(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スイッチからの操作信号を基に、2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行する操作信号実行手段を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の電動ブラインド。
前記制御パラメーターは、使用環境における予め定めた環境差異要素について予め定めた組み合わせで区別した制御モードを指定可能に構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の電動ブラインド。
前記制御コマンド実行手段は、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行する際に、段階的な速度変化で実行するよう制御することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動ブラインド。
前記制御コマンドは、遮蔽材に対する2以上又は無段階の遮蔽量調整速度を識別可能に指定する制御パラメーターと、遮蔽材に対する1以上の遮蔽状態量を指定する制御パラメーターのいずれか一方、又は双方を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動ブラインド。
前記制御コマンド実行手段は、前記制御パラメーターによって指定される1つの遮蔽状態量と、前記状態保持更新手段に保持されている遮蔽状態量との差分から遮蔽量調整速度を決定して実行することを特徴とする、請求項6に記載の電動ブラインド。
前記制御コマンド実行手段は、前記中継装置を経て得られる複数回の制御コマンドを基に、前記管理装置からの制御コマンドにより指定される遮蔽量調整動作を実行する手段を有することを特徴とする、請求項8に記載の電動ブラインド。
請求項1から9のいずれか一項に記載の電動ブラインドの動作を直接制御する操作信号を生成するスイッチであって、前記スイッチは、該電動ブラインドに対して、2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行させる手段を有することを特徴とするスイッチ。
前記電動ブラインドから得られる状態情報を基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度を識別可能とする制御コマンドを生成する制御コマンド生成送信手段を備えることを特徴とする、請求項11に記載の管理装置。
前記電動ブラインドから得られる状態情報を基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行させるための複数回分の制御コマンドを生成する制御コマンド生成送信手段を備えることを特徴とする、請求項11に記載の管理装置。
前記管理装置からの制御コマンドを基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行させるための複数回分の制御コマンドを生成する制御コマンド中継制御手段を備えることを特徴とする、請求項14に記載の中継装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、従来の電動ブラインド制御システムでは、電動ブラインドの自動開閉制御を行った際に、その開閉時の遮蔽量調整動作(例えば、横型ブラインドではスラットのチルト動作)により、利用者に遮蔽量調整動作に伴う操作音や、明るさなどの使用環境が急激に変化して不快感を与える場合がある。
【0009】
そこで、仮に、特許文献1に開示される技法を適用して、全閉状態から所定角度までの間はラダーコードの前後の相対速度を低速にし、該所定角度以降を高速にして、スラットの回転速度を段階的に変化させるよう構成したとしても、依然として電動ブラインドの開閉時のスラット角度の調整速度は全体動作としてみれば一定であり、使用環境に応じた速度調整を実現することができない。
【0010】
ここで、使用環境とは、各ブラインドの設置場所や設置数、明るさ(天候状態等)並びに朝・昼・夜などに区分した使用時間帯域によって差異が生じうる環境を云う。
【0011】
したがって、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させるよう、電動ブラインドの設置場所や設置数、明るさ(天候状態等)並びに朝・昼・夜などに区分した使用時間帯域によって利用状況が異なる使用環境に応じて、その遮蔽量調整動作の速度調節が可能な電動ブラインド制御システムが求められる。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題を鑑みて、電動ブラインド、管理装置、中継装置及び電動ブラインド制御システム、並びにこれらのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させるよう、その遮蔽量調整動作の速度調節が可能な電動ブラインド、電動ブラインドのスイッチ、管理装置、中継装置及び電動ブラインド制御システム、並びにこれらのプログラムを実現する。
【0014】
好適には、スイッチ操作時の遮蔽量調整速度(例えば、スラットのチルト速度)、昼光利用を行う自動制御で遮蔽量調整速度を可変できる機能を電動ブラインド及び管理装置に持たせ、電動ブラインドを個別に操作可能とするスイッチからの操作は、スイッチ操作を行う操作者が煩わしさを感じない速い速度で動作を行い、昼光利用等の自動制御時には、利用者が当該操作音や光の入光変化を感じないように指定された遮蔽量調整速度制御を行う。この自動制御時の遮蔽量調整速度に関して、使用環境に応じて速度を可変に設定できるよう構成する。一例として、管理装置から制御パラメーターにより速度を可変に設定できる制御信号により制御可能とするよう構成することや、当該制御信号を複数回に分けて、1回あたりの制御信号によるスラットのチルト量・チルト速度を予め指定された設定値により制御可能に構成する。
【0015】
即ち、本発明の電動ブラインドは、管理装置により自動制御可能な電動ブラインドであって、管理装置からの制御コマンドを基に、
使用環境に応じた2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行する制御コマンド実行手段と、前記制御コマンド実行手段によって遮蔽量調整動作された後の遮蔽状態量を示す状態情報を保持するとともに、該状態情報を前記管理装置に保持させる状態保持更新手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、スイッチからの操作信号を基に、2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行する操作信号実行手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンドは、使用環境に応じて変更可能な制御パラメーターを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御パラメーターは、使用環境における予め定めた環境差異要素について予め定めた組み合わせで区別した制御モードを指定可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンド実行手段は、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行する際に、段階的な速度変化で実行するよう制