特許第6592951号(P6592951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592951
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20191010BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H04N1/04 106A
   G06T1/00 430A
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-92665(P2015-92665)
(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2016-213538(P2016-213538A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2018年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠也
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−319685(JP,A)
【文献】 特開2003−255472(JP,A)
【文献】 特開2012−065188(JP,A)
【文献】 特開2009−171217(JP,A)
【文献】 特開2007−124100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04− 1/207
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
副走査方向における基準位置を基準として前記副走査方向に沿った読取位置を変更しながら、主走査方向に沿ったライン単位で読取領域の読取を実行する読取部と、
原稿の1個の頂点が配置される第1基準角と、前記第1基準角に原稿の頂点が配置されないときに原稿の他の頂点が配置される第2基準角とが設けられている原稿載置台と、
前記原稿載置台の1辺に沿って配置された回転軸を中心として回動することにより載置された原稿を覆う原稿カバーと、
前記原稿カバーが所定位置であることを検知する検知手段と、
制御部と、を備え、
前記原稿載置台の四隅の角のうち、前記第1基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する前記原稿載置台の角であり、前記第2基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸から離れた位置に位置する前記原稿載置台の角であり、
前記制御部は、
前記読取部に読取を実行させない状態で、前記副走査方向において前記第1基準角及び前記第2基準角が位置する第1待機位置へ前記読取部の前記読取位置を変更する変更処理と、
前記原稿カバーが前記所定位置にあることを検知手段により検知した時に、原稿が前記第1基準角に載置されているか、もしくは前記第2基準角に載置されているかを示す原稿位置と主走査方向の原稿の幅を示す原稿幅とを前記第1待機位置において前記読取部に取得させる取得処理と、
前記原稿位置が前記第1基準角に載置されていることを示す場合は、予め定められた複数の大きさの原稿である定型サイズの原稿が有する長手方向の幅および短手方向の幅のうちで前記原稿幅がいずれか一方であると判断して原稿の載置方向および原稿サイズを確定し、前記原稿位置が前記第2基準角に載置されていることを示す場合は、前記長手方向の幅および前記短手方向の幅のうちで前記原稿幅が他方であると判断して前記載置方向および前記原稿サイズを確定する確定処理と、
前記原稿サイズを前記読取領域として読取を実行させる読取処理と、を実行することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記確定処理は、
前記原稿幅が前記定型サイズの幅でない場合は、前記原稿幅よりも大きい前記定型サイズの幅のうち最も小さい定型サイズの幅を前記原稿幅として前記原稿サイズを確定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記原稿載置台は、前記原稿載置台の四隅の角のうち前記基準位置から離れて位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する第3基準角を備え、
前記制御部は、
前記原稿位置が前記第1基準角および前記第2基準角に載置されていないことを示す場合は、事前読取フラグを設定するフラグ設定処理と、
前記事前読取フラグが設定されている場合は、前記第1待機位置から前記副走査方向において前記第3基準角が位置する第2待機位置までを前記読取領域として前記読取時の解像度よりも低解像度の事前読取を実行させる事前読取処理と、
前記事前読取処理にて取得した読取画像データから表示データを生成する生成処理と、
前記表示データを表示部に表示させ、所望の読取範囲を受け付け、前記所望の読取範囲を前記原稿サイズとして確定する受付処理と、を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、
原稿が前記第3基準角に載置されているか否かを前記読取画像データに基づき判定する判定処理と、
前記読取画像データから原稿の辺を示すエッジ辺を算出する算出処理と、を実行し、
前記生成処理は、原稿が前記第3基準角に載置されている場合は、前記読取画像データから前記エッジ辺に囲まれる領域を含む前記定型サイズのうち特定の定型サイズの大きさの読取画像データに基づいて前記表示データを生成することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記算出処理は、前記読取画像データからエッジ画像データへ変換し、前記エッジ画像データの中から、前記原稿載置台に載置された原稿の辺に最も近いエッジ点を抽出し、前記エッジ点に基づき回帰直線を算出することにより前記エッジ辺を算出し、
前記生成処理は、前記エッジ辺で囲まれるエッジ辺領域が前記特定の定型サイズである場合は、前記エッジ辺領域の読取画像データから前記表示データを生成し、前記エッジ辺領域が前記特定の定型サイズでない場合は、前記エッジ辺領域よりも大きい前記定型サイズのうちもっとも小さい定型サイズの読取画像データから前記表示データを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
副走査方向における基準位置を基準として前記副走査方向に沿った読取位置を変更しながら、主走査方向に沿ったライン単位で読取領域の読取を実行する読取部と、
原稿の1個の頂点が配置される第1基準角と、前記第1基準角に原稿の頂点が配置されないときに原稿の他の頂点が配置される第2基準角とが設けられている原稿載置台と、
前記原稿載置台の1辺に沿って配置された回転軸を中心として回動することにより載置された原稿を覆う原稿カバーと、
前記原稿カバーが所定位置であることを検知する検知手段と、
制御部と、を備え、
前記原稿載置台の四隅の角のうち、前記第1基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する前記原稿載置台の角であり、前記第2基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸から離れた位置に位置する前記原稿載置台の角であり、
