特許第6592258号(P6592258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592258
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】油性固形化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20191007BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20191007BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   A61K8/86
   A61K8/92
   A61Q1/06
   A61Q1/10
   A61Q1/08
   A61Q1/00
   A61Q1/02
   A61Q13/00 102
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-54590(P2015-54590)
(22)【出願日】2015年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-193607(P2015-193607A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年11月15日
(31)【優先権主張番号】特願2014-70244(P2014-70244)
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 史仁
(72)【発明者】
【氏名】成 恵美
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−012653(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/023751(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/039516(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00−8/99
A61Q1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)および(b):
(a)キャンデリラワックス;
(b)グリセリンの重合度が7〜12であり、脂肪酸が炭素数6〜12の分岐脂肪酸であり、かつエステル置換度が65%以上である、ポリグリセリン脂肪酸エステル
を含有し、
成分(a)を1〜20%含有し、
成分(b)を1〜90%含有し、
成分(a)と成分(b)の質量割合(a)/(b)が、0.01〜10であることを特徴とする、スティック状の油性固形化粧料。
【請求項2】
更に、成分(c)無水ケイ酸を含有することを特徴とする請求項1に記載の油性固形化粧料。
【請求項3】
直接充填法により、または樹脂製の成形型を用いる充填法により、成型する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の油性固形化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性固形化粧料に関する。本発明の油性固形化粧料は、スティック状の口紅に適用するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
口紅は通常、オイル(油剤)を少量の常温で固体のワックスを固化材(固形油分)として固形もしくは半固形状にしたワックスゲルと呼ばれる構造からなる。口紅の硬さは、オイルに対するワックスの溶解性に左右され、ワックスゲル構造における結晶同士の結合が強固なほど強度が増加する。
【0003】
種々のオイルと固化材との組み合わせで、あるいはさらに他の成分を配合させて、様々な特徴を持たせた固形化粧料が検討されてきている。例えば、特許文献1は、本発明は、塗布時に軽い力でスティックが崩れなめらかにのび、肌や唇へ膜厚でかつ均一に付き、発色やカバー力といった化粧効果に優れる油性スティック化粧料として、(a)見かけ比重が0.01〜0.5の中空粉体、(b)キャンデリラワックス、(c)炭素数6〜30の分岐脂肪酸とグリセリンおよび/またはジグリセリンとの置換度が3以上のエステルを配合したことを特徴とする油性スティック状化粧料を提案する。また、特許文献2は、唇のシワの凹凸や荒れてささくれだった不均一な唇表面に塗っても、平滑な塗布膜が得られるため高いツヤ感を有し、唇のシワなどの凹凸を目立たなくする効果に優れ、かつ塗布膜の平滑性とツヤが長時間持続し、さらにうるおい感にも優れる口唇用化粧料として、成分(a)エステル置換度が3〜6である12−ヒドロキシステアリン酸ショ糖エステル、成分(b)エチレン・プロピレンコポリマー、エチレンホモポリマー、フィッシャートロプシュワックスから選ばれる炭化水素ワックスの一種または二種以上、成分(c)ジグリセリンとイソステアリン酸のエステルでありエステル置換度が2以上であるジグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン重合度が7〜11で脂肪酸が炭素数16〜20の分岐脂肪酸でありエステル化率が65%以上の室温で液状のポリグリセリン脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアリルから選ばれるエステル油剤の一種または二種以上を配合したことを特徴とする口唇用化粧料を提案する。
【0004】