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンドは、遮蔽材に対する2以上又は無段階の遮蔽量調整速度を識別可能に指定する制御パラメーターと、遮蔽材に対する1以上の遮蔽状態量を指定する制御パラメーターのいずれか一方、又は双方を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンド実行手段は、前記制御パラメーターによって指定される1つの遮蔽状態量と、前記状態保持更新手段に保持されている遮蔽状態量との差分から遮蔽量調整速度を決定して実行することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンド実行手段は、前記管理装置と通信可能な中継装置を経て得られる制御コマンドを基に当該遮蔽量調整動作を実行し、前記状態保持更新手段は、前記中継装置に当該遮蔽状態量を保持させる手段を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の電動ブラインドにおいて、前記制御コマンド実行手段は、前記中継装置を経て得られる複数回の制御コマンドを基に、前記管理装置からの制御コマンドにより指定される遮蔽量調整動作を実行する手段を有することを特徴とする。
【0024】
更に、本発明のスイッチは、本発明の電動ブラインドの動作を直接制御する操作信号を生成するスイッチであって、前記スイッチは、該電動ブラインドに対して、2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行させる手段を有することを特徴とする。
【0025】
更に、本発明の管理装置は、本発明の電動ブラインドの動作を遠隔制御する制御コマンドを生成することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の管理装置において、前記電動ブラインドから得られる状態情報を基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度を識別可能とする制御コマンドを生成する制御コマンド生成送信手段を備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の管理装置において、前記電動ブラインドから得られる状態情報を基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行させるための複数回分の制御コマンドを生成する制御コマンド生成送信手段を備えることを特徴とする。
【0028】
更に、本発明の中継装置は、本発明の管理装置から前記制御コマンドを受信して前記電動ブラインドに中継送信することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の中継装置において、前記管理装置からの制御コマンドを基に、前記2以上又は無段階の遮蔽量調整速度のうち低速で実行させるための複数回分の制御コマンドを生成する制御コマンド中継制御手段を備えることを特徴とする。
【0030】
更に、本発明の電動ブラインド制御システムは、本発明の電動ブラインドと、該電動ブラインドの動作を遠隔制御する制御コマンドを生成する当該管理装置と、該制御コマンドを前記電動ブラインドに中継送信する中継装置と、を備えることを特徴とする。
【0031】
更に、本発明のプログラムは、本発明の電動ブラインドにおける制御部として構成するコンピュータに、前記管理装置からの制御コマンドを基に、
使用環境に応じた2以上又は無段階の遮蔽量調整速度で遮蔽材の遮蔽量調整動作を実行するステップと、当該遮蔽量調整動作された後の遮蔽状態量を示す状態情報を保持するとともに、該状態情報を前記管理装置に保持させるステップと、を実行させるためのプログラムとして構成される。
【0032】
更に、本発明のプログラムは、管理装置として構成するコンピュータに、本発明の電動ブラインドの動作を遠隔制御する制御コマンドを生成するステップを実行させるためのプログラムとして構成される。
【0033】
更に、本発明のプログラムは、中継装置として構成するコンピュータに、本発明の管理装置から前記制御コマンドを受信して前記電動ブラインドに中継送信するステップを実行させるためのプログラムとして構成される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の電動ブラインド、管理装置、中継装置及び電動ブラインド制御システム、並びにこれらのプログラムについて説明する。
【0037】
〔電動ブラインド制御システムの構成〕
図1は、本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムを示す概略構成図である。本実施形態の電動ブラインド制御システムは、管理装置1、この管理装置1に有線又は無線の通信路7で相互通信可能に接続される1以上の中継装置2(図示する例では、2つの中継装置2‐1,2‐2)、及び、各中継装置2‐1,2‐2にそれぞれ有線又は無線の通信路8‐1,8‐2で相互通信可能に接続される1以上のブラインド3‐N及び1以上のブラインド4‐M(N,Mは、1以上の自然数)を備える。
【0038】
各ブラインド3‐N,4‐Mは、限定するものではないがそれぞれ同一構造の電動ブラインドで構成され、特に本例では、多数段のスラットを電動により昇降可能、且つチルト可能に構成した電動横型ブライドを例に説明する。
【0039】
そして、各ブラインド3‐N,4‐Mは、そのスラットの昇降動作及びチルト動作を、例えばパーソナルコンピュータで構成可能な管理装置1により各中継装置2‐1,2‐2を介して自動制御可能に構成されている。また、各ブラインド3‐N,4‐Mは、それぞれに任意位置への昇降動作及び任意角度へのチルト動作を個別に操作可能とする個別スイッチ5が設けられており、個別スイッチ5による各ブラインド3‐N,4‐Mの操作が行われると、その操作状況は中継装置2及び管理装置1に伝えられ、管理装置1は各ブラインド3‐N,4‐Mの操作状況を把握し監視することができる。尚、個別スイッチ5は、必ずしも設ける必要はない。
【0040】
以下、代表して、ブラインド3‐N、管理装置1及び中継装置2‐1について、本発明に係る構成要素と、これらの動作について詳細に説明する。
【0041】
〔ブラインドの構成〕
図2は、本発明による一実施形態の電動横型ブラインドを示す概略構成図である。
図2に示すブラインド3‐N(電動横型ブラインド)は、ヘッドボックス31から吊下支持される複数本のラダーコード32に多数段のスラット(遮蔽材)33が支持され、ラダーコード2の下端にはボトムレール34が吊下支持されている。
【0042】
スラット33には、ラダーコード2による支持位置近傍でテープ状又は紐状の昇降コード35が挿通され、その昇降コード35の下端にはボトムレール4が吊下支持されている。
【0043】
ラダーコード32の上端はヘッドボックス31内に配設されるラダーコード吊下装置36に取着され、昇降コード35の上端はヘッドボックス31内に配設される昇降コード巻取装置37に巻き取り可能に支持されている。ラダーコード吊下装置36には六角棒状の角度調節軸38が相対回転不能に挿通されている。
【0044】
ヘッドボックス31の一端部にはステッピングモーター39が取着され、そのステッピングモーター39の出力軸の回転は、ギヤボックス40を介して角度調節軸38に伝達される。そして、角度調節軸38が正逆方向に回転されると、ラダーコード吊下装置36及びラダーコード32を介して各スラット33が回動される。
【0045】
