特許第6592362号(P6592362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592362
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ケーブル式ショベルのためのバケット
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/30 20060101AFI20191007BHJP
   E02F 3/40 20060101ALI20191007BHJP
   E02F 3/60 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   E02F3/30 F
   E02F3/40 Z
   E02F3/60
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-530053(P2015-530053)
(86)(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公表番号】特表2015-526623(P2015-526623A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】US2013057350
(87)【国際公開番号】WO2014039370
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月19日
(31)【優先権主張番号】61/696,971
(32)【優先日】2012年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】ブリスコー,テリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】オリンジャー,ザ・フォース,チャールズ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ストロム,ジョシュア・エル.
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第00184906(GB,A)
【文献】 国際公開第2009/010930(WO,A2)
【文献】 米国特許第07096610(US,B1)
【文献】 米国特許第02735559(US,A)
【文献】 米国特許第06591521(US,B2)
【文献】 米国特許第06219946(US,B1)
【文献】 米国特許第02861704(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/00−9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル式ショベルのためのバケットであって、前記バケットは、前記ケーブル式ショベルの動作の間に材料を収集するためのキャビティーを集合的に画定するシェルおよびドアを含み、前記シェルは、前方壁部と、反対側の背面壁部と、前記前方壁部と前記背面壁部との間に延在する側壁部とを含み、前記背面壁部は、前記バケットがダンピング位置にあるときに前記ケーブル式ショベルに面する外部表面を有しており、前記ドアは、前記シェルの前記背面壁部の前記外部表面と前記前方壁部との間で前記キャビティーを通って延在する枢動軸線の周りで、開位置と閉位置との間の重力で作動する移動のために、前記シェルに枢動可能に固定されており、前記ドアは前記閉位置において前記ドアを選択的に保持するために拘束装置を有する、ケーブル式ショベルのためのバケット。
【請求項2】
前記ドアが、1対のヒンジ部材によって前記シェルに枢動可能に固定されており、前記1対のヒンジ部材のそれぞれは、前記ドアに接続され、前記シェルに枢動可能に固定されている、請求項1に記載のバケット。
【請求項3】
それぞれの前記ヒンジ部材が、前記ドアと前記枢動軸線との間で概して直線状である、請求項2に記載のバケット。
【請求項4】
それぞれの前記ヒンジ部材が、前記ドアの一部分を横切って延在するサポート部分と、前記シェルに枢動可能に固定されている装着部分とを含む、請求項2に記載のバケット。
【請求項5】
前記シェルが、前方端部と後方端部とを含み、前記前方端部が、掘削作業において地面に接触するための掘削縁部と、ヒール部とを有しており、前記ドアが、前記前方端部の近位にある前方部分と、前記後方端部の近位にある後方部分とを含み、前記ドアの前記前方部分が、前記ヒール部の方へ前方に曲げられており、前記ドアが閉められるときに、相補的な形状のシェルに当接する、請求項1に記載のバケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[01]本出願は、2012年9月5日に出願された「Bucket for Cable Shovel」という表題の米国仮特許出願第61/696,971号の利益を主張し、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[02]本発明は、ケーブル式ショベルマシンのためのバケットに関し、とりわけ、バケットのためのドアに関する。
【背景技術】
【0003】
[03]図13に示されているように、ケーブル式ショベル1(ディッパーとしても知られている)は、大型の掘削マシンであり、それは、150年にわたり採掘作業において幅広く使用されてきた。これらのマシンのためのバケット3は、62.693m(82立方ヤード)の大きさの容量を有することが可能である。バケット3は、掘削の間に土の材料を収集するための開口上部4と、収集された積載物(load)325をダンプするための底部壁部5を形成するドア200とを含む。ケーブル式ショベルに関して、バケット3の背面壁部6は、スティック300(すなわち、ブーム301の端部)が取り付けられている壁部である。前方壁部7は、背面壁部6の反対側にあり、リップ部302に関連付けされている壁部である。1対の対向する側壁部8が、背面壁部6と前方壁部7との間にそれぞれ位置付けされており、また、1対の対向する側壁部8は、リップ部の端部を支持することが多い。