一方、グリセリンを重合したポリグリセリンと脂肪酸のエステル化物であるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンの重合度、脂肪酸の種類、またはエステル化率を変えることにより、様々な特徴のある製品が設計可能である。化粧料に応用した例としては、例えば特許文献3は、高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用性を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶および艶の持続性を向上した化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、軟膏等幅広い用途に利用が可能な化粧料として、水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分1〜50重量%とを含有する化粧料を提案する。また特許文献4は、(a)約1重量%〜約30重量%のポリグリセリン2〜20単位および8〜22個の炭素の少なくとも1つの分枝状脂肪酸残基を有するポリグリセリン脂肪酸エステルと、(b)約0.01重量%〜約6重量%のグリセリンであって、グリセリンの量が前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの20重量%以下であるグリセリンと、(c)約0.001重量%からグリセリンに溶解可能な量以下である水溶性皮膚有益剤と、(d)界面活性剤が実質的に存在しない親油性キャリアとを含む親油性パーソナルケア組成物を提案する。そして特許文献5は、化粧品の油性原料として使用することが可能であり、抱水性を備えた新規な成分として、平均重合度6〜15のポリグリセリンと炭素数8〜22分枝脂肪酸とをエステル化させたエステル化物であり、このエステル化物のエステル化率が60%以上であるものを提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−247773号公報
【特許文献2】特開2011−184416号公報
【特許文献3】特開2005−247739号公報
【特許文献4】特開2009−529032号公報
【特許文献5】国際公開WO2005/023751公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
口紅では、顔料の分散性と付着性を上げるため、最近ではエステル系のオイルが主体として使われており、組み合わせる固化剤としては、品質的にも安定しており、融点がコントロールしやすく、硬さを出せることから、炭化水素ワックスが主流である。一方、キャンデリラワックスは、タカトウダイ草から採取される植物由来のワックスであり、融点が比較的低く、自然な光沢と滑らかな感触があるという特徴を有する。以前は、ひまし油とキャンデリラワックスとを組み合わせ、金属製の型を用いてスティック形状の固形化粧料を製造することが行われていたが、ひまし油以外のオイルとの組み合わせや、成形型として、充填物を急速に冷却することができる金属製のものを用いる以外の製法では良好な固形化粧料を得ることが難しかった。
【0007】
本発明は、キャンデリラワックスを用い、ワックスゲルとして十分な硬度を有しており成形性(形状保持性)に優れ、かつ溶けるようななめらかな伸び広がりとフィット感を備えた固形化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、キャンデリラワックスと組み合わせた際に、良好なワックスゲルを形成することができる油剤について、鋭意検討した。その結果、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、キャンデリラワックスの特徴を十分に活かしつつ、成形性に優れた固形化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。本発明は、以下を提供する。
【0009】
[1] 次の成分(a)および(b):
(a)キャンデリラワックス;
(b)グリセリンの重合度が7〜12であり、脂肪酸が炭素数6〜12の分岐脂肪酸であり、かつエステル置換度が65%以上である、ポリグリセリン脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする油性固形化粧料。
[2] 成分(a)と成分(b)の質量割合(a)/(b)が、0.01〜10であることを特徴とする[1]に記載の油性固形化粧料。
[3] 成分(a)を1〜20%含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の油性固形化粧料。
[4] 成分(b)を1〜90%含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の油性固形化粧料。
[5] 油性固形化粧料の形状がスティック状であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の油性固形化粧料。
[6] 更に、成分(c)無水ケイ酸を含有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の油性固形化粧料。
[7] 直接充填法により、または樹脂製の成形型を用いる充填法により、成型する工程を含むことを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の油性固形化粧料の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、成形性に優れ、かつなめらかな伸び広がりとフィット感を備えた油性固形状化粧料が得られる。
【0011】
さらに、本発明により、金型充填、カプセル充填、直接充填および弾性モールド充填等のいずれの充填方法によっても充填性がよく、折れ強度において優れた油性固形化粧料を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本発明において数値範囲を「X〜Y」で表すときは、その範囲は両端の値XおよびYを含む。また、化粧料等における成分の含量を「%」で表すときは、特に記載した場合を除き、質量%の意である。
【0013】
