(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る遊技管理システム、遊技管理装置及び遊技管理方法の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
[遊技管理システム]
本実施形態に係る遊技管理システムSは、
図1に示すように、遊技機100又は封入式遊技機200が複数設置される遊技場(ホール)に備えられ、遊技機100と一対一で対応して設けられる各台計数機1と、封入式遊技機200と一対一で対応して設けられるカードユニット210と、台コンピュータ30と、島コンピュータ40と、遊技データを集計するホールコンピュータ50と、遊技媒体と所定の景品との交換処理を行う景品交換装置60と、遊技者が獲得した遊技媒体の数量を管理する獲得玉管理装置70とで構成されている。また、これらの各装置は、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0018】
また、本実施形態の遊技場では、
図1に示すように、遊技場の複数階又は一フロアを複数のコーナーに区分けして、コーナー別に異なる貸出レートを設定する営業形態となっており、例えば、パチンコ機の設置してある、一のコーナーにおいては、遊技球1個の貸出レートを4円/玉とする4円コーナーとし、他のコーナーにおいては、遊技球1個の貸出レートを1円/玉とする1円コーナーとしてある。また、特に図示しないが、スロットマシンの設置してある、一のコーナーにおいては、メダルの貸出レートを20円/枚とする20円コーナーとし、他のコーナーにおいては、メダルの貸出レートを5円/枚とする5円コーナーとすることもできる。
このように、遊技場では、貸出単価の異なる遊技媒体を遊技者に貸し出すとともに、遊技場内を貸出単価ごとに区分けして遊技機100や封入式遊技機200を設置しており、遊技機100や封入式遊技機200は、区分けされた遊技コーナーごとに予め設定された、ある一の貸出単価の遊技媒体を用いて遊技を行うように定められている。
以下、遊技管理システムSを構成する各装置について説明する。
【0019】
遊技機100は、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機であり、例えば、パチンコ機,スロットマシン,アレンジボール機,雀球機などが該当する。なお、本実施形態では、パチンコ機を遊技機100として説明する。
このような遊技機100は、遊技の進行に伴って遊技信号を出力する。
遊技信号には、例えば、遊技機100への遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機100からの遊技媒体の払出数を示すセーフ信号、一ゲーム毎に出力されるスタート信号、大当り状態を示す大当り信号等がある。これらの遊技信号は、台コンピュータ30や島コンピュータ40などの中継情報処理装置によって蓄積、加工されつつ、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70に送信される。
【0020】
遊技機100には、
図2に示すように、各台計数機1が併設されている。
各台計数機1は、遊技機100で獲得した遊技媒体(遊技球)を計数する計数機能と、計数された値(以下、計数値という)を獲得玉管理装置70へ送信するとともに、獲得玉管理装置70において記憶される計数値や遊技者が予め遊技場に預け入れた貯玉数を獲得玉管理装置70から受信する通信機能と、計数値や貯玉数の範囲内において遊技者に遊技媒体を払い出す払出機能等を備えている。
【0021】
具体的には、各台計数機1は、
図2に示すように、計数部10と台間部20とで構成されている。
計数部10は、レバー11、受皿12等を備え、図示しない計数センサによって遊技媒体の検出を行う。
例えば、遊技者によりレバー11の計数操作によって、受皿12に貯留されている遊技媒体の貯留又は計数を選択することができ、計数を選択すると、貯留されている遊技媒体が機内へ流入して計数センサによって検出される。このとき、台間部20は、計数センサから入力される検出信号をカウントすることにより、この計数結果の計数値を示す計数値信号を台間機番号とともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する。
【0022】
台間部20は、遊技者の操作に基づいて現金や遊技者を特定可能な情報を受け付ける受付機能を備えており、この受付機能を実現すべく、所定の紙幣を投入可能な紙幣投入口21、カード(貯玉会員カード、ビジターカード等)を挿入/返却可能なカード挿入口22等を備えている。
具体的には、台間部20は、本発明における情報受付手段として動作することで、カード挿入口22に挿入されたカードからカード固有の番号であるカードIDを読み取り、このカードIDに対応する遊技者の獲得した遊技媒体の数量を特定する。
【0023】
また、台間部20は、遊技者からの操作によって遊技者に遊技媒体を払い出す払出機能を備えており、次のような遊技媒体の払い出し(払い戻し)処理を行う。
例えば、台間部20は、遊技者から紙幣投入口21に現金が投入されると、対応する遊技機100へ投入金額に応じた売上げ分の遊技媒体を貸し出すとともに、売上玉数を示す売上玉数信号を台間機番号とともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する。
台間機番号は、遊技機100の遊技台番号、遊技機100が属する機種タイプ、当該遊技機100で使用可能な遊技媒体の貸出レート等と関連付けされており、これにより、台間機番号を受信したホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70は、当該台間機番号に対応する遊技機100の機種タイプ、貸出レートを特定することができる。
【0024】
また、台間部20は、遊技者からカード挿入口22に貯玉会員カードが挿入され貯玉を払い出す操作がされると、対応する遊技機100へ貯玉数の範囲内から所定数の再プレイ玉を払い出すとともに、再プレイ玉数を示す再プレイ玉数信号を、台間機番号やカードIDとともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する。
【0025】
また、台間部20は、本発明における払戻手段として動作することで、遊技者から計数値を払い戻す操作がされると、対応する遊技機100へ計数値の範囲内から所定数の遊技媒体(景品戻り玉)を払い戻すとともに、その景品戻り玉数を示す景品戻り玉数信号を、台間機番号とともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する。
【0026】
さらに、台間部20は、遊技機100に備えられ遊技の終了時などにカードを返却するための返却ボタン(不図示)が遊技者から操作されると、カード挿入口22からカードを排出又は発行するとともに、台間機番号やカードIDをホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する。
また、返却ボタンが操作されたときには、台間部20は、カード挿入口22に挿入されているカードに、後述する機種タイプ別獲得玉データベースから読み出した機種タイプ別獲得玉データを記憶させるようになっている。
機種タイプ別獲得玉データは、機種タイプ別獲得玉データベースに記憶されているデータであって、遊技者が獲得した遊技媒体の数量(計数値、現在の手持ち玉数等)を、貸出レートごとに、遊技者が遊技媒体を獲得した遊技機100の属する機種タイプごとに記憶したデータである。
