(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端面側の前記ガラス層における一方の前記主面側の縁の位置と、一方の前記主面側の前記外部電極の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面上に、前記内部電極が位置していない、請求項2に記載の電子部品。
前記ガラス層は、前記主面に直交する方向にて、前記内部電極において一方の前記主面に最も近接している縁部の位置と、一方の前記主面との間に、前記ガラス層の少なくとも一部が位置するように、各前記端面側の前記焼結体層上に直接設けられている、請求項2に記載の電子部品。
内部電極が埋設され、1対の主面、該主面同士の間を結ぶ1対の側面、および、前記1対の主面と前記1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する素体を準備する工程と、
前記内部電極と電気的に接続されるように前記素体の表面上に外部電極を設ける工程とを備え、
前記外部電極を設ける工程は、焼結金属を含む焼結体層を設ける工程、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層を設ける工程、並びに、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層を設ける工程を含み、
前記焼結体層を設ける工程にて、各前記端面を覆うように各前記端面上から少なくとも一方の前記主面上に亘って前記焼結体層を設け、
前記ガラス層を設ける工程にて、前記側面に直交する方向に延在して前記外部電極の表面の一部を構成するように前記ガラス層を各前記端面側の前記焼結体層上に直接設け、かつ、前記ガラス層の一部を前記素体の前記1対の主面のうちのいずれか一方の主面上に直接設け、
前記金属層を設ける工程にて、前記ガラス層に覆われている部分以外の前記焼結体層を覆って前記外部電極の表面の他の一部を構成するように前記金属層を設け、
前記素体の厚さの寸法をLTとし、
前記素体の前記1対の主面のうちの、前記ガラス層の前記一部が直接設けられている他方の前記主面とは異なる一方の前記主面と、前記素体の前記主面に直交する方向に積層されている前記内部電極のうちの一方の前記主面に最も近接している内部電極における一方の前記主面側の縁部との間の距離の寸法をL1とし、
前記素体の各端面側において、前記素体の一方の前記主面と前記ガラス層における一方の前記主面側の端部の位置との間における前記素体の前記主面に直交する方向に沿った距離の寸法をL2とし、
前記素体の一方の前記主面と、前記素体の前記側面に直交する方向に積層されている前記内部電極の一方における前記主面側の縁との間の距離の寸法をL5とすると、
LT/10<L2<L1またはL5、の関係を満たしている、電子部品の製造方法。
前記外部電極を設ける工程にて、前記端面側の前記ガラス層における一方の前記主面側の縁の位置と、一方の前記主面側の前記外部電極の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面上に、前記内部電極が位置しないように前記外部電極を設ける、請求項9に記載の電子部品の製造方法。
前記ガラス層を設ける工程にて、前記主面に直交する方向にて、前記内部電極において一方の前記主面に最も近接している縁部の位置と、一方の前記主面との間に、前記ガラス層の少なくとも一部が位置するように、前記ガラス層を各前記端面側の前記焼結体層上に直接設ける、請求項9に記載の電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態1に係る電子部品について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。以下の説明においては、電子部品として積層セラミックコンデンサについて説明するが、電子部品は、コンデンサに限られず、圧電部品、サーミスタまたはインダクタなどでもよい。
【0025】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電子部品の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1の電子部品をII−II線矢印方向から見た断面図である。
図3は、
図2の電子部品をIII−III線矢印方向から見た断面図である。
図4は、
図2の電子部品をIV−IV線矢印方向から見た断面図である。
図5は、
図2の電子部品をV−V線矢印方向から見た断面図である。
図1においては、後述する素体の長手方向をL、素体の幅方向をW、素体の厚さ方向をTで示している。
【0026】
図1〜5に示すように、本発明の実施形態1に係る電子部品100は、内部電極130が埋設された略直方体状の素体110と、素体110の表面上に設けられて内部電極130と電気的に接続された外部電極120とを備える。
【0027】
素体110においては、誘電体層140と平板状の内部電極130とが交互に積層されている。誘電体層140と内部電極130との積層方向は、素体110の長手方向Lおよび素体110の幅方向Wに対して直交している。すなわち、誘電体層140と内部電極130との積層方向は、素体110の厚さ方向Tと平行である。
【0028】
素体110は、厚さ方向Tと直交する1対の主面、長手方向Lと直交する1対の端面、および、幅方向Wと直交する1対の側面を有する。1対の主面は、一方の主面10と他方の主面11とからなる。一方の主面10は、実装時の電子部品100において、電子部品100の実装面側に位置する面である。すなわち、電子部品100が基板上に実装される場合には、一方の主面10は基板と対向する面である。
【0029】
このように、素体110は、誘電体層140と内部電極130との積層方向に対して直交する1対の主面、主面同士の間を結ぶ1対の側面、および、1対の主面と1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する。
【0030】
なお、素体110は、角部に丸みを有する略直方体状の外形を有しているが、角部に丸みを有していなくてもよい。また、1対の主面、1対の端面および1対の側面のいずれかの面に、凹凸が形成されていてもよい。
【0031】
互いに隣り合って対向する内部電極130同士において、一方の内部電極130は素体110の一方の端面側において外部電極120に電気的に接続され、他方の内部電極130は素体110の他方の端面側において外部電極120に電気的に接続されている。
【0032】
以下、各構成について詳細に説明する。
誘電体層140を構成する材料としては、BaTiO
3、CaTiO
3、SrTiO
3またはCaZrO
3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Co化合物、Si化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。
【0033】
内部電極130は、平面視にて略矩形状の外形を有する。積層方向において互いに隣り合う内部電極130同士は、誘電体層140を間に挟んで互いに対向している。上記の一方の内部電極130と他方の内部電極130とは、素体110の厚さ方向Tに沿って等間隔に交互に配置されている。
【0034】
一方の内部電極130は、素体110の一方の端面から他方の端面に向けて延在している。
図3に示すように、一方の内部電極130は、素体110の一方の端面において後述する外部電極120の焼結体層121と接続されている。
【0035】
他方の内部電極130は、素体110の他方の端面から一方の端面に向けて延在している。
図4に示すように、他方の内部電極130は、素体110の他方の端面において後述する外部電極120の焼結体層121と接続されている。
【0036】
内部電極130を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Au、Pt、Snなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。本実施形態においては、内部電極130はNiからなる。
【0037】
図2に示すように、外部電極120は、焼結金属を含む焼結体層121、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層122、並びに、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層123を含む。
