特許第6592325号(P6592325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592325
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】シリンダー休止エンジン
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20191007BHJP
   F02D 17/00 20060101ALI20191007BHJP
   F02D 17/02 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   F01L13/00 302A
   F01L13/00 301F
   F01L13/00 301Y
   F02D17/00 H
   F02D17/02 M
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-205514(P2015-205514)
(22)【出願日】2015年10月19日
(65)【公開番号】特開2016-109118(P2016-109118A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2018年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0175830
(32)【優先日】2014年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 命 植
(72)【発明者】
【氏名】金 遠 圭
(72)【発明者】
【氏名】郭 永 弘
(72)【発明者】
【氏名】金 宇 泰
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−030584(JP,A)
【文献】 特開2002−221052(JP,A)
【文献】 特表2013−522542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 13/00
F02D 17/00
F02D 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つ以上のシリンダーが具備され、一部のシリンダーの休止を選択的に行うシリンダー休止エンジンにおいて、
選択的に休止が行われる少なくとも一つ以上の休止シリンダーと、
休止が行われない少なくとも一つ以上の非休止シリンダーと、
前記休止シリンダーに具備され、バルブのリフトを選択的にゼロリフトに具現するように油圧によって作動するシリンダー休止装置と、
前記非休止シリンダーに具備され、油圧によって作動する可変バルブリフト装置と、
前記可変バルブリフト装置及び前記シリンダー休止装置を作動させるための油圧を発生させるオイルポンプと、
前記オイルポンプから伝達された油圧が前記可変バルブリフト装置及び前記シリンダー休止装置に選択的に供給されるように制御する少なくとも一つのオイルコントロールバルブと、を含み、
前記シリンダー休止装置は、前記休止シリンダーの吸気バルブ及び排気バルブをそれぞれ作動させるように吸気側と排気側とにそれぞれ具備され、
前記可変バルブリフト装置は、前記非休止シリンダーの吸気バルブを作動させるように吸気側に具備されることを特徴とするシリンダー休止エンジン。
【請求項2】
前記オイルコントロールバルブは、前記休止シリンダーに具備される二つのシリンダー休止装置及び前記非休止シリンダーに具備される一つの可変バルブリフト装置と連通することを特徴とする請求項に記載のシリンダー休止エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダー休止エンジンに関し、より詳しくは、休止されないシリンダーのバルブリフトを可変させることができるシリンダー休止エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内燃機関は、燃焼室で混合気が燃焼し、この燃焼熱によって発生するエネルギーで作動する機関である。このような内燃機関としては、エンジンの出力を増大させ、騒音と振動を減らすために複数のシリンダーを具備した多気筒エンジンが主に使用される。
【0003】
最近では、エネルギー経費の高騰によりエンジンが低出力状態である時、エンジンに具備された複数のシリンダーのうち一部のシリンダーを休止(deactivated)させて燃費を向上させるエンジンのシリンダー休止装置が開発されている。
