(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含み、かつ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有量が、溶剤の総量に対して、40質量%以上99質量%以下である請求項1又は請求項2記載の染料分散液。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.染料分散液
本発明の染料分散液は、染料(A)が分散剤(D)により溶剤(B)中に分散されてなり、染料(A)は、クマリン染料(A1)を含み、さらに、クマリン染料(A1)の含有量が、染料の総量に対して、40質量%以上100質量%以下である。本発明の染料分散液を用いて着色硬化性組成物を調製すると、高明度なカラーフィルタを製造可能な着色硬化性組成物が得られる。
以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合わせて使用することができる。
【0008】
1−1.染料(A)
染料(A)は、クマリン染料(A1)を含む。クマリン染料(A1)の含有量は、染料(A)の総量に対して、40質量%以上であり、好ましくは60質量%以上である。染料(A)は、さらに、クマリン染料(A1)以外の染料(「その他の染料(A2)」という場合がある。)を含んでもよい。
【0009】
1−1−1.クマリン染料(A1)
クマリン染料(A1)は、分子内にクマリン骨格を有する染料である。クマリン染料(A1)としては、式(4a)で表される化合物(以下、「化合物(4a)」という場合がある。)又は式(4a’)で表される化合物(以下、「化合物(4a’)」という場合がある。)を含む染料が好ましい。
【0011】
【化2】
[式(4a)及び式(4a’)中、
Lは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(
R65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該2価の炭化水素基に含まれる水素原子は、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
X
1は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R
65)−を表す。
Aは、炭素数6〜20の芳香族基を表す。該芳香族基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基に置き換わっていてもよい。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
56〜R
59は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、或いは、R
56とR
58とが結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子及び隣接する窒素原子とともに環を形成し、またはR
57とR
59とが結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子及び隣接する窒素原子とともに環を形成する。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
60〜R
64は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、R
60とR
61とが結合して隣接する炭素原子とともに環を形成するか、或いは、R
62とR
63とが結合して隣接する炭素原子とともに環を形成する。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
65は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。R
65が複数存在する場合、それらは互いに同一又は相異なる。]
【0012】
スルホ基は、−SO
3Mで表される基を示し、カルボキシ基は、−CO
2Mで表される基を示す。Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子、ナトリウム原子又はカリウム原子であり、より好ましくは水素原子である。
【0013】
Lで表される基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基;炭素数2〜10のアルキリデン基;炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を有する2価の炭化水素基;シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基を有する上記アルキレン基;カルボニル基;−N(R
65)−;酸素原子;スルホニル基;硫黄原子;等が挙げられる。
Lで表される基としては、式(L1)〜式(L29)で表される基、及び、これらの基に含まれる水素原子が、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わった基が挙げられる。式(L1)〜式(L29)中、●は結合手を表す。
【0022】
Lは、置換基を有していてもよいメチレン基又はスルホニル基であることが好ましい。
好ましいLとしては、具体的には、それぞれ式(L1)及び式(L3)〜式(L14)で表される基が挙げられる。その中でも式(L1)、式(L3)、式(L10)、式(L13)及び式(L14)で表される基が好ましく、その中でも式(L1)、式(L3)、式(L13)及び式(L14)で表される基がより好ましい。Lがこれらの基であると、原料を入手しやすい。
【0023】
X
1は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R
65)−を表し、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
【0024】
Aで表される炭素数6〜20の芳香族基としては、式(A1)〜式(A12)で表される基、及び、これらの基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基、アミノ基又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基に置き換わった基が挙げられる。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、イミダゾール−1−イル基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。なかでも式(A12)で表される基が好ましい。下記式(A1)〜式(A12)中、Xは、上記X
1と同じ意味を表し、●はLとの結合手を表す。R
1、R
2、R
3及びR
4は、R
56、R
57、R
58及びR
59と同じ意味を表し、R
5、R
6、R
7、R
8及びR
9は、R
60、R
61、R
62、R
63及びR
64と同じ意味を表す。
【0029】
R
56〜R
64におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0030】
R
56〜R
64における炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、(2−エチル)ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、(3−エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、(3−エチル)ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクダデシル基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;
及び、それらの組み合わせた基が挙げられる。
【0031】
これら1価の炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、−N(R
65)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基、1価の炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基又はアミノ基に置き換わった基としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、(2−エチル)ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;
【0032】
N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N−(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(1−メチルブチル)カルバモイル基、N−(2−メチルブチル)カルバモイル基、N−(3−メチルブチル)カルバモイル基、N−シクロペンチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)カルバモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)カルバモイル基、N−ヘプチルカルバモイル基、N−(1−メチルヘキシル)カルバモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)カルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルカルバモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)カルバモイル基等のN−1置換カルバモイル基;
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−エチルメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−プロピルメチルカルバモイル基、N,N−イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N−tert−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−ブチルエチルカルバモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)カルバモイル基、N,N−ヘプチルメチルカルバモイル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)カルバモイル基等のN,N−2置換カルバモイル基;
【0033】
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)スルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基;
【0034】