前記制御部は、
前記読取部に読取を実行させない状態で、前記副走査方向において前記第1基準角及び前記第2基準角が位置する第1待機位置へ前記読取部の前記読取位置を変更する変更処理と、
前記原稿カバーが前記所定位置にあることを検知手段により検知した時に、原稿が前記第1基準角に載置されているか、もしくは前記第2基準角に載置されているかを示す原稿位置と主走査方向の原稿の幅を示す原稿幅とを前記第1待機位置において前記読取部に取得させる取得処理と、
前記原稿位置が前記第1基準角に載置されていることを示す場合は、予め定められた複数の大きさの原稿である定型サイズの原稿が有する長手方向の幅および短手方向の幅のうちで前記原稿幅がいずれか一方であると判断して原稿サイズを確定し、前記原稿位置が前記第2基準角に載置されていることを示す場合は、前記長手方向の幅および前記短手方向の幅のうちで前記原稿幅が他方であると判断して前記原稿サイズを確定する確定処理と、
前記原稿サイズを前記読取領域として読取を実行させる読取処理と、を実行し、
前記確定処理は、
前記原稿幅が前記定型サイズの幅でない場合は、前記原稿幅よりも大きい前記定型サイズの幅のうち最も小さい定型サイズの幅を前記原稿幅として前記原稿サイズを確定し、
前記原稿載置台は、前記原稿載置台の四隅の角のうち前記基準位置から離れて位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する第3基準角を備え、
前記制御部は、
前記原稿位置が前記第1基準角および前記第2基準角に載置されていないことを示す場合は、事前読取フラグを設定するフラグ設定処理と、
前記事前読取フラグが設定されている場合は、前記第1待機位置から前記副走査方向において前記第3基準角が位置する第2待機位置までを前記読取領域として前記読取時の解像度よりも低解像度の事前読取を実行させる事前読取処理と、
前記事前読取処理にて取得した読取画像データから表示データを生成する生成処理と、
前記表示データを表示部に表示させ、所望の読取範囲を受け付け、前記所望の読取範囲を前記原稿サイズとして確定する受付処理と、を実行することを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に画像読取装置において、読み取らせる原稿の原稿サイズを検知させた後に、検知した原稿サイズの領域を読取範囲として設定させ、原稿を読み取らせている。
【0003】
特許文献1に記載の画像読み取り装置は、原稿先端部から走査装置の移動方向に所定の間隔を介して設けられたホームポジション位置において原稿幅を検知する走査装置と、原稿の長さを検知する長手方向検知センサとを用いて原稿サイズを判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3168666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読み取り装置は、走査装置と長手方向検知センサとを用いて原稿サイズを判断しているため、走査装置からの信号に加え、長手方向検知センサからの信号を処理する必要があり、信号処理が複雑になるという問題が発生していた。
【0006】
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされ、長手方向検知センサを設けることなく、原稿サイズが判断可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明態様は、副走査方向における基準位置を基準として前記副走査方向に沿った読取位置を変更しながら、主走査方向に沿ったライン単位で読取領域の読取を実行する読取部と、原稿の1個の頂点が配置される第1基準角と、前記第1基準角に原稿の頂点が配置されないときに原稿の他の頂点が配置される第2基準角とが設けられている原稿載置台と、前記原稿載置台の1辺に沿って配置された回転軸を中心として回動することにより載置された原稿を覆う原稿カバーと、前記原稿カバーが所定位置であることを検知する検知手段と、制御部と、を備え、前記原稿載置台の四隅の角のうち、前記第1基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する前記原稿載置台の角であり、前記第2基準角は、前記基準位置に近い位置に位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸から離れた位置に位置する前記原稿載置台の角であり、前記制御部は、前記読取部に読取を実行させない状態で、前記副走査方向において前記第1基準角及び前記第2基準角が位置する第1待機位置へ前記読取部の前記読取位置を変更する変更処理と、前記原稿カバーが前記所定位置にあることを検知手段により検知した時に、原稿が前記第1基準角に載置されているか、もしくは前記第2基準角に載置されているかを示す原稿位置と主走査方向の原稿の幅を示す原稿幅とを前記第1待機位置において前記読取部に取得させる取得処理と、前記原稿位置が前記第1基準角に載置されていることを示す場合は、予め定められた複数の大きさの原稿である定型サイズの原稿が有する長手方向の幅および短手方向の幅のうちで前記原稿幅がいずれか一方であると判断して原稿サイズを確定し、前記原稿位置が前記第2基準角に載置されていることを示す場合は、前記長手方向の幅および前記短手方向の幅のうちで前記原稿幅が他方であると判断して前記原稿サイズを確定する確定処理と、前記原稿サイズを前記読取領域として読取を実行させる読取処理と、を実行する。
【0008】
請求項2に記載の具体的態様は、前記確定処理は、前記原稿幅が前記定型サイズの幅でない場合は、前記原稿幅よりも大きい前記定型サイズの幅のうち最も小さい定型サイズの幅を前記原稿幅として前記原稿サイズを確定する。
【0009】
請求項3に記載の具体的態様は、前記原稿載置台は、前記原稿載置台の四隅の角のうち前記基準位置から離れて位置し、且つ前記原稿カバーの前記回転軸に近い位置に位置する第3基準角を備え、前記制御部は、前記原稿位置が前記第1基準角および前記第2基準角に載置されていないことを示す場合は、事前読取フラグを設定するフラグ設定処理と、
前記事前読取フラグが設定されている場合は、前記第1待機位置から前記副走査方向において前記第3基準角が位置する第2待機位置までを前記読取領域として前記読取時の解像度よりも低解像度の事前読取を実行させる事前読取処理と、前記事前読取処理にて取得した読取画像データから表示データを生成する生成処理と、前記表示データを表示部に表示させ、所望の読取範囲を受け付け、前記所望の読取範囲を前記原稿サイズとして確定する受付処理と、を実行する。
【0010】
請求項4に記載の具体的態様は、前記制御部は、原稿が前記第3基準角に載置されているか否かを前記読取画像データに基づき判定する判定処理と、前記読取画像データから原稿の辺を示すエッジ辺を算出する算出処理と、を実行し、前記生成処理は、原稿が前記第3基準角に載置されている場合は、前記読取画像データから前記エッジ辺に囲まれる領域を含む前記定型サイズのうち特定の定型サイズの大きさの読取画像データに基づいて前記表示データを生成する。
【0011】
