【文献】
Victor J. GRENDA et al,Novel Preparation of Benzimidazoles from N-Arylamidines. New Synthesis of Thiabendazole,J. ORG. CHEM.,1965年 1月,vol.30, no.1,p.259-261,文献全体、特に、第259頁右欄参照
【文献】
K. T. POTTS et al,1,2,4-Triazoles. XIII. Derivatives of the s-Triazolo[1,5-a]pyridine Ring System,J. ORG. CHEM.,1966年 1月,vol.31, no.1,p.260-265,文献全体、特に、第262頁チャートI参照
【文献】
UEDA,S. et al,Facile Synthesis of 1,2,4-Triazoles via a Copper-Catalyzed Tandem Addition-Oxidative Cyclization,Journal of the American Chemical Society,2009年10月 2日,Vol.131, No.42,p.15080-15081,文献全体、特に、第15081頁右欄反応式1参照
【文献】
SONG,L. et al,I2/KI-Mediated Oxidative N-N Bond Formation for the Synthesis of 1,5-Fused 1,2,4-Triazoles from N-Aryl Amidines,Journal of Organic Chemistry,2015年 6月26日,Vol.80, No.14,p.7219-7225,文献全体、特に、表1及びスキーム1−3参照
【文献】
ZHENG,Z. et al,PhI(OCOCF3)2-Mediated Intramolecular Oxidative N-N Bond Formation: Metal-Free Synthesis of 1,2,4-Triazolo[1,5-a]pyridines,Journal of Organic Chemistry,2014年 4月18日,Vol.79, No.10,p.4687-4693,文献全体、特に、スキーム2及び表2、並びに第4688頁表1のエントリー5、8及び9参照
【文献】
Javier MENDIOLA et al,Preparation, Use, and Safety of O-Mesitylenesulfonylhydroxylamine,ORGANIC PROCESS RESEARCH & DEVELOPMENT,2009年 1月14日,vol.13, no.2,p.263-267
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明の態様]
本発明は、以下の態様に示される式(I)で表される4−ヘテロアリール−N−(2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸アミド誘導体の製造方法であり、以下に記載する。
【0015】
[1]本発明の第1の態様は、下記式(I):
【化7】
[式(I)中、pは、0〜3の整数を表わし;qは、0〜2の整数を表わし;R
1は、各々独立に、ハロゲン原子、シアノ基、C
1〜6アルキル基、C
3〜8シクロアルキル基、ハロゲン化C
1〜6アルキル基、
ハロゲン化C3〜6シクロアルキル基、C
2〜6アルケニル基、C
1〜6アルコキシ基、
C1〜6アルコキシC3〜6シクロアルキル基、C
1〜6アルコキシC
1〜6アルキル基、ヒドロキシC
1〜6アルキル基、
ヒドロキシC3〜6シクロアルキル基、およびC
2〜7アルカノイル基から任意に選ばれる基を表わし;R
2は、C
1〜6アルキル基
、又はC3〜6シクロアルキル基を表わし;R
3は、水素原子、およびフッ素原子から任意に選ばれる基を表わし;R
4は、各々独立に、ハロゲン原子、C
1〜6アルキル基、
C3〜6シクロアルキル基およびC
1〜
6アルコキシ基から任意に選ばれる基を表わし;式(II):
【化8】
で表わされる環A基は、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基、ピリジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、およびピラジン−2−イル基から任意に選ばれる単環式5〜6員ヘテロアリール基を表わす]の化合物を製造する方法であって、式(AD−3):
【化9】
[式(AD−3)中、p、q、R
1、R
2、R
3、R
4、および式(II)で表わされる環A基は、態様[1]中の式(I)中の定義と同じであり]で表わされる化合物、及び酸化剤に[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(PIFA)を用いて、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、DBU、トリエチルアミン、フッ化セシウム、ピリジン等の塩基の存在又は非存在下、アセトニトリル、メタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、ピリジン等の反応に関与しない溶媒、又はこれ等反応に関与しない溶媒の混合溶媒を用いて、室温から溶媒が還流する温度で環化反応を行い、式(I)で表される化合物を得る段階を含む製造方法である。
【0016】
[1−1]態様[1]の好ましい形態としては、前記式(I)[式(I)中、p、q、R
3、および式(II)で表わされる環A基は、前記態様[1]中の定義と同じであり;R
1は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−ヒドロキシエチル基、ビニル基、アセチル基、メトキシ基、およびエトキシエチル基から任意に選ばれる基を表わし;R
2は、メチル基を表わし;R
4は、フッ素原子、メチル基、メトキシ基から任意に選ばれる基を表わす]の化合物を製造する方法であって、式(I)で表される化合物を得る段階[前記態様[1]中の段階と同一であり;出発原料の式(AD−3)の置換基の定義は、態様[1−1]中の式(I)の定義と同じである]を含む製造方法である。
【0017】
[1−1−1]態様[1]のより好ましい形態としては、前記式(I)[式(I)中、p、R
1、R
2、R
4、および式(II)で表わされる環A基は、前記態様[1−1]の定義と同じであり;qは、0の整数を表わし;R
3は、フッ素原子を表わす]の化合物を製造する方法であって、式(I)で表される化合物を得る段階[前記態様[1]中の段階と同一であり;出発原料の式(AD−3)の置換基の定義は、態様[1−1−1]中の式(I)の定義と同じである]を含む製造方法である。
【0018】
[1−1−2]態様[1]の更に好ましい形態としては、前記式(I)[式(I)中、p、q、R
1、R
2、R
3、およびR
4は、前記態様[1−1−1]の定義と同じであり;式(II)で表わされる環A基は、チアゾール−2−イル基、およびピリミジン−4−イル基であり;前記p、R
1、式(II)で表わされる環A基の定義を組み合わせた、より具体的な基が、4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル基、5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル基、2,5−ジメチルピリミジン−4−イル基、および2−メチルピリミジン−4−イル基から任意に選ばれる基を表わす]の化合物を製造する方法であって、式(I)で表される化合物を得る段階[前記態様[1]中の段階と同一であり;出発原料の式(AD−3)の置換基の定義は、態様[1−1−2]中の式(I)の定義と同じである]を含む製造方法である。
【0019】
[1−2]態様[1]の好ましい形態としては、酸化剤(PIFA)の等量は、出発原料に対して1.0〜2.5等量である。
【0020】
[1−2−1]態様[1]のより好ましい形態としては、酸化剤(PIFA)の等量は、出発原料に対して1.2〜2.0等量である。
【0021】
[1−3]態様[1]の好ましい形態としては、塩基は存在下である。
【0022】
[1−3−1]態様[1−3]の好ましい形態としては、塩基は、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、DBU、トリエチルアミン、フッ化セシウム、又はピリジンである。
【0023】
[1−3−2]態様[1−3]のより好ましい形態としては、塩基は、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、DBU、トリエチルアミン、フッ化セシウム、又はピリジンである。
【0024】
[1−4]態様[1]の好ましい形態としては、塩基の等量は、出発原料に対して1.0〜2.5等量である。
【0025】
[1−4−1]態様[1]のより好ましい形態としては、塩基の等量は、出発原料に対して1.2〜2.0等量である。
【0026】
[1−5]態様[1]の好ましい形態としては、溶媒は、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又ピリジン等の反応に関与しない溶媒、又はこれ等反応に関与しない溶媒の混合溶媒である。
【0027】
[1−5−1]態様[1]のより好ましい形態としては、溶媒は、アセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との混合溶媒である。
【0028】
[1−5−2]態様[1]の更に好ましい形態としては、溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドと水との混合溶媒である。
【0029】
[1−6]態様[1]の好ましい形態としては、溶媒は、アセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との混合溶媒であり、混合溶媒におけるアセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との容量比は、20:1〜1:1である。
【0030】
[1−6−1]態様[1]のより好ましい形態としては、溶媒は、アセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との混合溶媒であり、混合溶媒におけるアセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との容量比は、10:1〜3:1である。
