(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおいて実行されるネットワーク品質測定方法であって、
前記測定装置が、前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信するステップと、
前記制御装置が、測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択し、当該特定の測定指示情報を前記測定装置に送信するステップと、
前記測定装置が、前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行うステップとを備え、
前記優先度は、前記測定指示情報に対して予め定められた割り当て目標値と、当該測定指示情報が実際に使用された回数との差に基づいて決定される
ことを特徴とするネットワーク品質測定方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、以下で説明する実施の形態では、測定の対象とするネットワークをインターネットとしているが、本発明に係るネットワーク品質測定技術は、インターネット以外のネットワークにも適用することが可能である。
【0012】
(システム構成)
図1に、本実施の形態におけるNW品質測定システムの全体構成図を示す。
図1に示すように、本実施の形態におけるNW品質測定システムは、測定装置100、制御装置400、及び収集装置500を含む。図示されるように、測定装置100はネットワーク300に接続され、例えば、測定実行対象装置200に対してパケット送信を行うことによりNW品質測定を行う。また、測定装置100は、例えば、一般的なインターネットユーザと同様の宅内環境に設置される。測定装置100と制御装置400/収集装置500との間は、ネットワーク300により接続されてもよいし、別のネットワークで接続されてもよい。
【0013】
ネットワーク300は特定の種類のネットワークに限定されるわけではないが、本実施の形態では、ネットワーク300は、アクセス網(測定装置100側)とISP網とが接続されたネットワーク(一般的なインターネット接続構成)であることを想定している。
【0014】
測定実行対象装置200は、特定のものに限定されるわけではないが、例えば、インターネットのトラフィック量に影響の大きい動画配信サイトのサーバや、インターネットユーザの閲覧が多いと考えられるポータルサイトのサーバ等である。また、測定実行対象装置200が、測定装置100とは別の宅内環境に設置される測定装置であってもよい。そして、当該別の測定装置において、測定装置100と同様の測定を行うこととしてもよい。これにより、P2P通信でのNW品質を測定することができる。
【0015】
制御装置400は、測定装置100からの要求に基づいて、測定装置100に対して測定指示情報を送信する。測定装置100は、当該測定指示情報に従って測定を行う。収集装置500は、測定装置100により測定されたNW品質の測定結果を測定装置100から受信し、蓄積する。
【0016】
なお、
図1では、測定装置100と測定実行対象装置200がそれぞれ1つだけ示されているが、これは図示の便宜上のものであり、実際には複数の測定装置100及び複数の測定実行対象装置200が存在する。また、複数の制御装置400が備えられていてもよい。その場合、例えば、各制御装置400が複数の測定装置を収容することで、分散収容を実現できる。これにより、測定装置100のスケーラビリティを向上させることができる。
【0017】
(装置構成)
<測定装置100>
図2に、測定装置100の構成図を示す。
図2に示すように、測定装置100は、通信部101、測定指示情報取得部102、データ格納部103、測定部104を有する。各機能部の概要は以下のとおりである。
【0018】
通信部101は、他の装置とネットワークを介してデータ通信を行うための機能部である。測定指示情報取得部102は、通信部101を介して制御装置400に測定指示情報取得要求を送信し、制御装置400から測定指示情報を受信し、当該測定指示情報をデータ格納部103に格納する。
【0019】
測定指示情報を取得するために利用するプロトコルは特定のプロトコルに限定されないが、本実施の形態では、HTTP(又はHTTPS)を使用している。これにより、一般的な宅内環境であるNAT配下の環境において、Webページを取得する場合と同様に、VPN等を構築することなく、測定指示情報を取得できる。よって、制御装置400の負荷の増大を抑制できる。
【0020】
測定部104は、データ格納部103に格納されている測定指示情報を読み出し、当該測定指示情報に従って、通信部101を介して測定を実行するとともに、測定結果を収集装置500に送信する。測定指示情報は、例えば、Linux(登録商標)等の一般的なOS(Operating System)上で動作するスクリプトを含む情報である。
【0021】
本実施の形態に係る測定装置100は、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、測定装置100が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、測定装置100で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0022】