【0004】
このような従来のシリンダー休止装置に使用されるシリンダー休止方法は、複数のシリンダーのうち一部のシリンダーには混合気を注入せず点火もせず、残りのシリンダーのみに混合気を注入して燃焼させることによりエンジンを運転するようにする。
例えば、4シリンダーエンジンの場合、2個のシリンダーには、混合気を注入せず点火もせず、残りの2個のシリンダーのみでエンジンを運転するようにする。
【0005】
一方、休止するシリンダーには、混合気が注入されないようにバルブのゼロリフト(zero lift)を選択的に具現する可変バルブリフト(variable valve lift)技術が適用される。
【0006】
しかし、既存のシリンダー休止装置によって具現されるシリンダー休止エンジンでは、休止が行われないシリンダーのバルブが一定のノーマルリフトで作動して、バルブリフトをエンジンの回転速度により適切なリフトに具現できないという短所があった。また、休止が行われないシリンダーのバルブリフトを変化させるための構成が複雑になると、エンジンの重量及び製造原価が大幅に上昇することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2010−261315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、一部のシリンダーの休止を具現すると同時に、他の一部のシリンダーの可変バルブリフトを具現するシリンダー休止エンジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明の実施例に係るシリンダー休止エンジンは、少なくとも二つ以上のシリンダーが具備され、一部のシリンダーの休止を選択的に行うシリンダー休止エンジンにおいて、選択的に休止が行われる少なくとも一つ以上の休止シリンダーと、休止が行われない少なくとも一つ以上の非休止シリンダーと、休止シリンダーに具備され、バルブのリフトを選択的にゼロリフトに具現するように油圧によって作動するシリンダー休止装置と、非休止シリンダーに具備され、バルブのリフトを選択的に可変させるように油圧によって作動する可変バルブリフト装置と、可変バルブリフト装置及びシリンダー休止装置を作動させるための油圧を発生させるオイルポンプと、オイルポンプから伝達された油圧が可変バルブリフト装置及びシリンダー休止装置に選択的に供給されるように制御する少なくとも一つのオイルコントロールバルブとを含む。
【0010】
シリンダー休止装置は、休止シリンダーの吸気バルブ及び排気バルブをそれぞれ作動させるように吸気側と排気側とにそれぞれ具備される。
可変バルブリフト装置は、非休止シリンダーの吸気バルブを作動させるように吸気側に具備される。
オイルコントロールバルブは、休止シリンダーに具備される二つのシリンダー休止装置及び非休止シリンダーに具備される一つの可変バルブリフト装置と連通する。
【0011】
可変バルブリフト装置は、カムの回転により選択的にレバーによる運動をし、一端に吸気バルブが連結し、他端にレバーによる運動の回転軸が具備され、内側空間を形成するアウタボディーと、アウタボディーの内側空間に配置され、その一端がアウタボディーの一端と回転可能に連結するインナーボディーと、アウタボディーの一端及びインナーボディーの一端を貫通するように配置され、アウタボディーとインナーボディーとを連結する連結軸と、連結軸を中心としてアウタボディーと相対回転したインナーボディーを原位置させるように具備されるロストモーションスプリングとを含む。
【0012】
可変バルブリフト装置に油圧が供給されることにより、インナーボディーはアウタボディーに固定され、カムの回転により、アウタボディーのレバーによる運動の回転軸を中心としてアウタボディーと共にレバーによる運動をし、可変バルブリフト装置に油圧が解除されることにより、インナーボディーはアウタボディーとの固定が解除され、カムの回転により、連結軸を中心としてレバーによる運動をする。
【0013】
アウタボディーには、ラッチングピン及びラッチングスプリングが具備され、可変バルブリフト装置に油圧が供給されれば、ラッチングピンによりインナーボディーがアウタボディーに固定され、可変バルブリフト装置に油圧が解除されれば、ラッチングスプリングによりラッチングピンが原位置してインナーボディーとアウタボディーとの固定が解除される。
【0014】
アウタボディーがインナーボディーと共にレバーによる運動をすることで、吸気バルブのハイリフトが具現され、アウタボディーが連結軸を中心としてレバーによる運動をしたインナーボディーに拘束されてレバーによる運動をすることで、吸気バルブのノーマルリフトが具現される。