【0031】
[1−6−2]態様[1]の更に好ましい形態としては、溶媒は、アセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との混合溶媒であり、混合溶媒におけるアセトニトリル、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はピリジン等の溶媒と水との容量比は、8:1である。
【0032】
[1−7]態様[1]の好ましい形態としては、反応温度は0℃から約50℃の間の温度である。
【0033】
[1−7−1]態様[1]のより好ましい形態としては、反応温度は0℃から約40℃の間の温度である。
【0034】
[1−7−2]態様[1]の更に好ましい形態としては、反応温度は室温である。
【0035】
[2]本発明の第2の態様は、下記(Scheme1)中[(Scheme1)中、p、q、R
1、R
2、R
3、R
4、および式(II)で表わされる環A基は上記態様[1]に記載の定義と同じである]の、式(I)の製造方法である。
【化10】
【0036】
以下に、上記態様[1]〜[2]の各式中の各基について具体的に説明する。
本発明の化合物に関する説明において、例えば「C
1〜6」とは、構成炭素原子数が1から6であることを示し、特に断らない限り、直鎖、分枝鎖または環状の基の総炭素原子数を表わす。
【0037】
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子等が挙げられる。
【0038】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
1〜6アルキル基」
又は「C3〜6シクロアルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル等が挙げられる。
【0039】
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン化」とは、置換基として1〜5個の前記「ハロゲン原子」を有していてもよいことを意味する。また、「ハロゲン化」は、「ハロゲン化されていてもよい」または「ハロゲノ」と言い換えられる。
【0040】
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン化C
1〜6アルキル基」
又は「ハロゲン化C3〜6シクロアルキル基」とは、前記「C
1〜6アルキル基」
又は「C3〜6シクロアルキル基」が1〜5個のハロゲン原子で任意に置換されている基を意味し、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等が挙げられる。
【0041】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
3〜8シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル等が挙げられる。
【0042】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
2〜6アルケニル基」としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル等が挙げられる。
【0043】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
1〜6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、及びシクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0044】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
1〜6アルコキシC
1〜6アルキル基」
又は「C1〜6アルコキシC3〜6シクロアルキル基」とは、前記「C
1〜6アルコキシ基」が前記「C
1〜6アルキル基」
又は「C3〜6シクロアルキル基」に置換した基を意味する。本明細書中、特に断りのない限り、「C
1〜6アルコキシC
1〜6アルキル基」
又は「C1〜6アルコキシC3〜6シクロアルキル基」としては、例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、及びエトキシエチル等が挙げられる。
【0045】
本明細書中、特に断りのない限り、「ヒドロキシC
1〜6アルキル基」
又は「ヒドロキシC3〜6シクロアルキル基」とは、前記「C
1〜6アルキル基」
又は「C3〜6シクロアルキル基」が1〜5個の水酸基で任意に置換されている基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−エチル等が挙げられる。
【0046】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
2〜7アルカノイル基」としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、及びシクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。
【0047】
本明細書中、特に断りのない限り、「C
7〜20アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリチル、ビフェニルメチル、ナフチルメチル、インダニルメチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルメチル、等が挙げられる。
【0048】
本明細書中、特に断りのない限り、環状基に可変置換基が置換している場合、該可変置換基は環状基の特定の炭素原子、又は環状基内の特定のNH基に結合されていない事を意味する。例えば、下記式Aにおける可変置換基R
xは、式Aにおける炭素原子i、ii、iii、iv、又はvの何れかに置換する事ができ、下記式Bにおける可変置換基R
yは、式Bにおける炭素原子vi、又はviiの何れかに置換する事ができ、下記式Cにおける可変置換基R
zは、式Cにおける炭素原子viii、ix、x、又はxiの何れかに置換する事ができる事を意味する。
【化11】
【0049】
以上の全ての態様において、「化合物」の文言を用いるとき、「その製薬学的に許容される塩」についても言及するものとする。
【0050】
本発明中の化合物は、置換基の種類によって、酸付加塩を形成する場合や塩基との塩を形成する場合がある。かかる塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定されないが、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性、又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
【0051】
本発明中の化合物が酸性である場合には、無機又は有機の塩基から塩を形成する場合がある。かかる塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定されなく、無機又は有機の塩基を包含する製薬学的に許容しうる非毒性の塩基から調製された塩を表す。無機塩基から得られる塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄(III)塩、鉄(II)塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン(III)塩、マンガン(II)塩、バリウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、セシウム塩及び亜鉛塩、等が挙げられる(一塩の他、二塩等も含む)。
【0052】
有機塩基から得られる塩としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、リシン、アルギニン、オルニチン、N−メチルグルカミン、グルコサミン、フェニルグリシンアルキルエステル、グアニジン、等との塩が挙げられる。
【0053】
本発明中の化合物が塩基性である場合には、無機酸及び有機酸から塩を形成する場合がある。かかる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、グルタミン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、グルコン酸、イセチオン酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、よう化水素酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、エナント酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ソルビン酸、シュウ酸、マロン酸、フタル酸、桂皮酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキシル酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン、アスパラギン酸、等が挙げられる。かかる塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定されない。
【0054】
前記塩は、常法に従い、例えば、本発明中の化合物と適量の酸又は塩基を含む溶液を混合することにより目的の塩を形成させた後に分別濾取するか、若しくは、当該混合溶媒を留去することにより得ることができる。また、本発明の化合物又は其の塩は、水、エタノール、グリセロール等の溶媒と溶媒和物を形成しうる。
【0055】
塩に関する総説として、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、Stahl&Wermuth(Wiley−VCH、2002)が出版されており、本書に詳細な記載がなされている。前記塩は、当該総説を参照して製造することができる。
【0056】
本発明中の化合物は、非溶媒和形態、若しくは溶媒和形態で存在することができる。本明細書において、「溶媒和物」は、本発明の化合物と1種又は複数の薬学的に許容される溶媒分子(例えば、水、エタノール等)を含む分子複合体を意味する。前記溶媒分子が水である場合、特に「水和物」と言う。
【0057】
