(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに直交して配置された側壁部及び平面部を有するケースにおいて、前記ケースの外部から押圧操作される押圧部を有する押しボタンを、前記側壁部及び前記平面部の内壁面に取り付けるための押しボタン取付構造において、
前記側壁部は、前記押圧部を外部に露出させる開口部を有し、
前記平面部は、前記内壁面に立設された突出部を有し、
前記押しボタンは、
自由端となる一端部に前記押圧部が形成され、前記押圧部の押圧操作の際に弾性変形する第1腕部であって、前記側壁部及び前記平面部の内壁面に取り付けられた取り付け状態において、前記側壁部の内壁面と平行に延び、他端部が前記平面部の内壁面と当接する第1腕部と、
一端部が前記第1腕部の他端部と接続され、自由端となる他端部には前記突出部と嵌合する嵌合穴が形成され、弾性変形する第2腕部であって、前記取り付け状態において、前記平面部の内壁面と平行に延びる第2腕部とを有し、
さらに、前記第2腕部において、前記第2腕部の一端部から前記嵌合穴までの長さは、前記取り付け状態において、前記第2腕部の一端部と前記側壁部の内壁面とが当接し、かつ、前記突出部と嵌合する前記嵌合穴の前記側壁部側の内壁が前記突出部と当接する長さである押しボタン取付構造。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜
図3において、本発明の押しボタン取付構造10は、例えば、小型の電子機器である携帯型録音装置11に使用される。携帯型録音装置11は、ケース12に、操作に用いられる押しボタンが設けられており、押しボタン取付構造10は押しボタンを取り付けるためのものである。押しボタンは、押圧操作されるボタンである。押しボタンとしては、例えば、
図1及び
図2に示す操作ボタン17や、
図2〜
図5に示す電源ボタン22がある。
【0017】
携帯型録音装置11には、音声を入力するための外付けマイク13を取り付けることが可能である。マイク13は、例えば、円柱形状をしており、後端に、携帯型録音装置11と接続されるマイク側コネクタ13aを有する。マイク13が集音した音声信号は、マイク側コネクタ13aから出力される。
【0018】
ケース12は、平面形状が略矩形の直方体形状をしたケースであり、外周面は、対向する上面および下面と、上面および下面と直交する4つの側面で構成される。ケース12は、上側を構成する上ケース12aと、下側を構成する下ケース12bの2部品で構成される。上ケース12aは、特許請求の範囲に記載の「第1ケース」に対応し、下ケース12bは、特許請求の範囲に記載の「第2ケース」に対応する。
【0019】
上ケース12aは、4つの側面のそれぞれの上半分を構成する4つの側壁部14と、上面を構成する1つの平面部15とにより構成されている。側壁部14は、平面部15に対して直交している。下ケース12bは、上ケース12aと同様に、4つの側壁部14と1つの平面部15とにより構成され、側壁部14は、平面部15に対して直交している。下ケース12bにおいては、平面部15は下面を構成する。上ケース12a及び下ケース12bは、それぞれ開口部が形成された有底の箱型をしている。
【0020】
上ケース12a及び下ケース12bは、開口部を互いに対向させた状態で、例えば、ネジ止めされることにより、両者が結合されてケース12が組み立てられる。上ケース12aと下ケース12bを組み立てた状態では、ケース12の側面には、上ケース12aと下ケース12bの境界となる分割線が形成される。
【0021】
ケース12内には、基板16などが収容される。基板16には、操作ボタン17や電源ボタン22などの押しボタンが押圧操作されることにより作動する回路素子であるスイッチなどが設けられる。
図2及び
図9において、符号16aは、スイッチの1つであり、電源ボタン22の押圧操作によって作動するスイッチである。また、基板16には、入力された音声を記録するIC(Integrated Circuit)メモリなどのデータストレージデバイス(図示せず)や、マイク側コネクタ13aが接続される本体側コネクタ(図示せず)なども設けられている。
【0022】