【0004】
[04]ドアは、非常に重く、時には、13.61トン(30,000ポンド)を超える重さになる可能性がある。ドアは、掘り出される材料を含有するために、内部表面を有する少なくとも1つのプレートを有している。ドア200は、背面壁部の上のサポートにヒンジ接続されており、掘削の間に閉められるように、また、ダンプする間に開けられるようになっている。解放可能なラッチが、ドア200を閉位置に保持するために設けられている。バケットのキャビティーの中の積載物の重量と組み合わせられたドアのサイズおよび重量によって、ドアに応力がかかる。バケットの中の積載物は、中心にないことが多く、ドアに、捩じれ、曲げ、および捩じり荷重を経験させる。積載物は、積み込みの間に中心から外れる可能性があり、または、オペレーターが、バケットを操作するときに、ケーブル式ショベルのトラック(tracks)、もしくは、トラック車体の縁部と接触させるときに、積載物は、中心から外れる可能性がある。応力は、ドアにひびを入れ、ドアを損傷させる可能性がある。ドアを強化し、経験される捩じれ、曲げ、および捩じり荷重を最小化するために、プレートは、一般的に、サポートによって補強されている。サポートは、ドアの剛性を増加させ、ドアが、中心から外れた荷重に抵抗することを助ける。しかし、サポートは、バケットの重量を増加させる。
【0005】
[05]使用時に、ドアが閉じてラッチ係合された位置にあるバケットが、積載物を収集するために地面の中に打ち込まれる。充填されると、バケットが持ち上げられ、マシンは、採掘ダンプトラックの空のトラック車体の上方にバケットを位置決めするために回転させられる。トラック車体の中へ積載物をダンプするために、ラッチが解放される。ドアは、自由にスイングする状態になり、ラッチが解放されるときには、ドアおよびバケットの中の積載物の重量の位置エネルギーが、運動エネルギーへ変化し、ドアを迅速に力強く下向きにスイングさせるようになっている。ドアは、解放されると、トラック車体に衝突する場合もあり、トラックおよび/またはドアの損傷を結果として生じさせる可能性がある。それを補正するために、オペレーターは、トラックとの接触を回避するために必要とされるよりも高くバケットを上昇させることとなり、または、より制御してドアを開けるために、ドアを解放する前に、トラックの荷台床、または、トラックの中にすでにある材料の上にバケットを下げることとなることが多い。また、バケットを下げるこの慣行は、開いたドアがトラック車体の側部を越えるのに十分なリフトで、トラック車体からバケットを追加的に持ち上げることを必要とする。掘削サイクル毎のこの余分な持ち上げおよび/または下げることは、プロセスを遅らせ、生産の減少を結果として生じさせる。また、より高い位置から落下させられた積載物が、より大きい力でトラック車体に激突するので、ダンプされる積載物が高い位置にあるほど、トラックの損傷を引き起こす可能性がある。積載物がダンプされた後に、オペレーターは、トラックから離れるようにバケットをスイングさせ、地面に係合するようにバケットを下げて戻す。バケットが地面に係合するように下げられると、前方壁部は、水平方向の位置に接近し、ドアは、垂直方向の位置に接近し、それは、ドアがその自重で閉まることを引き起こす。ドアは、時には、大きい力でバタンと閉まることとなり、バケットまたはドアの損傷を引き起こす可能性がある。次いで、ラッチは、自動的に作動し、別の掘削パスのためにドアを固定する。
【0006】
[06]制御されていないドアのスイングは、採掘機器の損傷を引き起こす可能性があり、機器オペレーターおよびメンテナンス要員にとって危険となる可能性がある。力強いドアのスイングの損傷を最小化するために、様々な成功の程度で多くのデバイスが使用されてきた。たとえば、制御されていないドアのスイングを遅らせるために、多数のスナッバー(たとえば、米国特許第5,613,308号に開示されているスナッバーなど)が使用されてきた。加えて、米国特許第6,219,946号に開示されているような油圧回路、および、米国特許第6,467,202号に開示されているようなブレーキおよびクラッチデバイスが、ドアのスイングを制御するために使用されてきた。ドアが閉まるときにバケットを保護するために、および、ドアがケーブル式ショベルに近づくように開けられる場合に、ケーブル式ショベルのトラックを保護するために、バンパーが使用されてきた。積載物およびドアの運動エネルギーを抑制および消散させるために使用されるデバイスは、高価であり、バケットの重量を増加させ、集中的なメンテナンスを必要とする。
【0007】
[07]典型的なラッチは、かなりの重量をバケットに付加するいくつかのコンポーネントを含む。それぞれのケーブル式ショベルは、最大重量を持ち上げるように設計されており、最大重量は、バケットおよび掘り出される材料の積載物の組合せの重量である。したがって、バケットの中に存在する重量が大きければ大きいほど、バケットの中へ収集され得る積載物は小さくなり、または、バケットに適合され得る消耗材料は少なくなる。そのうえ、ドアの底部に沿ってラッチを設置しているため、これらのパーツが、遭遇する重い積載物および摩耗材料に起因して、頻繁な修理または交換を必要とするということが一般的である。ラッチは消耗を経験するので、ラッチがラッチキーパーに十分に係合することを確実にするために、ラッチシステムは、定期的に調節されなければならない。