このように、遊技者が獲得した遊技媒体の数量をカードに記録することで、景品交換に際して獲得玉管理装置70とのデータ通信が不能な状態になったときでも、計数値をカードから直接読み取ることができるので、滞りなく景品交換を行うことができる。
【0027】
封入式遊技機200は、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機でありながらも、機外から遊技媒体を投入することなく遊技を行うことができるとともに、遊技に伴って獲得される遊技媒体の数量に相当する価値情報をデータとして取得することができる遊技機として構成されている。なお、本実施形態では、パチンコ機(封入式パチンコ機)を封入式遊技機200として説明する。
封入式遊技機200は、遊技球が機内に封入されているため、遊技機100のような上皿、下皿は不要となり、外部からの遊技媒体の投入や払い出しが行われない代わりに、遊技媒体の数量に相当する価値を示す情報(価値情報)としての持ち点に基づいて遊技を行うようになっている。例えば、現金等の対価として持ち点を購入してこれに基づいて遊技を進行させるとともに、大当り等による遊技球の払い出しに代えて持ち点が付与されるようになっている。なお、以降の説明において、遊技媒体の数量と記載した場合、遊技媒体の数量と持ち点の双方を意味するものとする。
【0028】
封入式遊技機200には、
図3に示すように、カードユニット210が併設されている。
カードユニット210は、封入式遊技機200との間で持ち点を送受する。
具体的には、カードユニット210は、所定の紙幣を投入可能な紙幣挿入口211、カード(貯玉会員カード、ビジターカード等)を挿入/返却可能なカード挿入口212等を備えており、投入された金額等に応じた持ち点をカードユニット210から封入式遊技機200に送信することができる。
【0029】
このように送信された持ち点は、遊技に用いるために費やされて減少したり、所定の入賞により増加したりして増減を繰り返すことになる。また、遊技の結果残った持ち点は、カードユニット210に送信することができる。この残った持ち点は、封入式遊技機200に備えられ遊技の終了時などにカードを返却するための返却ボタン(不図示)が遊技者により操作されることにより、カード挿入口212に挿入されているカードに記録されて排出又は発行される。
また、カードユニット210は、台間機20と同様に、本発明における情報受付手段及び払戻手段として動作する。例えば、遊技者により計数値(持ち点)から払い戻す操作がされると、この持ち点から所定数の点数(景品戻り玉)を減少する(払い戻す)とともに、対応する封入式遊技機200へ持ち点の減少分に相当する点数を送信する(払戻手段)。
【0030】
封入式遊技機200の前面には、例えば液晶タッチパネルからなるデータ表示部201が設けられている。データ表示部201は、現在の持ち点、掛け数、遊技の結果持ち点の増加分又は減少分に相当する点数、映像等を表示する
【0031】
また、封入式遊技機200からは、遊技機100と同様に、アウト信号、セーフ信号、大当り信号などの遊技信号が、台コンピュータ30や島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信され、カードユニット210からは、各台計数機1と同様に、遊技者からの操作に応じて、計数値信号、売上玉数信号、再プレイ玉数信号、景品戻り玉数信号等が、台コンピュータ30や島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70に送信される。
【0032】
なお、本実施形態では、封入式遊技機200とカードユニット210から獲得玉管理装置70へ各種信号を送信し、獲得玉管理装置70において封入式遊技機200の遊技に関するデータを管理する構成としているが、これに限らず、封入式遊技機200とカードユニット210に接続される管理装置(ECOパチ管理装置)を別体で設け、この管理装置で封入式遊技機200の遊技に関するデータを管理してもよい。
なお、以降の説明において、遊技機100と記載した場合、遊技機100と封入式遊技機200の双方を意味するものとする。
【0033】
また、本実施形態の遊技場には、玉単価のそれぞれ異なる機種タイプに属する遊技機100が設置され、各遊技機100は、例えば、「マックスタイプ」、「ミドルタイプ」、「遊パチタイプ」等のいずれかの機種タイプに属しているものとする。また、封入式遊技機200は、「ECOパチタイプ」に属しているものとする。
【0034】
ホールコンピュータ50は、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、遊技場に備えられる遊技機100に関する遊技情報を収集して、集計・管理するとともに、遊技場の経営に必要な営業管理情報なども管理する。
例えば、ホールコンピュータ50は、台コンピュータ30や島コンピュータ40を介して遊技機100から送信される、再プレイ玉数信号、景品戻り玉数信号、計数値信号、売上玉数信号、アウト信号、セーフ信号などの情報に基づいて、再プレイ玉数、景品戻り玉数、景品玉数、売上玉数、アウト玉数、セーフ玉数を集計し、記憶する。
【0035】
また、本実施形態におけるホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70には、マスタ情報として、機種タイプ情報、口座種別情報、台移動制限情報等が記憶される。
機種タイプ情報は、
図4に示すように、「機種タイプコード」,「機種タイプ名」,「遊技機の種類」を項目として構成されている。
口座種別情報は、
図5に示すように、「口座種別コード」,「遊技媒体の種類」,「貸出レート」を項目として構成されている。
台移動制限情報は、
図6に示すように、「台移動条件コード」,「移動元情報(機種タイプ,貸出レート)」,「移動先情報(機種タイプ,貸出レート)」,「使用可能上限玉数」を項目として構成されている。
「使用可能上限玉数」は、台移動による持玉遊技が行われた場合に、移動先遊技機で使用が可能な遊技媒体の数量の最大数を示す。
なお、これらのマスタ情報は、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70の所定の入力手段から遊技場の関係者によって予め入力、設定される。また、マスタ情報は、通信回線を介して、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70から各装置に所定のタイミングで送信されるようになっている。なお、各装置から入力、設定した情報を、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70に送信し、記憶してもよい。
【0036】
景品交換装置60は、遊技者の獲得した遊技媒体の数量の範囲内で所定の景品と交換する処理を行う情報処理装置である。
景品交換装置60は、遊技者の所有するカード(貯玉会員カード、ビジターカード等)に記録されている情報を読み取るカードリーダー61を備えており、この読み取った情報にもとづいて景品交換を行う。具体的には、カードから機種タイプ別獲得玉データを読み取り、機種タイプごとに個別に管理されている現在の手持ち玉数の合計値にもとづいて、貸出レート別に景品交換を行う。すなわち、本実施形態における景品交換装置60では、異なる機種タイプの遊技機100でそれぞれ獲得した遊技媒体の数量であっても、同一の貸出レートであれば、これらをまとめて一度に景品交換することができるようになっている(景品交換許容手段)。
【0037】
獲得玉管理装置70は、本発明における遊技管理装置の一例として動作する情報処理装置である。