【0038】
焼結体層121は、素体110の各端面を覆うように各端面上から少なくとも一方の主面10上に亘って設けられている。本実施形態においては、焼結体層121は、素体110の一方の端面全体を覆いつつ、一方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体110の他方の端面全体を覆いつつ、他方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。素体110の一方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている焼結体層121と、素体110の他方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている焼結体層121とは、互いに離間して電気的に接続されていない。
【0039】
焼結体層121を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金を主成分とする導電性ペーストを用いることができる。本実施形態においては、Cuを主成分とする導電性ペーストを素体110の表面に塗布して、たとえば700℃程度の温度において加熱することにより焼結体層121を素体110に焼き付けている。
【0040】
なお、焼結体層121は、ガラス成分を含んでいる。焼結体層121のガラス含有率は、表層部の方が内部より高くなっている。焼結体層121の表層部のガラス含有率を高くすることにより、後述するガラス層122と焼結体層121との密着性を高めて、後述するめっき処理時または実装時にガラス層122が剥離することを抑制できる。
【0041】
ガラス層122は、素体110の側面に直交する方向である幅方向Wに延在するように各端面側の焼結体層121上に直接設けられて外部電極120の表面の一部を構成している。
【0042】
本実施形態においては、ガラス層122は、素体110の各端面側において、素体110の幅方向Wの全体に亘って延在している。
図2に示すように、素体110の端面側のガラス層122における一方の主面10側の縁の位置と、素体110の一方の主面10側の外部電極120の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面P
1上に、内部電極130が位置していない。
【0043】
なお、本実施形態においては
図2に示すように、素体110の側面に平行な任意の面における電子部品100の断面において、仮想面P
1を構成する仮想線と全ての内部電極130とは交差していないが、上記仮想線と交差する内部電極130が含まれていてもよい。ただし、上記仮想線と全ての内部電極130とが交差していない方が好ましい。
【0044】
また、ガラス層122は、素体110の主面に直交する方向である厚さ方向Tにて、内部電極130において素体110の一方の主面10に最も近接している縁部の位置と、素体110の一方の主面10との間に、ガラス層122の少なくとも一部が位置するように、素体110の各端面側の焼結体層121上に直接設けられている。
【0045】
具体的には、素体110の一方の主面10と、一方の主面10に最も近接している内部電極131の一方の主面10側の縁部との間の距離の寸法をL
1とすると、素体110の各端面側において、素体110の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体110の厚さ方向Tに沿った距離の寸法L
2は、L
2<L
1の関係を満たしている。
【0046】
本実施形態においては、L
2>0である。すなわち、ガラス層122は、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。なお、素体110の厚さの寸法をL
Tとすると、L
2>L
T/10であることが後述する理由により好ましい。そのため、電子部品100において、L
2<L
1の関係、および、L
2>L
T/10の関係を両方満たすことが好ましい。本実施形態においては、電子部品100は、L
T/10<L
2<L
1の関係を満たしている。
【0047】
また、ガラス層122は、素体110の各側面側において、素体110の端面に直交する方向である長手方向Lに延在している。本実施形態においては、ガラス層122は、素体110の各側面側において、素体110の長手方向Lの全体に亘って延在している。すなわち、ガラス層122の一部は、素体110の各側面側において焼結体層121上に直接設けられている。ガラス層122の他の一部は、素体110の各側面上に直接設けられている。
【0048】
素体110の各端面側に設けられたガラス層122と、素体110の各側面側に設けられたガラス層122とは、互いに繋がって環状の形状を有している。素体110の各側面側において、素体110の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体110の厚さ方向Tに沿った距離の寸法はL
2である。
【0049】
さらに、ガラス層122は、素体110の他方の主面11側の全体を覆っている。すなわち、ガラス層122の一部は、素体110の他方の主面11側において焼結体層121上に直接設けられている。ガラス層122の他の一部は、素体110の他方の主面11上に直接設けられている。素体110の他方の主面11側を覆っているガラス層122は、素体110の各端面側に設けられたガラス層122および素体110の各側面側に設けられたガラス層122の各々と互いに繋がっている。
【0050】
このように、ガラス層122の一部は、素体110の他方の主面11上および素体110の各側面上に直接設けられている。ガラス層122は、焼結体層121より素体110との密着性が高い。そのため、ガラス層122の一部を素体110上に直接設けることにより、後述するめっき処理時または実装時にガラス層122が剥離することを抑制できる。
【0051】
ガラス層122を構成する材料としては、めっき液への耐性に優れるガラス材料であって、Siのモル分率が20mol%以上65mol%以下であるガラス材料が好ましい。
【0052】
ここで、ガラス材料のSiのモル分率を変えてガラス層を焼結体層上に形成した5種類の積層体について行なったテープ剥離試験について説明する。テープ剥離試験においては、pH2で60℃の硫酸水溶液に積層体を8時間浸漬した後、ガラス層に貼り付けたテープを引き剥がした際の、ガラス層の剥離の有無を確認した。5種類の積層体の各々10個について行なったテープ剥離試験におけるガラス層の剥離の発生率を下記の表1に示す。
【0054】
表1に示すように、ガラス層におけるSiのモル分率が10mol%および70mol%であるときにガラス層の剥離が確認され、ガラス層におけるSiのモル分率が20mol%、40mol%および65mol%であるときにはガラス層の剥離は確認されなかった。
【0055】
ガラス層におけるSiのモル分率が20mol%未満である場合、めっき液への耐性が不十分となり、ガラス層が剥離しやすくなる。ガラス層におけるSiのモル分率が65mol%より高い場合、ガラス材料のガラス軟化点が高くなって、焼結体層に対するガラス材料の濡れ性が低下し、ガラス層の焼結体層に対する固着力自体が低下するため、ガラス層が剥離しやすくなる。
【0056】
金属層123は、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように焼結体層121上に設けられて外部電極120の表面の他の一部を構成している。
【0057】
本実施形態においては、金属層123は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられている。上記のように、ガラス層122が、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、金属層123は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0058】
また、金属層123は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆っている。さらに、金属層123は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0059】
