特許第6592290号(P6592290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592290
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】熱界面素材及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20191007BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20191007BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20191007BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20191007BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20191007BHJP
   H05K 7/20 20060101ALN20191007BHJP
【FI】
   H01M10/653
   H01M10/647
   H01M10/6555
   H01M10/625
   H01M10/613
   !H05K7/20 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-148300(P2015-148300)
(22)【出願日】2015年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-115659(P2016-115659A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2018年5月22日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0177219
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0063713
(32)【優先日】2015年5月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋 仁 昌
(72)【発明者】
【氏名】全 倫 哲
(72)【発明者】
【氏名】朴 ヒョン 達
(72)【発明者】
【氏名】金 敬 ボク
(72)【発明者】
【氏名】李 承 在
(72)【発明者】
【氏名】呂 寅 雄
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0112605(KR,A)
【文献】 国際公開第95/002313(WO,A1)
【文献】 特開2013−004514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/653
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
H01M 10/6555
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルにコーティングしてバッテリーセルの熱を放出する熱界面素材の製作方法であって、
熱伝導性フィラーと、弾性力を有し、前記フィラーに塗布された高分子マトリックスと、前記フィラーと前記マトリックスの側面に塗布された絶縁コーティング層とを含む熱界面素材の製作方法において、
前記フィラーを構成する物質が溶解された状態で板状に押出される段階、及び
前記板状のフィラーに前記マトリックスがコーティングされる段階、を含み、
前記マトリックス及び前記フィラーの側面に、前記マトリックスと同一成分の液体が分散塗布されて前記絶縁コーティング層を形成する段階をさらに含み、
前記フィラーは、カーボンブラック、グラファイト、膨張黒鉛(EGG)、グラフェン及びグラフェンオキシドのうち少なくともいずれか一つを含み、
炭素ナノチューブ(CNT)及びカーボンファイバー(CF)のうち少なくともいずれか一つをさらに含み、
前記CNT及びCFのうち少なくともいずれか一つは、全体重量に対し0wt%超20wt%未満でなり、
方向性を有するように前記フィラーに内蔵されたことを特徴とする熱界面素材の製作方法。
【請求項2】
前記マトリックスは、
スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系の熱可塑性エラストマー(THERMOPLASTIC ELASTOMER:TPE)のうちいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱界面素材の製作方法。
【請求項3】
前記マトリックスは、
スチレンーブタジエン−スチレン ブロック コポリマー(SBS:STYRENE−BUTADIENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)、スチレンーブタジエン−エチレン−スチレン ブロック コポリマー(SBES:STYRENE−BUTADIENE−ETHYLENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)、スチレンーイソプレン−スチレン ブロック コポリマー(SIS:STYRENE−ISOPRENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱界面素材の製作方法。