消耗に起因してラッチバーを調節することは、非常に時間のかかることとなる可能性がある(すなわち、生産性の減少につながる休止時間の増加)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[08]本発明は、生産性の増加、トラック車体およびバケットのより少ない消耗および損傷、および、さらなる安全を提供する、ケーブル式ショベルのためのバケットの改善に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[09]本発明の1つの態様では、ドアのためのヒンジ軸線が、バケットの背面壁部の外部表面(すなわち、スティックが接続されている表面)の前方に位置付けされている。枢動軸線のこの再配置は、ドアのための回転の軸線がドアの重心により近づくことを結果として生じさせ、それは、ヒンジピンおよびロックまたはブレーキに作用するモーメントアームがより小さくなることを結果として生じさせる。モーメントアームの低減は、少ない支柱(bracing)および構造的ロバスト性(structural robustness)でドアが構築されることを可能にし、また、より小さいロックまたは拘束装置とすることを可能にでき、それは、より軽いドアが利用されることを可能にし得る。この新規な装着配置は、位置エネルギーの減少を結果として生じさせ、ダンプする間に、より浅くて力強くないドアスイングを作り出す。ドアスイングが力強くないので、ドアは、ドアのスイングを遅らせるために、スナッバーまたは代替的なデバイスを必要としない可能性があり、それは、ドアの重量および位置エネルギーをさらに減少させる。より軽いドアは、バケットが余分な容量を持つことを可能にでき、または、より多くの消耗コンポーネントをバケットに付加させることができる可能性がある。加えて、力強いドアのスイングからの損傷を最小化するために、バンパーを使用する必要がない可能性がある。より浅くて力強くないドアスイングの結果として、オペレーターは、トラックまたはケーブル式ショベルの上の他のコンポーネントを損傷させる同じリスクなしに、より高い効率のために、トラック車体のより近くに積載物をダンプすることが可能である。オペレーターは、ドアを解放する前に、トラックの荷台床またはトラックの中にすでにある材料の上にバケットを下げる必要がない可能性があり、それは、オペレーターが、バケットをどけるようにスイングさせる前に、トラック車体からバケットを十分に持ち上げることを忘れることとなる可能性を低減させることとなる。ケーブル式ショベルは、より少ない動力を使用し、より少ないモーター始動および停止を有することとなり、より低い熱発生および消耗を結果として生じさせる。トラック車体からバケットを持ち上げるステップを除去することは、サイクル時間から2〜3秒を節約することが可能である。サイクル時間の低減は、5〜10パーセントと同じ程度だけ、生産性を増加させることが可能である。
【0010】
[10]本発明の別の態様では、ドアをシェルに接続するヒンジ部材が、概して直線状である。概して直線状のヒンジ部材は、従来のフック状のまたはグースネック状のヒンジ部材と比較したときに、ヒンジの中の応力集中を低減させ、ヒンジの材料の量を低減させ、ドアの重量を低減させる。
【0011】
[11]本発明の別の態様では、ラッチの場所を移動させることによって、または、ラッチを代替的なブレーキと交換することによって、ラッチの改善が提供される。一実施形態では、ドアは、ラッチを用いることなく(すなわち、ロッドブレーキまたは油圧回路などのような異なる種類の拘束装置(それは、より少ない重量および/またはより少ないコンポーネントしか与えないこととなる)に頼ることによって)、閉位置に十分に固定することが可能である。別の実施形態では、ドアは、高い応力で高い摩耗の底部前方の中央位置(典型的なラッチは、そこに位置付けされている)に存在しないラッチを用いて、閉位置に固定することが可能である。例として、より少ないラッチメンテナンス、および、ラッチに関するより長い使用可能な寿命期間のために、ラッチをドアの両側に設けることが可能である。別の実施形態では、ドアは、より小さいラッチによって、閉位置に十分に固定され、バケットにより少ない重量および/またはより少ないコンポーネントしか与えないことが可能である。
【0012】
[12]本発明の別の態様では、バケットキャビティーの底部を選択的に閉めるために、ドア、フラップ、および拘束装置を設けることが可能である。場合によっては、ドアは、スティックまたはスティックアタッチメントサポートと干渉する可能性がある。可能性のある干渉を克服するために、ドアの後方部(すなわち、ヒンジ部材に最も近い側)を、クリアランスを有することを可能にするように切り落とすことが可能である。ドアが切り落とされる場合には、ギャップが、バケットの背面部に(すなわち、バケットの背面壁部に最も近いドアの縁部に)残されることとなり、それは、材料がバケットから流れ出すことを可能にすることとなる。バケットの中に材料を含有させるために、および、ドアが開けられるとバケットから材料が流れ出すことを可能にするために、フラップを使用することが可能である。ドアが、特定の既存のバケットの中に組み込まれるか、または、同じ既存の設計の新しいバケットとともに使用されるときに、フラップは、背面壁部の前方に再配置されたヒンジ軸線を有するドアのために、より浅いスイングに対応することが可能である。また、重いドア部材が底部開口部の一部分だけをカバーするので、フラップは、任意のバケットの上のドアの重量を低減させることが可能である。
【0013】
