(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末でネットワーク上のコンテンツを視聴する場合、宅外で無線WANである携帯電波で視聴中に帰宅することがある。帰宅した時点で、自宅の無線LANのアクセスポイントに接続することになるが、ネットワークが切り替わることにより、データの読み込みが滞るため視聴番組が途切れてしまう。また、携帯端末が公衆無線LANに接続可能となったとき、同公衆無線LANに接続するものの、このような公衆無線LANにはネットワークの制限がかけられていて動画の再生などができない場合がある。コンテンツをバファリングするとしても、途切れないことを補償できるものでもなく、コンテンツの視聴が途切れることで不愉快である。
【0006】
本発明は、ネットワークの移行時の不快感を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の無線ネットワークと第2の無線ネットワークとに接続可能な接続部を備え、コンテンツサーバーからコンテンツの配信を受けるコンテンツ受信装置であって、所定の第一の条件に合致する前記第2の無線ネットワークのアクセスポイントを記憶する記憶部と、前記第1の無線ネットワークまたは前記第2の無線ネットワークに接続中に前記記憶部に記憶されている前記第2の無線ネットワークの他のアクセスポイントに接続可能となったことを検出する検出部と、前記コンテンツの受信中に所定の第二の条件が成立した場合に、前記検出された前記第2のネットワークのアクセスポイントへの切り替えを行う制御部とを具備する構成としてある。
【0008】
前記構成において、本コンテンツ受信装置は、接続部により、第1の無線ネットワークと第2の無線ネットワークとに接続可能であり、いずれかに接続した状態で、コンテンツサーバーからコンテンツの配信を受ける。また、記憶部は、所定の第一の条件に合致する前記第2の無線ネットワークのアクセスポイントを記憶し、検出部は、前記第1の無線ネットワークまたは前記第2の無線ネットワークに接続中に前記記憶部に記憶されている前記第2の無線ネットワークの他のアクセスポイントに接続可能となったことを検出する。
【0009】
従来は、無線WANに接続中または無線LANに接続中に他の無線LANに接続可能となったことを検出すると、無線WAN接続から無線LANへ切り替えていた。しかし、そのまま接続してしまうとコンテンツの再生の途中に配信が途切れるなどの不具合が生じる。
しかし、検出部によって前記第1の無線ネットワークに接続中に前記第2の無線ネットワークのアクセスポイントに接続可能となったことを検出しても、すぐにこの第2の無線ネットワークのアクセスポイントには切り替えることはしない。そして、制御部は、所定の第二の条件が成立したら、前記検出された前記第2のネットワークのアクセスポイントへの切り替えを行う。
【0010】
例えば、コンテンツの配信時に途切れても構わないようなタイミングを第二の条件として待機することができる。このような条件の成立を待機することで、切替時に配信が途切れるとしても、視聴時に不快感を感じさせない。
第1の無線ネットワークの具体例として無線WANが該当し、第2の無線ネットワークとして無線LANが該当するが、これらに限定されるものではない。
【0011】
本発明の他の態様として、前記制御部は、前記所定の第二の条件が成立するまで接続部で受信するデータのバッファを増やす構成としても良い。
前記構成において、前記制御部は、前記所定の第二の条件が成立するまで接続部で受信するデータのバッファを増やす。バッファを増やすので、再生しているタイミングよりも将来にわたってのデータをバッファに蓄えていく。
【0012】
本発明の他の態様として、前記制御部は、コンテンツの中のCMのタイミングを検出したときに、前記所定の第二の条件が成立したものとする構成としても良い。
前記構成において、コンテンツの中のCMのタイミングを、条件とすると、本来視聴したいコンテンツの中でCMが開始したタイミングを待って検出された第2の無線ネットワークのアクセスポイントに切り替える。切替に伴ってデータの転送が途切れる可能性は避けられないが、転送が途切れたとしても、CMの視聴中になるのでユーザは不快感を感じない。
【0013】
本発明の他の態様として、前記制御部は、所定の操作を行ったときに、前記所定の第二の条件が成立したものとする構成としても良い。
前記構成において、例えば、所定の操作をすると、前記制御部は所定の第二の条件が成立したと判断し、第1の無線ネットワークから第2の無線ネットワークに切り替える。