〔成分(a):キャンデリラワックス〕
本発明の油性固形化粧料は、成分(a)として、キャンデリラワックスを含有する。成分(a)のキャンデリラワックスは、本発明においては、塗布時の軽くなめらかなのびを付与することができる。
【0014】
本発明に用いられるキャンデリラワックスは、通常、化粧料で用いられるものであれば特に限定されない。キャンデリラワックスの中でも、精製されているものや分画されているものであれば、特に好適に本発明に用いることができる。精製品や分画品を用いると、経時安定性がよいからである。
【0015】
本発明に用いられるキャンデリラワックスとしては、日本化粧品工業連合会が作成した「成分表示名称リスト」に収載されている表示名称で表すと、例えば、キャンデリラロウ、キャンデリラロウエステルズ等を挙げることができる。
市販品としては、例えば、キャンデリラロウとしては、精製キャンデリラワックスNO.1、脱臭精製キャンデリラワックス、NC−1630キャンデリラワックス(以上、セラリカ野田社製)、精製キャンデリラワックスCG−7、精製キャンデリラワックスSR−3(以上、日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられ、キャンデリラロウエステルズまたはその混合物としては、高融点キャンデリラワックスFR100、SMART WAX7743S(以上、日本ナチュラルプロダクツ社製)が挙げられる。
また、本発明には、エステルワックスの割合が多いものを用いることが好ましい。成形性がよく、かつなめらかな伸び広がりとフィット感を備えたものが得られるからである。エステルワックスの割合が多いものの例としては、市販品では、高融点キャンデリラワックスFR100が例示できる。
【0016】
成分(a)のキャンデリラワックスは、必要に応じて一種または二種以上を用いることができる。
【0017】
成分(a)の含有量(二種以上用いる場合は、合計の含有量)は、全成分中0.1〜30%が好ましく、1〜20%がより好ましい。含有量が0.1〜30%で用いた場合、塗布時の軽いのびと肌や唇に膜厚で均一に付く点で特に優れるからである。
【0018】
〔成分(b):ポリグリセリン脂肪酸エステル〕
本発明の油性固形化粧料は、成分(b)として、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する。本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、重合度が7〜12のポリグリセリンと炭素数6〜12の分岐脂肪酸とのエステルであり、エステル置換度が65%以上である。このような成分(b)は通常、25℃で液状である。
【0019】
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルにおいては、構成するグリセリンの重合度は7〜12であるが、9〜10であることが好ましい。また、このポリグリセリンは、重合して環を形成していても良いが、好ましくは、鎖状にグリセリンが重合したものである。
【0020】
また、本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルにおいては、構成する脂肪酸は炭素数 6〜12の分岐脂肪酸であるが、この中でも特に炭素数8の2−エチルヘキサン酸がより好ましい。
【0021】
さらに、本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルにおいては、エステル置換度は65%以上であるが、75%以上であることが好ましい。なお本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステルに関してエステル置換度というときは、特に記載した場合を除き、ポリグリセリンのエステル化可能な全水酸基のうち、脂肪酸とエステル化している水酸基の比率は水酸基価から算出できる。
【0022】
成分(b)の含有量(二種以上用いる場合は、合計の含有量)は、全成分中1〜95%が好ましく、1〜90%がより好ましい。含有量が1〜95%で用いた場合、塗布時の軽いのびと肌や唇に膜厚で均一に付く点で特に優れるからである。
【0023】
〔成分(c):無水ケイ酸〕
本発明の油性固形化粧料は、成分(c)として、無水ケイ酸を含有してもよい。本発明に用いることができる無水ケイ酸は、化粧料の成分として許容されるものであれば特に限定されず、例えば四塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものが挙げられる。無定形構造のもの、疎水化処理したもの、あるいは結晶構造を有するものの何れであってもよい。この無水ケイ酸のうち、好ましいものとしては、比表面積が100m2/g以上のものを挙げることができる。より好ましいものとして、比表面積100〜500m2/gである無水ケイ酸を挙げることができる。また、本発明に使用する場合、無水ケイ酸は煙霧状の平均粒径は小さいものがよく、平均粒径1〜20nmが好ましい。
【0024】
本発明に使用することができる無水ケイ酸の例は、市販品としては、AEROSIL 130(平均粒径16nm、比表面積130m2/g)、AEROSIL 200、200V、200CF、200FAD(平均粒径12nm、比表面積200m2/g)、AEROSIL 300、300CF(平均粒径7nm、比表面積300m2/g)、AEROSIL 380、380CF(平均粒径7nm、比表面積380m2/g)、(以上、日本アエロジル社製)等が挙げられる。これらを必要に応じて一種または二種以上用いることができる。
【0025】
本発明に用いられる無水ケイ酸は、反応性オルガノシランやオルガノシラザン等で処理した疎水性無水ケイ酸でもよい。疎水化処理の方法としては、ジメチルジクロルシランによるジメチルシリル化処理、トリメチルクロルシランやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理、オクチルトリクロルシランによるオクチルシリル化処理、ジメチルポリシロキサンやメチルハイドロジェンポリシロキサンによるシリコーン処理、金属セッケン化合物によるコーティング処理等が挙げられる。
