【実施例1】
【0012】
実施例1に係る管継手につき、
図1から
図2を参照して説明する。先ず
図1(a)の符号1は、本発明の適用された管継手である。尚、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、流体管の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
【0013】
図1(b)に示すように、流体管P1の受口2の端面側には、径方向外方に突出する円環状のフランジ3が一体形成され、フランジ3の端面3aから連なり徐々に縮径するテーパ面4と、テーパ面4に連なる大径内周面5と、大径内周面5に連なり管軸を中心軸とする環状面6と、環状面6に連なる小径内周面7と、が形成され、前記テーパ面4と屈曲流体管P2の挿口10の外周面11との間の空間に円環状のシール部材12が介挿されている。
【0014】
図1(a)に示すように、挿口10の外周面11には、本発明の凸部としての環状凸部13が形成される。また、
図2に示すように、押輪16は、環状に一体成形され、その内径寸法D1は、環状凸部13の外径寸法D2より大きく、押輪16の内径部は、挿口10及び環状凸部13の外周に遊篏できるようになっている。
【0015】
図2に示すように、ロッキング部材14は、円周方向に分割され、各分割片14a、14bには、内周部に溝14cが形成されている。溝14cは環状凸部13に対して、挿口10の半径方向外側から係合でき、係合時のロッキング部材14の外径寸法は、押輪16の内径寸法D1より大きく形成されている。したがって、押輪16を環状凸部13に対し屈曲管P2の曲り側に遊篏した状態で、ロッキング部材14を環状凸部13に対して係合すると、一体の押輪16の当り面16aはロッキング部材の当り面14eに当接でき、一体の押輪16によってロッキング部材14を支持できるようになる。
【0016】
図2に示すように、ロッキング部材14には複数の孔14dが、環状凸部13には、孔14dに対応する位置にネジ穴13aが、半径方向に形成されている。各分割片14a、14bの内周部に形成された溝14cを環状凸部13に係合し、ネジ等の固定手段15によって、各分割片14a、14bと環状凸部13とを固定できるようになっている。固定手段は、各分割片14a、14bと環状凸部13との半径方向、円周方向の動きを固定できれば良く、ネジに代えてピン等を必要な個数使用して固定したり、溶接あるいは接着することができる。
【0017】
ここで、本発明の凸部は、本実施例の環状凸部13のように周方向に亘り連続したものでもよいが、周方向の一部に切欠きを設けたりあるいは断続して複数の切欠きを設けてもよい。
【0018】
以下、流体管P1の受口2と屈曲流体管P2の挿口10とを接続する場合の組立手順を
図1、
図2を参照して説明する。
【0019】
手順(1)として、工場において事前に、
図2に示すように、挿口10に対し、押輪16を遊篏し、ロッキング部材14の各分割片14a、14bを環状凸部13に係合して、ネジ等の固定手段15によって固定しておく。このように、従来、施工現場で行っていた作業を工場で事前に行うことで、施工現場での作業時間、作業者の負担を減らすことができる。
【0020】
手順(2)として、施工現場において、挿口10の外周面11にシール部材12を外挿したのち、挿口10を受口2に対して管軸線X方向から挿入する。必要に応じて、滑材を利用するようにしてもよい。
【0021】
手順(3)として、押輪16のボルト挿通孔と受口2のフランジ3のボルト挿通孔とに、締結手段17のボルト17aを挿通し、このボルト17aの先端に螺合したナット17bを締付け、押輪16の当り面16aとロッキング部材14の当り面14eとを当接させ、受口2と挿口10とを管軸線方向に相対的に引き寄せ移動させるとともに、ロッキング部材14の当り面14gによってシール材12は押圧され、受口2のテーパ面4と挿口10の外周面11との間に押し込まれながら、圧縮される。
【0022】