【請求項4】
前記フィラーは、全体重量に対し20〜65wt%であることを特徴とするなる請求項に記載の熱界面素材の製作方法。
【請求項5】
バッテリーセルにコーティングしてバッテリーセルの熱を放出する熱界面素材であって、
熱伝導性フィラーと、
弾性力を有し、前記フィラーに塗布された高分子マトリックスと、
前記フィラーと前記マトリックスの側面に塗布された絶縁コーティング層とを含み、
前記フィラーは膜形状に形成された状態であり、
前記マトリックスは前記フィラーにコーティングされた状態であり、
前記絶縁コーティング層は、前記マトリックスと同一の成分であり、
前記フィラーは、カーボンブラック、グラファイト、膨張黒鉛(EGG)、グラフェン及びグラフェンオキシドのうち少なくともいずれか一つを含み。全体重量に対し20〜65wt%でなり、炭素ナノチューブ(CNT)及びカーボンファイバー(CF)のうち少なくともいずれか一つをさらに含み、
前記CNT及びCFのうち少なくともいずれか一つは、全体重量に対し0wt%超20wt%未満でなり、方向性を有するように前記フィラーに内蔵されることを特徴とする熱界面素材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱界面素材及びその製作方法に係り、より詳しくは、エラストマー素材を用いて界面接触を最大化し、カーボンファイバーがフィラーに含有されることにより、水平方向の熱伝導度を向上させた熱界面素材及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化に伴う有害物質放出の抑制などの社会的要請によって、エコカーに対する関心が高まっているため、
エコカーのエンジンとともにバッテリー性能の最適化は、未来の自動車の重要な課題である。このようなバッテリー性能の最適化をなすために、バッテリー駆動において最適の環境を維持することがエコカーの性能を向上させる重要な要素である。
電気自動車の場合、バッテリーシステムの信頼性と安定性が電気自動車の商品価値を決定づける最も重要な要素である。多様な外部温度の変化の環境のもとでもバッテリー性能の低下防止を防止する必要があり、そのためにバッテリーシステムの適正温度範囲である攝氏45度から攝氏50度以下の温度を維持する必要があり、一般的な気候条件でも優れた放熱性能を有するとともに、低温環境でも適正温度を維持し得るパウチセルモジュール用熱制御システムが必要である。
【0003】
現在開発中の高性能放熱複合素材としては球形フィラー及び一般炭素系フィラーを適用して熱伝導度の向上を目的としたものが殆どである。このようなフィラーの場合、70パーセント以上のフィラー含量で熱伝導度特性の向上がみられるものの、成形性が劣るため、部品整形には限界がある。また、水平方向の熱伝導度においても限界があるため、特定の目的で水平方向の熱伝導度を必要とする部品への適用が困難である。
異種材質間の熱伝逹において、界面での空気及び異物による熱伝逹特性が低下する現象を克服するため、熱界面素材(TIM;THERMAL INTERFACE MATERIAL)を適用しているが、このような熱界面素材の場合は水平方向の熱伝導度特性が3W/mK以下であるため、効果的な熱伝逹に限界があり、高価格のフィラーを用いる必要がある問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許 第10−0353766号公報
【特許文献2】特開2014−183261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
、前記問題点を解決するためになされた本発明の目的は、バッテリーセルにコーティングしてバッテリーセルの熱を放出する熱界面素材の熱伝導度特性を最大化するとともに、絶縁及び面接着効果を最大化することができる熱界面素材の製作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような目的を達成するため、本発明の一実施形態の熱界面素材の製作方法は、熱伝導性フィラーと、弾性力を有し、フィラーに塗布された高分子マトリックスと、フィラーとマトリックスの側面に塗布された絶縁コーティング層とを含む熱界面素材の製作方法において、フィラーを構成する物質が溶解された状態で板状に押出される段階、及び板状のフィラーにマトリックスがコーティングされる段階を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の熱界面素材の製作方法によれば、従来の熱界面素材(熱伝導度が最大5W/mK)と対比して高放熱界面素材(熱伝導度が最大20W/mK)であるため、厚さを自在に調整できる効果がある。
また、適用される部品の形状によって熱界面素材を自在に製作すること及びロールタイプの生産ができるため、大量生産が可能である。
さらに、弾性力を有するエラストマー素材をマトリックスとして用いるため、面接着特性が最大化されるとともに、ロールタイプで生産する場合、適用部品の形状に合わせて裁断及び打ち抜きが可能であるため形状の自由度が高く、素材の角部分にスプレーなどの方法を用いて絶縁特性を付与することができる。この場合、電気ショートの危険性を免れることができ、製造原価面においても従来に対比して30から50%のコスト節減が可能と予想される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の熱界面素材の製作方法のフローチャートである。