[13]本発明の別の態様では、ドアは、掘削縁部に向かって内向きに傾斜し、曲げられ、または湾曲している前方部分(すなわち、バケットの前方部に最も近く、ヒンジから離れている部分)を有している。この構成は、より大きい耐久性および/または軽量化の増加のために、ドアを強化する。傾斜、曲り、または湾曲は、より大きい断面係数および慣性モーメントを作り出し、曲げに対してドアを強くする。また、この構成は、材料がバケットの背面部により容易に移動することを可能にすることによって、バケットの積み込みを改善する。また、湾曲しているドアは、バケット体積のわずかな変化だけで、バケットの前方壁部の底部端部を、最も高い消耗の領域から離れるように移動させ、それは、バケットを改修することが必要なときの間の時間の延長を結果として生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[14]図2に示されている油圧回路のない、本発明によるバケットの斜視図である。図面を簡単化するために、リップ部、ベイル(bail)、およびベイルイアー(bail ear)を含むバケットの他の詳細は、この図および他の図において省略されている。
図2】[15]油圧回路を備える図1のバケットの斜視図である。
図3】[16]拘束装置が省略されている、本発明によるバケットの第2の実施形態の斜視図である。
図4】[17]拘束装置が省略されている、ダンピング位置にあるバケットの第2の実施形態の斜視図である。
図4a】[18]図4のヒンジを示す抜き出し図である。
図5】[19]本発明によるバケットの第3の実施形態の斜視図である。
図6】[20]バケットの第3の実施形態の斜視図(側面図に近い)である。
図7】[21]ダンピング位置にあるバケットの第3の実施形態の斜視図である。
図8】[22]本発明によるバケットの第4の実施形態の斜視図である。
図9】[23]ダンピング位置にあるバケットの第4の実施形態の斜視図である。
図10】[24]スティックの一部分だけが示されている、本発明によるバケットの第5の実施形態の斜視図である。
図11】[25]ダンピング位置にあるバケットの第5の実施形態の斜視図である。
図12】[26]ケーブル式ショベルマシンのためのバケットの従来のドアの斜視図である。
図13】[27]ケーブル式ショベル、ならびに、ダンプ位置にある従来のバケットおよびドアの側面図である。
図14】[28]ダンピング位置にある本発明によるバケットの第1の実施形態の側面図であり、図12に示されている従来のドアが仮想線で描かれている図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[29]本発明は、ケーブル式ショベルマシンのためのバケット10に関する。ケーブル式ショベルのバケット10は、フレームまたはシェル11を含む。シェル11は、バケットを土工機器に取り付けるためのアタッチメントサポート17を有する背面壁部12を備える後方端部と、背面壁部12の反対側に前方壁部13を備える前方端部と、背面壁部と前方壁部との間にそれぞれ位置付けされている1対の対向する側壁部14とを含む。周知のように、シェルは、単一のプレートを有する壁部によって構築することが可能であるか、または、ダブルプレートを有するバケットの一部分によって構築することが可能である。シェルがダブルプレートによって構築されている場合には、上部壁部および底部壁部26が設けられ、ダブルプレートを接続することが可能である。内部表面および外部表面36を備えるドア16が、バケットの底部壁部を画定するために設けられている(図1および図2)。ドア16は、バケットの前方端部に隣接する前方縁部を備える前方部分と、バケットの後方端部に隣接する後方縁部を備える後方部分(すなわち、背面壁部)と、前方縁部と後方縁部との間に延在する対向する側部縁部とを有している。これは、本出願で使用される専門用語である。認識され得るように、背面壁部12は、一般的に、掘削作業の間に掘り出されることとなるバンクまたは材料から遠くにある壁部になることとなる。同様に、バケットの前方部(すなわち、前方壁部)は、マシンが前進運動で移動し、バケットがダンピング位置にあるときに、マシンに対して最も前方にある部分になることとなる。
【0016】
[30]シェル壁部12〜14は、概して長方形の周縁部を画定するように相互接続されている。シェル壁部12〜14のそれぞれは、内部表面18〜20(すなわち、背面表面18、前方表面19、および側部表面20)を含む。ドア16は、底部内部表面21を含む。内部表面18〜21は、キャビティー24を集合的に画定しており、キャビティー24の中へ、掘削の間に掘り出される材料25が収集される(図7)。シェル11は、開口上部22(それは、一般的に、掘削作業において収集されることとなる材料に向かって面している)を有しており、土の材料が、キャビティー24の中へ収集されるときに、開口上部22を通過する。図13に示されているリップ部302と同様に、リップ部(図示せず)は、前方壁部13の縁部に沿って、すなわち、バケットの開口端部に沿って、側壁部14同士の間に延在し、バケット掘削縁部を画定することが可能である。また、リップ部の端部が側壁部14の上に部分的に延在するように、リップ部は湾曲していることが多い。ドア16は、ヒンジ30によってシェル11に枢動可能に固定されており、ヒンジ30は、好ましくは、1対のヒンジ部材32およびピン44によって画定されている(図1)。それぞれのヒンジ部材32には、遠位端部が設けられており、遠位端部には、枢動孔部が設けられている。ピン44は、枢動軸線またはヒンジ軸線46を生成し、枢動軸線またはヒンジ軸線46の周りに、ドア16が枢動する。ヒンジ部材32は、好ましくは、互いに左右対称であり、サポート部分34と装着部分38とを含み、サポート部分34は、ドア16の外側外部表面36の一部分に溶接されているか、または、そうでなければ固定されており、装着部分38は、シェル11に取り付けられている。
【0017】
