(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592316
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】半導体基板処理装置、フォトレジストを剥離する方法、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20191007BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20191007BHJP
G03F 7/42 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
H01L21/30 572B
H01L21/30 572Z
H01L21/304 642A
H01L21/304 647Z
G03F7/42
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-187340(P2015-187340)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-63107(P2017-63107A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田牧 一郎
【審査官】
佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−204546(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/008605(WO,A1)
【文献】
特開2014−107478(JP,A)
【文献】
特開平04−256318(JP,A)
【文献】
特開2004−327826(JP,A)
【文献】
特開2008−016620(JP,A)
【文献】
特開平11−174692(JP,A)
【文献】
特開2015−020100(JP,A)
【文献】
特開2002−096012(JP,A)
【文献】
特開2012−119491(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0255577(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/00 、 7/06 − 7/07 、
7/12 − 7/14 、 7/26 − 7/42 、
H01L21/027、21/30 、21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上のフォトレジストを剥離する半導体基板処理装置であって、
薬液を貯める処理槽と、
前記処理槽内の前記薬液を循環するために設けられ、前記薬液が前記処理槽と第1循環ポンプと第1フィルターとを順に循環する第1の循環経路と、
前記処理槽内の前記薬液を循環するために前記第1の循環経路と並列に設けられ、前記薬液が前記処理槽と第2循環ポンプと第2フィルターとを順に循環する第2の循環経路と、
前記処理槽の前記薬液にオゾンガス拡散治具を介してオゾンガスを供給するオゾンガス発生装置と、
前記薬液が前記第2の循環経路を循環すること無しに、前記第1循環ポンプと前記第1フィルターと前記オゾンガス発生装置からのオゾンガスが供給されるガス導入治具とを順に循環する第3の循環経路と、
からなることを特徴とする半導体基板処理装置。
【請求項2】
半導体基板上のフォトレジストを剥離する方法であって、
処理槽と第1循環ポンプと第1フィルターを順に通る第1の循環経路にオゾンガスを導入した薬液を循環させる工程と、
前記フォトレジストが付いた前記半導体基板を前記処理槽に浸漬する工程と、
前記フォトレジストが前記処理槽に溶解したら、前記処理槽と第2循環ポンプと第2フィルターを順に通る第2の循環経路にオゾンガスを導入した前記薬液を循環させて前記処理槽に戻すという循環を行うとともに、前記第1循環ポンプと前記第1フィルターとガス導入治具を順に通る第3の循環経路を循環する前記薬液にオゾンガスを導入して前記第1フィルターを清浄にする工程と、
からなるフォトレジストを剥離する方法。
【請求項3】
半導体基板上に設けられた半導体装置の製造方法であって、
フォトレジストを剥離する剥離工程を有しており、
前記剥離工程は、
処理槽と第1循環ポンプと第1フィルターを順に通る第1の循環経路にオゾンガスを導入した薬液を循環させる工程と、
前記フォトレジストが付いた前記半導体基板を前記処理槽に浸漬する工程と、
前記フォトレジストが前記処理槽に溶解したら、前記処理槽と第2循環ポンプと第2フィルターを順に通る第2の循環経路にオゾンガスを導入した前記薬液を循環させて前記処理槽に戻すという循環を行うとともに、前記第1循環ポンプと前記第1フィルターとガス導入治具を順に通る第3の循環経路を循環する前記薬液にオゾンガスを導入して前記第1フィルターを清浄にする工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置を製造する過程であるフォトリソグラフィーにおいて、主に、基板表面に塗布されたフォトレジストを剥離する工程、ならびに、半導体基板表面に付着する有機物質を除去する工程に用いる半導体基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板を用いた半導体装置の製造においては、半導体基板表面に塗布されたフォトレジストを基板表面から剥離する工程や半導体基板表面に付着した有機物質を除去するために硫酸と過酸化水素水の混合液を120度以上の温度に加熱した薬液に半導体基板を浸し、その後、純水による洗浄、乾燥処理が施す処理が行われてきた。これは、硫酸と過酸化水素水の反応によって発生するペルオキソ2硫酸等、非常に酸化性が強い物質により、半導体基板表面のフォトレジスト等の物質が溶解または剥離されることを利用した技術である。