上記のように、焼結体層121は、素体110の一方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体110の他方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。
【0060】
よって、素体110の一方の端面側から一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられている。また、素体110の他方の端面側から一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられている。
【0061】
素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って設けられている金属層123と、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って設けられている金属層123とは、互いに離間して電気的に接続されていない。
【0062】
金属層123を構成する材料としては、半田との濡れ性が良好な材料である、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属材料を用いることができる。具体的には、金属層123を構成する材料としては、SnもしくはSn合金、または、CuもしくはCu合金を用いることができる。本実施形態においては、金属層123はSnからなる。
【0063】
金属層123をCuで構成した場合、積層セラミックコンデンサの外部電極120に耐レーザー性を付与することができる。外部電極120に耐レーザー性を付与することにより、積層セラミックコンデンサを内蔵させた基板にレーザーを照射して、外部電極120に到達するビアを形成することが可能となる。このビアの内側に、無電解めっきによりCu膜を形成することにより、基板の表面の導電パターンと外部電極120とを電気的に接続することができる。
【0064】
以下、本実施形態に係る電子部品の製造方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、素体110を準備する工程(S100)と、内部電極130と電気的に接続されるように素体110の表面上に外部電極120を設ける工程(S110)とを備える。
【0065】
素体110は、下記のように作製される。
まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストを、ダイコータ法、グラビアコータ法またはマイクログラビアコータ法などによりシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する。
【0066】
作製した複数のセラミックグリーンシートのうちの一部において、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法またはグラビア印刷法などにより内部電極形成用の導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布する。このようにして、内部電極となる導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを用意する。なお、セラミックペーストおよび内部電極形成用の導電ペーストには、公知のバインダーおよび溶媒が含まれていてもよい。
【0067】
導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、導電パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを順次積層し、さらにその上に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、マザーブロックを作製する。必要に応じて、静水圧プレスなどの手段により、マザーブロックを積層方向にプレスしてもよい。
【0068】
マザーブロックを所定の形状にカットして分割することにより、複数の直方体状の軟質素体を作製する。直方体状の軟質素体をバレル研磨して、軟質素体の角部を丸める。ただし、バレル研磨は必ずしも行なわなくてもよい。
【0069】
軟質素体を焼成することにより硬化させて、素体110を作製する。焼成温度は、セラミック材料および導電材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
【0070】
外部電極120を設ける工程(S110)は、焼結金属を含む焼結体層121を設ける工程(S111)、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層122を設ける工程(S112)、並びに、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層123を設ける工程(S113)を含む。
【0071】
焼結体層121を設ける工程(S111)にて、素体110の各端面を覆うように素体110の各端面上から少なくとも素体110の一方の主面上に亘って焼結体層121を設ける。本実施形態においては、ディップ法により素体110の両端部に焼結体層121となる導電性ペーストを塗布している。このように、焼結体層121を設ける工程(S111)にて、素体110の各端面上から素体110の各主面上および各側面上に亘って焼結体層121を設ける。
【0072】
上述したように、本実施形態においては、Cuを主成分とする導電性ペーストを素体110の表面に塗布して、たとえば700℃程度の温度において加熱することにより焼結体層121を素体110に焼き付ける。
【0073】
なお、導電性ペーストの塗布と乾燥を繰り返すことにより、複数層の焼結体層121を設けてもよい。この場合、表層に位置する焼結体層121のガラス含有率を高くするために、先に塗布する導電性ペーストのガラス含有率より、後に塗布する導電性ペーストのガラス含有率を高くすることが好ましい。このようにすることにより、後に形成されるガラス層122と焼結体層121との密着性を高めて、後述するめっき処理時または実装時にガラス層122が剥離することを抑制できる。
【0074】
焼結体層を設ける工程(S111)にて、誘電体層140と焼結体層121とを同時に焼成してもよい。すなわち、軟質素体に導電性ペーストを塗布した後で焼成することにより、素体110と焼結体層121とを同時に形成してもよい。
【0075】
ガラス層122を設ける工程(S112)にて、素体110の側面に直交する方向である幅方向Wに延在して外部電極120の表面の一部を構成するように、ガラス層122を素体110の各端面側の焼結体層121上に直接設ける。
【0076】
本実施形態においては、ガラス層122を下記の方法により設ける。たとえば、粒径(D50)が1μm以上3μm以下であるガラス粉に、ワニスおよび溶剤を混ぜてガラスペーストを作製する。ガラスペーストに含まれるガラス材料の体積分率は、たとえば、20vol%である。ガラスペーストを、たとえば、厚さが30μmのスキージを用いてステージ上に塗膜を形成する。その塗膜に、焼結体層121が設けられた素体110の他方の主面11側を浸漬することにより、素体110の各端面側、各側面側および他方の主面11側の各々にガラスペーストを付着させることができる。素体110に付着したガラスペーストを、たとえば、150℃の温度下にて乾燥させた後、ベルト炉を用いて650℃の温度にて加熱して焼き付けることにより、ガラス層122を設ける。
【0077】
金属層123を設ける工程(S113)にて、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆って外部電極120の表面の他の一部を構成するように金属層123を設ける。
【0078】
本実施形態においては、金属層123を電気めっきにより設ける。具体的には、バレルめっき法により金属層123を設ける。焼結体層121とガラス層122とが設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121上に金属層123を設ける。
【0079】