<制御装置400>
図3に、制御装置400の構成図を示す。
図3に示すように、制御装置400は、通信部401、測定制御部402、データ格納部403を有する。各機能部の概要は以下のとおりである。
【0023】
通信部101は、他の装置とネットワークを介してデータ通信を行うための機能部である。データ格納部403には、測定装置100に提供される複数の測定指示情報、及び測定指示情報を各測定装置に割り当てるために用いられる各種の情報が格納される。測定制御部402は、通信部401を介して測定装置100から測定指示情報取得要求を受信すると、データ格納部403に格納されている情報に従って、複数の測定指示情報の中から、各測定指示情報の優先度に基づいて、特定の測定指示情報を選択して測定装置100に送信する。なお、複数の測定指示情報を使用することは例であり、1つの測定指示情報を使用することとしてもよい。また、個々の測定指示情報(例:後述する
図6に示す測定指示情報1、測定指示情報2、測定指示情報3等)をまとめて「測定指示情報」と称してもよい。
【0024】
本実施の形態に係る制御装置400は、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、制御装置400が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、制御装置400で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0025】
(NW品質測定システムの全体動作)
次に、
図4を参照して、NW品質測定システムの全体の動作の手順例を説明する。
図4に示す処理は、測定装置100において、ある測定指示情報に基づく測定・結果報告が終了した直後の状態から開始するものとする。
【0026】
ステップS101において、測定装置100の測定指示情報取得部102が測定指示情報取得要求を制御装置400に送信し、制御装置400が当該測定指示情報取得要求を受信する。
【0027】
そして、制御装置400の測定制御部402が、測定指示情報取得要求に基づいて、測定指示情報を選択し(ステップS102)、当該測定指示情報を測定装置100に送信し、測定装置100が当該測定指示情報を受信する(ステップS103)。
【0028】
続いて、測定装置100の測定部104が、受信した測定指示情報に従って、測定を実行し(ステップS104)、測定結果を収集装置500に送信する(ステップS105)。その後、ステップS101に戻り、上記の処理が繰り返される。
【0029】
(詳細動作)
以下、上記のステップS102における測定指示情報の選択動作、及び、ステップS104における測定動作の例をより詳細に説明する。
【0030】
<測定指示情報の選択動作について>
測定指示情報の選択動作の説明にあたって、まず、制御装置400のデータ格納部403に格納される各テーブルについて説明する。データ格納部403には、測定装置情報のテーブル、グループ情報のテーブル、及び、測定制御情報のテーブルが格納される。
【0031】
図5(a)は、測定装置情報のテーブルの例を示す。
図5(a)に示すように、測定装置情報のテーブルは、測定装置ID、測定装置が設置されているエリア、及び測定指示情報取得時刻を含む。
【0032】
測定装置IDは、制御装置400において測定装置を識別するためのIDである。本実施の形態では、測定装置から送信される測定指示情報取得要求の中に、当該測定装置の測定装置IDが含まれている。測定装置IDは、測定装置を識別できる情報であればどのような情報であってもよい。測定指示情報取得時刻は、測定装置に測定指示情報を提供した最近の時刻である。
【0033】
図5(a)に示すテーブルの情報のうち、測定装置IDとエリアはシステム管理者により設定され、測定指示情報取得時刻は、測定制御部402により設定される。なお、以下で説明するとおり、測定指示情報の基本的な選択動作例については、
図5(a)を参照しなくても実行できるので、
図5(a)に示すテーブルを設けないこととしてもよい。
【0034】
図5(b)は、グループ情報のテーブルの例を示す。
図5(b)に示すように、グループ情報のテーブルは、グループID、及び、グループに属する測定装置IDを含む。本実施の形態におけるグループ分けは例えば、エリア(地域)に基づき行われる。例えば、グループ1=エリアAに属する測定装置群、グループ2=エリアBに属する測定装置群、...、グループN=エリアXに属する測定装置群といったようにグループ分けを行うことができる。
【0035】
また、更に詳細にグループ分けを行ってもよい。例えば、アクセス網の種類(キャリア、有線/無線、光/光以外の有線、等)を加味して、グループ分けしてもよい。例えば、グループ1=エリアAのアクセス網1に接続される測定装置群、グループ2=エリアAのアクセス網2に接続される測定装置群、...、グループN=エリアXのアクセス網Yに接続される測定装置群といったようにグループ分けを行うことができる。
【0036】
また、上記以外の観点でグループ分けを行うこととしてもよい。
図5(b)に示すテーブルの情報は、システム管理者により設定される。
【0037】
図6は、測定制御情報のテーブルを示す。
図6に示すように、測定制御情報のテーブルは、測定ID、グループID、測定指示情報ID、割り当て目標値、割り当て時刻、割り当て回数を含む。
【0038】
