特許第6592561号(P6592561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6592561ラボラトリ試料分配システムを動作させる方法、ラボラトリ試料分配システム、および、ラボラトリオートメーションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592561
(24)【登録日】2019年9月27日
(45)【発行日】2019年10月16日
(54)【発明の名称】ラボラトリ試料分配システムを動作させる方法、ラボラトリ試料分配システム、および、ラボラトリオートメーションシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20191007BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20191007BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20191007BHJP
【FI】
   G01N35/04 G
   G01N35/02 G
   B65G54/02
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-110891(P2018-110891)
(22)【出願日】2018年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-20390(P2019-20390A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年6月11日
(31)【優先権主張番号】17181287.8
(32)【優先日】2017年7月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】ファルク・ヘーネル
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−218060(JP,A)
【文献】 特表2010−528956(JP,A)
【文献】 特開2012−018144(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/064656(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/012551(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/188865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 35/10
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラボラトリ試料分配システム(100)を動作させる方法であって、前記ラボラトリ試料分配システム(100)が、
− 複数の試料容器キャリア(140)と、
− ネットワークインターフェース(151)を有するゲートウェイ(150)と、
− 複数の移送モジュール(120_1から120_n)と、を備え、各移送モジュール(120_1から120_n)が、
− 移送面(121)であって、前記移送モジュール(120_1から120_n)が、横列方向(x)および縦列方向(y)において互いに隣接するように配置可能であり、その結果、前記移送モジュール(120_1から120_n)の前記移送面(121)が共通の移送面(110)を一体に形成する、移送面(121)と、
− 前記移送面(121)の下方に配置され、前記移送面(121)の上で試料容器キャリア(140)を移動させるように適合された、制御可能な駆動手段(122)と、
− 左側ネットワークインターフェース(126)、右側ネットワークインターフェース(127)、上側ネットワークインターフェース(128)および下側ネットワークインターフェース(129)であって、
− 前記左側ネットワークインターフェース(126)および前記右側ネットワークインターフェース(127)が、前記横列方向(x)において互いに隣接するように配置された移送モジュール(120_1から120_n)を接続するように適合され、前記上側ネットワークインターフェース(128)および前記下側ネットワークインターフェース(129)が、前記縦列方向(y)において互いに隣接するように配置された移送モジュール(120_1から120_n)を接続するように適合される、
左側ネットワークインターフェース(126)、右側ネットワークインターフェース(127)、上側ネットワークインターフェース(128)および下側ネットワークインターフェース(129)と