具体的には、
図7に示すように、台コンピュータ30等を介して各台計数機1又はカードユニット210との間で計数値や貯玉に関する情報等を送受信する通信部71、獲得玉管理装置70が備える各種機能を実行するためのプログラムや各種情報を記憶する記憶部72、CPUにより構成され獲得玉管理装置70が備える各種機能を制御する制御部73等を備えており、制御部73が、これら各部を制御することにより、獲得玉管理装置70が以下のように動作する。
【0038】
通信部71は、例えば、再プレイ玉数信号、景品戻り玉数信号、計数値信号、売上玉数信号、アウト信号、セーフ信号等を遊技機100、各台計数機1、カードユニット210から受信する。この受信した各種信号は、制御部73に送られる。
また、通信部71は、各台計数機1のカード挿入口22やカードユニット210のカード挿入口212に挿入されたカードのカードIDを、各台計数機1やカードユニット210から受信する。また、この受信したカードIDに対応する機種タイプ別獲得玉データを、各台計数機1やカードユニット210へ送信する。
【0039】
記憶部72は、獲得玉管理装置70が備える機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
また、記憶部72は、持ち玉データベース、貯玉データベース、機種タイプ別獲得玉データベース、台移動持込玉データベース等を記憶している。
持ち玉データベースは、例えば、遊技者を特定可能なカードID(貯玉会員カードID又はビジターカードID)、貸出レート、計数値(遊技者が獲得した遊技媒体のうち、計数が行われた当日のみ景品交換可能な遊技媒体の数量)等によって構成されており、貸出レートごとに設けられた口座別に管理する。なお、計数値は、計数が行われた当日のみ記憶可能であり、当日の営業が終了すると、貯玉会員カードIDに対応付けられている計数値は貯玉データベースで貯玉数として記憶されるようになっている。一方、ビジターカードIDに対応付けられている計数値は、当日限り有効であり営業が終了すると無効となる。
貯玉データベースは、例えば、カードID(貯玉会員カードID)、貸出レート、貯玉数(遊技者が獲得した遊技媒体のうち、前日以前に遊技場に預け入れた遊技媒体の数量)等によって構成されており、貯玉数を貸出レートごとに設けられた口座別に管理する。
【0040】
また、獲得玉管理装置70の記憶部72は、本発明における機種タイプ別管理手段として動作することで、本発明において特徴的な機能を有する。
具体的には、機種タイプ別獲得玉データベースにおいて、遊技者が獲得した遊技媒体の数量が、遊技者に遊技媒体を貸し出したときの貸出レートごとに設けられるとともに、遊技者が遊技媒体を獲得した遊技機100の属する機種タイプごとに設けられた口座(機種タイプ別口座)に記憶する。つまり、機種タイプ別獲得玉データベースでは、各遊技機100で遊技者が獲得した遊技媒体の数量を機種タイプごとに管理している。
機種タイプ別獲得玉データベースは、
図8に示すように、例えば、カードID、口座種別コード、貸出レート、機種タイプ(機種タイプコード,計数値,現在の手持ち玉数,貯玉数,持込玉数)、合計値(現在の手持ち玉数)、合計値(貯玉数)等の項目によって構成されている。
ここで、「遊技者が獲得した遊技媒体の数量」とは、計数値又は現在の手持ち玉数を意味しており、以降の説明においても同様とする。
【0041】
「計数値」は、機種タイプごとに、遊技者が各台計数機1(計数部10)で計数した遊技媒体の数量又は封入式遊技機200で獲得した持ち点を示している。
例えば、レバー11が遊技者により操作されて計数部10において計数がされたときは、計数された遊技媒体の数量分が加算される。また、遊技者により計数値から払い戻す操作がされたときに、所定の遊技媒体の数量分(例えば、125玉)が減算される。
「現在の手持ち玉数」は、遊技者がその時点で景品と交換可能な機種タイプごとの遊技媒体の数量を示している。
具体的には、遊技者は、現金の投入や貯玉の範囲内から遊技媒体(再プレイ玉)を払い出して遊技する他に、当日に獲得した計数値の範囲内から遊技媒体(景品戻り玉)を払い出して遊技を行うので、現在の手持ち玉数は、例えば、景品戻り玉数+売上玉数+再プレイ玉数+セーフ玉数−アウト玉数で算出することができる。
【0042】
上記の式から現在の手持ち玉数を算出した場合には、アウト玉数が景品戻り玉数と売上玉数と再プレイ玉数とセーフ玉数との合計を超えることがないため、現在の手持ち玉数の最小値は「0」となる。
ところが、後述する「台移動による持玉遊技」が行われた場合に、移動先の遊技機100で景品戻り玉が払い戻されたときには、移動元の遊技機100で獲得した計数値から遊技媒体が払い戻されたと判断できる(後述の[台移動による持玉遊技の判定]参照)。
そのため、移動先の遊技機100では、この払い戻された遊技媒体を景品戻り玉数とせずにアウト玉数(持込玉数)として集計することで、上記の式により現在の手持ち玉数がマイナス値となる場合があり、このマイナス値を記憶し、管理するようになっている(
図8、機種タイプ2の「−2000」)。
【0043】
「持込玉数」は、遊技者が、一の機種タイプに属する遊技機100で獲得した遊技媒体を、他の機種タイプに属する遊技機100に持ち込んで使用した機種タイプごとの遊技媒体の数量を示している。
持込玉数の算出方法については、後述の「(2)台移動による持玉遊技の判定と持込玉数を算出する。」で詳細に説明する。
【0044】
このように、本実施形態では、機種タイプごとに獲得した遊技媒体の数量を、貸出レートごとに、異なる機種タイプの数だけ口座を設けて記憶することなく、一の口座内で、貸出レートごとに、異なる機種タイプで獲得した遊技媒体の数量をそれぞれ記憶するようになっている(機種タイプ別口座)。
その結果、貸出レートごとに異なる機種タイプで獲得した遊技媒体の数量をまとめて管理できるとともに、一の口座内で管理するため、景品交換の際に、機種タイプごとの遊技機100で獲得した遊技媒体の数量を、まとめて一度に景品交換することができる。
【0045】
また、機種タイプ別獲得玉データベースには、「合計値(現在の手持ち玉数)」、「合計値(貯玉数)」が記憶されている。
これらの合計値は、景品交換に用いられる景品交換媒体数データである。
具体的には、制御部73が、機種タイプ別獲得玉データベースに記憶されている機種タイプごとの「現在の手持ち玉数」と「貯玉数」をそれぞれ合計し、この合計値を景品交換媒体数データとして算出する(景品交換媒体数算出手段)。
【0046】
合計値(現在の手持ち玉数)の算出方法を、
図8を参照して具体的に説明する。
例えば、貸出レートが4円の場合では、機種タイプ1の現在の手持ち玉数が3000、機種タイプ2の現在の手持ち玉数が0、機種タイプ3の現在の手持ち玉数が0であることから、これらをそれぞれ合計した「3000」が算出される。ところが、機種タイプ2は、台移動による持玉遊技によって、マイナス値分の「−2000」があるので、合計値(現在の手持ち玉数)は、「1000」と算出されることになる。
【0047】
このように、機種タイプごとの合計値も記憶することで、景品交換の際に、この合計値を参照することで、景品交換の度に合算処理を行うことなく、複雑な制御プログラムを要せずに景品交換を行うことができる。
なお、合計値(現在の手持ち玉数)の算出方法としては、機種タイプごとに現在の手持ち玉数を合計して算出する方法に限らず、機種タイプ全体(貸出レートごと)の遊技媒体の数量を集計することで算出してもよい。この機種タイプ全体の現在の手持ち玉数も上記と同様に、景品戻り玉数+売上玉数+再プレイ玉数+セーフ玉数−アウト玉数で算出することができる。