【0026】
このような無水ケイ酸の例は、市販品としては、AEROSIL R972(平均粒径16nm、比表面積110m2/g)、AEROSIL R974(平均粒径12nm、比表面積170m2/g)、AEROSIL R976(平均粒径7nm、比表面積240m2/g)(以上、ジメチルジクロルシラン処理)、AEROSIL RX200(平均粒径12nm、比表面積140m2/g)(ヘキサメチルジシラザン処理)、AEROSIL R805(平均粒径12nm、比表面積150m2/g)(オクチルシラン処理)、AEROSIL RY200(平均粒径12nm、比表面積100m2/g)(ジメチルシロキサン処理)(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
【0027】
本発明の成分(c)の含有量は、特に限定されないが、形状保持性において、全量中0.01〜5%が好ましく、0.1〜3%がより好ましい。
【0028】
尚、本発明において成分(c)の比表面積は、比表面積測定法(BET法:気体分子は窒素分子とした)により求めた値である。
【0029】
〔任意成分〕
油性成分としては、成分(a)〜(c)以外で、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、モンタンワックス、ポリイソブチレン、ポリブテン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、オゾケライトワックス、パラフィンワックス、セレシンワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス等のロウ類、ホホバ油、2−エチルヘキサン酸セチル、乳酸イソステアリル、乳酸オクチルドデシル、乳酸オレイル、乳酸ステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリト酸トリトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、ポリオキシ変性オルガノポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0030】
粉体成分としては、化粧料に一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等の合成樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これら粉体はその1種または2種以上を用いることができ、必要に応じて、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面処理を施したり、更に複合化したものを用いても良い。
【0031】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
【0032】
水性成分としては、水の他に、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等をあげることができる。保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられ、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が挙げられ、防腐剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2ペンタジオール等が挙げられる。
【0034】
〔剤形〕
本発明の油性固形化粧料は、特に限定されないが、化粧持続効果に優れることからメーキャップ化粧料に有利である。具体的には、口紅、リップグロス、口紅ベースコート、口紅オーバーコート、リップクリーム、リップトリートメント、アイライナー、アイカラー、ファンデーション、フェイスカラー、コンシーラー、化粧下地、コントロールカラー、ほほ紅等のメーキャップ化粧料、ヘアスティック、ヘアワックス、ヘアカラー等の頭髪化粧料、日焼け止め、アイスティック、クレンジング、コロン等の基礎化粧料等が挙げられる。中でも、本発明品において顕著な効果である優れた成形性、なめらかな伸び広がりおよびフィット感は、特に口紅、リップグロス、口紅ベースコート、口紅オーバーコート、リップクリーム、リップトリートメント等の口唇用化粧料では重要な効果であるため好ましい。
本発明の油性固形化粧料は、常温で流動性を有しないものであり、油剤を主成分とする油性、外層を油剤の連続相として、水性成分を分散させた油中水型に適用されうるが、水の含有量が1%以下である実質的に水を含まない油性とすることが好ましい。
【0035】
本発明の油性固形化粧料の形状としてはスティック状(棒状)、ケーキ状、皿流し込み型等が挙げられる。特に好ましい形状の一つは、スティック状である。
このような化粧料の製造方法としては、製品の容器内に流動性の成形材料を直接充填し、次いで、加熱または冷却するなどして成形材料を固化する方法(直接充填法)と、成形型(モールド型)に流動性の成形材料を一旦充填し、次いで加熱または冷却するなどして成形材料を固化し、この固化した成形品を該成形型より取り出し、製品の容器に装着する方法がある。
【0036】
本発明の油性固形化粧料の製造方法の、直接充填法に用いられる容器としては、例えば、皿、ジャーボトル、スティック状の容器が挙げられ、これらは金属製であっても樹脂製であってもガラス製であってもよく、種類の異なるものの組み合わせであってもよい。スティック状の容器には、通常化粧料を保持するスリーブと化粧料を繰り出す中皿が存在し、これらは金属製であっても樹脂製であってもガラス製であってもよく、種類の異なるものの組み合わせであってもよい。直接充填法により、スティック状の容器に成型されたスティック状の化粧料は、本発明の特に好ましい態様の一つである。
