(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための血圧測定装置100の概略構成を示す図である。血圧測定装置100は、携帯型となっており、生体としての被測定者の手首に装着して用いられる。
【0019】
血圧測定装置1
00は、脈波検出部10と、血圧情報算出部11と、加速度センサ12と、記録制御部13と、フラッシュメモリやROM(Read Only Memory)やメモリカード等の記録媒体14と、手首位置変化期間検出部15と、血圧補正情報生成部16と、を備える。記録媒体14は装置に着脱可能なものであってもよい。
【0020】
血圧情報算出部11と記録制御部13と手首位置変化期間検出部15と血圧補正情報生成部16は、プロセッサがプログラムを実行することによって形成される機能ブロックである。
【0021】
脈波検出部10は、被測定者の手首から非侵襲で脈波を検出する。脈波検出部10は、例えばトノメトリ法によって脈波としての圧脈波を検出するものが用いられる。脈波検出部10は、脈波として容積脈波を検出するものであってもよい。脈波検出部10は、動脈に光を当てて得られる動脈からの反射光によって脈波を検出するものであってもよい。
【0022】
脈波検出部10は、1拍(心臓が1回拍動する期間)毎に発生する脈波を検出し、検出した脈波を血圧情報算出部11に伝達する。
【0023】
血圧情報算出部11は、脈波検出部10によって検出された脈波に基づいて1拍単位で血圧情報を算出する。1拍単位で血圧情報を算出するとは、1拍毎に血圧情報を算出すること、又は、複数拍毎(例えば1拍おき)に血圧情報を算出することを言う。
【0024】
血圧情報には、収縮期血圧(SBP(systolic blood pressure))と、拡張期血圧(DBP(diastolic blood pressure))と、平均血圧(MBP(mean blood pressure))とが含まれる。
【0025】
血圧情報の算出方法は公知の手法を用いることができる。血圧情報算出部11は、任意の脈波の検出期間の時刻を示す検出時刻情報と、この脈波に基づいて算出した血圧情報とを対応付けて、記録制御部13に伝達する。
【0026】
加速度センサ12は、被測定者の手首の動きを直接的に検出し、動きに応じた情報を出力する動き検出部である。
【0027】
本実施形態では、加速度センサ12として3軸加速度センサを用いている。加速度センサ12によって検出された3軸の加速度情報は記録制御部13に伝達される。動き検出部としては、重力方向における手首の位置の変化が検出できるものであればよく、例えば角速度センサや気圧センサや地磁気センサを用いたり、これらの中から2つ以上のセンサを組み合わせたりしてもよい。
【0028】
記録制御部13は、血圧情報算出部11から伝達される脈波の検出時刻情報及び血圧情報の組を記録媒体14に記録する。
【0029】
また、記録制御部13は、加速度センサ12から伝達される加速度情報をその検出時刻と対応付けて記録媒体14に記録する。
【0030】
記録制御部13の制御により、記録媒体14には、血圧情報算出部11により算出された血圧情報(SBP,DBP,MBP)と、この血圧情報の算出元となる脈波の検出時刻情報と、この血圧情報の算出元となる脈波の検出期間中に加速度センサ12により検出された手首の動き情報(3軸の加速度情報)と、が対応付けて記録される。
【0031】
以下では、動き情報に対応付けて記録される検出時刻情報のことを動き情報の検出時刻といい、血圧情報に対応付けて記録される検出時刻情報のことを血圧情報の検出時刻という。
【0032】
手首位置変化期間検出部15は、記録媒体14に記録された手首の動き情報に基づいて、重力方向における手首の位置が閾値以上変化した変化期間を検出する。
【0033】
血圧測定装置1
00では、血圧測定装置1
00を装着した手首の重力方向における位置を、予め決められ
た重力方向における基準位置(例えば、重力方向における被測定者の心臓の位置)とほぼ同じにした状態で、測定開始ボタンを押して、血圧情報の測定を開始することを前提としている。
【0034】
例えば、手首位置変化期間検出部15は、測定開始ボタンが押されてから記録媒体14に記録された動き情報について、各動き情報に基づく重力方向の位置から、この各動き情報の検出時刻の直前の時刻に対応する動き情報に基づく重力方向の位置を引いて隣接時刻位置差を算出し、算出した隣接時刻位置差を、各動き情報の検出時刻に対応付けて記録する。
【0035】
そして、手首位置変化期間検出部15は、隣接時刻位置差を、対応する検出時刻が古いものから順にチェックしていき、隣接時刻位置差の符号が連続して所定回数(複数回)同じとなった場合に、被測定者の重力方向における手首の位置に閾値以上の変化があったと判定する。
【0036】
なお、ここで説明した判定方法は一例であり、動き情報に基づく位置が大きく増加又は減少している状態を判定できる方法を採用すればよい。
【0037】
図2は、
図1に示す血圧測定装置100によって測定される血圧情報と、血圧情報の測定中の動き情報に基づく手首の位置の変化の一例を示す図である。
図2において、血圧情報はSBPを例にしており、破線で示されている。
【0038】