【0003】
さらに、これに替わる手段として、高温の硫酸にオゾンガスを注入して硫酸とオゾンガスを処理槽内に導入し、硫酸とオゾンガスの反応により生成されるペルオキソ2硫酸等の酸化性が強い物質により硫酸と過酸化水素水の混合液と同じ効果を得る技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−174692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された装置で半導体基板の処理を実施すると、剥離したフォトレジスト膜がまずフィルターに捕獲されるが、剥離直後では、レジストが大量に剥離するため、フィルターがレジストにより汚れてしまい、捕獲性能が低下して捕獲しきれいないレジストが微粒子となってウェハに再付着してしまう可能性がある。また、オゾンを薬液中に浸透膜を利用して溶かし込める濃度に限界があるので、半導体基板表面に転写されているパターンによっては、レジストが剥離しにくい部分があり、長時間の処理によっても、基板表面にレジストが残ってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、半導体基板処理装置において、オゾンを直接洗浄槽内に拡散させ、薬液に十分な濃度を供給しながら、フィルターの汚れが半導体基板表面に及ぼす影響をなくすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、半導体基板を処理する槽に対して循環ラインを設け、その循環ラインに2つの循環ポンプと2つのフィルターを設けたことを特徴としている。さらに、循環ライン内には、オゾンガスを薬液中に溶かし込むガス導入冶具が組み込まれていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上記手段を用いることでレジスト剥離処理後に半導体基板表面に残留する微粒子数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例である半導体基板処理装置を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施例である半導体基板処理装置を示す概略図に薬液の第1の循環方向を設けた図である。
【
図3】本発明の実施例である半導体基板処理装置を示す概略図に薬液の第2の循環方向を設けた図である。
【
図4】本発明の実施例である半導体基板処理装置で処理した時の残留微粒子数を従来技術と比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例である半導体基板処理装置の概略を示したものである。
処理槽12は、その内部にヒーター40とオゾンガス拡散治具31とスノコ状治具15を有し、スノコ状治具15の上に半導体基板1を収納するウェハ保持治具16を置いて薬液処理することができる。処理層12には薬液を投入する薬液投入装置10が薬液投入バルブ111および配管を介して接続されている。半導体基板1の表面には多数の半導体装置2が縦横に規則正しく配置されている。
【0011】
また、処理層12には薬液循環のための配管が複数設けられている。薬液は処理槽12の上部からオーバーフローし、切替えバルブ112、113、114、フィルター141、142、循環ポンプ131、132、そして配管を介して処理槽12に戻されることになる。第1循環ポンプ131と第1フィルター141は直列に接続され、第2循環ポンプ132と第2フィルター142も直列に接続されている。また、直列に接続された第1循環ポンプ131と第1フィルター141とは、直列に接続された第2循環ポンプ132と第2フィルター142とに対して並列に接続されている。第1循環ポンプ131と第2循環ポンプ132の間には第1切替えバルブ112が設けられ、第1フィルター141と第2フィルター142の間には第2切替えバルブが設けられている。さらに、処理槽12にオゾンガスを注入するためのオゾンガス発生装置30が第1オゾンガス投入バルブ321および配管を介して設けられている。オゾンガス発生装置30は薬液循環系にも第2オゾンガス投入バルブ322および配管を介してガス導入治具34にて接続されている。なお、以上で説明した薬液投入バルブ,ヒーター、切替えバルブ、循環ポンプ、オゾンガス投入バルブ等は制御部50によって制御されている。
【0012】
次に、
図1を用いて、本発明により実施される半導体基板の処理を例にとり説明をしていく。
半導体基板1はカセット等のウェハ保持治具16に収容されて処理槽12内に導入される。処理槽12内にはウェハ保持治具16を置くためのスノコ状冶具15が収められており、ウェハ保持冶具16はこの上で半導体基板を保持する機構となっている。まず、ウェハ保持冶具16は図示していない搬送ロボットにより処理槽12内に搬入される。
【0013】
処理槽12内には薬液投入装置10から薬液投入バルブ111の開閉により処理槽中に薬液が供給される。この薬液には主に硫酸が用いられる。薬液は半導体基板1が処理槽12に搬入される以前に処理槽12内に貯留する。貯留された薬液は第1循環ポンプ131により循環され、循環する薬液は第1フィルター141により濾過される。このとき、バルブの開閉状態は、第1切替えバルブ112:開、第2切替えバルブ113:開、第3切替えバルブ114:閉である。