ヘッドボックス31の長手方向中央部には昇降モーター44が設けられ、その昇降モーター44の両側からヘッドボックス31の長手方向に延設される六角棒状の昇降軸45が昇降コード巻取装置47に相対回転不能に挿通されている。昇降モーター44は、ボトムレール34及びスラット33を昇降するために充分なトルクを発生する交流モーター或いは直流モーターで構成される。
【0046】
そして、昇降モーター44の作動により昇降軸45が回転されると、昇降コード巻取装置47により昇降コード45が巻き取られ、或いは巻き戻されて、スラット33及びボトムレール34が昇降される。
【0047】
ヘッドボックス31内には、制御ユニット50が昇降モーター44に隣接して配設されている。この制御ユニット50は、この電動横型ブラインドの近傍に設置される操作スイッチ5やマルチスイッチ6‐1から出力されるブラインド制御信号、或いは管理装置1から出力される制御信号を中継装置2‐1を介して変換されたブラインド制御信号を受信し、このブラインド制御信号に応じて電動横型ブラインドの動作を制御する。
【0048】
ヘッドボックス31の一端部には電源部42が配設される。この電源部42は電源コード38を介して供給される交流100Vの商用電源に基づいて、所要の交流電源電圧及び直流電源電圧を生成して、昇降モーター44、制御ユニット50及びステッピングモーター39等に供給する。
【0049】
ラダーコード32の吊下位置近傍において、ヘッドボックス31の下面には下方へ突出する上限検知スイッチ41が設けられ、スラット33が上限まで引き上げられて上限検知スイッチ41に当接したとき、上限検知スイッチ41はその検出信号を制御ユニット50に出力するようになっている。
【0050】
また、昇降モーター44内には、昇降高さ認識用エンコーダー46が内蔵され、昇降モーター44の出力軸の回転にともなってパルス信号を生成し、そのパルス信号を制御ユニット50に出力するようになっている。
【0051】
さらに、昇降コード巻取装置47には障害物検知スイッチ47が設けられ、スラット33の下降操作時にボトムレール34の下降動作が障害物により妨げられているか否かを昇降コード35に弛みが生じたか否かで検出するものであり、その検出信号を制御ユニット50に出力するようになっている。
【0052】
(制御ユニットの構成)
次に、
図3を参照して、制御ユニット50の構成を説明する。
図3は本発明による一実施形態の電動横型ブラインドにおける制御ユニット50の概略構成を示すブロック図である。制御ユニット50は、制御部51、個別スイッチ通信制御部52、記憶部53、通信部54、駆動部55,56、パルス信号受信部57、及び検知信号受信部58,59を備える。
【0053】
制御部51は、操作信号実行手段511、制御コマンド実行手段512、チルト速度可変制御手段513、及び状態保持更新手段514を備える。
【0054】
尚、本例の制御部51をコンピュータで構成させることができる。当該コンピュータに、制御部51の各手段を実現させるためのプログラムは、当該コンピュータの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される。コンピュータに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部51の各手段を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部51の機能に相当する処理をコンピュータに実現させることができる。尚、
図3に例示した制御部51の各手段の一部をハードウェアで実現し、その他の部分をコンピュータで構成させることもできる。
【0055】
操作信号実行手段511は、個別スイッチ通信制御部52を介して操作スイッチ5から出力されるチルト操作や昇降操作に関する操作信号を入力し、当該操作信号に対応するチルト操作や昇降操作を実行するよう動作する機能を有する。より具体的には、操作信号実行手段511は、個別スイッチ5を経て利用者によって指定される任意のチルト量・昇降位置について、当該チルト量となるよう駆動部55を介してステッピングモーター9を制御しスラット33を回動させ、或いは当該昇降位置となるよう駆動部56を介して昇降モーター14を制御しスラット33を昇降させる。
【0056】
制御コマンド実行手段512は、通信部54を介して管理装置1から中継装置2‐1経由で制御指令されるチルト速度でのチルト動作や昇降動作に関する制御コマンドを入力し、当該チルト動作や昇降動作を実行する機能を有する。より具体的には、制御コマンド実行手段512は、管理装置1から制御指定されるチルト量・昇降位置について、当該チルト量となるよう駆動部55を介してステッピングモーター9を制御しスラット33を回動させ、或いは当該昇降位置となるよう駆動部56を介して昇降モーター14を制御しスラット33を昇降させる。また、制御コマンドには、チルト量及び昇降位置に関する制御パラメーターの他、複数種のチルト速度(即ち、スラット33の回動速度)に関する制御パラメーターが含まれており、制御コマンド処理手段512は、チルト速度可変制御手段513を作動させて、当該制御コマンド内の制御パラメーターに基づいたチルト速度でスラット33を回動させる機能を有する。
【0057】
チルト速度可変制御手段513は、当該チルト速度に対応する制御パターンで、駆動部55を介してステッピングモーター9を制御可能に構成され、制御コマンド処理手段512によって実行する制御コマンド内の制御パラメーターに基づいて駆動部55を介してステッピングモーター9を制御する。例えば、高速(Fast)、中速(Middle)及び低速(Slow)の制御パラメーターが制御コマンドで制御指令可能に構成されているとき、当該入力される制御コマンドに基づいたチルト速度でスラット33を回動させるよう駆動部55を介してステッピングモーター9を制御する。
【0058】
尚、操作信号実行手段511及び制御コマンド実行手段512は、スラット33のチルト動作及び昇降動作の制御中、ステッピングモーター9のパルス数をカウントして制御中のチルト量を監視する機能、検知信号受信部58を経て得られる上限検知スイッチ41からの検出信号を監視する機能、検知信号受信部59を経て得られる障害物検知スイッチ47からの検出信号を監視する機能、パルス信号受信部57を経て得られる昇降高さ認識用エンコーダー46からのパルス信号のパルス数をカウントして制御中の昇降位置を監視する機能を有する。したがって、操作信号実行手段511及び制御コマンド実行手段512は、これらの監視下で、それぞれ操作信号及び制御コマンドを実行するよう構成される。
【0059】
状態保持更新手段514は、操作信号実行手段511や制御コマンド実行手段512によるステッピングモーター9及び昇降モーター14の制御で実行されたスラット33のチルト量及び昇降位置を状態情報として記憶部53に保持させて、スラット33のチルト量及び昇降位置が変化する度に記憶部53に保持させた状態情報を更新するとともに、通信部54を介して中継装置2‐1に送信する機能を有する。中継装置2‐1に送信された状態情報は、状態保持更新手段514の機能により、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信される。したがって、各ブラインド3‐Nのチルト量及び昇降位置に関する状態情報は、中継装置2‐1及び管理装置1にて保持され更新される。
【0060】
このように、ブラインド3‐N(電動横型ブラインド)は、中継装置2‐1からは制御コマンドを受け付け、個別スイッチ5からは操作信号を受け付けて、対応するスラット33のチルト量・チルト速度・昇降位置へと動作するようになっている。