図2図1の熱界面素材の製作方法によるフィラーの製造状態の概要図である。
図3図1の熱界面素材の製作方法によって製造されたフィラーの拡大図である。
図4図1の熱界面素材の製作方法によってフィラーを製造する装置の写真である。
図5図1の熱界面素材の製作方法によってフィラーにマトリックスがコーティングされる状態の概要図である。
図6図1の熱界面素材の製作方法によってマトリックスがコーティングされたフィラー要部の拡大図である。
図7図1の熱界面素材の製作方法によってフィラーにマトリックスをコーティングする装置の写真である。
図8図1の熱界面素材の製作方法によってフィラーにマトリックスをコーティングする装置の他の写真である。
図9図1の熱界面素材の製作方法によって製作された熱界面素材の概要図である。
図10図1の熱界面素材の製作方法によって製作された熱界面素材及び従来の熱界面素材の面接着性を示す概要図である。
図11図1の熱界面素材の製作方法によって製作された熱界面素材がバッテリーセルに取り付けられた状態の及び要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在、異種材質間の接触、すなわち、面接着の特性によって表面の粗度特性による熱抵抗(微細空気層)が形成され、効果的な熱伝逹確保のために熱界面素材を適用しているが、従来の熱界面素材の場合は高価なAg(銀)、BN(窒化ホウ素;ボラゾン)をフィラーとして用いるため、コスト高となり、高効率の熱伝導度特性を確保しにくいのが実情であった。
よって、本発明は、炭素系フィラーを用いた絶縁特性の高放熱界面素材を提供し、面接着及び絶縁効果を最大化するために同一のマトリックス(エラストマー;KRATON、VISTAMAXXなど)を活用して表面絶縁コーティングをする。また、スプレーなどを活用して側面絶縁及び前面絶縁コーティングを行うことにより、耐電圧特性及び応用時の安全性を確保することができる。
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳しく説明する。
図1に示すように、本発明の熱界面素材300の製作方法は、熱伝導性フィラー100と、弾性力を有し、フィラー100に塗布された高分子マトリックス200と、フィラー100とマトリックス200の側面に塗布された絶縁コーティング層とを含む熱界面素材300の製作方法において、フィラー100を構成する物質が溶解された状態で板状に押出される段階、及び板状のフィラー100にマトリックス200がコーティングされる段階を含む。また、マトリックス200及びフィラー100の側面にマトリックス200と同一の成分の液体が散布され、絶縁コーティング層を形成する段階をさらに含む。
【0011】
マトリックス200は、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系TPE(熱可塑性エラストマー;THERMOPLASTIC ELASTOMER)のうちいずれか一つで製造される。マトリックス200は、スチレン系TPEのうち、SBS(STYRENE−BUTADIENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)、SBES(STYRENE−BUTADIENE−ETHYLENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)、SIS(STYRENE−ISOPRENE−STYRENE BLOCK COPOLYMER)のうちいずれか一つで製造されることが好ましい。
【0012】
フィラー100は、カーボンブラック(CARBON BLACK)、グラファイト(黒鉛;GRAPHITE)、EGG(膨張黒鉛;EXPENDED GRAPHITE GRANULE)、グラフェン(GRAPHENE)及びグラフェンオキシド(GRAPHENE OXIDE)のうち少なくともいずれか一つで形成され得る。
また、フィラー100は、カーボンブラック、グラファイト、EGG、グラフェン及びグラフェンオキシドのうちいずれか一つと、CNT(炭素ナノチューブ;CABON NANOTUBE)及びCF(カーボンファイバー;CARBON FIBER)のうち少なくともいずれか一つとの混合物であってもよく、CNT及びCFのうちいずれか一つは、方向性を有するようにフィラー100に内蔵されてよい。CNT及びCFはフィラーの熱伝導度を向上させる。
【0013】
前記のような構成を有する本発明の熱界面素材300の製作方法を介して製作された熱界面素材300は、高放熱特性を得るために炭素系フィラー(EGG、CFなど)100を用い、面着特性を向上させるためにエラストマー素材(KRATON、VISTAMAXXなど)のコブロックポリマー(CO−BLOCK POLYMER)をマトリックス200として用いる。
フィラー100は、カーボンブラック、グラファイト、EGG、グラフェン及びグラフェンオキシドのうちいずれか一つを、全体重量に対し20〜65wt%で含むことができる。フィラー100は、CNT及びCFのうちいずれか一つを全体重量に対し0〜20wt%で含むことができる。