上記のように、ガラス層122は、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、金属層123は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。また、金属層123は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆う。その結果、金属層123は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられる。
【0080】
さらに、金属層123は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられる。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられる。
【0081】
上記のように製造された電子部品100は、半田によって実装される。半田としては、Sn−Sb系、Sn−Cu系またはSn−Ag系の半田を用いることができる。
【0082】
図7は、本実施形態に係る電子部品を半田によって基板上に実装した状態を示す斜視図である。
図7に示すように、基板20上にパターニングされたクリーム半田と外部電極120の金属層123とが接触するように、基板20上に電子部品100を配置してリフローすることにより、半田フィレット30が形成されて電子部品100が基板20上に実装される。
【0083】
本実施形態に係る電子部品100においては、外部電極120の表面にガラス層122が設けられているため、半田フィレット30は、ガラス層122上を濡れ上がることができずに、外部電極120の表面においてガラス層122に覆われていない金属層123が位置する部分のみに形成される。
【0084】
すなわち、ガラス層122が、素体110の各端面側において幅方向Wの全体に亘って延在し、かつ、素体110の各側面側において長手方向Lの全体に亘って延在するように設けられているため、半田フィレット30の濡れ上がりが素体110の全周に亘って低減されている。
【0085】
本実施形態に係る電子部品100の外部電極120においては、上記のように、ガラス層122を焼結体層121上に直接設けているため、リフロー時にクリーム半田と金属層123とが融合した際に、ガラス層122が剥離することがない。そのため、半田フィレット30の濡れ上がりを効果的に低減することができる。
【0086】
仮に、金属層123上にガラス層122を設けている場合、リフロー時にクリーム半田と金属層123とが融合した際に、融解した金属層123上に位置していたガラス層122が剥離する。そのため、ガラス層122が剥離して露出した金属層123上を半田フィレットが濡れ上がることになり、半田フィレットの濡れ上がりを効果的に低減することができない。
【0087】
本実施形態に係る電子部品100においては、素体110の少なくとも各端面側にガラス層122を設けることにより、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体110にクラックが生じることを抑制することができる。
【0088】
また、上記のように、素体110の端面側のガラス層122における一方の主面10側の縁の位置と、一方の主面10側の外部電極120の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面P
1上に、内部電極130が位置していない。仮に、半田フィレット30の熱収縮による引張応力によってクラックが生じた場合、クラックは仮想面P
1に沿って進展しやすい。そのため、仮想面P
1上に内部電極130が位置していないことにより、クラックによって内部電極130が切断されることを抑制できる。その結果、クラックの発生によって電子部品100の電気的特性が低下することを抑制できる。
【0089】
さらに、上記のように、素体110の一方の主面10と内部電極131の一方の主面10側の縁部との間の距離の寸法をL
1、素体110の各端面側において素体110の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体110の厚さ方向Tに沿った距離の寸法をL
2、素体110の厚さの寸法をL
Tとすると、L
T/10<L
2<L
1の関係を満たしている。
【0090】
L
T/10<L
2の関係を満たすことにより、適度な半田フィレット30を形成して実装時の電子部品100の姿勢安定性を確保することができる。また、実装された電子部品100が衝撃などによって基板20から脱落することを抑制できる。
【0091】
なお、素体110の各側面側において、ガラス層122が最も外側に位置するように焼結体層121を覆っていることが好ましい。このようにすることにより、複数の電子部品100を互いに近接して実装した際に、仮に、電子部品100の姿勢安定性が不十分で、互いに隣接する電子部品100の側面同士がくっついてそれぞれのガラス層122が互いに接触した状態で実装された場合に、くっついた電子部品100同士が電気的に短絡することを防止できる。
【0092】
L
2<L
1の関係を満たすことにより、素体110中において内部電極130が積層されている領域である機能領域に半田フィレット30が重なって形成されないため、半田フィレット30の熱収縮による引張応力を機能領域に作用しにくくすることができる。その結果、半田フィレット30の熱収縮に起因して機能領域にクラックが発生することを抑制できる。
【0093】
また、L
2<L
1の関係を満たすことにより、いわゆる「鳴き」(acoustic noise)の発生を低減できる。その理由を以下に説明する。
【0094】
素体110が圧電性または電歪性を有する材料で構成されている場合、電子部品100に交流電圧または交流成分が重畳された直流電圧が印加されると、電子部品100に機械的歪みの振動が生じる。歪みの振動が基板20に伝播すると基板20から音が発生する。20Hz以上20kHz以下の音は、可聴音として、人に不快感を与える。この現象がいわゆる「鳴き」である。
【0095】
電子部品100において、機械的歪みの振動の発生源となるのは、上記の機能領域である。機能領域で発生した機械的歪みの振動は、外部電極120から半田フィレットを通じて基板20に伝播する。
【0096】
L
2<L
1の関係を満たすことにより、機能領域に半田フィレット30が重なって形成されないため、機能領域から半田フィレット30を通じて基板20に伝播する振動を低減することができる。その結果、基板20から発生する音、すなわち「鳴き」の発生を低減できる。特に、比誘電率ε
rが3000以上の誘電体からなる誘電体層140を含む素体110を備える積層セラミックコンデンサ、または、公称静電容量が10μF以上である積層セラミックコンデンサなど、「鳴き」が発生しやすい電子部品に対して効果が顕著となる。
【0097】
以下、本発明の実施形態2に係る電子部品およびその製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る電子部品100aは、補強層を備える点のみ実施形態1に係る電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0098】
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2に係る電子部品の構成を示す断面図である。
図9は、本発明の実施形態2に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。なお、
図8においては、
図2と同一の方向から電子部品を見た断面を示している。
【0099】
図8に示すように、本発明の実施形態2に係る電子部品100aは、外部電極120aが、NiまたはCuを含む補強層124をさらに含む。補強層124は、焼結体層121と金属層123との間に設けられている。
【0100】
補強層124は、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように焼結体層121上に設けられている。本実施形態においては、補強層124は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられている。上記のように、ガラス層122が、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、補強層124は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0101】
