(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アシスト層が、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、金属酸化物、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属または金属誘導体を含む組成物から形成される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
前記アシスト層に、前記中間層に、および前記基材に、前記パターンを転写することを更に含み、前記基材に転写される前記パターンは、32nm未満の解像度を有する、請求項1、3ないし7のいずれか1項に記載の方法。
前記フォトレジスト層にパターンを形成することが、前記フォトレジスト層の一部を除去するように、前記フォトレジスト層を現像剤に接触させることを含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
請求項2、3ないし7のいずれか1項に記載の方法であって、さらに前記パターンを前記アシスト層および前記基板へ転写し、前記基材に転写される前記パターンは、32nm未満の解像度を有する、ことを含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】30nmラインのためのドーズ量対サイズ比を示すグラフである。
【
図2】配合物1Aを用いる30nmラインのトップダウン画像を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図3】配合物1Cを用いる30nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図4】配合物2を用いる30nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図5】配合物3を用いる30nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図6】配合物4を用いる30nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図7】E
2Stack
(R)AL412を用いる30nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図8】26nmラインのためのドーズ量対サイズ比を示すグラフである。
【
図9】配合物1Aを用いる26nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図10】配合物2を用いる26nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図11】配合物3を用いる26nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図12】配合物4を用いる26nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図13】E
2Stack
(R)AL412を用いる26nmラインのトップダウン画像を示すSEM写真である。
【
図14】実施例8に記載するように、リソグラフィ後の、48nmラインおよびスペースの断面画像を示すSEM写真である。
【
図15】実施例8に記載するように、CF
4エッチング後の、48nmラインおよびスペースの断面画像を示すSEM写真である。
【
図16】実施例8に記載するように、Ar:CO
2エッチング後の、48nmラインおよびスペースの断面画像を示すSEM写真である。
【
図17】実施例8に記載するように、O
2:N
2エッチング後の48nmラインおよびスペースの断面画像を示すSEM写真である。
【
図18】実施例9(配合物6)に記載するように.EUVリソグラフィ後の、28nmラインおよびスペースのトップダウン画像を示すSEM写真である。(好適実施例の詳細な説明)(本発明の方法)
【0011】
更に詳細には、本発明は、特にEUVリソグラフィに適した、マイクロエレクトロニクス構造を形成する方法を提供する。「EUVリソグラフィ」は、本明細書中に用いられる場合、約20nm未満、好ましくは約10.5nm〜約14.5nm、より好ましくは、約13.5nmの波長を示す。
【0012】
本発明の方法では、表面を有する基材が提供される。任意のマイクロエレクトロニクス基材が用いられ得る。好ましい基材としては、ケイ素、SiGe、SiO
2、Si
3N
4、アルミニウム、Al
2O
3、ハフニウム、ジルコニウム、チタニウム、マグネシウム、タングステン、ケイ化タングステン、ガリウム砒素、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、インジウム、リン化インジウムから成る群から選択されるものが含まれる。基材は平坦な表面を有し得る、あるいは基材はトポグラフィフィーチャー(ビア孔、トレンチ、コンタクト孔、隆起フィーチャー、ライン、等)を含み得る。本明細書中に用いられる場合、「トポグラフィ」は、基材表面の中または基材表面の上の構造の高さまたは深さを示す。