【0015】
可変バルブリフト装置は、インナーボディーが内側空間を形成し、インナーボディーの内側空間に配置され、インナーボディーと回転可能に連結され、カムの回転によりインナーボディーがレバーによる運動をするようにカムと接触するローラをさらに含む。
【0016】
シリンダー休止装置は、カムの回転により選択的にレバーによる運動をし、一端にバルブが連結され、他端にレバーによる運動の回転軸が具備され、内側空間を形成するアウタボディーと、アウタボディーの内側空間に配置され、その一端がアウタボディーの一端と回転可能に連結されるインナーボディーと、アウタボディーの一端及びインナーボディーの一端を貫通するように配置され、アウタボディーとインナーボディーとを連結する連結軸と、連結軸を中心としてアウタボディーと相対回転したインナーボディーを原位置させるように具備されるロストモーションスプリングとを含む。
【0017】
シリンダー休止装置に油圧が解除されることにより、インナーボディーはアウタボディーに固定され、カムの回転により、アウタボディーのレバーによる運動の回転軸を中心としてアウタボディーと共にレバーによる運動をし、シリンダー休止装置に油圧が供給されることにより、インナーボディーはアウタボディーとの固定が解除され、インナーボディーのみがカムの回転により、連結軸を中心としてレバーによる運動をする。
【0018】
アウタボディーには、ラッチングピン及びラッチングスプリングが具備され、可変バルブリフト装置に油圧が解除されれば、ラッチングスプリングにより一方向に押されたラッチングピンがアウタボディーをインナーボディーに固定するように作動し、可変バルブリフト装置に油圧が供給されれば、油圧によりラッチングピンが他方向に押されてインナーボディーとアウタボディーとの固定が解除される。
【0019】
アウタボディーがインナーボディーと共にレバーによる運動をすることで、バルブのノーマルリフトが具現され、インナーボディーのみが連結軸を中心としてレバーによる運動をすることで、バルブのゼロリフトが具現される。
シリンダー休止装置は、インナーボディーが内側空間を形成し、インナーボディーの内側空間に配置され、インナーボディーと回転可能に連結され、カムの回転によりインナーボディーがレバーによる運動をするようにカムと接触するローラをさらに含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例によると、休止シリンダーの休止を具現すると同時に、非休止シリンダーの可変バルブリフトを具現することが可能である。従って、燃費の向上を向上させることができる。
【0021】
また、一つのオイルコントロールバルブが一つの休止シリンダーのシリンダー休止と、一つの非休止シリンダーの可変バルブリフトと、を制御することにより、エンジンの重量及び原価が必要以上に増大することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に係る可変バルブリフト装置の平面図である。
図2】本発明の実施例に係る可変バルブリフト装置の側断面図である。
図3】本発明の実施例に係るシリンダー休止装置の平面図である。
図4】本発明の実施例に係るシリンダー休止装置の側断面図である。
図5】本発明の実施例に係るシリンダー休止エンジンの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例に係る可変バルブリフト装置の平面図である。
図1に示すように、本発明の実施例に係る可変バルブリフト装置100は、アウタボディー110、インナーボディー120、ローラ130、連結軸140、及びロストモーションスプリング150を含む。
【0024】
アウタボディー110は、カム軸(図示せず)の回転力を選択的に伝達されてレバーによる運動をし、バルブを開閉させるように作動する。また、カム軸の回転運動をアウタボディー110のレバーによる運動に変換させるように、カム軸には、カム5が形成されるか具備される。ここで、バルブは、エンジンの吸気バルブ又は排気バルブである。さらに、アウタボディー110の内側には、アウタボディー110を垂直方向に貫通した空間112が形成される。つまり、アウタボディー110は、レバーによる運動をするように一定の長さを有し、アウタボディー110の内側空間112が形成される一定の幅及び厚さを有する。
【0025】
アウタボディー110の一端には、バルブが連結され、他端には、レバーによる運動の回転軸が具備される。また、アウタボディー110の内側空間112がアウタボディー110の一端側に開口することにより、アウタボディー110の全体的な形状は、「U」字状に形成される。