N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−(1−エチルプロピル)アミノ基、N−(1,1−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(1,2−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(2,2−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(1−メチルブチル)アミノ基、N−(2−メチルブチル)アミノ基、N−(3−メチルブチル)アミノ基、N−シクロペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−(1,3−ジメチルブチル)アミノ基、N−(3,3−ジメチルブチル)アミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N−(1−メチルヘキシル)アミノ基、N−(1,4−ジメチルペンチル)アミノ基、N−オクチルアミノ基、N−(2−エチルヘキシル)アミノ基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルアミノ基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)アミノ基等のN−アルキルアミノ基;
N,N−ジメチルアミノ基、N,N−エチルメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−プロピルメチルアミノ基、N,N−イソプロピルメチルアミノ基、N,N−tert−ブチルメチルアミノ基、N,N−ブチルエチルアミノ基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)アミノ基、N,N−ヘプチルメチルアミノ基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノ基等のN,N−ジアルキルアミノ基;
【0035】
N−メチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N−プロピルアミノメチル基、N−イソプロピルアミノメチル基、N−ブチルアミノメチル基、N−イソブチルアミノメチル基、N−sec−ブチルアミノメチル基、N−tert−ブチルアミノメチル基、N−ペンチルアミノメチル基、N−(1−エチルプロピル)アミノメチル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(1−メチルブチル)アミノメチル基、N−(2−メチルブチル)アミノメチル基、N−(3−メチルブチル)アミノメチル基、N−シクロペンチルアミノメチル基、N−ヘキシルアミノメチル基、N−(1,3−ジメチルブチル)アミノメチル基、N−(3,3−ジメチルブチル)アミノメチル基、N−ヘプチルアミノメチル基、N−(1−メチルヘキシル)アミノメチル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)アミノメチル基、N−オクチルアミノメチル基、N−(2−エチルヘキシル)アミノメチル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルアミノメチル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)アミノメチル基等のN−アルキルアミノメチル基;
N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−エチルメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−プロピルメチルアミノメチル基、N,N−イソプロピルメチルアミノメチル基、N,N−tert−ブチルメチルアミノメチル基、N,N−ブチルエチルアミノメチル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)アミノメチル基、N,N−ヘプチルメチルアミノメチル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル基等のN,N−ジアルキルアミノメチル基;
【0036】
トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロイソプロペニル基、ペルフルオロ(1−プロペニル)基、ペルフルオロ(2−プロペニル)基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ(sec−ブチル)基、ペルフルオロ(tert−ブチル)基、ペルフルオロ(2−ブテニル)基、ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル)基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロ(イソペンチル)基、ペルフルオロ(3−ペンチル)基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ(tert−ペンチル)基、ペルフルオロ(1−メチルペンチル)基、ペルフルオロ(2−メチルペンチル)基、ペルフルオロ(2−ペンテニル)基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基、ペルフルオロ(5−メチルヘキシル)基、ペルフルオロ(2−エチルヘキシル)基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシル基、ペルフルオロオクタデシル基等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基;
【0037】
ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキセニル基、ペルフルオロシクロヘプチル基、ペルフルオロ(1−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,6−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)基等のフッ素原子を有する脂環式炭化水素基;
【0038】
ペルフルオロフェニル基、ペルフルオロ(o−トリル)基、ペルフルオロ(m−トリル)基、ペルフルオロ(p−トリル)基、ペルフルオロキシリル基、ペルフルオロメシチル基、ペルフルオロ(o−クメニル)基、ペルフルオロ(m−クメニル)基、ペルフルオロ(p−クメニル)基、ペルフルオロベンジル基、ペルフルオロフェネチル基、ペルフルオロビフェニリル基、ペルフルオロ(1−ナフチル)基、ペルフルオロ(2−ナフチル)基、1−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等のフッ素原子を有する芳香族炭化水素基;
【0039】
ペルフルオロメトキシ基、ペルフルオロエトキシ基、ペルフルオロプロポキシ基、ペルフルオロ(イソプロポキシ)基、ペルフルオロブトキシ基、ペルフルオロ(イソブトキシ)基、ペルフルオロ(sec−ブトキシ)基、ペルフルオロ(tert−ブトキシ)基、ペルフルオロペンチルオキシ基、ペルフルオロフェノキシ基、ペルフルオロベンジルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、(ペルフルオロエチル)メトキシ基、(ペルフルオロプロピル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロピル))メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロブチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(sec−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ブテニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル))メトキシ基、(ペルフルオロペンチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(3−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(ネオペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−メチルペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−メチルペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ペンテニル))メトキシ基、(ペルフルオロヘキシル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ(5−メチルヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ((2−エチル)ヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロヘプチル)メトキシ基、(ペルフルオロオクチル)メトキシ基、(ペルフルオロノニル)メトキシ基、(ペルフルオロデシル)メトキシ基、(ペルフルオロウンデシル)メトキシ基、(ペルフルオロドデシル)メトキシ基、(ペルフルオロオクタデシル)メトキシ基等のフッ素原子を有する置換オキシ基;
【0040】
2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基等が挙げられる。
【0041】
R
56及びR
57としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基が好ましい。該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。
【0042】
R
56としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましい。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基及びオクチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基ブチル基、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及び(2−エチル)ヘキシル基が特に好ましい。
【0043】
R
57としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましい。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基及びオクチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基が特に好ましい。
【0044】
R
58〜R
64は、いずれも水素原子であることが好ましい。
【0045】
R