上ケース12aの平面部15には、録音、再生及び音量の調節などの操作を行うために用いられる複数の操作ボタン17と、録音中または再生中などのステータス、録音時間、及び音量などの各種表示を行うインジケータ18とが設けられている。操作ボタン17が押圧操作されると、操作ボタン17に対応するスイッチ(図示せず)が作動して、録音、再生及び音量の調節などが可能となる。
【0023】
上ケース12aの側壁部14の1つには、ICメモリに記録した音声データを再生した音声信号を外部に出力する外部出力端子であるジャック19が設けられている。ジャック19には、ヘッドフォンケーブルなどのケーブルの一端に取り付けられたプラグが接続される。
【0024】
下ケース12bの側壁部14の1つには、音声データを記録するためのメモリーカードを装着可能なスロット20と、記録した音声データを外部に送信するためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタ21とが設けられている。また、下ケース12bの側壁部14の1つには、電源のON/OFFに用いられる電源ボタン22が設けられている。電源ボタン22が押圧操作されると、電源ボタン22に対応するスイッチ16aが作動して、電源のONとOFFとが切り替えられる。
【0025】
上ケース12a及び下ケース12bは、ともにプラスチック材料による樹脂成形品である。このように、1つの平面部15と、平面部15の各辺のそれぞれに直交配置された側壁部14とで構成され、一方に開口部を有する有底の箱形ケースは、凹型のキャビティーを有するキャビティー金型60と、凸形状のコアを有するコア金型61とによって射出成形されるのが一般的である(
図12参照)。
【0026】
以下、押しボタン取付構造10の例として、電源ボタン22を下ケース12bに取り付ける取付構造について説明をする。
【0027】
図2〜
図5に示すように、電源ボタン22は、押圧部28と、L字形状のL形腕部29とを有している。電源ボタン22は、例えば、プラスチック材料による樹脂成形品であり、各部は一体に成形されている。
【0028】
下ケース12bの側壁部14には、電源ボタン22の押圧部28を下ケース12bの外部に露出させるための開口部25が形成されている。開口部25は、押圧部28の外形に応じた形状をしており、本例では、押圧部28が楕円形状であるため、楕円形状をしている。
【0029】
下ケース12bの平面部15の内壁面には、電源ボタン22を取り付けるための突出部26が設けられている。突出部26は、立設されている。突出部26は、例えば、円柱形状をしている。突出部26は、押圧部28の押圧方向と直交する方向に突出している。
【0030】
押圧部28は、開口部25に挿入される。押圧部28の後端には、押圧部28の外周に沿って一段出っ張ったフランジ部30が形成されている。フランジ部30は、外周が開口部25より大きくなるように形成されており、開口部25の外縁部分と当接することにより、押圧部28の挿入方向への移動を規制する。
【0031】
フランジ部30の中央部分には、後方に突出した突起部31が設けられている。突起部31は、スイッチ16a(
図2及び
図9参照)と対向する位置に配置されており、電源ボタン22が押圧操作されることにより、スイッチ16aを押圧して作動させる。
【0032】
L形腕部29は、側壁部14と平面部15のそれぞれの直交配置される2つの内壁面に合わせて、L字形状に形成されており、下ケース12bにおいて、側面を構成する側壁部14及び下面を構成する平面部15のそれぞれの内壁面の交差部付近に取り付けられる。L形腕部29は、互いに直交する第1腕部33と第2腕部34との2つの腕部で構成される。
【0033】
第1腕部33は、自由端となる一端部に、フランジ部30を介して押圧部28が形成されている。側壁部14及び平面部15のそれぞれの内壁面に電源ボタン22が取り付けられた取り付け状態において、第1腕部33は、側壁部14の内壁面と平行に延びて、他端部が平面部15の内壁面と当接する。
【0034】