【0048】
また、獲得玉管理装置70の記憶部72は、持込玉数を台移動持込玉データベースに記憶する。
具体的には、台移動持込玉データベースは、
図9に示すように、例えば、カードIDごとに、移動先情報(機種タイプ,貸出レート)、移動元情報(機種タイプ,貸出レート)、台移動条件コード、移動先遊技機の持込玉数、持込玉数合計等の項目によって構成されている。
なお、「持込玉数合計」は、機種タイプ別獲得玉データベースの「持込玉数」とリンクしている。
【0049】
制御部73は、記憶部72に記憶されたプログラムが実行されることで、獲得玉管理装置70が備える各種機能を実行する。
また、制御部73は、台コンピュータ30等から通信回線を介して受信する、再プレイ玉数信号、景品戻り玉数信号、計数値信号、売上玉数信号、アウト信号、セーフ信号にもとづいて、再プレイ玉数、景品戻り玉数、計数値、売上玉数、アウト玉数、セーフ玉数を集計し、記憶部72に記憶させる。さらに、制御部73は、計数値や貯玉数等を、貸出レートごとであって機種タイプごとに集計し、集計した結果を記憶部72の機種タイプ別獲得玉データベースに記憶させる。
【0050】
[台移動による持玉遊技の判定]
制御部73は、本発明における台移動遊技判定手段として動作することで、一の遊技機100で獲得した遊技媒体を、一の遊技機100と同じ貸出レートであって、機種タイプの異なる他の遊技機100に持ち込んで使用する「台移動による持玉遊技」が行われたか否かを判定する。
台移動による持玉遊技の判定は、例えば、次のように行うことができる。
【0051】
制御部73は、各台計数機1又はカードユニット210からカードIDを受信すると、このカードIDにもとづいて、記憶部72に記憶された機種タイプ別獲得玉データベースから機種タイプごとに個別に管理されている遊技媒体の数量を全て取得する。
また、制御部73は、各台計数機1又はカードユニット210から台間機番号を受信すると、この台間機番号にもとづいて、カードが受け付けられている遊技機100及び該遊技機100が属する機種タイプを特定する。
そして、この特定した機種タイプにおいて計数値が記憶されていないにもかかわらず、カードが受け付けられている遊技機100から景品戻り玉数信号を受信したときには、特定した機種タイプとは異なる他の機種タイプに属する遊技機100で獲得した計数値から景品戻り玉の払い戻しがされたとみなして、他の機種タイプに属する遊技機100からの移動によって台移動による持玉遊技が行われたと判定するようになっている。
なお、「計数値が記憶されていない(計数値が存在しない)」とは、例えば、計数値が所定数(例えば、125玉:計数値から払い戻す一回の操作により払い戻される遊技媒体の数量)よりも少ない場合とすることができる。また、これに限らず、任意に設定することができる。
【0052】
台移動による持玉遊技の判定について、
図8を参照して具体的に説明する。
なお、次の説明では、カードIDが「00001」のカードを所持する遊技者が、当日の営業において機種タイプ1(KI1)に属する遊技機100で初めて遊技し、その後に、機種タイプ2(KI3)に属する遊技機100へ移動して、カードを受け付けた後に機種タイプ1(KI1)に属する遊技機100で獲得した計数値から払い戻して遊技を行う場合を例に挙げて説明する。
【0053】
制御部73は、受信したカードID「00001」に対応する機種タイプ(機種タイプ1、機種タイプ2、機種タイプ3)ごとの遊技媒体の数量を全て取得する。また、受信した台間機番号にもとづいて、カードが受け付けられている遊技機100及び該遊技機100が属する機種タイプ(機種タイプ2)を特定する。
そして、特定した機種タイプ(機種タイプ2)において計数値が記憶されていない(0玉)にもかかわらず、カードが受け付けられている遊技機100から景品戻り玉数信号を受信したときには、特定した機種タイプ(機種タイプ2)とは異なる他の機種タイプ(機種タイプ1)に属する遊技機100で獲得した計数値(3000玉)から景品戻り玉の払い戻しがされたとみなして、他の機種タイプ(機種タイプ1)に属する遊技機100からの移動によって台移動による持玉遊技が行われたと判定する。
【0054】
また、制御部73は、次のような特徴的な機能を有している。
(1)台移動による移動先遊技機での遊技媒体の使用を制限する。
(2)台移動による持玉遊技の判定と持込玉数を算出する。
(3)純粋玉単価を算出する。
(4)合成玉単価を算出する。
これらの特徴について、以下に説明する。
【0055】
(1)台移動による移動先遊技機での遊技媒体の使用を制限することについて
制御部73は、本発明における使用制限手段として動作することで、機種タイプ別獲得玉データベース(機種タイプ別口座)に記憶されている一の機種タイプに係る遊技媒体の数量を、当該一の機種タイプと異なる他の機種タイプに属する遊技機100での使用を制限する。
例えば、遊技者が、同一の貸出レート内で、遊パチタイプの遊技機100からマックスタイプの遊技機100に台移動する場合、遊パチタイプの遊技機100で獲得した遊技媒体を、マックスタイプの遊技機100に持ち込んで台移動による持玉遊技をする際に、マックスタイプの遊技機100において、遊技媒体の使用を制限するようになっている。
【0056】
具体的には、制御部73が、上記のように台移動による持玉遊技が行われたと判断した場合、台移動制限情報を参照することで、移動先遊技機で、移動元遊技機で獲得した遊技媒体の数量を「使用可能上限玉数」を超えて使用するのを禁止し、「使用可能上限玉数」以下での使用を許容する。
例えば、
図6に示すように、遊パチタイプの遊技機100からマックスタイプの遊技機100に移動して遊技が行われる場合には、遊パチタイプの遊技機100で獲得した遊技媒体の数量のうち、500玉まではマックスタイプの遊技機100で使用可能になっている。
これにより、異なる機種タイプの遊技機間で台移動による持玉遊技が行われた場合には、持ち込んだ遊技媒体の使用が制限されるため、それ以降は現金の投入や貯玉の使用によって遊技が行われるので、移動先遊技機での売上げの向上を図ることができる。
【0057】
なお、移動先遊技機で使用可能上限玉数を超えて使用がされた場合には、制御部73は、所定の報知動作を実行してもよい。例えば、呼出ランプ(不図示)のランプによる警告点灯や、スピーカ(不図示)から警告音を出力する等によって、報知を行うようにしてもよい。また、台間部20やカードユニット210において動作制限を行うようにしてもよい。
【0058】
(2)台移動による持玉遊技の判定と持込玉数を算出することについて
制御部73は、台移動による持玉遊技が行われた場合に、移動元遊技機で獲得した遊技媒体を移動先遊技機に持ち込んで使用した遊技媒体の数量(持込玉数)を算出する。
具体的には、[台移動による持玉遊技の判定]で示したように制御部73(台移動遊技判定手段)が、移動先遊技機が属する機種タイプにおいて計数値が存在しない(例えば、125玉よりも少ない)にもかかわらず、移動先遊技機から景品戻り玉数信号を受信したときには、この機種タイプとは異なる他の機種タイプに属する移動元遊技機で獲得した計数値から払い戻しがされたとみなして、台移動による持玉遊技が行われたと判定する。そして、このときに、移動先遊技機で払い戻した遊技媒体の数量(景品戻り玉数)を「持込玉数」として算出するようになっている。
【0059】
持込玉数の算出方法について、
図10を参照して具体的に説明する。
次の説明では、移動先遊技機で遊技を開始するとき(A時点)には、移動先遊技機が属する機種タイプでは計数値が存在しない場合で説明する。
また、