フィラー100の構成物質及び構成の割合は、熱伝導度と成形性などを考慮して適宜変更してもよい。
【0014】
水平方向の熱伝導度の向上のため、平型EGGにCFを混合してフィラー100を製造する。このとき、効果を最大化するため、50重量パーセントのEGGに10重量パーセントのCFを混合する。組合せによって熱伝導度特性が自在に変化する。
下記表1は、CFの重量比に対する垂直方向及び水平方向の熱伝導度である。
【表1】
薄膜型熱界面素材300を構成するため、コンマコーティング(COMMACOATING)方法及びマイクロコーティングなどの方法を用いてフィラー100、特にCFの水平方向の配向性を向上させて、これに伴い水平方向の熱伝導度特性を強化させる(図9参照)。
【0015】
絶縁特性を得るためにマトリックス200と同一の素材を溶媒に溶解させてコーティングフィルム形態とし、これによってロールタイプに大量生産を可能とした。
部品への適用時には形状によって打ち抜き及び裁断を行い、角の部分は同一素材及び絶縁素材のスプレーコーティングなどの方法を用いて絶縁性を確保するが、絶縁方法としては、機能性素材上にコーティングすることも可能であり、絶縁フィルムの製作後にラミネーション方式で素材の製作が可能である。
【0016】
本発明は、図2から図8に示すように、薄い薄膜型の熱界面素材300を得るため、機能性炭素フィラー100を溶媒に溶解させ、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの厚さに圧縮させる。このとき、溶媒は、マトリックス200素材と同一素材を用いるのが好ましい。フィラー100の薄膜に、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの厚さを有するようにマトリックス200をコーティングする。これを介して、熱伝導度を有するフィラー100、すなわち、機能層と、熱界面素材300が取り付けられる電子部品間のショートを防止するマトリックス200、すなわち、絶縁層とが形成される。機能層と絶縁層の厚さを調節して、面接着特性及び熱伝導度特性を取付部位に最適化させることが可能であり、適用部品に最適化した厚さに製作できる。
【0017】
従来の熱界面素材300の場合、Ag(銀)、BN(窒化ホウ素;ボラゾン)などの高価のフィラー100を適用するため、コスト面で不利な点があり、マトリックス200の素材によってソフトタイプ、ハードタイプに区分し、タイプによって構成を異にしなければならなかった。本発明の場合、マトリックス200、すなわち、絶縁層と、フィラー100、すなわち、機能層との厚さを調節して、ソフトタイプ、ハードタイプの構成が可能であり、コスト的な側面においても従来に比べて30パーセントから50パーセント低廉に製作することができる。
本発明の製作方法によって製作された熱界面素材300は、図6に示すように、熱伝導性フィラー100と、弾性力を有し、フィラー100に塗布された高分子マトリックス200と、フィラー100とマトリックス200の側面に塗布された絶縁コーティング層とを含む。
【0018】
前述のように、フィラー100は膜形状に形成され、マトリックス200はフィラー100にコーティングされる。本発明の一実施形態で、絶縁コーティング層はマトリックス200と同一の成分が用いられる。
一方、本発明の熱界面素材300を高放熱複合シートに適用することが可能である。本発明の熱界面素材300が高放熱複合シートに含まれれば、フィラー100の熱伝導度によってCPUまたは半導体などの発熱素子で発生した熱を放熱ヒーターに伝導させることが可能である。
また、マトリックス200の弾性力を介して必要とする防塵性能及び衝撃吸収性能を確保することができる。このとき、高放熱複合シートには電磁波を遮蔽できる電磁波遮蔽層が備えられるのが好ましい。
【0019】
図10には、バッテリーセル500に、本発明の製作方法によって製作された熱界面素材300が取り付けられた状態、及び取り付けられていない状態での熱の移動を矢印で示した。従来は、付着面の浮彫りによって空隙が発生したが、本発明により製作された熱界面素材300は、マトリックス200、すなわち、絶縁層が弾性力を有するので、圧縮を受けるに伴い、マトリックス200の形状が熱界面素材300の付着される面の形状に従い変形され、空隙の存在を防止する。つまり、熱界面素材300と付着面との間に空隙が発生しない。
【0020】
図11には、バッテリーモジュール400を構成するバッテリーセル500の間に、本発明の製作方法によって製作された熱界面素材300が取り付けられた状態が示されている。本発明によって製作された熱界面素材300は、必要とする熱伝導度に従い最大限薄く製作することが可能である。このような特性によって、バッテリーセル500間の距離を最小化することができ、バッテリーモジュール400の体積を最小化することができる。
【0021】
以上のように、本発明は、好ましい実施例を図によって説明したが、本発明は前述した特定の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0022】
100:フィラー
200:マトリックス
300:熱界面素材
400:バッテリーモジュール
500:バッテリーセル

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11