第1腕部33は、押圧部28の押圧操作の際に弾性変形する。そのため、押圧部28が押圧操作されると、押圧部28が後方に移動され、突起部31によりスイッチ16aが押圧される。また、第1腕部33は、中央部分が長手方向に沿って肉抜きされて、2本の柱状をしている。これにより、第1腕部33は、弾性変形し易くなっている。
【0035】
第2腕部34は、一端部が第1腕部33の他端部と接続されており、自由端となる他端部には、突出部26と嵌合する嵌合穴36が形成されている。嵌合穴36は、第2腕部34の他端を自由端とする切り欠き形状の切り欠き部である。この切り欠き部において、自由端とは反対側にある一端部側の内壁は、突出部26の外形に応じた形状をしており、本例では、突出部26が円柱形状であるため、平面形状が半円形形状をしている。
【0036】
第2腕部34は、嵌合穴36が突出部26と嵌合する際に弾性変形する。詳しくは後述するが、この第2腕部34の弾性変形を利用することにより、電源ボタン22を平面部15の内壁面に容易に取り付けることが可能とされている。また、第2腕部34は、上面及び下面が、長手方向に延びた凹み形状をしている。すなわち、第2腕部34は、中央部分の肉厚が長手方向に沿って薄くなっている。これにより、第2腕部34は、弾性変形し易くなっている。
【0037】
第2腕部34は、取り付け状態において、平面部15の内壁面と平行に延びた状態で配置される。第2腕部34において、側壁部14側の一端部から嵌合穴36までの長さは、第2腕部34の一端部と側壁部14の内壁面とが当接し、かつ、嵌合穴36の側壁部14側の内壁が突出部26の外周面と当接する長さを有している(
図9の長さL参照)。この長さLは、下ケース12bにおける、側壁部14の内壁面からの突出部26の位置に応じて決められる。
【0038】
このような長さLになっているため、電源ボタン22が側壁部14及び平面部15の内壁面に取り付けられた取り付け状態においては、第2腕部34の側壁部14側の一端部と側壁部14の内壁面とが圧接し、嵌合穴36の側壁部14側の内壁と突出部26とが圧接する。これにより、ネジなどの押しボタン取付用の別部材を使用することなく、電源ボタン22が下ケース12bに固定され、かつ、位置決めも行われる。ネジなどの押しボタン取付用の別部材を使用する必要がないので、組み立て作業にかかる手間や部品コストを軽減することができる。
【0039】
次に、電源ボタン22を下ケース12bに取り付ける取り付け手順を説明しながら、押しボタン取付構造10の作用について説明する。
図6に示すように、下ケース12bの側壁部14に設けられた開口部25に、電源ボタン22の押圧部28を挿入させる。
図7に示すように、押圧部28の上面及びフランジ部30が開口部25の外縁部分と当接すると、電源ボタン22の挿入方向への移動が規制される。また、第2腕部34の下面が突出部26の上面と当接すると、電源ボタン22の下方への移動が規制される。この時、第2腕部34の一端部と側壁部14の内壁面とは離間している。
【0040】
図8に示すように、第2腕部34が側壁部14に向けて押圧されると、第2腕部34は、下方への移動が突出部26によって規制されているので、自由端が反り返る方向に弾性変形する。これにより、第2腕部34を側壁部14に向けてさらに押し込むことが可能となる。
【0041】
第2腕部34の一端部から嵌合穴36までの長さLは、取り付け状態において、第2腕部34の側壁部14側の一端部と側壁部14の内壁面とが当接し、かつ、嵌合穴36の側壁部14側の内壁が突出部26と当接する長さを有している。上記の押し込みによって嵌合穴36が突出部26の上方に位置すると、突出部26が嵌合穴36に進入可能となり、第2腕部34の下方への移動に対する突出部26の規制が解除される。このため、第2腕部34は、弾性変形した状態から元の状態に戻りながら下方へ移動して、
図9に示すように、嵌合穴36に突出部26が嵌合される。
【0042】
これにより、電源ボタン22が下ケース12bに固定され、かつ、位置決めも行われる。こうした固定と位置決めには、ネジなどの押しボタン取付用の別部材が不要であるため、下ケース12bへの電源ボタン22の取り付けを容易に行うことができる。その結果、組み立て作業にかかる手間や部品コストを軽減することができる。
【0043】