また、
図2では、重力方向において手首と心臓の位置がほぼ同じであるときの手首の位置を基準位置=0として、この基準位置に対する手首の相対位置の変化が実線で示されている。
【0039】
図2の例では、時刻t1以降に、手首の相対位置が連続して増加しており、時刻t1の次の時刻を起点にして隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してプラスとなる。
【0040】
このため、手首位置変化期間検出部15は、時刻t1の次の時刻以降に隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してプラスとなった場合に、手首の位置が閾値以上変化したと判定する。
【0041】
手首位置変化期間検出部15は、時刻t1の次の時刻以降に隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してプラスとなってから、その後、隣接時刻位置差がマイナスの値又はゼロになった時刻t2を判定し、時刻t1の次の時刻から時刻t2の直前の時刻までの間を、手首の位置が閾値以上変化した変化期間として検出する。
【0042】
また、
図2の例では、時刻t2より後の時刻t3以降に、手首の相対位置が連続して減少しており、時刻t3の次の時刻を起点にして隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してマイナスとなる。
【0043】
このため、手首位置変化期間検出部15は、時刻t3の次の時刻以降に隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してマイナスとなった場合に、手首の位置が閾値以上変化したと判定する。
【0044】
手首位置変化期間検出部15は、時刻t3の次の時刻以降に隣接時刻位置差の符号が所定回数連続してマイナスとなってから、その後、隣接時刻位置差がプラスの値又はゼロになった時刻t4を判定し、時刻t3の次の時刻から時刻t4の直前の時刻までの間を、手首の位置が閾値以上変化した変化期間として検出する。
【0045】
血圧補正情報生成部16は、手首位置変化期間検出部15により変化期間が検出されると、検出された変化期間よりも前に血圧情報算出部11により算出された第一の血圧情報と、この変化期間よりも後に血圧情報算出部11により算出された第二の血圧情報とに基づいて、この変化期間よりも後に血圧情報算出部11により算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成する。
【0046】
第一の血圧情報と第二の血圧情報は、同じ種類の情報である。つまり、第一の血圧情報及び第二の血圧情報は、それぞれ、SBP、DBP、及び、MBPのうちのいずれかである。
【0047】
本明細書における補正とは、血圧測定装置100が装着されている手首の重力方向の位置と、基準位置である被測定者の心臓の位置とのずれに起因して発生する血圧情報の測定誤差の補正のことをいう。
【0048】
血圧補正情報生成部16は、手首位置変化期間検出部15により検出された変化期間よりも前において第一の期間を選択し、この第一の期間中に血圧情報算出部11により算出された第一の血圧情報の代表値を算出する。
【0049】
また、血圧補正情報生成部16は、この変化期間よりも後において第二の期間を選択し、この第二の期間中に血圧情報算出部11により算出された第二の血圧情報の代表値を算出する。そして、血圧補正情報生成部16は、この2つの代表値の差分に基づいて血圧補正情報を生成する。
【0050】
ある期間中に血圧情報算出部11により算出された血圧情報とは、この期間に含まれる各時刻が検出時刻として対応付けられている血圧情報のことを言う。
【0051】
また、ある期間中に血圧情報算出部11により算出された血圧情報の代表値とは、この期間中に算出された複数の血圧情報の平均値、この複数の血圧情報のうちの最頻値、又は、この複数の血圧情報から最大値と最小値を除いた残りの血圧情報の平均値等、この期間中に算出された複数の血圧情報の概要を示す値である。
【0052】
血圧補正情報生成部16は、第一の期間及び第二の期間として、血圧情報算出部11により算出された血圧情報のばらつきが変動閾値以下となっている期間のうち最も変化期間に近い期間を選択する。
【0053】
図2の例では、血圧補正情報生成部16は、変化期間の開始時刻の直前の時刻t1を起点として、時刻t1よりも古い時刻側に伸びる所定の期間の幅の第一のウインドウを設定し、設定した第一のウインドウ内の各時刻に対応する血圧情報の標準偏差を算出する。
【0054】
血圧補正情報生成部16は、第一のウインドウを時刻が戻る方向に最小時刻単位ずつずらしていきながら、各第一のウインドウの設定位置において標準偏差を算出する。この標準偏差は、設定された第一のウインドウ内での血圧情報のばらつきを示す。
【0055】
血圧補正情報生成部16は、第一のウインドウを用いて算出した標準偏差が上記の変動閾値以下となっているかを判定し、変動閾値以下となる標準偏差が初めて得られたときの第一のウインドウの設定されている期間を第一の期間として選択する。
【0056】