以下の説明において、アウタボディー110に具備されるか連結される構成要素の一端及び他端は、アウタボディー110の一端及び他端とそれぞれ同一方向の一部分を意味する。
【0026】
インナーボディー120は、アウタボディー110の内側空間112に配置される。また、インナーボディー120の一端は、アウタボディー110の一端と回転可能に連結される。さらに、インナーボディー120は、カム軸の回転力を伝達されてレバーによる運動をし、バルブを開閉するように作動する。またさらに、インナーボディー120の内側には、垂直方向に貫通した空間が形成される。つまり、インナーボディー120は、レバーによる運動をするように一定の長さを有し、インナーボディー120の内側空間124が形成されるように一定の幅及び厚さを有する。
【0027】
ローラ130は、インナーボディー120の内側空間124に配置される。また、ローラ130は、インナーボディー120と回転自在に連結される。一方、ローラ130とインナーボディー120とを回転可能に連結させるようにローラ回転軸135が具備される。つまり、ローラ130は、ローラ回転軸135を中心として回転する。さらに、ローラ130は、カム軸の回転運動をアウタボディー110又はインナーボディー120のレバーによる運動に変換させるようにカム5と接触する。
【0028】
連結軸140は、アウタボディー110の一端とインナーボディー120の一端とを回転可能に連結させるように具備される。つまり、インナーボディー120は、連結軸140を中心としてアウタボディー110と相対回転する。ここで、連結軸140によってインナーボディー120と連結するアウタボディー110の一端をアウタ連結部114と称し、連結軸140によってアウタボディー110と連結するインナーボディー120の一端をインナー連結部122と称する。
【0029】
アウタボディー110の一端には、アウタ連結部114と隣接してバルブ接触部116が形成されるか具備される。アウタ連結部114は、一端側に開口されたアウタボディー110の一端に二つが形成される。従って、バルブ接触部116は、二つのアウタ連結部114とそれぞれ隣接して二つが形成されるか具備される。また、バルブ接触部116は、前記バルブと接触してアウタボディー110のレバーによる運動により二つのバルブをそれぞれ押すように機能する。
【0030】
インナーボディー120は、アウタボディー110に選択的に固定されて共にレバーによる運動をするか、選択的に固定が解除されて独立してレバーによる運動をする。
ロストモーションスプリング150は、アウタボディー110に固定するインナーボディー120の固定が解除される場合に、独立したレバーによる運動によってアウタボディー110と相対回転したインナーボディー120を原位置に復帰させるように機能する。
【0031】
図2は、本発明の実施例に係る可変バルブリフト装置の側断面図である。
図2に示すように、インナーボディー120は、ラッチングピンホール129を更に含み、アウタボディー110には、ラッチングピン(latching pin)160、ストッパー167、及びラッチングスプリング165が具備される。
【0032】
ラッチングピンホール129は、ラッチングピン160のようにインナーボディー120をアウタボディー110に選択的に固定するように機能する固定部材が挿入されるように形成されたホールである。図2には、固定部材がラッチングピン160で示したが、これに限定されない。ラッチングピン160は、油圧によって作動し、油圧の供給を受け易くするためにアウタボディー110の他端側に具備される。
【0033】
ストッパー167は、ラッチングピン160がアウタボディー110の他端方向に離脱するのを防止するように具備される。また、ストッパー167とラッチングピン160との間には、アウタボディー110、ストッパー167、及びラッチングピン160で囲まれた油圧チャンバー169が形成される。さらに、ラッチングピン160が油圧チャンバー169に供給された油圧によってアウタボディー110の一端方向に押され、ラッチングピンホール129に挿入されることでインナーボディー120がアウタボディー110に固定される。
【0034】
ラッチングスプリング165は、ラッチングピン160を油圧によって押される前の位置に復帰させるように具備されたスプリングである。つまり、油圧チャンバー169に供給された油圧が解除されれば、ラッチングピン160がラッチングスプリング165によって原位置に復帰することにより、インナーボディー120とアウタボディー110との固定が解除される。