手順(4)として、押輪16とロッキング部材14と受口2のフランジ3の端面3aとが接触するまで締付けを行う。通常、締結部材17の締付け管理は、締付けトルクを管理することによって行われる。しかし、実施例1の管継手は、押輪16とロッキング部材とフランジ3の端面3aとが、接触すれば、締付けトルクが急激に大きくなるので、トルク管理による締め付けを行わなくても、締付けの感触で容易に締付け完了を判断できる。また、押輪16とロッキング部材とフランジ3の端面3aとが、接触していることを、目視で確認することもできる。
【0023】
以下、実施例1の作用効果について説明する。押輪16とロッキング部材とフランジ3の端面3aとが接触して締付けを完了した状態では、挿口10は、受口2に対して設定された接続長さで挿入された状態になり、環状凸部13に係合されたロッキング部材14は、押輪16と受口2のフランジ3の端面3aとの間に挟持されるので、挿口10の先端部が受口2に接触することを防止できる。したがって、施工時に誤って、挿口の先端部10が受口2に接触させることがないので、塗装等が剥離する等の破損を防止することができる。
【0024】
押輪16とロッキング部材14とフランジ3の端面3aとが接触するまで締付けを行った状態では、受口2のテーパ内周面4、大径内周面5、環状面6、挿口10の外周面11とロッキング部材14の当り面14gとによって形成されるシール部材12の装着空間は、シール部材12が適正な密封状態を発揮できるような空間の大きさになっている。したがって、押輪16とロッキング部材とフランジ3の端面3aとが接触するように締付け、シール部材12をこの装着空間に押し込めば、自動的にシール部材12は適正な圧縮状態となり、長期にわたり安定した密封状態を維持できる状態となる。
【0025】
管継手には、地震による力、不等沈下等に起因する引張力、圧縮力、または地上を走る車両から振動荷重が繰り返し作用する。このような引張力、圧縮力、振動荷重は、環状凸部13に係合されるロッキング部材、押輪16及び締結手段17によって締結されたフランジ3によって保持される。実施例1においては、分割されたロッキング部材14は、一体成形された押輪16とフランジ3との間に締結手段17によって締付け、挟持されるので、引張力、圧縮力、振動荷重が作用しても、ロッキング部材14はシール部材を均一に押圧できるので、適正な圧縮力を維持できる。
【0026】
押輪16の内径寸法D1は、シール部材12の外径寸法より小さくなるように制限しているので、ロッキング部材14がシール部材12を押圧する領域と、押輪16がシール部材14を押圧する領域とが、重複するようになり、締結部材17の締付け時の締付け力が、押圧する領域に確実に伝わるようになる。その後も、ロッキング部材はシール部材を均一に押圧でき、締結部材17により安定した密封状態を保つことができる。
【0027】
ロッキング部材14の各分割片14a、14bの溝14cは、挿口10と一体に形成された環状凸部13に係合され、さらに、固定手段15によって環状凸部13に対して固定されるので、環状部材13とロッキング部材14とは、互いに半径方向、円周方向に動きが拘束される。さらに、ロッキング部材14は、フランジ3と押輪16との間に締結手段17によって締付け、挟持されるので、ロッキング部材14が分割されていても、ロッキング部材14の合わせ目におけるシール部材12への集中荷重を小さくでき、長期にわたり密封状態を保つことができる。
【0028】
さらに、挿口に一体に形成された環状凸部13にはロッキング部材14が係合され、さらにロッキング部材14は、フランジ3と押輪16との間に締結手段17によって締付け、挟持される。地震や不等沈下等に起因する引張力、圧縮力がロッキング部材14に作用しても、ロッキング部材14、一体成形されたフランジ3と押輪16とによって挟持されるので、受口2から挿口が抜け出したり、挿口10の先端部が受口2に接触することを防止できる。
【0029】
以上のように、実施例1の管継手は、ロッキング部材はシール部材を均一に押圧でき、適正な圧縮力を維持でき、管継手は密封状態を保つことができる。
【0030】
図3に、シール部材12の取付け構造の変形例を示す。
図3(a)は、シールの装着空間にシール12の逃げ場12aを設けたものである。シール12の逃げ場を設けることで、シールが過度に押圧された場合にシールの押圧力を調整できるようにしたものである。シールの逃げ場の大きさは、シールの材料の特性、シールの押圧力によって決めることができ、