本発明中の化合物が、幾何異性体、配置異性体、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、及び回転異性体、等の異性体を有する場合、いずれか一方の異性体及び各異性体の混合物も本発明の化合物に包含される。更に、本発明の化合物に光学異性体が存在する場合、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明の化合物に包含される。
【0058】
本発明中の化合物に1つ又は複数の不斉炭素原子が有る場合には、2種以上の立体異性体が存在し得る。
【0059】
本発明の化合物に「C
2〜6アルケニル基」が含まれる場合には、幾何異性体(シス/トランス、またはZ/E)が存在し得る。
【0060】
構造異性体が低いエネルギー障壁により相互変換可能である場合には、互変異性が生じ得る。互変異性としては、例えば、イミノ基、ケト基、又はオキシム基を有する化合物における、プロトン互変異性の形態が挙げられる。
【0061】
本発明中の化合物に、幾何異性体、配置異性体、立体異性体、及び配座異性体等が存在する場合には、公知の手段により各々を単離することができる。
【0062】
本発明中の化合物が光学活性体である場合には、対応するラセミ体から通常の光学分割手段により、(+)体又は(−)体[D体又はL体]に分離できる。
【0063】
本発明中の化合物に、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体、及び互変異性体がある場合には、自体公知の合成手法、分離手法により各々の異性体を単一の化合物として得ることができる。分離手法としては、例えば、分別再結晶法、ジアステレオマー法、及びキラルカラム法、等の光学分割法が挙げられる。以下、各分割法について詳述する。
【0064】
分別再結晶法:ラセミ体に対して光学分割剤をイオン結合させ、結晶性のジアステレオマーを得た後、其の結晶性のジアステレオマーを分別再結晶法によって分離し、所望により光学分割剤の除去工程を経て、光学的に純粋な化合物を得る方法である。光学分割剤は、例えば、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、及びブルシン等が挙げられる。
【0065】
ジアステレオマー法:ラセミ体の混合物に光学分割剤を共有結合させ、ジアステレオマーの混合物を得、次に、通常の分離手段(例えば、分別再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、及びHPLC等)により光学的に純粋なジアステレオマーへ分離し、その後、化学反応(加水分解反応等)による光学分割剤の除去工程を経て、光学的に純粋な光学異性体を得る反応である。
【0066】
例えば、本発明の化合物が水酸基又はアミノ基(1級、2級)を有する場合には、当該化合物と光学活性有機酸(例えば、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸、及び(−)−メントキシ酢酸等)との縮合反応により、各々からエステル体又はアミド体のジアステレオマーが得られる。又、本発明の化合物がカルボキシ基を有する場合、当該化合物と光学活性アミン又は光学活性アルコールとの縮合反応により、各々からアミド体又はエステル体のジアステレオマーが得られる。縮合反応により得られたジアステレオマーを分離し、各ジアステレオマーを酸又は塩基による加水分解反応に付すことで、元の化合物の光学的に純粋な光学異性体へ変換される。
【0067】
キラルカラム法:ラセミ体又は其の塩をキラルカラム(光学異性体分離用カラム)によるクロマトグラフィーに付すことで、直接光学分割する方法である。
【0068】
例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の場合には、キラルカラム(例えば、ダイセル社製CHIRALシリーズ等)に光学異性体の混合物を添加し、溶出溶媒(水、種々の緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)、及び有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、及びジエチルアミン等)等の単独溶媒、又は其れらの混合溶媒)を用いて展開することで、光学異性体の分離が可能である。又、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、キラルカラム(例えば、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等)を使用して、光学異性体の分離が可能である。
【0069】
本発明中の化合物は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても本発明の化合物に包含される。
【0070】
本発明中の化合物は、薬学的に許容され得る共結晶又は共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶又は共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種又はそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶又は共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
【0071】
本発明中の化合物には、同位元素(例えば、水素の同位体、
2H及び
3H等、炭素の同位体、
11C、
13C、及び
14C等、塩素の同位体、
36Cl等、フッ素の同位体、
18F等、ヨウ素の同位体、
123I及び
125I等、窒素の同位体、
13N及び
15N等、酸素の同位体、
15O、
17O、及び
18O等、リンの同位体、
32P等、並びに硫黄の同位体、
35S等)で標識、又は置換された化合物も包含される。
【0072】
本発明中の化合物の内、ある種の同位元素(例えば、
11C、
18F、
15O、及び
13N等の陽電子放出同位元素)で標識又は置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography;PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断等の分野において有用である。
【0073】
本発明中の化合物の内、ある種の同位元素で標識又は置換された化合物は、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用である。例えば、
3H及び
14Cは、それらによる標識または置換が容易であり、かつ検出手段が容易である点から、該研究目的において有用である。
【0074】
本発明中の化合物の内、同位体標識された化合物は、当業者に知られている通常の技法によって、又は後述の実施例に記載する合成方法に類似する方法によって得る事ができる。また、非標識化合物の代わりに、得られた同位体標識化合物を薬理実験に用いる事ができる。
【0075】
[本発明中の式(AD−3)の製造方法]
本発明における、下記(Scheme2)中の、式(AD−1)、式(AD−2)、式(AD−3)、及び式(PY−1)の化合物の製造方法について詳細に説明する。本発明における、式(AD−1)、式(AD−2)、式(AD−3)、及び式(PY−1)の化合物、その塩及びそれらの溶媒和物は、市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により容易に得られる化合物を出発原料又は合成中間体として、既知の一般的化学的な製造方法を組み合わせることで容易に製造することが可能であり、以下に示す代表的な製造方法に従い製造することが可能である。又、本発明は以下に説明する製造方法に、何ら限定されるものではない。
【化12】
【0076】
下記の製造方法中の式(A−1)、式(A−2)、式(A−3)、式(ET−1)、式(CA−1)、式(AD−1)、式(PY−1)、式(AD−2)、式(IM−1)、および式(AD−3)の各式おける置換基p、q、R
1、R
2、R
3、R
4、及び式(II)で表わされる環Aの定義は、特に断らない限り、前記態様[1]から[1−1−2]に記載された各々の定義と同一である。
【0077】
製造方法中のXの定義は、特に断らない限り、ハロゲン原子である。製造方法中のWの定義は、特に断らない限り、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロボレート塩、又はボロン酸 N−メチルイミノ二酢酸エステルである。製造方法中のR
Aの定義は、特に断らない限り、C
1〜6アルキル基、
C3〜6シクロアルキル基、及びC
7〜20アラルキル基である。製造方法中のR
Bの定義は、特に断らない限り、C
1〜6アルキル基
又はC3〜6シクロアルキル基である。製造方法中のR
Dの定義は、特に断らない限り、C
1〜6アルキル基、
C3〜6シクロアルキル基、C
6〜14アリール基、及びC
7〜20アラルキル基から任意に選ばれる基である。
【0078】
本発明の製造方法中の各工程の各式は、塩を形成していても良く、当該塩としては、前述した式(I)の塩と同様のものが挙げられる。
【0079】
本発明の製造方法中の各工程の原料化合物は、反応液のままか粗製物として次の反応に用いることも可能である。又、常法に従って反応混合物から単離することも可能であり、それ自体が公知の手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製が可能である。
【0080】
上記再結晶で用いられる溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2‐ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、ジフェニルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いることも可能であり、二種以上の溶媒を適当な割合、例えば、1:1〜1:10の割合で混合して用いることも可能である。また、式中の化合物が市販されている場合には市販品をそのまま用いることも可能であり、自体公知の方法、またはそれに準じた方法にて製造したものを用いることも可能である。
【0081】
本発明の製造方法中の各工程の各式に、変換可能な官能基(例えば、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、カルボニル基、メルカプト基、C