図2の例では、血圧補正情報生成部16は、時刻t1以前において、初めて標準偏差が変動閾値以下となった期間T1を第一の期間として選択する。同様に、血圧補正情報生成部16は、変化期間の開始時刻の直前の時刻t3以前において、初めて標準偏差が変動閾値以下となった期間T3を第一の期間として選択する。
【0057】
同様にして、血圧補正情報生成部16は、変化期間が終了した時刻の次の時刻t2を起点として、時刻t2よりも新しい時刻側に伸びる第一のウインドウと同じ幅の第二のウインドウを設定し、設定した第二のウインドウ内の各時刻に対応する血圧情報の標準偏差を算出する。血圧補正情報生成部16は、第二のウインドウを時刻が進む方向に最小時刻単位ずつずらしていきながら、各第二のウインドウの設定位置において標準偏差を算出する。
【0058】
血圧補正情報生成部16は、第二のウインドウを用いて算出した標準偏差が上記の変動閾値以下となっているかを判定し、変動閾値以下となる標準偏差が初めて得られたときの第二のウインドウの設定されている期間を第二の期間として選択する。
【0059】
図2の例では、血圧補正情報生成部16は、時刻t2以降において初めて標準偏差が変動閾値以下となった期間T2を第二の期間として選択する。同様に、血圧補正情報生成部16は、変化期間が終了した時刻の直後の時刻t4以降において初めて標準偏差が変動閾値以下となった期間T4を第二の期間として選択する。
【0060】
このようにして選択された第一の期間(
図2の期間T1)中に算出された血圧情報の代表値と、第二の期間(
図2の期間T2)中に算出された血圧情報の代表値との差分は、手首の位置が閾値以上変化したことによって生じた血圧情報の変化量であり、手首の動きに起因して発生する血圧情報の測定誤差に相当する。
【0061】
したがって、この差分を用いることで、測定誤差を補正するための血圧補正情報を生成することが可能となる。
【0062】
記録制御部13は、血圧補正情報生成部16によって任意の変化期間の前後の第一の期間及び第二の期間の血圧情報に基づいて生成された血圧補正情報を、この変化期間よりも後に血圧情報算出部11により算出された血圧情報(この変化期間よりも後の時刻に対応する血圧情報)に対応付けて記録媒体14に記録する。
【0063】
図2の例では、期間T1の血圧情報の代表値と期間T2の血圧情報の代表値との差分に基づいて生成された血圧補正情報が、時刻t2以降の血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)に対応付けて記録される。
【0064】
また、期間T3の血圧情報の代表値と期間T4の血圧情報の代表値との差分に基づいて生成された血圧補正情報が、時刻t4以降の血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)に対応付けて記録される。
【0065】
記録制御部13は、手首位置変化期間検出部15によって検出された変化期間中の各時刻に対応する血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)については、変化期間中であることを示す情報及び血圧補正情報を対応付けて記録する。
【0066】
なお、記録制御部13は、変化期間中の各時刻に対応する血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)については、変化期間中であることを示す情報のみを対応付けて記録してもよい。
【0067】
記録制御部13は、測定開始ボタンが押されてから初めて変化期間が検出されるまでの期間(
図2の例では、時刻t0〜時刻t1の間の期間)中の各時刻に対応する血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)に対しては、血圧補正情報として補正値=0の情報を対応付けて記録する。
【0068】
以上のように構成された血圧測定装置100の動作について説明する。
【0069】
図3は、
図1に示す血圧測定装置100の血圧補正情報生成時の動作を説明するためのフローチャートである。
【0070】
被測定者は、血圧測定装置100を手首に装着し、重力方向における手首の位置を心臓の位置と同じにした状態で測定開始ボタンを押して測定開始を指示する。この指示に応じて、脈波検出部10による脈波の検出が開始され、加速度センサ12から動き情報が出力され、脈波に基づいて算出された血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)及び動き情報が検出時刻情報と対応付けられて記録媒体14に記録されていく。
【0071】
なお、記録媒体14に記録される血圧情報のうち、検出時刻が最も古いものに対しては、初期値=0に設定された血圧補正情報が対応付けて記録される。
【0072】
ある程度の期間分の血圧情報及び動き情報が記録媒体14に記録されると、手首位置変化期間検出部15は、記録媒体14に記録された動き情報のうち、2番目に検出時刻が古いものを選択する(ステップS0)。
【0073】
次に、手首位置変化期間検出部15は、選択した動き情報と、選択した動き情報の検出時刻よりも前の時刻に対応する動き情報とに基づき、選択した動き情報の検出時刻において、重力方向における手首の位置に閾値以上の変化があるか否かを判定する(ステップS1)。
