特許第6593060号(P6593060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593060
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】導光板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20191010BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20191010BHJP
   B23K 26/354 20140101ALI20191010BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20191010BHJP
   B23K 26/324 20140101ALI20191010BHJP
   C03B 23/203 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   F21V8/00 355
   F21V8/00 100
   G02B6/00 301
   B23K26/354
   B23K26/00 G
   B23K26/324
   C03B23/203
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-186647(P2015-186647)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-62890(P2017-62890A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 修
(72)【発明者】
【氏名】池本 政幸
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−158035(JP,A)
【文献】 特開2004−026585(JP,A)
【文献】 特開2015−072896(JP,A)
【文献】 特開2009−242151(JP,A)
【文献】 特開平01−148761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 2/00
C03B 23/203
B23K 26/21
G02F 1/13357
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面をそれぞれ有する複数のガラス基板を用意する工程と、
前記各端面にレーザー光を照射して、前記各端面をグレージングすることにより接合面を形成するグレージング工程と、
接合させる前記ガラス基板の前記接合面同士を近接させた状態で、前記接合面にレーザー光を照射することにより、前記ガラス基板同士を接合する接合工程とを備え
前記グレージング工程において、前記各ガラス基板を伝熱板上に載置した状態で、前記各端面にレーザー光を照射する、導光板の製造方法。
【請求項2】
前記近接させた状態において、前記接合面間の間隔が、前記ガラス基板の厚み方向の一方端から他方端に向かって拡がるような形状に前記接合面が形成されている、請求項に記載の導光板の製造方法。
【請求項3】
前記グレージング工程及び/または前記接合工程において、前記各ガラス基板の厚み方
向に平行な方向からレーザー光を照射する、請求項1または2に記載の導光板の製造方法。
【請求項4】
前記グレージング工程及び/または前記接合工程において、レーザー光の照射にCOレーザーを用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【請求項5】
前記接合が延びる方向及び前記各ガラス基板の厚み方向に垂直な方向を幅方向としたときに、前記接合面の幅が、前記各ガラス基板の厚みの0.1倍以上、2倍以下となるように前記接合面が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導光板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導光板が様々なディスプレイに用いられている。例えば、下記の特許文献1では、対角寸法が14インチ以上の樹脂からなる導光板の製造方法が開示されている。
【0003】
下記の特許文献2には、ガラスからなる導光板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−202731号公報
【特許文献2】特開2015−072896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大型のディスプレイは発熱量が大きいため、大型のディスプレイに用いられる導光板は、高温の環境下に曝されることとなる。特許文献1に記載の導光板は樹脂からなるため、大型のディスプレイに用いた場合、熱により導光板が劣化することがあった。よって、信頼性を高めることが困難であった。
【0006】
他方、特許文献2の導光板はガラスからなるため、熱による劣化を防ぐことができるものの、単一のガラス基板で大型の導光板を成形すると歩留まりが低下し、コストの上昇を招くため、安価に大型の導光板を得ることは困難であった。。