第1の無線ネットワークから第2の無線ネットワークに切り替えるのを待機している間に、ユーザが所定の走査、例えば、コンテンツの再生以外の操作をしたとする。再生以外の操作をしているので、本来のコンテンツの再生を視聴している訳ではない。従って、転送が途切れたとしても、コンテンツを視聴しているわけではないのでユーザは不快感を感じない。また、再生の走査をしたとしても、視聴以外の操作に関心が高まっているので、転送が途切れたとしても、コンテンツを視聴しているわけではないのでユーザは不快感を感じにくい。
【0014】
本発明の他の態様として、前記制御部は、コンテンツのタイトルが変化したときに、前記所定の第二の条件が成立したものとする構成としても良い。
コンテンツのタイトルが変化したということは、一つのコンテンツの再生は終了したはずである。従って、このタイミングで配信が一時的に途切れても、それまでのコンテンツを視聴しているわけではないのでユーザは不快感を感じない。
前記構成において、コンテンツのタイトルが変化すると、前記制御部は、コンテンツのタイトルが変化したときに、前記所定の第二の条件が成立したと判断し、検出された第2の無線ネットワークのアクセスポイントに切り替える。
【0015】
本発明の他の態様として、前記第2の無線ネットワークに接続中に電波強度を検出する電波強度検出部を備え、前記制御部は、検出された電波強度に基づいて前記接続部で受信するデータのバッファを増やす構成としても良い。
前記構成において、前記電波強度検出部は、前記第2の無線ネットワークに接続中に電波強度を検出する。そして、前記制御部は、前記電波強度検出部は、検出された電波強度に基づいて前記接続部で受信するデータのバッファを増やす。
【0016】
例えば、無線LANに接続中に無線LANの電波強度の低下を検出するときは、本コンテンツ受信装置が移動しており、ある無線LAN圏内から外れようとしている状況であると考えられる。このような場合に、バッファを増やすことが可能であり、再生しているタイミングよりも将来にわたってのデータをバッファに蓄えていく。そして、ある無線LAN圏内から外れ、無線WANに接続するか、別の無線LANに接続するまでに、できる限りコンテンツが途切れないように備えることができる。
【0017】
このように、本発明は、コンテンツの再生中に途切れても良いようなタイミングを待機し、そのようなタイミングに無線WANから無線LANへの切替を許容しているともいえる。また、本発明の手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
【0018】
ところで、このようなコンテンツ受信装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0019】
発明の思想の具現化例として、コンテンツ受信装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0020】
本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。例えば、各種の演算処理といっても、その実現方法はオペレーティングシステムにおける所定の関数を呼び出して処理することも可能であれば、このような関数を呼び出すことなくハードウェアから入力することも可能である。そして、実際にはオペレーティングシステムの介在のもとで実現するとしても、プログラムが媒体に記録されて流通される過程においては、このプログラムだけで本発明を実施できるものと理解することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコンテンツ受信装置は、コンテンツの配信時に途切れても構わないようなタイミングを切替えるための条件(所定の第二の条件)として待機することができ、このような条件の成立を待機することで、切替時に配信が途切れたとしても視聴時に不快感を感じさせないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
・実施形態1
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるコンテンツ受信装置であるDMPのネットワーク接続図である。
同図において、LAN11は、ルータ12を介して、インターネット13に接続されている。ルータ12は、ゲートウェイを兼ねており、LAN11に接続されたネットワーク機器は同ルータ12を介してインターネット13に接続された各ネットワーク機器と接続可能となっている。
【0024】