【0074】
重力方向における手首の位置に閾値以上の変化がない場合(ステップS1:NO)、記録制御部13は、選択された動き情報の検出時刻に対応する血圧情報(DBP、SBP、及び、MBPの各々)に、この検出時刻の直前の時刻に対応する血圧情報(SBP、DBP、及び、MBP)に対応している過去の血圧補正情報を対応付けて記録する(ステップS10)。
【0075】
ステップS10の後、手首位置変化期間検出部15は、選択中の動き情報の検出時刻の次の時刻に対応する動き情報を選択し(ステップS11)、ステップS1に処理を戻す。
【0076】
重力方向における手首の位置に閾値以上の変化があった場合(ステップS1:YES)、手首位置変化期間検出部15は、選択中の動き情報よりも後に検出されて記録媒体14に記録された動き情報に基づいて、この変化の終了する時刻を判定して変化期間を検出する(ステップS2)。
【0077】
ステップS2の後、血圧補正情報生成部16は、記録媒体14に記録されている任意の種類の血圧情報(以下では、SBPとする)に基づいて、検出した変化期間よりも前においてSBPのばらつきが閾値以下となる第一の期間と、検出した変化期間よりも後においてSBPのばらつきが閾値以下となる第二の期間とを選択する(ステップS3)。
【0078】
ステップS3の後、血圧補正情報生成部16は、ステップS3で選択した第一の期間中の各時刻に対応するSBPの代表値(以下、“a”とする)と、ステップS3で選択した第二の期間中の各時刻に対応するSBPの代表値(以下、“b”とする)との差分を算出する(ステップS4)。
【0079】
ステップS4の後、血圧補正情報生成部16は、ステップS3で選択した代表値aと、ステップS3で選択した代表値bとの大小関係を判定する(ステップS5)。
【0080】
代表値aが代表値bよりも大きい場合(ステップS5:YES)、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の直前の時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報に、ステップS4で算出した差分の絶対値を加算して、血圧補正情報を算出する(ステップS6)。
【0081】
代表値aが代表値bよりも小さい場合(ステップS5:NO)、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の直前の時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報から、ステップS4で算出した差分の絶対値を減算して、血圧補正情報を算出する(ステップS7)。
【0082】
ステップS6とステップS7の後、記録制御部13は、ステップS6又はステップS7で算出された血圧補正情報を、ステップS2で検出された変化期間の直後の時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録する(ステップS8)。
【0083】
ステップS8の後、手首位置変化期間検出部15は、ステップS2で検出された変化期間の直後の時刻の次の時刻に対応する動き情報を選択し(ステップS9)、ステップS1に処理を戻す。以上の処理が、繰り返し行われることで、変化期間中の各時刻に対応する血圧情報を除く全ての血圧情報に対しては、血圧補正情報が対応付けて記録される。
【0084】
図2を参照して、ステップS6〜ステップS8の処理について具体的に説明する。
【0085】
図2では、時刻t0において測定開始がなされたものとしている。このため、時刻t0〜時刻t1の間の期間T5の各時刻に対応するSBPには、血圧補正情報として初期値の“0”が対応付けて記録される。
【0086】
時刻t1〜時刻t2の間の変化期間が検出されると、この変化期間の前後の期間T1,T2のSBPの代表値の差分が算出される。この差分の絶対値は、
図2の例では“23mmHg”である。
【0087】
したがって、時刻t2から次の変化期間の開始直前の時刻t3までの期間T6の各時刻に対応するSBPは、正確な値に対して“−23mmHg”の誤差を生じていることになる。この誤差を補正するためには、血圧補正情報を“+23mmHg”とすればよい。
【0088】
期間T5の各時刻に対応するSBPに対応する血圧補正情報は“0mmHg”である。このため、この“0mmHg”に、期間T1,T2のSBPの代表値の差分の絶対値である“23mmHg”を加算することで、“+23mmHg”の血圧補正情報を得ることができる。この加算処理が、
図3のステップS6に相当する。
【0089】
また、
図2において、時刻t3〜時刻t4の間の変化期間が検出されると、この変化期間の前後の期間T3,T4のSBPの代表値の差分が算出される。この差分の絶対値は、
図2の例では“50mmHg”である。
【0090】
したがって、時刻t4以降の期間T7の各時刻に対応するSBPは、期間T6のSBPに対して“+50mmHg”の誤差を生じていることになる。また、上述したように、期間T6のSBPは、もともと、正確な値に対して“−23mmHg”の誤差を生じている。
【0091】