また、補強層124は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆っている。さらに、補強層124は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0102】
上記のように、焼結体層121は、素体110の一方の端面上から素体110の各主面上および各側面上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体110の他方の端面上から素体110の各主面上および各側面上に亘って設けられている。
【0103】
よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って補強層124が設けられている。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って補強層124が設けられている。
【0104】
補強層124を構成する材料としては、NiもしくはNi合金、または、CuもしくはCu合金を用いることができる。本実施形態においては、補強層124はNiからなる。
【0105】
なお、ガラス層122の端部上に補強層124が数μm程度乗り上げて形成されていてもよい。この場合、ガラス層122の表面粗さが粗い方が好ましい。また、補強層124の厚さの寸法より、ガラス層122の端部上に乗り上げている部分において素体110の厚さ方向Tに沿った補強層124の長さの寸法の方が大きいことが好ましい。
【0106】
このようにした場合、ガラス層122の端部上に乗り上げている補強層124がガラス層122の表面の凹部内に浸入してスパイク状になり、ガラス層122との密着性が高くなる。その結果、ガラス層122と補強層124との境界が密に接合されて、実装時に半田フィレットがガラス層122と補強層124との境界に浸入することをより抑制できる。
【0107】
本実施形態においては、金属層123は、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように補強層124上に設けられて外部電極120aの表面の他の一部を構成している。
【0108】
図9に示すように、本実施形態に係る電子部品100aの製造方法は、素体110を準備する工程(S100)と、内部電極130と電気的に接続されるように素体110の表面上に外部電極120aを設ける工程(S210)とを備える。
【0109】
外部電極120aを設ける工程(S210)は、焼結金属を含む焼結体層121を設ける工程(S111)、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層122を設ける工程(S112)、NiまたはCuを含む補強層124を設ける工程(S211)、並びに、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層123を設ける工程(S113)を含む。
【0110】
補強層124を設ける工程(S211)にて、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように補強層124を設ける。本実施形態においては、補強層124を電気めっきにより設ける。具体的には、バレルめっき法により補強層124を設ける。焼結体層121とガラス層122とが設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121上に補強層124を設ける。
【0111】
上記のように、ガラス層122は、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、補強層124は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。また、補強層124は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆う。その結果、補強層124は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられる。
【0112】
さらに、補強層124は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って補強層124が設けられる。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って補強層124が設けられる。
【0113】
金属層123を設ける工程(S113)にて、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆って外部電極120の表面の他の一部を構成するように補強層124上に金属層123を設ける。
【0114】
本実施形態においては、金属層123を電気めっきにより設ける。具体的には、バレルめっき法により金属層123を設ける。焼結体層121とガラス層122と補強層124とが設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、補強層124上に金属層123を設ける。その結果、金属層123は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられる。さらに、金属層123は、素体110の各側面側において、補強層124上に設けられる。
【0115】
よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられる。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられる。
【0116】
本実施形態に係る電子部品100aにおいても、素体110の少なくとも各端面側にガラス層122を設けることにより、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体110にクラックが生じることを抑制することができる。
【0117】
以下、本発明の実施形態3に係る電子部品およびその製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る電子部品100bは、下地層を備える点のみ実施形態2に係る電子部品100aとは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0118】
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3に係る電子部品の構成を示す断面図である。
図11は、本発明の実施形態3に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。なお、
図10においては、
図2と同一の方向から電子部品を見た断面を示している。
【0119】
図10に示すように、本発明の実施形態3に係る電子部品100bは、外部電極120bが、補強層124とは異なる材料であってCuまたはNiを含む下地層125をさらに含む。下地層125は、焼結体層121と補強層124との間に設けられている。
【0120】
下地層125は、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように焼結体層121上に設けられている。本実施形態においては、下地層125は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられている。上記のように、ガラス層122が、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、下地層125は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0121】
また、下地層125は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆っている。さらに、下地層125は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0122】
上記のように、焼結体層121は、素体110の一方の端面上から素体110の各主面上および各側面上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体110の他方の端面上から素体110の各主面上および各側面上に亘って設けられている。
【0123】
よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って下地層125が設けられている。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って下地層125が設けられている。
【0124】
下地層125を構成する材料としては、補強層124を構成する材料とは異なる材料であって、NiもしくはNi合金、または、CuもしくはCu合金を用いることができる。本実施形態においては、下地層125はCuからなる。
【0125】
なお、ガラス層122の端部上に下地層125が数μm程度乗り上げて形成されていてもよい。この場合、ガラス層122の表面粗さが粗い方が好ましい。また、下地層125の厚さの寸法より、ガラス層122の端部上に乗り上げている部分において素体110の厚さ方向Tに沿った下地層125の長さの寸法の方が大きいことが好ましい。
【0126】
このようにした場合、ガラス層122の端部上に乗り上げている下地層125がガラス層122の表面の凹部内に浸入してスパイク状になり、ガラス層122との密着性が高くなる。その結果、ガラス層122と下地層125との境界が密に接合されて、実装時に半田フィレットがガラス層122と下地層125との境界に浸入することをより抑制できる。
【0127】
本実施形態においては、補強層124は、下地層125の全体を覆うように下地層125上に設けられている。本実施形態においては、補強層124はNiからなる。
【0128】
図11に示すように、本実施形態に係る電子部品100bの製造方法は、素体110を準備する工程(S100)と、内部電極130と電気的に接続されるように素体110の表面上に外部電極120bを設ける工程(S310)とを備える。
【0129】
外部電極120bを設ける工程(S310)は、焼結金属を含む焼結体層121を設ける工程(S111)、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層122を設ける工程(S112)、補強層124とは異なる材料であってCuまたはNiを含む下地層125を設ける工程(S311)、NiまたはCuを含む補強層124を設ける工程(S211)、並びに、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層123を設ける工程(S113)を含む。
【0130】
下地層125を設ける工程(S311)にて、焼結体層121と補強層124との間に下地層125を設ける。
【0131】
本実施形態においては、下地層125を電気めっきにより設ける。具体的には、バレルめっき法により下地層125を設ける。焼結体層121とガラス層122とが設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、ガラス層122に覆われている部分以外の焼結体層121上に下地層125を設ける。
【0132】
上記のように、ガラス層122は、素体110の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため下地層125は、素体110の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。また、下地層125は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆う。その結果、下地層125は、素体110の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられる。
【0133】
さらに、下地層125は、素体110の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆う。よって、素体110の一方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って下地層125が設けられる。また、素体110の他方の端面側から素体110の一方の主面10側および各側面側に亘って下地層125が設けられる。
【0134】
本実施形態においては、補強層124を電気めっきにより設ける。具体的には、バレルめっき法により補強層124を設ける。焼結体層121とガラス層122と下地層125とが設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、下地層125上に補強層124を設ける。
【0135】
下地層125上に補強層124を設けることにより、補強層124を焼結体層121上に設ける場合に比較して、補強層124をめっきによって容易に設けることができる。
【0136】
本実施形態に係る電子部品100bにおいても、素体110の少なくとも各端面側にガラス層122を設けることにより、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体110にクラックが生じることを抑制することができる。
【0137】
以下、本発明の実施形態4に係る電子部品について説明する。なお、本実施形態に係る電子部品400は、ガラス層、金属層および補強層の形成位置のみ実施形態2に係る電子部品100aとは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0138】
(実施形態4)
図12は、本発明の実施形態4に係る電子部品の外観を示す斜視図である。
図13は、
図12の電子部品をXIII−XIII線矢印方向から見た断面図である。
【0139】
図12,13に示すように、本発明の実施形態4に係る電子部品400は、素体110と、素体110の表面上に設けられて内部電極130と電気的に接続された外部電極420とを備える。外部電極420は、焼結金属を含む焼結体層121、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層422、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層423並びに、NiまたはCuを含む補強層424を含む。補強層424は、焼結体層121と金属層423との間に設けられている。なお、補強層424は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0140】
ガラス層422は、素体110の側面に直交する方向である幅方向Wに延在するように各端面側の焼結体層121上に直接設けられて外部電極420の表面の一部を構成している。本実施形態においては、ガラス層422は、素体110の各端面側の焼結体層121の全体を覆っている。ガラス層422は、素体110の各主面側および各側面側の焼結体層121は覆っていない。
【0141】
ガラス層422の形成方法として、上記のように作製したガラスペーストを、たとえば、厚さが30μmのスキージを用いてステージ上に塗膜を形成し、その塗膜に、焼結体層121が設けられた素体110の各端面側を順次浸漬することにより、素体110の各端面側にガラスペーストを付着させることができる。素体110に付着したガラスペーストを、たとえば、150℃の温度下にて乾燥させた後、ベルト炉を用いて650℃の温度にて加熱して焼き付けることにより、ガラス層422を設けることができる。
【0142】
補強層424は、ガラス層422に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように焼結体層121上に設けられている。上記のように、ガラス層422は、素体110の各主面側および各側面側の焼結体層121は覆っていない。そのため、補強層424は、素体110の各主面側および各側面側において、ガラス層422に覆われていない焼結体層121を覆っている。
【0143】
補強層424を構成する材料としては、NiもしくはNi合金、または、CuもしくはCu合金を用いることができる。本実施形態においては、補強層424はNiからなる。
【0144】
金属層423は、ガラス層422に覆われている部分以外の焼結体層121を覆うように補強層424上に設けられて外部電極420の表面の他の一部を構成している。補強層424が設けられない場合には、金属層423は、ガラス層422に覆われている部分以外の焼結体層121上に設けられる。
【0145】
本実施形態においては、金属層423は、素体110の各端面側および各側面側において、ガラス層422に覆われていない焼結体層121を覆っている。
【0146】