1〜6アルコキシカルボニル基、C
6〜14アリールオキシカルボニル基、C
7〜20アラルキルオキシカルボニル基、スルホ基、ハロゲン原子等)を含む場合には、これらの官能基を自体公知の方法またはそれに準ずる方法によって変換することにより種々の化合物を製造することができる。
【0082】
前記の変換反応において、化合物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体またはその他の塩に変換することもできる。
【0083】
これらの官能基の変換は、例えば、ラーロック(Richard C.Larock)らの、コンプリヘンシブ・オルガニック・トランスフォーメーション(Comprehensive Organic Transformations)、第2版、1999年10月刊、ウィリー ビーシーエッチ(Wiley−VCH)社、の成書に記載の方法等に準じて行う事ができる。
【0084】
本発明の製造方法中の各工程の各式に、置換基として水酸基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基等の反応性基がある場合には、各反応工程においてこれらの基を適宜保護し、適当な段階で当該保護基を除去することもできる。
【0085】
保護基の導入及び除去の方法は、保護される基又は保護基の種類により適宜行われるが、例えば、グリーン(Greene)らの『プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)』の成書に記載の方法により行うことができる。
【0086】
本発明の製造方法中の各工程の反応温度は、特に断らない限り、−78℃から溶媒が還流する温度の範囲であれば、限定されない。又、反応時間は、特に断らない限り、反応が十分に進行する時間であれば、限定されない。
【0087】
前記反応温度における、「−78℃から溶媒が還流する温度の範囲」の意味する処は、−78℃から反応に用いる溶媒(又は混合溶媒)が還流する温度迄の範囲内の温度を意味する。例えば、溶媒にメタノールを用いる場合、「−78℃から溶媒が還流する温度で」とは、−78℃からメタノールが還流する温度迄の範囲内の温度を意味する。また、同様に「−78℃から反応溶液が還流する温度で」とは、−78℃から反応溶液が還流する温度迄の範囲内の温度を意味する。
【0088】
本明細書の製造方法中、特に断らない限り、「室温」とは、実験室、研究室等の温度の意味であり、1〜30℃の範囲の温度を意味する。
【0089】
本発明の製造方法中の各工程の反応は、無溶媒、又は反応前に原料化合物を適当な反応に関与しない溶媒に溶解又は懸濁して行うことができる。
【0090】
前記、反応に関与しない溶媒としては、例えば、水、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、無水酢酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫酸、等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いることも可能であり、又は反応条件により適宜選択し二種以上の溶媒を適宜の割合で混合して用いることも可能である。
【0091】
本明細書の製造方法中、特に断らない限り、「反応に関与しない溶媒」と記載した場合、使用する溶媒は、一種の溶媒を単独で用いてもよく、または反応条件により適宜選択し二種以上の溶媒を適宜の割合で混合して用いてもよいことを意味する。
【0092】
本発明の製造方法中の各工程で用いられる塩基(又は脱酸剤)は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、フッ化セシウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、イミダゾール、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、等が挙げられる。但し、上記に記載したものに必ずしも限定されるわけではない。
【0093】
本発明の製造方法中の各工程で用いられる酸、又は酸触媒は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、三フッ化ホウ素エーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄、等が挙げられる。但し、上記に記載したものに必ずしも限定されるわけではない。
【0094】
<製造方法A>
アミド誘導体(AD−1)の製造方法:
【化13】
【0095】
<工程1>
<式(A−2)で、W=ボロン酸エステルの場合>
式(A−1)で表される化合物を用い、文献公知の方法、例えば、『ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、60、7508‐2665、1995年』に記載された方法に準じて、ビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン等のジボロンエステル存在下、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタンコンプレックスなどのパラジウム触媒の存在下、トリフェニルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル等のホスフィン系試薬、およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、酢酸カリウム等の有機または無機塩基存在下または非存在下、またはホスフィン系試薬の替わりにテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド等存在下または非存在下、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン等の反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−2)のボロン酸エステルを製造することができる。
【0096】
<式(A−2)で、W=ボロン酸の場合>
式(A−1)で表される化合物を用い、文献公知の方法、例えば、『ケミッシェ・ベリヒテ(Chemische Berichte)、42、3090、1909年』に記載された方法に準じて、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、イソプロピルマグネシウムクロリド等のグリニャール(Grignard)試薬、または金属マグネシウムの存在下、トリメチルボレート、トリイソプロピルボレート等のトリアルキルボレートを加え、−78℃から室温で反応を行った後、塩酸、硫酸等の酸を加え、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−2)のボロン酸を製造することができる。
【0097】
<式(A−2)で、W=トリフルオロボレート塩の場合>
前記方法で得られるボロン酸エステル又はボロン酸を用い、文献公知の方法、例えば、『ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)、108、288‐325、2008年』に記載された方法に準じて、ジフッ化水素カリウム(KHF
2)存在下、メタノール、エタノール、水等の反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−2)のトリフルオロボレート塩を製造することができる。
【0098】
<式(A−2)で、W=ボロン酸 N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)エステルの場合>
前記方法で得られるボロン酸を用い、文献公知の方法、例えば、『ジャーナル・オブ・オルガノメタリック ケミストリー(Journal of Organometallic Chemistry)、307(1)、p1−6、1986年』に記載された方法に準じて、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)の存在下、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはジメチルスルホキシド等の反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(A−2)のボロン酸 N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)エステルを製造することができる。
【0099】
<工程2>
<製造方法A><工程1>で得られた式(A−2)の化合物と、式(A−3)のハロゲン化ヘテロアリール誘導体を用い、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 18 有機化合物の合成 VI −金属を用いる有機合成−、327‐352頁、2004年、丸善』、および『ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、48(20)、p6326‐6339、2005年』に記載された方法に準じて、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh
3)
4)、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム((dba)
3Pd
2)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム((dba)
2Pd)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl
2)等のパラジウム触媒、トリフェニルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等のホスフィン系試薬、およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の有機または無機塩基存在下、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル(アセトニトリル/水)、1,4−ジオキサン(1,4−ジオキサン/水)、テトラヒドロフラン(テトラヒドロフラン/水)等の反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(ET−1)の化合物を製造することができる。またはホスフィン系試薬の替わりにテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド等を用いて、同様の方法にて製造することができる。
