特許第6592975号(P6592975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6592975
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20191010BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20191010BHJP
【FI】
   A63B53/04 A
   A63B102:32
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-117058(P2015-117058)
(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2017-397(P2017-397A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2017年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100156845
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 威一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100112896
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏記
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】阿部 浩史
(72)【発明者】
【氏名】神野 大介
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−312846(JP,A)
【文献】 実開昭57−037114(JP,U)
【文献】 特開2010−169253(JP,A)
【文献】 特開2007−146942(JP,A)
【文献】 特開2000−160700(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0160854(US,A1)
【文献】 特開2011−030836(JP,A)
【文献】 特開2006−000435(JP,A)
【文献】 特開2007−151830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04−53/06
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウン部と、
フェース部と、
少なくとも1つの凹部を有するソール部と、
前記凹部に取り付けられる、装飾部材と、
前記装飾部材を前記凹部に固定するための固定部材と、
を備え、
前記凹部の底面には、固定穴が形成されており、
前記固定部材は、筒状の頭部と、前記頭部に取り付けられ、当該頭部よりも小径で前記固定穴に固定される軸部と、を備え、
前記頭部は、外周面と、前記軸部が連結される下面とを有し、
前記装飾部材は、前記固定部材の頭部が外部に露出するように当該固定部材が取り付けられる貫通孔を有しており、
前記貫通孔は、前記軸部が挿通される軸部挿通部と、当該軸部挿通部より大径で、前記頭部が配置される頭部配置部と、を備え、前記頭部配置部の内壁面と前記頭部の外周面との間には、少なくとも外部に露出する部分において隙間が形成されており、
前記頭部配置部は、前記内壁面と前記軸部挿通部との間に段部を有しており、
前記段部に、前記頭部の下面が接し、
前記頭部配置部の内壁面は、前記頭部の外周面と接触する接触部と、当該接触部と軸方向に並び、前記頭部の外周面よりも大径の隙間部とで形成されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記頭部の外周面は、前記軸部側にいくにしたがって、径が小さくなるテーパ状に形成されており、
前記貫通孔の接触部の内壁面は、前記頭部の外周面と対応するように、前記軸部挿通部側にいくにしたがって、径が小さくなるテーパ状に形成されている、請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記装飾部材は、接着剤により前記凹部に固定される、請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記装飾部材において外部を向く面と、前記頭部において外部を向く面とが、同一平面上に配置されるように構成されている、請求項1からのいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記固定部材及び装飾部材の少なくとも一方は、前記凹部に着脱自在に取り付けられる調整ウエイトである、請求項1からのいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、ソール部に凹部を形成し、この凹部にウエイトを着脱自在に取り付けることができるゴルフクラブヘッドが提案されている。具体的には、凹部に対し、円形の装飾部材(質量要素)を配置するとともに、この装飾部材の貫通孔に対し、ボルト状の固定部材を挿通し、凹部に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4370254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなゴルフクラブヘッドでは、装飾部材に対する固定部材の位置ずれが生じると、固定部材の頭部の外周面と装飾部材の貫通孔との間に隙間が生じ、見栄えが悪くなるという問題がある。