【0007】
本発明の目的は、信頼性が高く、安価に、かつ容易に大型化を図ることができる導光板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の導光板は、複数のガラス基板部と、複数のガラス基板部同士を接合した接合部とを備える。
【0009】
接合部に気泡を有しないことが好ましい。
【0010】
接合部が延びる方向及び各ガラス基板部の厚み方向に垂直な方向を幅方向としたときに、接合部の幅が5mm以下であることが好ましい。
【0011】
矩形板状の形状を有し、対角線の長さが127cm以上であることが好ましい。
【0012】
400nm〜700nmの波長域における厚み2mm当たりの透過率が90%以上であることが好ましい。
【0013】
本発明の導光板の製造方法は、端面をそれぞれ有する複数のガラス基板を用意する工程と、各端面にレーザー光を照射して、各端面をグレージングすることにより接合面を形成するグレージング工程と、接合させるガラス基板の接合面同士を近接させた状態で、接合面にレーザー光を照射することにより、ガラス基板同士を接合する接合工程とを備える。
【0014】
近接させた状態において、接合面間の間隔が、ガラス基板の厚み方向の一方端から他方端に向かって拡がるような形状に接合面が形成されていることが好ましい。
【0015】
グレージング工程及び/または接合工程において、各ガラス基板の厚み方向に平行な方向からレーザー光を照射することが好ましい。
【0016】
グレージング工程において、各ガラス基板を伝熱板上に載置した状態で、各端面にレーザー光を照射することが好ましい。
【0017】
グレージング工程及び/または接合工程において、レーザー光の照射にCOレーザーを用いることが好ましい。
【0018】
接合部が延びる方向及び各ガラス基板の厚み方向に垂直な方向を幅方向としたときに、接合面の幅が、各ガラス基板の厚みの0.1倍以上、2倍以下となるように接合面が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、信頼性が高く、安価に、かつ容易に大型化を図ることができる導光板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る導光板の斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態の変形例に係る導光板の斜視図である。
図3】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法の変形例を説明するための斜視図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための平面図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。
図9】導光板の製造方法の比較例を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導光板の斜視図である。導光板1は、矩形板状の形状を有する。導光板1の対角線の長さは、127cm(50インチ)以上である。導光板1の厚みは2mmである。
【0023】
導光板1は、複数のガラス基板部3と、複数のガラス基板部3同士を接合した接合部2とを備える。ここで、接合部2が延びる方向及び各ガラス基板部3の厚み方向に垂直な方向を幅方向とする。このとき、接合部2の幅は、5mm以下であることが好ましい。それによって、導光板1からの出射光の強度の均一性を高めることができる。
【0024】
なお、例えば、図2に示す第1の実施形態の変形例のように、導光板21は、接合部2を複数有していてもよい。このように、導光板21を構成するガラス基板部3を増やすことにより、導光板21の大型化を容易に図ることができる。
【0025】
対角線の長さが50インチ以上の大型のディスプレイの場合、発熱量は大きくなるが、本実施形態の導光板1及び変形例の導光板21は、ガラス(複数のガラス基板部3)により構成されているため、高温下において劣化し難い。従って、大型のディスプレイに用いる場合においても、効果的に信頼性を高めることができる。
【0026】
各ガラス基板部3は、ガラス組成として、質量%で、SiO:40%〜80%、Al:1%〜25%、B:0%〜20%、NaO:0%〜20%、MgO:0%〜10%、CaO:0%〜15%、SrO:0%〜15%、BaO:0%〜15%を含有するガラスから形成されてなることが好ましい。より好ましくは、各ガラス基板部3は、質量%で、SiO:55%〜70%、Al:2%〜15%、B:5%〜15%、NaO:5%〜16%、MgO:1%〜9%、CaO:1%〜12%、SrO:1%〜12%、BaO:1%〜12%を含有するガラスから形成されてなることが望ましい。ガラス組成をこのような範囲とすることにより、ガラス基板部3の熱的寸法安定性を高めることができる。それによって、高温下において、導光板1の寸法の変化を抑えることができる。また、ガラス基板部3となるガラス基板を成形する際に失透が生じ難くなり、高い透過率を有するガラス基板を得やすくなる。
【0027】