【0013】
次に、アシスト層の形成に有用な組成物(後で詳述する)を基材に塗布し、基材上にアシスト層を形成する。組成物は、任意の既知の塗布方法によって塗布され得る。1つの好ましい方法は、組成物を、速度約350rpm〜約4,000rpm(好ましくは、約1,000rpm〜約2,500rpm)で、時間約20秒〜約90秒(好ましくは約30秒〜約60秒)の間、スピンコートすることである。アシスト層は、その後、組成物の熱的架橋を誘導するように焼成され、硬化したアシスト層を形成する。好ましい、焼成条件は、温度約145℃以上、好ましくは約150℃〜約250℃、より好ましくは約175℃〜約210℃、および時間約30秒〜約120秒(好ましくは約45秒〜約90秒)を伴う。
【0014】
焼成後のアシスト層の厚みは、好ましくは、約1nm〜約100nm、より好ましくは約1nm〜約50nm、更により好ましくは約1nm〜約30nm、最も好ましくは約5nm〜約20nmである。基材表面がトポグラフィを含む場合は、アシスト層は、好ましくは、基材トポグラフィを実質的に覆うのに十分な厚みで塗布される。また、硬化したアシスト層は、約50度〜約110度、好ましくは約65度〜約80度の水との接触角を有する。
【0015】
上記では、アシスト層を基材表面に直接塗布することを説明したが、幾つかの実施形態では、基材に、最初に1つまたは複数の中間層が塗布されることが理解されるであろう。それらの例では、その後、基材表面ではなく、一番上の中間層の上にアシスト層が塗布され得る。用いられる可能性のある中間層の例としては、ハードマスク(スピンオン炭素を含む)、有機層、炭素層、有機金属層、およびバリア層から成る群から選択されるものが含まれる。
【0016】
有利なこととして、架橋したアシスト層は、エチルラクテート(EL)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールn−プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、アセトン、ガンマブチロラクトン(GBL)、およびそれらの混合物のような、典型的な有機溶媒中で実質的に不溶性である。したがって、剥離試験を行なうと、架橋したアシスト層は、約5%未満、好ましくは約1%未満、更により好ましくは約0%の剥離率を有する。剥離試験は、最初に、硬化したアシスト層の(異なる5箇所の測定値の平均をとることによって)厚みを決定することを必要とする。これが初期平均膜厚である。次に、溶媒(例えば、エチルラクテート)を硬化した膜の上に約20秒間パディングし、その後、約3,000rpmで約30秒間スピンドライを行ない、溶媒を除去する。偏光解析法を用いてウェーハー上の異なる5箇所の厚みを再び測定し、それら測定値の平均を決定する。これが最終平均膜厚である。
【0017】
剥離量は、初期と最終の平均膜厚の差である。剥離率は下記式で求められる。
剥離率(%)=(剥離量/初期平均膜厚)×100
【0018】
アシスト層が硬化した後、フォトレジスト層を形成するように、EUVフォトレジスト(すなわち、結像層)がアシスト層に塗布され得る。本発明の1つの顕著な利点は、フォトレジスト組成物を、よりEUV塗布に適するように改変することについて懸念することなく、フォトレジスト組成物を選択することができることである。例えば、PAG官能性をフォトレジストポリマーに組み込む必要がなく、1つの実施形態においては、用いられるフォトレジストは、PAGまたは他の酸発生剤を実質的に含まない(すなわち、約0.1%未満、好ましくは約0%含む)。また、ハロゲンをフォトレジスト組成物に組み込む必要もなく、そのため、フォトレジスト組成物は、ハロゲンを実質的に含まない(すなわち、約0.1%未満、好ましくは、約0%含む)か、あるいは付加的なハロゲンだけであり得る。
【0019】
フォトレジスト層は任意の従来の方法で形成され得る。1つの好ましい方法は、フォトレジスト組成物を、速度約350rpm〜約4,000rpm(好ましくは、約1,000rpm〜約2,500rpm)で、時間約20秒〜約90秒(好ましくは約30秒〜約60秒)間、スピンコートすることである。好ましくは、その後、フォトレジスト層に、温度約90℃以上、好ましくは約100℃〜約140℃、より好ましくは、約105℃〜約130℃で、時間約30秒〜約120秒の間、塗布後焼成(PAB)が行なわれる。焼成後のフォトレジスト層の厚みは、典型的に約40nm〜約120nm、好ましくは約45nm〜約80nm、より好ましくは約50nm〜約70nmになる。
【0020】
フォトレジスト層は、続いて、ドーズ量約1mJ/cm
2〜約100mJ/cm
2、好ましくは約5mJ/cm
2〜約50mJ/cm
2、より好ましくは約5mJ/cm
2〜約15mJ/cm
