【文献】
Anna Alcaide et al,Aziridine Ring Opening for the Synthesis of Sphingolipid Analogues: Inhibitors of Sphingolipid-Metab,The Journal of Organic Chemistry,2014年 3月 5日,Vol.79,PP.2993-3029
【文献】
Jaeyoung Ko et al.,d-Glucosamine-Derived Synthons for Assembly of l-threo-Sphingoid Bases. Total Synthesis of Rhizochal,The Journal of Organic Chemistry,2012年12月10日,Vol.78,PP.498-505
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0023】
製造例1
<N-トシル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化4】
【0024】
(1)トシルクロリド(1.45g, 7.61mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液をフィトスフィンゴシン(2.3g, 7.24mmol)とトリエチルアミン(1.2mL, 8.69mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液に室温で加えた。
2時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、5%塩酸で2回洗浄後、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣を再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)し、N-トシルフィトスフィンゴシン(2.95g, 86%)を得た。
【0025】
融点:120.0〜121.0℃
1H-NMR (400MHz,CD3OD)δ: 7.75 (2H,d,J=8.2Hz), 7.36(2H,d,J=8.2Hz),
3.57-3.55(2H,m), 3.48-3.39(3H,m), 2.42(3H,s), 1.37-1.21(26H,m),
0.89(3H,t,J=6.4Hz)
13C-NMR (100MHz,CD3OD) δ:144.5, 140.1, 130.7, 128.1, 76.8, 73.2, 61.8, 57.0,
33.7, 33.1, 30.9, 30.8, 30.5, 26.7, 23.7, 21.5, 14.4.
【0026】
(2)1-オクタンスルホニルクロリド(734mg, 7.61mmol)のテトラヒドロフラン(6.3mL)溶液をN-トシルフィトスフィンゴシン(1.55g, 3.29mmol)とトリエチルアミン(0.55mL, 3.94mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に室温で加えた。
2時間撹拌後,反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)し、N-トシル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物1)を714mg(34%)得た。
【0027】
融点:106〜106.5℃
1H-NMR (400MHz,CDCl3)δ: 7.77(2H,d,J=8.2Hz), 7.31(2H,d,J=8.3Hz),
4.40(1H,dd,J= 4.1,10.5Hz), 4.24(1H,dd,J=2.7,11.0Hz), 3.65-3.61(3H,m),
2.98(2H,t,J=7.3Hz), 2.43(3H,s), 1.78(2H,t J=7.8Hz), 1.30-1.18(36H,m),
0.90-0.86(3H,m)
13C-NMR (100MHz,CDCl3)δ: 143.8, 137.3, 129.8, 127.2, 73.7, 72.4, 68.2, 54.4,
50.2, 32.0, 31.9, 31.7, 29.7, 29.4, 28.9, 28.1, 25.6, 23.2, 22.7, 22.6, 21.5,
14.1, 14.0.
【0028】
製造例2
<N-トシル-1-エタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化5】
【0029】
1-エタンスルホニルクロリド(243mg, 1.89mmol)のテトラヒドロフラン(4.4mL)溶液をN-トシル-フィトスフィンゴシン(0.85g, 1.80mmol)とトリエチルアミン(0.30mL, 2.16mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に室温で加えた。
4時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(15mL)で希釈し、5%塩酸で2回洗浄後、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣を再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)し、N-トシル-1-エタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物2)を0.82g(81%)得た。
【0030】
融点:85.5〜86.0℃
1H-NMR (400MHz,CDCl3) δ: 7.77(2H,d,J=8.7Hz), 7.34(2H,d,J=8.2Hz),
5.49(1H,d,J=7.8Hz), 4.41(1H,dd,J=4.6,11.0Hz), 4.26(1H,dd,J=2.7,10.5Hz),
3.66-3.59(3H,m), 3.06(2H,dd,J=7.3,14.7Hz), 2.43(3H,s),
1.34(3H,dd,J=7.3,7.8Hz), 1.32-1.11(26H,m), 0.88(3H,dd,J=6.4,6.9Hz)
13C-NMR (100MHz,CDCl3)δ: 144.0, 137.0, 129.7, 127.1, 85.5, 74.2, 69.7, 54.9,
33.4, 31.9, 29.6, 25.6, 22.7, 21.6, 14.1.