したがって、期間T7の各時刻に対応するSBPは、正確な値に対して、50−23=27mmHgの誤差を生じていることになる。この誤差を補正するためには、血圧補正情報を“−27mmHg”とすればよい。
【0092】
期間T6の各時刻に対応するSBPに対応する血圧補正情報は“+23mmHg”である。このため、この“+23mmHg”から、期間T3,T4のSBPの代表値の差分である“50mmHg”を減算することで、“−27mmHg”の血圧補正情報を得ることができる。この減算処理が、
図3のステップS7に相当する。
【0093】
このように、第一の期間のSBPから算出される代表値と第二の期間のSBPから算出される代表値との大小関係に基づいて、変化期間の前の血圧情報に対応付けられている過去の血圧補正情報に、この2つの代表値の差分値の絶対値を加算したり、この過去の血圧補正情報からこの絶対値を減算したりすることで、変化期間が検出されるたびに、正確な血圧補正情報を算出して記録していくことができる。
【0094】
以上のように、血圧測定装置100によれば、被測定者の手首の位置が大きく変化した変化期間を検出し、この変化期間の前後の血圧情報の変動量に基づいて血圧補正情報を生成することができる。
【0095】
血圧測定装置100は、手首の重力方向の位置が大きく変化したかどうかと、その変化の開始と終了とが判定できればよい。したがって、加速度センサ12として検出精度の高い高価なものを使用しなくてもよい。また、手首と心臓の重力方向における位置のずれ量を正確に検出するための複雑な処理も不要である。このため、血圧測定装置100の製造コストを低減することができる。また、上記のずれ量の検出誤差の影響を受けずに補正が可能となり、血圧情報の正確な補正が可能となる。
【0096】
また、血圧測定装置100は、変化期間の前後においてSBPのばらつきが少ない期間(第一の期間、第二の期間)におけるSBPの代表値同士の差分に基づいて血圧補正情報を生成している。このため、手首の位置変化による血圧情報の変動量をより正確に抽出することが可能となり、血圧補正情報の信頼性を高めることができる。
【0097】
以上の説明では、
図3のステップS4にて代表値を算出するのに用いる血圧情報をSBPとしたが、この血圧情報としてDBPやMBPを用いてもよい。
【0098】
以下、血圧測定装置100の変形例について説明する。
【0099】
(第一の変形例)
図4は、
図1に示す血圧測定装置100の血圧補正情報生成時の動作の第一の変形例を説明するためのフローチャートである。
図4において
図3と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
【0100】
図4に示すフローチャートは、ステップS3が削除され、ステップS4がステップS4aに変更され、ステップS5がステップS5aに変更され、ステップS6がステップS6aに変更され、ステップS7がステップS7aに変更された点を除いては、
図3と同じである。
【0101】
ステップS2の後、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の直前の時刻に対応するSBP(以下、“(A)”とする)と、ステップS2で検出された変化期間の直後の時刻に対応するSBP(以下、“(B)”とする)との差分を算出する(ステップS4a)。
【0102】
次に、血圧補正情報生成部16は、ステップS4aで算出したSBP(A)と、ステップS4aで算出したSBP(B)との大小関係を判定する(ステップS5a)。
【0103】
SBP(A)がSBP(B)よりも大きい場合(ステップS5a:YES)、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の直前の時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報に、ステップS4aで算出した差分の絶対値を加算して、血圧補正情報を算出する(ステップS6a)。
【0104】
SBP(A)がSBP(B)よりも小さい場合(ステップS5a:NO)、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の直前の時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報から、ステップS4aで算出した差分の絶対値を減算して、血圧補正情報を算出する(ステップS7a)。
【0105】
ステップS6aとステップS7aの後は、ステップS8の処理が行われる。
【0106】
図4の変形例によれば、第一の期間と第二の期間を判定して代表値を算出する処理を省略することができるため、s血圧補正情報を生成するための演算量を減らすことができ、血圧測定装置100の消費電力を低減することができる。
【0107】
(第二の変形例)
図5は、
図1に示す血圧測定装置100の血圧補正情報生成時の動作の第二の変形例を説明するためのフローチャートである。
図5において
図3と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
【0108】