2で、EUV放射に露光し、その後、露光されたフォトレジスト層を現像することにより、パターニングされる。より具体的には、フォトレジスト層は、フォトレジスト層の表面の上に配置されるマスクを用いて露光される。このマスクは、EUV放射を、マスクから反射させ、フォトレジスト層の表面に接触させるように設計された開口領域を有する。マスクの残りの部分は、ある一定の領域において放射がフォトレジスト層の表面に接触するのを防止するために、光を吸収するように設計される。当業者であれば、開口領域および吸収部分の配置は、フォトレジスト層に、そして最終的には基板に形成されるべき所望のパターンに基づいて設計されることを容易に理解するであろう。
【0021】
本発明は、レジスト性能の改善のために、レジストまたはEUV源に依存しない点が従来技術とは異なることが理解されるであろう。この概念は、より良好なLWRおよび感度を達成するために、レジストを変更することに依存するという従来の概念とは異なる。有利なこととして、フォトレジスト層がEUV放射に露光されると、アシスト層の吸光度が、二次電子生成源として、変更される。本発明の方法では、レジストおよびアシスト層は単一層として機能するので、反射の影響がなく、そして両材料はおよそ同量のエネルギーを吸収する。193nm波長のエネルギーの約14倍のエネルギーを有する高エネルギーEUV光子、および二次電子生成がフォトレジストの酸発生効率を増大し、従ってLWRおよび感度を改善する。更に有利なこととして、アシスト層は、帯域外放射の反射率を制御する特定の波長を吸収するように特定の発色団を備えて設計され得、それによって、帯域外放射の負の影響が軽減される。
【0022】
EUV露光の後、好ましくはフォトレジスト層に、温度約140℃未満、好ましくは約80℃〜約140℃、より好ましくは約90℃〜約130℃で、時間約30秒〜約120秒(好ましくは約45秒〜約90秒)の間、露光後焼成(PEB)が行なわれる。
【0023】
フォトレジスト層は、その後、パターンを形成するように現像剤に接触される。用いられるフォトレジストがポジティブ作用であるか、ネガティブ作用であるかに依存して、現像剤は、パターンを形成するために、フォトレジスト層の露光された部分を除去するか、あるいは、フォトレジスト層の露光されていない部分を除去するかのいずれかである。パターンは、その後、アシスト層に、存在する中間層に、そして最終的に基材に転写される。このパターン転写は、プラズマエッチングプロセス(例えば、CF
4エチャント、O
2エチャント)、または湿式エッチングまたは現像プロセスを介して行なわれる。パターンがフォトレジスト層から基材に、エッチングを介して転写される実施形態において、典型的なEUVフォトレジストに対するアシスト層のエッチ選択性は、少なくとも約1、好ましくは約1.1〜約2であることが好ましい。これらの層は、好ましくは、基材がエッチングされる速度に等しいまたはそれ以下の速度でエッチングされることが好ましい。すなわち、本発明の組成物のエッチング速度に対する基材エッチング速度の倍率は、上述のエチャントを用いるときは、約1〜約5、より好ましくは約1〜約4である。
【0024】
他の実施形態において、用いられるアシスト層は、現像剤可溶性であり得る。「現像剤可溶性」または「湿式現像可能」は本明細書中に用いられる場合、EUV放射に露光されたアシスト層の一部が、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)現像剤などの従来の水性現像剤を用いて、実質的に除去され得ることを意味する。フォトレジスト層が除去されると、フォトレジスト層の露光された部分の下のアシスト層の露光された部分が現像剤によって除去され、フォトレジスト層およびアシスト層に所望のパターンを形成する。パターンは、ビア孔、トレンチ、ライン、スペース、等であり得、これらは最終的にエッチングまたはイオン注入プロセスを用いて基材に転写される。好ましくは、アシスト層の露光された部分の少なくとも約95%が現像剤によって除去され、より好ましくは少なくとも約99%、更により好ましくは約100%が除去される。適切な現像剤は、TMAHなどの有機または無機アルカリ溶液であり、好ましくは、濃度0.26Nまたはそれ以下のTMAHの水溶液を含む。好ましくは、0.26NのTMAH現像剤へのアシスト層の溶出速度は、約100nm/秒〜約1,000nm/秒、更により好ましくは500nm/秒〜約1,000nm/秒である。デバイス製造を完成させるために、パターニングされた積層に、その後、従来のエッチング、メタライゼーション等が実行され得る。
【0025】
別の実施形態において、用いられるアシスト層は、非極性有機溶媒中で可溶性であり得る。EUV放射に露光されると、アシスト層の露光された部分は、不溶性の極性官能性を含むように変換され、それによって、非極性溶媒を用いる膜のネガティブトーン現像が可能になる。硬化したアシスト層は、非極性有機溶媒およびそのような溶媒の混合物中で可溶性になる。好ましくはアシスト層は、EL、PGMEA、ヘプタノン、ブチルアセテート、PnP、シクロヘキサノン、アセトン、GBL、およびそれらの混合物のような、典型的な非極性溶媒中で可溶性であり、より好ましくはアシスト層は、ブチルアセテート、および1種または数種の添加物を含むブチルアセテートの混合物中で可溶性である。
【0026】
パターン転写をエッチングによって行なうか、現像によって行なうかにかかわらず、その結果のフィーチャーは高い解像度を有する。例えば、本発明の方法を用いて、約32nm未満、好ましくは22nm未満の解像度が達成され得る。