LAN11は、ユーザの自宅内、あるいは会社内といった、比較的小規模なネットワークである。本実施例においては、具体例として、ユーザが自宅に設定した自宅LANを想定して説明する。
近年、テレビ放送や衛星放送を受信し、または録画や再生が可能な複合機器が利用されている。一般に、チューナーに加えて、ハードディスクドライブや、ブルーレイディスクドライブを備えており、さらに、ネットワークにも接続して、ネットワークを介して他の機器とデータ通信が可能となっている。データ通信により、デジタルメディアの配信、ダビング、再生といった多種多様な視聴等が可能となってきている。
【0025】
内部にハードディスクドライブやブルーレイディスクドライブを備える機器は、ネットワークを介してデジタルメディアを配信することも可能であり、デジタルメディアサーバー(DMS)と呼ばれる。DMSにおいても、同じネットワークに接続されたネットワーク機器に対してのみ配信可能な宅内配信機器DMSN21a,DMSN21bや、ルータ12を介してインターネット13に接続されているネットワーク機器に対しても配信可能な宅外配信機器DMST22がある。なお、DMSは多種多様であり、上述したチューナを備えた録画再生機器に限定されるものではない。また、DMSは他のDMSからコンテンツの配信を受けて再生するDMPとしての機能を有するものも多い。
【0026】
図2は、DMSの概略ブロック図である。
DMS40は、地上波、衛星放送波などのテレビ放送、ラジオ放送、データ放送を受信するチューナ41と、放送内容に応じたデジタルデータを記録再生するハードディスクドライブ42と、ネットワークに接続するためのネットワークインターフェイス43と、これらを制御するとともに外部のディスプレイ45に画像や音声を出力する制御部44を備えている。制御部44は、ハードディスクドライブ42に対してデジタルデータの記録再生を行う際に使用するデコーダー44aとエンコーダー44b、データに基づいて映像や音声の出力に使用する表示等制御部44c、ハードディスクドライブ42への記録情報を管理するCDS管理部44d、ネットワークインターフェイスを介してコンテンツを配信する際に使用する宅外配信部44eと宅内配信部44fなどを備えている。
【0027】
制御部44の各機能は、独立した回路構成で実現する場合もあるが、各機能に対応する専用のLSIを備えつつCPUがそれらのLSIを制御して実現していることが多い。このため、CPUおよびそのプログラムを実施するためのROMやRAMなどを備えているとともに、各機能はハードウェアとソフトウェアとによって実現されていることになる。この他、ユーザが操作を指示するリモコン46を備えている。
【0028】
通常、インターネット13に接続されたネットワーク機器は、LAN11に接続されているネットワーク機器のアドレスを確認することができない。このため、宅外配信機器DMST22は、インターネット13に接続されているアクティベーションサーバー31に所在の情報を登録し、デジタルメディアの配信を受けるディジタルメディアプレーヤー(DMP)32は、このアクティベーションサーバー31から所定の情報を入手する。この情報を利用し、インターネット13に接続しているDMP32がLAN11に接続しているネットワーク機器に接続することが可能となる。なお、アクティベーションサーバー31を介してWANからLANに接続する手法は公知の手法を採用可能であり、ここでは詳細な説明は省略している。
【0029】
宅外配信機器DMST22と、宅内配信機器DMSN21a,21bは、チューナーで受信した放送内容をコンテンツとして録画し、再生するのに加え、ネットワークを介して同コンテンツを配信する。配信を受ける側のDMPは、宅外配信機器DMST22に対して、保持しているコンテンツの情報を求めたり、特定のコンテンツの配信を要求する。
【0030】
図3は、コンテンツ受信装置であるDMP32の構成を示すブロック図である。
本実施例のDMP32は、携帯情報端末として実現されている。DMP32は、情報端末基本機能33と、動画再生アプリケーション34とで構成されている。
情報端末基本機能33は、CPU33aと、フラッシュROM33bと、RAM33cとを備え、CPU33aは後述する所定のプログラムに従って各部を制御する処理を実行できる。本DMP32は、表示装置33eと、タッチパネル33dとを備え、表示装置33eの表示を見ながらタッチパネル33dによってタッチ操作が可能である。また、3G/LTE通信部33fと、無線LAN通信部33gと、ネットワーク管理部33jとを備えており、3G/LTE通信部33fにて無線WAN環境と接続可能であり、無線LAN通信部33gにて無線LAN環境に接続可能であり、これらによって接続部を構成している。なお、ネットワーク管理部33jは、後述するような無線LANのアクセスポイントの検出や、ネットワークの切替の禁止や解除などを実現でき、また、無線LAN情報管理部33hにて無線LAN接続に関する情報を記憶する。