【0014】
処理槽12内には薬液を加熱するためのヒーター40が収められており、このヒーター40により処理槽12内に貯留された薬液を所定の温度まで加熱する。また、処理槽12内のスノコ状治具15の下部にオゾンガスを処理槽12内部に拡散するオゾンガス拡散冶具31が付加されている。オゾンガス発生装置30で発生したガスは、第1オゾンガス投入バルブ321を開くことによりオゾンガス拡散冶具31を通して処理槽12内に貯留した薬液中に拡散する。一連の処理のシーケンスは、制御部50によって全て一元的に制御される。この制御は、いわゆるレシピによって規定され、制御部はこのレシピで設定した命令にしたがって制御を実施する。以下に処理シーケンスの一例を示す。
ステップ1
処理槽12に硫酸を定量まで洗浄槽に投入する。このとき使用する硫酸の濃度は、半導体用として販売されているもののなかで最大濃度(96%以上)であることが望ましい。
ステップ2
処理槽12に投入した硫酸を設定した温度までヒーター40により加熱する。このときの硫酸の温度は140℃以上が望ましい。
ステップ3
フォトレジストが付着した半導体基板1を硫酸が入った処理槽12に浸す。
ステップ4
オゾンガスを処理槽12内にオゾンガス拡散治具31を通して導入する。オゾンガスの流量は10L〜15Lが望ましい。これ以上の流量を導入するとガスの液中のガスの流れにより、半導体基板1が薬液中で振動をして、基板の破損につながる恐れがある。
【0015】
このときの薬液の循環経路は、
図2に示している。図中の矢印は薬液が流れる方向を示している。この循環経路を第1の循環経路と呼ぶことにする。この時のバルブの開閉の設定は、第1切替えバルブ112:開、第2切替えバルブ113:開、第3切替えバルブ114:閉である。
ステップ5
設定時間まで、半導体基板1を処理槽12に浸す。浸す時間は5分から10分程度が望ましい。時間が短いと、表面に多量のレジストが残ってしまう。また長すぎると、生産性が悪くなってしまう。このとき処理槽12内ではレジストの剥離が始まっている。10分程度までは処理を進めると、薬液の色はほぼ無色になるが、フィルターはレジストの剥離カスの影響で茶褐色に変色している。
ステップ6
設定時間が来たら、バルブの設定を、第1切替えバルブ112:閉、第2切替えバルブ113:閉、第3切替えバルブ114:開に変更する。すると、薬液の循環経路は
図3に示すように変更される。処理槽12からの薬液はレジストによって汚染されていない第2フィルター142を通過して処理槽12へと循環することになり、レジストによる半導体基板1の汚染はほとんど無い。これを第2の循環経路と呼ぶ。この時点では残りのレジストは十分少量になっており、レジストがフィルターを汚染することが無くなる。
【0016】
また第1のフィルター141に捕獲されたレジストの微粒子も循環している硫酸とオゾンの反応液に溶かし込まれていく。このとき第1のフィルター141に薬液が循環する経路を第3の循環経路と呼ぶ。処理時間は0〜5分程度が望ましい。切替えバルブ112,113,114の開閉変更と同時に、第2オゾンガス投入バルブ322を開とする。そうすると、オゾンガスがガス導入冶具34を通して薬液中に浸透していく。この時のオゾンガス流量は1〜5L程度が望ましい。これにより、レジストが付着した第1フィルター141は硫酸とオゾンガスの反応した薬液で循環洗浄されることになり、次のバッチ処理時には綺麗な状態で処理を開始できる。
ステップ7
設定時間完了後、半導体基板1を処理槽12から純水に満たされた純水槽に移し、半導体基板1表面に残った薬液成分を取り除く。このときバルブの設定は、第1切替えバルブ112:開、第2切替えバルブ113:開、第3切替えバルブ114:閉の状態に切り替える。オゾンガスの供給は、この時点で止めるため、第2オゾンガス投入バルブ322は閉とする。
ステップ8
半導体基板1を純水槽から乾燥装置に移動して乾燥する。
以上でシーケンスの一例は終了となる。
【0017】
以上説明したように、通常は第1循環ポンプ131と第1フィルター141を通る第1循環ラインでオゾンガスを導入した薬液を循環させ、レジスト剥離によってレジストが処理槽12に溶解したら、第2循環ポンプ132と第2フィルター142を通る第2循環ラインにオゾンガスを導入した薬液を循環させて処理槽12に戻すという循環を行うとともに、第1循環ポンプ131と第1フィルター141とガス導入治具34を通る第3循環ラインにオゾンガスを導入して第1フィルター141を清浄にするというのが一つの処理サイクルになる。
【0018】
図4は、本発明の半導体基板処理装置で処理した時の残留微粒子数を示す図である。従来技術を用いた場合と本発明を用いた場合で、処理後に半導体基板表面に残留する微粒子数を比較している。この図によれば、本発明により、半導体基板表面に残留した微粒子数が減少したことが明らかである。
【符号の説明】
【0019】
1 半導体基板
2 半導体装置
10 薬液投入装置
12 処理槽
15 スノコ状冶具
16 ウェハ保持冶具
30 オゾンガス発生装置
31 オゾンガス拡散冶具
34 ガス導入治具
40 ヒーター
50 制御部
111 薬液投入バルブ
112 第1切替えバルブ
113 第2切替えバルブ
114 第3切替えバルブ
131 第1循環ポンプ
132 第2循環ポンプ
141 第1フィルター
142 第2フィルター
321 第1オゾンガス投入バルブ
322 第2オゾンガス投入バルブ