【0100】
<工程3>
<式(ET−1)で、R
D=C
1〜6アルキル基
又はC3〜6シクロアルキル基の場合>
<製造方法A><工程2>で得られた式(ET−1)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第4版 22 有機合成IV 酸・アミノ酸・ペプチド、1−43頁、1992年、丸善』などに記載された方法に準じて、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、水およびメタノール、エタノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(CA−1)の化合物を製造することができる。
【0101】
<式(ET−1)で、R
D=tert−ブチル基の場合>
<製造方法A><工程2>で得られた式(ET−1)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば、『プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis 4thEdition) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、グリーン(Greene)ら』の成書に記載された脱保護の方法に準じて、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(CA−1)の化合物を製造することができる。
【0102】
<式(ET−1)で、R
D=ベンジル基の場合>
<製造方法A><工程2>で得られた式(ET−1)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第4版 26 有機合成VIII 不斉合成・還元・糖・標識化合物、159−266頁、1992年、丸善』等に記載された方法に準じて、パラジウム−炭素(Pd−C)、ラネーニッケル(Raney−Ni)、酸化白金(PtO
2)、ジクロロトリ(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等の触媒存在下、水素ガス雰囲気下にて、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等の極性溶媒など反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(CA−1)の化合物を製造することができる。
【0103】
<工程4>
<製造方法A><工程3>で得られた式(CA−1)で表される化合物を用い、文献公知の方法、例えば、シンセシス(Sythesis)、(12)、p954−955、1979年、等に記載された方法に準じて、ClCOOR
Aの化合物、又は二炭酸ジ−tert−ブチル(Boc
2O)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒など反応に関与しない溶媒、もしくはこれらの混合溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、活性エステル体を形成する。活性エステル体を単離する事なく、続いて、文献公知の方法、例えば『ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society)、75、p637‐640、1953年』に記載された方法に準じて、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基、および炭酸アンモニウムを先の反応溶液加えて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行う事で、式(AD−1)で表わされる化合物を製造することができる。
【0104】
<工程5>
<製造方法A><工程2>で得られた式(ET−1)で表される化合物を用い、文献公知の方法、例えば、国際公開第2006/043145号パンフレット、P120、Example43(2006年4月27日公開)に記載された方法に準じて、アンモニア水溶液を用いて、0℃から反応溶液が還流する温度で反応を行い、式(AD−1)で表わされる化合物を製造することができる。
【0105】
<製造方法B>
ピリジン酸誘導体(PY−1)[(PY−1−1):R
3=フッ素原子]の製造方法:
【化14】
<工程1>
文献公知の方法、例えば、「バイオオルガニック アンド メディシナル ケミストリー レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)、22(10)、p3431−3436、2012年」、「国際公開第2011/073845号パンフレット(2011年6月23日公開)、p116、Example56、step(A)」等に記載された方法に準じて、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒中、−78℃の温度にて、N,N−ジイソプロピルアミンおよびn−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液)より調整されたリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の混合溶液に、同温度にて式(B−1)の化合物(R
3=フッ素原子の場合、出発原料は、2,5−ジフルオロピリジン[CAS番号:84476−99−3]である)を加え3時間攪拌した後、更にヨウ素を加え、−78℃から0℃の温度で反応を行い、式(B−2)の化合物を製造することができる。
【0106】
<工程2>
<製造方法B><工程1>で得られた式(B−2)の化合物を用い、文献公知の方法、例えば、シンセシス(Synthesis),12,p905−908,1989年、等に記載された方法に準じて、アンモニア水存在下、1,4−ジオキサン等の反応に不活性な溶媒を用いて、0℃から150℃で封管反応を行い、式(PY−1)の化合物を製造することができる。
【0107】
<製造方法C>
アミジン酸誘導体(AD−3)の製造方法:
【化15】
<工程1>
<製造方法A><工程4>又は<工程5>で得られる式(AD−1)の化合物、及び<製造方法B><工程2>で得られる式(PY−1)の化合物を用い、N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン、ヨウ化銅(CuI)、および炭酸カリウム、リン酸カリウム等の無機塩基の存在下、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の反応に不活性な溶媒、もしくはこれらの混合溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(AD−2)の化合物を製造することができる。
【0108】
<工程2>
<製造方法C><工程1>で得られる式(AD−2)及び式(IM−1)の化合物又は其の塩(式(IM−1)及び其の塩は、市販化合物又は市販化合物から文献公知の製造方法により容易に得ることが出来る化合物である)を用い、ジメチルスルホキシド及びピリジン等の反応に関与しない溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行い、式(AD−3)の化合物を製造することができる。
【実施例】
【0109】
次に、本発明をさらに詳細に説明するために実施例参考例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定には、ジェオールJNM−ECX400(JEOL JNM−ECX400)FT−NMR(日本電子(株)製)、ジェオールJNM−ECX300(JEOL JNM−ECX300)FT−NMR(日本電子(株)製)を用いた。LC −Massは以下のいずれかの方法で測定した。Waters FractionLynx MSシステム(Waters製)を用い、カラムはWaters製、SunFireカラム(4.6mm×5cm、5μm)を用い、移動相は、メタノール:0.05%酢酸水溶液=10:90(0分)〜100:0(2分)〜100:0(3分)のグラジエント条件を用いた。
(実施例)の(物性データ)において、LC−MSはLC −Massを意味し、LC−MS中、Mは分子量、RTは保持時間(リテンションタイム)、[M+H]
+、[M+3H]
3+、および[M+Na]
+は分子イオンピークを意味するものとする。
1H−NMRデータ中、NMRシグナルのパターンで、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレットを意味する。
【0110】
(実施例1)5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミンの合成
<工程1>2,5−ジフルオロ−4−ヨードピリジンの合成
2,5−ジフルオロピリジンを用いて、国際公開第2011/073845号パンフレット(2011年6月23日公開:p116、Example56、step(A))に記載された同様な方法により、粗2,5−ジフルオロ−4−ヨードピリジン(96%の粗収率)を得た。得られた2,5−ジフルオロ−4−ヨードピリジンの
1H NMRデータは国際公開第2011/073845号パンフレットに記載されたデータと一致した。
【0111】
<工程2>5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミンの合成
(実施例1)<工程1>で得られた粗2,5−ジフルオロ−4−ヨードピリジン(2.26g、9.4ミリモル)、28%アンモニア水(6.8mL)と1,4−ジオキサン(2.3mL)を封管反応装置中に加え、135℃の油浴中で53時間加熱した。反応混合物に水を加え、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)で抽出した。得られた有機層を水洗し、減圧下で濃縮した。粗5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(1.90g、85%)をモスグリーン色固体として得た。
【0112】
(物性データ)LC−MS:M=238,RT=0.55(分), [M+H]
+=239.