を備え、
− 前記ゲートウェイ(150)の前記ネットワークインターフェース(151)が第1の移送モジュール(120_1)のネットワークインターフェース(126)に接続され、
前記方法が、
− 前記ゲートウェイ(150)からの検査コマンドを前記第1の移送モジュール(120_1)に送信するステップと、
− 前記第1の移送モジュール(120_1)からの初期化コマンドを残りの前記移送モジュール(120_2から120_n)に伝搬させるステップと、
− 前記移送モジュール(120_1から120_n)内にアドレスを記憶するステップであって、それぞれの移送モジュール(120_1から120_n)の記憶されるアドレスは、対応する前記移送モジュール(120_1から120_n)が配置される縦列(C0からC6)および横列(R0からR8)に対応する、ステップと、
− 前記ゲートウェイ(150)により前記アドレスを使用して前記移送モジュール(120_1から120_n)をアドレス指定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、
− 前記第1の移送モジュール(120_1)により前記検査コマンドを受信すると、前記第1の移送モジュール(120_1)内で、縦列カウンタ(CC)の値および横列カウンタ(RC)の値をそれぞれの初期値に設定して、前記縦列カウンタ(CC)および前記横列カウンタ(RC)を前記第1の移送モジュール(120_1)内で記憶するステップと、
− 前記第1の移送モジュール(120_1)に直接接続されている別の移送モジュール(120_2)に対して、前記第1の移送モジュール(120_1)からの前記縦列カウンタ(CC)および前記横列カウンタ(RC)のそれぞれの値と共に前記初期化コマンドを送信するステップと、
− 前記別の移送モジュール(120_2)により前記初期化コマンドを受信すると、
a)前記初期化コマンドが前記別の移送モジュール(120_2)の前記左側ネットワークインターフェース(126)または前記右側ネットワークインターフェース(127)によって受信された場合、受信された前記縦列カウンタ(CC)の値をインクリメントまたはデクリメントし、前記別の移送モジュール(120_2)内に、前記縦列カウンタ(CC)の前記インクリメントまたはデクリメントされた値を記憶し、前記横列カウンタ(RC)の前記受信された値を記憶するステップ、ならびに、
b)前記初期化コマンドが前記別の移送モジュール(120_2)の前記上側ネットワークインターフェース(128)または前記下側ネットワークインターフェース(129)によって受信された場合、受信された前記横列カウンタ(RC)の値をインクリメントまたはデクリメントし、前記別の移送モジュール(120_2)内に、前記横列カウンタ(RC)の前記インクリメントまたはデクリメントされた値を記憶し、前記縦列カウンタ(CC)の前記受信された値を記憶するステップ、と
− すべての移送モジュール(120_1から120_n)が各自の対応する縦列カウンタ(CC)および横列カウンタ(RC)の値を記憶するまで、すべての別の移送モジュール(120_3から120_n)に対してステップa)およびb)を繰り返すステップと、
− それぞれの前記縦列カウンタ(CC)および前記横列カウンタ(RC)の値を前記アドレスとして使用するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メッセージの伝送中、それぞれの移送モジュール(120_1から120_n)は、同じ横列および/または同じ縦列内に配置されている隣接する移送モジュール(120_1から120_n)に、受信されたメッセージを転送する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲートウェイ(150)の前記ネットワークインターフェース(151)が、別の移送モジュール(120_n)のインターフェース(127)に追加的に接続され、前記検査コマンドが前記ゲートウェイ(150)から前記別の移送モジュール(120_n)へ追加的に送信されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ラボラトリ試料分配システム(100)であって、前記ラボラトリ試料分配システム(100)が、
− 複数の試料容器キャリア(140)と、
− ネットワークインターフェース(151)を有するゲートウェイ(150)と、
− 複数の移送モジュール(120_1から120_n)と、を備え、各移送モジュール(120_1から120_n)が、