図3(a)のようにシールの逃げ場の大きさを比較的大きくしたり、
図3(b)のように小さくすることができる。また、
図3(c)のように、シールの逃げ場を設けず、ロッキング部材14のシール押圧面14gを平面にしたり、曲面にすることもできる。
【0031】
図3(d)は、シール部材12が環状面6と当接する面をライナー19によって支持したものである。ライナー19で支持することにより、シール部材12のはみ出しを防止でき、曲がり方向の力に対する耐久性を向上でき、さらに衝撃力を緩和することができる。
【0032】
図1の実施例1においては、屈曲流体管P2の両端に形成された挿口10を実施例1の管継手1で接続したが、
図4から
図6に示すように、異なるタイプの管継手を使用することもでき、耐震管への適用範囲を拡げることができる。ただし、異なるタイプの管継手はこれに限らず、例えば、直管に挿口が形成されてもよいし、ネジ結合であってもよい。
【0033】
図4に示すように、屈曲流体管P3の一方の挿口を実施例1の管継手1にて接続し、屈曲流体管P3の他方の挿口を、管継手60にて接続する。管継手60は、流体管P4の受口61に形成されたフランジ62と、受口61の内周面66と、受口61の内周部の溝68と、シール部材65と、押輪63と、フランジ62と押輪63とを締結する締結部材64と、止め輪69と、を備え、挿口67の外周面67aと受口61の内周面66との間に介挿されるシール部材65を押輪63によって押圧して、密封接続するものである。
【0034】
管継手60においては、挿口67の外周に形成された凸部67bが、受口61の内周部の溝68に嵌め込まれた止め輪69によって、動きを拘束されるので、地震、不等沈下による力が作用しても、挿口67が受口61から抜けることを防止できる。
【0035】
図5に示すように、屈曲流体管P5の一方の挿口を実施例1の管継手1にて接続し、屈曲流体管P5の他方の挿口77を、管継手70にて接続する。管継手70は、流体管P6の受口71に形成された凸部74と、凸部内部に形成された空間に収納された係止部材76と、係止部材76を押圧する押圧手段75と、シール部材73と、を備え、挿口77の外周面78と受口71の内周面72との間に介挿されるシール部材73によって、密封接続するものである。
【0036】
管継手70においても、押圧手段75によって係止部材76を挿口77に押圧することにより、地震、不等沈下による力が作用しても、挿口77が受口71から抜けることを防止できる。
【0037】
図6に示すように、屈曲流体管P7の一方の挿口を実施例1の管継手1にて接続し、屈曲流体管P7の他方の受口82を、管継手80にて接続する。管継手80は、流体管P7の受口82の内周面83と、流体管P8の挿口81と、シール部材85と、止め輪86と、受口82の内周に形成された溝87、を備え、受口82の内周面83と挿口81の外周面84との間に介挿されるシール部材85によって、密封接続するものである。
【0038】
管継手80においては、挿口81の外周に形成された凸部81aが、受口82の内周部の溝87に嵌め込まれた止め輪86によって、動きを拘束されるので、地震、不等沈下による力が作用しても、挿口81が受口82から抜けることを防止できる。
【実施例2】
【0039】
次に、実施例2に係る管継手につき、
図7を参照して説明する。
図7(a)の符号20は、実施例2の管継手である。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0040】
実施例1において、ロッキング部材14は分割して構成されていたが、実施例2の管継手20においては、ロッキング部材21が一体形成され、その内周にはネジ部21aが形成され、本発明の凸部としての環状凸部25の外周に形成されたネジ部25aと螺合、一体化したものである。
【0041】
一体形成された押輪22の内径寸法は、環状凸部25の外径寸法より大きく形成されているので、挿口23に挿入された押輪22は環状凸部25を挿通することができる。また、一体形成されたロッキング部材22を環状凸部25に螺合したのち、ロッキング部材21と環状凸部24との相対的な動きを防止するため、固定手段26(たとえば、ネジ、ピン等)によって固定される。ロッキング部材21の外形寸法は、押輪22の内径寸法より大きいので、ロッキング部材21を環状凸部24に固定した後は、押輪22の当り面22aはロッキング部材21の当り面21cに当接できるようになる。また、テーパ面4と挿口23の外周面24との間の空間に合成ゴム製の円環状のシール部材12が介挿される。