測定IDは、レコードを識別するIDである。測定指示情報IDは、測定指示情報を識別するIDである。なお、このID("測定指示情報1"等)は、測定指示情報(例:スクリプト)のファイル名であってもよい。
【0039】
割り当て目標値は、測定指示情報の割り当て回数の目標の比率(重み)を示す。当該重みの値は、グループ内の複数測定指示情報間での比率を示すものであってもよいし、グループに関わらない全ての測定指示情報間での比率を示すものであってもよい。
【0040】
割り当て時刻は、該当の測定指示情報を、いずれかの測定装置に割り当てた直近(最も現在に近い)の時刻である。割り当て回数は、該当の測定指示情報が実際にいずれかの測定装置に割り当てられた回数を示す。当該回数は、例えば、過去のある時点からの実際の割り当て回数であってもよいし、割り当て目標値との比較がし易くなるように正規化した回数であってもよい。
図6の例では、正規化した回数を示しており、以下の説明でも、割り当て回数は正規化されているものとする。正規化は、例えば、各割り当て回数が、対応する割り当て目標値を超えない範囲で、ある割り当て回数が対応する割り当て目標値と等しくなるように、実際の各割り当て回数に同じ値を乗算することにより行われる。一例として、仮に、測定ID=1、2、3に対する実際の割り当て回数がそれぞれ10、9、4であり、割り当て目標値がそれぞれ100、110、50であるとすると、実際の各割り当て回数に同じ値である10を乗算することで正規化が行われる。この場合、正規化後の割り当て回数は100、90、40になる。
【0041】
図6に示す情報のうち、割り当て回数以外はシステム管理者により設定され、割り当て回数は測定制御部402により設定される。
【0042】
本実施の形態では、割り当て目標値と割り当て回数との差が大きいほど(目標値を達成していない程度が大きいほど)、測定指示情報の優先度が高いと判断され、優先度の高い測定指示情報から測定装置に割り当てられる。また、割り当て目標値と割り当て回数に基づく優先度が同じである場合には、使用されていない時間が長いほど測定指示情報の優先度が高いと判断され、優先度の高い測定指示情報から測定装置に割り当てられる。
【0043】
どのようにして割り当て目標値を設定するかについては、特定の方法に限定されないが、例えば、測定指示情報に基づき実行される測定処理に係る時間、及び、測定指示情報に基づき実行される測定の必要性の高さにより、割り当て目標値を設定される。一例として、測定処理に係る時間が長くなることが想定される測定指示情報については割り当て目標値を小さく設定し、測定処理に係る時間が短いことが想定される測定指示情報については割り当て目標値を大きく設定することで、効率的に多数の測定が行われるようにする。
【0044】
図7を参照して、上記のテーブルを使用した測定指示情報選択動作の手順例を説明する。
【0045】
まず、制御装置400の測定制御部402が、測定装置100から測定指示情報取得要求(測定装置100のIDを含む)を受信する(ステップS201)。測定制御部402は、グループ情報のテーブル(例:
図5(b))を参照し、測定装置100が属するグループのグループIDを取得する(ステップS202)。ここではグループ1であるとする。
【0046】
続いて、測定制御部402は、測定制御情報のテーブルを参照し、グループ1の測定指定情報のうち、割り当て回数が目標値に達していない測定指定情報があるか否かを判定する(ステップS203)。
【0047】
ステップS203での判定がYesの場合はステップS204に進み、Noの場合はステップS205に進む。
図6の例では、測定指示情報2が目標値に達していないので、ステップS204に進むことになる。なお、
図6の例は、割り当て回数として正規化された回数(100、105、50)を示しており、実際の回数は、例えば、(33、35、17)であったり、(200、210、100)であったりする。
【0048】
ステップS204において、測定制御部402は、割り当て回数と目標値との差が最大の測定指示情報を、最も優先度が高い測定指示情報として選択する。
図6の例では、目標値に達していない測定指示情報が1つ(測定指示情報2)なので、測定指示情報2が選択される。仮に、割り当て回数が(測定指示情報1、測定指示情報2、測定指示情報3)=(80、95、50)であるとした場合、測定指示情報1が選択される。
【0049】
ステップS205では、測定制御部402は、該当グループ内の各測定指示情報の割り当て時刻を参照し、割り当て時刻が最も過去の測定指示情報を選択する。
【0050】
ステップS204、S205において測定指示情報が選択された後、測定装置100へ測定指示情報が送信されるとともに、
図6に示すテーブルにおける割り当て回数と割り当て時刻が最新の値に更新される。
【0051】
なお、上述した方法で測定指示情報の優先度を決定して、測定指示情報の選択を行う方法は一例に過ぎない。例えば、測定指示情報に明示的に優先度を割り当てて、優先度に従った確率で測定指示情報が選択されるようにしてもよい。また、時間帯毎に、優先度を変えてもよい。例えば、時間帯Aでは、測定指示情報1の優先度を他よりも高くして、時間帯Bでは、測定指示情報2の優先度を他よりも高くする。優先度を高くするとは、例えば、割り当て目標値を高くする、あるいは、上記の明示的な優先度を高くすることである。
【0052】