− 移送面(121)であって、前記移送モジュール(120_1から120_n)は、横列方向(x)および縦列方向(y)において互いに隣接するように配置可能であり、その結果、前記移送モジュール(120_1から120_n)の前記移送面(121)が共通の移送面(110)を一体に形成する、移送面(121)と、
− 前記移送面(121)の下方に配置され、前記移送面(121)の上で試料容器キャリア(140)を移動させるように適合された、制御可能な駆動手段(122)と、
− 左側ネットワークインターフェース(126)、右側ネットワークインターフェース(127)、上側ネットワークインターフェース(128)および下側ネットワークインターフェース(129)であって、
− 前記左側ネットワークインターフェース(126)および前記右側ネットワークインターフェース(127)が、前記横列方向(x)において互いに隣接するように配置された移送モジュール(120_1から120_n)を接続するように適合され、前記上側ネットワークインターフェース(128)および前記下側ネットワークインターフェース(129)が、前記縦列方向(y)において互いに隣接するように配置された移送モジュール(120_1から120_n)を接続するように適合される、
左側ネットワークインターフェース(126)、右側ネットワークインターフェース(127)、上側ネットワークインターフェース(128)および下側ネットワークインターフェース(129)と
を備え
− 前記ゲートウェイ(150)の前記ネットワークインターフェース(151)が第1の移送モジュール(120_1)のインターフェース(126)に接続され、
− 前記ゲートウェイ(150)および前記複数の移送モジュール(120_1から120_n)が相互作用するように適合され、その結果、請求項1から4のいずれか一項の方法が実行される、
ラボラトリ試料分配システム(100)。
【請求項6】
− 複数の分析前ステーション、分析ステーション、および/または分析後ステーション(20)と、
− 前記ステーション(20)の間で前記試料容器キャリア(140)および/または試料容器(145)を移送するように適合された請求項5に記載のラボラトリ試料分配システム(100)と
を備えるラボラトリオートメーションシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラボラトリ試料分配システムを動作させる方法、ラボラトリ試料分配システム、および、ラボラトリ試料分配システムを備えるラボラトリオートメーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
WO2013/064656A1が、複数の試料容器キャリアを備えるラボラトリ試料分配システムを開示している。このシステムは複数の移送モジュールをさらに備え、各移送モジュールは移送面を備える。互いに隣接するように配置された移送モジュールの移送面が、共通の移送面を形成する。このシステムは、それぞれの移送モジュールの移送面の下方に配置されて移送面上で試料容器キャリアを移動させるように適合された、制御可能な駆動手段をさらに備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2013/064656A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、容易なアドレス指定方式を特に実現する、高度にスケーラブルでモジュール式のラボラトリ試料分配システムを動作させる方法、ラボラトリ試料分配システム、および、ラボラトリ試料分配システムを備えるラボラトリオートメーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1によるラボラトリ試料分配システムを動作させる方法により、請求項5によるラボラトリ試料分配システムにより、および、請求項6によるラボラトリオートメーションシステムにより、この目的を解決する。
【0006】
この方法は、ラボラトリ試料分配システムを動作させることを意図される。
ラボラトリ試料分配システムは、通常は医学的試料を含む試料管である、試料容器を担持するように適合された複数の(例えば、2個から2000個の)試料容器キャリアを備える。
【0007】
ラボラトリ試料分配システムは、例えば、イーサネットネットワークインターフェース、一般的なフィールドバスインターフェース、RS485ネットワークインターフェースなどの形態である、少なくとも1つのネットワークインターフェースを有するゲートウェイをさらに備える。ゲートウェイは、例えば、パーソナルコンピュータとして具体化され得る。ゲートウェイは、例えば、ラボラトリ試料分配システムの必要なすべての上位層制御機能を実装することができる。
【0008】