65における炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、(2−エチル)ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、(3−エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、(3−エチル)ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクダデシル基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;
及び、それらの組み合わせた基が挙げられる。
【0046】
化合物(4a')としては、具体的に以下に示す化合物が挙げられる。
【0051】
化合物(4a)は、例えば、Dyes and Pigments (2008), 77, 556-558に記載された方法に準じて製造することができる。具体的には、式(pa1)で表される化合物、式(pa2)で表される化合物及びシアノ酢酸エチルを、安息香酸及び溶媒存在下、環化反応させることにより製造することができる。反応温度は、0℃〜200℃が好ましく、100℃〜150℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜24時間が好ましく、8時間〜18時間がより好ましく、8時間〜16時間がさらに好ましい。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール及びN−メチルピロリドンが挙げられ、1−ペンタノールが好ましい。
[式(pa1)及び式(pa2)中、R
56〜R
60、R
62〜R
64、A、X及びLは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
【0052】
式(pa1)で表される化合物の使用量は、式(pa2)で表される化合物1モルに対して、通常1モル〜10モルであり、好ましくは1モル〜2モルであり、より好ましくは1モルである。シアノ酢酸エチルの使用量は、式(pa2)で表される化合物1モルに対して、通常1モル〜10モルであり、好ましくは1モル〜2モルであり、より好ましくは1モルである。安息香酸の使用量は、式(pa2)で表される化合物1モルに対して、通常0.3モル〜3モルであり、好ましくは0.3モル〜0.6モルであり、より好ましくは0.3モル〜0.4モルである。
【0053】
化合物(4a’)は、上記式(pa1)で表される化合物、式(pa3)で表される化合物及びシアノ酢酸エチルを、安息香酸及び溶媒存在下、環化反応させることにより製造することができる。反応温度は、0℃〜200℃が好ましく、100℃〜150℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜24時間が好ましく、8時間〜18時間がより好ましく、8時間〜16時間がさらに好ましい。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール及びN−メチルピロリドン等が挙げられ、1−ペンタノールが好ましい。
[式(pa3)中、R
62〜R
64、X及びLは、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
【0054】
式(pa1)で表される化合物の使用量は、式(pa3)で表される化合物1モルに対して、通常2モル以上20モル以下であり、好ましくは2モル〜4モルであり、より好ましくは2モルである。シアノ酢酸エチルの使用量は、式(pa3)で表される化合物1モルに対して、通常2モル〜20モルであり、好ましくは2モル〜4モルであり、より好ましくは2モルである。安息香酸の使用量は、式(pa3)で表される化合物1モルに対して、通常0.6モル〜6モルであり、好ましくは0.6モル〜1.2モルであり、より好ましくは0.6モル〜0.7モルである。
【0055】
1−1−2.その他の染料(A2)
その他の染料(A2)としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料、媒染染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyens and Colourists出版)で染料、すなわちC.I.ピグメント以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、トリアリルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、シアニン染料、フタロシアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、キサンテン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。
ただし、キサンテン染料の含有量は、着色剤の総量に対して40%未満である。
【0056】
1−2.溶剤(B)
溶剤(B)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
【0057】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
【0058】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどのフェノールエーテル類;3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノールなどが挙げられる。
【0059】
エーテルエステル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどが挙げられる。
【0060】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
【0061】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0062】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
【0063】
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
【0064】
溶剤(B)は、エーテルエステル溶剤を含むことが好ましい。エーテルエステル溶剤としては、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類及びジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。
エーテルエステル溶剤の含有量は、溶剤(B)の総量に対して、通常、40質量%以上100質量%以下であり、好ましくは40質量%以上99質量%以下であり、分散安定性の点で、50質量%以上99質量%以下であることがより好ましい。
溶剤(B)が混合溶剤である場合、エーテルエステル溶剤と組み合わせる溶剤は、好ましくは、エーテル溶剤及びケトン溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤であり、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤である。
溶剤(B)がこのような溶剤であると、本発明の着色剤分散液から調製される着色硬化性組成物から高明度なカラーフィルタを製造することができるため好ましい。
溶剤(B)としては、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の有機溶剤であることが好ましく、染料(A)の溶解度(23℃)が5質量%以下の溶剤であることが好ましく、染料(A)の溶解度(23℃)が0.3〜3質量%である溶剤であることがより好ましい。
【0065】
本発明の染料分散液は、分散剤(D)を含み、さらに樹脂(C)を含むことが好ましい。
【0066】
1−3.分散剤(D)
分散剤(D)としては、着色剤の分散に用いられるものであれば限定されず、例えば高分子分散剤が挙げられる。
分散剤(D)のアミン価は、通常0〜200mgKOH/gであり、より好ましくは0〜120mgKOH/gであり、更に好ましくは0〜80mgKOH/gである。
本明細書において、アミン価は分散剤(D)の固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1mol/Lの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
前記高分子分散剤としては、アクリル系分散剤、ウレタン系分散剤等が挙げられる。
前記アクリル系分散剤としては、例えば、アクリル系ブロック共重合体が挙げられ、アクリル系ブロック共重合体としては、着色剤吸着基(染料吸着基ともいう)として塩基性基を含む着色剤吸着ブロックに更に着色剤吸着基として酸性基を含む着色剤吸着ブロックと、着色剤吸着基を含まないブロックとを有するブロック共重合体を使用することが好ましい。
前記着色剤吸着基として、塩基性基を含む着色剤吸着ブロックに更に酸基を含む着色剤吸着ブロックとしては、塩基性基を有する単量体と共に酸性基を有する単量体とを用いることにより構成されるものを挙げることができる。
【0067】
前記塩基性基を有する単量体としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基又は4級アンモニウム基を有する単量体であって、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、アミノ基とカプロラクトン骨格を有する単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する単量体と分子中に1個の2級アミノ基を有する化合物との反応物;
(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物と4−(2−アミノメチル)−ピリジン、4−(2−アミノエチル)−ピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、1−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンとの反応物等が挙げられる。
【0068】
前記酸性基を有する単量体としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基を有する単量体であって、具体的には、カルボキシ基を有する単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸化合物;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸化合物及びそのハーフエステル等、スルホ基を有する単量体として、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等;
リン酸基を有する単量体として、アシッドホスホニル(メタ)アクリレート、アシッドホスホニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0069】
前記着色剤吸着基を含まないブロックの構成成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ベンジル等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アリールアルキルエステル、ポリカプロラクトン含有単量体、ポリアルキレングリコールモノエステル系単量体等が挙げられる。