請求項5に記載の具体的態様は、前記算出処理は、前記読取画像データからエッジ画像データへ変換し、前記エッジ画像データの中から、前記原稿載置台に載置された原稿の辺に最も近いエッジ点を抽出し、前記エッジ点に基づき回帰直線を算出することにより前記エッジ辺を算出し、前記生成処理は、前記エッジ辺で囲まれるエッジ辺領域が前記特定の定型サイズである場合は、前記エッジ辺領域の読取画像データから前記表示データを生成し、前記エッジ辺領域が前記特定の定型サイズでない場合は、前記エッジ辺領域よりも大きい前記定型サイズのうちもっとも小さい定型サイズの読取画像データから前記表示データを生成する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明態様では、取得処理は、原稿が第1基準角に載置されているか、もしくは第2基準角に載置されているかを示す原稿位置と主走査方向の原稿の幅を示す原稿幅とを読取部に取得させ、原稿位置に応じて原稿幅を長手方向の幅か短手方向の幅かを判断している。よって、読取部のみで原稿サイズを確定することができる。
【0013】
請求項2に記載の具体的態様では、確定処理は、原稿幅が定型サイズの幅でない場合は、原稿幅よりも大きい定型サイズの幅のうち最も小さい定型サイズの幅を原稿幅として原稿サイズを確定する。よって、最適な原稿サイズを確定することができる。
【0014】
請求項3に記載の具体的態様では、事前読取処理は、原稿位置が第1基準角および第2基準角に載置されていない場合に、第1待機位置から第2待機位置まで事前読取を実行させ、取得した読取画像データに基づき表示部に表示させ、所望の読取範囲を受け付け、受け付けた所望の読取範囲を原稿サイズとして確定する。よって、複雑な設定をすることなく、所望の読取範囲を入力することができ、所望の原稿サイズを確定することができる。
【0015】
請求項4に記載の具体的態様では、生成処理は、第3基準角に載置されている場合に、読取画像データから特定の定型サイズの大きさの読取画像データに基づいて表示データを生成しているため、所望の読取範囲を選択し易く表示データを表示することができる。
【0016】
請求項5に記載の具体的態様では、算出処理は、読取画像データから原稿の辺に最も近いエッジ点を抽出し、エッジ点に基づき回帰直線を算出することによりエッジ辺を算出し、エッジ辺領域が特定の定型サイズでない場合に、エッジ辺領域よりも大きい定型サイズのうち最も小さい定型サイズの読取画像データから表示データを生成するため、所望の読取範囲を選択し易く表示データを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置SMの内部構成を示す図面である。
図2】画像読取装置SMの制御構成を示すブロック図である。
図3】電源投入時処理M1を示すフローチャートである。
図4】カバー開時処理R8を示すフローチャートである。
図5】読取処理R10を示すフローチャートである。
図6】領域指定処理RB6を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(画像読取装置SMの構成)
図1(A)は、画像読取装置SMの正面図を示す。画像読取装置SMは、原稿載置台DTと、カバーCVと、を備える。原稿載置台DTは、本体MBと、透明板TPと、を備える。本体MBは、様々な部材(例えば、透明板TP、読取部RU、カバーセンサSE等)を収容するための筐体である。透明板TPは、本体MBに収容されており、本体MBに固定されている。透明板TPには、読取対象の原稿DCが載置される。カバーCVは、本体MBの上部に配置されており、本体MBに対して開閉可能である。カバーCVは、本体MBの奥側(図1(A)の紙面に垂直方向の奥側)に回転軸を備え、正面側から開閉される。即ち、カバーCVは、後述する第1基準角C1側に回転軸を備え、後述する第2基準角C2側から開閉される。カバーCVの裏面、即ち、カバーCVの透明板TP側の面は、白色である。カバーセンサSEは、本体MBに配置されており、カバーCVの開閉状態に応じてセンサ出力が変化するように構成されている。具体的には、カバーCVと本体MBとがなす角度が10度よりも大きい場合、カバーセンサSEはオン状態となり、10度以下の場合、カバーセンサSEはオフ状態となる。
【0019】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの下方で本体MBに収容されている読取部RUを備える。読取部RUは、本体MBに対して副走査方向(即ち図1(A)の左右方向)に沿って移動可能である。読取部RUは、透明板TPに載置される原稿DCの読取を実行する。読取部RUは、CIS(Contact Image Sensorの略)で構成され、具体的には光源LSと、ロッドレンズRLと、撮像素子ISと、を備える。光源LSは、透明板TPに向けて、光を照射する。ロッドレンズRLは、光源LSから照射される光の反射光を受光する。撮像素子ISは、ロッドレンズRLを通過した光を受光する。より具体的に言うと、撮像素子ISは、主走査方向(即ち図1(A)の紙面垂直方向)に沿って並ぶ複数個の光学素子によって構成される。即ち、撮像素子ISは、複数個の光学素子が並ぶ主走査方向に沿ったライン単位で読取を実行するラインセンサである。以下では、副走査方向において、撮像素子ISが存在する位置を、「読取位置」と呼ぶ。
【0020】
図1(B)は、透明板TPの平面図を示す。透明板TPは、副走査方向に沿って伸びる長辺と、主走査方向に沿って伸びる短辺と、によって構成される矩形形状を有する。透明板TPのカバーCV側に露出する面のうち主走査方向の上流側、および副走査方向の上流側(即ち図1(B)の左上側)の端部には、読取対象の原稿DCの1個の頂点が配置される第1基準角C1が設けられている。透明板TPのカバーCV側に露出する面のうち主走査方向の下流側および副走査方向の上流側(即ち図1(B)の左下側)の端部には、読取対象の原稿DCの1個の頂点が配置される第2基準角C2が設けられている。透明板TPには、原稿DCが載置される。透明板TPのカバーCV側に露出する面のうち主走査方向の上流側および副走査方向の下流側(即ち図1(B)の右上側)の端部には、読取対象の原稿DCの1個の頂点が配置される第3基準角C3が設けられている。以下では、副走査方向において、第1基準角C1および第2基準角C2に相当する位置のことを「第1待機位置BP1」と呼び、第3基準角C3に相当する位置のことを「第2待機位置BP2」と呼ぶ。なお、透明板TPは、A3サイズの原稿DCを最大の原稿サイズとして載置可能なサイズを有する。ここで、原稿DCの各辺のうち副走査方向に平行な辺であって、主走査方向の上流側に位置する辺を上辺とし、下流側に位置する辺を下辺とし、主走査方向に平行な辺であって、副走査方向の上流側に位置する辺を左辺とし、下流側に位置する辺を右辺とする。
【0021】
透明板TPに原稿DCを載置した状態について図1(B)を用いて説明する。A3サイズの原稿DCを横置き状態として載置した状態をA3横の原稿DCと呼び、破線で図示する。破線で図示したA3横の原稿DCは、第1基準角C1を基準に載置されている。A4サイズの原稿DCを縦置状態として載置した状態をA4縦の原稿DCと呼び、一点鎖線で図示する。一点鎖線で図示したA4縦の原稿DCは、第2基準角C2を基準に載置されている。A4サイズの原稿DCを横置状態として載置した状態をA4横の原稿DCと呼び、2点鎖線で図示する。2点鎖線で図示したA4横の原稿DCは、第3基準角C3を基準に載置されている。「横置状態」は、原稿DCの長辺が透明板TPの露出した面の長辺に沿うと共に、原稿DCの短辺が透明板TPの露出した面の短辺に沿って、原稿DCが透明板TPに載置されている状態である。「縦置状態」は、原稿DCの短辺が透明板TPの露出した面の長辺に沿うと共に、原稿DCの長辺が透明板TPの露出した面の短辺に沿って、原稿DCが透明板TPに載置されている状態である。本実施形態における画像読取装置SMは、第1基準角C1を基準に原稿DCが載置されたときは、原稿DCが横置状態で載置され、第2基準角C2を基準に原稿DCが載置されたときは、原稿DCが縦置状態で載置され、第3基準角C3に原稿DCが載置されたときは、画像読取装置SMを使用するユーザが四角形状の原稿DCの一部の領域を選択して読み取る領域指定読取を実行するように構成されている。