ラボラトリ試料分配システムは、複数の(例えば、2個から1000個)の移送モジュールをさらに備え、ここでは、各移送モジュールが、試料容器キャリアを担持/支持するように適合された移送面(移送平面としても表され得る)を備える。
【0009】
移送モジュールは、横列方向および縦列方向において互いに隣接するように配置可能であり、その結果、移送モジュールの移送面が、横列方向および/または縦列方向に一定の寸法を有する共通の移送面を一体に形成する。
【0010】
それぞれの移送モジュールは、移送面の下方にそれぞれ横列(横列方向)および縦列(縦列方向)に配置されて、それぞれの移送面の上で/上方で試料容器キャリアを移動させるように適合された、例えば電磁石またはソレノイドの形態の、制御可能な駆動手段を備える。
【0011】
それぞれの移送モジュールが、左側ネットワークインターフェース、右側ネットワークインターフェース、上側ネットワークインターフェース、および下側ネットワークインターフェースを備える。それぞれの移送モジュールの左側ネットワークインターフェースおよび右側ネットワークインターフェースは、横列方向において互いに隣接するように配置された移送モジュールを接続するように適合される。それに対応して、それぞれの移送モジュールの上側ネットワークインターフェースおよび下側ネットワークインターフェースは、縦列方向において互いに隣接するように配置された移送モジュールを接続するように適合される。
【0012】
それぞれの移送モジュールは、駆動手段を駆動することにより移送面上での試料容器キャリアの移動を制御するように構成された制御デバイスを備えることができ、その結果、試料容器キャリアが、移送面上の対応する個別の移送経路に沿って移動する。制御デバイスは、左側ネットワークインターフェース、右側ネットワークインターフェース、上側ネットワークインターフェース、および下側ネットワークインターフェースに信号接続されていてよく、個別のアドレスを記憶することができる。個別のアドレスは、対応する移送モジュールの制御デバイスをアドレス指定してそれと通信するためにゲートウェイによって使用され得る。
【0013】
ゲートウェイのネットワークインターフェースは、少なくとも1つの移送モジュールの少なくとも1つのインターフェースに接続され、ここでは、この移送モジュールが第1の移送モジュールとして表される。
【0014】
ゲートウェイおよび複数の移送モジュールは相互作用するように適合され、その結果、後で説明される方法が実行される。
本発明はまた、複数の分析前ステーション(pre−analytical station)、分析ステーション、および/または分析後ステーション(post−analytical station)と、ステーションの間で試料容器キャリアおよび/または試料容器を移送するように適合された上述のラボラトリ試料分配システムとを備えるラボラトリオートメーションシステムに関連する。
【0015】
各ステーションは、ラボラトリ試料分配システムに隣接するように配置され得る。
分析前ステーションが、試料、試料容器、および/または試料容器キャリアの任意の種類の前処理を実施するように適合され得る。
【0016】
分析ステーションが、試料またはその試料の一部および試薬を使用して測定信号を発生させるように適合され得、測定信号は、分析物質が存在するかどうか、および、存在する場合にはその濃度を示す。
【0017】
分析後ステーションが、試料、試料容器、および/または試料容器キャリアの任意の種類の後処理を実施するように適合され得る。
分析前ステーション、分析ステーション、および/または分析後ステーションは、デキャッピングステーション、リキャッピングステーション、アリコートステーション、遠心分離ステーション、保管ステーション、ピペット操作ステーション、分類ステーション、チューブタイプ識別ステーション、試料品質決定ステーション、アドオンバッファステーション(add−on buffer station)、液面レベル検出ステーション、および、密閉/密閉解除ステーション、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
方法は、個別のアドレスを各々の移送モジュールに割り当てるのに使用される以下のステップを含む。
最初に、ゲートウェイが、第1の移送モジュールに対して、つまり、そのネットワークインターフェースのうちの1つのネットワークインターフェース(左側、右側、上側、または下側)がゲートウェイのネットワークインターフェースに接続されている移送モジュールに対して、検査コマンドを伝送する。検査コマンドは、このタイプのコマンドを特徴付ける特定の識別子を有するコマンドであってよい。
【0019】