【0037】
一方、本発明の油性固形化粧料の製造方法の、成形型を用いて成型する充填法のための成形型としては、例えば、金属製、樹脂製、弾性のある樹脂製(弾性モールド)のものが挙げられる。樹脂製の成形型(例えば、カプセル、弾性モールド)を用いて成型されたスティック状の化粧料は、本発明の特に好ましい態様の一つである。
【0038】
以下、本発明を実施例を基に説明するが、本発明の範囲は、実施例によって制限されない。
【実施例】
【0039】
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの合成例〕
1.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10(実施例等で使用)
水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと2−エチルヘキサン酸335gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行なわせることによって、分枝脂肪酸エステル化物393gを得た。この分枝脂肪酸エステル化物のエステル化率は75%であった。
【0040】
2.デカイソステアリン酸ポリグリセリル−10(充填性等の検討で使用)
前掲特許文献の実施例1にしたがって合成した。すなわち、水酸基価から算出される平均重合度が10のポリグリセリン100gと16−メチルヘプタデカン酸337gを反応容器に入れ、0.2gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、4時間の条件下でエステル化反応を行なわせることによって、分枝脂肪酸エステル化物395gを得た。この分枝脂肪酸エステル化物のエステル化率は、75.0%であった。
【0041】
〔折れ強度の評価〕
キャンデリラワックス15%と油剤85%とを配合し、カプセルに充填して得られた固形物(1〜9)について、折れ強度を評価した。
【0042】
[製造方法]
A.成分(1)〜(6)を混合し、100℃にて加熱溶解して均一に混合する。
B.Aを脱泡後、カプセル(ポリスチレン製)型に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0043】
[折れ強度評価方法]
各サンプル5本を35℃の恒温槽にセットし1時間後、不動工業社製のレオメーターHRM−2002D−Dにより棒状組成物の中皿を保持して、中皿端面から17mmの位置に棒状組成物と直角方向の負荷を6cm/min.の速度で加えて、棒状組成物の折れる時のピークの荷重(g)を折れ強度とした。各サンプル5本の平均値を求め下記判定基準により判定した。
【0044】
(判定基準)
平均値 :判定
300以上 :◎(非常に良好)
250以上300未満:○(良好)
200以上250未満:△(やや不良)
200未満 :×(不良)
【0045】
【表1】
*1〜*3については、表2の下の記載参照
【0046】
表1の結果より、本発明の成分(a)と(b)の組み合わせである固形物1、4は、他の固形物に比べ、ワックスゲルとして十分な硬度を有していることがわかる。
【0047】
〔実施例1〜5および比較例1〜4〕
表2の処方により、スティック状の口紅を製造し、評価した。
【0048】
【表2】
*1 精製キャンデリラワックス SR−3(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*2 高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*3 MULTIWAX W445(SONNEBORN.LLC社製)
*4 CIREBELLE 108(CIERBELLE社製)
*5 エルデュウ(登録商標)PS−304(味の素社製)
*6 エルデュウ(登録商標)PS−203(味の素社製)
*7 PLANDOOL−S(日本精化社製)
*8 ANTARON V−216(ISP Japan社製)
*9 ANTARON V−220(ISP Japan社製)
*10 TOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*11 AEROSIL R972(日本アエロジル社製)
【0049】
[製造方法]
A.成分(1)〜(15)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(16)〜(21)を加えて均一に混合する。
B.Aに成分(22)・(23)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、直接充填容器に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0050】
[評価方法]
1.成形性(形状保持性)
各試料について、(イ)成形性を評価した。使用前の状態と専門パネル20名による50回の使用テスト後の状態を目視にて確認し、パネル各人が下記絶対評価基準にて4段階に評価し、各試料のパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。下記評価基準に従って、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記階判定基準により判定した。
【0051】
(絶対評価基準)
4;良好
3;使用前化粧料表面に若干のキズがあるが、使用に問題なし。
2;使用前か使用後に若干の曲がり、欠け、少しキャップへの付着がある。
1;成形できないか、使用後折れ、崩れがある。
【0052】
(判定基準)
(評点平均値) :(判定)
3.5点を超える :非常に優れる:◎
3点以上3.5未満:優れる :○
2点以上3点未満 :劣る :△
2点未満 :非常に劣る :×
【0053】
2.官能評価