【0022】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの上面に固定されている基準部材BMを備える。基準部材BMは、透明板TPの副走査方向の上流側(即ち図1(B)の左側)の端部に設けられている。基準部材BMは、主走査方向に沿って伸びる白色の部材であり、後述する白データWTを取得するために利用される。以下では、副走査方向において、基準部材BMが設けられている位置を、「ホーム位置HP」と呼ぶ。読取部RUは、ホーム位置HPを基準として、副走査方向に移動する。
【0023】
(画像読取装置SMの制御構成)
図2は、画像読取装置SMの制御構成を示す。画像読取装置SMは、さらに、操作機構OMと、表示機構DMと、カバーセンサSEと、読取機構RMと、制御部CUと、を備える。操作機構OMは、開始ボタン等の複数のキーによって構成される。ユーザは、操作機構OMを操作することによって、様々な指示を画像読取装置SMに入力することができる。表示機構DMは、様々な情報を表示するためのディスプレイである。カバーセンサSEは、カバーCVの開閉状態に応じてセンサ出力が変化するように構成されている。制御部CUは、コントローラCRと、メモリMEと、を備える。コントローラCRは、メモリMEに格納されているプログラムPGMに従って、様々な処理(例えば後述の図3図6の処理)を実行するプロセッサである。
【0024】
読取機構RMは、読取部RUと、移動機構MMと、A/D変換部ADと、補正部SCと、を備える。移動機構MMは、読取部RUを副走査方向に沿って移動させる。A/D変換部ADは、読取部RUから出力されるアナログデータをデジタルデータに変換する。補正部SCは、後述する白データWTと黒データBKとを用いて、A/D変換部ADにて変換されたデジタルデータを階調値にシェーディング補正する。ここで、A/D変換部ADにおいて変換されたデジタルデータは、メモリMEに出力可能に構成され、補正部SCにも出力可能に構成されている。メモリMEに出力されたデジタルデータは、メモリMEに保存される。補正部SCにおいて変換された階調値は、メモリMEに出力され、メモリMEに保存される。
【0025】
(電源投入時処理M1)
続いて、図3を参照して、コントローラCRによって実行される電源投入時処理(M1)の内容を説明する。コントローラCRは、画像読取装置SMの電源がONされる場合に、図3の電源投入時処理(M1)を開始する。
【0026】
電源投入時処理(M1)が開始されると、コントローラCRは、移動機構MMを制御して読取部RUを移動させて、読取位置を画像読取装置SMの電源OFF時の位置からホーム位置HPに変更し、位置フラグFGに0を設定する(R1)。これにより、副走査方向において、読取部RUの読取位置、即ち、撮像素子ISの位置が、基準部材BMの位置に一致する。
【0027】
コントローラCRは、読取設定を行う(R2)。具体的には、コントローラCRは、主走査方向において第1基準角C1に相当する位置を読取開始画素位置RFPとしてA/D変換部ADに設定し、主走査方向において第2基準角C2に相当する位置を読取終了画素位置REPとしてA/D変換部ADに設定する。ここで、「第1基準角C1に相当する位置」は、主走査方向における第1基準角C1の位置よりも原稿の内側に若干ずれた位置を意味する(例えば、第1基準角C1よりも3mm内側である)。「第2基準角C2に相当する位置」は、主走査方向における第2基準角C2の位置よりも原稿の内側に若干ずれた位置を意味する(例えば、第2基準角C2よりも3mm内側である)。
【0028】
コントローラCRは、読取時の光量LEを調整する(R3)。具体的には、コントローラCRは、基準部材BMに向けて、光源LSから光を照射させ、その反射光を読み取った時のアナログデータの最大値がA/D変換部ADで変換される最大のデジタルデータとなる様に、光源LSの光量LEを調整する。ここで、光量LEは、光源LSの1ラインにおける点灯時間および電流値にて決定される。
【0029】
コントローラCRは、黒データBKを取得する(R4)。具体的には、コントローラCRは、光源LSを消灯させ、1ラインの読取を読取部RUに実行させ、読み取った1ラインのデジタルデータを黒データBKとしてメモリMEに記憶する。このときのデジタルデータは暗出力である。
【0030】
コントローラCRは、白データWTを取得する(R5)。具体的には、コントローラCRは、光源LSを光量LEで点灯させ、1ラインの読取を読取部RUに実行させ、読み取った1ラインのデジタルデータを白データWTとしてメモリMEに記憶する。コントローラCRは、デジタルデータを補正部SCに出力させる設定をA/D変換部ADに行い、シェーディング補正を実行させる設定を補正部SCに行う。
【0031】
コントローラCRは、読取部RUに読取を実行させない状態で、移動機構MMを制御して読取部RUを移動させて、読取位置をホーム位置HPから第1待機位置BP1に変更する(R6)。これにより、読取部RUの読取位置が、副走査方向において第1基準角C1および第2基準角C2に相当する位置となる。ここで、「第1基準角C1および第2基準角C2に相当する位置」は、副走査方向における第1基準角C1および第2基準角C2の位置よりも原稿の内側に若干ずれた位置を意味する(例えば、第1基準角C1および第2基準角C2よりも3mm内側である)。
【0032】
コントローラCRは、カバーCVが閉状態から開状態となったか否かを判断する(R7)。具体的には、コントローラCRは、カバーセンサSEがオフ状態からオン状態へ変化したか否かを判断する。コントローラCRは、オフ状態からオン状態へ変化した場合(R7:Yes)は、カバー閉時処理(R8)へ進む。コントローラCRは、オフ状態からオン状態へ変化していない場合(R7:No)は、開始ボタンが押下されたか否かを判断する処理(R9)へ進む。
【0033】
コントローラCRは、カバー閉時処理を実行する(R8)。詳細は後述する。コントローラCRは、カバーCVが閉状態となったか、又は開始ボタンが押下されるまで待機する。コントローラCRは、カバーCVが閉じられたと判断(RA1:Yes)すると、原稿DCの両端の原稿端をそれぞれ検知する。コントローラCRは、検知した原稿端に基づいて、原稿DCが第1基準角C1を基準に載置されたか、原稿DCが第2基準角C2を基準に載置されたか否かを判断する。コントローラCRは、原稿DCが第1基準角C1を基準に載置されていると判断(RA6:Yes)すると、検知した両端の原稿端の距離である原稿幅が短辺の幅であるとして原稿サイズを確定し、位置フラグFGを1に設定する。コントローラCRは、原稿DCが第2基準角C2を基準に載置されていると判断(RA9:Yes)すると、検知した両端の原稿端の距離である原稿幅が長辺の幅であるとして原稿サイズを確定し、位置フラグFGを1に設定する。コントローラCRは、原稿DCが第1基準角C1および第2基準角C2を基準に載置されていないと判断(RA9:No)すると、位置フラグFGを2に設定する。