第1の移送モジュールが検査コマンドを受信し、検査コマンドを受信することに応答して、第1の移送モジュールに直接接続されているすべての移送モジュールに対して初期化コマンドを伝送する。初期化コマンドは、このタイプのコマンドを特徴付ける特定の識別子を有するコマンドであってよい。検査コマンドおよび初期化コマンドは互いに異なっていてもまたは等しくてもよい。次いで、初期化コマンドが、移送モジュールから移送モジュールへと連続的に、残りの移送モジュールへと伝搬される。
【0020】
初期化コマンドを受信することに応答して、アドレスがそれぞれの移送モジュール内に記憶され、ここでは、それぞれの移送モジュールの記憶されるアドレスは、対応する移送モジュールが配置される横列および縦列に対応する。
【0021】
ゲートウェイは、記憶されているアドレスを使用して、移送モジュールを個別にアドレス指定する。
一実施形態では、上記方法は以下のさらなるステップを含む。第1の移送モジュールにより検査コマンドを受信すると、第1の移送モジュール内で、縦列カウンタの値および横列カウンタの値をそれぞれの初期値(例えば、0)に設定して、縦列カウンタおよび横列カウンタを第1の移送モジュール内で記憶するステップ、第1の移送モジュールに直接接続されているすべての他の移送モジュールに対して、第1の移送モジュールからの縦列カウンタおよび横列カウンタのそれぞれの値と共に、またはそれらの値を含む初期化コマンドを送信するステップ、初期化コマンド、縦列カウンタ、および横列カウンタのそれぞれの値を別の移送モジュールにより受信すると、a)初期化コマンドならびに縦列カウンタおよび横列カウンタの値が、別の移送モジュールの左側または右側ネットワークインターフェースによって受信された場合、受信された縦列カウンタの値をインクリメントまたはデクリメントし、他の移送モジュール内に、縦列カウンタのインクリメントされたまたはデクリメントされた値を記憶し、横列カウンタの受信された値を記憶するステップ、およびb)初期化コマンドならびに縦列カウンタおよび横列カウンタの値が、別の移送モジュールの上側または下側ネットワークインターフェースによって受信された場合、受信された横列カウンタの値をインクリメントまたはデクリメントし、他の移送モジュール内に、横列カウンタのインクリメントされたまたはデクリメントされた値を記憶し、縦列カウンタの受信された値を記憶するステップ、すべての移送モジュールが各自の対応する縦列カウンタおよび横列カウンタの値を記憶するまで、すべての他の移送モジュールに対してステップa)およびb)を繰り返すステップ、ならびに、それぞれの縦列カウンタおよび横列カウンタの値をアドレスとして使用するステップ。
【0022】
それぞれの値が別の移送モジュールの左側ネットワークインターフェースによって受信された場合は、縦列カウンタの値が例えば1だけインクリメントされ得、それぞれの値が別の移送モジュールの右側ネットワークインターフェースによって受信された場合は、縦列カウンタの値が例えば1だけデクリメントされ得る。それに対応して、それぞれの値が別の移送モジュールの上側ネットワークインターフェースによって受信された場合は、横列カウンタの値が例えば1だけインクリメントされ得、それぞれの値が別の移送モジュールの下側ネットワークインターフェースによって受信された場合は、横列カウンタの値が例えば1だけデクリメントされ得る。
【0023】
一実施形態では、自明であるが、それぞれの移送モジュールがメッセージの受信者または送信先ではない場合に限り、メッセージの伝送中、それぞれの移送モジュールは、同じ横列および/または同じ縦列内に配置されている隣接する移送モジュールに、受信されたメッセージを転送する。メッセージは、例えば、ゲートウェイによって伝送されるコマンドであってよく、または、移送モジュールによって伝送されるコマンドに対する応答であってよい。ターゲットアドレスを有する受信者によりメッセージが受信されるまで、ターゲットアドレスに応じてメッセージが伝送され得る。
【0024】
一実施形態では、ゲートウェイのネットワークインターフェースまたはゲートウェイの別のネットワークインターフェースが、別の移送モジュールのインターフェースに追加的に接続され、ここでは、検査コマンドがゲートウェイから別の移送モジュールへ追加的に送信される。
【0025】
添付図面に関連して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるラボラトリオートメーションシステムを示す図である。
図2図1に描かれるラボラトリオートメーションシステムに含まれる移送モジュールを示す図である。