図10に示すスランプグラフの縦軸における「計数値」は、移動先遊技機で計数された計数値を示している。
【0060】
例えば、A時点において、カードが受け付けられている遊技機100(以下、移動先遊技機)から景品戻り玉数信号を受信したときには、この移動先遊技機が属する機種タイプの計数値が存在しないとともに、この移動先遊技機では計数がされていないことから、制御部73は台移動による持玉遊技と判定する。そして、このA時点での景品戻り玉数を「持込玉数」として算出する。
また、B時点において、移動先遊技機から景品戻り玉数信号を受信したときもA時点と同様に、移動先遊技機が属する機種タイプの計数値が存在しないとともに、移動先遊技機では計数がされていないので、B時点での景品戻り玉数を「持込玉数」として算出する。
【0061】
B時点以降に、移動先遊技機において例えば大当りに当選した場合、この大当り遊技終了後のC期間において、移動先遊技機から景品戻り玉数信号を受信したときは、大当りによって獲得した遊技媒体が移動先遊技機で計数されて、移動先遊技機では計数値が存在する(125玉よりも多い)ことから、移動先遊技機が属する機種タイプにおいても計数値が存在する(125玉よりも多い)ことになるので、制御部73は、大当りによって獲得した計数値から払い戻したとみなして、台移動による持玉遊技と判定しない。そのため、このC期間での景品戻り玉数を「持込玉数」として算出しないようになっている。
また、D時点においては、移動先遊技機の計数値が存在しない(125玉よりも少ない)ことから、移動先遊技機が属する機種タイプにおいても計数値が存在しない(125玉よりも少ない)ことになるので、制御部73は台移動による持玉遊技と判定する。そして、このD時点での景品戻り玉数を「持込玉数」として算出する。
すなわち、一回の景品戻り玉を払い戻す操作によって、例えば125玉の景品戻り玉が払い戻されるとすれば、
図10の例では、A時点、B時点及びD時点における持込玉数の合計値である375玉が持込玉数の総数となる。
【0062】
このように、カードが受け付けられている遊技機100(移動先遊技機)から景品戻り玉数信号を受信したときに、移動先遊技機が属する機種タイプの計数値が存在しないことから、この機種タイプとは異なる他の機種タイプに属する遊技機100(移動元遊技機)で獲得した計数値から払い戻しがされたとみなして、台移動による持玉遊技と判定されるとともに、このときに移動先遊技機での遊技において計数がされていない、あるいは、大当り等によって計数がされても計数値が所定数(例えば、125玉:計数値から払い戻す一回の操作により払い戻される遊技媒体の数量)よりも少ない場合には、景品戻り玉数を持込玉数とする。
一方、移動先遊技機での計数値が、上記の所定数を超えた場合では、その移動先遊技機での計数値から払い戻したとみなして、景品戻り玉数を持込玉数としない。
また、移動先遊技機で遊技を開始するときに、移動先遊技機が属する機種タイプにおいて計数値が存在する場合には、移動先遊技機と同じ機種タイプに属する遊技機100で獲得した計数値から払い戻したとみなして、景品戻り玉数を持込玉数としない。
これによって、正確な数値で持込玉数を算出することができる。
【0063】
(3)純粋玉単価を算出することについて
制御部73は、現金の投入や貯玉の使用による機種タイプごとの売上げと、その売上げに応じて遊技機100に打ち込まれたアウト玉数によって、機種タイプごとの玉単価(純粋玉単価)を算出する。
例えば、制御部73は純粋玉単価を次式のように算出する。
「純粋玉単価」=売上げ÷(総アウト玉数−持込玉数)
具体的には、一の機種タイプに係る純粋玉単価は、一の機種タイプに属する遊技機100に打ち込まれた全てのアウト玉数から、他の機種タイプで獲得した計数値から払い戻した持込玉数を除いた遊技媒体の数量にもとづいて玉単価が算出される。
このように、台移動による持玉遊技によって生じた持込玉数分を除き、一の機種タイプにおける純粋なアウト玉数を用いて玉単価を算出することによって、遊技場では機種タイプごとの正確な玉単価を把握することができる。
また、制御部73は、
図11(a)に示すように、機種タイプごとの純粋玉単価をそれぞれ管理している。
【0064】
なお、遊技場の運営や営業にとって重要となる指標として、玉単価の他に、売上玉数に対して景品交換が可能な玉数の割合を表す機械割数がある。
機械割数は、例えば(売上玉数+セーフ玉数−アウト玉数)÷売上玉数で算出することができ、玉単価と同様に、「アウト玉数」から「持込玉数」を除くことで、機種タイプごとの正確な機械割数を算出することができる。
【0065】
(4)合成玉単価を算出することについて
制御部73は、(3)で示した純粋玉単価に、台移動による持玉遊技によって生じる持込玉数を考慮した玉単価(合成玉単価)を算出する。
例えば、制御部73は合成玉単価を次式のように算出する。
「一の機種タイプの合成玉単価」=[(一の機種タイプの純粋玉単価×一の機種タイプの純粋アウト玉数)+(他の機種タイプの純粋玉単価×他の機種タイプからの持込アウト玉数)]÷(一の機種タイプの純粋アウト玉数+他の機種タイプからの持込アウト玉数)
【0066】
この合成玉単価の算出方法について、
図11(b)を参照して具体的に説明する。
以下の説明では、遊技者が機種タイプ2に属する遊技機100で次のような遊技を行った場合を例に挙げて説明する。
なお、遊技者が機種タイプ2に属する遊技機100にカードを挿入し、遊技を開始するときには、既に機種タイプ1に属する遊技機100と機種タイプ3に属する遊技機100で獲得した計数値が存在するものとする。
まず、
図11(b)のグラフに示すように、遊技者が機種タイプ1の計数値から遊技媒体を払い戻して持込玉による遊技を行い、その持込玉を使用した遊技において大当りに当選し、大当りによって獲得した計数値から遊技媒体を払い戻して遊技を行った。そして、持込玉を使用した遊技において獲得した遊技媒体(機種タイプ2の計数値)を使いきった後に、機種タイプ3の計数値から遊技媒体を払い戻して持込玉による遊技を行い、この持込玉を使用した遊技において大当りに当選し、大当りによって獲得した遊技媒体(機種タイプ2の計数値)から遊技媒体を払い戻して遊技を行った。その後、現金を投入して遊技を行い、カードを排出して遊技を終了した。
【0067】
このような遊技において、合成玉単価は次のように算出される。
まず、合成玉単価の算出に用いる「持込アウト玉数」、「純粋アウト玉数」について説明する。
「持込アウト玉数」とは、台移動による持玉遊技が行われて、持込玉を使用して遊技を行った場合、その持込玉にもとづく遊技において遊技機100(移動先遊技機)に打ち込まれたアウト玉数を示している。
具体的には、機種タイプ1の持込アウト玉数と機種タイプ3の持込アウト玉数は、
図11(b)に示すそれぞれの矢印の期間内に、機種タイプ2に属する遊技機100に打ち込まれたアウト玉数となる。
例えば、機種タイプ1の持込アウト玉数は、制御部73が台移動による持玉遊技と判定し持込玉数を算出したとき(A時点)から、他の異なる機種タイプ(機種タイプ3)の計数値から払い戻しがされたとき(D時点)までの期間に打ち込まれたアウト玉数となる。
また、機種タイプ3の持込アウト玉数は、制御部73が台移動による持玉遊技と判定し持込玉数を算出したとき(D時点)から、持込玉による遊技ではなくなったと判定したとき(現金が投入されたとき)までの期間に打ち込まれたアウト玉数となる。
すなわち、異なる機種タイプ(機種タイプ1又は機種タイプ3)の計数値から遊技媒体を払い戻して持込玉による遊技を行い、その持込玉を使用した遊技において大当りに当選し、この大当りによって計数した計数値を使用して遊技を行ったような場合(