【0027】
(本発明の方法に用いる組成物)
本発明に用いるための組成物は、基材上に塗布され加熱されると金属含有膜を形成する溶媒型配合物である。組成物(および最終的には金属含有膜)は、好ましくは、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、金属酸化物、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属または金属誘導体を含む。そのような金属および金属誘導体は、Si、SiO
2、Si
3N
4、AlN、Al
2O
3、ZrC、ZrO
2、Hf、HfO
2、TiN、TiO、TiO
2、Ti
2O
3、Mg
3N
2、MgO、W、WO、WO
2、およびWO
3から成る群から選択されるものを含む。最も好ましい金属は、EUV波長で、エネルギーを良好に吸収する能力を有する金属である。好ましい金属としては、Al、Mg、Na、Zn、Co、Cu、Ga、Ge、Hf、Ti、Zr、Se、Ni、V、Ar、Sc、およびSiから成る群から選択されるものが含まれる。そのような金属は、典型的に、EUV波長で、少なくとも約4cm
2/モル、好ましくは約5cm
2/モル〜約9cm
2/モル、より好ましくは約6cm
2/モル〜約9cm
2/モルの吸収力を有する。
【0028】
選択された金属にかかわらず、硬化した金属含有膜は、硬化した膜の総重量を100重量%とするときに、少なくとも約0.01重量%、好ましくは約10重量%〜約70重量%、更により好ましくは約20重量%〜約50重量%の総金属含有量を有することが好ましい。その金属含有量が、全体として、上述の1種または複数種の金属に帰属することが更により好ましい。これらの割合は、組成物の総重量を100重量%とするときに、組成物中に金属源が少なくとも約0.05重量%、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、更により好ましくは約0.5%〜約5重量%のレベルで存在することを確実にすることによって達成される。
【0029】
1つの好ましい実施形態は、金属酸化物膜を形成する組成物を用いる。金属酸化物形成種は、事実上、モノマー、オリゴマー、またはポリマーであり得、ゾルゲル材料およびナノ粒子はポリマーとみなされる。金属アルコキシドおよびジケトネートは、金属酸化物の典型的な前駆体である。モノマーは、熱の存在下で直接金属酸化物へ変換され得、触媒の添加によって援助され得る。幾つかの例において、溶液安定性、膜形成、または硬化速度のために、より高い分子量の前駆体が望まれる。そのような前駆体は、多官能性リガンドの使用、またはゾルゲルポリマー(部分的に酸化したモノマー)の合成のいずれかによって達成され得る。異なる金属モノマーの混合物、ゾルゲル、混合された金属ゾルゲル、またはシリコンを含む混合物が用いられ得る。種々の金属および/またはシリコンの混合物は、エッチング速度調整、配合物安定性、硬化速度、膜コーティング品質、およびリソグラフィ品質(光学定数、およびプロファイル制御)を促進し得る。
【0030】
適切なポリマー金属アルコキシドの例としては、次の式を有する繰り返し単位を含むものが含まれる。
【化1】
【0031】
式中、各Rは、水素、およびアルキル基(好ましくはC
1〜C
8アルキル)から成る群から個別に選択され、Mは上述のような金属である。最も好ましいR基は、−CH
3および−CH
2−CH
3から成る群から選択される。また、他の適切な組成物も、参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,740,469号に記載されている。
【0032】
別の実施形態において、組成物は、Hybrid Plastics社から商品名POSSとして市販されているもののような多面体オリゴマーのシルセスキオキサン化合物の繰り返しモノマーを有するポリマーを含み、かつ/または組成物は多面体オリゴマーのシルセスキオキサン化合物を含む。1つのそのような化合物は次式を有する。
【化2】
【0033】
式中、各R
1は、水素、アルキル(好ましくはC
1〜C
12、より好ましくはC
1〜C
6)、アリール(好ましくはC
6〜C
l8、より好ましくはC
6〜C
12)、およびオレフィン繰り返し部分から成る群から個別に選択される。1つの好ましいヒドロアルキルシリルオキシは次式を有する。
【化3】
【0034】
ポリマーの一部として化合物(I)が存在する実施形態において、重合は、好ましくはR
1.のオレフィン基を介して起こる。従って、少なくとも1つのR
1は、オレフィン繰り返し部分(メタクリレート、またはアクリレート等)を含む。この実施形態において、式(I)中の少なくとも1つのR
1は次式であることが好ましい。
【化4】
式中、"*"は、式(I)上のシリコン原子を示す。
【0035】