【0034】
コントローラCRは、開始ボタンが押下されたか否かを判断する(R9)。コントローラCRは、開始ボタンが押下されたと判断(R9:Yes)すると、読取処理(R10)へ進む。コントローラCRは、開始ボタンが押下されていないと判断(R9:No)すると、カバーCVが閉状態から開状態となったか否かを判断する処理(R7)へ進む。
【0035】
コントローラCRは、読取処理を実行する(R10)。詳細は後述する。コントローラCRは、位置フラグFGが0、1、または2のいずれに設定されているか否かを判断する。コントローラCRは、位置フラグFGが0または1に設定されていると判断(RB1:0または1)すると、読取設定処理等を実行した後に、順方向読取を実行する。コントローラCRは、位置フラグFGが2に設定されていると判断(RB1:2)すると、領域指定処理等を実行した後に、逆方向読取を実行する。コントローラCRは、読取処理(R10)が終了すると、カバーCVが閉状態から開状態となったか否かを判断する処理(R7)へ進む。
【0036】
(カバー開時処理R8)
続いて、図4を参照して、カバー開時処理(R8)について説明する。コントローラCRは、カバーCVが閉状態か否かを判断する(RA1)。コントローラCRは、カバーセンサSEがオフ状態になったと判断(RA1:Yes)すると、原稿端検知処理(RA4)へ進む。コントローラCRは、カバーセンサSEがオフ状態になっていないと判断(RA1:No)すると、開始ボタンが押下されたか否かを判断する処理(RA2)へ進む。ここで、「カバーCVが閉状態」とは、カバーセンサSEがオン状態からオフ状態へと変化したときのことを示し、カバーCVと原稿載置台DTとがなす角度が10度であることを示している。
【0037】
コントローラCRは、開始ボタンが押下されたか否かを判断する(RA2)。コントローラCRは、開始ボタンが押下されたと判断(RA2:Yes)すると、最大読取範囲を原稿サイズとして設定し、位置フラグFGに1を設定する(RA3)。コントローラCRは、開始ボタンが押下されていないと判断(RA2:No)すると、カバーCVが閉状態か否かを判断する処理(RA1)に進む。
【0038】
処理RA1でカバーCVが閉状態と判断(RA1:Yes)すると、コントローラCRは、原稿DCの両端の原稿端を検知する(RA4)。具体的には、コントローラCRは、光源LSを光量LEで点灯させ、1ラインの読取を読取部RUに実行させ、読み取った1ラインの各画素の階調値を検出値CDとしてメモリMEに記憶する。コントローラCRは、検出値CDのうち読取開始画素位置RFPから主走査方向の下流側の位置へ順に所定の閾値を超える値を示す画素の位置を探索し、所定の閾値を超えた最初の画素の位置を第1原稿端OGE1としてメモリMEへ記憶する。コントローラCRは、検出値CDのうち読取終了画素位置REPから主走査方向の上流側の位置へ順に所定の閾値を超える値を示す画素の位置を探索し、所定の閾値を超えた最初の画素の位置を第2原稿端OGE2としてメモリMEへ記憶する。コントローラCRは、第1原稿端OGE1と第2原稿端OGE2との距離を原稿幅OGLとしてメモリMEへ記憶する。ここで、「所定の閾値」は、例えば暗出力の値と白出力との値の中間値である。
【0039】
コントローラCRは、原稿DCが第1基準角C1に載置されているか否かを判断する(RA5)。コントローラCRは、第1原稿端OGE1が先頭画素の位置であると判断(RA5:Yes)すると、原稿幅OGLが定型サイズの短辺か否かを判断する処理(RA6)へ進む。コントローラCRは、第1原稿端OGE1が先頭画素の位置でないと判断(RA5:No)すると、原稿DCが第2基準角C2に載置されているか否かを判断する処理(RA9)へ進む。ここで、読取開始画素位置RFPは、主走査方向における第1基準角C1の位置よりも原稿の内側に3mmずれた位置である。そのため、原稿DCが第1基準角C1に載置されているときは、読取開始画素位置RFPの画素の読取結果は原稿DCの背景色となり、第1原稿端OGE1は先頭画素の位置となる。逆に、原稿DCが第1基準角C1に載置されていないときは、読取開始画素位置RFPの画素の読取結果はカバーCVに覆われた暗出力となり、第1原稿端OGE1は先頭画素の位置でない。
【0040】
コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの短辺か否かを判断する(RA6)。コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの短辺であると判断(RA6:Yes)すると、原稿幅OGLを短辺として原稿サイズを確定する処理(RA7)へ進む。コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの短辺でないと判断(RA6:No)すると、原稿幅OGLよりも大きい短辺の定型サイズを原稿サイズに確定する処理(RA8)へ進む。ここで、「原稿幅OGLが定型サイズの短辺である」ということは、原稿幅OGLが297mm、210mm、148mm、または105mmであることを意味している。297mm、210mm、148mm、または105mmは、原稿載置台DTに横置状態で載置可能な用紙サイズであるA3、A4、A5、またはA6の短辺の大きさである。
【0041】
コントローラCRは、原稿幅OGLを短辺として原稿サイズを確定する(RA7)。具体的には、コントローラCRは、原稿幅OGLが297mmのときは、原稿サイズをA3横とし、原稿幅OGLが210mmのときは、原稿サイズをA4横とし、原稿幅OGLが148mmのときは、原稿サイズをA5横とし、原稿幅OGLが105mmのときは、原稿サイズをA6横に確定する。各原稿サイズは、第1基準角C1を基準とした原稿位置と大きさを表している。処理RA7が終了すると、位置フラグFGに1を設定する処理(RA13)へ進む。
【0042】
コントローラCRは、原稿幅OGLよりも大きい短辺の定型サイズを原稿サイズに確定する(RA8)。具体的には、コントローラCRは、297mm、210mm、148mm、または105mmのうち原稿幅OGLよりも大きく、且つ最も小さい幅を選択する。コントローラCRは、選択した幅から原稿サイズを確定する。即ち、原稿サイズは、選択した幅が297mmのときは、A3横となり、選択した幅が210mmのときは、A4横となり、選択した幅が148mmのときは、A5横となり、選択した幅が105mmのときは、A6横となる。各原稿サイズは、第1基準角C1を基準とした原稿位置と大きさを表している。処理RA8が終了すると、位置フラグFGに1を設定する処理(RA13)へ進む。
【0043】
処理RA5で第1基準角C1でないと判断(RA5:No)すると、コントローラCRは、原稿DCが第2基準角C2に載置されているか否かを判断する(RA9)。コントローラCRは、第2原稿端OGE2が最終画素の位置であると判断(RA9:Yes)すると、原稿幅OGLが定型サイズの長辺か否かを判断する処理(RA10)へ進む。コントローラCRは、第2原稿端OGE2が最終画素の位置でないと判断(RA9:No)すると、位置フラグFGに2を設定する処理(RA14)へ進む。ここで、読取終了画素位置REPは、主走査方向における第2基準角C2の位置よりも原稿の内側に3mmずれた位置である。そのため、原稿DCが第2基準角C2に載置されているときは、読取終了画素位置REPの画素の読取結果は原稿DCの背景色となり、第2原稿端OGE2は最終画素の位置となる。逆に、原稿DCが第2基準角C2に載置されていないときは、読取終了画素位置REPの画素の読取結果はカバーCVに覆われた暗出力となり、第2原稿端OGE2は最終画素の位置でない。