【0061】
〔管理装置の構成〕
管理装置1は、本実施形態の電動ブラインド制御システムにおける全てのブラインドに対するチルト量及び昇降位置について、使用環境に応じて自動制御するよう構成される。使用環境は、各ブラインドの設置場所や設置数、明るさ(天候状態等)並びに朝・昼・夜などに区分した使用時間帯域によって異なりうる状況にある。尚、管理装置1によって各ブラインドをマニュアル操作で個別に指定して遠隔操作することもできるが、本発明の主題でないことから、以下では、管理装置1によって使用環境に応じて自動制御する点について主に説明する。
【0062】
図7は本発明による一実施形態の管理装置1の概略構成を示すブロック図である。管理装置1は、制御部11、ユーザIF制御部12、記憶部13、表示制御部14、及び通信部15を備える。
【0063】
制御部11は、状態管理手段111、制御モード設定手段112、制御コマンド生成送信手段113、及びチルト速度適応決定手段114を備える。
【0064】
尚、本例の管理装置1をコンピュータで構成させることができる。当該コンピュータに、制御部11の各手段を実現させるためのプログラムは、当該コンピュータの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される。コンピュータに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部11の各手段を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部11の機能に相当する処理をコンピュータに実現させることができる。尚、
図4に例示した制御部11の各手段の一部をハードウェアで実現し、その他の部分をコンピュータで構成させることもできる。
【0065】
状態管理手段111は、本実施形態の電動ブラインド制御システムに含まれる全てのブラインドにおけるスラット33のチルト量及び昇降位置を状態情報として記憶部13に保持しており、各ブラインドのスラット33のチルト量及び昇降位置が変化する度に、通信部15を介して対応する中継装置2(
図1に示す例では、中継装置2‐1又は2‐2)経由で状態情報を取得し、記憶部13に保持させた状態情報を更新する機能を有する。そして、状態管理手段111は、制御コマンド生成送信手段113によって制御コマンドを生成する前に、記憶部13に保持させた状態情報を確認する機能を有する。
【0066】
制御モード設定手段112は、本実施形態の電動ブラインド制御システムの管理者によって所定の操作部(図示せず)からユーザIF制御部12を介して入力される指定の制御モードを、ブラインド毎に朝・昼・夜などに区分した使用時間帯域によって異なる制御が可能に予め定められた制御区分(即ち、使用環境)で制御モードを設定し、記憶部13に保持する。
【0067】
尚、記憶部13には、
図5に示すように、中継装置のアドレス、各中継装置に接続される各ブラインドのアドレス、各ブラインドの状態情報、及び制御モードを対応付けた管理装置状態管理テーブルを保持するのが好適である。そして、制御部11の機能により、表示制御部14を介して設定画面を所定の表示部(図示せず)に表示させ、中継装置のアドレス、各ブラインドのアドレス及び制御モードについて、当該管理者によって所定の操作部(図示せず)からユーザIF制御部12を介して入力し設定可能とするよう構成することができる。
【0068】
ここで、「制御モード」とは、使用環境における予め定めた環境差異要素(例えば以下のような要素)について予め定めた組み合わせで区別した制御指令とし、それぞれの制御指令は、個別に指定可能な制御パラメーターにより表される。
・スラットの水平状態、全閉状態、逆全閉状態の差異
・スラットの小角度のチルト量の差異
・ボトムレールの下限・上限・中間の昇降位置の差異
・朝・昼・夜など予め定めた時間帯域の差異
・天候変化や照明変化などの明るさの差異
・ブラインドの設置数の差異
・ブラインドの設置場所の差異
・スラットのチルト速度の差異
・ブラインドの個別スイッチの有無による差異
・設置されるブラインドの性能が異なる際に、その性能の差異
・現在の状態情報を基にチルト速度を適応決定するか否かの差異
このような複数種の環境差異要素の組み合わせの種類で、それぞれ制御モードをモードA、モードB、モードC、・・・のように区別した制御指令とすることができ、それぞれの制御指令を個別に指定可能な制御パラメーターで表すことができる。
【0069】
そして、本発明に係る制御コマンドは、使用環境に応じて少なくとも2以上又は無段階のチルト速度の差異を直接的又は間接的に指示可能な制御パラメーターを含むように構成される。
【0070】
制御コマンド生成送信手段113は、当該使用環境に応じて設定された制御モードに基づいて、各ブラインドにおけるスラットのチルト動作及び昇降動作に関する制御指令を制御コマンドとして自動的に生成し、通信部15を介して指定の中継装置2‐1に、或いは指定の中継装置2経由で指定のブラインドに、自動的に当該制御コマンドを送信する機能を有する。例えば、制御コマンド生成送信手段113は、常時、又は定期的に、記憶部13に格納されている管理装置状態管理テーブルを参照し、設定されている制御モードに応じて、指定の中継装置2‐1に、或いは指定の中継装置2経由で指定のブラインドに、当該制御コマンドを送信する。
【0071】
また、制御コマンド生成送信手段113は、当該使用環境に応じて設定された制御モードに基づいて複数種のチルト速度によるチルト動作が予定されている際に、そのチルト速度の種別を判別し、そのチルト速度の種別に応じて送信する制御コマンドの回数を変えて生成する機能を有するように構成することができる。例えば、高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作では1回分の制御コマンドを生成して送信し、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的なチルト速度でチルト動作を制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して複数回に分けて送信する機能を有するように構成することができる。
【0072】
また、チルト速度適応決定手段114は、現在の状態情報を基にチルト速度を適応的に決定する機能を有し、制御コマンド生成送信手段113は、設定されている制御モードに応じて、現在の状態情報を基にチルト速度を決定するものであるときは、状態管理手段111により記憶部13に保持させた状態情報を確認させ、チルト速度適応決定手段113を作動させて、制御コマンドを生成する機能を有する。
【0073】
本例では、中継装置2やブラインドごとのアドレスを基に、それぞれ制御信号を送信するよう構成する例を示しているが、例えば、中継装置2やブラインドごとに識別子を与えて、当該制御コマンドに制御指令対象とする中継装置2やブラインドの識別子を付加するように構成することもできる。この場合には、各中継装置2やブラインドは、当該制御コマンドを受信する度に自身を指定するものであるか否かを判別し、自身を指定するものであれば当該制御コマンドに応じる動作を行い、自身を指定するものでなければ当該制御コマンドを無視するよう構成することができる。
【0074】
このように、管理装置1は、当該使用環境に応じて設定された制御モードに基づいて、各ブラインドにおけるスラットのチルト動作及び昇降動作に関する制御指令を制御コマンドとして自動的に生成し、通信部15を介して指定の中継装置2‐1に、或いは指定の中継装置2経由で指定のブラインドに、自動的に当該制御コマンドを送信するようになっている。