[31]図12は、ケーブル式ショベルのバケットのための従来のドア200の1つの例を示している。ドア200は、一般的に、主要なプレート部材202と、間隔を置いて配置されたヒンジ部材204とによって画定されており、主要なプレート部材202は、ドアが閉められているときに、バケットの底部を閉めるようにサイズ決めおよび形状決めされており、間隔を置いて配置されたヒンジ部材204は、ドアの外側表面に溶接されている。ヒンジ部材204は、バケットの背面壁部に溶接されているクレビス(clevises)に枢動可能に固定されている。ドア200のための枢動軸線またはヒンジ軸線210は、バケットの背面壁部の後方にあり、または、換言すれば、バケットキャビティー24の外側にある。この例では、ピンが、ヒンジ部材204およびクレビスの中の孔部212の中へ嵌め込まれ、ヒンジ軸線210を画定しており、ヒンジ軸線210の周りに、ドア200がスイングする。ドアの重心から離れているこのヒンジ軸線210の設置は、積載物をトラックの中へダンプする間にドアが速くおよび力強くスイングすることを引き起こす。
【0018】
[32]本発明では、バケット10の枢動孔部およびヒンジ軸線46は、背面壁部12の外部表面47(すなわち、バケットがダンピング位置にあるときにケーブル式ショベルに面するバケットの外部表面)の前方にあり、バケットの中のドア16および積載物に関する集合的な重心CGに対してより近くにある(図1および図2)。ヒンジ軸線46は、背面壁部12と積載されているドアの重心CG(図1)との間の距離Dに沿って、背面壁部12の外部表面47の前方に位置付けされており、ドアの所望のスイング(すなわち、所望のスイングの力および浅さを備える)を提供する。それは、好ましくは、背面壁部12と重心CGとの間の中間部にあるが、ドアの所望のスイングを提供する、背面壁部12の外部表面47と重心CGとの間のどこかに存在することが可能である。ドアの所望のスイングは、様々なバケットの幾何学形状およびいくつかの異なる用途に関して、最適化することが可能である(すなわち、背面壁部12の外部表面47とヒンジ軸線46との間の距離D’は変化させられ得る)。たとえば、バケットのサイズ、バケットの形状、掘り出される材料のタイプ、および、所望のダンプエネルギー(すなわち、材料がバケットからダンプされるときに有する運動エネルギー)が、ドアの最適なスイングを提供するためにヒンジ場所(すなわち、ヒンジ軸線と背面壁部の外部表面との間の距離D’)を決定するときに考慮され得る。ヒンジ軸線は、ドアおよび積載物に関する集合的な重心からいくらかの間隔を有し、重力によってドアがスイングすることを可能にすることとなる。好ましくは、これは、キャビティー24の後方部分を通してヒンジ軸線を設置する。
【0019】
[33]背面壁部12の外部表面47の前方にヒンジ軸線46を再配置することは、積載物がダンプされるときに、より浅くて力強くないドア16のスイングを結果として生じさせることとなる。より浅いスイングでは、ドア16の底部縁部48は、ドアがその閉位置からその開位置へ移動するときに、バケットの背面壁部の外部表面の後方に固定されている従来のドア200と比較して、より短い距離だけシェル11から移動する。これは、図14に図示されており、図14は、ダンピング位置にあるバケット10を示しており、ヒンジ30が背面壁部12の外部表面47の前方でピン44に固定されている本発明によるドア16、および、ヒンジ部材204が背面壁部12の外部表面47の後方でピン212に固定されている従来のドア200とともに示している。図示されているように、ドアがその閉位置からその開位置へ移動するときに、ドア16は、シェル11から離れるように距離D1だけ移動し、距離D1は、ドア200が移動する距離D2よりも小さい。また、より浅いスイングでは、ドア16の底部縁部48は、ドア200がシェルの下方に延在する距離と比較したときに、開位置において、より短い距離だけシェル11の最下部分の下方に延在する。図示されているように、ドア16は、シェル11の最下部分の下方に距離D3だけ延在し、距離D3は、ドア200が開位置において延在する距離D4よりも小さい。
【0020】
[34]ドア16のこのより浅いスイングは、ダンピングの間に、積載物の放出を制限することなく、ドアがトラック車体に衝突することとなるリスクを減少させる。再配置されたヒンジ軸線46は、ドアが開けられるときに、より少ない力および速度でドアを移動させ、ドアが故意ではなくトラック車体に衝突した場合に、トラック車体およびドアへの損傷のリスクが少なくなるようになっている。また、結果として、より浅いスイングは、ダンプするためにバケットがトラック車体のより近くに位置付けされることを可能にし、それは、積載物を落下させるための距離がより短いことに起因して、より大きい生産性、および、トラック車体への損傷のリスクの低減を結果として生じさせる(図14)。背面壁部12の外部表面47の前方にヒンジ軸線を再配置することは、ドアが解放されるときに、ドアがトラック車体に衝突することとなる任意のリスクを回避するために、オペレーターがバケットをより高く持ち上げる必要性、または、ドアを解放する前に、トラック車体の荷台床、または、すでに受け入れられている材料の上にドアをセットするように、オペレーターがバケットを下げる必要性をなくす。積載物をダンプするためにドア16が解放される前に、ドア16が、トラック車体の荷台床、または、トラック車体の中にすでに収集されている材料の上にセットされる場合にも、より浅いスイングの利益は、従来のバケットと比較してより少ないバケットの持ち上げによって、バケットがトラック車体から離れるようにスイングさせられることを可能にする。また、より浅くおよび力強くなくスイングするドアを提供することは、作業員の安全を改善し、スナッバーおよびバンパーに対する必要性を排除することが可能である。
【0021】