前記アクリル系ブロック共重合体は、リビングアニオン重合等の従来公知の重合方法により得ることができる。
【0070】
前記アクリル系ブロック共重合体のアミン価は、通常0〜200mgKOH/gであり、好ましくは0〜120mgKOH/gであり、より好ましくは0〜80mgKOH/gである。なお、アミン価はアクリル系ブロック共重合体の固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1mol/Lの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
【0071】
前記アクリル系ブロック共重合体の市販品としては、ビックケミー・ジャパン社製の「Disperbyk(登録商標)−112(アミン価36mgKOH/g)」、「Disperbyk(登録商標)−2000(アミン価4mgKOH/g)」、「Disperbyk−2001(アミン価29mgKOH/g)」、「Disperbyk(登録商標)−2020(アミン価38mgKOH/g)」、「Disperbyk(登録商標)−2050(アミン価30mgKOH/g)」、「Disperbyk(登録商標)−2070(アミン価20mgKOH/g)」等を挙げることができる。
【0072】
前記ウレタン系分散剤としては、ポリイソアネート化合物のイソシアネート基に、分子内にヒドロキシ基を1個以上有する数平均分子量300〜10,000の化合物及び分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物を反応させて得られものが利用できる。このようなウレタン系分散剤を得る方法としては、特開昭60−166318号に記載されている方法等が利用できる。
前記ウレタン系分散剤を構成するポリイソシアネート化合物としては、2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアナート化合物を挙げることができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの2量体、2,6−トリレンジイソシアナート、p−キシレンジイソシアナート、m−キシレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート化合物;
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアナート、1,3−(イソシアナートメチレン)シクロヘキサン等の脂肪族や脂環式ポリイソシアナート;
前記ジイソシアナートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアナート(前記ジイソシアナートが3量化して形成するイソシアヌル基を有するポリイソシアナート等)、ポリオールにジイソアネートを反応させて得られるポリイソシアネート、ジイソシアネート化合物のビウレット反応によって得られるポリイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物のなかでも、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートをもとにしたイソシアヌル基を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0073】
前記ウレタン系分散剤を構成する分子内にヒドロキシ基を1個以上有する化合物としては、例えば、ポリエーテル化合物、ポリエステル化合物等を挙げることができる。
上記ポリエーテル化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のアルキレングリコール類;
メタノール、エタノール等の低分子モノオール類の変性物、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物、テトラヒドロフラン変性物等が挙げられる。
【0074】
上記ポリエステル化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のアルキレングリコール類;
メタノール、エタノール等の低分子モノオール類の、ε−カプロラクトン変性物、γ−ブチロラクトン変性物、δ−バレロラクトン変性物、メチルバレロラクトン変性物;
アジピン酸やダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコールやメチルペンタンジオール等のポリオールとのエステル化物である脂肪族ポリエステルポリオール;
テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール等のポリオールとのエステル化物である芳香族ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)等の多価ヒドロキシ基化合物と、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸等のジカルボン酸とのエステル化物;
グリセリン等の多価ヒドロキシ基含有化合物と脂肪酸エステルとのエステル交換反応により得られるモノグリセリド等の多価ヒドロキシ基含有化合物、等が挙げられる。上記分子内にヒドロキシ基を1個以上有する化合物のなかでも、アルコール類のε−カプロラクトン付加物が好ましい。
【0075】
上記分子内にヒドロキシ基を1個以上有する化合物の数平均分子量は、300〜10,000、好ましくは、300〜6,000である。なお、数平均分子量、重量平均分子量はカラムクロマトグラフィー法によって測定することができる。
【0076】
上記ウレタン系分散剤を構成する分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する塩基性基含有化合物としては、N,N−ジ置換アミノ基又は複素環窒素原子を有するポリオール、ポリチオール及びアミン類からなる群から選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。これらの化合物としては、分散剤の技術分野で公知慣用に用いられている化合物を使用することができる。これらの化合物は、ツェレビチノフの活性水素原子と少なくとも1個の窒素原子含有塩基性基を有するものである。
そのような化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル1,4−ブタンジアミン、2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、2−(1−ピロリジル)−エチルアミン、4−アミノ−2−メトキシピリミジン、4−(2−アミノエチル)−ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルフォリン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、N,N−ジアリル−メラミン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、等が挙げられる。なかでも、複素環窒素原子を有するアミン類が好ましい。
【0077】
上記ウレタン系分散剤の合成における反応としては特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。また、ウレタン系分散剤のアミン価は、通常0〜200mgKOH/gであり、より好ましくは0〜120mgKOH/gであり、更に好ましくは0〜80mgKOH/gであり、より好ましくは0〜55mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜40mgKOH/gである。なお、アミン価はウレタン系分散剤の固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1mol/Lの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATIONK−900)、平沼産業社製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
【0078】
また、前記ウレタン系分散剤の市販品としては、Disperbyk−161(アミン価11mgKOH/g、ビックケミー社製)、Disperbyk−162(アミン価13mgKOH/gビックケミー社製)、Disperbyk−167(アミン価13mgKOH/g、ビックケミー社製)、Disperbyk−182(アミン価13mgKOH/g、ビックケミー社製)等を挙げることができる。
【0079】
分散剤として、前記アクリル系分散剤またはウレタン系分散剤が好ましい。
【0080】
1−4.樹脂(C)
本発明の染料分散液は、さらに樹脂(C)を含んでもよい。樹脂(C)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(C)としては、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K3](a)と(c)との共重合体;
樹脂[K4](a)と(c)との共重合y6体に(b)を反応させることにより得られる樹脂;
樹脂[K5](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させることにより得られる樹脂;
樹脂[K6](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させることにより得られる樹脂。
【0081】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0082】
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも一種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
【0083】
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体等が挙げられる。
【0084】
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体であることが好ましい。
【0085】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル類;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等のスチレン系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系モノマー;酢酸ビニル;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のジエン系モノマー等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましく、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンがより好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0086】