(ロ)なめらかな伸び広がり、(ハ)フィット感について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。具体的には、20名の官能検査パネルにより、各試料を口唇に塗布し、(ロ)、(ハ)について、パネル各人が絶対評価にて7段階に評価し、各試料のパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。
ここで、評価項目(ハ)については、試料を唇に塗布し、塗布直後の密着性と、パネルに通常の生活をしてもらい、3時間後の塗布膜の状態を観察し、塗布膜の均一性について評価した。
【0054】
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
【0055】
(判定基準)
(評点平均値) : (判定)
5点を超える :非常に優れる:◎
3点を超えて5点以下:優れる :○
1点を超えて3点以下:劣る :△
1点以下 :非常に劣る :×
【0056】
〔実施例6:口紅(弾性モールド充填スティック状)〕
[配合(質量%)]
1.フィッシャートロプシュワックス(融点91〜96℃) 1.5
2.ポリエチレンワックス(融点83〜92℃) 2
3.キャンデリラワックス*1 6
4.パラフィンワックス(融点65〜70℃) 2
5.パルミチン酸セチル 1
6.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 15
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 残量
8.トリメチルシロキシフェニルジメチコン*12 35
9.ジメチコン(100CS) 10
10.ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物*13 2
11.(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー*8 8
12.ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシ
エチルジメチコン*14 3
13.ジメチルシリル化無水ケイ酸*11 0.3
14.ナイロン末(18〜25μm) 3
15.赤色202号 0.2
16.黄色4号 0.9
17.酸化チタン 3.5
18.酸化防止剤(BHT) 適量
19.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
*12 BELSIL PDM 1000(旭化成ワッカーシリコーン社製)
*13 LUSPLAN DD−DHR(日本精化社製)
*14 KF−6038(信越化学工業社製)
なお、*1〜11のうち、該当するものについては、表2の下の記載参照(以下の実施例において同じ。)。
【0057】
[製造方法]
A.成分(1)〜(12)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(13)〜(17)を加えて均一に混合する。
B.Aに成分(18)・(19)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、弾性モールド(シリコーン製)型に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0058】
本発明のスティック状口紅は、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0059】
〔実施例7:油性アイカラー(皿状)〕
[配合(質量%)]
1.ポリエチレンワックス(融点95〜105℃) 1
2.キャンデリラワックス*1 3
3.フィッシャートロプシュワックス(融点79〜84℃) 2
4.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 15
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 残量
6.炭酸ジアルキル(C14,15) 20
7.トリエチルヘキサノイン 20
8.ビスジグリセリルポリアシルソルベート*15 3
9.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル)*16 5
10.ジプロピレングリコール 0.3
11.ジメチルシリル化無水ケイ酸(7nm、比表面積240m2/g) 4
12.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン
/シルセスキオキサン)クロスポリマー*17 1.5
13.赤色201号 1
14.黄色4号 1
15.酸化鉄 0.5
16.酸化チタン 1
17.酸化防止剤(BHT) 適量
18.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 適量
*15 SOFTISAN 649(SASOL GERMANY GMBH社製)
*16 PLANDOOL−S(日本精化社製)
*17 KSP300(信越化学工業社製)
【0060】
[製造方法]
A.成分(1)〜(9)・(18)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(10)〜(16)を加えて均一に混合する。
B.Aに成分(17)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、皿に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0061】
本発明の油性アイカラーは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0062】
〔実施例8:油性チーク(カプセル充填スティック状)〕
[配合(質量%)]
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー(融点90〜99℃) 4