本実施形態においては、電子部品400の外部電極420において、素体110の一方の主面10側および他方の主面11側の両方を基板20との実装面にすることができる。
【0147】
すなわち、電子部品400の外部電極420において、素体110の一方の主面10側および他方の主面11側のいずれを実装面にした場合においても、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体110にクラックが生じることを抑制することができる。
【0148】
そのため、本実施形態に係る電子部品400においては、素体110の厚さ方向Tにおける電子部品400の向きに制限されることなく電子部品400を実装することができる。
【0149】
以下、本発明の実施形態5に係る電子部品について説明する。なお、本実施形態に係る電子部品500は、内部電極の積層方向のみ実施形態1に係る電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0150】
(実施形態5)
図14は、本発明の実施形態5に係る電子部品の外観を示す斜視図である。
図15は、
図14の電子部品をXV−XV線矢印方向から見た断面図である。
図16は、
図14の電子部品をXVI−XVI線矢印方向から見た断面図である。
図17は、
図15,16の電子部品をXVII−XVII線矢印方向から見た断面図である。
図18は、
図15,16の電子部品をXVIII−XVIII線矢印方向から見た断面図である。
図14においては、素体の長手方向をL、素体の幅方向をW、素体の厚さ方向をTで示している。
【0151】
図14〜18に示すように、本発明の実施形態5に係る電子部品500は、内部電極130が埋設された略直方体状の素体510と、素体510の表面上に設けられて内部電極130と電気的に接続された外部電極120とを備える。
【0152】
素体510においては、誘電体層140と平板状の内部電極130とが交互に積層されている。誘電体層140と内部電極130との積層方向は、素体510の長手方向Lおよび素体510の厚さ方向Tに対して直交している。すなわち、誘電体層140と内部電極130との積層方向は、素体510の幅方向Wと平行である。
【0153】
素体510は、厚さ方向Tと直交する1対の主面、長手方向Lと直交する1対の端面、および、幅方向Wと直交する1対の側面を有する。1対の主面は、一方の主面10と他方の主面11とからなる。一方の主面10は、実装時の電子部品500において、電子部品500の実装面側に位置する面である。すなわち、電子部品500が基板上に実装される場合には、一方の主面10は基板と対向する面である。
【0154】
このように、素体510は、誘電体層140と内部電極130との積層方向に対して直交する1対の側面、側面同士の間を結ぶ1対の主面、および、1対の主面と1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する。
【0155】
なお、素体510は、角部に丸みを有する略直方体状の外形を有しているが、角部に丸みを有していなくてもよい。また、1対の主面、1対の端面および1対の側面のいずれかの面に、凹凸が形成されていてもよい。
【0156】
互いに隣り合って対向する内部電極130同士において、一方の内部電極130は素体510の一方の端面側において外部電極120に電気的に接続され、他方の内部電極130は素体510の他方の端面側において外部電極120に電気的に接続されている。
【0157】
本実施形態においては、ガラス層122は、素体510の各端面側において、素体510の幅方向Wの全体に亘って延在している。
図15,16に示すように、素体510の端面側のガラス層122における一方の主面10側の縁の位置と、素体510の一方の主面10側の外部電極120の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面P
1上に、内部電極130が位置していない。
【0158】
なお、本実施形態においては
図15,16に示すように、素体510の側面に平行な任意の面における電子部品500の断面において、仮想面P
1を構成する仮想線と全ての内部電極130とは交差していないが、上記仮想線と交差する内部電極130が含まれていてもよい。ただし、上記仮想線と全ての内部電極130とが交差していない方が好ましい。
【0159】
また、ガラス層122は、素体510の主面に直交する方向である厚さ方向Tにて、内部電極130において素体510の一方の主面10に最も近接している縁部の位置と、素体510の一方の主面10との間に、ガラス層122の少なくとも一部が位置するように、素体510の各端面側の焼結体層121上に直接設けられている。
【0160】
具体的には、素体510の一方の主面10と内部電極130の一方の主面10側の縁との間の距離の寸法をL
5とすると、素体510の各端面側において、素体510の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体510の厚さ方向Tに沿った距離の寸法L
2は、L
2<L
5の関係を満たしている。
【0161】
本実施形態においては、L
2>0である。すなわち、ガラス層122は、素体510の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。なお、素体510の厚さの寸法をL
Tとすると、L
2>L
T/10であることが好ましい。そのため、電子部品500において、L
2<L
5の関係、および、L
2>L
T/10の関係を両方満たすことが好ましい。本実施形態においては、電子部品500は、L
T/10<L
2<L
5の関係を満たしている。
【0162】
また、ガラス層122は、素体510の各側面側において、素体510の端面に直交する方向である長手方向Lに延在している。本実施形態においては、ガラス層122は、素体510の各側面側において、素体510の長手方向Lの全体に亘って延在している。すなわち、ガラス層122の一部は、素体510の各側面側において焼結体層121上に直接設けられている。ガラス層122の他の一部は、素体510の各側面上に直接設けられている。
【0163】
素体510の各端面側に設けられたガラス層122と、素体510の各側面側に設けられたガラス層122とは、互いに繋がって環状の形状を有している。素体510の各側面側において、素体510の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体510の厚さ方向Tに沿った距離の寸法はL
2である。
【0164】
さらに、ガラス層122は、素体510の他方の主面11側の全体を覆っている。すなわち、ガラス層122の一部は、素体510の他方の主面11側において焼結体層121上に直接設けられている。ガラス層122の他の一部は、素体510の他方の主面11上に直接設けられている。素体510の他方の主面11側を覆っているガラス層122は、素体510の各端面側に設けられたガラス層122および素体510の各側面側に設けられたガラス層122の各々と互いに繋がっている。
【0165】
このように、ガラス層122の一部は、素体510の他方の主面11上および素体510の各側面上に直接設けられている。ガラス層122は、焼結体層121より素体510との密着性が高い。そのため、ガラス層122の一部を素体510上に直接設けることにより、めっき処理時または実装時にガラス層122が剥離することを抑制できる。
【0166】
本実施形態においては、金属層123は、素体510の各端面側から一方の主面10側に亘って設けられている。上記のように、ガラス層122が、素体510の各端面側に設けられた焼結体層121のうちの一方の主面10側の一部のみを覆っていない。そのため、金属層123は、素体510の各端面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0167】
また、金属層123は、素体510の一方の主面10側において、ガラス層122に覆われていない焼結体層121を覆っている。さらに、金属層123は、素体510の各側面側において、ガラス層122に覆われていない一方の主面10側に位置する焼結体層121の一部を覆っている。
【0168】
上記のように、焼結体層121は、素体510の一方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体510の他方の端面上から各主面上および各側面上に亘って設けられている。