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm): 7.82(1H,s),6.92(1H,d,J=4Hz),6.00(2H,s).
【0113】
(実施例2)N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
<工程1>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 エチルエステル(別名:エチル 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート)の合成
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 エチルエステル(CAS番号:1328640−39−6:5g、21ミリモル)、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3)(0.39g、0.43ミリモル)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル(0.35g、0.86ミリモル)およびトリエチルアミン(9.0mL、64ミリモル)をトルエン(25mL)に混合し、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.1mL、21ミリモル)を室温で加えた。得られた混合物を90℃で45分間攪拌した後、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.5mL、10.5ミリモル)を追加し、同温で45分間反応を行った。炭酸カリウム(8.9g、64ミリモル)を水(10mL)に溶かし反応混合物にゆっくり加えた後、4−クロロ−2,5−ジメチルピリミジン(3.1g、21ミリモル)とエタノール(20mL)を加えた。得られた混合物を2時間還流下後、室温に冷却し、セライトろ過し酢酸エチルと水で洗浄した。ろ液を3規定塩酸で抽出した。水層をメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)で洗浄後、炭酸カリウムで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、粗4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 エチルエステル(4.1g、52%収率、71%純度)を褐色油状物として得た。
【0114】
(物性データ)LC−MS:M=260,RT=0.83(分),[M+H]
+=261.
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δppm):8.50(1H,s),7.56(1H,s),4.22(3H,s),4.17(2H,q,J=7Hz),2.72(3H,s),2.16(2H,s),1.05(3H,t,J=7Hz).
【0115】
<工程2>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例2)<工程1>と同様な方法で合成した粗4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 エチルエステル(0.50g、1.9ミリモル)と25%アンモニア水(5mL)の混合物を室温で20時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(0.13g、30%)を淡黄色固体として得た。
【0116】
(物性データ)LC−MS:M=231,RT=0.54(分),[M+H]
+=232.
1H−NMR(300MHz,DMSO−d
6,δppm):8.57(1H,s),8.28(1H,brs),7.84(1H,s),7.79(1H,brs),3.98(3H,s),2.56(3H,s),2.30(2H,s).
【0117】
<工程3>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の合成
(実施例2)<工程1>で合成した粗4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 エチルエステル(4.0g、16ミリモル)に1規定水酸化ナトリウム水溶液(19mL、19ミリモル)とトルエン(20mL)を加え、室温で5時間攪拌した。水層を分離し、濃塩酸を加えてpH=1とした。析出した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(2.4g、65%)を淡黄色固体として得た。
【0118】
(物性データ)LC−MS:M=232,RT=0.65(分),[M+H]
+=233.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm): 8.49(1H,s),7.61(1H,s),4.07(3H,s),2.55(3H,s),2.15(3H,s).
【0119】
<工程4>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例2)<工程3>と同様な方法で合成した4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.5g、2.2ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.4ミリモル)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、氷冷下、クロロギ酸エチル(0.23mL、2.4ミリモル)を滴下した。氷冷下で20分間攪拌した後、炭酸アンモニウム(0.41g、4.3ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.75mL、4.3ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で45分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(0.37g、73%)を白色固体として得た。得られた4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドのデータは前記(実施例2)<工程1>で合成した、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドのデータと一致した。
【0120】
<工程5>N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例1)で合成した粗5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(104mg、0.44ミリモル)、(実施例2)<工程4>で得られた4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(92mg、0.4ミリモル)、N,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(4.1mg、0.05ミリモル)、ヨウ化銅(CuI)(9.1mg、0.05ミリモル)と炭酸カリウム(110mg、0.8ミリモル)を1,4−ジオキサン(1mL)中に混合し、100℃の油浴中で20時間加熱した。粗5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(16mg、0.07ミリモル)、N,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(2mg、0.02ミリモル)、ヨウ化銅(CuI)(4mg、0.02ミリモル)を追加し、100℃の油浴中で6時間加熱した後、さらに粗5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(16mg、0.07ミリモル)を追加して15時間加熱攪拌した。反応混合物に水とジクロロメタンを加え、不溶物をろ過により除去した後、有機層を分離した。得られた有機層を水洗し、減圧下で濃縮した。過剰の5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミンを除くため、得られた固体をメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)で洗浄して、N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(82mg、60%)を褐色固体として得た。
【0121】
(物性データ)LC−MS:M=341,RT=0.67(分),[M+H]
+=342.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):10.7(1H,s),8.56(1H,s),7.98(1H,s),7.84(1H,d,J=3Hz),7.29(1H,brs),5.95(2H,s),4.00(3H,s),2.43(3H,s),2.36(3H,s).
【0122】
<工程6>N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例2)<工程5>と同様な方法で合成したN−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(100mg、0.29ミリモル)とメチルベンズイミドチオエート ヨウ化水素酸塩(106mg、0.38ミリモル)の混合物にピリジン(0.5mL)とジメチルスルホキシド(0.25mL)を加えた。得られた溶液を80℃の油浴中で7時間攪拌した。反応混合物にアセトン(0.5mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5mL)と水(2mL)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(112mg、86%)を白黄色固体として得た。
【0123】
(物性データ)LC−MS:M=444,RT=0.81(分),[M+H]
+=445.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):10.9(1H,s),9.86(1H,brs),8.57(1H,s),8.31(1H,d,J=2Hz),8.03−8.01(3H,m),7.92(1H,brs),7.67−7.47(3H,m),4.02(3H,s),2.41(3H,s),2.37(3H,s).
【0124】
(実施例3)N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
<工程1>メチル 1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 メチルエステル(CAS番号:514816−42−3:2.0g、9.1ミリモル)、および4−クロロ−2−メチルピリミジン(0.94g)を用いて、(実施例2)<工程1>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法でメチル 1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.26g)を黄色油状物質として得た。
【0125】
(物性データ)LC−MS:M=232,RT=0.75(分),[M+H]
+=233.
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δppm):8.62(1H,d,J=5Hz),7.85(1H,s),7.29(1H,d,J=5Hz),4.15(3H,s),3.87(3H,s),2.74(3H,s).
【0126】
<工程2>1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッドの合成
(実施例3)<工程1>で得られたメチル 1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.26g)を用いて、(実施例2)<工程3>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法で、標記化合物(682mg)を無色固体として得た。
【0127】
(物性データ)LC−MS:M=218,RT=0.67(分),[M+H]
+=219.
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δppm): 8.79(1H,d,J=6Hz),8.09(1H,s),7.56(1H,d,J=6Hz),4.36(3H,s),2.81(3H,s).