[35]図示されている例(図1および図2)では、それぞれのヒンジ部材32のサポート部分34は、ドアに追加的な強度を与えるためにドア16を横切って斜めに延在する細長い本体部である。当然のことながら、他の強化構成体を使用することも可能である。また、この例では、装着部分38は、孔部を備えるフック状の端部によって画定されており、孔部は、クレビス40の中の、または、シェル11に固定されている他の適切な手段の中の1対の孔部と整合している。ヒンジ部材32は、好ましくは曲げられており、サポート部分34が、フック状の端部38から内向きに延在し、ドア16の外部面を横切って延在するようになっており、一方、フック状の端部38は、側壁部14の外側でヒンジ軸線46に対して垂直に延在している。図示されている実施形態では、それぞれのクレビス40が、プレート42によって形成されており、プレート42は、それぞれの側壁部14に対して間隔を置いて配置された関係で固定されている。ボックスセクション(box section)設計は、バケット構成のこのセクションにおいて一般的であるので、これをバケットの構造の中へ組み込むことが可能である。他のヒンジ構成を使用することも可能である。ピン44が、クレビス40およびそれぞれのヒンジ部材32の中の孔部を通して嵌め込まれ、枢動接続部を形成しており、枢動接続部の周りでドア16が移動する。したがって、ピン44は、ドア16が開位置と閉位置との間で移動するための回転の軸線またはヒンジ軸線46を画定している。
【0022】
[36]代替的な実施形態では(図3図4、および図4a)、バケット310は、シェル311およびドア316を含み、それは、多くの点で、シェル11およびドア16と同様であり、同じ利益および目的の多くを有する。以下の議論は、相違点に焦点を合わせており、バケット310に該当するすべての類似点を繰り返しているわけではない。それぞれの側壁部314は、ドア316に面する縁部331(すなわち、開口上部322の反対側の縁部)に沿ってスロット339を含有する。ヒンジ332は、概して直線状のヒンジ部材338によって画定されており、ヒンジ部材338のそれぞれには、それぞれの側壁部314の中の孔部に整合する孔部が設けられている。ヒンジ部材338は、好ましくは、ドア316の後方縁部の下方の場所において、ドア316に最初に接触し、ヒンジとドアの接続点が、ドアに作用する積載物の圧力の中心のより近くとなるようになっている。圧力の中心により近い接続点は、ドアに作用するモーメント力を低減させ、より安定したドアを作り出す。ヒンジ部材338は、スロット339の中に挿入され、ドア316をシェル311に取り付ける。バケット10の中のクレビスのような他のヒンジ構成を使用することも可能である。ピン344は、側壁部およびそれぞれのヒンジ部材338の中の孔部を通して嵌め込まれ、枢動接続部を形成しており、枢動接続部の周りでドア316が移動する。ピン344は、ドア316が開位置と閉位置との間で移動するための回転の軸線またはヒンジ軸線346を画定している。掘削作業の間に、ドアは、一般的に、スロットを保護し、開口部に進入することが可能な微粒子を最小化する。掘り出された材料をダンプするためにドアが解放されると、スロットは下向きに面しているので、スロットに進入することが可能な微粒子の量は、重力によって最小化される。バケット10におけるもののようにフック状のおよび曲げられたヒンジ部材の代わりに、直線状のヒンジ部材を使用することは、ヒンジの中で経験される応力の量を低減させる。また、直線状のヒンジ部材は、ドアをシェルに接続するのに必要とされる材料の量を低減させ、したがって、バケットの重量を低減させる。
【0023】
[37]従来のドア200(図12)は、ラッチ214を含み、ラッチ214は、ドアを閉位置に保持するために前進し、ダンプする間にドアを解放するために後退する。ラッチ214は、ラッチバー216を含み、ラッチバー216は、ガイド構造体218によって、ドア200の中心線に沿って垂直方向の位置に固定されている。ラッチバー216は、その上部端部222の近くにスロット220を含み、スロットを通して横断方向に延在するレバー224を受け入れている。レバー224は、枢動運動のために、枢動ボックス226の中で、ラッチバー216の一方の側に拘束されている。アクチュエーター(図示せず)が、レバー224の自由端部228に固定されており、ドアが開けられるべきときに、レバーを後ろに移動させる。レバー224の前方移動および後方移動は、ラッチバー216の前方移動および後方移動を結果として生じさせる(すなわち、レバーが前方に移動させられるときに、重力がラッチバー216を下へ移動させる)。前方位置において、ラッチバー216の前方壁部13に隣接する端部230は、バケットシェルに固定されているラッチチャネルの中へ受け入れられ、ドアを閉位置に固定する。この前方位置は、ラッチ係合された位置と称される。反対側のラッチ解除された位置において、ラッチバー216の底部端部230は、ラッチチャネルから引き出され、ダンプする間にドアを解放する。ラッチ解除された位置(すなわち、その位置では、ラッチバー216がバケット背面壁部12に向かって移動している)は、解放位置と称される。
【0024】
[38]従来のラッチ214は、ドア16またはドア316に関連して使用することが可能である。それにもかかわらず、従来のラッチ214は、不利益を有している。たとえば、ラッチバー216およびラッチチャネルは、ドアの前方縁部230に沿って位置付けされており、バケットの中に重い積載物を受け入れる結果として生じる高い力に対する十分な抵抗力を提供する。しかし、前方壁部13の近くのドアの中央部分は、積載物がダンプされるたびにコンポーネントのそばを通り過ぎる摩耗材料の理由のために、高い消耗および高いメンテナンス領域である。土の材料は、ラッチチャネルおよびガイド構造体218の中に詰まりやすく、材料を取り除き、ラッチバーの動作を自由にするために、掘削の停止を必要とする。さらに、ラッチ214は、多数のコンポーネントを有する実質的な組立体である。ラッチバー216および他のコンポーネントは、大きくて頑丈な部材であり、ディッパー本体部の中に材料が含有されている状態でドアを閉位置に維持する結果として生じる重い荷重、および、作業の掘削部分の間に材料がドアに衝突する結果として生じる重い荷重に対する十分な抵抗力を提供する。ラッチコンポーネントの重い重量は、バケットにかなりの重量を付加し、掘削の間にバケットの中に収集される積載物を低減させ、または、バケットの上に適合され得る消耗材料の量を低減させる。トラックがそうでなければ満杯より低い場合には、バケットの重量の低減、および、より大きい材料積載物は、より高い生産能力につながり得る。すなわち、バケットが、バケットの1つまたは複数の満杯のダンプでトラック車体を充填することが望ましい。また、バケットの重量の低減は、より長い使用可能な寿命期間のために、増加された消耗材料の付加を可能にし得る。