そこで、本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、固定部材が装飾部材に対してずれて配置された場合でも、外観性状が低下するのを防止することができる、ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るゴルフクラブヘッドは、クラウン部と、フェース部と、少なくとも1つの凹部を有するソール部と、前記凹部に取り付けられる、装飾部材と、前記装飾部材を前記凹部に固定するための固定部材と、を備え、前記凹部の底面には、固定穴が形成されており、前記固定部材は、筒状の頭部と、前記頭部に取り付けられ、当該頭部よりも小径で前記固定穴に固定される軸部と、を備え、前記装飾部材は、前記固定部材の頭部が外部に露出するように当該固定部材が取り付けられる貫通孔を有しており、前記貫通孔は、前記軸部が挿通される軸部挿通部と、当該軸部挿通部より大径で、前記頭部が配置される頭部配置部と、を備え、前記頭部配置部の内壁面と前記頭部の外周面との間には、少なくとも外部に露出する部分において隙間が形成されている。
【0006】
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記頭部配置部の内壁面は、前記頭部の外周面と接触する接触部と、当該接触部と軸方向に並び、前記頭部の外周面よりも大径の隙間部とで形成することができる。
【0007】
上記各ゴルフクラブヘッドにおいて、前記頭部の外周面は、前記軸部側にいくにしたがって、径が小さくなるテーパ状に形成することができ、前記貫通孔の接触部の内壁面は、前記頭部の外周面と対応するように、前記軸部挿通部側にいくにしたがって、径が小さくなるテーパ状に形成することができる。
【0008】
上記各ゴルフクラブヘッドにおいて、前記装飾部材は、接着剤により前記凹部に固定することができる。
【0009】
上記各ゴルフクラブヘッドにおいては、前記装飾部材において外部を向く面と、前記頭部において外部を向く面とが、同一平面上に配置されるように構成することができる。
【0010】
上記各ゴルフクラブヘッドにおいて、前記固定部材及び装飾部材の少なくとも一方は、前記凹部に着脱自在に取り付けられる調整ウエイトとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るゴルフクラブヘッドによれば、固定部材が装飾部材に対してずれて配置された場合でも、外観性状が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るゴルフクラブヘッドの一実施形態における基準状態の斜視図である。
図2図1の平面図である。
図3図1の底面図である。
図4】固定部材の平面図(a)及び断面図(b)である。
図5】装飾部材の平面図(a)及び断面図(b)である。
図6】装飾部材及び固定部材がソール部に取り付けられた状態を示す断面図である。
図7図6の平面図である。
図8】装飾部材及び固定部材の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るゴルフクラブヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図、図2図1の平面図、図3図1の底面図である。以下では、まず、ゴルフクラブヘッドの概要について説明し、その後、ゴルフクラブヘッドに設けられる装飾部材及び固定部材について説明する。
【0014】
<1.ゴルフクラブヘッドの概要>
【0015】
図1に示すように、このゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある)10は、内部空間を有する中空構造であり、フェース部1、クラウン部2、ソール部3、サイド部4、及びホーゼル部5によって壁面が形成されている。
【0016】
フェース部1は、ボールを打球する面であるフェース面を有しており、クラウン部2はフェース部1と隣接し、ヘッドの上面を構成する。ソール部3は、ヘッドの底面を構成し、フェース部1及びサイド部4と隣接する。また、サイド部4は、クラウン部2とソール部3との間の部位であり、フェース部1のトウ側からヘッドのバック側を通りフェース部1のヒール側へと延びる部位である。さらに、ホーゼル部5は、クラウン部2のヒール側に隣接して設けられる部位であり、ゴルフクラブのシャフト(図示省略)が挿入される挿入孔51を有している。そして、この挿入孔51の中心軸線Zは、シャフトの軸線に一致している。
【0017】
ここで、上述した基準状態について説明する。まず、図1及び図2に示すように、上記中心軸線Zが地面(水平面)に対して垂直な平面P1に含まれ、且つ所定のライ角及びリアルロフト角で地面上にヘッド10が載置された状態を基準状態と規定する。そして、上記平面P1を基準垂直面と称する。また、図2に示すように、上記基準垂直面P1と地面との交線の方向をトウ−ヒール方向と称し、このトウ−ヒール方向に対して垂直であり且つ地面に対して平行な方向をフェース−バック方向と称することとする。
【0018】
図3に示すように、ソール部3には、円形状の凹部31が形成されており、この凹部31の底面311には雌ネジが形成された固定穴312が設けられている。そして、凹部31には、後述するように、装飾部材6と、この装飾部材6を凹部31に固定するための固定部材7が配置される。
【0019】
また、本実施形態において、ソール部3とフェース部1、及びソール部3とサイド部4の境界は次のように定義することができる。すなわち、ソール部3とフェース部1、及びソール部3とサイド部4の間に稜線が形成されている場合には、これが境界となる。また、本実施形態に係るゴルフクラブヘッドでは、サイド部4を有しているが、例えば、サイド部4を有さなかったり、サイド部4が明確に判別できずソール部3に含まれており、ソール部3がクラウン部2と直接連結されている場合には、ソール部3とクラウン部2との間の稜線が、両者の境界となる。また、明確な稜線が形成されていない場合には、ヘッドを基準状態に設置し、これをヘッド10の重心の真上から見たときの輪郭が境界となる。なお、上記のようにサイド部が明確に判断できない場合も考慮して、本発明に係る「ソール部」は、サイド部を含むものとする。