樹脂(C)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレン系モノマー共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(C)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましい。
【0087】
樹脂(C)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。
樹脂(C)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0088】
樹脂(C)の酸価は、通常1〜200mgKOH/gであり、好ましくは50〜170mgKOH/gであり、より好ましくは60〜150mgKOH/gであり、さらに好ましくは70〜135mgKOH/gである。ここで酸価は樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0089】
1−5.染料分散液の製造方法
本発明の染料分散液は、染料(A)を分散剤(D)により、溶剤(B)に分散処理し、必要に応じて、さらに樹脂(C)も前記溶剤(B)中に分散処理することにより、製造することができる。
分散処理とは、染料(A)や樹脂(C)等の粒子が分散状態になるまで混合することをいう。この分散処理により、粒子は小さく粉砕される。また、分散状態とは、混合液中で、粒子が溶剤(B)の中に浮かんだ状態のことをいう。
【0090】
本発明の染料分散液中の染料(A)の含有量は、着色剤分散液の総量に対して、2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0091】
また、溶剤(B)の含有量は、着色剤分散液の総量に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは75質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下である。
着色剤分散液が樹脂(C)を含む場合、樹脂(C)の含有量は、着色剤分散液の総量に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、15質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下である。樹脂(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、分散状態が安定になる傾向がある。
着色剤分散液中の分散剤(D)の含有量は、着色剤分散液の総量に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量以下であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。分散剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、分散状態が安定になる傾向がある。
【0092】
前記染料(A)を溶剤(B)に分散させる際、並びに前記混合物を分散させる際の温度は、120℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下である。分散させる際の温度の下限は特に限定されないが、通常20℃である。
分散時間は、0.5時間以上が好ましく、より好ましくは2時間以上であり、48時間以下が好ましく、20時間以下がより好ましい。
分散に用いる装置としては、例えば、ロールミル、高速攪拌装置、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントコンディショナー、超音波分散機、高圧分散機等が挙げられる。
得られた着色剤分散液は、孔径1.0〜5.0μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0093】
2.着色硬化性組成物
本発明の着色硬化性組成物は、上述した染料剤分散液に加えて、重合性化合物(E)及び重合開始剤(F)を含む。
【0094】
2−1.重合性化合物(E)
重合性化合物(E)は、後述する重合開始剤(F)から発生した活性ラジカル及び酸等によって重合しうる化合物であって、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
【0095】
中でも、重合性化合物(E)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上(好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜8)有する重合性化合物が好ましく、さらには3つ以上(好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜8)のOH基を有するアルコール(例えば、ペンタエリスリトール、その縮合物、又はそれらの変性物)と(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、好ましくは、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性化合物(E)の重量平均分子量は、好ましくは150以上、2,900以下、より好ましくは250以上、1,500以下である。
【0096】
重合性化合物(E)の含有量は、着色硬化性組成物の固形分に対して、通常1〜95質量%であり、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。前記の重合性化合物(E)の含有量が、前記の範囲内にあると、硬化が十分におこり、現像での残膜率が向上し、着色パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることから好ましい。
【0097】
2−2.重合開始剤(F)
前記重合開始剤(F)としては、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(F)としては、光の作用により活性ラジカルを発生する化合物が好ましく、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物及びビイミダゾール化合物がより好ましい。
【0098】
アルキルフェノン化合物は、としては、例えば、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)369、907及び379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
【0099】
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0100】
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
【0101】
オキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。
【0102】
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
【0103】
さらに重合開始剤(F)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
【0104】
光により酸を発生する酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等を挙げることができる。
【0105】
重合開始剤(F)の含有量は、本発明の着色硬化性組成物中の樹脂(C)及び重合性化合物(E)の合計量100質量部に対して、通常0.01〜40質量%であり、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。光重合開始剤の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上する。
【0106】
本発明の着色硬化性組成物は、レベリング剤(G)をさらに含んでもよい。
【0107】
2−3.レベリング剤(G)
レベリング剤(G)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーン(商品名)DC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0108】
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0109】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0110】
レベリング剤(G)の含有量は、本発明の着色硬化性組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。尚、この含有量に、後述する顔料分散剤(D’)の含有量は含まれない。レベリング剤(G)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0111】
2−4.樹脂(C’)
本発明の染料分散液が樹脂(C)を含まない場合、着色硬化性組成物を調製するときに樹脂(「樹脂(C’)」)を加えることが好ましい。また染料分散液が樹脂(C)を含む場合にも、着色硬化性組成物を調製するときにさらに樹脂(C’)を加えてもよい。着色硬化性組成物を調製するときに用いる樹脂(C’)としては、樹脂(C)と同様のものが挙げられる。樹脂(C’)は樹脂(C)と同じでもよいが、異なる種類のものでもよい。
【0112】
樹脂(C)と樹脂(C’)の合計の含有量は、固形分の総量に対して、通常1〜90質量%であり、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。樹脂の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターンの解像度及び着色パターンの残膜率が向上する傾向がある。
【0113】
本発明の着色硬化性組成物は、溶剤(B’)及び着色剤(A’)をさらに含むことが好ましい。
【0114】
2−5.溶剤(B’)
着色硬化性組成物を調製するときに用いる溶剤(以下、「溶剤(B’)」という)としては、溶剤(B)と同様のものが挙げられる。
【0115】
好ましくは、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の有機溶剤であり、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド等であり、さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル等である。
【0116】
着色硬化性組成物における溶剤(B)と溶剤(B’)の合計の含有量は、着色硬化性組成物の総量に対して、通常20〜98質量%であり、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色硬化性組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0117】
2−6.着色剤(A’)