幾つかの実施形態において、PAG、または、熱酸発生剤(TAG)も用いられる。好ましくは、PAGまたはTAGは、ポリマー、オリゴマー、または低分子に付着されず、その代わり、単にアシスト層組成物に混合される。好ましいPAGとしては:オニウム塩(例えば、TPSノナフレート、TPSトリフレートのようなトリフェニルスルホニウムペルフルオロスルホネート、およびトリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロ−l−ブタンスルホネート(アルキル置換されたTPSノナフレート)、のような置換された形態(全てSigma−Aldrich社から入手可能));オキシム−スルホネート(例えば、C1BA社から商品名CGI
(R)で市販されているもの);トリアジン(例えば、TAZ−108
(R)Midori Kagaku Company社から入手可能);およびそれらの組み合わせ、から成る群から選択されるものが含まれる。PAGは、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.001重量%〜約20重量%、好ましくは約2%〜約6重量%のレベルで組成物中に存在しなければならない。
【0036】
別の実施形態において、用いられるアシスト層組成物は、PAGのような酸発生剤を実質的に含まない。すなわち、アシスト層組成物は、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.001重量%未満の酸発生剤、好ましくは約0重量%の酸発生剤を含む。
【0037】
別の実施形態において、アシスト層組成物は、余分の酸を捕捉するために消光剤を含み得、より好ましくは、露光されなかった領域において酸除去剤(acid scavenger)として機能し、これらの領域の酸の拡散を低減する光分解可能性成分を含み得る。好ましくは、消光剤はポリマーに付着されずにアシスト層中に物理的に混合される。これらの実施形態において、組成物は、ポリマー固体の総重量を100重量%とするときに、約0.001重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%のレベルで消光剤を含むべきである。
【0038】
金属含有組成物に用いるための好ましい架橋剤は、ビニルエーテル架橋剤、アミノプラスト(例えば、商品名Powderlink
(R)またはCymel
(R)として販売されているもの)、エポキシ、およびそれらの混合物から成る群から選択される。市販されているビニルエーテルの例としては、商品名VECTomer
(TM)(Aldrich社、St.Louis、MO州)として販売されているものが含まれる。適切なエポキシの例としては、Huntsman Advanced Materials社から商品名Araldite
(R)(例えば、MY720四官能性エポキシ樹脂)として販売されているものなどが含まれる。使用するときは、これらの架橋剤は、好ましくは組成物中に、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.01重量%〜約50重量%、好ましくは約0.01重量%〜約30重量%のレベルで存在する。
【0039】
より好ましくは、組成物に用いられるビニルエーテル架橋剤は、次式を有する。
R
1−(X−O−CH=CH
2)
n、
式中、R
1は、アリール(好ましくはC
6〜C
14)およびアルキル(好ましくはC
1〜C
18、より好ましくはC
1〜C
10)から成る群から選択され、各Xは、アルキル(好ましくはC
1〜C
18、より好ましくはC
1〜C
10)、アルコキシ(好ましくはC
1〜C
18、より好ましくはC
1〜C
10)、カルボニル、および上述の2種またはそれ以上を組み合わせたものから成る群から個別に選択され、nは2以上、好ましくは2〜6である。最も好ましいビニルエーテルは、エチレングリコールビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、1、4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびそれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。
【0040】
幾つかの実施形態において、アシスト層を形成するための組成物は酸触媒を含む。好ましい触媒は、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸)、 スルホン酸塩(例えば、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ピリジニウム3−ニトロベンゼンスルホン酸塩)、およびそれらの混合物から成る群から選択される。組成物は、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.1重量%〜約2重量%の触媒、好ましくは約0.3重量%〜約1重量%の触媒を含み得る。
【0041】
別の実施形態において、アシスト層を形成するための組成物は塩基または塩触媒を含む。好ましいそのような触媒は、アンモニウムハロゲン塩(例えば、ベンジルトリメチルアンモニウム塩化物、ベンジルトリエチルアンモニウム塩化物)である。組成物は、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.1重量%〜約2重量%の触媒、好ましくは約0.3重量%〜約1重量%の触媒を含み得る。