【0128】
<工程3>1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例3)<工程2>と同様な方法で合成した、1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(2.0 g、9.2ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(1.8 mL、10ミリモル)をテトラヒドロフラン(20mL)に懸濁し、氷冷下、クロル蟻酸ベンジル(1.7 mL、10ミリモル)を滴下した。氷冷下で30分間攪拌した後、炭酸アンモニウム(1.8 g、18ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(3.2 mL、18ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で1.25時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。水層中の固体をろ取し、得られた水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を併せて水洗、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた固体残渣と水層から得た固体を併せ、メチル−tert−ブチルエーテルでトリチュレート(MTBE)し、ろ取、MTBEで洗浄した後乾燥し、1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(1.2 g、59%)を白色固体として得た。
【0129】
(物性データ)LC−MS:M=217,RT=0.57(分),[M+H]
+=218.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):9.17(1H, s),8.66(1H,d,J=6Hz),8.12(1H,s),8.03(1H,s),7.54(1H,d,J=6Hz),3.96(3H,s),2.60(3H,s).
【0130】
<工程4>N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例1)と同様な方法で合成した、5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(482mg、2.0ミリモル)、および(実施例3)<工程3>で合成した1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(400mg、1.8ミリモル)を用いて、(実施例6)<工程2>に準じる方法により反応を行った後、28%アンモニウム水溶液(0.8mL)を加え、室温で攪拌した後、水で希釈した。析出した固体をろ取、水で洗浄した後、乾燥し、得られた粗体を酢酸エチル/エタノール/MTBE(1:2:10)中でトリチュレートし、N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(299mg、50%)を白色固体として得た。
【0131】
(物性データ)LC−MS:M=327,RT=0.69(分),[M+H]
+=328.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):11.6(1H,s),8.68(1H,d,J=5Hz),8.22(1H,s),7.87(1H,d,J=2Hz),7.66(1H,d,J=5Hz),7.30(1H,s),5.90(2H,s),4.00(3H,s),2.49(3H,s).
【0132】
<工程5>N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例3)<工程4>と同様な方法で合成した、N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(290mg、0.89ミリモル)とメチルベンズイミドチオエート ヨウ化水素酸塩(322mg、1.2ミリモル、74mg、0.27ミリモル、49mg、0.18ミリモル)を用いて、(実施例2)<工程5>と同様な方法により、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(368mg、97%)を灰色固体として得た。
【0133】
(物性データ)LC−MS:M=430,RT=0.84(分),[M+H]
+=431.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):11.8(1H,s),9.80(1H,s),8.70(1H,d,J=6Hz),8.35(1H,d,J=1Hz),8.27(1H,s),8.04(2H,d,J=7Hz),7.91(1H,d,J=5Hz),7.68(1H,d,J=5Hz),7.53−7.46(3H,m),4.03(3H,s),2.49(3H,s).
【0134】
(実施例4)N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
<工程1>メチル 4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 メチルエステル(CAS番号:514816−42−3:2.52g、11.5ミリモル)、および4−クロロ−5−フルオロ−2−メトキシピリミジン(1.5g)を用いて、(実施例2)<工程1>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法でメチル 4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.6g)を薄黄液体として得た。
【0135】
(物性データ)LC−MS:M=266,RT=0.91(分),[M+H]
+=267.
1H−NMR (300MHz,CDCl
3,δppm):8.35(1H,d,J=2Hz),7.86(1H,d,J=1Hz),4.15(3H,s),4.00(3H,s),3.86(3H,s).
【0136】
<工程2>4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッドの合成
(実施例4)<工程1>で得られたメチル 4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.6g)を用いて、(実施例2)<工程3>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法で4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッド(0.65g)を無色固体として得た。
【0137】
(物性データ)LC−MS:M=252,RT=0.81(分),[M+Na]
+=275.
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δppm):8.54(1H,d,J=3Hz),8.28(1H,d,J=4Hz),4.36(3H,s),4.09 (3H,s).
【0138】
<工程3>4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例4)<工程2>と同様な方法で合成した4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.50 g、2.0ミリモル)、およびクロル蟻酸エチル(0.21 mL、2.2ミリモル)を用い、(実施例2)<工程4>と同様の方法により、4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(0.40 g、80%)を白色固体として得た。
【0139】
(物性データ)LC−MS:M=251,RT=0.67(分),[M+H]
+=252.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):8.64(1H,d,J=3Hz),8.18(1H,s),7.97(1H,s),7.95(1H,d,J=3Hz),3.90(3H,s),3.89(3H,s).
【0140】
<工程4>N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例1)と同様な方法で合成した5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(104mg、0.44ミリモル)、(実施例4)<工程3>で合成した4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(100mg、0.4ミリモル)、トランス−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(34mg、0.24ミリモル)、ヨウ化銅(CuI)(23mg、0.12ミリモル)と燐酸カリウム(169mg、0.8ミリモル)をジメチルスルホキシド(1mL)中に混合し、60℃で3.7時間加熱した。28%アンモニウム水溶液(0.2mL)を加え、室温で攪拌した後、水で希釈した。反応混合物を塩化メチレンで抽出し、得られた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた固体残渣をメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)でトリチュレートし、ろ取、メチル−tert−ブチルエーテルで洗浄した後、乾燥し、N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(99mg、69%)を灰色固体として得た。
(物性データ)LC−MS:M=361,RT=0.71(分),[M+H]
+=362.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):10.8(1H,s),8.65(1H,d,J=3Hz),8.02(1H,d,J=3Hz),7.84(1H,s),7.37(1H,d,J=5Hz),5.91(2H,s),3.92(3H,s),3.68(3H,s).
【0141】
<工程5>N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例4)<工程4>で合成したN−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(80mg、0.22ミリモル)とメチルベンズイミドチオエート ヨウ化水素酸塩(80mg、0.29ミリモル)の混合物にピリジン(0.4mL)とジメチルスルホキシド(0.2mL)を加えた。得られた溶液を80℃で35分間攪拌し、メチルベンズイミドチオエート ヨウ化水素酸塩(12mg、0.04ミリモル)を追加した後、さらに40分間攪拌した。反応混合物にアセトン(0.4mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.4mL)を加えて室温で30分間攪拌した後、水(1.6mL)を加え、さらに1時間攪拌した。得られた固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(86mg、84%)を灰色固体として得た。
【0142】
(物性データ)LC−MS:M=464,RT=0.82(分),[M+H]
+=465.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):11.1(1H,s),8.67(1H,d,J=3Hz),8.30(1H,s),8.07−8.01(3H,m),7.99−7.90(1H,m),7.54−7.45(3H,m),3.97(3H,s),3.68(3H,s).
【0143】
(実施例5)N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
<工程1>メチル−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)−2−イル)−1メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸 メチルエステル(CAS番号:514816−42−3:2.0g、9.1ミリモル)、5,5,5’,5’−テトラメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボリナン)(4.1g、18ミリモル)のジメチルスルホキシド(10ml)の溶液に、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロライドジクロロメタン錯体(0.37g、0.46ミリモル)及び酢酸カリウム(3.6g、37ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、100℃にて4時間撹拌した。反応溶液を冷却し、水(50ml)を加えた後、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。有機層を合わせて、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:溶出液;ヘプタン:酢酸エチル=90:10〜40:60)にて精製し、標記化合物(1.0g)を茶色固体として得た。
【0144】
(物性データ)LC−MS:M=252,RT=0.67(分),対応するボロン酸の[M+H]
+=185.