【0035】
インナーボディー120がアウタボディー110に固定されれば、ローラ130と接触したカム5の回転によって、インナーボディー120とアウタボディー110は、アウタボディー110のレバーによる運動の回転軸を中心として共にレバーによる運動をする。また、アウタボディー110に固定されるインナーボディー120の固定が解除されれば、ローラ130と接触したカム5の回転によって、インナーボディー120は、連結軸40を中心としてレバーによる運動をすると共に、アウタボディー110は、連結軸40を中心としてレバーによる運動をしたインナーボディー120に拘束されて、アウタボディー110のレバーによる運動の回転軸を中心としてレバーによる運動をする。
【0036】
ここで、インナーボディー120と共にレバーによる運動をするアウタボディー110によって、前記バルブのハイリフト(high lift)が具現され、連結軸140を中心としてレバーによる運動をしたインナーボディー120に拘束されてレバーによる運動をするアウタボディー110によって、バルブのノーマルリフト(normal lift)が具現される。
【0037】
図3は、本発明の実施例に係るシリンダー休止装置の平面図である。
図3に示すように、本発明の実施例に係るシリンダー休止装置は、アウタボディー210、インナーボディー220、ローラ230、連結軸240、及びロストモーションスプリング250を含む。
【0038】
アウタボディー210は、カム軸(図示せず)の回転力を選択的に伝達されてレバーによる運動をし、バルブを開閉させるように作動する。また、カム軸の回転運動をアウタボディー210のレバーによる運動に変換させるように、前記カム軸にはカム5が形成されるか具備される。ここで、前記バルブは、エンジンの吸気バルブ又は排気バルブである。
さらに、アウタボディー210の内側には、アウタボディー210が垂直方向に貫通した空間212が形成される。つまり、アウタボディー210は、レバーによる運動をするように一定の長さを有し、アウタボディー210の内側空間212が形成されるように一定の幅及び厚さを有する。
【0039】
アウタボディー210の一端には、バルブが連結され、他端には、レバーによる運動の回転軸が具備される。また、アウタボディー210の内側空間212がアウタボディー210の一端側に開口することにより、アウタボディー210の全体的な形状は「U」字状に形成される。
【0040】
以下の説明において、アウタボディー210に具備されるか連結される構成要素の一端及び他端は、アウタボディー210の一端及び他端とそれぞれ同一方向の一部分を意味する。
【0041】
インナーボディー220は、アウタボディー210の内側空間112に配置される。また、インナーボディー220の一端は、アウタボディー210の一端と回転可能に連結される。さらに、インナーボディー220は、カム軸の回転力を伝達されてレバーによる運動をし、バルブを選択的に開閉させるように作動する。またさらに、インナーボディー220の内側には、垂直方向に貫通した空間が形成される。つまり、インナーボディー220は、による運動をするように一定の長さを有し、インナーボディー220の内側空間224が形成されるように一定の幅及び厚さを有する。
【0042】
ローラ230は、インナーボディー220の内側空間224に配置される。また、ローラ230は、インナーボディー220と回転可能に連結される。一方、ローラ230とインナーボディー220とを回転可能に連結させるようにローラ回転軸235が具備される。つまり、ローラ230は、ローラ回転軸235を中心として回転する。さらに、ローラ230は、カム軸の回転運動をアウタボディー210又はインナーボディー220のレバーによる運動に変換させるようにカム5と接触する。
【0043】
連結軸240は、アウタボディー210の一端とインナーボディー220の一端とを回転可能に連結させるように具備される。つまり、インナーボディー220は、連結軸240を中心としてアウタボディー210と相対回転する。ここで、連結軸240によってインナーボディー220と連結するアウタボディー210の一端をアウタ連結部214と称し、連結軸240によってアウタボディー210と連結するインナーボディー220の一端をインナー連結部222と称する。
【0044】