【0042】
別の実施形態において、アシスト層組成物は、触媒を実質的に含まない。すなわち、アシスト層組成物は、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、約0.001重量%未満の触媒、好ましくは約0重量%の触媒を含む。
【0043】
幾つかの実施形態において、帯域外放射の反射率を制御するために、発色団が組み込まれ得る。これらの例では、発色団は金属含有化合物またはポリマーに結合されてもよく、または組成物中に物理的に混合されてもよい。発色団が用いられる場合、発色団は、組成物中の固体の総重量を100重量%とするときに、典型的に約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%のレベルで存在する。
【0044】
好ましい溶媒系としては、PGMEA、PGME、PnP、EL、シクロヘキサノン、GBL、メチルイソブチルカルビノール、およびそれらの混合物から成る群から選択される溶媒が含まれる。好ましくは、溶媒系は、約70℃〜約200℃、より好ましくは約100℃〜約150℃の沸点を有する。溶媒系は、組成物の総重量を100重量%とするときに、約97重量%〜約99.5重量%、好ましくは約98重量%〜約99重量%のレベルで用いられるべきである。アシスト層を形成するために用いられる組成物は、組成物の総重量を100重量%とするときに、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の固体、より好ましくは約1%〜約2重量%の固体の固形分を含む。
【0045】
上記成分を溶媒系に一緒に混合することで、アシスト層組成物を形成する。更に、任意の随意的な成分(例えば、界面活性剤)も同時に溶媒系中に分散される。
【0046】
上述の発明は、従来技術に比べ多くの利点を提供することが理解されるであろう。例えば、アシスト層は、レジストの光結像において、およびその後のエッチングプロセスにおいて役立つ。また、アシスト層は、二次電子源を提供することによって、フォトレジストを結像させるのに必要となるEUVエネルギーのドーズ量を低減する。更に、アシスト層は、フォトレジストの結像能力に悪影響を与えうる帯域外放射を吸収することによって、フォトレジストに鮮明なイメージを形成することに役立つ。最後に、アシスト層の化学的組成物は、それをハードマスクとして機能させることができ、それによって、フォトレジストから、その下にある基材および/または中間層に、より良好なパターン転写が可能になる。
【0047】
(実施例)
以下の実施例では、本発明に従った好ましい方法を説明する。しかしながら、これらの実施例は例として提供されるものであって、その内のいかなるものも本発明の全体の範囲を限定するものとして考えるべきではないことを理解されたい。
【0048】
[実施例1]
(ゾルゲルシリコンプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この手順では、7.498グラムのテトラエトキシシラン(Gelest社、Morrisville、PA州)、4.998グラムの2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(Gelest社)、12.496グラムのメチルトリメトキシシラン(Gelest社)、および58.315グラムのPGME(Ultra Pure Solutions、Inc.社、Castroville、CA州)を丸底フラスコに加えた。10分間にわたって、2.937グラムの酢酸(Sigma Aldrich社)および13.756グラムの水の溶液を、攪拌しながらフラスコに加えた。丸底フラスコに、蒸留ヘッド、蒸留塔、および回収フラスコを装着した。溶液を95℃で5時間加熱した。反応の間、副生成物(水およびメタノール)を除去した。最終溶液をML−2(後述する)として、更なる精製を行なわずに直接用いた。
【0049】
次に、3.096グラムのML−2、PGME中の、0.155グラムの1重量%ベンジルトリエチルアンモニウム塩化物(「BTEAC」、Alfa Aesar社、Ward Hill、MA州)、67.724グラムのPGME、29.025グラムのPGMEA、および0.01グラムのNDS−105(PAG、みどり化学株式会社、東京、日本)を均質になるまで混合し、その後、0.2μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物1Aを生成した。
【0050】
別の配合物を、3.096グラムのML−2、PGME中の、0.155グラムの1重量%BTEAC、67.724グラムのPGME、29.025グラムのPGMEA、および0.02グラムのNDS−105を均質になるまで混合し、その後、0.2μmエンドポイントフィルタを通してろ過することによって、調製し、配合物1Bを生成した。
【0051】