【0075】
〔中継装置の構成〕
中継装置2‐1は、管理装置1からの制御コマンドを受け付け、操作対象のブラインドへと中継して出力する装置である。
図6は本発明による一実施形態の中継装置2‐1の概略構成を示すブロック図である。中継装置2‐1は、制御部21、記憶部22、及び通信部23,24を備える。
【0076】
制御部21は、状態管理手段211、制御コマンド中継制御手段212、及び制御コマンド分析手段213を備える。
【0077】
尚、本例の中継装置2‐1をコンピュータで構成させることができる。当該コンピュータに、制御部21の各手段を実現させるためのプログラムは、当該コンピュータの内部又は外部のメモリ(図示せず)に記憶される。コンピュータに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、制御部21の各手段を実現するための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、当該メモリから読み込んで、制御部21の機能に相当する処理をコンピュータに実現させることができる。尚、
図6に例示した制御部21の各手段の一部をハードウェアで実現し、その他の部分をコンピュータで構成させることもできる。
【0078】
状態管理手段211は、当該中継装置2‐1に接続される全てのブラインドにおけるスラット33のチルト量及び昇降位置を状態情報として記憶部22に保持しており、各ブラインドのスラット33のチルト量及び昇降位置が変化する度に、通信部24を介して対応するブラインド3‐Nから状態情報を取得し、記憶部22に保持させた状態情報を更新するとともに、通信部23を介して当該状態情報を管理装置1に送信する機能を有する。
【0079】
制御コマンド中継制御手段212は、通信部23を介して管理装置1から受け付けた制御コマンドを、通信部24を介してブラインド3‐Nに向けて出力する機能を有する。また、制御コマンド中継制御手段212は、通信部23を介して管理装置1から受け付けた制御コマンドについて、制御コマンド分析手段213を作動させて管理装置1からの制御コマンドを分析し、複数種の制御コマンドへと分割して、通信部24を介してブラインド3‐Nに向けて出力する機能を有するように構成することができる。
【0080】
制御コマンド分析手段213は、管理装置1から受け付けた制御コマンドについて制御コマンドを分析し、複数種の制御コマンドへと分割する機能を有する。例えば、管理装置1から受け付けた制御コマンドが複数のチルト速度によるチルト動作が予定されている際にそのチルト速度の種別を判別し、高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作では1回分の制御コマンドを生成し、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成する機能を有する。
【0081】
また、制御コマンド分析手段213は、例えば、管理装置1から受け付けた制御コマンドが制御指令のチルト量で与えられている場合に、現在の状態情報に基づくチルト量と、当該制御指令のチルト量との角度差を求め、この角度差が所定値未満の場合に高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作で1回分の制御コマンドを生成し、当該角度差が所定値以上で大きい場合に低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作で複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成する機能を有するよう構成することもできる。
【0082】
このように、中継装置1は、管理装置1からの制御コマンドをそのままブラインド3‐Nに向けて出力する構成や、管理装置1からの制御コマンドを分析して複数種の制御コマンドへと分割しブラインド3‐Nに向けて出力する構成とすることができる。
【0083】
以下、本実施形態の電動ブラインド制御システムにおける各実施例の制御動作を順に説明する。
【0084】
(実施例1)
図7は、本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例1の制御動作を示すブロック図である。また、
図8は、本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例1の制御動作による動作説明図である。
【0085】
まず、
図7を参照するに、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により、当該使用環境に応じて設定された可変のチルト速度とする制御モードに基づいて、自動的に各ブラインドにおけるスラット33のチルト速度を指定した制御パラメーターを含む制御コマンドを生成し、指定の中継装置2‐1に送信する(ステップS11a)。
【0086】
続いて、中継装置2は、制御コマンド中継制御手段212により、管理装置1から受け付けた制御コマンドを指定のブラインド3‐Nに向けて出力する(ステップS12)。
【0087】
続いて、ブラインド3‐Nは、制御コマンド実行手段512により、当該制御コマンドによって制御指令されるチルト速度でチルト動作を実行する(ステップS14)。
【0088】
ブラインド3‐Nは、このチルト動作の際に、チルト速度可変制御手段513により、当該チルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御する(ステップS15)。例えば、高速(Fast)、中速(Middle)及び低速(Slow)の制御パラメーターが制御コマンドで制御指令可能に構成されているとき、当該入力される制御コマンドに基づいたチルト速度でスラット33を回動させるよう駆動部55を介してステッピングモーター9を制御する。
【0089】
続いて、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS16)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する(ステップS17,S18)。
【0090】
一方、チルト操作や昇降操作に関して個別スイッチ5が操作されたときは(ステップS11b)、ブラインド3‐Nは、操作信号実行手段511により、その操作信号を入力し、当該操作信号に対応するチルト操作や昇降操作を実行するよう動作する(ステップS13)。
【0091】
尚、操作信号に当該チルト速度の制御パラメーターを含むよう構成したときは、当該個別スイッチ5によりチルト操作や昇降操作が実行される際に(ステップS13)、ステップS15へと移行し、このチルト動作の際に、このチルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御するよう構成することもできる。操作信号に基づく操作後も、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS16)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する(ステップS17,S18)。尚、ブラインド3‐Nは、制御コマンドによる実行操作中に操作信号を受け付けた際には、操作信号による実行操作を優先する。
【0092】
このような実施例1の動作では、例えば