2.パラフィンワックス(融点65〜90℃) 4
3.キャンデリラワックス*1 8
4.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 15
5.トリエチルヘキサノイン 残量
6.ポリブテン 8
7.ジメチコン(25℃:20mm2/s) 12
8.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー溶液*18 7
9.無水ケイ酸(7nm、比表面積380m2/g) 2
10.赤色226号 0.4
11.酸化鉄 0.4
12.酸化チタン 1.8
13.雲母チタン 3
14.ベンガラ被覆雲母チタン 10
15.酸化チタン被覆合成雲母 3.5
16.酸化防止剤(BHT) 適量
17.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
*18 KSG−16(信越化学工業社製)
【0063】
[製造方法]
A.成分(1)〜(6)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(7)〜(15)を加えて均一に混合する。
B.Aに成分(16)・(17)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、カプセル(ポリスチレン製)型に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0064】
本発明のスティック状チークは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0065】
〔実施例9:油性固形アイライナー(ジャーポット)〕
[配合(質量%)]
1.キャンデリラワックス(融点60〜85℃) 9
2.ポリエチレンワックス(融点95〜105℃) 5
3.マイクロクリスタリンワックス*3 2.5
4.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 15
5.トリメチルシロキシケイ酸*19 10
6.ジメチコン(25℃:6mm2/s) 5
7.ジメチコン(25℃:10万mm2/s) 5
8.水添ポリイソブテン*20 1
9.ジステアリルジアンモニウムヘクトライト*21 1.5
10.プロピレンカーボネイト 0.3
11.イソノナン酸イソノニル 9
12.レシチン 0.3
13.PEG−9ポリジメチルシロキセチルジメチコン 1
14.水添ロジン酸ペンタエリスリチル 1
15.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
16.メタクリル酸メチルクロスポリマー(3μm) 8
17.ポリメチルシルセスキオキサン 2
18.カーボンブラック 1
19.酸化チタン 20
20.マイカ 2
21.酸化防止剤(ビタミンE) 適量
22.防腐剤(1,2−ペンチレングリコール) 適量
*19 SR1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*20 パールリーム46(日油社製)
*21 BENTONE 38V BC(エレメンティス社製)
【0066】
[製造方法]
A.成分(9)を成分(10)・(11)にて膨潤する。
B.成分(5)を成分(6)・(7)にて溶解する。
C.成分(14)を成分(15)にて溶解する。
D.成分(1)〜(4)・(8)・A・B・Cを110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(12)・(13)・(16)〜(22)を加えて均一に混合する。
E.Dを脱泡後、ジャーポットに流し込み充填し、冷却して成型する。
【0067】
本発明の油性固形アイライナーは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
〔実施例10:リップクリーム(直接充填スティック状)〕
[配合(質量%)]
1.キャンデリラワックス*1 7
2.(エチレン/プロピレン)コポリマー(融点90〜99℃) 3
3.ミツロウ 5
4.2−エチルヘキサン酸セチル 3
5.トリエチルヘキサノイン 11
6.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 20
7.ワセリン 30
8.パラフィンワックス(融点50〜60℃) 2
9.ポリブテン 8
10.トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 残量
11.オリーブ油 1
12.ホホバ油 1
13.セラミド2 0.01
14.ヒアルロン酸 0.01
15.コラーゲン 0.01
16.酸化亜鉛 2
17.香料 適量
18.酸化防止剤(BHT) 適量
19.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
【0068】
[製造方法]
A.成分(1)〜(12)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(13)〜(19)を加えて均一に混合する。
B.Aを脱泡後、直接充填容器に流し込み充填し、冷却して成型する。
本発明のスティック状リップクリームは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0069】
〔実施例11:練香水(皿状)〕
[配合(質量%)]
1.キャンデリラワックス*1 8
2.フィッシャートロプシュワックス(融点91〜96℃) 2
3.マイクロクリスタリンワックス(融点60〜85℃) 2
4.トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2 残量
5.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 20