導光板1は、透過率が高い複数のガラス基板部3から構成されていることが好ましい。それによって、導光板1の透過率を容易にかつ確実に高めることができる。
【0028】
高い透過率を得るためには、複数のガラス基板部3のFeの含有率は、50ppm以下、Crの含有率は、50ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、Feの含有率は40ppm以下であることが望ましい。さらに好ましくは、Feの含有率は1ppm〜28ppmであることが望ましい。特に好ましくは、Feの含有率は2ppm〜25ppmであることが望ましい。Feの含有率が低いほど、導光板1の透過率を高めることができる。Feの含有率が過少である場合、ガラス基板部3となるガラス基板のコストが高くなるおそれがある。特に好ましくは、Feの含有率は3〜22ppmであることが望ましい。また、Crは0.2ppm〜1ppmであることが好ましく、特に0.3ppm〜0.6ppmであることが望ましい。それによって、導光板1の透過率をより一層高めることができ、かつコストを低くすることができる。
【0029】
導光板1の400nm〜700nmの波長域における厚み2mm当たりの透過率は、90%以上であることが好ましい。より好ましくは、透過率は91%以上であることが望ましい。さらに好ましくは、透過率は92%であることが望ましい。
【0030】
本実施形態の導光板1は、接合部2において、気泡を有しない。例えば、接合部2に気泡を多く含む場合、気泡の界面における光の散乱などにより、導光板1からの出射光の強度が不均一となる。これに対して、本実施形態では、接合部2に気泡を有しないため、導光板1の接合部2と他の部分とにおける出射光の強度を効果的に均一にすることができる。
【0031】
なお、導光板1に光を入射するに際しては、接合部2に平行な方向から入射することが好ましい。なお、接合部2に垂直に光を入射してもよい。
【0032】
(製造方法)
以下において、導光板1の製造方法を説明する。
【0033】
図3(a)及び(b)は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための斜視図である。図4は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。図5は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法の変形例を説明するための斜視図である。図6は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。図7は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための平面図である。図8は、第1の実施形態に係る導光板の製造方法を説明するための拡大断面図である。
【0034】
(複数のガラス基板を用意する工程)
図3(a)に示すように、端面3cをそれぞれ有する複数のガラス基板13を用意する。各ガラス基板13は、矩形板状の形状を有する。各ガラス基板13は、対向し合っている第1,第2の主面3a,3bを有する。第1,第2の主面3a,3bに端面3cが接続されている。各ガラス基板13の厚みは2mmである。各ガラス基板13は、例えば、特に限定されないが、オーバーフローダウンドロー法やフロート法などによりそれぞれ製造することができる。
【0035】
この複数のガラス基板13が、後述する接合工程により、導光板1を構成する上記複数のガラス基板部3となる。そのため、各ガラス基板13は大型である必要はない。従って、信頼性及び透過率が高い各ガラス基板13を容易にかつ安価で用意することができる。
【0036】
(グレージング工程)
次に、図3(b)に示すように、それぞれの第2の主面3bが伝熱板4に接するように、複数のガラス基板13を伝熱板4上に載置する。伝熱板4は、金属やセラミックスなどからなり、熱伝導率が高い。ガラス基板13が載置される伝熱板4の面には、例えば、窒化クロムなどからなる膜が形成されていることが好ましい。それによって、後述するグレージング後に、ガラス基板13を伝熱板4から容易に剥離することができる。
【0037】
次に、各ガラス基板13の各端面3cに、各ガラス基板13の厚み方向に平行な方向からレーザー光L1を照射する。このとき、レーザー光L1を第1の主面3a側から照射する。レーザー光L1を各端面3cに沿い走査させて照射することにより、各端面3cのグレージングを行う。
【0038】
このとき、図4に示すように、本実施形態では、各ガラス基板13の端面3c同士を、0.1〜0.2mm程度離した状態とする。各端面3cを一度のレーザー光L1の照射により同時にグレージングすることが好ましい。それによって、生産性を高めることができる。
【0039】
なお、図5に示す製造方法の変形例のように、各ガラス基板13の各端面3cに個別にレーザー光L1を照射することにより、各端面3cをグレージングしてもよい。
【0040】
レーザー光L1の照射には、COレーザーを用いることが好ましい。それによって、端面3cのグレージングを好適に行うことができる。
【0041】