【0044】
コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの長辺か否かを判断する(RA10)。コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの長辺であると判断(RA10:Yes)すると、原稿幅OGLを長辺として原稿サイズを確定する処理(RA11)へ進む。コントローラCRは、原稿幅OGLが定型サイズの長辺でないと判断(RA10:No)すると、原稿OGLよりも大きい長辺の定型サイズを原稿サイズに確定する処理(RA12)へ進む。ここで、「原稿幅OGLが定型サイズの長辺である」ということは、原稿幅OGLが297mm、210mm、または148mmであることを意味している。297mm、210mm、または148mmは、原稿載置台DTに縦置状態で載置可能な用紙サイズであるA4、A5、またはA6の長辺の大きさである。
【0045】
コントローラCRは、原稿幅OGLを長辺として原稿サイズを確定する(RA11)。具体的には、コントローラCRは、原稿幅OGLが297mmのときは、原稿サイズをA4縦とし、原稿幅OGLが210mmのときは、原稿サイズをA5縦とし、原稿幅OGLが148mmのときは、原稿サイズをA6縦に確定する。各原稿サイズは、第2基準角C2を基準とした原稿位置と大きさを表している。処理RA11が終了すると、位置フラグFGに1を設定する処理(RA13)へ進む。
【0046】
コントローラCRは、原稿幅OGLよりも大きい長辺の定型サイズを原稿サイズに確定する(RA12)。具体的には、コントローラCRは、297mm、210mm、または148mmのうち原稿幅OGLよりも大きく、且つもっとも小さい幅を選択する。コントローラCRは、選択した幅から原稿サイズを確定する。即ち、原稿サイズは、選択した幅が297mmのときは、A4縦となり、選択した幅が210mmのときは、A5縦となり、選択した幅が148mmのときは、A6縦となる。各原稿サイズは、第2基準角C2を基準とした原稿位置と大きさを表している。
【0047】
コントローラCRは、位置フラグFGに1を設定する(RA13)。処理RA13が終了すると、カバー開時処理(R8)が終了する。
【0048】
処理RA9で原稿DCが第2基準角C2に載置されていないと判断(RA9:No)すると、コントローラCRは、位置フラグFGに2を設定する(RA14)。処理RA14が終了すると、カバー開時処理(R8)が終了する。
【0049】
(読取処理R10)
続いて、図5を参照して、読取処理(R10)について説明する。コントローラCRは、位置フラグFGが0、1、または2のいずれであるか否かを判断する(RB1)。コントローラCRは、位置フラグFGが0であると判断(RB1:0)すると、最大読取範囲を原稿サイズに設定する処理(RB3)へ進む。コントローラCRは、位置フラグFGが1であると判断(RB1:1)すると、読取設定処理(RB2)へ進む。コントローラCRは、位置フラグFGが2であると判断(RB1:2)すると、領域指定処理(RB6)へ進む。
【0050】
処理RB1で位置フラグFGが1であると判断(RB1:1)すると、コントローラCRは、読取設定を行う(RB2)。具体的には、コントローラCRは、横置状態の原稿サイズのときは、主走査方向において第1基準角C1に相当する位置を読取開始画素位置RFPとしてA/D変換部ADに設定し、主走査方向において原稿サイズの下流端に相当する位置を読取終了画素位置REPとしてA/D変換部ADに設定する。コントローラCRは、縦置状態の原稿サイズのときは、主走査方向において原稿サイズの上流端に相当する位置を読取開始画素位置RFPとしてA/D変換部ADに設定し、主走査方向において第2基準角C2に相当する位置を読取終了位置REPとしてA/D変換部ADに設定する。処理RB2が終了すると、順方向読取処理(RB5)へ進む。
【0051】
処理RB1で位置フラグFGが0であると判断(RB1:0)すると、コントローラCRは、最大読取範囲を原稿サイズとして確定する(RB3)。具体的には、コントローラCRは、主走査方向において第1基準角C1に相当する位置から第2基準角C2に相当する位置までを原稿サイズとして確定し、副走査方向において第1待機位置BP1に相当する位置から第2待機位置BP2に相当する位置までを原稿サイズとして確定する。
【0052】
コントローラCRは、読取設定を行う(RB4)。具体的には、コントローラCRは、主走査方向において第1基準角C1に相当する位置を読取開始画素位置RFPとしてA/D変換部ADに設定し、主走査方向において第2基準角C2に相当する位置を読取終了位置REPとしてA/D変換部ADに設定する。
【0053】
コントローラCRは、順方向読取を実行する(RB5)。具体的には、コントローラCRは、副走査方向において第1待機位置BP1から原稿サイズの下流端までを読取範囲として読取部RUに読取を実行させる。処理RB5が終了すると、読取処理(R10)が終了する。
【0054】
処理RB1で位置フラグFGが2であると判断(RB1:2)すると、コントローラCRは、領域指定処理(RB6)へ進む。詳細は後述する。コントローラCRは、第1待機位置BP1に相当する位置から第2待機位置BP2に相当する位置までプレスキャン処理を実行する。コントローラCRは、プレスキャン処理により取得したプレスキャン画像データから主走査方向および副走査方向において最も上流側および最も下流側について連続エッジ点を算出する。コントローラCRは、連続エッジ点から回帰直線を算出し、4つのエッジ辺を算出する。コントローラCRは、算出したエッジ辺から原稿DCが第3基準角C3に載置されているか否かを判断する。コントローラCRは、原稿DCが第3基準角C3に載置されていると判断(RC6:Yes)すると、定型サイズの領域を表示領域として表示機構DMに表示させ、原稿DCが第3基準角C3に載置されていないと判断(RC6:No)すると、最大読取範囲を表示領域として表示機構DMに表示させる。コントローラCRは、ユーザから入力された読取範囲を原稿サイズとして確定する。
【0055】
コントローラCRは、読取設定を行う(RB7)。具体的には、コントローラCRは、処理RB6において入力された読取範囲のうち主走査方向の上流端を読取開始画素位置RFPとしてA/D変換部ADに設定し、下流端を読取終了画素位置REPとしてA/D変換部ADに設定する。
【0056】
コントローラCRは、移動機構MMを制御して読取部RUを移動させて、読取位置を処理RB6において入力された読取範囲のうち副走査方向の下流端である逆方向読取開始位置に変更する(RB8)。
【0057】
コントローラCRは、逆方向読取処理を実行する(RB9)。具体的には、コントローラCRは、副走査方向において逆方向読取開始位置から入力された読取範囲のうち副走査方向の上流端の位置までを読取範囲として読取部RUに読取を実行させる。処理RB9が終了すると、読取処理(R10)が終了する。ここで、読取部RUは、順方向に移動してプレスキャン処理を実行した後に、ホーム位置HPに戻ることなく、副走査方向の上流側へ向けて移動しながら読取を実行するため、時間を短縮することができる。