【0031】
製造例3
<N-トシル-1-オクタンスルホニル-3,4-ジアセチルフィトスフィンゴシン>
【化6】
【0032】
無水酢酸(0.073mL, 0.77mmol)をN-トシル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン(100mg, 0.154mmol)のピリジン(0.62mL)溶液に室温で加えた。
6時間撹拌後、ピリジンを減圧留去した後,酢酸エチル(10mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-トシル-1-オクタンスルホニル-3,4-ジアセチルフィトスフィンゴシン(化合物3)を60mg(53%)得た。
【0033】
1H-NMR (400MHz,CDCl3)δ:7.77(2H,d,J=8.2Hz), 7.34(2H,d,J=8.2Hz),
5.44(1H,d,J=9.2Hz), 4.97(1H,dd,J=3.2,7.3Hz), 4.89(1H,dt,J=3.2,9.6Hz),
4.14(2H,d,J=3.7Hz), 3.74(1H,m), 3.04(2H,t,J=7.8Hz), 2.43(3H,s), 2.06(3H,s),
2.03(3H,s),1.80(2H,t,J=7.8Hz), 1.29-1.18(36H,m), 0.90-0.86(6H,m)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ: 170.8, 169.9, 143.9, 137.4, 129.9, 127.2, 72.5, 72.0,
66.3, 52.1, 50.5, 31.9, 29.7, 28.9, 28.1, 25.3, 23.1, 22.6, 14.0
【0034】
製造例4
<N-トシル-1-オクタンスルホニル-4-アセチルフィトスフィンゴシン>
【化7】
【0035】
(1)N-トシルフィトスフィンゴシン(500mg, 1.06mmol)をビス(トリフルオロメタンスルホン酸)ジ-tert-ブチルシリル(560mg, 1.27mmol)のDMF(8.5mL)溶液に0℃で加えた。
0℃で10分間,室温で15分間撹拌後、トリエチルアミン(0.44mL, 3.18mmol)を加えて10分間撹拌した。
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え,酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。
有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、シリレン保護体を592mg(91%)得た。
【0036】
(2)無水酢酸(28mg, 0.30mmol)のピリジン(0.1mL)溶液をシリレン保護体(30mg, 0.05mmol)のピリジン(0.1mL)溶液に室温で加えた。
24時間撹拌後、塩化メチレン(10mL)で希釈し、5%クエン酸水溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、アセチル化体を18mg(56%)得た。
【0037】
(3)フッ化水素・ピリジン(4.7mg, 0.17mmol)をアセチル化体(73mg, 0.11mmol)のテトラヒドロフラン(1.1mL)溶液に0℃で加えた。
室温で20分間撹拌後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。
有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、ジオール体を48mg(84%)得た。
【0038】
(4)1-オクタンスルホニルクロリド(14mg, 0.067mmol)のテトラヒドロフラン(0.2mL)溶液をジオール体(33mg, 0.064mmol)とトリエチルアミン(0.01mL, 0.077mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液に室温で加えた。
20分間撹拌後,反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(35% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-トシル-1-オクタンスルホニル-4-アセチルフィトスフィンゴシン(化合物4)を36mg(82%)得た。
【0039】
融点:44.5〜46.0℃
1H-NMR (400MHz,CDCl3)δ:7.78(d,J=8.2Hz,2H), 7.32(d,J=8.2Hz,2H),
5.79(d,J=9.2Hz,1H), 4.79(d,J=10.1Hz,1H), 4.44(dd,J =10.1, 6.4 Hz,1H),
4.21(dd,J=10.5,2.7Hz,1H), 3.82(m,1H), 3.46(m,1H), 3.05(dd,J=16.0,7.8Hz,2H),
2.95(d,J=5.5Hz,1H), 2.43(s,3H), 2.10(s,3H), 1.828-1.750(m,2H), 1.40(brs,36H),
0.88(dd,J=13.2,6.4Hz,6H)
IR(KBr,cm-1)ν3485,3397,3303,2919,2850,1629,1469,1336,1159,1057
【0040】
製造例5
<N-トシル-1-ペンタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化8】
【0041】
(1)1-ペンタンスルホン酸ナトリウムを10%塩酸水溶液で1-ペンタンスルホン酸とし、1-ペンタンスルホン酸(181mg,1.2mmol)のジメチルホルムアミド/ヘキサン(1:7,0.46mL)に塩化チオニル(0.15mL,2.0mmol)を滴下し、70℃で1時間撹拌した後、2時間加熱還流した。
室温に戻してからヘキサン層を分離し、5%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水層をヘキサンで抽出した。
溶媒を減圧留去することで1-ペンタンスルホニルクロリド(87mg,42%)を得た。