図8に示すような動作態様を実現することができる。即ち、管理装置1は、使用環境に応じて設定されたチルト速度の制御パラメーター(P)を含む制御コマンドを各中継装置2‐1,2‐2を経て、指定のブラインド3‐N,4‐Mへと送信する。当該指定のブラインド3‐N,4‐Mは、制御パラメーター(P)に応じて、チルト速度を可変にチルト動作を実行する。
【0093】
例えば、制御パラメーター(P):
・高速(Fast) …速く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt1)
・中速(Middle)…通常回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt2(>t1))
・低速(Slow) …遅く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt3(>t2))
として2以上又は無段階のチルト速度で可変に制御指令とすることができる。
【0094】
このとき、当該指定のブラインド3‐N,4‐Mは、制御パラメーター(P)に従ってチルト動作するよう制御する。このように、使用環境に応じてチルト速度の使い分けが可能となるよう制御パラメーター(P)を規定し制御コマンドに含めて制御するように構成することで、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。そして、個別スイッチ5による操作信号に当該制御パラメーターを含むよう構成することでも、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。
【0095】
(実施例2)
図9は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例2の制御動作を示すブロック図である。
図10は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例2の制御動作による動作説明図である。
【0096】
まず、
図9を参照するに、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により制御コマンドを生成する前に、状態管理手段111により記憶部13に保持させた各ブラインドの状態情報を確認させる(ステップS21)。
【0097】
続いて、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により、当該使用環境に応じて設定された制御モードに基づいて前述した制御パラメーター(P)のように複数のチルト速度によるチルト動作が予定されている際に、そのチルト速度の種別を判別し(ステップS22)、高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作では(ステップS22:No)、1回分の制御コマンドを生成して送信し、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では(ステップS22:Yes)、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して複数回に分けて送信する(ステップS23)。
【0098】
続いて、中継装置2は、制御コマンド中継制御手段212により、管理装置1から受け付けた1回分又は複数回分の制御コマンドを指定のブラインド3‐Nに向けて出力する(ステップS24)。
【0099】
続いて、ブラインド3‐Nは、制御コマンド実行手段512により、当該1回分の制御コマンドによって制御指令されるチルト速度でチルト動作を実行するか、又は当該複数回分の制御コマンドによって制御指令される小角度のチルト量で段階的なチルト速度でチルト動作を制御する(ステップS25)。
【0100】
ブラインド3‐Nは、このチルト動作の際に、チルト速度可変制御手段513により、当該チルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御する(ステップS26)。
【0101】
続いて、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS27)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する。
【0102】
このような実施例2の動作では、例えば
図10に示すような動作態様を実現することができる。即ち、管理装置1は、使用環境に応じて設定されたチルト速度の制御パラメーター(P)を含む制御コマンドを各中継装置2‐1,2‐2を経て、指定のブラインド3‐N,4‐Mへと送信する。当該指定のブラインド3‐N,4‐Mは、制御パラメーター(P)に応じて、チルト速度を可変にチルト動作を実行する。
【0103】
例えば、制御パラメーター(P):
・高速(Fast) …速く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt1)
・低速(Slow) …遅く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt2(>t1))
として2つのチルト速度で可変に制御指令とすることができ、これに加えて、
・角度差(A) …前回と今回の角度差(例:角度差10度以上)
・1回あたりの角度変化量(B)…(例:3度)
・送信間隔(C) …(例:1分)
・送信回数(D) …=A/B (例:水平→全開(80度)/3度=27回送信
として規定する。尚、上記に例示する具体的な角度差、角度変化量、送信間隔及び送信回数の数値は、本発明の理解を高めるために例示したものであり、本発明は、このような数値レベルに限定するものではないことに留意する。
【0104】
このとき、管理装置1は、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して複数回に分けて送信する。より具体的には、管理装置1は、遅く回転させたい場合は、現在の状態情報に基づくチルト量と、今回の制御によるチルト量とを比較し、その差分(即ちチルト角の角度差)が大きい場合には、少量の変化角度(B)を、一定の間隔(C)で、数回(D)に分けて制御コマンドを送信する。これにより、急激な角度変化を緩慢にすることができる。例えば、上記の例では、27回送信×1分間隔=27分となり、27分かけて、水平から全開へ3度ずつ小刻みにチルト動作するので、その使用環境に関する明るさ変化も段階的に少しずつ変化することとなり、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。尚、当該制御コマンドによる動作中に、個別スイッチ5による操作信号を受け付けたブラインド3‐1は、この個別スイッチ5による操作信号を優先する。
【0105】
(実施例3)
図11は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例3の制御動作を示すブロック図である。
図12は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例3の制御動作による動作説明図である。
【0106】
まず、
図11を参照するに、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により、当該使用環境に応じて設定された可変のチルト速度とする制御モードに基づいて、自動的に各ブラインドにおけるスラット33のチルト速度を指定した制御パラメーターを含む制御コマンドを生成し、指定の中継装置2‐1に送信する(ステップS31)。
【0107】