【0058】
(領域指定処理RB6)
続いて、図6を参照して、領域指定処理(RB6)について説明する。コントローラCRは、読取部RUにプレスキャン処理を実行させる(RC1)。具体的には、コントローラCRは、第1待機位置BP1から副走査方向の下流側へ通常の読取時よりも低い読取解像度(例えば、150DPI)で読取部RUに読取を実行させ、読み取った画像をプレスキャン画像データとしてメモリMEに記憶する。
【0059】
コントローラCRは、読取部RUが第2待機位置BP2に位置するか否かを判断する(RC2)。コントローラCRは、読取部RUが第2待機位置BP2に相当する位置に位置すると判断(RC2:Yes)すると、読取部RUの移動を停止し、読取を終了させる。コントローラCRは、読取部RUが第2待機位置BP2に位置しないと判断(RC2:No)すると、読取を実行させ続ける。ここで、読取部RUが第2待機位置BP2に相当する位置に位置したとき、読取部RUは副走査方向において第1待機位置BP1から第2待機位置BP2までの範囲に亘り読取を実行させたことになる。
【0060】
コントローラCRは、プレスキャン画像データから連続エッジ点を算出する(RC3)。具体的には、コントローラCRは、プレスキャン画像データに周知の微分フィルタを通してエッジ画像データを生成する。コントローラCRは、副走査方向に配列される全画素列について主走査方向の先頭画素である主先頭画素群から最終画素である主最終画素群までの8画素毎の各画素群に対して、副走査方向の最も上流側のエッジを示す副最上流エッジ画素と最も下流側のエッジを示す副最下流エッジ画素とを探索する。コントローラCRは、副最上流エッジ画素の周辺画素が主走査方向に沿って8画素連続してエッジを示す画素であるか否かを判断し、8画素連続してエッジを示す画素である場合は、副最上流エッジ画素を上辺連続エッジ点として算出する。コントローラCRは、副最下流エッジ画素の周辺画素が主走査方向に沿って8画素連続してエッジを示す画素であるか否かを判断し、8画素連続してエッジを示す画素である場合は、副最下流エッジ画素を下辺連続エッジ点として算出する。コントローラCRは、主走査方向に配列される全画素列について副走査方向の先頭画素である副先頭画素群から最終画素である副最終画素群までの8画素毎の各画素群に対して、主走査方向の最も上流側のエッジを示す主最上流エッジ画素と最も下流側のエッジを示す主最下流エッジ画素とを探索する。コントローラCRは、主最上流エッジ画素の周辺画素が副走査方向に沿って8画素連続してエッジを示す画素であるか否かを判断し、8画素連続してエッジを示す画素である場合は、主最上流エッジ画素を左辺連続エッジ点として算出する。コントローラCRは、主最下流エッジ画素の周辺画素が副走査方向に沿って8画素連続してエッジを示す画素であるか否かを判断し、8画素連続してエッジを示す画素である場合は、主最下流エッジ画素を右辺連続エッジ点として算出する。ここで、周辺画素は、対象画素の主走査方向及び副走査方向に隣接する4画素のみでなく、対象画素の主走査方向および副走査方向から45度回転した方向に隣接する4画素を含んだ8画素である。
【0061】
コントローラCRは、エッジ辺を算出する(RC4)。具体的には、コントローラCRは、上辺連続エッジ点から回帰直線を上エッジ辺として算出する。コントローラCRは、下辺連続エッジ点から回帰直線を下エッジ辺として算出する。コントローラCRは、左辺連続エッジ点から回帰直線を左エッジ辺として算出する。コントローラCRは、右辺連続エッジ点から回帰直線を右エッジ辺として算出する。コントローラCRは、算出した上エッジ辺と算出した下エッジ辺とが所定範囲(例えば1mm)内の距離であった場合は、上エッジ辺を消去して算出できなかったとする。同様に、コントローラCRは、算出した右エッジ辺と算出した左エッジ辺とが所定範囲(例えば1mm)内の距離であった場合は、右エッジ辺を消去して算出できなかったとする。
【0062】
コントローラCRは、左エッジ辺および下エッジ辺が正常に取得できたか否かを判断する(RC5)。具体的には、コントローラCRは、左エッジ辺と下エッジ辺とがなす下辺角度を算出する。コントローラCRは、下辺角度が90度か否かを判断する。コントローラCRは、下辺角度が90度であると判断(RC5:Yes)すると、原稿DCが第3基準位置に載置されているか否かを判断する処理(RC6)へ進む。コントローラCRは、下辺角度が90度でないと判断(RC5:No)すると、最大読取範囲を表示範囲に確定する処理(RC7)へ進む。本実施形態における画像読取装置SMは、原稿DCが第1基準角C1および第2基準角C2に載置されなかったときは、画像読取装置を使用するユーザが原稿DCの一部の領域を選択して読み取る領域指定読取を実行するように構成されている。特に、原稿DCが第3基準角に載置されたときは、四角形状の原稿DCが載置された場合である。
【0063】
コントローラCRは、原稿DCが第3基準角C3に載置されているか否かを判断する(RC6)。具体的には、コントローラCRは、左エッジ辺と上エッジ辺とがなす上辺角度、および左エッジ辺と右エッジ辺とがなす右辺角度を算出する。コントローラCRは、上辺角度が90度でなく、且つ右辺角度が0度でないと判断(RC6:Yes)すると、エッジ辺で囲まれる領域が定型サイズか否かを判断する処理(RC8)へ進む。コントローラCRは、上辺角度が90度、又は右辺角度が0度であると判断(RC6:No)すると、最大読取範囲を表示範囲に確定する処理(RC7)へ進む。処理RC4において上エッジ辺および右エッジ辺が算出されなかったときは、上辺角度が90度でなく、且つ右辺角度が0度でないと判断(RC6:Yes)する。本実施形態では、処理RC1における読取範囲が主走査方向において第1基準角C1に相当する位置から第2基準角C2に相当する位置まで、副走査方向において第1待機位置BP1に相当する位置から第2待機位置BP2に相当する位置までである。よって、原稿DCを第3基準角C3に載置したときは、処理RC1の読取で原稿DCの上辺および右辺を読み取ることはない。本処理RC6では、上エッジ辺および右エッジ辺が原稿DCのエッジでないことから第3基準角C3に載置されているか否かを判断している。
【0064】
コントローラCRは、最大読取範囲を表示範囲に確定する(RC7)。具体的には、コントローラCRは、主走査方向において第1基準角C1に相当する位置から第2基準角C2に相当する位置まで、副走査方向において第1待機位置BP1に相当する位置から第2待機位置BP2に相当する位置までを表示範囲として確定する。
【0065】
処理RC6で原稿DCが第3基準角C3に載置されていると判断(RC6:Yes)すると、コントローラCRは、エッジ辺で囲まれる領域が定型サイズか否かを判断する(RC8)。具体的には、コントローラCRは、副走査方向において左エッジ辺と第2待機位置BP2との左辺距離LLが定型サイズの辺の長さであるか否かを判断する。コントローラCRは、定型サイズの辺であると判断(RC8:Yes)すると、エッジ辺で囲まれる領域を表示範囲に確定する処理(RC9)へ進む。コントローラCRは、定型サイズの辺でないと判断(RC8:No)すると、エッジ辺で囲まれる領域が含まれる定型サイズの領域を表示範囲に確定する処理(RC10)へ進む。ここで、「左辺距離LLが定型サイズの辺の長さである」ということは、左辺距離LLが420mm、297mm、210mm、148mm、または105mmであることを意味している。420mm、297mm、210mm、148mm、または105mmは、原稿載置台DTに載置可能な用紙サイズであるA3横、A4横、A4縦およびA5横、A5縦およびA6横、A6縦の副走査方向における長さである。