着色硬化性組成物を調製するときに用いる着色剤(A’)としては、着色剤(A)と同様のもの、及び顔料(P)が挙げられる。
【0118】
着色剤(A)と着色剤(A’)の合計の含有量は、着色硬化性組成物の固形分に対して、通常0.1〜80質量%であり、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。着色剤の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中に樹脂や重合性化合物を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なカラーフィルタを形成することができる。ここで、着色硬化性組成物の固形分とは、本発明の着色硬化性組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0119】
2−7.顔料組成物
本発明の着色硬化性組成物が顔料(P)を含む場合、前記着色剤分散液とは別に顔料組成物を調製し、本発明の着色硬化性組成物の調製に用いることが好ましい。顔料組成物は、顔料(P)及び溶剤(B’’)を含むことが好ましい。顔料(P)は、予め溶剤(B’’)と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させることが好ましい。溶剤(B’’)は、溶剤(B’)の一部又は全部である。
顔料組成物はさらに、樹脂(C’’)及び顔料分散剤(D’)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。樹脂(C’’)は、樹脂(C’)の一部又は全部である。樹脂(C’’)及び顔料分散剤(D’)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有させて顔料(P)の分散処理を行うことで、顔料(P)が溶液中で均一に分散した状態となる。
【0120】
2−7−1.顔料(P)
顔料(P)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば有機顔料及び無機顔料が挙げられ、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物等が挙げられる。
【0121】
有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、180、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、14、19、23、29、32、33、36、37、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料
C.I.ピグメントグリーン7、10、15、25、36、47、58などの緑色顔料などが挙げられる。
【0122】
顔料(P)は、好ましくは、フタロシアニン顔料であり、より好ましくは、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料及びハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、さらに好ましくは、C.I.ピグメントグリーン7、36及び58からなる群から選ばれる少なくとも一種である。これら顔料は、緑色色素に好適に用いられ、前記の顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易であり、カラーフィルタの耐光性及び耐薬品性が良好になる。
また、顔料(P)は、C.I.ピグメントレッドバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:3、15:6が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6がより好ましい。
【0123】
無機顔料としては、金属酸化物や金属錯塩のような金属化合物が挙げられ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属の酸化物又は複合金属酸化物が挙げられる。
【0124】
また、顔料(P)を用いる場合は、顔料(P)の含有量は、染料(A)と着色剤(A’)との合計量に対して、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは70〜99質量%である。
【0125】
2−7−2.顔料分散剤(D’)
顔料分散剤(D’)としては、上述の分散剤(D)と同じものに加えて、シナジスト型分散剤を用いることができる。
【0126】
前記シナジスト型分散剤(顔料誘導体型分散剤)としては、例えば、フタロシアニン誘導体が挙げられる。シナジスト型分散剤の市販品としては、ルーブリーズ社製の「ソルスパース(登録商標) 5000(銅フタロシアニン誘導体)」等が挙げられる。
【0127】
前記シナジスト型分散剤を含む場合、その含有量は、顔料100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下である。
【0128】
顔料分散剤(D’)として前記高分子分散剤とシナジスト型分散剤を併用する場合、これらの質量比率(高分子分散剤/シナジスト型分散剤)は、70/30〜99/1が好ましく、より好ましくは80/20〜97/3、さらに好ましくは85/15〜95/5である。
【0129】
顔料分散剤(D’)の使用量は、顔料(A2)100質量部あたり、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。
【0130】
また、分散剤(D)と顔料分散剤(D’)の合計含有量は、着色硬化性組成物の総量に対して0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
顔料分散剤(D’)の使用量が前記の範囲にあると、顔料の分散状態が良好である。
【0131】
顔料組成物中の顔料(P)の含有量は、顔料組成物の総量に対して、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
顔料組成物中の溶剤(B’’)の含有量は、顔料組成物の総量に対して、60質量%以上が好ましく、より好ましくは75質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下である。
樹脂(C’’)を含む場合、顔料組成物中の樹脂(C’’)の含有量は、顔料組成物の総量に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、15質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以下である。
顔料分散剤(D’)を含む場合、顔料組成物中の顔料分散剤(D’)の含有量は、顔料組成物の総量に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
【0132】
2−8.その他の成分
本発明の着色硬化性組成物は、必要に応じて、重合開始助剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の種々の添加剤(以下「その他の成分」という)を含んでもよい。
【0133】
2−9.着色硬化性組成物の製造方法
本発明の着色硬化性組成物は、例えば、本発明の着色剤分散液、重合性化合物(E)及び重合開始剤(F)、並びに、必要に応じて用いられる重合開始助剤(F1)、レベリング剤(G)、顔料組成物及びその他の成分を混合することにより調製できる。
着色剤分散液が樹脂(C)を含まない場合、着色硬化性組成物を調製するときに樹脂(C’)を加えることが好ましい。着色剤分散液が樹脂(C)を含む場合、着色硬化性組成物を調製するときにさらに樹脂(C’)を加えてもよい。
着色硬化性組成物を調製するときに、着色剤(A’)及び/又は溶剤(B’)をさらに加えてもよい。
前記のとおり混合して調製された着色硬化性組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0134】
3.カラーフィルタの製造方法
本発明の着色硬化性組成物からカラーフィルタの着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性組成物を基板に塗布し、乾燥させて組成物層を形成し、フォトマスクを介して該組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、前記組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
【0135】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
【0136】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。 加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0137】
次に、組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
【0138】
露光後の組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
【0139】
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
【0140】
かくして得られた着色パターン及び着色塗膜は、高明度であるためカラーフィルタとして有用であり、該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置等)、電子ペーパー、固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0141】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
以下の合成例において、化合物は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)またはNMR(JMM−ECA−500;日本電子(株)製)で同定した。
【0142】
〔合成例1〕