【0025】
[39]ヒンジ軸線46を前方へ再配置することは、ドアを閉じた状態に維持するために少ない抵抗力を必要とするので、本発明のドアは従来のラッチを含むことも可能ではあるが、従来のラッチ214は必要とされない可能性がある。代替的に、ドアが意図せずに開くことを防止するために、ラッチの代わりに、ブレーキ56を使用することが可能である。1つの例では(図2)、ラッチ214の代わりに、油圧回路64を使用することが可能である。この例では、回路64は、1対の油圧シリンダー66を含む。それぞれのシリンダー66は、ドア16と背面壁部12に固定されているクレビス68との間に連結されている。流体ライン70が、シリンダー66をアキュムレーター72に接続している。シリンダーは、ドアを閉位置に止めてロックするために一体となって機能する。回路は、シリンダーの中の残留圧力に関するエネルギーを貯蔵するために、アキュムレーター72を利用している。弁74を開けることによって、シリンダー66からアキュムレーターへ圧力が流れ、積載されているドアを開けることが可能となり、また、ダンプした後に、シリンダーの中へ圧力が戻り、ドアを閉めることが可能となる。回路64は、ラッチ214の低コストで軽量の代替案である。回路64の使用は、両方のヒンジ部材32に均一な圧力を信頼性高く供給することとなる。
【0026】
[40]別の代替例(図5図7)では、ブレーキ56aが、ロッド58を含み、ロッド58は、ステム60を介してヒンジ部材32に固定されている。多くのタイプのブレーキが知られており、1つの例では、ロッド58は、バケットシェル11の背面壁部12に固定されているカムタイプのブレーキアッセンブリ62を通過することが可能である。ブレーキアッセンブリ62は、非活性化され、その開位置または閉位置へのドア16の自由移動を許容することが可能であり、または、活性化され、ロッド58をしっかりと把持し、ロッドおよびドアの移動を防止することが可能である。ドアの中央に装着されている単一のブレーキ56aを使用することが可能であり、または、ブレーキ56aをそれぞれのヒンジ部材32に設けることが可能である。
【0027】
[41]ラッチ214の排除は、バケット重量の低減を結果として生じさせ、それは、より大きい積載物、または、より多い消耗材料をバケットに固定する能力につながる。また、ラッチ214の排除は、ラッチに関連付けされる高いメンテナンスおよび修理の必要性を低減させ、より長い使用可能な寿命期間を有する、ドアを閉じた状態に保持するための手段(たとえば、ブレーキ56または56a)を結果として生じさせる。さらに、ブレーキは、スナッバーおよびロックの両方として機能するように使用され得る。両方の目的のためにブレーキを使用することは、典型的に設けられている別々のスナッバーの排除を許容する。通常、スナッバーは、回転ディスクの上の摩擦によってドアのスイングを抑制する装置である。別々のスナッバーの排除は、より少ないコスト、重量、およびメンテナンスにつながる。
【0028】
[42]代替的な構成(図8および図9)では、掘削縁部に向かって内向きに曲げられている前方部分78をドア75に設けることが可能である。「曲げられている」の用語は、概して直線状の傾斜面によって内向きに角度が付けられている、または、内向きに湾曲している一部分を含むことが意図されている。シェルは、相補的な表面を有しており、ドアが閉められるときに、ドア75の前方部分78が、シェルの底部縁部に当接するようになっている。平面的なドアとは対照的に、湾曲したドア75の形成は、より高い強度をドアに提供する。湾曲しているドア75の強度の増加は、改善された軽量化のために、より薄い鋼板、もしくは、低減されたサポートの使用を可能にし、ならびに/または、より耐久性があり、および/もしくは、より多くの消耗材料が設けられているドアを提供する。また、湾曲しているドア75は、改善された材料放出のための開口部、すなわち、上部表面18’、底部表面19’、および側部表面20’によって画定されているキャビティー24’からの開口部を増加させている(図9を参照)。また、湾曲しているドアは、ダンプするためにバケットがトラック車体の上方に下げられることを許容する。湾曲しているドアの使用は、バケットキャビティーの下側の前方角部における高い消耗領域から外へ、バケットシェル82のヒール部80をさらに再配置する。すなわち、バケットシェル82は、ヒール部80において前方に湾曲しており、ドア75が、キャビティー24’の前方の下側角部を形成するようになっている。これは、利点である。その理由は、バケットのシェルよりも、ドアは、修理または交換することが容易かつ安価であるからである。ドア75は、図8および図9に示されているように、従来のヒンジ84(すなわち、バケットシェルの背面壁部の後方にヒンジ軸線を備える)とともに使用するか、または、背面壁部12の前方にヒンジ軸線46を有することによって提供される利益のために、ヒンジ30または332とともに使用することが可能である。ブレーキ56または56aが使用され、湾曲しているドア75を閉位置に固定することが可能である。
【0029】
