは、ピストンが遠位に動くときに生じる。キャニスター148内にある液体の部分は、気化して、この増加する体積部を満たすように利用可能であり、それにより、IOL挿入器具100が動作する際にピストン144に対して実質的に一定のガス圧力を維持する。
【0038】
ピストン144が内側ハウジング150内で遠位に移動するとき、ピストン144は、キャビティ151の第2の部分155に入れられた液体をオリフィス190へ押しやる。液体は、オリフィス190を通過し、かつプランジャー202の近位端部に衝突してプランジャー202を遠位に変位させる。レバー104が押し下げられたままである間、プランジャー202は継続的に遠位に変位される。プランジャー202が遠位に動くと、プランジャーチップ228は、チャンバー134に配置されたIOLに係合し、かつIOLを遠位に変位させ、プロセス中にIOLを折り重ねる。レバー104が押し下げられたままである間、プランジャー202の変位が継続され、折り重ねられたIOLを開口部128から出るようにし、最終的にIOL挿入器具100から完全に押し出されるようにする。
【0039】
場合により、プランジャー202が動かされる速度は、レバー104が押し下げられる量によって変動し得る。例えば、ユーザが低速で前進させることを望む場合、ユーザは、レバー104を少量のみ押し下げ得る。ユーザがより高速で前進させることを望む場合、レバー104は、より大きい量で押し下げ得る。レバー104が押し下げられる量の変化によって引き起こされるプランジャー202の前進速度の変化は、例えば、ニードル弁206がテーパ形状である結果であり得る。ニードル弁206がオリフィス190の拡大部分193から引き出される量として、拡大部分193の近位端部とニードル弁206との間に形成される環状空間は、ニードル弁206がテーパ形状であることに起因して増大する。この環状空間が増大するにつれ、液体の流体流れ抵抗は低下し、それにより、より高い液圧の流れがプランジャー202に対して加えられる。その結果、プランジャー202が動く速度が増加する。ニードル弁206がさらに引き出される量として、環状間隙の断面積は増大してオリフィス190の断面積を超え、それにより、プランジャー202に加えられる流れに絞り限度を与える。その結果、プランジャー202の動く速度は、オリフィス190および液体の粘度によって画定される上限に制御される。
【0040】
プランジャーハウジング184に形成されたキャビティ186を通って遠位に動くなど、プランジャー202が動き続けると、プランジャー202の遠位チップは、チャンバー134内に収容された眼内レンズに接触し、かつ眼内レンズをチャンバー134およびルーメン135内で遠位に変位させる。眼内レンズがプランジャー202によって前進されると、眼内レンズは折り重ねられ、最終的に開口部128を介してIOL挿入器具100から押し出される。
【0041】
プランジャー202が前進され得る速度は、レバー104が押し下げられる量によって変動し得る。場合により、プランジャー202が前進される速度とレバー104が押し下げられる量との間の関係は直線関係であり得る。他の例では、この関係は非線形であり得る。さらに、場合により、レバー104が解放されると、レバー104は、付勢部材181によってもたらされる付勢力に起因してなどで初期位置に戻り、アセンブリ161を遠位に促し、かつアセンブリ161をその初期位置に戻す。その結果、ニードル弁206は、オリフィス190内に再び載置され、オリフィス190を密封し、かつキャビティ151の第2の部分155内の流体がプランジャー202に作用するのを防止する。その結果として、プランジャー202の前進は止まる。
【0042】
IOL挿入器具100の様々な態様は、プランジャー202が前進され得る速さに影響を及ぼし得、およびこれらの態様は、所望の低速の前進を確立するために変動し得る。これらの態様のいくつかは、キャビティ151の第2の部分155内に入れられた液体の粘度、キャニスター148内の圧力、オリフィス190のサイズ、ニードル弁206がオリフィス190から引き出された量、ニードル弁206および/またはオリフィスの拡大部分193のテーパの量、および/またはIOLの材料を含み得る。これらの態様の1つ以上は、プランジャー202の所望の低速の前進を達成するために変動し得る。