【0020】
なお、ヘッド10の体積の上限は特に定めないが、実用上、例えば500cm3以下が望ましく、またR&AやUSGAのルール規制に従う場合には470cm3以下が望ましい。
【0021】
また、ヘッド10は、例えば、比重がほぼ4.4〜4.5程度のチタン合金(Ti−6Al−4V)で形成することができる。また、チタン合金以外にも、例えばステンレス鋼、マレージング鋼、アルミ合金、マグネシウム合金、またはアモルファス合金などの中から1種または2種以上を用いて形成することもできる。
【0022】
なお、本実施形態に係るヘッド10は、少なくともソール部3を有するヘッド本体と、他の部分を組み合わせることで構成される。例えば、フェース部1のみを別部材で構成してヘッド本体に取り付けることでヘッドを構成したり、あるいはクラウン部2やサイド部4に開口を設けたヘッド本体を形成し、この開口を別部材で塞ぐことでヘッドを構成することもできる。
【0023】
<2.固定部材>
次に、固定部材7について、図4を参照しつつ説明する。図4は固定部材の平面図(a)及び断面図(b)である。以下では、説明の便宜上、図面内の上下方向に基づき、説明を行うが、必ずしもこの方向が発明を限定するものではない。この点は、以下の装飾部材6の説明及びその取付に関する説明についても同じである。
【0024】
図4に示すように、固定部材7は、円板状の頭部71と、この頭部71の下面から延びる軸部72とを備えている。そして、頭部71の上面には装飾が施されている。すなわち、頭部71の上面には、外周縁から径方向内方に延びる複数の三角形状の凹部711が等間隔で形成されている。また、頭部71の上面の中央には、六角レンチなどの工具を差し込むための工具穴712が形成されている。さらに、頭部71の外周面713は、下方にいくにしたがって径が小さくなるテーパ状に形成されている。一方、軸部72は、円柱状に形成されており、外周面には雄ネジが形成されている。そして、この軸部72は、上述したソール部3に形成された凹部31の固定穴312の雌ネジに螺合するようになっている。
【0025】
固定部材7を形成する材料は、特には限定されないが、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属や樹脂材料用いることができる。また、この固定部材7を、調整用のウエイトとして用いることができる。すなわち、それぞれ異なる重さでほぼ同じ形状の複数種類の固定部材7を用意しておく。そして、複数種類のうちのいずれかの固定部材7を用いることで、ヘッドの重量や重心位置を変更することができる。
【0026】
<3.装飾部材>
次に、装飾部材6について、図5を参照しつつ説明する。図5は装飾部材の平面図(a)及び断面図(b)である。
【0027】
図5に示すように、装飾部材6は、ソール部3に装飾を施すために設けられるものである。円形の板状に形成されており、中央に貫通孔61が形成されている。装飾部材6の外径は、ソール部3の凹部31の内径とほぼ一致しており、また、中央の貫通孔61は、凹部31の固定穴312と対応する位置に配置されている。装飾部材6の上面には、装飾が施されているが、種々の方法での装飾が可能である。例えば、着色したり、凹凸による模様を形成することで装飾を施すことができる。図5の例では、貫通孔61の周囲に、リング62が形成されるとともに、複数の三角形状の突部63が装飾部材6の上面の外周縁から径方向内方へ突出するような模様が形成されている。そして、装飾部材6の上面において、リング62及び突部63以外の領域が削られて凹部となることで、模様を形成している。なお、装飾部材6の突部63と固定部材7の凹部711とは、ともに三角形状に形成されており、模様の共通化を図っている。
【0028】
貫通孔61は、固定部材7を取り付けるために形成されており、円筒状の3つの部位で構成されている。すなわち、固定部材7の軸部72が挿通される第1部(軸部挿通部)611と、この第1部611より大径で、頭部71が配置される第2部(接触部)612と、この第2部612より大径で頭部71の周縁に隙間を形成する第3部(隙間部)613と、で構成されており、第1部から第3部611〜613は、この順で、貫通孔61の下方から上方へ連続するように形成されている。なお、本実施形態の第2部612と第3部613とで、本発明の頭部配置部を構成している。
【0029】
第1部611は、固定部材7の軸部72よりもやや大径に形成されている。第2部612は、第1部611より大径であるため、第2部612と第1部611との間には、第1段部614が形成されており、この第1段部614に固定部材7の頭部71の下面が設置されるようになっている。このとき、頭部71の上面と装飾部材6の上面とは、概ね同一平面上に配置されるように、第1段部614の深さが規定されている。また、第2部612の内壁面は、下方にいくにしたがって径が小さくなるテーパ状に形成されており、固定部材7の頭部71の外周面713のテーパと対応している。
【0030】
第3部613は、第2部612よりやや大径に形成されており、固定部材7の頭部71が装飾部材6に装着されたとき、固定部材7の頭部の周縁に隙間を形成するものである。すなわち、頭部71の外周面713と第3部613の内壁面との間に隙間Dが形成される(図6参照)。この隙間Dの幅は、特には限定されないが、例えば、0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.5mmとすることができる。また、第3部613と第2部612との間には、第2段部615が形成されるが、この第2段部615は、装着された頭部71の上下方向の中間部に位置するように構成されている。