アウタボディー210の一端には、アウタ連結部214と隣接してバルブ接触部216が形成されるか具備される。アウタ連結部214は、前記一端側に開口されたアウタボディー210の一端に二つが形成される。従って、バルブ接触部216は、二つのアウタ連結部214とそれぞれ隣接して二つが形成されるか具備される。また、バルブ接触部216は、前記バルブと接触してアウタボディー210のレバーによる運動により二つのバルブをそれぞれ押すように機能する。
【0045】
インナーボディー220は、アウタボディー210に選択的に固定されて共にレバーによる運動をするか、選択的に固定が解除されて独立してレバーによる運動をする。
ロストモーションスプリング250は、アウタボディー210に固定されるインナーボディー220の固定が解除される場合に、独立したレバーによる運動によってアウタボディー210と相対回転したインナーボディー220を原位置に復帰させるように機能する。
【0046】
図4は、本発明の実施例に係るシリンダー休止装置の側断面図である。
図4に示すように、インナーボディー220は、ラッチングピンホール129を更に含み、アウタボディー210には、ラッチングピン260、ストッパー267、及びラッチングスプリング265が具備される。
【0047】
ラッチングピンホール229は、ラッチングピン260が挿入されるように形成されたホールである。ラッチングピン260は、油圧によって作動し、油圧の供給を受け易くするためにアウタボディー210の他端側に具備される。一方、ハイドロリックラッシュアジャスター(hydraulic lash adjuster、HLA)のように油圧を供給する部材がアウタボディー210の他端側に装着される。
ストッパー267は、ラッチングピン260がアウタボディー210の他端方向に離脱するのを防止するように具備される。
【0048】
ラッチングピン260がラッチングスプリング265の弾性力によってラッチングピンホール229に挿入されることにより、インナーボディー220がアウタボディー210に固定される。つまり、ラッチングスプリング265は、一端がラッチングピン260をインナーボディー220に向かって押すようにストッパー267とラッチングピン260との間に具備されたスプリングである。
【0049】
また、ラッチングピン260の一端側には、アウタボディー210及びラッチングピン260で囲まれた油圧チャンバー269が形成される。さらに、ラッチングピン260が油圧チャンバー269に供給された油圧によってアウタボディー210の他端方向に押されることにより、インナーボディー220とアウタボディー210との固定が解除される。言い換えれば、油圧チャンバー269に供給された油圧が解除される場合に、ラッチングピン260がラッチングスプリング265によってラッチングピンホール229に挿入されるように位置することにより、インナーボディー220がアウタボディー210に固定される。
【0050】
インナーボディー220がアウタボディー210に固定されれば、ローラ230と接触したカム5の回転によって、インナーボディー220とアウタボディー210は、アウタボディー210のレバーによる運動の回転軸を中心として共にレバーによる運動をする。また、アウタボディー210に固定されるインナーボディー220の固定が解除されれば、ローラ230と接触したカム5の回転によって、インナーボディー220のみが連結軸240を中心としてレバーによる運動をする。
【0051】
ここで、インナーボディー220と共にレバーによる運動をするアウタボディー210によって、前記バルブのノーマルリフト(normal lift)が具現され、インナーボディー220だけのレバーによる運動時にレバーによる運動をしないアウタボディー110によって、バルブのゼロリフト(zero lift)が具現される。つまり、シリンダーの休止が具現される。
【0052】
図5は、本発明の実施例に係るシリンダー休止エンジンの構成図である。
図5には、4気筒エンジンを示したが、本発明の実施例が適用されるものはこれに限定されない。また、図5は、説明の便宜上、第1シリンダーCyl1、第2シリンダーCyl2、第3シリンダーCyl3、及び第4シリンダーCyl4、そしてエンジンの吸気側(Intake)及び排気側(Exhaust)を1点鎖線で区画して示した。
ここで、選択的に休止が行われるシリンダーを休止シリンダーCyl2、3と称し、休止が行われないシリンダーを非休止シリンダーCyl1、4と称する。一方、図5には、4気筒エンジンで通常休止が具現される第2シリンダーCyl2及び第3シリンダーCyl3を休止シリンダーCyl2、3と示し、通常休止が具現されない第1シリンダーCyl1及び第4シリンダーCyl4を非休止シリンダーCyl1、4と示したが、これに限定されない。
【0053】