続いて、中継装置2‐1は、制御コマンド中継制御手段212により制御コマンドを中継する前に、状態管理手段211により記憶部22に保持させた各ブラインドの状態情報を確認させる(ステップS32)。
【0108】
続いて、中継装置2‐1は、制御コマンド分析手段213により、管理装置1から受け付けた制御コマンドについて制御コマンドを分析し、当該使用環境に応じて設定された制御モードに基づいて前述した実施例1の制御パラメーター(P)のように複数のチルト速度によるチルト動作が予定されている際に、そのチルト速度の種別を判別し(ステップS33)、高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作では(ステップS33:No)、1回分の制御コマンドを生成して、制御コマンド中継制御手段212により送信させ(ステップS34)、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では(ステップS33:Yes)、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して、制御コマンド中継制御手段212により複数回に分けて送信させる(ステップS35)。
【0109】
続いて、ブラインド3‐Nは、制御コマンド実行手段512により、当該1回分の制御コマンドによって制御指令されるチルト速度でチルト動作を実行するか、又は当該複数回分の制御コマンドによって制御指令される小角度のチルト量で段階的なチルト速度でチルト動作を制御する(ステップS36)。
【0110】
ブラインド3‐Nは、このチルト動作の際に、チルト速度可変制御手段513により、当該チルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御する(ステップS37)。
【0111】
続いて、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS38)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する。
【0112】
このような実施例3の動作では、例えば
図12に示すような動作態様を実現することができる。即ち、管理装置1は、使用環境に応じて設定されたチルト速度の制御パラメーター(P)を含む制御コマンドを中継装置2‐1,2‐2に送信し、中継装置2‐1,2‐2はそのチルト速度が低速であれば分割して指定のブラインド3‐N,4‐Mへと中継送信する。当該指定のブラインド3‐N,4‐Mは、制御パラメーター(P)に応じて、チルト速度を可変にチルト動作を実行する。
【0113】
例えば、管理装置1からの制御パラメーター(P):
・高速(Fast) …速く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt1)
・中速(Middle)…通常回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt2(>t1))
・低速(Slow) …遅く回転(全閉〜逆全閉の動作時間をt3(>t2))
として2以上又は無段階のチルト速度で可変に制御指令とすることができ、
中継装置2からの制御パラメーター(P)は、上記に加えて、
・角度差(A) …前回と今回の角度差(例:角度差10度以上)
・1回あたりの角度変化量(B)…(例:3度)
・送信間隔(C) …(例:1分)
・送信回数(D) …=A/B (例:水平→全開(80度)/3度=27回送信
として規定する。尚、上記に例示する具体的な角度差、角度変化量、送信間隔及び送信回数の数値は、本発明の理解を高めるために例示したものであり、本発明は、このような数値レベルに限定するものではないことに留意する。
【0114】
このとき、中継装置2は、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作では、現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して複数回に分けて送信する。より具体的には、中継装置2は、遅く回転させたい制御コマンドの場合は、現在の状態情報に基づくチルト量と、今回の制御によるチルト量とを比較し、その差分(即ちチルト角の角度差)が大きい場合には、少量の変化角度(B)を、一定の間隔(C)で、数回(D)に分けて制御コマンドを送信する。これにより、急激な角度変化を緩慢にすることができる。例えば、上記の例では、27回送信×1分間隔=27分となり、27分かけて、水平から全開へ3度ずつ小刻みにチルト動作するので、その使用環境に関する明るさ変化も段階的に少しずつ変化することとなり、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。尚、当該制御コマンドによる動作中に、個別スイッチ5による操作信号を受け付けたブラインド3‐1は、この個別スイッチ5による操作信号を優先する。
【0115】
(実施例4)
図13は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例4の制御動作を示すブロック図である。
図14は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例4の制御動作による動作説明図である。
【0116】
まず、
図11を参照するに、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により、当該使用環境に応じて設定された可変のチルト速度とする制御モードに基づいて、自動的に各ブラインドにおけるスラット33のチルト量を指定した制御パラメーターを含む制御コマンドを生成し、指定の中継装置2‐1に送信する(ステップS41)。
【0117】
続いて、中継装置2‐1は、制御コマンド中継制御手段212により制御コマンドを中継する前に、状態管理手段211により記憶部22に保持させた各ブラインドの状態情報を確認させる(ステップS42)。
【0118】
続いて、中継装置2‐1は、制御コマンド分析手段213により、管理装置1から受け付けた制御コマンドについて分析し(ステップS43)、現在の状態情報に基づくチルト量と、当該制御指令のチルト量との角度差を求め(ステップS44)、この角度差が所定値未満の場合に(ステップS44:No)、高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作で1回分の制御コマンドを生成し、制御コマンド中継制御手段212により送信させ(ステップS45)、当該角度差が所定値以上で大きい場合に(ステップS44:Yes)、低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作で複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成し、制御コマンド中継制御手段212により複数回に分けて送信させ(ステップS46)。
【0119】
続いて、ブラインド3‐Nは、制御コマンド実行手段512により、当該1回分の制御コマンドによって制御指令されるチルト速度でチルト動作を実行するか、又は当該複数回分の制御コマンドによって制御指令される小角度のチルト量で段階的なチルト速度でチルト動作を制御する(ステップS47)。
【0120】
ブラインド3‐Nは、このチルト動作の際に、チルト速度可変制御手段513により、当該チルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御する(ステップS48)。
【0121】