6.2−エチルヘキサン酸セチル 5
7.デシルテトラデカノール 5
8.ワセリン 4
9.ジメチコン(25℃:20mm2/s) 0.5
10.シア脂 1
11.ジメチルシリル化無水ケイ酸*11 2
12.ポリメチルシルセスキオキサン*22 6
13.シリコン3%処理雲母チタン 3
14.シリコン3%処理ケイ酸・チタン処理マイカ 3
15.シリコン3%処理ベンガラ被覆雲母チタン 3
16.無水ケイ酸*23 13
17.香料 12
18.酸化防止剤(BHT) 適量
19.防腐剤(フェノキシエタノール) 適量
*22 TOSPEARL 150KA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリ
アルズ社製)
*23 ゴッドボールE−90C(鈴木油脂工業社製)
【0070】
[製造方法]
A.成分(1)〜(10)を110℃〜120℃にて加熱溶解後、成分(11)〜(15)を加えて均一に混合する。
B.Aに成分(16)〜(19)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後、皿に流し込み充填し、冷却して成型する。
【0071】
本発明の練香水は、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0072】
〔実施例12:油性固形コンシーラー(金型充填スティック状)〕
[配合(質量%)]
1.キャンデリラワックス*1 6
2.フィッシャートロプシュワックス(融点91〜96℃) 5
3.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 10
4.ステアリルジメチコン*24 3
5.イソノナン酸イソノニル 2
6.トリメリト酸トリトリデシル 残量
7.酢酸液状ラノリン 5
8.重質流動イソパラフィン(30℃:30,000mm2/s) 10
9.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
(シメチルポリシロキサン混合物)*25 2
10.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ
(オクチルドデシル/フィトステイル/ベヘニル)*26 5
11.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
12.ポリメチルシルセスキオキサン*27 5
13.酸化チタン 15
14.黄酸化鉄 2
15.ベンガラ 0.5
16.黒酸化鉄 0.2
17.マイカ 7
18.無水ケイ酸(7nm、比表面積300m2/g) 1
19.フェノキシエタノール 0.1
*24:DC2503(東レ・ダウコーニング社製)
*25:KSG−16(信越化学工業社製)
*26:エルデュウPS−304(味の素社製)
*27:トスパール2000B*(モメンティヴ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0073】
[製造方法]
A:成分(1)〜(11)を100℃にて混合溶解する。
B:Aに成分(12)〜(19)を90℃にて加え均一に混合する。
C:Bを脱泡し、85℃にて金型に溶解充填後、4℃にて冷却。スティック状コンシーラーを得た。
【0074】
本発明のスティック状コンシーラーは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。
【0075】
〔実施例13:油中水型固形ファンデーション(皿状)〕
[配合(質量%)]
1.キャンデリラワックス*1 2.5
2.ポリエチレンワックス(融点95〜105℃) 1
3.マイクロクリスタリンワックス*3 0.5
4.カルナウバワックス(融点90〜99℃) 0.5
5.イソステアリン酸デキストリン 1
6.ワセリン 1
7.デカ2−エチルヘキサン酸ポリグリセリル−10 20
8.ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
9.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
10.ポリヒドロキシステアリン酸 0.6
11.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛*27 5
12.シリコーン処理酸化チタン(0.25μm)*28 6
13.シリコーン処理ベンガラ*28 0.2
14.シリコーン処理黄酸化鉄*28 1.5
15.シリコーン処理黒酸化鉄*28 0.1
16.シリコーン処理セリサイト*28 2
17.長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性
オルガノポリシロキサン*29 5
18.パラメトキシ安息香酸エチルヘキシル 3
19.ジメチコンクロスポリマー・シクロメチコン混合物*30 6
20.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
21.1,3−ブチレングリコール 10
22.塩化ナトリウム 0.1
23.精製水 残量
*28:11〜16のシリコーン処理 シリコーンKF−9901(信越化学社製)
*29:ABIL EM90(ゴールドシュミット社製)
*30:シリコーンKSG−15(信越化学社製)
【0076】
[製造方法]
A:成分(1)〜(10)を90℃にて混合溶解する。
B:Aに成分(11)〜(16)を添加して、35℃で混合分散し、(17)〜(19)を添加する。
C:成分(20)〜(23)を混合溶解する。
D:Bを撹拌しながら、Cを添加し、乳化する。
E:Dを110℃に加熱溶解して、90℃で皿に流し込み、冷却固化して油中水型固形ファンデーションを得た。
【0077】
本発明の油中水型固形ファンデーションは、成形性、なめらかな伸び広がり、フィット感のすべて点で満足のいくものであった。