【0042】
以下、
図7の実施例の作用効果について説明する。実施例1と同じく、押輪22とロッキング部材21とフランジ3の端面3aとが接触するように締結手段17を締付ければ、シール部材12は適正な圧縮状態となり、長期にわたり密封状態を維持できる状態とすることができる。
【0043】
実施例1の分割構造のロッキング部材14に換えて、さらに剛性の高い一体構造のロッキング部材21としたので、地震や不等沈下等に起因する引張、圧縮方向の外力が作用した場合でも、ロッキング部材21がシール部材12を押圧する力は均一となり、適正な圧縮力を維持でき、密封状態を保つことができる。
【0044】
ロッキング部材21と環状凸部25とを固定手段26によって固定したので、ロッキング部材21は、環状凸部に対して、円周方向の動きを固定されるので、ロッキング部材21がシール部材12をねじる力を与えることなく、適正な圧縮力を維持して、長期にわたり密封状態を保つことができる。
【0045】
挿口に一体に形成された環状凸部25は、一体形成されたロッキング部材21を介して、押輪22とフランジ3との間に挟持され動きが拘束されるので、地震や不等沈下等に起因する引張、圧縮方向の外力が作用した場合でも、受口2に対する挿口23の移動を防ぐことができる。
【0046】
図8は、実施例2の変形例の管継手30である。前実施例の
図7の管継手20が、ロッキング部材21の内周に形成されたネジ部21aと、環状凸部25の外周に形成されたネジ部25aと螺合、一体化するのに対し、
図8の管継手30は、一体成形されたロッキング部材32を環状凸部34に篏合したものである。ロッキング部材32と環状凸部34との篏合代は、管継手30に加わる外力を考慮して決定される。さらに、ロッキング部材32と環状凸部34とを固定手段35によって固定したものである。固定手段35は、ネジまたはピン等を必要な個数設けて固定することができる。
【0047】
図8の実施例の作用効果について説明する。管継手30は、剛性の高い一体構造のロッキング部材32を環状凸部34に篏合したので、地震や不等沈下等に起因する力が作用しても、ロッキング部材32がシール部材12を押圧する力は均一となり、適正な圧縮力を維持でき、密封状態を保つことができる。
【0048】
ロッキング部材32と環状凸部34とを固定手段35によって固定したので、ロッキング部材32は、環状凸部に対して、半径方向及び円周方向の動きを固定されるので、ロッキング部材32がシール部材12を押圧する力が、さらに安定し、適正な圧縮力を維持して、長期にわたり密封状態を保つことができる。
【0049】
さらに、挿口31に一体に形成された環状凸部34は、一体形成されたロッキング部材32を介して、押輪33とフランジ3との間に挟持され動きが拘束されるので、地震や不等沈下等に起因する力が作用した場合でも、受口2に対する挿口23の移動を防ぐことができる。
【0050】
以上のように、実施例2の管継手は、ロッキング部材を剛性の高い一体構造としたので、地震や不等沈下等に起因する力が作用しても、ロッキング部材がシール部材を押圧する力は均一となり、適正な圧縮力を維持でき、密封状態を保つことができる。
【実施例3】
【0051】
次に、実施例3に係る管継手につき、
図9を参照して説明する。
図9(a)の符号40は、実施例3の管継手である。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
実施例1及び実施例2においては、前記シール部材12は、ロッキング部材によって押圧されていたが、
図9の管継手40においては、前記シール部材12は、本発明の凸部としての環状凸部44の押圧面44bによって押圧される。また、環状凸部44の外周に形成された円周溝44aには、断面形状がC形のロッキング部材43が、治具等を使用して拡径して、環状凸部44の外周に形成された円周溝44aに係合される。さらに、ロッキング部材43の外周には固定手段46が篏合され、ロッキング部材43が円周溝44aから抜け出ることを防止している。