【0031】
DMP32は、ソフトウェアの基本となるOS33mを備え、また、動画再生をハードウェアで補助する動画再生機能33kを備えている。
DMP32は、OS33m上でアプリケーションソフトウェアを実施でき、その一つとして動画再生アプリケーション34が実行される。動画再生アプリケーション34は、再生可能無線LAN情報管理部34aと、視聴中コンテンツ判別処理部34bと、アプリケーションUI34cと、再生制御処理部34dとを備えている。再生可能無線LAN情報管理部34aは、無線LAN環境でコンテンツ再生を安定して行えた場合にそのアクセスポイントを記憶しておくものであり、視聴中コンテンツ判別処理部34bは、コンテンツ再生を行っているときに再生内容がCM(コマーシャル)であるのか、あるいはコンテンツのタイトルを認識することでタイトルが変化するタイミングであるのか、あるいはコンテンツの中でもオープニング部分であるのかという、ある時点での再生中のコンテンツの内容を判別するものである。アプリケーションUI34cは、DMP32のユーザが堂外再生に対する操作を入力するためのUIであり、再生操作の他、早送り指示、一時停止指示、早戻し指示、停止指示といった各種の入力を受け付けたり、再生中の経過時間などの各種の表示を行う。再生制御処理部34dは、コンテンツとして受信するデータに基づいてコンテンツを再生するものであり、動画再生機能33kを制御してハードウェアデコーディングを行わせる。
【0032】
図4は、再生実績のあるアクセスポイントとして登録するフローチャートである。
スタート
宅外配信であれば、コンテンツの配信を受けるためには、DMP32は、インターネット13を介してLAN11に接続する。その後、DMP32のCPU33aは、ステップS100にて、無線LAN使用中であると判断すると、ステップS102にて、コンテンツの再生を開始し、ステップS104にて、コンテンツ再生が安定して行えているか判断する。コンテンツの再生は、DMP32から宅外配信機器DMST22に対してコンテンツのリストを要求し、同リストに基づいてコンテンツを決定したら、DMP32から同コンテンツの配信を宅外配信機器DMST22に要求する。すると、宅外配信機器DMST22は、その時点で確立しているネットワークを使用してDMP32にコンテンツのデータを送信する。コンテンツを安定して再生できるか否かは、主に一定期間にわたって再生が途切れない程度にコンテンツのデータを受信できたか否かを判断する。例えば、180秒間にわたって再生が途切れなかったら安定して再生できると判断すればよい。再生が途切れなかったか否かは再生制御処理部34dなどによって判断できる。なお、ステップS100では、無線LAN使用中であるか判断する処理を行っているが、実際にはコンテンツの再生を開始したときに、無線LAN使用中であればステップS104以下の処理を実施すればよい。
【0033】
そして、安定して再生が行えていると判断したときは、CPU33aは、ステップS106にて、アプリで再生実績のあるアクセスポイントとして登録する。具体的には、CPUは、アクセスポイントのSSID(個別の識別情報に相当する)を再生可能無線LAN情報管理部34aに登録する。なお、無線LAN接続しているとき、接続しているアクセスポイントのSSIDは無線LAN情報管理部33hにて管理している。また、ステップS100〜S106の処理は、所定の第一の条件に合致する無線LANのアクセスポイントを記憶する記憶部に相当する。
【0034】
以後、新たな無線LAN環境でコンテンツ再生を行うたびに、CPU33aは上述した処理を実施し、無線LAN接続しているアクセスポイント毎に安定して再生が行える無線LAN環境か否かの情報を再生可能無線LAN情報管理部34aに蓄積していく。
【0035】
図5は、実績のあるアクセスポイントの場合に無線WANから無線LANへの切り替え手順を示すフローチャートである。