また、上記の例では、複数の測定指示情報が存在する場合を示しているが、測定指示情報が1つ(例えば測定指示情報1のみとする)であってもよい。この場合、基本的には、制御装置400の測定制御部402は、測定装置から測定指示情報取得要求を受信した場合に、測定指示情報1を当該測定装置に返す。また、制御装置400の測定制御部402は、それぞれが異なるグループに属する複数の測定装置から同時に(又は同時とみなせる時間長の間に)測定指示情報取得要求を受信した場合に、各測定装置のグループにおける割り当て時刻を参照し、当該割り当て時刻が古いほど(「現在時刻−割り当て時刻」が大きいほど)優先度の高いグループであると判断して、優先度の高いグループの測定装置から順番に測定指示情報1を送信することとしてもよい。また、同一グループに属する複数の測定装置から同時に(又は同時とみなせる時間長の間に)測定指示情報取得要求を受信した場合に、各測定装置の測定指示情報取得時刻(例:
図5(a))を参照し、当該測定指示情報取得時刻が古いほど(「現在時刻−測定指示情報取得時刻」が大きいほど)優先度の高い測定装置であると判断して、優先度の高い測定装置から順番に測定指示情報1を送信することとしてもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
【0053】
<測定動作について>
次に、
図4のステップS104に示した測定実行動作の例について説明する。測定装置100が、制御装置400から受信する測定指示情報には、例えば、ISPへの接続のためのアカウント情報、測定実行対象装置のアドレス(IPアドレス、URL等)、測定の手順(測定内容を含む)等が含まれる。なお、これらは一例であり、これらのうちの一部であってもよいし、これら以外の情報が含まれていてもよい。
【0054】
測定内容としては、例えば、pingによる測定実行対象装置との間のRTT(Round Trip Time)の測定、tracerouteによるネットワーク経路とホップ数の測定、コンテンツダウンロード時間と転送量を計測することによるスループットの測定、等がある。なお、RTTを、「遅延」、「レイテンシ」等と言い換えてもよい。また、測定内容として、SNMP(Simple Network Management Protocol)を使用したネットワーク機器からの情報(例:パケットロスの値)の取得があってもよい。なお、遅延、パケットロス、スループット等は品質の例であり、これら以外の品質を測定してもよい。
【0055】
図8は、測定指示情報に従って測定装置100が実行する測定動作の手順の例を示す図である。
【0056】
この例では、まず、測定装置100の測定部104は、測定実行対象装置Aに対する遅延測定を行い(ステップS301)、次に、測定実行対象装置Bに対する遅延測定を行う(ステップS302)。
【0057】
測定部104は、測定実行対象装置Aに対する遅延が所定の閾値以上であるか否かを判定し(ステップS303)、所定の閾値以上であれば測定実行対象装置Aに対するスループット測定を行う(ステップS304)。
【0058】
また、測定部104は、測定実行対象装置Bに対する遅延が所定の閾値以上であるか否かを判定し(ステップS305)、所定の閾値以上であれば測定実行対象装置Bに対するスループット測定を行う(ステップS306)。
【0059】
なお、
図8では、測定実行対象装置A,Bに対して測定を行っているが、どちらか1つの測定実行対象装置のみに対する測定を行うこととしてもよい。
【0060】
スループット測定は遅延測定よりも時間と負荷がかかる測定であるため、上記のように、遅延が大きい場合にのみスループット測定を行うことで、効率的な測定を実現できる。
【0061】
上記の例は、測定方法を切り替える手順の例であるが、ISPを切り替える手順であってもよい。ISPを切り替える際には、測定指示情報により配付されたISPのアカウント情報を用いて当該ISPに接続して、測定を開始する。なお、ISPに接続するとは、一般的には、測定装置100が、当該ISPのインターネット接続用NW装置との間でPPPoE(PPP over Ethernet(登録商標))接続を行うことである。
【0062】
また、測定部104は、測定指示情報に従って、測定実行対象装置との間のパケットロスを測定し、パケットロスの値が所定の閾値以上である場合に、当該測定実行対象装置に対する遅延測定を行うこととしてもよい。また、この処理(パケットロス測定−>遅延測定)を最初に行って、その後に、
図8に示すような処理(遅延測定−>スループット測定)を行うこととしてもよい。
【0063】
(実施の形態のまとめ)
本実施の形態によれば、ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムであって、前記測定装置が、前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信し、前記制御装置が、測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択し、当該特定の測定指示情報を前記測定装置に送信し、前記測定装置が、前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行うネットワーク品質測定システムが提供される。
【0064】