図3】本発明の方法により割り当てられるアドレスを有する移送モジュールの考えられる構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、ラボラトリ試料分配システム100と、分析前ステーション、分析ステーション、および/または分析後ステーション20として具体化される、2つのラボラトリステーション20とを備えるラボラトリオートメーションシステム10を示す。ステーション20は、ラボラトリ試料分配システム100に隣接するように配置される。自明であろうが、3つ以上の図1に描かれるステーション20がラボラトリオートメーションシステム10に含まれてもよい。
【0028】
ラボラトリ試料分配システム100は、横列方向xおよび縦列方向yにおいて互いに隣接するように配置された6つの移送モジュール120を備える。移送モジュール120はそれぞれ、共通の移送面110を形成する移送面121を備える。
【0029】
それぞれの移送面121の下に、電気的に制御可能である複数の駆動手段または電磁石122の形態である電磁アクチュエータが横列および縦列に配置される。駆動手段122は、中実の強磁性コアと、強磁性コアを囲むコイルとを有するソレノイドとして実装される。
【0030】
試料容器キャリア140が共通の移送面110上に配置され、駆動手段122により移動させられ得る。複数の試料容器キャリア140が共通の移送面110上に配置され得ることが理解されるべきであるが、簡潔さのために、図1には3つの試料容器キャリア140のみが描かれている。試料容器キャリア140が試料容器145を保持し、分析されることになる試料がその中に含まれ得る。
【0031】
各試料容器キャリア140は、それぞれの試料容器キャリア140の内部に配置されている永久磁石の形態である、磁気的に活性なデバイス141を備える。磁気的に活性なデバイス141または永久磁石は、共通の移送面110の上で試料容器キャリア140を移動させるために駆動手段122によって発生する電磁場と相互作用するように適合される。
【0032】
ラボラトリ試料分配システム100は、ラボラトリステーション20の間で試料容器キャリア140および/または試料容器145を移送するように適合される。ラボラトリステーション20は移送面110に隣接するように配置され、その結果、試料容器キャリア140が、試料容器145の中に含まれる試料をそれぞれのラボラトリステーション20まで移送するのに使用され得る。
【0033】
移送モジュール120は通常は等しいサイズを有し、例えば、6×6の駆動手段122のマトリックスを有することができる。
ラボラトリ試料分配システム100は、後でより詳細に説明されるように、移送モジュール120と信号連絡したゲートウェイ150をさらに備える。
【0034】
図2は、4つの移送モジュール120をより詳細に例示的に示す。各移送モジュール120は、左側ネットワークインターフェース126、右側ネットワークインターフェース127、上側ネットワークインターフェース128、および下側ネットワークインターフェース129を備える。左側ネットワークインターフェース126および右側ネットワークインターフェース127は、横列方向xにおいて互いに隣接するように配置された移送モジュール120を接続するように適合される。上側ネットワークインターフェース128および下側ネットワークインターフェース129は、縦列方向yにおいて互いに隣接するように配置された移送モジュール120を接続するように適合される。
【0035】
図3は、後で説明される本発明の方法により割り当てられる個別の縦列カウンタCCおよび個別の横列カウンタRCから構成されるアドレスを有する、移送モジュール120_1から120_nの考えられる構成を示す。
【0036】
ゲートウェイ150は、ネットワークインターフェース151を備え、ここでは、ゲートウェイ150のネットワークインターフェース151が、第1の移送モジュール120_1の左側インターフェース126に接続され、任意選択で、最後の移送モジュール120_nの右側ネットワークインターフェース127に接続される。
【0037】
ネットワークインターフェースは、例えば、イーサネットインターフェース、RS485インターフェース、または、無線インターフェースであってよい。
移送モジュール120は、縦列C0からC6および横列R0からR8を有するマトリックスの内部に仮想的に配置される。このマトリックス内のそれぞれの移送モジュール120_1から120_nの縦列Ci(i=0,1,2,...)および横列Rj(j=0,1,2,...)が、それぞれの移送モジュール120_1から120_nの個別のアドレスCi/Rjとして使用される。
【0038】
アドレスCi/Rjを割り当てる方法は、以下のステップを含む。