【0042】
(2)1-ペンタンスルホニルクロリド(20mg,0.12mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液をN-トシル-フィトスフィンゴシン(50mg,0.11mmol)とトリエチルアミン(0.018mL,0.13mmol)のテトラヒドロフラン(0.58mL)溶液に室温で加えた。
1.5時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-トシル-1-ペンタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物5)を41mg(61%)得た。
【0043】
融点:77.5〜78.5℃
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 7.78(2H,d,J=8.0Hz), 7.32(2H,d,J=8.0Hz),5.47(1H,brs),
4.41(1H,dd,J=10.4,4.0Hz), 4.23(1H,dd,J=10.4,2.4Hz), 3.68-3.50(3H,m),
3.01(2H,t,J=8.0Hz), 2.77(1H,brs), 2.43(3H,s), 2.01(1H,brs),
1.78(2H,tt,J=8.0,7.6Hz), 1.42-1.30(4H,m), 1.32-1.21(26H,m),
0.89(6H,tt,J=7.6,7.0Hz)
13C-NMR (100 MHz,CDCl3)δ: 143.7, 137.3, 129.8, 127.2, 73.6, 72.4, 68.2, 50.1, 31.9, 30.18, 30.17, 29.69, 29.68, 29.67, 29.64, 29.62, 29.5, 29.4, 29.3, 25.7, 25.6, 22.9, 22.7, 22.0, 21.5, 14.1, 13.7
IR (KBr,cm-1)ν3506,3407,3357,1470,1438,1351,1164
【0044】
製造例6
<N-トシル-1-ヘプタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化9】
【0045】
(1)1-ヘプタンスルホン酸ナトリウムを10%塩酸水溶液で1-ヘプタンスルホン酸とし、1-ヘプタンスルホン酸(260mg, 1.4mmol)のジメチルホルムアミド/ヘキサン(1:7,0.55mL)に塩化チオニル(0.18mL,2.5mmol)を滴下し、70℃で1時間撹拌した後、2時間加熱還流した。
室温に戻してからヘキサン層を分離し、5%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水層をヘキサンで抽出した。
溶媒を減圧留去することで1-ヘプタンスルホニルクロリド(241mg,84%)を得た。
【0046】
(2)1-ヘプタンスルホニルクロリド(24mg, 0.12mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液をN-トシル-フィトスフィンゴシン(50mg,0.11mmol)とトリエチルアミン(0.018mL,0.13mmol)のテトラヒドロフラン(0.58mL)溶液に室温で加えた。
1時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-トシル-1-ヘプタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物6)を52mg(74%)得た。
【0047】
融点:98.5〜99.5℃
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 7.78(2H,d,J=8.2Hz), 7.33(2H,d,J=8.2Hz),
5.32(1H,d,J=8.2Hz), 4.41(1H,dd,J=11.0,4.6Hz), 4.22(1H,dd,J=11.0,3.2Hz),
3.68-3.56(3H,m), 3.01(2H,t,J=7.8Hz), 2.60(1H,d,J=6.0Hz), 2.44(3H,s),
1.86(1H,d,J=5.5Hz), 1.77(2H,tt,J=7.8,7.4Hz), 1.42-1.35(4H,m),
1.31-1.24(30H,m), 0.89(6H,dt,J=6.9,5.1Hz)
13C-NMR (100 MHz,CDCl3)δ: 143.8, 137.2, 129.8, 127.2, 73.6, 72.4, 68.2, 54.4, 50.2, 32.09, 32.08, 31.9, 31.43, 31.42, 29.70, 29.67, 29.66, 29.65, 29.36, 29.35, 28.11, 28.08, 25.62, 25.61, 23.2, 22.7, 22.5, 21.6, 14.1, 14.0
IR (KBr,cm-1)ν3460,3357,3265,1460,1441,1335,1324,1169
【0048】
製造例7
<N-トシル-1-ノナンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化10】
【0049】
(1)1-ノナンスルホン酸ナトリウムを10%塩酸水溶液で1-ノナンスルホン酸とし、1-ノナンスルホン酸(271mg,1.3mmol)のジメチルホルムアミド/ヘキサン(1:7,0.5mL)に塩化チオニル(0.16mL,2.52mmol)を滴下し、70℃で1時間撹拌した後、2時間加熱還流した。
室温に戻してからヘキサン層を分離し、5%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水層をヘキサンで抽出した。
溶媒を減圧留去することで1-ノナンスルホニルクロリド(267mg,91%)を得た。
【0050】
(2)1-ノナンスルホニルクロリド(27mg,0.12mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液をN-トシル-フィトスフィンゴシン(50mg,0.11mmol)とトリエチルアミン(0.018mL,0.13mmol)のテトラヒドロフラン(0.58mL)溶液に室温で加えた。