また、電源ボタン22が下ケース12bに取り付けられた取り付け状態において、電源ボタン22が押圧操作されて、電源ボタン22に外力が働いた場合でも、第2腕部34が側壁部14の内壁面と突出部26の外周面とに当接しているので、電源ボタン22が不用意に脱落することが防止される。
【0044】
また、上記実施形態では、嵌合穴36が切り欠き形状の切り欠き部であるため、例えば、嵌合穴のサイズが突出部26のサイズと同程度で、かつ突出部26と同じように円形形状をしている場合と比較して、取り付けが容易である。というのも、嵌合穴36と突出部26との嵌合は、
図8に示すように、第2腕部34の自由端が反り返る方向に弾性変形した状態から、
図9に示すように、直線的な状態に戻る過程で行われる。このため、嵌合穴と突出部26のサイズ及び形状が同じ場合には、突出部26と嵌合穴が干渉して嵌合がしにくい。本例の嵌合穴36であれば、切り欠き形状とすることにより、穴形状が自由端側に広がっており、突出部26のサイズよりも大きくなっているため、突出部26と嵌合穴36が干渉しないため、取り付けしやすい。
【0045】
また、電源ボタン22において、上記実施形態のような切り欠き形状の嵌合穴36の代わりに、
図10に示す長穴形状の嵌合穴42を設けても良い。嵌合穴42は、第2腕部34の長手方向に延びた長穴である。長穴形状としても、突出部26との嵌合の際に、嵌合穴42内で、突出部26を長手方向の後方へ逃がすためのスペースが確保される。そのため、切り欠き形状とした上記実施形態と同様に、突出部26と嵌合穴42が干渉しないため、電源ボタン22を容易に取り付けることができる。
【0046】
また、本発明の押しボタン取付構造10は、
図2〜
図4に示すように、上ケース12aと下ケース12bとの分割線と重ならない位置に開口部25が形成されている場合に、特に有効である。以下、比較例1と比較しながら、その理由を説明する。
【0047】
[比較例1]
比較例1の押しボタン取付構造は、開口部が形成されている位置が上記実施形態と異なっており、
図11に示すように、上ケース50aと下ケース50bとを組み立てた状態で、上ケース50aと下ケース50bの分割線と重なる位置に開口部51が形成されている。具体的には、上ケース50aの側壁部14の下端には、半円形状をした切り欠き51aが形成されている。下ケース50bの側壁部14の上端には、半円形状をした切り欠き51bが形成されている。下ケース50bと上ケース50aとを組み立てた状態において、各切り欠き51a、51bにより形成された略楕円形状の開口が開口部51である。
【0048】
また、比較例1の押しボタンは、例えば、電源のON/OFFに用いられる電源ボタン52であり、上記実施形態の電源ボタン22とほぼ同様の構成である。すなわち、電源ボタン52は、L形腕部54や押圧部28を有している。
【0049】
L形腕部54は、互いに直交する第1腕部55と第2腕部56との2つの腕部で構成される。第2腕部56は、一端部が第1腕部55の他端部と接続されており、自由端となる他端部には、突出部26と嵌合する嵌合穴57が形成されている。ただし、電源ボタン52の第2腕部56は、弾性変形せず、嵌合穴57は、円形形状をしており、直径が突出部26の直径と略等しい寸法で形成されている点で、電源ボタン22の第2腕部34と相違する。
【0050】
このように、開口部51が上ケース50aと下ケース50bの分割線と重なる位置に形成されている状態では、電源ボタン52を下ケース50bに取り付けてから、上ケース50aを組み立てることができるため、電源ボタン52がどのような態様であっても、簡単に取り付けることができる。
【0051】
例えば、電源ボタン52において、嵌合穴57が形成された第2腕部56が弾性変形しなくとも、電源ボタン52の取り付けに際して、押圧部28の開口部51への挿入と、嵌合穴57と突出部26との嵌合を同時に行うことができる。また、嵌合穴57と突出部26のサイズ及び形状が同一でも、突出部26の軸方向と平行に嵌合穴57を嵌合させることも可能である。というのも、開口部51が分割線と重なる位置に形成されているので、下ケース50bへ電源ボタン52の取り付け後に、上ケース50aを組み立てることができるため、電源ボタン52の取り付け時点においては開口部51を開放した状態にできるからである。