第3の配合物を、3.096グラムのML−2、PGME中の、0.155グラムの1重量%BTEAC、67.724グラムのPGME、29.025グラムのPGMEA、0.015グラムのビスフェノールA(Sigma Aldrich社、St.Louis、MO州)、および0.01グラムのNDS−105を均質になるまで混合し、その後、0.2μmのエンドポイントフィルタを通してろ過することによって、調製し、配合物Cを生成した。
【0052】
配合物1A、IB、および1Cを、4インチシリコンウェーハー上に、1,500rpmで60秒間スピンコートし、その後、205℃で1分間焼成を行うことによって、それぞれ20nmの厚みの膜に形成した。エチルラクテート剥離は0.5%未満であることが測定された。これは明らかな膜損または隆起が起きていないことを意味する。
【0053】
[実施例2]
(ゾルゲルシリコンプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この実施例では、20.32グラムのテトラエトキシシラン、34.04グラムの、イソプロパノール(Gelest社)中の75%チタニウムジイソプロポキシドビス(−2,4−ペンタンジオネート)、および41.43グラムのPGMEを丸底フラスコに加えた。10分間にわたって、0.70グラムの酢酸(Sigma Aldrich社)及び3.51グラムの水の溶液を、攪拌しながらフラスコに加えた。丸底フラスコに、蒸留ヘッド、蒸留塔、および回収フラスコを装着した。溶液を95℃で5時間加熱した。反応の間、副生成物(水およびメタノール)を除去し、その後、その結果生成された溶液21.44グラム、PGME中の、5.52グラムの0.55重量%BTEAC、25.10グラムのPGME、および47.94グラムのPGMEAを均質になるまで混合した。均質混合物を0.2μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物2を生成した。配合物2を、4インチシリコンウェーハー上に、1,500rpmで60秒間スピンコートし、その後、205℃で1分間焼成することによって、20nmの厚みの膜に形成した。エチルラクテート剥離は0.5%未満であることが測定された。これは明らかな膜損または隆起が起きていないことを意味する。
【0054】
[実施例3]
(ゾルゲルシリコンプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この手順では、15.23グラムのテトラエトキシシラン、34.20グラムの、n−ブタノール(Gelest社)中の60%ジルコニウムジ−n−ブトキシドビス(−2,4−ペンタンジオネート)、および46.25グラムのPGME(Ultra Pure Solutions、Inc.社)を丸底フラスコに加えた。10分間にわたって、0.63グラムの酢酸(Sigma Aldrich社)および2.69グラムの水の溶液を、攪拌しながらフラスコに加えた。丸底フラスコに、蒸留ヘッド、蒸留塔、および回収フラスコを装着した。溶液を95℃で5時間加熱した。反応の間、副生成物(水およびメタノール)を除去し、その後、その結果生成された溶液21.86グラム、PGME中の、5.44グラムの0.55重量%BTEAC、24.66グラムのPGME、および48.04グラムのPGMEAを均質になるまで混合した。その後、均質混合物を、0.2μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物3を生成した。配合物3を、4インチシリコンウェーハー上に、1,500rpmで60秒間スピンコートし、その後、205℃で1分間焼成することによって、20nmの厚みの膜に形成した。エチルラクテート剥離は0.5%未満であることが測定された。これは明らかな膜損または隆起が起きていないことを意味する。
【0055】
[実施例4]
(ゾルゲルシリコンプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この手順では、5.61グラムのテトラエトキシシラン、13.02グラムのメチルトリメトキシシラン、1.13グラムの9−アントラセンカルボン酸、1.50グラムのチタニウムイソプロポキシド(Gelest社)、10.35グラムの水、2.09グラムの酢酸、および66.3グラムのPGMEを混合し、95℃で窒素環境下で5時間反応させた。反応の間、副生成物(水およびメタノール)を除去した。次に、その結果生成された溶液10.04グラム、PGME中の、1.03グラムの0.55重量%BTEAC、65.41グラムのPGME、および27.72グラムのPGMEAを均質になるまで混合し、その後、0.1μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物4を生成した。
【0056】
配合物4を、4インチシリコンウェーハー上に、1,500rpmで60秒間スピンコートし、その後、205℃で1分間焼成することによって、20nmの厚みの膜に形成した。エチルラクテート剥離は0.5%未満であることが測定された。これは明らかな膜損または隆起が起きていないことを意味する。
【0057】
[実施例5]
(ゾルゲルシリコンプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この実施例では、2.83グラムのフェニルトリメトキシシラン、4.86グラムの2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、7.94グラムのメチルトリメトキシシラン、12.40グラムのテトラエトキシシラン(Gelest社)、13.86グラムの3N酢酸溶液(17.6%の酢酸および82.4%の水)、および58.30グラムのPGMEAを混合し、95℃で、窒素環境下で、5時間反応させた。反応の間、副生成物(水およびメタノール)を除去した。次に、その結果生成された溶液5.8397グラム、PGME中の、1.3166グラムの0.4重量%BTEAC、63.13グラムのPGME、24.84グラムのPGMEA、および4.8761グラムのTPS−109(みどり化学株式会社、東京、日本)を均質になるまで混合し、その後、0.1μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物5を生成した。
【0058】
配合物5を、4インチシリコンウェーハー上に、1,500rpmで60秒間スピンコートし、その後、205℃で1分間焼成することによって、20nmの厚みの膜に形成した。エチルラクテート剥離は0.5%未満であることが測定された。これは明らかな膜損または隆起が起きていないことを意味する。
【0059】
[実施例6]
(ゾルゲルシリコン−アルミニウムプラットフォームを用いるコーティングの調製)
この手順では、5.50グラムのフェニルトリメトキシシラン、16.45グラムのビニルトリメトキシシラン(Gelest社)、15.11グラムのメチルトリメトキシシラン、19.03グラムの、添加されたPGMEAによって40%固体に希釈された、IPA(Gelest社)中の、アルミニウムジイソプロポキジドエチルアセトアセテートの75%固体溶液、および88.58グラムのPGMEAを丸底フラスコに加えた。10分間にわたって、17.22グラムの3N酢酸溶液(17.6%の酢酸および82.4%の水)を、攪拌しながらフラスコに加えた。丸底フラスコに蒸留ヘッド、蒸留塔、および回収フラスコを装着した。溶液を、95℃で5時間加熱した。次に、この溶液5.20グラムを、PGME中の、0.4189グラムの1%BTEAC、49.153グラムのPGME、および45.2137グラムのPGMEAと、均質な溶液が得られるまで混合した。溶液を、0.0.2μmのエンドポイントフィルタを通してろ過し、配合物6を生成した。
【0060】
[実施例7]
(リソグラフィ結果)
スピンオン炭素ハードマスク、Opti Stack
(R)SOC110D−310(ブルーワーサイエンス社)をシリコンウェーハーの上に1,500rpmで60秒間コーティングし、その後、205℃で60秒間焼成を行い、100nmの厚みを有する膜を形成した。次にウェーハー上に種々の配合物を〜1,500rpmで30秒間コーティングし、その後、205℃で60秒間焼成し、20nmの厚みを有する膜を形成した。EUVレジストを膜に塗布し、その後、105℃で60秒間焼成し、次に波長13.5nmで露光し、0.26NTMAHを用いて30秒間現像した。
【0061】
結果をE2Stack
(R)AL412材料(EUVアシスト層、ブルーワーサイエンス社)と比較した。これらの結果を表1および
図1〜13に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
[実施例8]
(リソグラフィ結果)
スピンオン炭素ハードマスク、OptiStack
(R)SOC110D−310(ブルーワーサイエンス社)をシリコンウェーハー上に1,500rpmで60秒間コーティングし、その後、205℃で60秒間焼成し、100nmの厚みを有する膜を形成した。配合物6の各種希釈物をウェーハー上に〜1,500rpmで60秒間コーティングし、その後、205℃で60秒間焼成し、種々の厚みの膜を形成した。ArFレジストを膜に塗布し、その後、105℃で60秒間焼成し、次に、波長193nmで露光し、0.26N TMAHで30秒間現像した。
【0064】
3連続エッチングを行なった。第1のエッチングは、アシスト層を開くために用いられ、CF
4ガスを、流量35sccm、圧力50mトール、電力100W、およびDCバイアス357Vで使用した。第2のエッチングは、SOCを開くために用いられ、Ar:C0
2を、両方のガス共に流量25sccm、圧力20mトール、電力300W、およびDCバイアス736Vで使用した。最後に、第3のエッチングもSOCのために用いられ、O
2:N
2を、両方のガス共に流量20sccm、圧力20mトール、電力300W、およびDCバイアス705Vで使用した。パターン転写が成功したが、幾つかのCDエッジトリミングが観察された。これらの結果を
図14〜17に示す。
【0065】
[実施例9]
(リソグラフィ結果)
下層、アシスト層、およびEUVレジストを含む多層積層に、配合物6を用いた。配合物6を用いない場合、ドーズ量対サイズは、9.4mJ/cm
2であることが測定された。配合物6をアシスト層として用いると、ドーズ量対サイズが7.8mJ/cm
2に低減され、
図18に示すように、28nmラインおよびスペースのパターニングが可能となった。