前記優先度は、例えば、前記測定指示情報に対して予め定められた割り当て目標値と、当該測定指示情報が実際に使用された回数とに基づいて決定される。また、前記優先度は、更に、前記測定指示情報が使用された直近の時刻に基づいて決定されることとしてもよい。
【0065】
前記測定装置は、例えば、前記特定の測定指示情報に基づいて、第1の品質の測定を行い、第1の品質が所定の条件を満たさない場合に、第2の品質の測定を行うこととしてもよい。一例として、第1の品質の測定はパケットロスの測定であり、第2の品質の測定は遅延の測定であり、所定の条件はパケットロスが所定の閾値を超えないことである。また、他の例として、第1の品質の測定は遅延の測定であり、第2の品質の測定はスループットの測定であり、所定の条件は遅延が所定の閾値を超えないことであることとしてもよい。
【0066】
また、本実施の形態により、ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおける前記測定装置であって、前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信し、前記制御装置において測定指示情報の中から優先度に基づいて選択された特定の測定指示情報を、前記制御装置から受信する手段と、前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行う手段とを備える測定装置が提供される。
【0067】
また、本実施の形態により、ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおける前記制御装置であって、前記測定装置から測定指示情報取得要求を受信する手段と、測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択する手段と、前記特定の測定指示情報を前記測定装置に送信する手段とを備える制御装置が提供される。
【0068】
(第1項)
ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムであって、
前記測定装置が、前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信し、
前記制御装置が、測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択し、当該特定の測定指示情報を前記測定装置に送信し、
前記測定装置が、前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行う
ことを特徴とするネットワーク品質測定システム。
(第2項)
前記優先度は、前記測定指示情報に対して予め定められた割り当て目標値と、当該測定指示情報が実際に使用された回数とに基づいて決定される
ことを特徴とする第1項に記載のネットワーク品質測定システム。
(第3項)
前記優先度は、更に、前記測定指示情報が使用された直近の時刻に基づいて決定される
ことを特徴とする第2項に記載のネットワーク品質測定システム。
(第4項)
前記測定装置は、前記特定の測定指示情報に基づいて、第1の品質の測定を行い、第1の品質が所定の条件を満たさない場合に、第2の品質の測定を行う
ことを特徴とする第1項ないし第3項のうちいずれか1項に記載のネットワーク品質測定システム。
(第5項)
ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおける前記測定装置であって、
前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信し、前記制御装置において測定指示情報の中から優先度に基づいて選択された特定の測定指示情報を、前記制御装置から受信する手段と、
前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行う手段と
を備えることを特徴とする測定装置。
(第6項)
コンピュータを、第5項に記載の測定装置における各手段として機能させるためのプログラム。
(第7項)
ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおける前記制御装置であって、
前記測定装置から測定指示情報取得要求を受信する手段と、
測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択する手段と、
前記特定の測定指示情報を前記測定装置に送信する手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
(第8項)
コンピュータを、第7項に記載の制御装置における各手段として機能させるためのプログラム。
(第9項)
ネットワーク品質の測定を行う測定装置と、当該測定装置の制御を行う制御装置とを備えるネットワーク品質測定システムにおいて実行されるネットワーク品質測定方法であって、
前記測定装置が、前記制御装置に測定指示情報取得要求を送信するステップと、
前記制御装置が、測定指示情報の中から、優先度に基づいて特定の測定指示情報を選択し、当該特定の測定指示情報を前記測定装置に送信するステップと、
前記測定装置が、前記特定の測定指示情報に従って、ネットワーク品質の測定を行うステップと
を備えることを特徴とするネットワーク品質測定方法。
以上、本実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。