【0052】
これに対して、上記実施形態では、上ケースと下ケースとの分割線と重ならない位置に開口部が形成される場合でも、電源ボタン22の第2腕部34が弾性変形可能であるので、開口部51に押圧部28を挿入した状態でも、電源ボタン22の取り付けが可能である。このように、上記実施形態の押しボタン取付構造10は、上ケースと下ケースの分割線と重ならない位置に開口部51が有る場合に特に有効だと言える。また、嵌合穴も、上記実施形態のように切り欠き形状または長穴にしておけば、第2腕部34を弾性変形させながら突出部26と嵌合させる場合において、干渉が少ないため、有利である。
【0053】
また、下ケース12bがプラスチック材料の樹脂成形品である場合は、射出成型するために、
図12に示すように、凹形状のキャビティーを有するキャビティー金型60と、凸形状のコアを有するコア金型61とが用いられる。キャビティー金型60とコア金型61は、Y方向に移動可能である。コア金型61の底面には、円柱形状の凹部61aが設けられている。周知のように、キャビティー金型60とコア金型61を近接させ、各金型60,61の隙間にプラスチック材料による樹脂を溶融した状態で射出することにより、下ケース12bが射出成形される。成形後、キャビティー金型60とコア金型61を離間させることにより、下ケース12bが各金型60、61から取り出される。これにより、下ケース12bの平面部15の内壁面には、コア金型61の凹部61aに対応する位置に突出部26が一体成形される。
【0054】
[比較例2]
以下、
図13に示すように突出部26が側壁部14に設けられる場合の比較例2と、
図12に示すように突出部26が平面部15に設けられる場合の上記実施形態との比較をする。結論から言えば、以下に説明するように、比較例2と比較して、上記実施形態のように平面部15に突出部26を設ける方が下ケース12bの成形性がよく、かつ、電源ボタン22の固定と位置決めも簡単になる。
【0055】
上記実施形態では、下ケース12bにおいて、平面部15の内壁面に突出部26が設けられているのに対して、比較例2は、側壁部14の内壁面に突出部26が設けられている点が上記実施形態と異なっている。比較例2の場合は、
図13に示すように、Y方向に移動可能なキャビティー金型63及びコア金型64と、Y方向と直交するX方向に移動可能なスライド構造を有するスライド金型65とが用いられる。スライド金型65は、側壁部14の内壁面に突出部26を一体成形するためのものである。
【0056】
側壁部14の内壁面に突出部26を一体成形するためには、キャビティー金型63及びコア金型64に加え、スライド金型65が必要なので、金型構造が複雑であり、仕上がり精度の低下や、歩留まりに悪影響が生じ易く、また金型自体が高価になるという問題がある。これに対して、上記実施形態では、キャビティー金型63及びコア金型64により、平面部15の内壁面に突出部26を一体成形することができるので、上記のような問題は生じず、成形性がよい。
【0057】
さらに、比較例2のように、側壁部14に突出部26が設けられる場合には、突出部26の軸方向が、開口部51への押圧部28の挿入方向と平行になる。そのため、比較例2の場合には、突出部26と電源ボタン22を嵌合させただけでは、電源ボタン22が押圧された場合に、電源ボタン22の位置がずれてしまったり、突出部26からはずれてしまう。そのため、電源ボタン22を固定するために別途の固定部材が必要になる。上記実施形態のように平面部15に突出部26を設ければ、突出部26の軸方向が押圧方向と直交する方向となるため、突出部26が電源ボタン22の固定部材及び位置決め部材として機能する。そのため、電源ボタン22の固定と位置決めが簡単になる。
【0058】
なお、上記実施形態では、電源ボタン22を取り付ける例を説明しているが、電源ボタン22に代えて操作ボタン17を取り付けても良い。また、上記実施形態では、電源ボタン22を下ケース12bに取り付けているが、下ケース12bに代えて、上ケース12aに取り付けても良い。
【0059】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。