【0043】
図9は、例示的なレバーロック900を示す。レバーロック900は、IOL挿入器具100に結合され、およびレバーロック90の一部分は、本体102とレバー104との間に置かれ得る。レバーロック900は、使用前に(例えば、配送前および配送中に)IOL挿入器具100に結合されてレバー104の不注意な作動を防止し得る。
【0044】
レバーロック900は、第1の部分902および第2の部分904を含み得る。第1の部分902および第2の部分904は、ヒンジ接続部によって接続され得る。第2の部分904の近位端部908は、それを貫通するボアを形成し、および第1の部分902の遠位端部910もボアを画定し得る。第2の部分904の近位端部906によって画定されたボアは、第1の部分902の遠位端部910に画定され、形成されたボアと整列して通路912を形成し得る。通路912内にヒンジピン914が受け入れられる。場合により、ヒンジピン914の第1の端部は、通路912のサイズよりも大きいフランジ状部分915を有し得る。ヒンジピン914の第2の端部は、間隙922によって分離された可撓性部材920を含み得る。可撓性部材920は、それらのそれぞれの端部に拡大部分924を含む。
【0045】
ヒンジピン914は通路912内に受け入れられ得る。可撓性部材920が通路912を通過されるとき、可撓性部材920は互いの方に撓む。可撓性部材920が通路912から出るとき、可撓性部材920は、それらの静止位置に戻り、通路912内にヒンジピン914を保持し得る。フランジ状部分915および拡大部分924は協働して、ヒンジピン914を通路912内に保持し続けるようにし、かつ第1および第2の部分902、904は旋回可能に接続される。
【0046】
図8および
図10に示すように、第1の部分902は、本体102とレバー104との間に置かれてレバー104の押し下げを防止する。表面926から突出する1つ以上の突起は、本体102に形成された対応する受口928に受け入れられ得る。いくつかの実装形態では、第1の部分902は、本体102の近位端部の近位に配置される追加的な突起を含んでもよく、それらの突起は、本体102に形成された対応する開口部に受け入れられ得る。第2の部分904は、扉140に形成された凹部930に受け入れられ得る。扉140には第1のアパーチャ932も形成され得る。第1のアパーチャ932は、IOL挿入器具100の外部とチャンバー134との間の流体連通をもたらす。レバーロック900の第2の部分904に形成された突起933は、第1のアパーチャ932に受け入れられる。突起933は、チャンバー134内でのIOLの前進を防止するバリアの機能を果たす。場合により、突起933は、遠位触覚部とIOLの光学素子との間に存在し得る。
【0047】
扉140には第2のアパーチャ935も形成され得る。アパーチャ935を用いて潤滑剤(粘弾性材料など)を導入して、眼内レンズがルーメン135を通して押されるときにノズル106との間の摩擦を低下させ得る。
図9〜10に示すように、レバーロック900の第2の部分904は、第2の部分904が凹部930内に適切に載置されているときにアパーチャ932と整列するアパーチャ934を含み得る。これにより、レバーロック900が本体102に結合されたままであっても、チャンバー134へ潤滑剤を導入できるようにする。
【0048】
医師または他の医療専門家などのユーザは、突起936を把持して第2の部分902をヒンジピン914の周りで本体102から離れるように旋回させて、第2の部分902を凹部930から押しのけるようにしてアパーチャ932から突起933を取り外すことにより、レバーロック900を取り外し得る。その後、ユーザは、第2の部分902を遠位に引いて第1の部分902を、かつその結果としてレバーロック900全体をIOL挿入器具100から取り外す。場合により、その後、レバーロック900は廃棄され得る。
【0049】
本開示は多数の例を提供するが、本開示の範囲はそのように限定されるものではない。むしろ、上記の開示において、広範囲の修正形態、変更形態、および置換形態が考慮される。本開示の範囲から逸脱することなく、上記に対するそのような変更形態がなされ得ることが理解される。