[43]図示されている代替例では、ラッチ86には、少なくとも1つの水平方向のラッチバー88が設けられており、ラッチバー88は、それぞれの端部(ドア75の側部90を水平方向に越えている)が、シェル82の側壁部92に固定されているラッチチャネル(図示せず)の中に受け入れられるように移動する。ラッチバー88は、回転機構(図示せず)によって移動させることが可能である。多数のタイプの回転機構、および、回転機構を動作させるための方法が、幅広く知られている。たとえば、回転機構は、同じドライバーにフック接続された(図示せず)2つのラッチバー88(一方が、ドライバーの上部にあり、他方が、ドライバーの底部にある)を移動させることが可能であり、それぞれのラッチバー88の自由端部が、水平方向に外向きにまたは内向きに、ドアをラッチ係合またはラッチ解除するように移動するようになっている。代替的な例では、1つのラッチバー88が、ドアの中間で枢動することが可能であり、一方のラッチバー端部が、一方の側で下に行き、他方のラッチバー端部が、他方の側で上に行く。この例では、1つのラッチチャネルが、上向きに移動するラッチバーを受け入れるためにバケットの前方端部の方を向く開口部を有することとなり、1つのラッチチャネルが、下向きに移動するラッチバーを受け入れるためにバケットの後方端部の方を向く開口部を有することとなる。1つのラッチバー88を使用することは、ラッチバーの両端部が同じ距離を移動することを確実にし、ラッチバーのうちの1つが引っ掛かり、ドアが完全にラッチ係合することを可能にできない可能性を最小化する。
【0030】
[44]ラッチ86は、スプリング機構を有することが可能であり、ドアが閉まるときに、バーが、スプリングの付勢作用に対して回転様式で撓ませられ、次いで、ラッチチャネルを係合するように跳ね返り、付勢するスプリングによって適切な場所に保持されるようになっている。ラッチは、スプリングの付勢に打ち勝つトリップケーブルによって、ラッチ解除させることが可能である。代替例では、ラッチバーは、その枢動接続部に対して非対称的とすることが可能であり、重力によって、ラッチバーが、所定の位置に戻り、ラッチバーをラッチチャネルの中に保持するようになっている。さらなる別の代替例では、油圧アクチュエーターが、ラッチバーをロック位置へ押し込むことが可能である。しかし、これらは、ラッチ係合機構の例であり、ラッチ係合機構は、個別に使用するか、または、様々な組合せで使用することが可能である。ドアの底部から側部90へのラッチの再配置は、少ない閉塞、メンテナンスの必要性の低減(ラッチがバケットの高い消耗領域の外側にあるので)、および、ラッチ86に関して、ラッチ214と比較してより長い使用可能な寿命期間を結果として生じさせる。
【0031】
[45]ラッチ214および86は、ドア200および75とともに示されており、ドア200および75は、従来のヒンジ204および84を介してバケットシェルに連結されている。ラッチ214および86は、背面壁部12の前方にあるヒンジ軸線46を備える本発明のヒンジ30または332とともに使用することが可能である。そのような再配置されたヒンジ軸線46を備える構成では、ドアの開口に抵抗するために、より少ない力しか必要とされない。結果として、ラッチのコンポーネントは、従来のラッチと比較して、サイズをより小さくすることが可能であり、より小さい集合的な重量を有することが可能である。また、ラッチ(または、拘束機構)は、ラッチ56、56a、および86のように、ドアを閉位置に保つために、より少ない合計の抵抗モーメントしか必要とされないので、ドアの下側部分から離れるように移動させることが可能である。上述のように、より低い重量のバケットは、より大きい積載物をキャビティー24の中に収集すること、および/または、より多くの消耗材料を付加することを可能にする。
【0032】
[46]本発明の別の態様(図10および図11)では、ヒンジ30を備えるドア100を、既存のバケットに(または、同じ既存の設計を有する新しいバケットに)組み込むことが可能である。しかし、いくつかの既存のバケットでは、ドアが、キャビティー24を通って延在するヒンジ軸線46の周りにスイングする場合、ドアは、さらなる修正がない場合には、開位置へスイングするときにバケットシェル102と接触および干渉することとなる。干渉部分に対応するために、ドア100は、その後方縁部において短くされ、枢動するフラップ104が、バケット110の底部開口部108の後方部分106に沿って設けられる。フラップ104は、その後方縁部112に沿って、1対の従来のヒンジ114によってシェル102に連結されており、フラップ104が枢動軸線116の周りで自由にスイングするようになっている。フラップ104の前方縁部118は、ドア100の内側表面122の後方端部120に沿って設定されている。ドア100が閉位置にあるときには、ドア100の内側表面122とフラップ104の接触に起因して、フラップ104も閉位置となる。フラップ104は、ドア100の後方端部120とシェル102との間に存在するギャップ124を通して、いくらかの積載物が失われることを防止する。ドア100が、積載物をダンプするために解放されるときには、フラップ104が、ドア100とともに重力によってスイングし、材料放出の任意の障害を回避する。ドアは、背面壁部12から前方に間隔を置いて配置されているので、ドアは、再配置されたヒンジ軸線46の周りで回転する間に、背面壁部を通り過ぎる。フラップ104の使用は、特定のバケット設計に関して有益であり、本発明のドア16を既存のバケットに組み込むことを許容する。また、フラップ104は、(新しいバケットまたは既存のバケットの中で)使用することが可能であり、干渉するシェル部分が存在しない場合にも、バケット重量のさらなる低減のために、より小さいドアを使用することを可能にする。
【0033】
[47]本発明の様々な態様は、互いにまたは独立して使用することが可能である。単なる例として、湾曲している底部端部を有するドアを、バケットの背面壁部の前方にヒンジ軸線を設置するヒンジ部材とともに使用することが可能であり、また、バケット設計のうちのいずれかとともにフラップを使用することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14