最初に、ゲートウェイ150が未知のシステム構成を検査する。この目的のために、ゲートウェイ150が第1の移送モジュール120_1に検査コマンドを送信し、それによりアドレスCi/Rjの割り当てを開始する。
【0039】
第1の移送モジュール120_1が検査コマンドを受信すると、第1の移送モジュール120_1は、縦列カウンタCCの値および横列カウンタRCの値を、ゼロ(0)であるそれぞれの初期値に設定し、縦列カウンタCC=0および横列カウンタRC=0を記憶する。結果として、この時点では第1の移送モジュール120_1はアドレスCC/RC=0/0を有する。
【0040】
次のステップで、第1の移送モジュール120_1が、第1の移送モジュール120_1に直接接続されている移送モジュール120_2に対して、縦列カウンタCC=0および横列カウンタRC=0の個別の値を含む初期化コマンドの形態のブロードキャストを送信する。
【0041】
移送モジュール120_2が初期化コマンドを受信すると、移送モジュール120_2は、受信した縦列カウンタCCの値を値1へとインクリメントし、縦列カウンタCCのインクリメントされた値1を記憶し、横列カウンタRCの受信した値0を記憶する。その理由は、それぞれの値が、別の移送モジュール120_2の左側ネットワークインターフェース126によって受信されるからである。したがって、この時点では移送モジュール120_2はアドレスCC/RC=1/0を有する。
【0042】
次のステップで、移送モジュール120_2が、別の移送モジュール120_2に直接接続されている移送モジュール120_3に対して、縦列カウンタCC=1および横列カウンタRC=0の個別の値を含む初期化コマンドを送信する。結果として、この時点では移送モジュール120_3はアドレスをCC/RC=2/0であると評価し、さらに1回繰り返した後、移送モジュール120_4は自身のアドレスをCC/RC=3/0であると評価する。
【0043】
2つの移送モジュール120_5および120_6が移送モジュール120_4に直接接続されていることから、2つのアドレスが移送モジュール120_5および120_6に同時に割り当てられ得る。
【0044】
移送モジュール120_5がその左側インターフェース126で初期化コマンドを受信することから、移送モジュール120_5は、受信した縦列カウンタCCの値を値4へとインクリメントし、横列カウンタRCの受信した値は変化させない。したがって、移送モジュール120_5は、自身のアドレスをCC/RC=4/0であると評価する。
【0045】
移送モジュール120_6が上側インターフェース128で初期化コマンドを受信することから、移送モジュール120_6は、横列カウンタRCの受信した値を値1へとインクリメントし、縦列カウンタCCの受信した値は変化させない。したがって、移送モジュール120_6は自身のアドレスをCC/RC=3/1として評価する。
【0046】
すべての移送モジュール120_1から120_nが各自の対応する縦列カウンタCCおよび横列カウンタRCの値を記憶するまで、説明したステップが繰り返される。
それぞれの縦列カウンタCCおよび横列カウンタRCの値が、それぞれの移送モジュール120_1から120_nと通信するための個別のアドレスとして使用される。
【0047】
この別法としてまたはこれに加えて、移送モジュール120_nを使用してアドレス指定プロセスが開始されてもよい。
本発明により、自己組織ネットワークが実現され得る。通常は、ノード間の接続のみが使用され、ここでは、各ノードまたは移送モジュールは、それに直接隣接したノードまたはモジュールと通信する。各移送モジュールがすべてのまたはアドレス指定される移送モジュールにメッセージを転送する。ブロードキャストが多様な方向に送られ得る。中央バスは必要ない。
【0048】
ネットワークへのいくつかのアクセスポイントがある可能性がある。この場合、移送モジュールは、既に受信されているコマンドまたはメッセージを無視することになる。その目的のために、メッセージが固有のIDを有することができる。
【0049】
アドレスの割り当ての後、すべての移送モジュールが、自身の座標、ゲートウェイへの最も迅速なアップリンク経路、および、自身の隣接モジュールを認識することになる。
移送モジュールがゲートウェイからコマンドを受け取った場合、移送モジュールはゲートウェイに応答する必要がある。ゲートウェイが応答を受信するまで、アップリンクの隣接モジュールが応答を転送する。
【0050】
各移送モジュールが、インターフェース126から129と、アドレスの割り当ておよびメッセージの伝搬の論理とを実装するフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)を備えることができる。
図1
図2
図3