図5に示すフローチャートは、ステップS4がステップS4bに変更され、ステップS5がステップS5bに変更され、ステップS6がステップS6bに変更され、ステップS7がステップS7bに変更された点を除いては、
図3と同じである。
【0109】
ステップS4bにおいて、血圧補正情報生成部16は、ステップS3で選択した第一の期間中の各時刻に対応するSBPの代表値aを、第一の期間中の各時刻に対応する血圧情報に対応付けて記録されている血圧補正情報によって補正して、代表値aaを得る。また、血圧補正情報生成部16は、ステップS3で選択した第二の期間中の各時刻に対応するSBPの代表値bを算出する。そして、血圧補正情報生成部16は、代表値aaと代表値bの差分を算出する。
【0110】
ステップS4bの後、血圧補正情報生成部16は、代表値aaと代表値bの大小関係を判定する(ステップS5b)。
【0111】
代表値aaが代表値bよりも大きい場合(ステップS5b:YES)、血圧補正情報生成部16は、ステップS4bで算出した差分の絶対値の符号をプラスにしたものを血圧補正情報として算出する(ステップS6b)。
【0112】
代表値aaが代表値bよりも小さい場合(ステップS5b:NO)、血圧補正情報生成部16は、ステップS4bで算出した差分の絶対値の符号をマイナスにしたものを血圧補正情報として算出する(ステップS7b)。
【0113】
ステップS6bとステップS7bの後は、ステップS8の処理が行われる。
【0114】
図5の変形例によれば、
図3の動作と同様に、低コストで血圧補正情報を高精度に求めることができる。
【0115】
(第三の変形例)
図6は、
図1に示す血圧測定装置100の血圧補正情報生成時の動作の第三の変形例を説明するためのフローチャートである。
図6において
図3と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
【0116】
図6に示すフローチャートは、ステップS21〜ステップS23が追加された点を除いては、
図3と同じである。
【0117】
ステップS4の後、血圧補正情報生成部16は、ステップS2で検出された変化期間の開始時における動き情報に基づく手首の位置と、ステップS2で検出された変化期間の終了時における動き情報に基づく手首の位置と、の差である手首の高さ変化量を算出する(ステップS21)。
【0118】
ステップS21の後、血圧補正情報生成部16は、血圧測定装置100に予め記録されている手首の高さ変化量と血圧情報の変化量との関係を示すテーブルを用いて、算出した高さ変化量から血圧情報の変化量を求める(ステップS22)。
【0119】
ステップS22の後、血圧補正情報生成部16は、ステップS22で求めた血圧情報の変化量と、ステップS4で算出した代表値aと代表値bの差分と、の差が予め決められた値よりも大きいか否かを判定する(ステップS23)。
【0120】
ステップS23の判定がYESの場合、血圧補正情報生成部16は、変化期間の前後におけるSBPの変動が手首の位置変化によるものではなく、何らかの異常が発生したと判断して、血圧補正情報の生成処理を終了する。
【0121】
上記の予め決められた値は、動き情報に基づいて算出した手首の高さ変化量に誤差が含まれる可能性があることを考慮し、ある程度大きな値(例えば10mmHg程度)に設定される。
【0122】
ステップS23の判定がNOの場合、血圧補正情報生成部16は、変化期間の前後におけるSBPの変動は、手首の位置変化によるものであると判断して、ステップS5以降の処理を行う。
【0123】
この変形例によれば、手首の位置変化以外の要因でSBPが変動しているような場合を判定して、このような場合には血圧補正情報の生成を停止することで、記録媒体14に記録される血圧補正情報の信頼性を高めることができる。なお、第三の変形例は、第一の変形例や第二の変形例と組み合わせることも可能である。
【0124】
第一の変形例と組み合わせる場合は、
図4のステップS2とステップS4aの間に
図6のステップS21,ステップS22を追加し、ステップS4aの後に、ステップS4aで算出した差分と、ステップS22で得た血圧情報の変化量との差を求め、該差が予め決められた値より大きければ血圧補正情報の生成を停止し、該差が予め決められた値以下であればステップS5a以降の処理を行えばよい。
【0125】
第二の変形例と組み合わせる場合は、
図5のステップS2とステップS3の間に
図6のステップS21,ステップS22を追加し、ステップS4bの後に、ステップS4bで算出した差分と、ステップS22で得た血圧情報の変化量との差を求め、該差が予め決められた値より大きければ血圧補正情報の生成を停止し、該差が予め決められた値以下であればステップS5b以降の処理を行えばよい。
【0126】
血圧測定装置100は、血圧補正情報生成部16によって生成された血圧補正情報に基づいて血圧情報を補正する血圧補正部を有していてもよい。この血圧補正部は、プロセッサがプログラムを実行することにより形成される機能ブロックである。
【0127】
血圧補正部は、
図3〜
図6で説明した方法によって血圧補正情報の生成及び記録が終了した後、記録媒体14に記録されている血圧情報(DBP,SBP,MBPの各々)を、この血圧情報に対応付けられた血圧補正情報によって補正し、補正後の血圧情報を記録媒体14に記録する。