図5に示すように、本発明の実施例に係るシリンダー休止エンジンは、可変バルブリフト装置100、シリンダー休止装置200、バルブ開閉装置300、オイルポンプ400、及びオイルコントロールバルブ500を含む。
可変バルブリフト装置100は、レバーによる運動によって非休止シリンダーCyl1、4の吸気バルブを開閉させるように配置される。また、可変バルブリフト装置100は、選択的に非休止シリンダーCyl1、4の吸気バルブのノーマルリフトを具現するか、ハイリフトを具現するように作動する。
【0054】
シリンダー休止装置200は、レバーによる運動によって休止シリンダーCyl2、3の排気バルブ及び吸気バルブを開閉させるように配置される。つまり、一つの休止シリンダーCyl2、3には、二つのシリンダー休止装置200が排気バルブ及び吸気バルブを開閉させるようにそれぞれ具備される。また、シリンダー休止装置200は、選択的に休止シリンダーCyl2、3の排気バルブ及び吸気バルブのノーマルリフトを具現するか、ゼロリフトを具現するように作動する。
【0055】
バルブ開閉装置300は、非休止シリンダーCyl1、4の排気バルブを開閉させるように配置される。また、バルブ開閉装置300は、非休止シリンダーCyl1、4の排気バルブの一定の単一リフトを具現するように機能する。
オイルポンプ400は、可変バルブリフト装置100及びシリンダー休止装置200を作動させるために必要な油圧が発生するようにオイルをポンピングする。このようなオイルポンプ400は、当該技術分野で通常の知識を有する者(以下、当業者)に自明であるので、これに対する詳しい説明は省略する。
【0056】
オイルコントロールバルブ500は、オイルポンプ400から伝達された油圧が可変バルブリフト装置100及びシリンダー休止装置200に選択的に供給されるように制御する。このようなオイルコントロールバルブ500の基本的な構成及び機能は、当業者に自明であるので、これに対する詳しい説明は省略する。
【0057】
オイルコントロールバルブ500は、多気筒エンジンで少なくとも一つ以上具備され、一つのオイルコントロールバルブ500は、一つの非休止シリンダーCyl1、4に具備された一つの可変バルブリフト装置100、及び一つの休止シリンダーCyl2、3に具備された二つのシリンダー休止装置200と連通する。つまり、オイルコントロールバルブ500は、それぞれ一つの可変バルブリフト装置100及び二つのシリンダー休止装置200に選択的にオイルが供給されるように制御する。
【0058】
図5には、一つのオイルコントロールバルブ500が第1シリンダーCyl1に具備された可変バルブリフト装置100及び第2シリンダーCyl2に具備された二つのシリンダー休止装置200と連通し、他の一つのオイルコントロールバルブ500が第4シリンダーCyl4に具備された可変バルブリフト装置100、及び第3シリンダーCyl3に具備された二つのシリンダー休止装置200と連通したことが示された。
【0059】
上述したように、本発明の実施例によると、休止シリンダーCyl2、3の休止を具現すると同時に、非休止シリンダーCyl1、4の可変バルブリフトを具現することが可能である。従って、燃費の向上を極大化させることができる。また、一つのオイルコントロールバルブ500が一つの休止シリンダーCyl2、3のシリンダー休止と、一つの非休止シリンダーCyl1、4の可変バルブリフトと、を制御することにより、エンジンの重量及び原価が必要以上に増大することを防止することができる。
【0060】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されず、本発明の実施例から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0061】
100 可変バルブリフト装置
200 シリンダー休止装置
110、210 アウタボディー
112、212 アウタボディー内側空間
114、214 アウタ連結部
116、216 バルブ接触部
120、220 インナーボディー
122、222 インナー連結部
124、224 インナーボディー内側空間
129、229 ラッチングピンホール
130、230 ローラ
135、235 ローラ回転軸
140、240 連結軸
150、250 ロストモーションスプリング
160、260 ラッチングピン
165、265 ラッチングスプリング
167、267 ストッパー
169、269 油圧チャンバー
300 バルブ開閉装置
400 オイルポンプ
500 オイルコントロールバルブ
図1
図2
図3
図4
図5