本実施例のDMP32のCPU33aは、ステップS200にて、3G/LTE使用中か否であると判断すると、ステップS202にて、コンテンツの再生を開始するが、このときに、ステップS204にて、OSのネットワークの切替機能を制限する。3G/LTEとは、無線WAN環境の一種である。通常であれば、携帯情報端末は、OS33mの機能により、無線WAN環境でネットワークに接続しているときに、接続可能な無線LAN環境を発見すれば、無線LAN環境への接続と切替を試みる。これに対して、ステップS204では、このような切替を禁止しておく。切替の禁止は、ネットワーク管理部33jに対して所定のパラメータを設定することで実現できる。
【0036】
この後、コンテンツの再生を継続するが、CPUは、OS33mの機能により、ステップS206にて、無線LANアクセスポイント検出したか判断する。OS33mは無線LAN通信部33gによって所定の時間間隔毎に無線LAN環境が周囲にあるか否かを監視している。その監視結果をCPUはステップS206にて取得すればよい。ステップS206の判断は、無線WANに接続中または無線LANに接続中に他の前記無線LANに接続可能となったことを検出する検出部に相当する。
【0037】
そして、無線LANアクセスポイント検出した場合は、CPU33aは、そのSSIDを取得し、ステップS208にて、アプリケーションで再生実績のあるアクセスポイントを発見したか判断する。コンテンツを安定して再生できた無線LANのアクセスポイントは再生可能無線LAN情報管理部34aにSSIDが登録されているから、CPUは、新たに発見されてSSIDが再生可能無線LAN情報管理部34aに登録されているSSIDと一致するかを判断すればよい。
【0038】
ステップS206にて検出された無線LANアクセスポイントのSSIDが再生可能無線LAN情報管理部34aに登録されていなければ、アプリで再生実績のあるアクセスポイントではない。しかし、ステップS206にて検出された無線LANアクセスポイントのSSIDが再生可能無線LAN情報管理部34aに登録されていれば、アプリで再生実績のあるアクセスポイントであり、無線WANから無線LANへの切替の禁止を解除する。具体的には、CPU33aは、ステップS210にて、ネットワークの切り替えを開始する。すなわち、ステップS206〜S210の処理は、アプリで再生実績のあるアクセスポイントを発見するという切替禁止を解除する条件が成立するのを待機し、切替禁止解除条件が成立したら前記無線LANへの切替の禁止を解除するので、前記コンテンツの受信中に所定の第二の条件が成立した場合に、前記検出された無線LANのアクセスポイントへの切り替えを行う制御部に相当する。本実施例では、禁止、待機、解除という判断を行っているが、必ずしも個々の処理が必要というわけではなく、一連の判断と処理によって実質的に同等の処理を行えればよい。また、本実施例では、第1の無線ネットワークの具体例として無線WANが該当し、第2の無線ネットワークとして無線LANが該当するが、これらに限定されるものではない。
【0039】
なお、本実施例の場合は、切替時に再生が途切れてしまうこともあり得る。ステップS212にて、コンテンツのデータ取得できない状況に陥ると、コンテンツの再生中であっても、ステップS214にて、再生が途切れる。その場合は、CPUは、ステップS216にて、無線LANへの切替が完了したと判断されるのを待機して、ステップS218にて、再生を継続する。再生が途切れない場合は、ステップS212以下の処理は発生しない。
なお、上述した実施形態では、無線WANから無線LANへの切り替える際にコンテンツが途切れにくくしている。しかし、本発明は、無線LANから無線LANへの切り替えの際に適用しても効果がある。
また、上述した実施例では、コンテンツサーバーは、LAN11に接続された宅内配信機器DMSN21a,DMSN21bや宅外配信機器DMST22が該当している。しかし、本発明を適用可能なコンテンツサーバーは、LAN11に接続されているものに限られず、インターネット13に接続されているコンテンツサーバーであっても同様に本発明を適用可能である。
【0040】
・実施形態2
実施形態1では、再生実績のあるアクセスポイントを検出したことが、切替禁止を解除する条件であった。しかし、再生実績のあるアクセスポイントであれば、必ず途切れることなくコンテンツの再生を継続できるとは限らない。
【0041】
本実施形態では、コンテンツの再生が途切れるもあることを前提として処理を改善する。その一例として、CMが開始したときに無線WANから無線LANへの切り替えを開始するようにした。CMが開始したときであれば、コンテンツの再生が途切れてしまったとしても、ユーザは不快感を感じにくいからである。
【0042】
図6は、CMが開始したときに無線WANから無線LANへの切り替え手順を示す説明図である。