【0053】
ロッキング部材43を環状凸部44に係合したときには、押輪45はロッキング部材43に当接するようになる。また、テーパ面4と挿口41の外周面42との間の空間に合成ゴム製の円環状のシール部材12が介挿される。
【0054】
以下、
図9の実施例の作用効果について説明する。
図9の管継手40においても、押輪45とロッキング部材43とフランジ3の端面3aとが接触するように締結手段17を締付ければ、シール部材12は適正な圧縮状態となり、長期にわたり密封状態を維持できる状態とすることができる。
【0055】
実施例3の管継手40は、挿口41と一体に構成した環状凸部44によってシール部材12を押圧するので、シール部材12を押圧する面の段差を少なくすることができ、環状凸部44がシール部材を押圧する力はさらに均一となり、適正な圧縮力を維持でき、密封状態を保つことができる。
【0056】
挿口に一体に形成された環状凸部44は、ロッキング部材43を介して、押輪45とフランジ3との間に挟持されるので、地震や不等沈下等に起因する力が作用した場合でも、受口2に対する挿口23の移動を防ぐことができる。
【実施例4】
【0057】
次に、実施例4に係る管継手につき、
図10、
図11を参照して説明する。
図10(a)の符号50は、実施例4の管継手である。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0058】
管継手50においては、実施例3と同じように、前記シール部材12は、本発明の凸部としての環状凸部54の押圧面54aによって押圧される。また、環状凸部54の外周には、バヨネット爪54bが形成されている。ロッキング部材53は一体に形成され、バヨネット爪54bにバヨネット結合されるバヨネット爪53aを備えている。
【0059】
図11(a)に示すように、ロッキング部材53のバヨネット爪53aは、環状凸部54のバヨネット爪54bの間を通過できるように隙間Cを持つように形成されている。バヨネット爪53aは、環状凸部54のバヨネット爪54bの間を通過して、
図10(a)のように溝54cに中に配置され、
図11(b)のように、ロッキング部材53を溝54cの中を円周方向に回転すると、ロッキング部材53のバヨネット爪53aと環状凸部54のバヨネット54bとを噛合い、軸方向に抜けなくなる。この状態で、ロッキング部材53のバヨネット爪53aと環状凸部54のバヨネット54bとが互いに周方向に移動しないように、固定手段56によって、固定することができる。固定手段56として、ピン、ネジ等を必要な個数設けて固定することができる。
【0060】
以下、
図10の実施例について作用効果を説明する。押輪55とロッキング部材53とフランジ3の端面3aとが接触するように締結手段17を締付けることによって、シール部材12は適正な圧縮状態となり、長期にわたり密封状態を維持できる状態とすることができる。
【0061】
管継手50は、挿口51と一体に構成した環状凸部54がシール部材12を押圧するので、シール部材12を押圧する面の段差を少なくすることができ、環状凸部54がシール部材を押圧する力はさらに均一となり、適正な圧縮力を維持でき、密封状態を保つことができる。
【0062】
ロッキング部材53のバヨネット爪53aと環状凸部54のバヨネット54bとを固定手段56によって固定したので、バヨネット結合の分解のおそれがなくなる。
【0063】
挿口に一体に形成された環状凸部54は、バヨネット結合したロッキング部材53を介して、押輪55とフランジ3との間に挟持されて動きが拘束されるので、地震や不等沈下等に起因する引張、圧縮方向の外力が作用した場合でも、受口2に対する挿口51の移動を防ぐことができる。
【0064】
実施例1の
図4から
図6のように、実施例2から実施例4においても、屈曲流体管P2の一方と、屈曲流体管P2の他方を異なるタイプの管継手で接続してもよい。
【0065】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0066】
例えば、本発明の管継手は、屈曲流体管の管継手に適用する例を示したが、これに限らず、直管、短管、異径管、弁の管接続部等を密封接続する管継手としても使用することができる。