図11(b)の「機種タイプ2の計数値から払い戻し」))には、機種タイプ2で打ち込まれたアウト玉数は、機種タイプ1又は機種タイプ3の持込アウト玉数に含まれることになる。
また、上記の例とは異なり、大当りに当選しない場合では、持込玉を使用した遊技が持込玉の範囲内で継続して行われることになるが、この場合にはカードが排出されるまでの期間に打ち込まれたアウト玉数が、持込アウト玉数として算出される。
【0068】
「純粋アウト玉数」とは、
図11(b)に示す矢印の期間のように、台移動による持玉遊技ではないときに遊技機100に打ち込まれたアウト玉数であり、例えば、機種タイプ2の売上げ(現金の投入や貯玉の使用)にもとづいて打ち込まれたアウト玉数である。
【0069】
そして、これらの「持込アウト玉数」と「純粋アウト玉数」、さらに「純粋玉単価」にもとづいて、
図11(b)に表す式で合成玉単価を算出することができる。
また、合成玉単価は、
図11(a)に示すように、制御部73によって機種タイプごとにそれぞれ管理されている。
【0070】
また、純粋玉単価と合成玉単価は、遊技場の関係者が確認できるように、例えば、所定の表示部(モニタ)に比較可能に表示される。
これによって、遊技場の関係者は、純粋玉単価と合成玉単価の数値を比較し、これらの差分にもとづいて、機種タイプ間で台移動による持玉遊技がどの程度行われたかを容易に把握することができる。なお、表示部には、純粋玉単価と合成玉単価とともに、補正する前の玉単価(「売上げ」÷「アウト玉数」)を比較可能に表示させてもよい。
【0071】
具体的には、
図11(a)に示すように、機種タイプ2の純粋玉単価が「2.0」,合成玉単価が「1.7」である場合、合成玉単価が純粋玉単価よりも小さいことから、機種タイプ2では機種タイプ1から台移動による持玉遊技が頻繁に行われたと考えられる。そのため、遊技場では、機種タイプ1から機種タイプ2への「使用可能上限玉数」(
図6参照)に「0(禁止)」や「小さい値」を設定する判断材料とすることができる。
すなわち、純粋玉単価と合成玉単価との比較にもとづいて、機種タイプ1から機種タイプ2へ遊技媒体を持ち込んで使用できる遊技媒体数を少なく設定することで、機種タイプ2に属する遊技機100では、現金の投入や貯玉の使用によって遊技が行われることになり、機種タイプ2での売上げの向上を図ることができる。
【0072】
その反対に、機種タイプ2の合成玉単価が純粋玉単価よりも大きい場合には、機種タイプ3から台移動による持玉遊技が頻繁に行われたと考えられ、機種タイプ3から機種タイプ2への「使用可能上限玉数」に「0(禁止)」や「小さい値」を設定する判断材料とすることができる。
このように、純粋玉単価と合成玉単価とを比較可能に管理することで、遊技場の運営や営業等に役立てることができる。
なお、純粋玉単価と合成玉単価は、機種タイプごとに管理する場合で説明したが、これに限らず、遊技機ごとや遊技島ごとに集計した数値であってもよい。
【0073】
次に、このように構成された本実施形態の遊技管理システムSの動作(遊技管理方法)について、
図12〜
図14を参照しながら説明する。
図12は、遊技者が獲得した遊技媒体の数量を用いて遊技する際の動作手順を示す図である。
図13は、台移動による持玉遊技における持込玉数を算出する際の動作手順を示す図である。
図14は、景品交換処理を示すフローチャートである。
なお、各台計数機1とカードユニット210では、ほぼ同じような動作を行うことから、以下の説明では、各台計数機1で行われる動作として説明する。
【0074】
図12に示すように、各台計数機1は、カード挿入口22にカードが挿入されたか否かを判定する(S10)。カードが挿入されないときには(S10:NO)、紙幣投入口21に現金が投入されたか否かを判定し(S11)、紙幣投入口21に現金が投入されたと判定した場合には(S11:YES)、対応する遊技機100へ投入金額に応じた売上玉数分の遊技媒体を貸し出す玉貸処理を行い(S18)、売上玉数を示す売上玉数信号を台間機番号とともに、獲得玉管理装置70へ送信する(S19)。
【0075】
一方、各台計数機1は、カードが挿入されたと判定した場合には(S10:YES)、カードに記録されているカードIDとともに「機種タイプ別獲得玉データ」を読み取り、記憶部に記憶する(S12)。
次いで、遊技者により計数値から払い戻す操作(持玉遊技操作)がされたか否かを判定する(S13)。
計数値を払い出す操作がされないときには(S13:NO)、遊技者により貯玉を払い出す操作がされたか否かを判定し(S14)、貯玉を払い出す操作がされたと判定した場合には(S14:YES)、対応する遊技機100へ所定数の再プレイ玉を払い出し(S18)、再プレイ玉数を示す再プレイ玉数信号を、カードIDや台間機番号とともに、獲得玉管理装置70へ送信する(S19)。
【0076】
S13において、遊技者により計数値から払い戻す操作がされたと判定した場合には(S13:YES)、次いで、台移動による持玉遊技が行われたか否かを判定する(S15)。
具体的には、各台計数機1のカード挿入口22に挿入されたカードから読み込んだ機種タイプ別獲得玉データから、遊技者が獲得した機種タイプごとの遊技媒体の数量をそれぞれ取得する。また、カードが受け付けられている遊技機100及び該遊技機100が属する機種タイプを特定する。
そして、この特定した機種タイプにおいて計数値が記憶されていないにもかかわらず、カードが受け付けられている遊技機100から景品戻り玉数信号を受信したときには、特定した機種タイプとは異なる他の機種タイプに属する遊技機100で獲得した計数値から払い戻しがされたとみなして、台移動による持玉遊技が行われたと判定する。
【0077】
台移動による持玉遊技と判定した場合には(S15:YES)、カードIDと台間機番号を獲得玉管理装置70へ送信し、一方、台移動による持玉遊技ではないと判定した場合には(S15:NO)、処理を終了する。
なお、S15の台移動による持玉遊技の判定は、獲得玉管理装置70の制御部73で判定処理を行うことで、その判定の結果を各台計数機1に送信してもよい。
【0078】
獲得玉管理装置70は、各台計数機1から送信されたカードIDと台間機番号に基づいて、台移動における遊技媒体の使用制限について判定する(S16)。具体的には、獲得玉管理装置70は、各台計数機1に対応する遊技機100での遊技媒体の持ち込みによる使用制限の判定を、上記(1)で説明した方法で行う。また、判定の結果を各台計数機1に送信する。
なお、S16における使用制限の判定は、カードから読み込んだ機種タイプ別獲得玉データとホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70から送信される台移動制限情報を参照することで、各台計数機1が判定を行ってもよい。
【0079】
各台計数機1は、使用制限の判定結果にもとづいて、台移動による持玉遊技が可能か否かを判断し(S17)、台移動による持玉遊技が可能であると判定した場合には(S17:YES)、対応する遊技機100へ所定数の景品戻り玉を払い戻し(S18)、景品戻り玉数を示す景品戻り玉数信号を、カードIDや台間機番号とともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する(S19)。
ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70は、カードID、台間機番号、各種信号(再プレイ玉数信号,景品戻り玉数信号,売上玉数信号等)を、各台計数機1から受信し(S20)、これらに基づいて各データベース(持ち玉データベース、貯玉データベース、機種タイプ別獲得玉データベース)の数値を更新する(S21)。