DMP32で実行する動画再生アプリケーション34は、3G/LTEなどの携帯電波のネットワーク(無線WAN)や、自宅以外の無線LAN経由で、自宅のコンテンツサーバー(DMST22)からコンテンツの配信受ける。このとき利用されるネットワークは、インターネット13や、ホームネットワークのLAN11や、あるいは自宅外の無線LAN14などである。
【0043】
最初、動画再生アプリケーション34は、携帯電波のネットワークを介してコンテンツである番組を視聴している。その途中に、無線LAN(WiFi)を検出したとする。しかし、番組視聴中なので、WiFiを見つけても切り替えさせないようにする。そして、コンテンツの内容を判別してCMの開始を検出すると、CMなので、WiFiに切り替える。このとき、再生を止めてからWiFiに切り替え、切り替えた後で止めた時点から再生を継続するようにしてもよい。CMの開始時に確実に再生を止めてしまうと、その後に再生が途切れるのか否かが分からないという不安定な状況を生じないというメリットがある。ユーザは、その方がはっきりして良いと感じる場合もあるが、できる限り途切れない方を好むユーザに対しては、CMの開始時に再生を止めないで継続してもよい。
【0044】
図7は、このようにCMが開始したときに無線WANから無線LANへの切り替え手順を示すフローチャートである。
CPU33aは、ステップS300にて、無線WAN環境である3G/LTEを使用中であれば以下の処理を実施する。まず、CPU33aは、ステップS302にて、コンテンツの再生を開始したら、ステップS204の処理と同様にして、S304にて、OS33mのネットワークの切替機能を制限する。また、CPU33aは、S306にて、無線LANアクセスポイントを検出すると、S308にて、アプリで再生実績のあるアクセスポイントを発見したのか判断する。以上は、ステップS206,S208と同様である。
【0045】
しかし、本実施例においては、CPU33aは、S310にて、先読みの実行を行なう。先読みの実行は、先読みバッファの領域を大きくする処理であり、指定される先読みバッファが大きくなれば、コンテンツサーバーである宅外配信機器DMST22に対して、より将来の部分のコンテンツデータを要求する。先読みのコンテンツデータが多いほど、何らかの事情でコンテンツデータの配信が途切れたとしても、再生は先読みしたコンテンツデータを処理すればよいので、現実には長い時間にわたって再生が途切れないことになる。
【0046】
一方、CPU33aは、コンテンツの再生を開始したら、視聴中コンテンツ判別処理部34bにより、現時点で再生しているコンテンツを判別する。具体的には、コンテンツの本編か、CMか、オープニングか、タイトルの移り変わり時かということが分かる。そして、視聴中コンテンツ判別処理部34bの判断を得て、ステップS312にて、CMの再生を検出したと判断すると、ステップS314にて、ネットワークの切り替えを開始する。切り替えを開始するので、コンテンツの中のCMのタイミングが、所定の第二の条件が成立したこととなっている。
なお、CMの再生開始のタイミングがユーザーにとって再生が途切れてもよいタイミングといえるのと同様に、コンテンツのタイトルが変更されるタイミングもユーザーにとって再生が途切れてもよいタイミングと言える。コンテンツのタイトルも視聴中コンテンツ判別処理部34bにて判別しているので、CPU33aが、ステップS312にて、CMの再生を検出するのに代えて、タイトルの変更を検出したら、ステップS314にて、ネットワークの切り替えを開始するようにしてもよい。切り替えを開始するので、タイトルの変更のタイミングが、所定の第二の条件が成立したこととなっている。
【0047】
本実施例では、CMの再生を検出する前に、ステップS310にて先読みの実行を開始しているが、CMの再生が開始してから先読みの実行を開始してもよい。また、ステップS310の処理は、切替禁止を解除する条件が成立するまでの待機中に、接続部で受信するデータの(先読み)バッファを増やす処理に相当する。
【0048】
切替開始後、ステップS316にて、コンテンツのデータ取得できない状況になると、ステップS318にて、再生が途切れることになるが、すぐさまステップS320にて、先読み分のデータ再生を継続すればよい。そして、ステップS322にて、無線LANへの切り替えが完了したら、ステップS324にて、そのまま再生を継続する。
【0049】
・実施形態3
コンテンツの再生が途切れても支障のないタイミングとして、ユーザ自身がコンテンツの再生を途切らせるような操作をした場合も可能である。