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(東京化成工業(株)製)10.6部、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)14.6部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.17部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)183部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)8.61部を混合し、120℃で3時間攪拌した。この反応溶液に4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)14.6部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.17部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)8.61部を加え、120℃で12時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、析出した結晶を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣にアセトニトリル236部とイソプロピルアルコール234部とを加え、撹拌した後、不溶物を吸引ろかの残渣として得た。この残渣にアセトニトリル236部とイソプロピルアルコール234部とを加え、撹拌した後、不溶物を吸引ろかの残渣として得た。この残渣にクロロホルム2220部を加え撹拌し、ろ過した。このろ液に5%水酸化ナトリウム水溶液530部を加えて撹拌し、クロロホルム溶液層を取り出した。このクロロホルム溶液に18%塩化ナトリウム水溶液610部を加え撹拌し、クロロホルム溶液層を取り出した。このクロロホルム溶液に硫酸マグネシウム10部を加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、60℃で減圧乾燥して、式(4a-148)で表される化合物19.5部を得た。
1H−NMRにて構造を確認した。
【0143】
【化3】
【0144】
<式(4a-148)で表される化合物の同定>
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6):1.14(12H,t),3.50(8H,q),6.61(2H,d),6.82(2H,dd),7.71(2H,d),7.95(2H,d),8.04(2H,dd),8.43(2H,d),8.83(2H,s)
【0145】
〔合成例2〕
3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸水和物(東京化成工業(株)製)45.4部、安息香酸(東京化成工業(株)製)9.50部、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)44.1部、シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)25.8部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)547部を混合し、125℃で2時間攪拌した。この混合物に、安息香酸(東京化成工業(株)製)9.50部、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)44.1部、シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)25.8部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)30.3部を混合し、125℃で12時間攪拌した。上記の混合物を室温まで冷却後、固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣に、N,N−ジメチルホルムアミド967部を加え、90℃で2時間撹拌した。この混合物を80℃に保ちながら吸引ろ過し、固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド126部を加え、固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣に、N,N−ジメチルホルムアミド967部を加え、90℃で4時間撹拌した。この混合物を室温で12時間撹拌し、固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド126部を加え、固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣に水2000部を加え、80℃に加熱して溶液を調製した。この溶液を30℃に冷却した後、メタノール1580部を加え、12時間撹拌した。析出した固形物を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣に、水2000部を加え、80℃に加熱して溶液を調製した。この溶液の溶媒を留去し、固形物を得た。この固形物にクロロホルム148部を加えて撹拌した。この混合物の溶媒を留去し、式(C-PT)で表される化合物を75.3部得た。
【0146】
【化4】
【0147】
<式(C-PT)で表される化合物の同定>
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6):1.14(6H,t),3.49(4H,q),6.60(1H,d),6.81(1H,dd),7.09(4H,s),7.66(1H,dd),7.66(1H,d),7.70(1H,d),7.88(1H,d),8.83(1H,s)
【0148】
〔合成例3〕
5Lビーカーに精製水3960部と式(C-PT)40部を投入し、ハイシェアーミキサー(シルバーソン製)にて回転数4000rpmで1時間撹拌し式(C-PT)を溶解させた。pH測定し、pHが6.0であることを確認した。次いでアクリル系分散剤溶液(固形分40%)を100部投入し、回転数4000rpmにて撹拌を継続した後、時間毎にpHを測定し、pHの変動がなくなった時点を終点とした。上記スラリーを濾過し、式(C-PT)の中和ケーキを採取した。式(C-PT)の中和物を再度4000部のイオン交換水(5μS/cm)にて数回、濾過を繰り返し、電気伝導度が20μS/cmとなった段階で終点とした。式(C-PT)の中和ケーキを採取し、60℃オーブンにて24時間乾燥し、式(C-PT)の中和物である(C−PT′)を65部得た。
【0149】
〔合成例4〕
<樹脂溶液C1の合成>
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部に溶解させて調製した混合溶液を4時間かけてフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、共重合体溶液を得た。この共重合体を樹脂C1とする。樹脂C1溶液の固形分は37.5%、B型粘度計(23℃)で測定した粘度は246mPa・sであった。樹脂C1の重量平均分子量は1.06×10
4、固形分換算の酸価は115mgKOH/g、分子量分布は2.01であった。樹脂C1は、以下の構造単位を有する。
【0150】
【化5】
【0151】
〔合成例5〕
<樹脂溶液C2の合成>
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル300重量部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸54重量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8又は/及び9−イルアクリレートの混合物の混合物306重量部、及び2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)24重量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル316重量部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)88mPas、固形分37.0重量%、溶液酸価34mgKOH/gの共重合体を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは7500、分子量分布1.93の樹脂C2溶液を得た。
【0152】
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
前記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0153】
(顔料組成物1の調製)
顔料(A2);C.I.ピグメントグリーン7 9.6部 溶剤(B’);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 63.68部
樹脂(C’);樹脂C1(固形分換算) 3.84部
顔料分散剤(D’);アクリル系分散剤 2.88部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させることにより、顔料組成物1を得た。
【0154】
〔実施例1〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 9.60部 分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(登録商標)2000;ビックケミー社製;アミン価4mgKOH/g) 4.32部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 2.88部 溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53.81部 溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.20部 溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 3.20部と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液1を得た。
【0155】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物1を得た。
染料分散液1 165部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 725部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 145部
顔料組成物1 732部
【0156】
〔実施例2〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 11.2部 分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(登録商標)2000;ビックケミー社製;アミン価4mgKOH/g) 3.20部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 3.20部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 56.90部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 3.14部
溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 2.36部
と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液2を得た。
【0157】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物2を得た。
染料分散液2 140部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 716部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 144部