端面3cにレーザー光L1を照射するに際し、第1の主面3aの端面3c付近にもレーザー光L1は照射される。それによって、端面3c及び第1の主面3aのレーザー光L1が照射された部分の温度が上昇する。このとき、端面3cの下方端は伝熱板4に接しているため、熱は伝熱板4に伝導される。そのため、端面3cは、第2の主面側3b側においては温度の上昇は小さい。よって、端面3cの第1の主面3a側は大きく変形し、第2の主面3b側はあまり変形しない。
【0042】
上記のグレージング工程により、図6に示すような断面形状を有する接合面3c1が形成される。図6に示すように、接合面3c1は、第2の主面3b側の下方端3c2から第1の主面3a側の上方端3c3に向けて徐々に後退する円弧状の曲面となるように形成される。また、接合面3c1は、互いに接合する接合面3c1同士を近接させた状態において、接合面3c1間の間隔が、ガラス基板13の厚み方向の一方端としての下方端3c2から他方端としての上方端3c3に向かって拡がるような形状を有している。
【0043】
接合面3c1の幅Wは、ガラス基板13の厚みTの0.1倍以上、2倍以下であることが好ましい。それによって、後述するガラス基板13同士の接合を好適に行うことができる。さらに、接合面3c1の幅Wが小さいほど、図1に示した接合部2の幅を小さくすることができる。それによって、導光板1の出射光の強度の均一性をより一層高めることができる。なお、本実施形態の製造方法では、接合面3c1の幅Wは各ガラス基板13の厚みTと略等しい。
【0044】
他方、伝熱板4を用いずにグレージングを行ってもよい。この場合には、例えば、レーザー光L1の強度、スポット径及びレーザー光L1の走査の速度の内の少なくとも一方を調整すればよい。それによって、ガラス基板13の第2の主面3b側の温度の上昇を抑制し、第2の主面3b側が変形し難い温度とすることができる。
【0045】
図7は、グレージング工程により接合面3c1が形成されたガラス基板13を示す平面図である。図7に示すように、接合面3c1の下方端3c2は、接合面3c1が延びる方向に直線状に形成されている。
【0046】
(接合工程)
次に、図8に示すように、各ガラス基板13の接合面3c1の下方端3c2同士を接触させた状態において、各接合面3c1に、レーザー光L2を上方から照射する。ここでは、各ガラス基板13の厚み方向に平行な方向にレーザー光L2を照射する。レーザー光L2を接合面3c1に沿い走査させて照射することにより、ガラス基板13同士を接合する。レーザー光L2の照射には、グレージング工程と同様に、COレーザーを用いることが好ましい。これにより、図1に示す接合部2に気泡を有しない導光板1を得ることができる。この理由について、以下の比較例を参照し、これと比較して説明する。
【0047】
図9は、導光板の製造方法の比較例を示す拡大平面図である。比較例においては、グレージング工程を行わずにガラス基板103同士を接合している。
【0048】
グレージングを行っていない場合、端面103cは微細な凹凸を有する。そのため、端面103c同士を接触させた場合、端面103c同士の間には空隙部Aが存在することになる。この状態において各端面103cにレーザー光を照射して接合すると、気泡を巻き込みながら、ガラス基板103の端面103c同士が接合される。そのため、この比較例において得られる導光板は、接合部に気泡を含むことになる。
【0049】
これに対して、本発明に従いグレージング工程により接合面3c1を形成する場合、接合面3c1は、グレージングする前の端面103cのような凹凸を有しない。そのため、本発明によれば、接合部に気泡が含まれるのを抑制することができる。
【0050】
さらに、図8に示す実施形態の接合面3c1は、互いに接合する接合面3c1同士を近接させた状態において、接合面3c1間の間隔が、ガラス基板13の厚み方向の下方端3c2から上方端3c3に向かって拡がるような形状を有している。そのため、レーザー光L2を照射して接合する際、接合面3c1近傍の溶融したガラスは、接合面3c1間の距離が短い下方端3c2から互いに接触し始める。そのため、接合面3c1間の距離が短い下方端3c2から接合が開始される。下方端3c2から開始された接合は、徐々に上方端3c3に向かって進行する。これにより、接合面3c1間の空気を巻き込むことなく、接合部を形成することができる。そのため、図8に示す実施形態によれば、接合部に気泡が含まれるのをさらに抑制することができる。
【0051】
図8に示す実施形態では、接合面3c1の下方端3c2を互いに接触させた状態にしているが、本発明はこれに限定されるものではない。接合面3c1の下方端3c2の間にわずかな隙間が形成されるようにガラス基板13を配置してもよい。
【0052】
また、図7に示すように、接合面3c1の下方端3c2は、接合面3c1が延びる方向に直線状に形成されているので、接合面3c1が延びる方向にも、接合部を均一に形成することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…導光板
2…接合部
3…ガラス基板部
3a,3b…第1,第2の主面
3c…端面
3c1…接合面
3c2…下方端
3c3…上方端
4…伝熱板
13…ガラス基板
21…導光板
103…ガラス基板
103c…端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9