図8は、ユーザが操作をしたときに無線WANから無線LANへの切り替え手順を示すフローチャートである。
ステップS400〜S410の処理は、ステップS300〜S310の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0050】
CPU33aは、ステップS410にて、先読みの実行を行なった後、ステップS412にて、ユーザによる操作があるかを判断する。ユーザによる操作の有無は、アプリケーションUI34cを介して取得することができる。コンテンツの再生中は、「再生」の操作が最後に行われた操作である。ユーザがタッチパネル33dに触れると、アプリケーションUI34cはタッチパネル33dのどの部分に触れたかの位置情報を取得し、その位置に配置してあるアプリケーションUI34cの操作に対応した処理が実行される。
【0051】
一方、ステップS412にて、CPU33aはアプリケーションUI34cを介してユーザの操作を検出することができる。この操作が再生以外のものであれば、ユーザはコンテンツの再生を自ら一時中断したと判断することができる。このとき、ユーザはコンテンツの継続的な視聴以外のことをしたいのであるから、たとえ、コンテンツの配信が途切れたとしても不快感を感じないはずである。このため、CPU33aは、ステップS414にて、ネットワークの切り替えを開始する。切り替えを開始するので、ユーザによる操作のタイミングが、所定の第二の条件が成立したものとすることとなっている。
以後のステップS416〜S424の処理は、ステップS316〜S324の処理と同じであるので説明を省略する。
【0052】
・実施形態4
図9は、無線LANから無線WANへの切り替え手順を示すフローチャートである。
本実施例では、無線LAN環境でのコンテンツの再生中に無線LANの圏外に移動するような場合にコンテンツの再生を途切れにくくする。
【0053】
CPU33aは、ステップS500にて、無線LAN使用中であると判断し、かつ、ステップS502にて、コンテンツの再生中と判断したら、以下の処理を実施する。まず、CPU33aは、ステップS504にて、無線LAN信号レベルの低下を検出したか判断する。無線LAN信号レベルは無線LAN通信部33gが無線LANのアクセスポイントとの通信中に検出しており、その情報は無線LAN情報管理部33hにて管理されている。従って、CPU33aは、無線LAN情報管理部33hにアクセスし、その時点での信号レベルの値を取得する。CPU33aは、逐次、このアクセスを繰り返すことで、無線LAN信号レベルが徐々に低下しているかを判断できる。無線LAN信号の強度は周囲の様々な要因によって変動するので、CPU33aは、所定期間の平均値を算出しつつ、その平均値が徐々に下がっているか否かを判断するのが好ましい。
【0054】
そして、ステップS504にて、無線LAN信号レベルが低下していることを検出したと判断できた場合には、CPU33aは、ステップS506にて、先読みの実行を行なう。先読みの実行を行うことで、先読みバッファの領域が大きくなり、コンテンツサーバーである宅外配信機器DMST22から多くのコンテンツデータを読み込んで一時的に保存できる。
【0055】
その後、CPU33aは、ステップS508にて、ネットワークの切り替えを開始する。切替開始後、ステップS510にて、コンテンツのデータ取得できない状況になると、本来なら再生が途切れることになるが、すぐさまステップS512にて、先読み分のデータ再生を継続するため、再生は途切れにくい。そして、ステップS514にて、3G/LTEへの切り替えが完了したら、ステップS516にて、そのまま再生を継続する。このようにすることで、無線LAN環境でのコンテンツの再生中に無線LANの圏外に移動し、無線WAN環境へと移行する場合でも、コンテンツの再生を途切れにくくする。
【0056】
ステップS504にて、無線LAN情報管理部33hにアクセスして、信号レベルが徐々に低下しているかを検出する処理は、無線LANに接続中に無線LANの電波強度を検出する電波強度検出部に相当し、ステップS506にて、先読みの実行を行う処理は、電波強度検出部が無線LANの電波強度の低下を検出すると、接続部で受信するデータのバッファを増やす処理に相当する。本実施例では、電波の強度の低下に対応しているが、電波の強度の低下に限られず、電波の強度の変動に基づいてもよい。例えば、電波の変動が大きいところでは不安定なので、バッファを増やすということも可能である。
【0057】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。