【0128】
なお、血圧補正部は、変化期間中であることを示す情報が対応付けられている血圧情報については、補正を行わずに、その値が無効であることを示す情報を対応づけて記録したり、血圧情報自体を削除したりするようにしてもよい。
【0129】
図2に示すように、変化期間中には、血圧情報が大きく変動する。このため、この変化期間における血圧情報は診断に利用するには向かない情報となる。したがって、変化期間中の血圧情報を無効又は削除としておくことで、記録媒体14に記録された血圧情報によって、被測定者の血圧状態を正確に把握することが可能となる。
【0130】
図3〜
図6の動作説明では、血圧測定と血圧補正情報の生成及び記録とを並行して行うものとした。しかし、血圧補正情報の生成は、血圧測定が終了してから行ってもよい。
【0131】
また、以上の説明では、血圧測定装置100において血圧補正情報の生成及び記録を行うものとしたが、血圧補正情報の生成及び記録については、血圧測定装置100と無線又は有線によって通信可能な別の電子機器(スマートフォンやタブレット端末やパーソナルコンピュータ等)によって行ってもよい。
【0132】
この場合、電子機器のプロセッサは、コンピュータを血圧測定装置100の記録制御部13、手首位置変化期間検出部15、血圧補正情報生成部16、及び、血圧補正部の各々として機能させるためのプログラムを実行することにより、血圧測定装置100の記録媒体14に記録された血圧情報及び動き情報に基づいて、
図3〜
図6に示した処理を行う。
【0133】
このようなプログラムを、コンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記録媒体に記録して医療機関等に提供するようにしてもよい。このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体や、メモリカード等の磁気記録媒体等を含む。
【0134】
このようなプログラムは、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能なものとすることが好ましい。このようにすることで、医療機関にある既存のタブレット端末やスマートフォンやパーソナルコンピュータを簡単に血圧補正情報生成装置として利用することができ、医療機関にとってのシステム導入コストを抑えることができる。
【0135】
以上の説明では、血圧情報としてDBP、SBP、及び、MBPが記録媒体14に記録され、DBP、SBP、及び、MBPの各々に対応付けて血圧補正情報が記録されるものとした。しかし、DBPと、SBPと、MBPとのうちの少なくとも1つが記録媒体14に記録される構成であってもよい。
【0136】
なお、DBP、SBP、及び、MBPのうち、SBPについては、手首の位置が変化していない状態においても変動が大きいことが知られている。このため、血圧補正情報を生成するために利用する血圧情報(ステップS3で期間の選択に用いる血圧情報、ステップS4及びステップS4bで代表値の算出に用いる血圧情報、又は、ステップS4aで差分の算出に用いる血圧情報)としては、DBP又はMBPを採用するのが好ましい。
【0137】
血圧測定装置100では、血圧情報を複数拍毎に算出して記録する場合、血圧補正情報の生成精度をある程度確保できる程度に間引きを行うのが好ましく、2〜10拍毎に1つの血圧情報を記録媒体14に記録する程度としておくのが好ましい。
【0138】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0139】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0140】
開示された血圧補正情報生成装置は、被測定者の手首から脈波を検出する脈波検出部、及び、前記脈波検出部により検出される脈波に基づいて1拍毎又は複数拍毎に血圧情報を算出する血圧情報算出部を有する血圧測定装置が装着された被測定者の手首の動きに応じた情報を出力する動き検出部から出力された前記情報に基づいて、重力方向における前記手首の位置が閾値以上変化した変化期間を検出する手首位置変化期間検出部と、前記手首位置変化期間検出部により検出された前記変化期間よりも前に前記血圧情報算出部により算出された第一の血圧情報と、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された第二の血圧情報とに基づいて、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成する血圧補正情報生成部と、を備えるものである。
【0141】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記血圧補正情報生成部は、前記変化期間よりも前の第一の期間中に前記血圧情報算出部により算出された前記第一の血圧情報の代表値と、前記変化期間よりも後の第二の期間中に前記血圧情報算出部により算出された前記第二の血圧情報の代表値との差分に基づいて、前記血圧補正情報を生成し、前記第一の期間は、前記血圧情報算出部により算出された血圧情報のばらつきが閾値以下となっている期間であり、前記第二の期間は、前記血圧情報算出部により算出された血圧情報のばらつきが閾値以下となっている期間であるものを含む。