2時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、さらに再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)をし、N-トシル-1-ノナンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物7)を41mg(56%)得た。
【0051】
融点:102.0〜103.0℃
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 7.78(2H,d,J=8.2Hz), 7.32(2H,d,J=8.2Hz), 5.45(1H,brs), 4.40(1H,dd,J=11.0,4.1Hz), 4.22(1H,dd,J=11.0,3.2Hz), 3.66-3.59(3H,m),
3.01(2H,t,J=7.8Hz), 2.43(3H,s), 2.05 (2H,brs), 1.78(2H,tt,J=8.2,7.8Hz),
1.43-1.35(4H,m), 1.30-1.22(34H,m), 0.88(6H,dt,J=6.9,1.4Hz)
13C-NMR (100 MHz,CDCl3)δ: 143.8, 137.2, 129.8, 127.2, 73.6, 72.4, 68.1, 54.4, 50.2, 32.1, 31.8, 29.69, 29.68, 29.66, 29.65, 29.63, 29.4, 29.23, 29.16, 29.14, 29.0, 28.1, 25.6, 23.2, 22.7, 22.6, 21.5, 14.10, 14.07
IR (KBr,cm-1)ν3547,3465,3354,2918,2849,1470,1453,1440,1352,1164
【0052】
製造例8
<N-p-プロピルベンゼンスルホニル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化11】
【0053】
(1)p-プロピルベンゼンスルホニルクロリド(1.07mg,0.49mmol)のテトラヒドロフラン(1.8mL)溶液をフィトスフィンゴシン(150mg,0.47mmol)とトリエチルアミン(0.08mL,0.57mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)懸濁液に室温で加えた。
2時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、5%塩酸で2回洗浄後、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣を再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)し、N-p-プロピルベンゼンスルホニルフィトスフィンゴシン(129mg,55%)を得た。
【0054】
(2)1-オクタンスルホニルクロリド(23mg, 0.11mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液をN-p-プロピルベンゼンスルホニルフィトスフィンゴシン(50mg, 0.10mmol)とトリエチルアミン(0.017mL, 0.12mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に室温で加えた。
5時間撹拌後,反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(40% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-p-プロピルベンゼンスルホニル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物8)を46mg(68%)得た。
【0055】
融点:79.5〜81.5℃
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 7.80(2H,d,J=8.4Hz), 7.32(2H,d,J=8.4Hz),
5,49(1H,t,J=8.4Hz), 4.40(1H,dd,J=11.0,4.8Hz), 4.22(1H,dd,J=11.0,3.2Hz),
3.67-3.57(3H,m), 3.01(2H,t,J=7.8Hz), 2.77(1H,d,J=6.8Hz), 2.66(2H,t,J=7.6Hz),
2.01(1H,d,J=5.6Hz), 1.78(2H,tt,J=8.4,7.8Hz), 1.66(2H,qt,J=7.8,7.6Hz),
1.40-1.37(4H,m), 1.35-1.21 (32H,m), 0.95(3H,t,J=7.6Hz),
0.88(3H,dt,J=6.8,2.0Hz)
13C-NMR (100 MHz,CDCl3)δ: 148.4, 137.4, 129.2, 127.2, 73.7, 72.4, 68.2, 54.4, 50.2, 37.9, 32.10, 32.09, 32.08, 31.9, 31.7, 29.71, 29.69, 29.68, 29.66, 29.4, 28.9, 28.1, 25.6, 24.1, 23.2, 22.7, 22.6, 14.1, 14.0, 13.7
IR (KBr,cm-1)ν3515,3326,3192,1469,1343,1162,1148
【0056】
製造例9
<N-p-ペンチルベンゼンスルホニル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン>
【化12】
【0057】
(1)p-ペンチルベンゼンスルホニルクロリド(1.21mg, 0.49mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液をフィトスフィンゴシン(150mg, 0.47mmol)とトリエチルアミン(0.08mL, 0.57mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)懸濁液に室温で加えた。