【0080】
各台計数機1は、遊技者により計数操作がされたか否かを判定し(S22)、計数操作がされたと判定した場合には(S22:YES)、計数結果の計数値を示す計数値信号を台間機番号とともに、ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する(S23)。
ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70は、台間機番号や計数値信号を、各台計数機1から受信し(S24)、これらに基づいて各データベース(持ち玉データベース、機種タイプ別獲得玉データベース)の数値を更新する(S25)。
【0081】
各台計数機1は、遊技者によりカードの返却操作である返却ボタンが操作されたか否かを判定し(S26)、返却ボタンが操作されたと判定した場合には(S26:YES)、カードIDや台間機番号をホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70へ送信する(S27)。
ホールコンピュータ50や獲得玉管理装置70は、カードIDや台間機番号を、各台計数機1から受信し(S28)、これらに基づいて機種タイプ別獲得玉データベースから機種タイプ別獲得玉データを読み出して、各台計数機1に送信する。
各台計数機1は、受信した機種タイプ別獲得玉データをカード挿入口22に挿入されているカードに記憶するとともに(S29)、カードを排出して(S30)処理を終了する。
【0082】
次に、台移動による持玉遊技が行われた際の持込玉数の算出手順について説明する。
図13に示すように、各台計数機1は、遊技者の入替りを判定する(S40)。
例えば、直前に遊技されたカードIDと異なるカードIDのカードが、カード挿入口22に挿入されたときには、遊技者が入れ替わったと判定する。
各台計数機1は、遊技者が入れ替わったと判定した場合には(S40:YES)、カードIDや台間機番号を獲得玉管理装置70へ送信するとともに、各台計数機1の記憶部に記憶されている再プレイ玉数、景品戻り玉数、売上玉数、アウト玉数、セーフ玉数、計数値等の遊技データを初期化する(S41)。
【0083】
次いで、獲得玉管理装置70は、カードID、台間機番号にもとづいて、台移動による持玉遊技が行われたか否かを判定する(S42)。
具体的には、カードIDにもとづいて、記憶部72に記憶された機種タイプ別獲得玉データベースから遊技者が獲得した機種タイプごとの遊技媒体の数量をそれぞれ取得する。また、台間機番号にもとづいて、カードが受け付けられている遊技機100及び該遊技機100が属する機種タイプを特定する。
そして、この特定した機種タイプにおいて計数値が記憶されていないにもかかわらず、カードが受け付けられている遊技機100から景品戻り玉数信号を受信したときには、特定した機種タイプとは異なる他の機種タイプに属する遊技機100で獲得した計数値から景品戻り玉の払い戻しがされたとみなして、台移動による持玉遊技が行われたと判定する。
【0084】
台移動による持玉遊技が行われたと判断した場合には(S42:YES)、上記(2)で説明した方法により、カードが受け付けられている移動先の遊技機100において払い戻された景品戻り玉数を台移動による持込玉数として算出し、記憶部72の台移動持込玉データベースに記憶する(S43)。
【0085】
次に、景品交換処理について説明する。
図14に示すように、景品交換装置60は、カードが挿入されたか否かをカードリーダー61からの読み取り信号に基づいて判定する(S50)。カードが挿入されたと判定した場合には(S50:YES)、カードに記録されているカードIDとともに「機種タイプ別獲得玉データ」を読み取ることで、機種タイプ別口座を特定し(S51)、遊技者が獲得した機種タイプごとの遊技媒体の数量を取得する(S52)。
【0086】
次いで、取得した機種タイプごとの遊技媒体の数量に、ECOパチタイプの持ち点(計数値又は現在の手持ち玉数)が存在するか否かを判定する(S53)。持ち点が存在する場合には(S53:YES)、この持ち点を、遊技媒体の数量に換算する(価値情報換算手段)(S54)。
具体的には、予め遊技場で持ち点と遊技媒体の数量との対応関係(例えば、換算値)が、例えば、「持ち点10点に対して遊技玉1玉」のように設定されており、この対応関係にもとづいて持ち点が遊技媒体の数量に換算される。
なお、持ち点を遊技媒体の数量に換算する際の基準となる換算値は、遊技場の関係者が任意に設定することができる。
【0087】
次いで、機種タイプごとの現在の手持ち玉数と貯玉数のそれぞれの合計(景品交換媒体数データ)を算出する(S55)。この算出した合計値に基づいて、貸出レート別に景品交換を行う(S56)。
すなわち、本実施形態の景品交換装置60は、同じ貸出レートであって、異なる機種タイプの遊技機100で獲得した遊技媒体の数量を合計することにより、まとめて一度に景品交換することができるようになっている。その結果、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、上記の説明では、景品交換の際に、機種タイプ別の獲得玉数の合計値を算出するように説明したが、カードから読み取った機種タイプ別獲得玉データ内に記憶されている「現在の手持ち玉数」や「貯玉数」の合計値を参照して景品交換を行ってもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の遊技管理システム、遊技管理装置及び遊技管理方法によれば、異なる機種タイプに属する遊技機においてそれぞれ獲得した遊技媒体の数量を、機種タイプごとに個別に管理しながらも、同じ貸出レートに基づいて獲得された遊技媒体同士であれば、まとめて一度に景品交換することができる。
また、異なる機種タイプ間での台移動による持玉遊技を制限することができる。
これまで、台移動による持玉遊技を許容している遊技場では、持ち込んだ遊技媒体で遊技を行うことにより遊技機ごとの売上データ等が変動することから、台移動による持玉遊技を特定する必要がある。このため、例えば、特許文献1には、各台計数機などの遊技用装置が上記の記憶媒体を受け付けたことに基づいて台移動を特定することにより、台移動データを集計する管理装置が提案されている。これにより、台移動による持玉とその遊技機固有の売上げとを区分けすることができる。
ところで、遊技場に設置されるパチンコ機やスロットマシン等の遊技機は、遊び易さの度合いの異なる機種タイプに分類することができる。遊び易さの目安となる遊技データ(指標)としては、例えば、玉単価(コイン単価)がある。
玉単価(コイン単価)は、台あたりの売上げを投資(投入)した玉数(コイン枚数)で除した値であり(玉単価(円/玉)=売上げ÷アウト玉数)、玉単価の高い遊技機ほど波の荒い性能(ギャンブル性が高い)を有していることを示し、玉単価の低い遊技機ほど穏やかな波の性能(ギャンブル性が低い)を有していることを示す。
玉単価の高い遊技機は、大当り確率が低く、大当り出玉数が多い「マックスタイプ」と称される機種タイプに属し、玉単価の低い遊技機は、大当り確率が高く、大当り出玉数が少ない「遊パチタイプ」と称される機種タイプに属する。また、「マックスタイプ」と「遊パチタイプ」の間の中間的な性能を有する遊技機として、「ミドルタイプ」と称される機種タイプもある。
遊技者は、このようなそれぞれ遊び易さの異なる機種タイプから、自分の好みの機種タイプを選択して遊技を行うようになっている。また、遊技場では、通常このような機種タイプの異なる遊技機間での台移動による持玉遊技を許容している。