続いて、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS49)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する。
【0122】
このような実施例4の動作では、例えば
図14に示すような動作態様を実現することができる。即ち、管理装置1は、使用環境に応じて設定されたチルト量の制御パラメーター(P)を含む制御コマンドを中継装置2‐1,2‐2に送信し、中継装置2‐1,2‐2はそのチルト量からチルト速度を決定し、チルト速度を低速とするときは分割して指定のブラインド3‐N,4‐Mへと中継送信する。当該指定のブラインド3‐N,4‐Mは、制御パラメーター(P)に応じて、チルト速度を可変にチルト動作を実行する。
【0123】
例えば、管理装置1からの制御パラメーター(P):
・チルト量
として、このチルト量から中継装置2によって2以上又は無段階のチルト速度で可変に制御指令を背精させるようにすることができ、
中継装置2からの制御パラメーター(P)は、上記に加えて、
・角度差(A) …前回と今回の角度差(例:角度差10度以上)
・1回あたりの角度変化量(B)…(例:3度)
・送信間隔(C) …(例:1分)
・送信回数(D) …=A/B (例:水平→全開(80度)/3度=27回送信
として規定する。尚、上記に例示する具体的な角度差、角度変化量、送信間隔及び送信回数の数値は、本発明の理解を高めるために例示したものであり、本発明は、このような数値レベルに限定するものではないことに留意する。
【0124】
このとき、中継装置2は、管理装置1からのチルト量の制御パラメーター(P)から、
現在の状態情報に基づくチルト量から角度差が大きい場合に複数回分の小角度のチルト量で段階的に制御するよう複数回分の制御コマンドを生成して複数回に分けて送信する。これにより、急激な角度変化を緩慢にすることができる。例えば、上記の例では、27回送信×1分間隔=27分となり、27分かけて、水平から全開へ3度ずつ小刻みにチルト動作するので、その使用環境に関する明るさ変化も段階的に少しずつ変化することとなり、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。尚、当該制御コマンドによる動作中に、個別スイッチ5による操作信号を受け付けたブラインド3‐1は、この個別スイッチ5による操作信号を優先する。
【0125】
(実施例5)
図15は本発明による一実施形態の電動ブラインド制御システムにおける実施例5の制御動作を示すブロック図である。実施例5の制御動作は、前述した実施例1乃至実施例4の角度差やチルト速度の判別を全てブラインドの制御ユニット50における制御部51側で判断させる例である。
【0126】
図15を参照するに、管理装置1は、制御コマンド生成送信手段113により、当該使用環境に応じて設定された可変のチルト速度とする制御モードに基づいて、自動的に各ブラインドにおけるスラット33のチルト量又はチルト速度を指定した制御パラメーターを含む制御コマンドを生成し、指定の中継装置2‐1に送信する(ステップS51)。
【0127】
続いて、中継装置2‐1は、制御コマンド中継制御手段212により制御コマンドを中継する(ステップS52)。
【0128】
続いて、ブラインド3‐1は、制御部51の機能により、現在の状態情報を確認するとともに(ステップS53)、当該制御コマンドについて分析して、当該制御指令がチルト量であれば現在の状態情報に基づくチルト量と、当該制御指令のチルト量との角度差を求め、この角度差が所定値未満の場合に高速(Fast)のチルト速度によるチルト動作を実行し、当該角度差が所定値以上で大きい場合には低速(Slow)のチルト速度によるチルト動作を実行する(ステップS54)。また、当該制御指令がチルト速度であれば、これに対応するチルト動作を行う。
【0129】
より具体的には、ブラインド3‐Nは、チルト速度可変制御手段513により、当該チルト速度に対応する制御パターンで、ステッピングモーター9を制御する(ステップS55)。
【0130】
続いて、ブラインド3‐Nは、状態保持更新手段514により、当該実行されたスラット33のチルト量を状態情報として記憶部53に保持又は更新し(ステップS56)、中継装置2‐1を経て管理装置1へと送信する。
【0131】
このような実施例5の動作でも、ブラインド3‐Nの処理負担が増えるものの、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。
【0132】
以上のように、本実施形態の電動横型ブラインドシステムによれば、電動ブラインドの遮蔽量調整動作に伴う利用者の不快感を軽減させることができる。例えば、管理装置1は、電動横型ブラインドにおいて、チルト動作の角度差が大きい場合に速くチルト動作させると急激に明るさなどの環境が変化し、この明るさ変化が利用者に不快感を与えうるため、遅い遮蔽量調整動作の制御を行う。また、例えば、管理装置1は、照度計の値を基に晴れから曇りに変化したと判断した場合に、直射光を遮るスラット角度から水平状態に動作させるときは、遅い遮蔽量調整動作の制御を行う。また、例えば、管理装置1は、照度計の値を基に曇りから晴れに変化したと判断した場合に、直射光を遮るべく水平状態から直射光を遮る角度に動作させるときは、速い遮蔽量調整動作の制御を行う。また、例えば、管理装置1は、夜間全閉(又は水平)などの固定角度に移行させる場合に、遅い遮蔽量調整動作の制御を行う。
【0133】
このように、使用環境の変化について予め定めた変化要素を制御モードとして変更可能に設定することで、任意の使用環境の変化に適応した遮蔽量調整動作を実現できるようになる。
【0134】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、管理装置1が制御対象とするブラインドは、横型ブラインドに限定する必要はなく、前述したチルト量は遮蔽材の遮蔽量調整量とし、昇降位置は遮蔽材の遮蔽位置とし、チルト速度は遮蔽量調整速度として適用すれば様々な形態の電動ブラインドに本発明に係る技法を適用することができる。
【0135】
また、上述の実施形態及び実施例の説明では、管理装置1が制御対象とするブラインドの操作が行われると、その都度、その状態情報が中継装置2及び管理装置1に伝えられるよう構成した例を説明したが、本発明は、この形態に限定するものではない。例えば、管理装置1は、中継装置2が管理しているブラインドの状態情報を収集するように構成し、この収集に係るトリガーは、管理装置1からの定期的な要求時、もしくは中継装置2内にあるタイマーにて定期的に収集するよう構成することができる。或いはまた、管理装置1は、常時監視として、絶えず、各ブラインドの状態情報を収集するよう構成することができる。
【0136】
また、上述の実施形態及び実施例の説明において、本発明に係る制御コマンドは、使用環境に応じて少なくとも2以上又は無段階のチルト速度の差異を直接的又は間接的に指示可能な制御パラメーターを含むように構成されるとして説明したが、ここで、2以上のチルト速度は、例えば、前述の高速(Fast)、中速(Middle)及び低速(Slow)等の予め定めた速度範囲を意味し、無段階のチルト速度は、より幅広いレンジの可変域を意味しており、例えば管理者が指定する速度値に最も近いパルス速度で当該ステッピングモーター39を制御するよう構成することができる。より具体的には、制御コマンド内に、実際にステッピングモーター39を駆動させるパルス速度の値(又はパルス速度に対応する値)を含めるようにして、無段階のチルト速度による速度制御が可能となるよう構成することができる。