顔料組成物1 723部
【0158】
〔実施例3〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 9.60部
分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(登録商標)2001;ビックケミー社製;アミン価29mgKOH/g) 4.32部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 2.88部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53.81部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.20部
溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 3.20部
と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液3を得た。
【0159】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物3を得た。
染料分散液3 165部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 725部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 145部
顔料組成物1 732部
【0160】
〔実施例4〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 11.2部
分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(登録商標)2001;ビックケミー社製;アミン価29mgKOH/g) 3.20部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 3.20部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 56.90部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 3.14部
溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 2.36部
と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液4を得た。
【0161】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物4を得た。
染料分散液4 140部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 716部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 144部
顔料組成物1 723部
【0162】
〔実施例5〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 8.00部
クマリン染料(A1);式(C−PT′) 1.60部
分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(登録商標)2000;ビックケミー社製;アミン価4mgKOH/g) 4.32部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 2.88部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53.81部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.20部
溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 3.20部
と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液5を得た。
【0163】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物5を得た。
染料分散液5 165部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 725部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 145部
顔料組成物1 732部
【0164】
〔実施例6〕
(染料分散液の調製)
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 9.60部
クマリン染料(A1);式(C−PT′) 1.60部
分散剤(D);アクリル系顔料分散剤(Disperbyk(Disperbyk(登録商標)2001;ビックケミー社製;アミン価29mgKOH/g) 4.32部
樹脂(C);樹脂C1(固形分換算) 2.88部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53.81部
溶剤(B);プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.20部
溶剤(B);エチレングリコールモノブチルエーテル 3.20部
と、0.2mm径のジルコニアビーズ360部とを、容量140mlのマヨネーズ瓶に投入し、ペイントコンディショナーにて60℃で10時間混練して分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。該分散液を、孔径1.0μmのメンブランフィルターにて濾過し、染料分散液6を得た。
【0165】
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物6を得た。
染料分散液6 140部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.25部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 716部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 144部
顔料組成物1 723部
【0166】
〔比較例1〕
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合して着色硬化性組成物を得た。
クマリン7 18.7部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部 重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.24部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 437部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 137部
顔料組成物1 141部
【0167】
〔比較例2〕
(着色硬化性組成物の調製)
以下の成分を混合したが、式(4a-148)で表される化合物が溶剤に解けず、比較可能な色度にならなかったため、調色不可能であった。
クマリン染料(A1);式(4a-148)で表される化合物 18.7部
樹脂(C’):樹脂C2溶液 50部
重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(F);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製;オキシム化合物) 15部
レベリング剤(G):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.24部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 605部
溶剤(B’):プロピレングリコールモノメチルエーテル 137部 顔料組成物1 690部
【0168】
<着色パターンの作製>
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色硬化性組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークし着色組成物層を得た。放冷後、基板上の着色組成物層と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、40mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で露光した。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。露光後、露光後の着色組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と炭酸ナトリウム2%を含む水系現像液に25℃で70秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で20分間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
【0169】
<膜厚測定>
得られた着色パターンの膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0170】
<色度評価>
得られた着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yとを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表1に示す。
【0171】
<コントラスト評価>
フォトマスクを使用せずに露光し、現像を行わない以外は着色パターンの形成と同様の操作を行い、ガラス基板上に着色塗膜を作製した。得られた着色塗膜について、コントラスト計(CT−1;壺坂電機社製、色彩色差計BM−5A;トプコン社製、光源;F−10)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。ガラス基板上の着色塗膜を、偏光フィルム(POLAX−38S;ルケオ社製)ではさんだものを測定サンプルとした。着色塗膜のコントラストが高ければ、同じ着色硬化性組成物から得られる着色パターンにおいても同様に高コントラストであるといえる。結果を表1に示す。
【0172】
<耐熱性評価>
得られた着色塗膜をオーブン中、230℃で2時間加熱した。加熱前後でxy色度座標(x、y)及びYを測定し、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表1に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味し、△Eab*が3以下であれば、その塗膜はカラーフィルタとして実用上問題ないといえる。また、着色塗膜の耐熱性が良好であれば、同じ着色硬化性樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐熱性は良好であるといえる。
【0173】
【表1】