ところが、機種タイプの異なる遊技機間での台移動による持玉遊技を許容すると、以下のような問題があった。
例えば、台移動による持玉遊技によって、玉単価の低い「遊パチタイプ」の遊技機で獲得した遊技媒体を、玉単価の高い「マックスタイプ」の遊技機で使用すると、「マックスタイプ」で想定される売上げが得られなくなることから、遊技場の売上げが減少することになる。また、反対に、玉単価の高い「マックスタイプ」の遊技機で獲得した遊技媒体を、玉単価の低い「遊パチタイプ」の遊技機で使用すると、「遊パチタイプ」で想定される売上げが得られなくなる。さらに「遊パチタイプ」では、玉単価が低いにもかかわらず、さらに売上げが上がらなくなると、遊技場全体の収益を圧迫することになる。
そこで、このような問題を避けるために、台移動による持玉遊技においては、機種タイプごとに遊技媒体の使用を制限することで、遊技場の売上げの減少を防ぐことが考えられる。そのためには、機種タイプごとに獲得した遊技媒体の数量を個別に管理する必要がある。
獲得した遊技媒体の数量を機種タイプごとに個別に管理するとなると、従来から行われていた貸出レートごとの管理に加え、さらに機種タイプごとの管理が加わることになり、細分化された管理を行う必要がある。このような細分化された管理を厳格に行うと、例えば、異なる機種タイプで獲得した遊技媒体の数量を、同じ貸出レートであっても、まとめて一度に景品交換することができないなどの不都合が生じ、景品交換処理が円滑に行われないおそれがあった。
本発明は、以上のような従来の問題等を解決することができるものであり、異なる機種タイプに属する遊技機においてそれぞれ獲得した遊技媒体の数量を、機種タイプごとに個別に管理しながらも、まとめて一度に景品交換することができる遊技管理システム、遊技管理装置及び遊技管理方法の提供を可能とするものである。
【0089】
以上、本発明の遊技管理システム、遊技管理装置及び遊技管理方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技管理システム、遊技管理装置及び遊技管理方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、獲得玉管理装置70を本発明における遊技管理装置の一例として説明したが、遊技管理装置はこれに限るものではなく、台コンピュータ30,島コンピュータ40,ホールコンピュータ50,景品交換装置60を遊技管理装置として動作させてもよく、あるいは、各台計数機1を遊技管理装置として動作させてもよい。この場合、獲得玉管理装置70が備える各種手段の全てを各装置が備えることで獲得玉管理装置70と同様の動作を実現することができる。
【0090】
また、本発明に係る機種タイプ別管理手段、景品交換許容手段、使用制限手段、台移動遊技判定手段、価値情報換算手段を、各台計数機1,カードユニット210,台コンピュータ30,島コンピュータ40,ホールコンピュータ50,景品交換装置60,獲得玉管理装置70のうちいずれかの装置に、一部又は全部の機能を行わせることもできる。
また、上述した実施形態では、貯玉を管理する貯玉管理装置と、計数値を管理する持ち玉管理装置とを一体化した獲得玉管理装置70としたが、貯玉管理装置と持ち玉管理装置としてそれぞれ別体で設けることもできる。
【0091】
また、上述した実施形態においては、封入式遊技機200での遊技に伴い付与される持ち点は、各データベース(例えば、持ち玉データベース、貯玉データベース、機種タイプ別獲得玉データベース)において、点数で管理するように説明したが(
図8の「機種タイプ3」参照)、これに限らず、持ち点を遊技媒体の数量に換算した数値で管理してもよい。
反対に、遊技機100で獲得した遊技媒体の数量を、持ち点に換算した点数で管理してもよい(
図8の「機種タイプ1、2」参照)。
また、各データベースにおいて、持ち点と遊技媒体の数量の双方を管理してもよい。
【0092】
また、持ち点と遊技媒体の数量の換算処理は、各台計数機1の台間部20やカードユニット210にカードが挿入されたとき、あるいは、排出されたときに、各台計数機1やカードユニット210が換算処理を行うとともに、換算後の数値をカードに記憶するようにしてもよい。
例えば、カードユニット210からカードが排出されるときに、持ち点を遊技媒体の数量に換算する。あるいは、カードユニット210にカードが挿入されたときに、遊技媒体の数量を持ち点に換算する。また、台間部20からカードが排出されるときに、遊技媒体の数量を持ち点に換算する。あるいは、台間部20にカードが挿入されたときに、持ち点を遊技媒体の数量に換算する。
その結果、カード内で管理される遊技媒体の数量の単位が統一されるので、景品交換の度に、持ち点と遊技媒体の数量の換算処理を行う必要がなく、景品交換処理を円滑に行うことができる。
【0093】
また、上述した実施形態では、同じ貸出レートの遊技機間において、台移動による持玉遊技の判定処理や、台移動による持玉遊技と判定された場合の各処理(遊技媒体の使用制限や持込玉数の算出等)について説明したが、これに限らず、異なる貸出レートの遊技機間においても、これらの処理が同様に行われるようになっている。
これは、遊技に用いることが予め許容されている遊技媒体の貸出レートと異なる貸出レートによる遊技媒体を用いて遊技をすること(以下、乗り入れ遊技ともいう)を許可している遊技場に適用できる。
具体的には、遊技者が乗り入れ遊技を行う場合、遊技を行う遊技機100と同じ機種タイプの計数値から払い戻す場合には、この計数値を、遊技を行う遊技機100に係る貸出レートと同価値となるように換算し、換算後の遊技媒体数の範囲内で遊技媒体が払い戻されるようになっている。
また、この場合には、台移動による持玉遊技とは判定されず、景品戻り玉数は持込玉数として算出されない。
一方、遊技を行う遊技機100と異なる機種タイプの計数値から払い戻す場合には、この計数値を、遊技を行う遊技機100に係る貸出レートと同価値となるように換算し、換算後の遊技媒体数の範囲内で遊技媒体が払い戻される。さらに、異なる機種タイプの計数値から払い戻すことで台移動による持玉遊技と判定され、上述した「(1)台移動による移動先遊技機での遊技媒体の使用を制限する」と同様に遊技媒体の使用制限が課されることになる。
また、この場合には、台移動による持玉遊技と判定されるため、景品戻り玉数は持込玉数として算出される。
このように、異なる貸出レート間において遊技者が乗り入れ遊技を行うような場合においても、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
また、上述した実施形態では、台移動による持玉遊技の判定は、計数値からの払い戻しにもとづいて判定を行うように説明したが、これに限らず、貯玉からの払い戻しにもとづいて判定を行ってもよい。
貯玉は、
図8に示すように、貸出レートごとで、機種タイプごとに記憶、管理されているため(機種タイプ別口座)、台移動による持玉遊技の判定を、機種タイプごとの貯玉からの払い戻しにもとづいて判定することができる。
また、多くの遊技場では、貯玉からの払い戻し(再プレイ)を行なうときに、払い戻す遊技媒体に対して所定の手数料(再プレイ手数料)を徴収している。このような遊技場においては、再プレイ手数料の徴収を行わないとした場合、前日以前に遊技場に預け入れた遊技媒体(貯玉)と当日に遊技場に預け入れた遊技媒体(計数値)を同等に扱うことができる。
これにより、台移動による持玉遊技の判定処理に限らず、獲得玉管理装置70(制御部73)が行う各処理において、計数値に代えて、貯玉を用いることもできる。
また、計数値と貯玉数とを合算した数値を記憶、管理し、この合算した数値にもとづいて台移動による持玉遊技の判定等を行ってもよい。