【0031】
装飾部材6を形成する材料は特には限定されないが、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属、樹脂材料などで形成することもできる。また、固定部材7と同様に、装飾部材6を調整用のウエイトとして用いることもできる。
【0032】
<4.固定部材及び装飾部材の取付>
次に、固定部材及び装飾部材の取付について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は装飾部材及び固定部材がソール部に取り付けられた状態を示す断面図、図7図6の平面図である。
【0033】
まず、装飾部材6の下面に接着剤を塗布した後、装飾部材6をソール部3の凹部31に配置する。続いて、装飾部材6の貫通孔61に固定部材7を配置し、固定部材7の上面の工具穴712に六角レンチを差し込み、回転させる。これにより、固定部材7の軸部72の雄ネジが、凹部31の雌ネジにねじ込まれていく。そして、固定部材7が完全にねじ込まれると、頭部71の上面と装飾部材6の上面がほぼ一致する。こうして、図6及び図7に示すように、固定部材7及び装飾部材6の取付が完了する。
【0034】
<5.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、装飾部材6の貫通孔61に、固定部材7の頭部71よりも径の大きい第3部613を形成しているため、固定部材7が装飾部材6に装着されたときには、頭部71の外周に隙間Dが形成される。そのため、次のような利点がある。例えば、このような隙間が形成されていない場合には、頭部71は貫通孔61に対して隙間なく配置されることになる。このとき、頭部71の位置ずれが生じた場合には、貫通孔61と頭部71との間の一部に隙間が生じ、外観上、見栄えが悪くなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、予め頭部71の外周に隙間Dが形成されていると、頭部71が第3部613に対して多少ずれて取り付けられたとしても、予め形成された隙間Dの幅が変化するだけであるので、位置ずれが目立たない。
【0035】
また、固定部材7の頭部71の外周面713、及び装飾部材6の第2部612の内壁面がテーパ状に形成されているため、例えば、寸法誤差により、頭部71の位置ずれが生じた場合であっても、頭部71を第2部612に対して、はめ込むことができる。さらに、固定部材7がねじ込まれるにしたがって、頭部71の外周面713が第2部612の内壁面を下方に押圧するため、装飾部材6を凹部31の底面311に対して、強固に押しつけることができる。
【0036】
さらに、装飾部材6を接着剤により、凹部31に固定しているため、振動に起因する異音が装飾部材6から発生するのを抑制することができる。また、固定部材7はネジ止めにより、凹部31に即座に固定することができるため、装飾部材6を固定する接着剤が乾くのを待つことなく、装飾部材6を凹部31に固定することができる。
【0037】
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
【0038】
<6.1>
上記実施形態においては、装飾部材6が円形に形成されているが、形状は特には限定されない。例えば、多角形状にすることもできる。また、装飾部材6は、板状のほか、ブロック状に形成されていてもよい。
【0039】
<6.2>
上記実施形態においては、装飾部材6の貫通孔61の第2部612の内壁面がテーパ状に形成されているが、テーパを形成せず、貫通孔61の軸方向と平行に延びるように形成することもできる。この場合、固定部材7の頭部71の外周面713も、テーパを設けず、軸部72の延びる方向と平行に形成することができる。
【0040】
<6.3>
上記実施形態においては、装飾部材6の貫通孔61において、頭部71が配置される部位を第2部612と第3部613とで構成しているが、例えば、頭部71の外周面713と接触する部位を形成せず、図8に示すように、頭部71の外周面全体との間に隙間Dを形成するようにすることもできる。
【0041】
<6.4>
上記実施形態においては、固定部材7の頭部71の上面と、装飾部材6の上面とが概ね同一平面上にあるように形成しているが、装飾部材6に対して頭部71が突出したり、あるいは凹むように形成することもできる。
【0042】
<6.5>
固定部材7は、ネジ止めにより、ソール部の凹部31に固定されているが、ネジ止め以外でもよく、例えば、接着剤やスナップ式の嵌合により固定することもできる。
【0043】
<6.6>
上記実施形態では、ソール部3に1つの凹部31を設けているが、複数設けてもよい。これに合わせて、装飾部材6及び固定部材7も複数設けることもできる。
【0044】
<6.7>
上記実施形態では、ウッド型ゴルフクラブについて説明したが、本発明に係るゴルフクラブは、これに限定されない。例えば、いわゆるユーティリティ型及びハイブリッド型等を含む中空のヘッドを有するゴルフクラブであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 :フェース部
2 :クラウン部
3 :ソール部
31 :凹部
311 :底面
312 :固定穴
6 :装飾部材
61 :貫通孔
611 :第1部(軸部挿通部)
612 :第2部(頭部配置部、接触部)
613 :第3部(頭部配置部、隙間部)
7 :固定部材
71 :頭部
713 :外周面
72 :軸部
D :隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8