1.5時間撹拌後、反応液を酢酸エチル(10mL)で希釈し、5%塩酸で2回洗浄後、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣を再結晶(溶媒:酢酸エチル・ヘキサン)し、N-p-ペンチルベンゼンスルホニルフィトスフィンゴシン(158mg, 63%)を得た。
【0058】
(2)1-オクタンスルホニルクロリド(22mg, 0.105mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液をN-p-ペンチルベンゼンスルホニルフィトスフィンゴシン(50mg, 0.095mmol)とトリエチルアミン(0.016mL, 0.114mmol)のテトラヒドロフラン(0.46mL)溶液に室温で加えた。
3時間撹拌後,反応液を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(35% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、N-p-ペンチルベンゼンスルホニル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物9)を43mg(64%)得た。
【0059】
融点:88.5〜89.5℃
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 7.79(2H,d,J=8.4Hz), 7.32(2H,d,J=8.4Hz),
5.37(1H,d,J=8.8Hz), 4.41(1H,dd,J=10.8,4.8Hz), 4.22(1H,dd,J=10.8,3.2Hz),
3.64-3.55(3H,m), 3.01(2H,t,J=7.8Hz), 2.67(2H,t,J=8.0Hz), 2.64(1H,d,J=7.2Hz),
1.90(1H,d,J=5.6Hz), 1.78(2H,tt,J=8.0,7.6Hz), 1.63(2H,tt,J=7.6,7.8Hz),
1.34-1.31(4H,m), 1.29-1.22(38H,m), 1.21-0.86(9H,m)
13C-NMR (100 MHz,CDCl3)δ: 148.7, 137.3, 129.2, 127.2, 73.7, 72.4, 68.1, 54.4, 50.2, 35.8, 32.16, 32.15, 31.9, 31.7, 31.41, 31.40, 30.7, 29.70, 29.68, 29.67, 29.66, 29.65, 29.4, 28.95, 28.94, 28.1, 25.60, 25.59, 23.2, 22.7, 22.6, 22.4, 14.1, 14.04, 13.95
IR (KBr,cm-1)ν3515, 3323, 3190, 1469, 1343, 1162, 1151
【0060】
試験例1
スフィンゴミエリンの脱アシル化を起こすことが知られている酵素(SCDase)を用い、SCDaseのスフィンゴミエリン脱アシル化の阻害活性で評価した。
被試験化合物[10mg/mL(エタノール:アセトン=1:1(v/v))]の0.05μmol、0.10μmol、 0.15μmol相当量をプラスチックチューブに採り、水分を飛ばした後、0.8%TritonX-100を含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液 (pH=6.0)を9.5μLとSCDaseの原液0.5μL加え、37℃で30分間反応させた。
前もってスフィンゴミエリン[10mg/mL(クロロホルム:メタノール=1:1(v/v))] 4μLをプラスチックチューブに採り、水分を飛ばした後に反応混合物を加え、37℃で60分間反応させた。
その後、エバポレーターで水分を蒸発させて乾燥させた。
乾燥後、メタノールを20μLおよびクロロホルム20μLを加え、遠心分離 [4℃,10000rpm, 5分間]し、上澄みを20μL採り、再びエバポレーターで水分を飛ばした。
6μLの抽出液 [クロロホルム:メタノール=2:1(v/v)]に溶かし、TLCアルミニウムシートシリカゲル60(メルク社)に0.5μLで6回スポットした。
なお標準品として、スフィンゴミエリン[10mg/mL(クロロホルム:メタノール=1:1(v/v))]とスフィンゴシルホスホシルコリン[10mg/mL(クロロホルム:メタノール=1:1(v/v))]を同じアルミシートに0.5μLスポットした。
その後、展開溶液[クロロホルム:メタノール:酢酸:水=50:30:8:7(v/v/v/v) )]で展開後乾燥し、リンモリブデン酸液をつけて加熱することにより発色させた。
TLC分析によりスフィンゴミエリンおよびスフィンゴシルホスホリルコリンの生成を確認した。
【0061】
<TLC分析の結果>
対照(阻害薬無しの条件)ではスフィンゴミエリンがSCDaseによって脱アシル化し、スフィンゴシルホスホリルコリンに変換されていた。
N-トシル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物1)では、濃度の増加に伴い、スフィンゴシルホスホリルコリンの生成が減少しており、阻害活性が認められた。
また、N-トシル-1-エタンスルホニルフィトスフィンゴシン(化合物2)および化合物5〜9もスフィンゴシルホスホリルコリンの生成が減少しており、阻害活性があることが認められた。
一方、N-トシルフィトスフィンゴシンでは対照と同じく、スフィンゴシルホスホリルコリンが生成していることから、SCDaseに対する阻害活性がないことが認められた。
【0062】
試験例2
<アトピー性皮膚炎モデルマウスでの塗布試験>
アトピー性皮膚炎モデルマウスであるNC-マウスに、被検化合物群には、N-トシル-1-オクタンスルホニルフィトスフィンゴシン [5%(w/v)、 溶媒(エタノール:アセトン=1:1(v/v))]、対照群には溶媒のみを1回0.2mLで1日2回8時間おきに塗布した。
1週間塗布し,0日一時間目、1日目、5日目、7日目に一時間当たりの塗布部を掻いた回数を数えた。その結果を
図1に示す。