【0142】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記血圧補正情報生成部は、前記第一の期間中に算出された複数の第一の血圧情報の平均値を前記第一の血圧情報の代表値とし、前記第二の期間中に算出された複数の第二の血圧情報の平均値を前記第二の血圧情報の代表値として前記差分を算出するものである。
【0143】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報と、前記血圧補正情報生成部により生成された前記血圧補正情報とを対応付けて記録媒体に記録する記録制御部を更に備え、前記血圧補正情報生成部は、前記記録媒体に記録されている前記変化期間よりも前に算出された血圧情報に対応付けられている過去の血圧補正情報と前記差分とに基づいて、前記変化期間よりも後に算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成するものである。
【0144】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記血圧補正情報生成部は、前記第一の血圧情報の代表値と前記第二の血圧情報の代表値の大小関係に基づき、前記第一の期間中に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報に前記差分の絶対値を加算、又は、当該過去の血圧補正情報から前記差分の絶対値を減算して、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成するものである。
【0145】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記血圧補正情報生成部は、前記第一の血圧情報の代表値が前記第二の血圧情報の代表値よりも大きい場合には、前記第一の期間中に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報に前記差分の絶対値を加算して前記血圧補正情報を生成し、前記血圧補正情報生成部は、前記第一の血圧情報の代表値が前記第二の血圧情報の代表値よりも小さい場合には、前記第一の期間中に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報に対応付けて記録されている過去の血圧補正情報から前記差分の絶対値を減算して前記血圧補正情報を生成するものである。
【0146】
開示された血圧補正情報生成装置は、前記血圧補正情報生成部は、前記手首位置変化期間検出部により検出された変化期間の開始時における前記情報に基づく手首の位置と、前記変化期間の終了時における前記情報に基づく手首の位置との差を血圧情報の変化量に変換し、当該変化量と前記差分との差が予め決められた値よりも大きい場合には、前記血圧補正情報の生成を停止するものである。
【0147】
開示された血圧測定装置は、被測定者の手首から脈波を検出する脈波検出部と、前記脈波検出部により検出される脈波に基づいて1拍毎又は複数拍毎に血圧情報を算出する血圧情報算出部と、前記手首の動きに応じた動き情報を出力する動き検出部と、前記血圧補正情報生成装置と、を備えるものである。
【0148】
開示された血圧補正情報生成方法は、被測定者の手首から脈波を検出する脈波検出部、及び、前記脈波検出部により検出される脈波に基づいて1拍毎又は複数拍毎に血圧情報を算出する血圧情報算出部を有する血圧測定装置が装着された被測定者の手首の動きに応じた情報を出力する動き検出部から出力された前記情報に基づいて、重力方向における前記手首の位置が閾値以上変化した変化期間を検出する手首位置変化期間検出ステップと、前記手首位置変化期間検出ステップにより検出された前記変化期間よりも前に前記血圧情報算出部により算出された第一の血圧情報と、前記変化期間よりも後の第二の期間中に前記血圧情報算出部により算出された第二の血圧情報とに基づいて、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成する血圧補正情報生成ステップと、を備えるものである。
【0149】
開示された血圧補正情報生成プログラムは、被測定者の手首から脈波を検出する脈波検出部、及び、前記脈波検出部により検出される脈波に基づいて1拍毎又は複数拍毎に血圧情報を算出する血圧情報算出部を有する血圧測定装置が装着された被測定者の手首の動きに応じた情報を出力する動き検出部から出力された前記情報に基づいて、重力方向における前記手首の位置が閾値以上変化した変化期間を判定する手首位置変化期間検出ステップと、前記手首位置変化期間検出ステップにより検出された前記変化期間よりも前に前記血圧情報算出部により算出された第一の血圧情報と、前記変化期間よりも後の第二の期間中に前記血圧情報算出部により算出された第二の血圧情報とに基づいて、前記変化期間よりも後に前記血圧情報算出部により算出された血圧情報を補正するための血圧補正情報を生成する血圧補正情報生成ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。