【0169】
よって、素体510の一方の端面側から一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられている。また、素体510の他方の端面側から一方の主面10側および各側面側に亘って金属層123が設けられている。
【0170】
素体510の一方の端面側から素体510の一方の主面10側および各側面側に亘って設けられている金属層123と、素体510の他方の端面側から素体510の一方の主面10側および各側面側に亘って設けられている金属層123とは、互いに離間して電気的に接続されていない。
【0171】
本実施形態に係る電子部品500においても、素体510の少なくとも各端面側にガラス層122を設けることにより、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体510にクラックが生じることを抑制することができる。
【0172】
上記のように、素体510の端面側のガラス層122における一方の主面10側の縁の位置と、一方の主面10側の外部電極120の先端の位置とを最短で結ぶ仮想面P
1上に、内部電極130が位置していない。仮に、半田フィレットの熱収縮による引張応力によってクラックが生じた場合、クラックは仮想面P
1に沿って進展しやすい。そのため、仮想面P
1上に内部電極130が位置していないことにより、クラックによって内部電極130が切断されることを抑制できる。その結果、クラックの発生によって電子部品500の電気的特性が低下することを抑制できる。
【0173】
さらに、上記のように、素体510の一方の主面10と内部電極130の一方の主面10側の縁との間の距離の寸法をL
5、素体510の各端面側において素体510の一方の主面10とガラス層122の一方の主面10側の端部の位置との間における素体510の厚さ方向Tに沿った距離の寸法をL
2、素体510の厚さの寸法をL
Tとすると、L
T/10<L
2<L
5の関係を満たしている。
【0174】
L
T/10<L
2の関係を満たすことにより、適度な半田フィレットを形成して実装時の電子部品500の姿勢安定性を確保することができる。また、実装された電子部品500が衝撃などによって基板から脱落することを抑制できる。
【0175】
なお、素体510の各側面側において、ガラス層122が最も外側に位置するように焼結体層121を覆っていることが好ましい。このようにすることにより、複数の電子部品500を互いに近接して実装した際に、仮に、電子部品500の姿勢安定性が不十分で、互いに隣接する電子部品500の側面同士がくっついてそれぞれのガラス層122が互いに接触した状態で実装された場合に、くっついた電子部品500同士が電気的に短絡することを防止できる。
【0176】
L
2<L
5の関係を満たすことにより、素体510中において内部電極130が積層されている領域である機能領域に半田フィレットが重なって形成されないため、半田フィレットの熱収縮による引張応力を機能領域に作用しにくくすることができる。その結果、半田フィレットの熱収縮に起因して機能領域にクラックが発生することを抑制できる。
【0177】
なお、実施形態2に係る電子部品100a、実施形態3に係る電子部品100b、および、実施形態4に係る電子部品400の各々において、内部電極130の積層方向を本実施形態の電子部品500と同様にしてもよい。
【0178】
以下、本発明の実施形態6に係る電子部品について説明する。なお、本実施形態に係る電子部品600は、焼結体層、ガラス層、金属層および補強層の形成位置のみ実施形態2に係る電子部品100aとは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0179】
(実施形態6)
図19は、本発明の実施形態6に係る電子部品の外観を示す斜視図である。
図20は、
図19の電子部品をXX−XX線矢印方向から見た断面図である。
【0180】
図19,20に示すように、本発明の実施形態6に係る電子部品600は、素体110と、素体110の表面上に設けられて内部電極130と電気的に接続された外部電極620とを備える。外部電極620は、焼結金属を含む焼結体層621、電気絶縁性を有する材料からなるガラス層622、SnおよびCuの少なくとも一方を含む金属層623並びに、NiまたはCuを含む補強層624を含む。補強層624は、焼結体層621と金属層623との間に設けられている。なお、補強層624は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0181】
焼結体層621は、素体110の各端面を覆うように各端面上から一方の主面10上に亘って設けられている。本実施形態においては、焼結体層621は、素体110の一方の端面全体を覆いつつ、一方の端面上から一方の主面10上に亘って設けられている。また、焼結体層121は、素体110の他方の端面全体を覆いつつ、他方の端面上から一方の主面10上に亘って設けられている。焼結体層621は、素体110の他方の主面11上および各側面上には設けられていない。素体110の一方の端面上から一方の主面10上に亘って設けられている焼結体層621と、素体110の他方の端面上から一方の主面10上に亘って設けられている焼結体層621とは、互いに離間して電気的に接続されていない。
【0182】
焼結体層621を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pdなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金を主成分とする導電性ペーストを用いることができる。本実施形態においては、Cuを主成分とする導電性ペーストを素体110の表面に塗布して、たとえば700℃程度の温度において加熱することにより焼結体層621を素体110に焼き付けている。
【0183】
ガラス層622は、素体110の側面に直交する方向である幅方向Wに延在するように各端面側の焼結体層621上に直接設けられて外部電極620の表面の一部を構成している。本実施形態においては、ガラス層622は、素体110の各端面側の焼結体層621の全体を覆っている。ガラス層622は、素体110の一方の主面10側の焼結体層621は覆っていない。
【0184】
ガラス層622の形成方法として、上記のように作製したガラスペーストを、たとえば、厚さが30μmのスキージを用いてステージ上に塗膜を形成し、その塗膜に、焼結体層621が設けられた素体110の各端面側を順次浸漬することにより、素体110の各端面側にガラスペーストを付着させることができる。素体110に付着したガラスペーストを、たとえば、150℃の温度下にて乾燥させた後、ベルト炉を用いて650℃の温度にて加熱して焼き付けることにより、ガラス層622を設けることができる。
【0185】
補強層624は、ガラス層622に覆われている部分以外の焼結体層621を覆うように焼結体層621上に設けられている。上記のように、ガラス層622は、素体110の一方の主面10側の焼結体層621は覆っていない。そのため、補強層624は、一方の主面10側において、ガラス層622に覆われていない焼結体層621を覆っている。
【0186】
補強層624を構成する材料としては、NiもしくはNi合金、または、CuもしくはCu合金を用いることができる。本実施形態においては、補強層624はNiからなる。
【0187】
金属層623は、ガラス層622に覆われている部分以外の焼結体層621を覆うように補強層624上に設けられて外部電極620の表面の他の一部を構成している。補強層624が設けられない場合には、金属層623は、ガラス層622に覆われている部分以外の焼結体層621上に設けられる。
【0188】
本実施形態においては、金属層623は、素体110の一方の主面10側において、ガラス層622に覆われていない焼結体層621を覆っている。
【0189】
本実施形態に係る電子部品600においても、素体110の少なくとも各端面側にガラス層622を設けることにより、半田フィレット30の濡れ上がりを低減して半田フィレット30の熱収縮による引張応力によって素体110にクラックが生じることを抑制することができる。
【0190】
上記の実施形態1〜6の各々における電子部品において、組み合わせ可能な構成を互いに組み合わせてもよい。
【0191】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。