【0066】
コントローラCRは、エッジ辺で囲まれる領域を表示範囲に確定する(RC9)。具体的には、コントローラCRは、主走査方向において第3基準角C3に相当する位置から下エッジ辺に相当する位置まで、副走査方向において左エッジ辺に相当する位置から第2待機位置BP2までを表示範囲として確定する。
【0067】
コントローラCRは、エッジ辺で囲まれる領域が含まれる定型サイズの領域を表示範囲に確定する(RC10)。具体的には、コントローラCRは、420mm、297mm、210mm、148mm、または105mmのうち左辺距離LLよりも大きく、且つもっとも小さい距離を選択する。コントローラCRは、選択した距離から表示範囲を確定する。即ち、表示範囲は、選択した距離が420mmのときは、第3基準角C3を基準としたA3横となり、選択した距離が297mmのときは、第3基準角C3を基準としたA4横となり、選択した距離が210mmのときは、第3基準角C3を基準としたA4縦となり、選択した距離が148mmのときは、第3基準角C3を基準としたA5縦となり、選択した距離が105mmのときは、第3基準角C3を基準としたA6縦となる。
【0068】
コントローラCRは、プレスキャン画像データのうち表示範囲について表示する(RC11)。具体的には、コントローラCRは、プレスキャン画像データのうち処理RC7、処理RC9、および処理RC10のいずれかで確定した表示範囲の領域の表示データを生成する。コントローラCRは、表示データを表示機構DMに表示させる。
【0069】
コントローラCRは、読取範囲が入力されたか否かを判断する(RC12)。具体的には、コントローラCRは、ユーザが操作機構OMを操作して読取範囲が入力されたか否かを判断する。コントローラCRは、読取範囲が入力されたと判断(RC12:Yes)すると、入力された読取範囲を原稿サイズに確定する処理(RC13)へ進む。コントローラCRは、読取範囲が入力されていないと判断(RC12)すると、読取範囲が入力されるまで待機する。コントローラCRは、入力された読取範囲を原稿サイズとして確定する(RC13)。
【0070】
<実施形態の効果>
本実施形態では、処理RA5および処理RA9は、原稿DCが第1基準角C1または第2基準角C2に載置されているか否かを判断する。処理RA7および処理RA8は、原稿DCが第1基準角C1に載置されている場合に、原稿DCが横置状態に載置されたとして原稿サイズを確定する。処理RA11および処理RA12は、原稿DCが第2基準角C2に載置されている場合に、原稿DCが縦置状態に載置されたとして原稿サイズを確定する。よって、原稿DCを載置する位置を変更することで、原稿サイズを確定することができる。
【0071】
本実施形態では、処理RA6および処理RA10は、原稿幅OGLが定型サイズの辺の幅か否かを判断する。処理RA8および処理RA12は、定型サイズの辺の幅でない場合に原稿幅OGLよりも大きい定型サイズを原稿サイズに確定している。よって、最適な原稿サイズを確定することができる。
【0072】
本実施形態では、処理RA14は、原稿DCが第1基準角C1および第2基準角C2に載置されていない場合に、位置フラグFGに2を設定している。処理RB6〜処理RB9は、位置フラグFGが2のときに、第1待機位置BP1から第2待機位置BP2へプレスキャン処理を実行後、領域指定処理を実行して指定した読取範囲の読取を第2待機位置BP2から第1待機位置BP1へ読取部RUを移動させる逆方向読取を実行している。よって、プレスキャン処理と領域指定読取処理とが読取部RUの1往復の移動で実行可能となっている。
【0073】
本実施形態では、処理RC9および処理RC10は、原稿DCが第3基準角C3に載置されている場合に、定型サイズの領域を表示範囲として確定する。よって、最適なプレスキャン画像データの表示が可能となり、読取範囲の選択が容易となる。
【0074】
(対応関係)
第1待機位置BP1、第2待機位置BP2、ホーム位置HPが、それぞれ、第1待機位置、第2待機位置、基準位置の一例である。第1基準角C1、第2基準角C2、第3基準角C3が、それぞれ、第1基準角、第2基準角、第3基準角の一例である。画像読取装置SMが、画像読取装置の一例である。読取機構RM、原稿載置台DT、カバーCV、カバーセンサSEがそれぞれ、読取部、原稿載置台、原稿カバー、検知手段の一例である。処理R6が、変更処理の一例である。処理RA4が、取得処理の一例である。処理RA7、処理RA8、処理RA11、処理RA12が、確定処理の一例である。処理RB5が、読取処理の一例である。処理RA14が、フラグ設定処理の一例である。処理RC1が事前読取処理の一例である。処理RC7、処理RC9、処理RC10、および処理RC11の一部が、生成処理の一例である。処理RC11〜処理RC13が、受付処理の一例である。処理RC6が、判定処理の一例である。処理RC3および処理RC4の一部が、算出処理の一例である。
【0075】
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることなく、その範囲を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0076】
(1)本実施形態の画像読取装置SMは、プリンタ部を備えた複合機に適用されても良い。
【0077】
(2)本実施形態の読取機構RMは、CISを用いた構成でなくてもよく、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を固定し、移動するミラーを用いた構成であってもよい。この場合、「読取位置」は、撮像素子の位置ではなく、ミラーの位置である。
【0078】
(3)本実施形態では、処理RA5は、先頭画素を用いて第1基準角C1か否かを判断したが、読取範囲を広く設定し、原稿の端部を直接検知する構成としても良い。また、処理RA9は、最終画素を用いて第2基準角C2か否かを判断したが、読取範囲を広く設定し、原稿の端部を直接検知する構成としても良い。
【0079】
(4)本実施形態では、処理RC5は、左エッジ辺と下エッジ辺との角度からエッジ辺が正常に検出できたか否かを判断したが、他のエッジ辺の角度を用いても良いし、エッジ辺の位置や長さ等から正常に検出できたか否かを判断しても良い。
【0080】
(5)本実施形態では、処理RA3、処理RB3、および処理RC7は、最大読取範囲を用いているが、予め定められた別の読取範囲でも良いし、ユーザにより予め設定された読取範囲でも良い。
【符号の説明】
【0081】
SM:画像読取装置、DT:原稿載置台、CV:カバー、MB:本体、TP:透明板、HP:ホーム位置、BP1:第1待機位置、BP2:第2待機位置、C1:第1基準角、C2:第2基準角、C3:第3基準角、OM:操作機構、DM:表示機構、SE:カバーセンサ、RM:読取機構、RU:読取部、IS:撮像素子、RL:ロッドレンズ、LS:光源、MM:移動機構、CU:制御部、CR:コントローラ、ME:メモリ、PGM:プログラム、DC:原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6