【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明における液体式マッサージ装置にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
本体ハウジングの上方開口が、弾性シートからなる支持シートにより施蓋され、
前記本体ハウジング内に、該本体ハウジング内の噴射用液体を噴射するための噴射ノズルが配設されてなる液体式マッサージ装置であって、
前記噴射ノズルとして、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の首部付近を挟む左右位置においてそれぞれ横噴射用ノズルが設けられ、
前記横噴射用ノズルからの噴射用液体が、前記支持シートのうち上方への突出部分を介して、患者の首部から肩部に対して横方向から噴射され、
前記支持シート上には、クッション体によって形成されて、少なくとも前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部を挟むように配設される左右一対の側方支持部を有する支持部材が設けられ、
前記各側方支持部は、前記上方への突出部分にまで伸びて、該突出部分を上方から覆って
おり、
前記支持部材が、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭頂部側に位置されて、左右一対の前記側方支持部同士を連結する後側支持部をさらに有しており、
前記左右一対の側方支持部と前記後側支持部とで囲まれる空間が、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が位置される収納凹部とされ、
前記後側支持部は、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者が頭頂部側に向けて移動するのを規制するように高さ設定されている、
ようにしてある。
【0010】
上記解決手法によれば、支持シートに形成された左右一対の上方への突出部分は、クッション体からなる左右一対の側方支持部によって上方から覆われているので、この突出部分に対して患者や周囲の物体が不用意に触れてしまう事態を防止することができる。また、側方支持部はクッション体であることから、患者が触れても手触りのよいものとなり、また特に硬い物体が当たっても、突出部分を確実に保護することができる。
以上に加えて、後側支持部材によって、支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭頂部側への移動を規制することができ、また左右一対の側方支持部の位置決めをも行う上で好ましいものとなる。
【0011】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2〜
請求項8に記載のとおりである。すなわち、
前記側方支持部は、支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が横方向へ移動するのを規制するように高さ設定され、
前記側方支持部のうち前記上方への突出部分が位置される部分の下面に、該上方への突出部分が収納される逃げ用凹部が形成されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、側方支持部によって、支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が左右(横方向)に大きく動いてしまう事態を防止しつつ、上方への突出部分を保護することができる。
【0012】
【0013】
前記支持部材は、前記収納凹部の底面に位置する部分において、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が載置される支承部をさらに有している、ようにしてある(
請求項3対応)。この場合、支承部を、患者の頭部を支承する枕として機能させることができる。
【0014】
前記支持シートの左右側縁部に位置して該支持シートよりも高くなるように設定された左右一対の側方壁部と、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭頂部側に位置されて該支持シートよりも高くなるように設定された後側壁部とを有して、該後側壁部によって左右一対の側方壁部同士が連結されており、
前記支持部材は、前記左右の側方壁部と前記後側壁部との3つの内壁面に弾力的に当接されて、前記支持シートに対して横方向への移動と前記後側壁部に向けての移動とが規制されている、
ようにしてある(
請求項4対応)。この場合、支持シートの周囲に設けた壁部を有効に利用して支持部材の位置決めを行って、側方支持部によって上方への突出部分を覆った状態を確実に維持する上で好ましいものとなる。
【0015】
前記後側壁部の内壁面には、スピーカ孔が形成され、
前記支持部材の下面には、前記スピーカ孔と前記収納凹部とを連通させるガイド溝が形成されている、
ようにしてある(
請求項5対応)。この場合、スピーカからの音を、支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の耳元に良好に伝達することができる。
【0016】
前記本体ハウジングが、前記支持シートの左右側縁部に位置して該支持シートよりも高くなるように設定された左右一対の側方壁部と、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭頂部側に位置されて該支持シートよりも高くなるように設定された後側壁部とを有して、該後側壁部によって左右一対の側方壁部同士が連結されており、
前記左右側縁部のうち、前記上方への突出部分に対応した位置から前記後側壁部に渡っての所定長さ範囲が、手すりとなるように部分的に高くされた隆起部とされている、
ようにしてある(
請求項6対応)。この場合、上方への突出部分の付近に手すりを構成して、上方への突出部分が存在する位置に対して患者が不用意に手をついてしまうような事態をより一層確実に防止する上で好ましいものとなる。
【0017】
前記隆起部の外側面に、患者の指先が入り込めるように凹部が形成されている、ようにしてある(
請求項7対応)。この場合、請求項7での手すりの効果をより一層高めることができる。
【0018】
前記噴射ノズルとして、上方へ向けて噴射用液体を噴射する上噴射用ノズルをさらに有している、ようにしてある(
請求項8対応)。この場合、従来一般的に行われている上噴射用ノズルによる刺激効果を合わせて得ることができる。
【0019】
前記目的を達成するため、本発明における支持部材にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、
請求項9に記載のように、
患者を仰向け状態で支承する支持シートの長手方向一端部に左右一対の上方への突出部分が形成されて、該上方への突出部分の下方に横方向に噴射用液体を噴射する横噴射用ノズルが配設されてなる液体式マッサージ装置に用いられる支持部材であって、
クッション体により形成されて、左右一対の側方支持部と該側方支持部の後端部同士を連結する後側支持部とを有して、該左右一対の側方支持部と該後側支持部とで囲まれた空間が、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が位置される収納凹部とされており、
前記左右一対の側方支持部と前記後側支持部とは、それぞれ、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部の左右方向への移動と頭頂部側への移動とを規制するように高さ設定され、
前記左右一対の側方支持部の前端部下面には、前記上方への突出部分が収納される逃げ用凹部が形成されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1
、請求項2に対応した液体式マッサージ装置用の支持部材を提供することができる。
【0020】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、
請求項10以下に記載のとおりである。すなわち、
前記支持部材は、前記収納凹部の底面に位置する部分において、前記支持シート上に仰向けで支承された状態での患者の頭部が載置される支承部をさらに有している、
ようにしてある(
請求項10対応)。この場合、
請求項3に対応した液体式マッサージ装置に使用される支持部材を提供することができる。
【0021】
前記支持部材の下面には、前記後側支持部の外側面に開口されると共に前記収納凹部内に開口されるガイド溝が形成されている、ようにしてある(
請求項11対応)。この場合、
請求項5に対応して液体式マッサージ装置に使用される支持部材を提供することができる。