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δppm):7.58(1H,s),4.11(3H,s),3.88(3H,s),3.74(4H,s),1.05(6H,s).
【0145】
<工程2>メチル 1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
(実施例5)<工程1>で合成したメチル−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)−2−イル)−1メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(300mg、1.19ミリモル)、および2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)チアゾール(291mg)を用いて、(実施例2)<工程1>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法でメチル 1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(259mg)を淡茶色固体として得た。
【0146】
(物性データ)LC−MS:M=291,RT=1.05(分),[M+H]
+=292.
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,δppm):8.11(1H,s),7.77−7.76(1H,m),4.21(3H,s),3.98(3H,s).
【0147】
<工程3>1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッドの合成
(実施例5)<工程2>で得られたメチル 1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(210mg)を用いて、(実施例2)<工程3>と同様の方法もしくは、これに準ずる方法で1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッド(173mg)を茶白色固体として得た。
【0148】
(物性データ)LC−MS:M=277,RT=4.98(分),[M+H]
+=278.
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,δppm):8.48−8.46(1H,m), 8.08(1H,s),4.12(3H,s).
【0149】
<工程4>1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例5)<工程3>と同様な方法で合成した1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッド(0.15 g、0.54ミリモル)、およびクロル蟻酸エチル(0.057 mL、0.6ミリモル)を用い、(実施例2)<工程4>と同様の方法により、1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(66 mg、44%)を白色固体として得た。
【0150】
(物性データ)LC−MS:M=276,RT=0.90(分),[M+H]
+=277.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):8.65(1H, s),8.44(1H,q,J=1Hz),8.12(1H,s),8.02(1H,s),3.96(3H,s).
【0151】
<工程5>N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例1)と同様な方法で合成した5−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−アミン(38mg、0.16ミリモル)、および(実施例5)<工程4>で合成した1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(40mg、0.14ミリモル)を用いて、(実施例4)<工程4>に準じる方法により反応を行った後、28%アンモニウム水溶液(0.08mL)を加え、室温で攪拌した後、水で希釈し、塩化メチレンで抽出した。得られた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた固体残渣をMTBE中でトリチュレートし、N−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(33mg、59%)をベージュ色固体として得た。
【0152】
(物性データ)LC−MS:M=386,RT=0.86(分),[M+H]
+=387.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):11.2(1H,s),8.46(1H,s),8.13(1H,s),7.87(1H,s),7.32(1H,d,J=4Hz),5.94(2H,s),4.02(3H,s).
【0153】
<工程6>N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
(実施例5)<工程5>で合成したN−(2−アミノ−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(25mg、0.06ミリモル)とメチルベンズイミドチオエート ヨウ化水素酸塩(23mg、0.08ミリモル、3.6mg、0.01ミリモル)を用いて、(実施例4)<工程5>と同様な方法により、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(27mg、85%)をベージュ色固体として得た。
【0154】
(物性データ)LC−MS:M=489,RT=0.95(分),[M+H]
+=490.
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6,δppm):11.4(1H,s),9.82(1H,s),8.46(1H,s),8.33(1H,s),8.16(1H,s),8.04(2H,d,J=6Hz),7.89(1H,s),7.53−7.45(3H,m),4.06(3H,s).
【0155】
(実施例6)4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
【化16】
【0156】
(A法)(実施例2)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(20mg、0.04ミリモル)と炭酸水素ナトリウム(6.8mg、0.08ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.5mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(35mg、0.08ミリモル)を加え、室温で17時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、1.5時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(15mg、75%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0157】
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.12(分),[M+H]
+=443.
【0158】
(B法)(実施例2)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(20mg、0.04ミリモル)とリン酸三カリウム(17.2mg、0.08ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.5mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(35mg、0.08ミリモル)を加え、室温で18.5時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16mg、80%)をベージュ色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0159】
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.12(分),[M+H]
+=443.
【0160】
(C法)(実施例2)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(20mg、0.04ミリモル)と酢酸ナトリウム(6.6mg、0.08ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.5mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(35mg、0.08ミリモル)を加え、室温で18.5時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(12mg、60%)を淡橙色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0161】
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.12(分),[M+H]
+=443.
【0162】
(D法)(実施例2)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(20mg、0.04ミリモル)とDBU(12μL、0.08ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.5mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(35mg、0.08ミリモル)を加え、室温で18.5時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(14mg、70%)をベージュ色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0163】
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.12(分),[M+H]
+=443.
【0164】
(E法)(実施例2)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(20mg、0.04ミリモル)とトリエチルアミン(11μL、0.08ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.5mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(35mg、0.08ミリモル)を加え、室温で18.5時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(15mg、75%)をベージュ色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0165】
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.12(分),[M+H]
+=443.
【0166】
(実施例7)N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
【化17】
【0167】
(A法)(実施例3)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(50mg、0.12ミリモル)と炭酸水素ナトリウム(17.6mg、0.21ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(1.25mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(90mg、0.21ミリモル)を加え、室温で21時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(48mg、97%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
(物性データ)LC−MS:M=428,RT=1.16(分),[M+H]
+=429.
【0168】
(B法)(実施例3)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(250mg、0.58ミリモル)とフッ化セシウム(159mg、1.05ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(6.25mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(450mg、1.05ミリモル)を加え、室温で21時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(231mg、93%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0169】
(物性データ)LC−MS:M=428,RT=1.16(分),[M+H]
+=429.
【0170】
(C法)(実施例3)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(250mg、0.58ミリモル)とピリジン(85μL、1.05ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(6.25mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(450mg、1.05ミリモル)を加え、室温で21時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5mL)を加え、1時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(2−メチルピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(225mg、90%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0171】
(物性データ)LC−MS:M=428,RT=1.16(分),[M+H]
+=429.
【0172】
(実施例8)4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
【化18】
【0173】
(実施例4)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(13mg、0.03ミリモル)とピリジン(4.1μL、0.05ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.33mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(22mg、0.05ミリモル)を加え、室温で16.75時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.13mL)を加え、1.5時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、4−(5−フルオロ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(9mg、70%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0174】
(物性データ)LC−MS:M=462,RT=1.12(分),[M+H]
+=463.
【0175】
(実施例9)N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
【化19】
【0176】
(実施例5)と同様な方法で合成した、N−(2−ベンズイミダミド−5−フルオロピリジン−4−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(5.9mg、0.01ミリモル)とピリジン(1.8μL、0.02ミリモル)をDMFと水の混合溶媒(0.15mL、DMF:水=8:1)中に混合し、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン(9.3mg、0.02ミリモル)を加え、室温で16.75時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(0.06mL)を加え、1.5時間攪拌した。生成した固体をろ取し、水洗した後、乾燥して、N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−4−(4−(トリフルオロメチル)チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(3mg、51%)を白色固体として得た。生成物はLC−MSデータにより同定した。
【0177】
(物性データ)LC−MS:M=487,RT=1.26(分),[M+H]
+=488.